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1951-11-06 第12回国会 参議院 建設委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和二十六年十一月六日(火曜日)    午前十時三十五分開会   ―――――――――――――   委員の異動 十一月五日委員上原正吉君辞任につ き、その補欠として島津忠彦君を議長 において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            田中  一君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            平井 太郎君            島津 忠彦君            小林 亦治君            三輪 貞治君            徳川 宗敬君            東   隆君   国務大臣    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    経済安定本部建    設交通局長   小沢久太郎君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君   説明員    労働省職業安定   局失業対策課長  海老塚政治君    建設省道路局長 菊池  明君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○河川、道路、都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (失業対策事業に関する件)  (道路に関する件)   ―――――――――――――
  2. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) それでは只今から建設委員会を開会いたします。  本日はかねて御通知申上げました日程の通りに、本年度の失業対策事業費の八十億円の内容についての調査をいたしたいと思います。その次は緊急失業対策法の十二條によりまする公共事業への失業者の吸収率についての調査をいたしたいと思います。この問題につきましては労働省のほうに資料の提出を求めてあるのでありますが、本日説明に基きまして皆様から御質問がありまして、皆さんから又それぞれ御希望の資料を後刻提出してもらうことにいたしたいと思います。  それでは先ず労働省の失業対策課長の海老塚政治君に説明を求めます。
  3. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 本年度の失業対策事業の実施の状況を御説明いたしたいと思います。本年度の失業対策事業費は七十七億五千万円でございまして、その内訳は労力費、事務費、資材費と三つに分れますが、労力費は約六十七億四千三百万円、事務費及び資材費はそれぞれ五億三百万円となつております。この費用は国が失業対策事業を実施いたしまする地方公共団体に対する補助費として、計上されているのでありまして、労力費及び事務費につきましては国庫補助額の二分の一、資材費につきましては国庫補助額と同額を地方公共団体は負担することになるわけでございまして、義務負担額と合せますと、失業対策事業の実施のための経費は約百十八億七千六百万円になるわけでございます。この経費によりまして救済されます労務者の数は、一日平均十六万七千七百四十八人になつておるわけでございます。この支出状況を一四半期、二四半期、三四半期別に分けて申しますと、第一四半期は十七億三千万円、第二四半期は十六億七千万円、第三四半期は現在までのところ十七億二千万円を国庫補助額として地方に補助いたしている状況でございます。併しながら最近におきます賃金の引上げ等もありますので、第三四半期には更に若干の増額が予定せられておりまするし、第四四半期におきましては残額につきまして失業情勢に応じまして、国庫支出をいたすことにいたしたいと、そういうように考えております。  失業対策事業として実施されております事業は主に道路、河川、荒廃市街地整理、公共空地の整理等でございまして、そのほかには砂防ですとか、環境衛生事業ですとか、そういうのが若干あります。又失業対策事業の事業主体は先ほど申上げましたように、現在のところ地方公共団体になつておりますが、第二四半期の状況によりますと、都道府県は四十六、市は二百三十六、町は二百四十三、村は四十二、合計五百六十七の地方公共団体が事業主体となつているという状況になつております。本年度の予算の実施状況につきまして概略御説明申上げますと以上の通りでございます。
  4. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今のお話の第二四半期は幾らですか。第二四半期第三四半期は……。
  5. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 第二四半期は十六億七千万円、第三四半期は現在までのところ十七億二千万円となつております。
  6. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私は過日東北地方で失業対策事業をやつておる仕事の仕振りを見ましたが、非常にその工程も悪いし、働き工合も惡いのですが、これに対してどういうふうなお考えでしようか。
  7. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 失業対策事業の労務者の作業能率の問題でございますが、失業対策事業は御承知の通り不熟練の労務者を救済するということが主眼になつておりますので、一般の労務者と同程度の能率を期待することは困難だと思います。併しながら多額の国費、地方費を計上いたしまして実施されております事業でありますので、でき得る限りこれら労務者の作業能率を向上いたしまして、失業対策事業の事業効果を上げるようにいたしたいというふうに政府といたしましては考えまして、このために今までも労働省及び地方公共団体は非常な努力を払つているわけであります。で具体的の方法といたしましては、監督者の増員を図りまして、監督を十分に行うようにする。それから賃金につきましても、今までは一律支給というようなことをやつているところが多かつたのですが、作業の内容、或いは本人の働き振り等によりまする能率的な賃金制に切換えるというようなことを実施する。こういうようなことで、作業能率の向上につきましてはいろいろと努力いたして来たわけでございます。で失業対策事業が実施されましたのは、昭和二十五年からだつたと思いますが、当時は失業状況も徐々に深刻になり、又労務者も甚だしく不慣れでありました。且つ一部政党の煽動等もありまして、そのためにサボを行うというようなことがありまして、著しく世人の顰蹙を買つたような事実が多かつたのでございますが、その後労務者も仕事に慣れて参りまするし、作業を実施する事業主体も作業能率の向上ということにつきましては、特に力を入れてやるというようになりましたので、御視察になりました所はどこであるか承知いたさないのでございますが、作業能率の向上ということにつきましては、徐々に向上して来ている。地域によりましては相当の効果を挙げているというような所もあるのでございますが、更に御指摘のような地域につきましては、この点につきまして努力をして作業能率の向上を図りたいというふうに考えております。
  8. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 本年度のこの失業対策事業におきまして先ほどおつしやつたサボの誘導、そういう悪質の作業のあつたような例がありますか。あればどの地方にあつたか、それを知りたい。それからよし自分はサボをしなくてもやはりほかの労働者に自分がサボの意思を以てほかの一般の失業以外の労働者にも惡い感化を与えておるというふうな事実があつたかないか。あつたらそれをお示し願いたい。それから能率の上るためにいろいろの賃金に等差をつけてお渡しになつておる、それを承わりましたが、或いは仕事面を切割してそのために事業を小間割制にする、そういうふうなことをしておられる場所があるかないか、それも知りたい。それから失業者は今までどれほど就職を希望しておつて、これに対してこの金でどれほどの失業者を助けておられるか、それを承わりたい。
  9. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 第一点の惡質サボの実例につきましては、今年度につきましては割合とその例が少いように考えております。具体的にどこの地域ということを只今お示しすることができません。併し昨年度或いは一昨年度におきましては例えば埼玉県の川口或いは川越等におきまして、今まで非常に勤勉に働いておりましたのに、不良と申しますか、或いはそういう意図を持つて入つて来ました労務者が失業対策事業は政府が首切つた者を救済するのだから働く必要はないのだ、働かなくても賃金をくれるのは当然だというような煽動をいたしまして、そのために作業能率が全くゼロに近くなつてしまつたというような例が昨年度にはありましたし、又一昨年度東京都で失業対策事業をやりました当時は、殊に共産党系の労務者諸君は今申上げましたような事柄を真向から宣伝いたしましたために、東京都全体の日雇労働者の作業能率が惡くなつたような例が具体的にはあります。併し本年度につきましては、小規模のそういうような例は或いはあるのかも知れませんが、労働省に大きな事件としまして、サボ行為の実例はまだ報告になつていないと思いますけれども、更に調べまして御報告申上げたいと思つております。それから第二点の小間割制のことだと思いますが、失業対策事業は、実はいろいろの関係がありまして、八時間制でやつております。併し作業の内容によりましては、仕事請負小間割制でやらなければならないような事柄もあると思いますが、そういうのは極めて例外的にしか認めなかつたのであります。殊に労務者のほうから小間割制をやつてもらいたいという要望がやはり一昨年当時非常にありまして、理窟の上から申しますと却つて小間割制で能率が上るというふうに考えられるのでございますが、実際問題となりますと、どれだけの作業をやつて正規の賃金をもらうかという点が問題になりまして、それが日雇攻勢の、むしろ争点になるというような虞れもありますので、実は労働省としては今まで小間割制というものを全面的には認めておりません。併し、決してこれは排斥すべき理由もないので、試験的にやつて見ろというので、若干の県でやらして見ております。例えば長野県におきましては、砂利採取につきまして、小間割制をやつたのでございますが、これは労働者の要求もありますし、県のほうでも積極的になりまして、小間割制をやつて見たのでございますが、やはりその模準量をもつと減らせというような攻勢が非常に強くつて、半年ぐらいやつておりましたけれども、最近では取りやめた。又横浜でも小間割制をやつて見たのですが、結局きめまする標準量が著しく低いために、十二時か一時頃になると仕事が終つて帰つてしまうというようなことが起りまして、却つてそのために、どうも失業救済の人夫がろくに仕事もしないでとつとと帰つてしまうというような非難も出て来ておりますので、小間割制の採用につきましてはうまく運営できれば結構なんでございますが、そういうような例もありますので、研究はモデル的に実施はさしておりますが、全面的にまだ採用するというまでは至つていないのが現状でございます。最後は何でしたか。
  10. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 最後に、どれほどの失業者を今までお使いになつたか。
  11. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 七十七億五千万円ですと、大体十六万七千人の労務者が救済されることになるわけでございますが、現在までは賃金の引上げの問題等もありますので、本年度の予算では或いは十五万人内外が一日平均救済される結果になるのではないだろうかというふうに推測いたしております。
  12. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 この失業者をお使いになる場所は、都市の近くとか、特に失業者の多い場所とか何とか限定されているのですか。
  13. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 先ほども事業主体の数を申上げたのでございますが、失業対策事業は、失業者が非常に一定の地域に殖えまして、そのためにその地域に社会的不安が起るというような虞れがあります場合に失業対策事業を実施するという建前になつておりますので、自然大量失業者が発生いたしまする地域、主に市の地域に実施されるようなことになつておるわけでございますが、最近におきましては、農村地域等におきましても経済情勢の変化によりまして、失業状態が深刻になつて来る地域もありますので、最近に至りましては、町村等におきましても相当数失業対策事業が実施されておる現状でございます。
  14. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 先に労働時間は八時間制とおつしやいましたが、この中には……、八時間労働をするのですか、やはり休憩時間も加えて八時間になるのですか。
  15. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 休憩時間を除きまして八時間であります。
  16. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 これはそういたしますと、まあ普通の労働者のように働かなくても、我々がはたで見ていても、相当に働くべきはずなんでありますが、ほうぼうの失業者の仕事振りを見ておりますと、言い方が少しきついかも知れませんが、むしろ働いていない時間のほうが多いというふうなところもほうぼうあります。あの監督は一体公共事業といいますと各団体で監督しているのでありますか。誰が一体失業者の仕事振りを監督するのでありますか。
  17. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 失業対策事業の事業主体は国の補助を受けまして、府県、市町村が実施することになりまして、事業自体は市町村、府県の事業ということになつております。従つて監督も事業主体である府県、市町村が実施することになつております。
  18. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 市町村で監督するということになりますと、これはなかなか失業者を十分監督して仕事をさせがたいと思います。実際問題は……。又市町村にそれほど技術に堪能な人もいませんし、実際先ほどのお話の小間割制も、仮に砂利採取に対しましも、採取したらどれほどになるかということははつきりわからん人もありましようし、又土地の掘鑿にしてもやはり同じことです。つまり監督者に十分な目のきく人がないから失業者に適当な賃金をあらかじめきめることができないわけです。従つて同じ失業者の中でも特に働く人ばかりを寄せて、そういう人ばかりの団体を作つて小間割制を作るならば、いろいろ能率も上るし又適当な金も払える、却つて時間も八時間一ぱいやつて相当金も上るということになると思う。こういうふうな小間割制にした場合に、或る一定以上の金は与えてはいけないというような規定になつておるものでしようか、どうでしようか。
  19. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 失業対策事業の賃金の建前といたしましては、緊急失業対策法によりまして、他の労働者が同一の仕事をした場合の一割乃至二割低くなければならないという定めがございますので、その規定に従つて失業対策事業の賃金も支払われるわけでございます。小間割いたしました場合に、先ほど申しましたように非常に早い時間に帰つてしまうという点でございますが、この点は実はまあもつとたくさん、基準量の定め方によつて非常に多額の賃金を払うということになりますと、そのために五人救済できるところが三人しか救済できないというようなことにもなりますので、その点からもおのずから制約されるということがその原因だろうと思います。
  20. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) 石川君、それから三輪君に申上げますが、今失業対策事業につきまして調査をいたしております。労働省から海老塚失業対策課長が来ております。
  21. 東隆

    ○東隆君 失業対策のいろいろな土木関係の仕事をやつておるのを見ておりますと、砂利を運んだりなんかいろいろな場合に、当然、相当馬であるとか或いはもう少しトラックなんかを使つたほうが非常に能率が上るようなところを、無理をして人手間を使うような、そういうやり方をやつておりますが、これは私は失業救済という本来の目的に忠実になるためだとは考えますけれども、併しそれは仕事のたくさんあるところと、ないところとはおのずから変えなければならんと思うのですが、そういう点はどんなふうなことになつておりますか。私は北海道なんですが、北海道には非常に仕事がたくさんありまして、そうしてできるだけ少い金で以て大きな仕事をやつたほうが、これが失業対策となるし、立派なものになると、こう思うのでございますが、そういう点はどんなふうに考えられておりますか。
  22. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 私も失業対策事業の現場を見まして、そういうような感じをときどき抱くのでございますが、実は失業対策事業の目的が御指摘の通り失業者の救済ということになつております関係から、失業対策事業の予算内容も、労力費、事務費、資材費に分かれているとは言え、労力費が大部分を占めております。一人当りの單価で申しますと、労力費が二百円六十銭に対しまして事務費は十五円、資材費は二十円、まあそんなような割合になつておりまして、公共事業の場合に、労力費とその他の経費が大体五割五割となつております場合と、かなり労力費が高率を占めておる場合があります。そういうような予算の内容になつております関係から、そういうような機械、或いは運搬等の使用が必ずしも十分でないという遺憾があるのはお説の通りだと思います。実は昨年度までは只今の失業対策事業の予算のうち、資材費の補助はなかつたのでございますが、それでは余りひどいというので、本年度から少額ではございますが、資材費の補助を見たような次第なのでございます。失業対策事業と、公共事業と並んでおります関係から、失業対策事業は失業者の救済ということが主眼になつております関係から、只今御指摘のような点につきましては必ずしも十分な予算の計上がなされていないという点は御指摘の通りだと思つております。
  23. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今お話の資材費の中には例えて申しますと、機械、器具、そういうものは含んでおらないのですか。
  24. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 資材費でなくて、まあシャベルとか、もつことか、そういうものは資材費でなくて、事務費の中にそれが含まれておるわけです。ところが事務費も只今御説明いたしましたように極めて少額なものですから、トラックとか、そういう多額の経費を要するものには必ずしも十分支出できないということになつておるわけでございます。
  25. 小林亦治

    ○小林亦治君 失業対策予算によつて救済せられておる労務者の数が毎月平均十六万七千人ということを伺つたのですが、本省のほうではこの失業者の総計をどのくらいに御覽になつておるか、この統計上のことを伺いたいのですが、できれば予想せらるる潜在失業者の数といつたものを伺いたい、それが第一点、それから先ほど課長の御説明によりますと、特殊政党員云々ということがありましたが、私もこれは関心を持つておるのでありますが、救済せられる者の資格は、職を失つた者という中で、何かその枠の中でかようなものは救済しないといつたような欠格條項があるかどうかということが第二点。三番目は、最近某方面から聞いた特殊政党員、つまり共産党員なんです。相当数地方によつては自由労働者といつたような形で安定所の門を潜つて現場に現われておるようです。そこで極く少数しか混つていないという時代ならば格別何でありますが、二十名、三十名、場合によつてはその現場に収容せられておる労務者の殆んど大半がいわゆる赤労務者だということが私の地方にもある。具体的なことは申上げんでもよろしかろうと思うのですが、そういうものに対してどういう行政的な手当をしておられるか。だんだん国内の状態が変化して参りますと、そういう点にも深い考慮を払わなければならないと思うのですが、それに関しても本省ではどういうお考えを持つておられるか、簡單に伺いたい。
  26. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 第一点の失業数でございますが、これにつきましてはまあいろいろ統計がございますので、それをちよつと申上げますと、内閣統計局の労働力調査によります失業者の数は、これは非常に少くて八月が三十五万人というふうになつております。ただここに言う失業者は、調査前一週間の間に何ら一時間も収入を目的とした仕事に就かず、且つ就職運動もしなかつたものという非常に狭い定義でございますので、いわゆる失業者の数がこれほど少いというわけには参りませんが、そういう定義の下におきまして三十五万人という僅かな数になつております。それから全国四百十六カ所ございます公共職業安定所に求職申込をしておりまするものの数を御参考に申上げますと、常傭の仕事に就きたいというものの数でございますが、これは八月が八十八万人となつております。それから日雇の仕事に就きたいというものは八月が三十七万八千人ということになつておりますので、まあこれ以外にも安定所に来ないでも失業者というものは勿論おりますし、又安定所に参つております者の中でも転職希望者もおりますけれども、いわゆる失業者の数は只今申上げました約百万内外の数字よりも更に多いのではないかというふうに考えられるわけでございます。  次に失業対策事業に就労いたします資格要件につきまして御説明いたしますと、失業対策事業に就労し得るものは失業者であることは先ず第一要件でございますが、現在のところ失業者であつて、且つ家計の主たる担当者でなければならないということになつております。それから欠格要件といたしましては、先ほど御質問がございましたような作業現場の秩序を乱るものでありますとか、作業現場で監督者の指示に従わないものでありますとか、そういうようなその現場で監督者の指示に従つて適正に働かないもの、まあいわゆる不良就労者、作業時間中にサボをやりましたり、或いはアジ演説をやりましたり、監督者の許可を得ないで現場を離れましたり、その他作業監督者の指示に従わない、こういうような労働者は、それ以後におきましては安定所で失業対策事業に紹介しない、失業対策事業から就労を排除するという手段をとつております。実際にもこの要件に従いまして不良労務者の失業対策事業への排除は相当徹底いたしておるわけでございます。最後の赤色系統の労務者に対する措置につきましては、法律上は特別に本人の思想、信條その他によつて安定所の職業紹介その他につきまして差別するわけには勿論参らないわけでございますが、只今申しましたように失業対策事業につきましては具体的に作業現場の秩序を乱りましたり、その他のアジ宣伝等をやりまして労働者の就労規則に反しますものは排除をいたすというように、実際の行動によりまして失業対策事業から排除するようにいたしておるわけでございます。
  27. 石川榮一

    ○石川榮一君 失業者が非常に殖えて参りますことは誠に遺憾千万でありますが、この失業対策事業といたしまして実施いたします工事現場等をときどき見ることがあるのでありますが、どうも失業対策事業の仕事というものは、先ほどもお話のように失業者救済にあるのだという建前をとつているのは勿論でありますが、これがその仕事に携わる失業者自体の感じもやはりこれは救済事業なんであるからして時間だけ何とか過ごせば金がもらえる。いわゆる安易なつもりで現場に携わりまして、ただ一日の報酬を得んがために時間を潰すというようないわゆるだらけた感じがあると見えまして、中には殆んど仕事らしい仕事をしないで済ませようとする人が相当あるように見えるのであります。そういうふうになりますとこの失業救済事業そのものはむしろその失業者として現場に仕事をする人たちの個性を破る、いわゆる怠惰な性格を培養するようなことにもなるのではないかというように心配するのであります。大体におきまして失業事業としてやります工事は殆んどその工事能率は遅々たるものがありまして、誠に能率的でないということは一般に言われているのであります。これは何とか打開いたしまして、この失業者群をして本気にその現場において仕事をしようというようないわゆる一つの報奬制度と言いますか、賞罰を明らかにすると言いますか、とにかくこの失業者の人たちを工事現場においてその能力を十分に発揮しよう、この国家の事業に対してでき得る限り自分らもその報酬に当てはまるだけの仕事をして上げたいというような感じを起させるための基本的な何か方策をお立てなさる必要があるのではないか。ただ漫然金を支出して、そうしてこれは救済事業であるからという考え方から監督者も見、又これに携わる失業者もそういう感じでやつておるということはどうも、金をくれるのはさまで我々は非難するのではありませんが、その仕事のしつぷりが怠惰におちる。要するにその日暮しをすればよろしいというような感じを培養することが非常に危険である。これはますますその失業者をして長い失業の時間を与えることになるのでありまして、職を得られないということになるのではないかと思うのであります。これらに対しまして労働省におかれましては、こういう方面における何かお考えでもお持ちになつて、これを実施をするようなことでもありましたらば、お聞かせ願いたい。
  28. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) その点につきましては、先ほど赤木委員からも御指摘がございましたのですが、労働省といたしましては、作業監督を徹底的にすること、それから賃金に格差をつけること、それから作業の段取りと準備を事前に十分すること、それから紹介方法につきましても同一現場に成るべく継続的に紹介するようにすることというようなことで、一昨年以来大いに地方公共団体と協力いたしまして、作業能率の向上に力をいたして来たのであります。御視察の地域におきまして作業能率が上つてないというお話でございますが、全般的に労働省その他のほうで視察いたしました結果におきましては、中以下の都市におきましては相当この失業対策事業が最近におきましては、作業能率を向上いたしまして、かなり立派な事業を完成いたしておるような状況になつております。問題は、非常にたくさん失業対策事業を実施いたしておる大都市等におきまして、必ずしも作業監督、或いは事業自体が適当でないというようなことのために、そういう点が見受けられるのでございますが、例えば大都市におきましても、東京都におきましては、特別にマル選現場と申しておりますが、特別選定現場と申しまして、そういうところに対しては仕事も立派な仕事を選びまして、資材も重点的にそこへ注ぎ込みまして、作業監督も厳重にいたしまして、只今失業対策事業でも、こういうような事業が立派にできるのだ、労務者もこういうように働いているのだというモデル現場を三十カ所ばかり選定いたしまして、失業対策事業の只今御指摘のような欠陥を是正するように努力いたしておるのでございまして、一しきりみたいに思想的にも、社会的にも不安な時代から、最近におきますように、やや安定に至つております経済情勢をも併せまして、失業対策事業もだんだんと効果的に事業ができますように、又労務者も一生懸命に働くような態勢になりますように努力しておる現状でございます。
  29. 石川榮一

    ○石川榮一君 大体御説明で折角の御苦心のありますところはよくわかりました。それに加えまして、これらの失業者の中から特に精励恪勤の模範的な人に対しては、その現場における直接監督、或いは他の適当な職を奮発して与えるというようなことも、その構想の中にお入れ下さることはどんなものでありましようか、伺います。
  30. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) その点につきましては、すでに東京都では非常によく働きます者につきまして、表彰状、表彰金一封という表彰制度を設けまして、表彰いたしております。又これを常傭に切換えることにつきましては、これは各地でももうすでに実施いたしておりますが、御指摘のように非常に結構なことでございますので、更に一歩を進めまして、制度化いたすようにいたしたいと思います。東京都でも実はこの前の都議会で常傭に就職いたします者に対しましては、就職後賃金をもらいますまでちよつと期間がございますので、就職資金と申しますか五千円程度でございますがを貸与いたしまして常傭への転換を獎励する制度を設けました。高知県の高知市でもそれと同様の制度を設けているようになつておりますが、その他の地域ではそういうような制度を設けるようにこちらでも勧獎している次第でありますが、又表彰制度につきましては長岡市、或いは熊本県の熊本市その他におきましても優良労務者の表彰等を実施いたしております上、又実施を計画いたしておるような県もございますが、これらにつきましても常傭への転換の一つの踏台といたしまして各県に周知いたしておるような次第でございます。
  31. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 大体失業対策でやる仕事は建設省、それから安本の公共事業の関係のほうとの仕事の性質上連繋が非常に大切だと思うのです。現在建設省、安本等と労働省の失業対策のほうの連絡はうまく行つておりますか。どういう機関がありますか。
  32. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 実は失業対策事業の事業種目の決定は緊急失業対策法によりまして、経済安定本部が労働省に提示することになつております。ですから労働省に失業対策事業でやつて欲しいという事業種目は安本を通じまして建設省、その他の省から提示された事業種目が選ばれることになつておりますので、まあ形式的にはそういう連絡をとつておりますが、実際にも労働省の事務官と安定本部のほうの事務官と連絡をいたしておりまして、四半期、その他随時安定本部を通じまして公共事業の実施の担当官庁と連絡をとりまして、その間の齟齬がないように取計らつておる次第であります。
  33. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 このことを私が尋ねますのはきつきちよつと石川さんからもお触れになりましたけれども、日本の失業対策事業というものが非常に何と申しますか消極的な、その目前の失業者を救うのだという考え方にとらわれているように考えられるわけです。これと非常に規模が違うのでありますけれども、曾つてアメリカが一九二九年から三二年でありましたか、に行いました、かのニユー・デイル政策にも非常に大きくこの失業の対策事業の面が取入れられておるように考える。ところがこのニユー・デイルにおける失業対策というものは非常に規模が大でありまして、第一次世界大戰で非常に軍需生産が拡張をして、それが平和になつてそのはけ口がなくなつた。そこで非常に国内に滯貨ができて、輸出貿易等に支障が来て、その国内の有効需要を高めなければならぬというようなことから、貿易関係とも、或いはこの公共事業の関係とも非常に深い密接な関連の下に、非常に積極的な国土の開発という意味における、或いは経済の苦境を打開するという大きな意味における失業対策というものが行われたように思うのです。そこで私は日本の失業対策についてもう終戰以来ずつとやつていらつしやるのですから、ぼつぼつそういつたような大きな国土の開発というものとの関連における大きな計画が失業対策の上に立てられなければならない。あたかもこの失業対策の仕事を見てみますと、仕事を与えるために、やらぬでもいいような仕事をほじくり返して又やるというような感じがするわけです。電車道の修理等を見ておりましても何か仕事をやるために仕事をやつているという感じがすると思うのです。そういう意味においてもう一段飛躍した大きな立場に立つ失業対策の考え方をこの際進める必要があるのじやないか。段階に来ておるのじやないか。日本の経済の状況も講和を一つの契機といたしまして非常に大きな難関に突入するわけでありまするから、それをば打開して国内の有効需要を増すという大きな面もありますし、又年々歳々非常に戰前戰後の国土の荒廃によりまして、災害等も非常に殖えておるわけであつて、その面を恒久的に立て直して行くという大きな面との繋がりも必要になつて来る。そういう意味において失業対策事業を大きく利用する意味において何かそういう関係各省とも建設、安本だけでなしに、大蔵農林、その他の各省との間における総合的な失業対策と申しますか計画、そういうものに対しての御計画というようなものが進められておるかどうか、その点一つお聞きしたい。これは労働省にお聞きするのは筋が違うかも知れませんが……。
  34. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 実はその点につきましては終戰後しばしば問題にもなりましたし、又事務当局の間ではそれぞれ腹案を持ちまして打合せ等も行なつたのでございますが、未だ実現に至らずして今日のような失業対策事業というような形に終つてしまつている点は甚だ遺憾な点も多いのではないだろうかと思つております。幸い最近国土開発の総合計画が作られるという機運になつて参つてもおりますので、労働省といたしましても、そのうちの一環として失業対策事業がどういうふうに運営されて行くか、或いは計画されて行くかということにつきましては、更にそういうようなことを織込んで考えるようにいたしたいというふうに考えておりますが、今までのところは実現されないで現在のような状況になつておるわけでございます。
  35. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) それでは失業対策事業の問題につきましては委員会といたしまして府県市別の失業対策費、二十六年度において都道府県市別の失業対策費、それから公共事業の事業別、つまり河川、港湾、道路等の事業種別吸収率及び吸収人員についての資料を提出を願います。そのほか委員各位におきまして何か希望する資料がありましたならば後ほど御請求せられたいと思います。
  36. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 二十六年度はまだ各期別が、第一四半期と第二四半期の合計額が……。
  37. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) それで結構です。  建設大臣が見えるそうですから、次の調査に移ります。次の調査は道路につきまして道路の財源に関連いたしました問題、それから近来高速度道路計画があるように聞いておりますが、これに対する問題、道路の財源の問題につきましてはガソリン税を目的税として道路事業に投入しようという計画もあるようでありますが、こういうことにつきまして建設省はどういう考えを持つておられますかということも聞いて見たいと思います。そのほか各委員から御質問があると思いますから一応そういう問題につきまして……。
  38. 田中一

    ○田中一君 今委員長が提案された調査のほかですけれども伺いたい。道路法の第三十一條に基く道路工事執行方法の省令、道路工事執行令が出ておりますが、このうちの第十一條にこういうことがある。「三分二ヲ下ラサル最低価格ノ入札ヲ為シタル者ヲ以テ落札人トス」入札制度の金額の制限、落札額の制限があるのです。これは曾つては入札業者の保護法であつたかもわかりませんが、今日では、昨年の九月十三日の中央建設業審議会において、建設工事の入札制度の合理化対策についてという答申書を出したのであります。この答申書に基いて、建設省では各地方の自治団体に向つて入札制度の合理化、それから入札契約約款、工事契約約款、そういうものの通牒を出しております。その中で合理化対策については、第五の規定において、落札価格の制限、この項目にこういうことを通牒を出しているのです。「現在における入札ダンピング状況に鑑みるとき建設工事の適正な施行を確保すると共に建設業全般の健全な発達を図るためには暫定対策として落札価格の制限をなすことは不可欠であると考えられる。よつて左のごとき方法によることが適当である。入札価格が発注者の定めた予定価格について一定率未満の価格(例えば予定価格から固定費と利潤を減じた額未満の価格)の場合はその入札は採用しないものとする。但しその入札者の提出する見積内訳書を審査して、入札価格め算定が正当な理由に基くと認められる場合はこれを採用することができる。」こうなつているのです。
  39. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) ちよつと発言中ですが、今の調査を始めまして、それからその次にその問題について一つ提議をして頂きたいと思いますから題目だけおつしやつて頂きますれば……。
  40. 田中一

    ○田中一君 ちよつと大切なものですから……。
  41. 菊池明

    ○説明員(菊池明君) その問題は道路工事執行令なんですけれども、只今建設業課というものがございまして、請負制度のことを研究している課がございますので、又管理局長が来ているときに一つお聞きして頂きたいと思いますが、道路工事執行令ですけれども、今はそれによつて河川もいろいろなものもやつておりますので、その法律によつて、それで管理局のほうで所管して全体の工事施行はやつておりますから……。
  42. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) ではこの次に一つそれを進めますから……。  それでは只今の調査事項につきまして建設省のほうから一つ御意見を拜聽いたしたいと思います。ガソリン税の問題、高速度道路計画の問題について伺います。
  43. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) ガソリン税を目的税にいたしまして、ガソリン税から上る収入を持ちまして、道路の建設或いは道路の改修等に当つてはどうかという、こういう御意見でありまして、趣旨といたしましては我々も同感で賛成をいたすのであります。従つてこの問題につきましては、ただ建設省だけで解決はできませんので、大蔵省ともいろいろと目下連絡をいたしまして検討中に属するのであります。外国でも特にアメリカあたりではこれが発達をいたしまして、アメリカではガソリン税を道路の建設改良に当てたということが、アメリカの道路をよくした一つの大きな動機となつているということを聞いておりますので、強く我々としては要望しておるのでありますが、併しながらガソリン税をどの程度にするか、又将来ガソリン税がどの程度ずつと継続して入つて来るかということと、只今要望されております道路に対するいろいろな建設計画その他と比べますと、大蔵省のあの意見では却つて縛られるようになりはしないかというような意見も出ておるのであります。こういうような点もよく併せ考えまして、我々としては少くともガソリン税で入つて来るくらいのものは必ず道路に廻してもらうような考え方を打ち立てたい。若し道路関係でもつと金が要るというような場合には、もつと殖やして頂くけれども、差詰めのところはそれだけのものは確保したいという心組みで参りたいというのが実情であります。  高速度道路と申しますか、モーター・ウエイ、フーリー・ウエイという自動車道路の問題でありますが、これにつきましては、目下私どものほうでも研究いたしております案といたしましては、いろいろと考えられ、又、その自動車道路を作る範囲でありますが、これも全国的にいろいろ考えられるのであります。併しながら具体的にかなり綿密に計画を立てておりますのは、東京と神戸との間の自動車道路でありまして、その内容につきましては、あとで道路局長から詳しく申上げたいと思います。最近において東海道方面の交通が非常に殖えまして、現在の道路によりましては、十分輸送し切るというわけに行きません。なお今後日本の経済の発達に伴いまして、ますますこの間の輸送量というものは殖えて参りますので、それに対処するために自動車道路を作りたいというふうに考えております。外国におきましても、特にドイツあたりにおきましては、例のヒツトラーの作りましたアウトバーンが終戰後における国民の経済の復興を助ける最大の要素である、こう言われておるのでありまして、自動車道路の持つ任務というものは、国民経済において極めて重大なのでありまして、我が国もできるだけ早い機会にこれを実現したい、こういう考えを持ちまして、今計画を進めております、極くあらましを申上げますと、東京と神戸の間に長さが約五百二十七キロぐらいでありまして、建設費が一千一百四十一億円でしたか、それが概数でありますが、一千一百四十一億円ぐらいかかるのであります。約五時間ぐらいでこの間を行けるようにしたい、こういう考えであります。なおこれを建設する一千一百四十一億の金はどうして調達するか、ということにつきましては目下検討中でありまして、全額財政支出によるか、或いは外資の導入によるかというような点で考究いたしておりますが、でき得れば日本の財政の現況に照しまして、外国から資本を導入し得るものならば導入したいというふうに考えております。若しそういうことを考えますと、その事業に当たる形体でありますが、いわゆるパブリツク・コーポレーシヨン、ガバメント・コーポレーシヨンみたいなものを作つたほうがいいのではないか、全額政府出資のそういう機関を作つて行つたらどうかという考えもあるのでありまして、最近のアメリカの状況を見ますと、アメリカの政府資金を我が国に導入するためには、政府みずから仕事をするか、或いは政府的な機関がこれをするとい場合でないと、なかなかむずかしいように聞いておるのでありまして、それに対処する受入態勢としては、パブリツク・コーポレーシヨン、ガバメント・コーポレーシヨンみたいなものがいいのではないかと考えております。なおこういう計画を発表しますと、いついつから着手するのだという話を聞くのでありますが、一千億余も投ずる大事業でありますので、できるだけ綿密に調査をいたしまして、これが一番いいという最後の案をきめまして、それがきまりましたら、それに対する実施の計画を詳細に立て、施行はできるだけ短期間にやりたい、まあこういう構想でやつておる次第であります。
  44. 菊池明

    ○説明員(菊池明君) それでは補足的に御説明申上げます。延長は只今大臣から言われたように五百二十七キロというふうになつております。それはその掛けてあります図面のような計画でありまして、この計画につきましては、まだ今後検討する必要もあるかと思いまするが、只今案として試案を練りましたものは、東京から神奈川県御殿場の所を抜けまして、それから現在の東海道の山川を伝いまして、そうして名古屋から岐阜県のほうに入りまして、米原の南のほうから滋賀県に入りまして、それから草津、大津の所でトンネルで京都府に拔けまして、宇治の所を通つてここで淀川を越えまして、それから高槻の辺を通つて大阪の北部を抜けて、西宮から神戸に着く。この線について検討を進めております。この線につきましてはもう私どもとしましては、十年以上も前からしばしば問題になりましたので、相当練つては参りましたが、まだ精密なる測量までは至つておりませんので、今後検討いたしまして、更に本当の経過地はきめなければなりません。この構造をどういうものにするかということですが、お手許に差上げました第三頁に書いてありますが、大体構造をきめますのに車の速度を予定いたします。それで大体日本は御承知の通り山国でございまして、狭い所を参りますので、そう早くは行けませんが、大体一時間平均百キロというスピード、B区間としてあります。いい所はA区間、これは非常に平坦部で直線的に走り得る所で、最高百二十キロ。それから山間部に参りますればそれを七十キロに落す。これ以下では走れないというふうなことに将来はなると思います。平均百キロ、最高百二十キロ、最低七十キロ、こういう標準でいろいろの構造を設計いたしております。幅は、標準断面といたしましては、次の頁に概要を書いてありまするが、総幅が二十二メーター。車道としまして往復おのおの七メーター。追抜きの線を考えまして七メーターで一つの方向に向う。それから中央の三メーターの分離帶で両車線を分離するようにしてあります。両側に二メーター五十の路肩と書いてございますが、これは駐車等をしますときの余裕に二メーター五十をとつたのであります。合計二十二メーター。ところが非常に狭い所もございますので、橋梁とかトンネルとかそういう所に参りますと、これは相当落ちます。それからもう一つ、その次の図面は、当初からこういう二十二メーターというふうな広い断面にいたし得ない、経費等の関係或いは工程の順序等を考えますと、当分はもう少し狭くしていいのではないかという部面もございましようと思いまして、次の図の幅十五メーターというものを考えまして、これは将来二十二メーターになり得るように一応十五メーターという部分を置きます。それは三メーター五十という標準の車道で、その間に三メーターというものを置きまして、両方の行き違いをここでやろう。路肩はやはり二メーター五十をとりまして、合計十五メーター。これで当分間に合う部分がある。割合交通量も少い所ではこういうものでやつたらいいのじやないかというので、こういう十五メーター分も考えております。それから半径、勾配等は、只今申しました百二十キロ、百キロ、七十キロという速度に応じまして、それに適当なような半径を理論上きめまして、A区間では五百七十メーター、B区間では三百五十メーター、C区間では百六十メーターというふうに最小半径を規制いたします。それから縦の勾配は、A区間では二%、これは五十分の一、それからB区間では五%、これは二十分の一と申します。一番急な区間でも六%、十六、七分の一というようなものを最低勾配といたしまして七十キロのスピードが確保できるようにいたそうと思います。それからこの道路の最も特徴は、次の交叉点、接続路の問題で、どこからでも他の交通が入りますると高速度では勿論走れませんので、鉄道及び他の道路とは全然平面交叉はしない。約二、三十キロごとにこれに入つて来ます、或いはこれから出て行きます連絡のできるような接続路を作りまして、それ以外では出入できないようにするということにいたします。そのためにおおむね盛土を三―四メーターいたしまして、交叉路以外はすべて立体交叉をいたしますよう計画いたします。これが普通の道路とは非常に違つておるのでございまして、経費を多く要するのも、主としてこういう土工が非常に大きくなるという点でございます。これに入れる所は二、三十キロごとに、或いは大都市の入口等、或いは他の重要な幹線に接続する附近にのみ作りますので、やや鉄道に似たような道路になるわけでございます。  それから先ほど大臣から申しました千百四十一億と申したのは、全体も広い幅で施工いたします場合の工事でありまして、当初初めからそれほどのものはできないかも知れないというので、一期二期に分けまして一期計画は、交通量を睨み合せまして幅をきめまして、それを八百六億七千二百万円という経費で一応は通れるようにする、例えば静岡から名古屋附近までは今の狭い幅で行くというようなことを考えまして、これを完成しようという案が一期計画でありまするが、それが六頁に書いてあります。  その前に、先ほどのABCという速度の分け方を六頁の下のほうを御覧願いますと掲げてございます。例えば多摩川から厚木までは百二十キロで走れるようにする。こういうふうに各区間に分けまして模準のスピードと区間の分け方をしております。これに要します工事費、資材の只今の單価での見積を一応挙げてございますが、第一期工事としてやります工事費は、ここにありまするように八百六億七千二百万円、それから鋼材が二十二万六千トン、セメントが六十九万五千トン、アスフアルトが一万七千トン、木材三百三十三万三千石、砂利が四百四十一万立方メーター、砂が百四十二万立方メーター、燃料が五万二千七百キロリットルというふうになつております。それから機械と労務者の数でありまするが、機械はブルトーザー。キヤリオール等の数量を一応計算いたしまして、これはもう少し調査いたしまして精密な施工計画を作りまして検討をいたしまするが、先ずこれくらいは是非必要であるという数字を挙げてあります。それから労務者は熟練、非熟練合計しまして延八千四百八十二万人というものを必要とします。それから例えばこれを五カ年でやるとしますればどういう年次計画になるかということを八頁に掲げまして。交通量の非常に多い部分から早くやるということであります。一年、二年、それに必要な労務者、資材の量を掲げました。それから第二期計画、全幅員にしますものを次の頁に掲げました。次は今仮定いたしましたスピードで以つて走ります場合に、おおむねどれくらいの所要時間で走れるかということを掲げました。その他参考資料を出してありますが、これは今まで我々が普通の道路を工事いたしましたときの基礎知識を元にいたしまして、主として机上におきましてやつたものでありますので、本当の工事を三年なり五年でやります場合には、相当の調査を必要とします。特に非常に長い橋梁或いは長いトンネルがございまするので、地質調査と、それから土工にいたしましても、土の量が大変多うございますので、土工の方法、土の掘場等につきましては精細な調査をいたしませんと、今日までやりました程度の仕事の知識では予定通り参りませんので、できますならば是非来年度相当の調査費を公共事業費なりで頂きまして詳しく調査いたしまして、どういう形でこれを施工するか、或いは企業体という恰好にするにいたしましても、一応こういう調査は政府資金でやるべきじやないか、財政資金で以つてやつて行きたい、こういうふうに思つております。
  45. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 鉄道とこの道路と多少使命は異にしておりますが、戰争中に特に早い鉄道を、東京から神戸間ですか行けるような、一部熱海の方面もトンネルを掘つたように思いますが、無論鉄道のほうは運輸省がやりますが、交通という観点から鉄道とこれとはどういうふうに折衝されておられたのでしようか。
  46. 菊池明

    ○説明員(菊池明君) 只今お目にかけました案は、鉄道のあのいわゆる彈丸列車というものとは全然無関係に取扱つております。一時、あれは立消えだろう、それならばあれに自動車を走らせるような道を考えたらよかろうというようなことを主張いたしたこともございまするが、やはり鉄道関係におきましては将来のことを考えておりまして、この話は容易につかないのじやないかと思いまするので、別個に考えたいと思つております。
  47. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 鉄道とは無関係にしておられると言われましたが、大臣として、やはり日本の交通関係のほうからして、今まで着手していた鉄道を先にすべきか、或いはこの道路を先にすべきか、これに対してのお考えはどうなんですか。
  48. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 鉄道との関係も十分検討を要することと思いますが、この路線ですが、只今道路局長から説明いたしましたのも一つの試案でありまして、なお東京から殆んどまつすぐに西のほうに琵琶湖をめがけて行くというような案もありますし、いろいろまだほかにも案があるのでありまして、もう少し案が具体化しました場合には、鉄道ともよく連絡をとつて検討して行きたいというふうに考えております。
  49. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 こういう道路は、今ここに示された東京と神戸は自動車が通れますが、併しこの道路は今作るがいいか、或いは現在まだ国道であつても自動車も通れんというふうな道路はたくさんありますが、それらの道路を先に整備したほうが日本全体としての産業の上に寄与する点が多いかどうか、これに対してどういうふうの御調査ができているのでありますか。
  50. 菊池明

    ○説明員(菊池明君) 勿論、現在公共事業費で以てやつておりまする一般の道路の改良或いは修理、補修等をやめて、やめてと申しますか、減らしてでもこれをやろうというふうな建前では我々はないつもりであります。やはり現在のいわゆる国道、府県道、市町村道等、公共事業費で賄つておりますほうはそのほうで従来以上に考えて行つて、なお別個にこういうものが必要であるという観点から立てた次第でありまして、開発等のために山間部或いは海岸部の道路或いは又現在の幹線国道の改良は続けて勿論やるつもりであります。
  51. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私の尋ねたい点は、無論今までの事業も継続してなさるとは思いますが、併し継続なさる場合に、そういう道路を先ず以てやつて、それが完成した後にこういうものに着手するのがいいか、御承知の通り日本もまだ経済的に立派に自立しませんから、それはそれとしてやり、これも考えたほうがいい、この二つを考えたほうがいいか、或いはそうでなしに、先ほど申しました通り今までのものを一日も早く完成するようにやつたほうがいいか、それが経済的に或いは産業方面にどれほど寄与するか、どちらを選択したらいいかが聞きたいのです。
  52. 菊池明

    ○説明員(菊池明君) 普通の道路につきましても、非常に人口の密集している所、或いは工場生産等の高い所の交通の要求を満たすための道路整備をどの程度にやるか、それから未開発地帶の道路をどの程度にやるかという問題はいつも問題になつて来たのでありまして、どういう程度に配分するかということが我々の常々苦心をしているところなんですが、掲げましたような部分におきましては、とにかく日本の農業生産の五〇%以上を占めておりますし、現在の交通量、鉄道の輸送、貨物を見ましても非常に多い、人口から申しましても、生産から申しましても、そういうふうな交通量が多い部分でございますので、その部分にやはり或る程度の重点を置くことは必要でないかと思うのでございます。開発関係のものと並行にやはり考えて行かなければならないのじやないかと思つている次第であります。
  53. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 これは御調査になつているかどうかはわかりませんが、仮にこの道路を作るといたしまして、耕地面積がどれほどこの路面敷地になるのでしようか。御承知の通りにだんだん人口は殖えるわ、農産物は案外増産せないという場合に、これがためにやはり米、麦の生産が減るということも、或いは大きな影響をするのじやないかと思いますから、そのために耕地面積がどれほどこの道路の敷地になるか、そういうふうなことをお伺いしたいのですが……。
  54. 菊池明

    ○説明員(菊池明君) この線についてはまだそこまで仔細に触れてございませんが、相当の耕地面積は潰れると思いますが、概してこれは山の根のほうを通りますので、平地の田圃を潰す所はパーセンテージから言つたらそう多くないと思つております。その数字はまだ申上げるだけの調査をやつておりません。
  55. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 こういう立派な道路を計画なさる場合には、今私が申した通りにこれはこの道としてやつても、日本の経済的立場からして、やはり今まで計画しておつたあの彈丸列車を作つたほうがいいか、或いはその耕地面積をどれほど道路敷地に潰すか、こういう農業的な観点から、あらゆる点から一つお考えあつて、どういうふうにしたら一番無理がないか、この案を私はお示しを願いたいと思います。そうして行かんというと、やはり折角計画をなすつても耕地面積を非常に潰して、今後の食糧にも問題を起すというふうなことがあつても困ると思います。その点は今日私はこの概案を見ただけですので、詳しいことは述べませんが、つまり気の付いたことだけ申上げます。
  56. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 よくわかりましたが、これは事務的にどの辺まで話が進んでいるのですか。
  57. 菊池明

    ○説明員(菊池明君) まだ我々は調査の範囲を出ませんのでございます。資金等につきましては、大臣から申上げましたが、まだ研究中なのでございまして、漸く調査費を要求しようという段階でございます。
  58. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 大臣にお伺いしますが、いわゆる安全保障條約の行政協定と何かこれは関連のあることですか。
  59. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 別にそれと直接の関連は持つておりません。
  60. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四分散会