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1951-03-10 第10回国会 参議院 文部委員会 18号 公式Web版

  1. 昭和二十六年三月十日(土曜日)    午前十時四十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○国立学校設置法の一部を改正する法  律案(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 堀越儀郎

    ○委員長(堀越儀郎君) それではこれより本日の会議を開きます。  本日は日程に載つておりまする国立学校設置法の一部を改正する法律案を、昨日提案理由の説明を承わつたのでありますが、本日は質問に移ります。総括質問から入りたいと思います。法文は簡単なものでありまするので、総括並びに条文に並行して質問を進めて行つたら如何かと思います。そういうようにいたしたいと思いますが、前後いたしましても結構でございますから、御質問をお願いいたします。
  3. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 この法律案は提案理由に示されておるように、新らしく国立大学の設置並びに学部の新設というものが加味されているようでありますが、私一般的に是非お伺いいたしたいことは、新学制によつて国立大学を一県一校主義で発足して、その整備充実に現在困難を来たしておる現段階であります。一部にはこれだけの大学を我が国の産業の実態に即応するように、これを育成して行くには相当の困難性があるのじやないかというような悲観論を述べる向きも出ておるようであります。先般おいでになつたアメリカの第二次教育使節団は、大学の数なり或いは内容について相当に示唆に富んだ勧告を出されて帰つたようであります。なお又公立大学は逐次設立されて行くということは、その土地にある国立大学の整備、充実にも支障を来たすやに承わつておるのでありますが、文部省としてこれは大学設置審議会の答申に基いて、逐次新設なり或いは学部の増設ということをやられるわけでありますが、あの第二次教育使節団の示唆に富んだところの勧告というものをどういうふうに考えられ、今後大学の設置なり或いは内容充実についてどういうふうにお考えになつておるかということを先ず承わりたいと思います。
  4. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 只今お話のありましたように、国立大学創設の際に十一原則を立てまして、その原則によつて国立大学を全国各地に建て、今その充実に従事いたしておるようなわけでございます。従いまして差当りこの原則に対しまする変更ということは私ども考えられないのであります。只今お話のように使節団第二次勧告にありまするように、地方の要望が各国立大学に反映して、国立大学地方の要求に合致するようにそれぞれ特色のある大学たるべく発達するという点につきましては、今後私どもは十分留意して参りたいと考えておるのであります。何分この前発足いたしました大学が既設の高等学校或いは既設の専門学校等を土台として作りましたので、従つて各大学学部構成等も従来のそうした高等専門学校の専門教課に関係する学部であるというような実情でありまするので、更に地方の要望によつてどういう種類の学部を増設する、或いはどういう種類の学科或いは専攻課程を設けるという点が明らかになりますれば十分そうした点につきまして将来の充実を図つて参りたいと考えております。
  5. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次にこれとやはり関連して承わりたいことは、よく世上で蛸の足大学などのひやかし言葉で言われておるようであります。これらの大学の整備、充美というものに相当文部省は腰を入れて本年度発足するやに聞いておるのでありますが、それらの予算措置というものは余りにも貧弱だと思うのでありますが、それらについてどういうような構想で、又何カ年計画でどういうふうにやるというような構想を持たれておるか、それを承わりたいと思います。
  6. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 只今お話の設備施設というものを中心としての国立大学の整備、充実の問題でありますが、この点につきましては大学設置審議会に特別委員会を設けまして、そうした観点において一々の国立大学について将来これを如何なる場所に、どういうふうに統合したらばよいかという案を今御審議願つております。実情について調査し、又地元の要望等も聞きながら目下設置審議会におきましてそうした答申案を審議中でございます。まだ結果が出ておりませんので、全貌を私ども把握できませんけれども、そうした趣旨で御審議願つておるわけであります。その答申に基きまして、文部省といたしましては将来その線に沿うた施設の充実に努めて参りたい。只今御質問にありましたように、それが一体何年計画であるかという点でありますけれども、そうした点につきましては、まだ今日答申案も出て参りませんし、具体的にどのくらいの費用が全体的にかかるかもつかんでおりません。将来国の財政等と勘案いたしまして、成るべく速かにいたしたいと考えておりますが、併し今日私どもが設置審議会にお願いしてこういう案を作つておりますのは、非常に急速にそれが実現できようとは思つておりません。先ほども申上げましたように、その線に沿うた施設は漸次充実する、線に沿わざるものは、それに従つてだんだんその線に持つて来るというような考えで、これに国及び地元の協力も非常に必要となつて来るだろうと思います。お話のように明年度に組まれました公共事業費の中で、国立大学のこうした施設に充当しまする費用は、決して多額ではないのであります。この予算を使いますのに、その線が出て参りますれば、明年度予算といたしましてもその線に沿つて進めて参りたいと思つております。
  7. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 現在大学の運営に関して七十一からの国立大学があるのでありまするが、日本学術文化の水準を維持し、又向上を図るために、これらの大学教育の機会均等というような立場から、均等主義で対処されているのか、或いは重点主義というような立場で対処されているのか、文部省の御方針を承わりたいと思います。
  8. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 一応原則といたしましてはお話のようにこれは均等主義と申しますか、すべての大学に対しまして取扱いを甲乙にするというような気持は私ども持つておらないのであります。従いまして各大学に関して教授陣容の充実であるとか、或いは設備、図書の充実、その他につきましては十分我々はすべての大学が四年制の新制大学として完全であるように今後も努めて参りたいと思います。ただその上におきまして、これは将来にかけて未定の問題でありまするが、如何なる大学大学院を先ず設置して行くかというような問題が起つて参ると思います。差当りどこか教授陣容も充実して、設備、その他大学院を置くに相応しい大学のほうから先に大学院を置く、こういうようなことが将来にかけて現われて来る現象だろうと思うのであります。
  9. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それで今承わりたいと思つておりました点が、ちよつと出たのでありまするが、大学院の設置はど  の程度にされる予定か、今のところ研  究はどのくらい進んでいるか、現段階のところを発表して頂きたいと思います。
  10. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 国立大学につきましては、漸く本年度から専門課程に入りますので、今後二カ年たちませんと、卒業生を出さないという状況でございますので、而も又国立大学は新制大学として、今日各学部の充実過程にあります。従いまして、国立大学について、今お話のように、どの大学大学院を置く構想であるかというようなことは、現在まだ成り立つておりません。
  11. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 相当早めに研究計画して行かなければ、私は事教育のことは遅れてはいけないと思うのです。まあ小さな例でも、最近今度新制大学の卒業生が出るわけだが、よく新聞を賑わしているように、どんな学士号を与えるかということが未だにきまらないでごたごたしておるというような、これはほんの小さな問題であるが、これは私はやはり文教政策としては重大だと思うのです。ましてこの大学院をどの程度の内容を以てどのくらいの量を設置するかということは、これは私は早めに計画的に研究対処しなければならん問題だと思うのでありますが、その点は特に強く要望しておきたいと思うのです。それからもう一つ承わりたい点は、まあ今度のこの法案の中に非常に一つの特色として大きく取上げられるものは、やはり短期大学を新設したということだと思うのです。やはりこの敗戦後並びに今後の我が国の経済、それから国民経済ということを考えるときに、やはり高等学校においても、定時制の高等学校、夜間の高等学校、それから大学ではやはりこういう夜間の短期大学、まあ働きながら勉強して行くという、教育の機会均等という立場から考えても、又国民経済の実態という点から考えても、やはり教育の重点というものは相当多くこちらのほうへ私は傾いて行かなければならんと思うのです。その立場から、こういうような短期大学が新設されたということは、私は非常に喜ばしい画期的な文教政策だと、こういうように考えているわけでありますが、将来といえどもこの短期大学は拡充して行かれるつもりであるかどうか、それともここに出されたこの四つに限つて考えられているのか、その点を私承わりたいと思います。
  12. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 只今お言葉にございましたように、教育の機会均等という点につきましての考慮を大学の程度において考えまする場合に、どうしてもこの夜間課程を考えて行かなければならないというような問題と、又我が国経済復興というような面から考えまして、四年制大学と対応いたしまして、新たに先年から発足いたしました短期大学の課程を国立大学にも考慮しなければならないというような両方の面から考えまして、将来とも財政経済その他が許します限り、各国立大学にこうした夜間の短期大学の課程というようなものを是非とも広く考慮して参りたいと思つております。差当りは設備その他の制約もございますので、この四つの短期大学に来年度はとどめております。将来は御意見のように、もつと広くこういう面の教育を大学で充実したいと考えております。
  13. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 最後に一つお伺いいたしたいと思います。これはここで局長にお伺いするのは無理かと思いますけれども、併し文部省内で長らくお勤めになつておられるし、事務的には最も責任ある立場で国務に携わつておる局長であるから、私は局長に、文部省内における皆さんがたの意向として、その決意をまあ承わりたいと思うのです。実は次に質問することは、私これは首相なり或いは文部大臣なりに伺うべき筋合いのものと考えるのでありますけれども、こういうような学校の新設あたりが出て来るにつきまして、是非ともまああなたがたの文教の府におられる皆様がたとして、どういう決意を持たれておるかということを是非まあ伺いたいと思うわけです。それは私が申すまでもなく、我が国の文教というものは非常に不安な状態にあると思うのです。こういうように逐次に学校の新設、学部の増設というようなことが図られて来ると、教育者が少いからといつて、或いは六三を四十三億にするとか、或いは科学研究が大事であるから、大蔵大臣に言わせるというと五割増したとか、或いは義務教育無償を推進するために一億三千九百万円組んだとか、随分大風呂敷を拡げられておるけれども、これらを高い立場から一瞥したところ、全く私は彌縫に彌縫を重ねておると思うのです。このままでずつと進んで行つたら、我が国の文教というものは收拾のつかない、虻蜂取らずの、えたいの知れないものに落着するのではないか、そういう私は非常に不安を持つておるわけなんです。根本は何といつても、私は今日の教育改革が中途半端になつているのは教育財政の貧困にあるのだと、これは衆目の認めるところでありますし、教育の機会均等も、義務教育の無償というものも、非常にこれは有名無実のものになりつつあるし、教育というものは、国民の生活の不安定ともからんで、非常に私は危機にあると思うのです。この教育財政を、強い政治家の教育に対する尊重といいますか、教育重視の政治感覚から、根本的にそういう方面をはつきりと打立てて、それから義務教育なり、或いは大学教育、或いは高等学校教育というようなものを打出して行くのでなければ、今の文部省内で実際仕事をされておる皆様がたの、当面の仕事に追われ追われながらやつておるようなそういう姿、或いは政治家が本当に教育をどういう方向にどんなにして打立てて行くかという確乎たる方針の下に出発して行くのでなければ、目の前の現象にだけ対処して行くこの彌縫のやり方には、私はどうしても不安な気がして仕方がないのです。これを解決する大きな足掛りとしては、アメリカの第二次教育使節団の勧告もありますし、それにも増して大きな足掛りというものは、あの政府の教育に関する最も権威ある諮問機関としての教育刷新審議会が、過去一、二年間の長期に亙る研究に基いたところの教育財政審議会というようなものを、教育財政確立に関する意見書というものを、二月十三日附で吉田総理に建議しておるわけなんです。これを政府の責任者である吉田総理がどういうふうな感覚で受入れて、どういうふうに対処するかということが一番根本的な問題であるわけでありますが、文教の府としての文部省内に実際多年お働きになつて、いろいろ苦難な道を歩かれてきた、そういう方面では局長は文部省内においては最も権威者だと思うのでありますが、こういう法案を出されるに当つて私はその点をあなたにお伺いいたしたいのですが、ああいうものを文教の府内において働かれておる皆様がたとしてはどういうふうに取上げて、主管大臣をどういうふうに動かして行くか、延いては政府とか与党というものをどういうふうに動かして行こうという決意を持たれておるかということを私は承わりたいのです。でないと極く最近新聞にも、講和締結後に我が国の占領下に置かれておる制度の再改革、国情に合わないものは是正して行くんだというような、あの自由党が発表された十七項目の中に、六三制やら新大学は再検討するということが出ているわけなんです。一部の人は、地方に行つて、占領が終れば新制中学なんかはなくなるのだから、無理してあわてて学校を造る必要はないというような暴論を吐いておる代議士もあるのです。そういう事態に、これは講和も近ずいたのですが、これらに対する方針なり、決意というものは、当然政府の責任者である吉田総理の抱負なり、決意を承わるべきであるのですが、主管大臣なり政府を動かす一つの原動力というものは、やはり実際において仕事をされて来た文教の府というものが私は大きな力を発揮しなければならんと思います。そういう点について稻田局長は今後どういう努力をしよう、又どうあらねばならないという抱負なり、決意を持たれておるかということを私は是非お聞きしたい。それを聞かなければ、ただ地方から要望があつたからこの大学を作る、この学部を作るというので、無計画に将来を見通さずただ風呂敷を拡げて行つたら、もう風呂敷はたためなくなつて、虻蜂取らずとなつて、日本の教育というものは誠に内容の乏しいものに私は落着するのじやないか、そういう不安があるから、この審議に先立つて私は事務的に最も文部省において権威のある局長の見解をお伺いするわけであります。
  14. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 非常に基本的な又広汎な大きな問題でございまして、私お答え申上げるところは恐らく御満足の行くような御答弁でないかとも思うのでございますが、勿論国家財政、或いは地方公共団体の財政につきましては、一般の財政力を片方に把握いたしまして、それを如何なる面の行政に按配して行くかというようなことは、もつと大所高所から考えるべき問題だと思つておりますが、私どもとにかく当面いたしまする教育行政、又その中のそれぞれの所管の事務に関する行政の予算につきまして考えました場合に、一々具体的な事業なり、具体的な計画について、我々予算の目積りをいたしまして、それと文教と、又明年度に獲得せられるだろうと考えまする見込の予算との間におきましては、いつも非常に大きな開きがあり、不満を感じておるわけであります。私どもといたしましては、従いましてこの予算獲得については何を急とし、何を先とするかというような観点からいろいろ順位的なものを用意いたしまして、文教予算に向けられまする予算の範囲内において、そうした先順位、急順位のものからせめて充実して行つて頂きたいというのが従来のやり方でございます。こうした点につきまして只今お話の御意見と全く同じようなお考えだと思いまするけれども、総理大臣の諮問機関でありまする教育刷新審議会において教育財政全般について非常に各方面の権威者を集めて論議をされて、一応の結論が最近出ておりまして、この機会は我々といたしましても十分つかまえて行かなければならんと思います。勿論我々下僚でございまするので、大臣、或いは内閣関係のかたがたがそうした点についてお取上げになり、又これを御実行願う上において、十分事務的のお助けをいたす、そういうような点につきまして我々といたしましては今非常に強い決心を以て、又熱意を以てそうした点についてのお願いを申上げておるところでございます。
  15. 堀越儀郎

    ○委員長(堀越儀郎君) ほかに……。
  16. 高橋道男

    ○高橋道男君 大学が増設されて国民の教育、教養が高められることは誠に結構なことでありまするが、終戦後たくさんの大学ができたに伴いまして、それに擁する教員が又多数に必要である。ところが大学がたくさんできたために、その大学の教育をするにふさわしい知識を持つた教授が非常に少い。つまり大学教員としての素質が低下しおるということが相当問題にされると思うのでありまするが、今回この大学増設に伴いまして、そういう教員の素質ということをどうお考えになつておるか、或いは高等、中等、初等の教育の教員に対しましては、講習その他の方法を以て屡次いろいろな教養を高める面の方策を立てておられるようでありまするが、大学教員に対しましては、無論中にはすでに大家であるところのかたもありましようけれども、中にはそうでない、先ほど申したように素質において非常に劣つておるというような人も相当多いのでありまするが、そういうような教員に対しての措置を如何に考えておられるか。折角大学ができても、やはりこの学生、生徒を教導して立派な水準に持つて行くのには、教授の力があずかつて大なるわけでありまするから、そういうようなことになつて、ふさわしい人がなければ、幾ら大学をこしらえても名ばかりであつて、実質が伴わないということがあると思いますが、そのことについて局長の御意見を……。
  17. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 只今のお話のように、新らしい大学につきましてはいろいろ批判もあり、その欠点が指摘せられまするうちに、教員の資質という問題が非常に大きな問題であることはお話の通りでございます。これにつきましてはあれだけの多くの大学が一時にできましたというような現象から見まして、或いはまあ暫らくは止むを得ないことかとも考えられるのでございまするけれども、我々といたしましてはでき得る限り各大学が教授力において充実いたしまするように、常に念願して参つておるわけでございます。もとより大学の教授たるべきかたは、将来大学院制度等が充実いたしまして、その暁でなければそれは十分なわけには参らんのでありまするが、差当りの問題といたしまして、一つはまあこれは消極的の面ではありまするけれども、大学の教員たるべき者の資格につきましては、大学設置審議会を煩わしまして十分資格審査をいたしまして、大学の教授として十分な力のあるかたに限つてやつて頂くというような方法をとつております。又半面積極的な面といたしましては、御承知のように先年来アイフエル、教育指導者講習会等を催しまして、米国、或いは国内の指導者によりまして相当長期間に亙つて大学の若い教授のかたがたをお集まり願つて、或いは講習をし、或いは研究集会をするというような点につきましては、まあ相当努力して参りました。又一面米国の好意によりまして、先々年来、最初に二十七人、次の年は五百人、又来年も五百人というような若い教授のかたがたをアメリカに留学させる、或いは又イギリス、フランスにも明年度途が開いて参りました。こうして海外留学等によりましての教員の研究というような面もだんだん開いて参るわけでございます。又大学自体における教授がたの研究の利便を考えまして、明年度予算につきましては図書購入費についても一億ばかり増額計上し、或いは又研究費等も……研究費一億と申しましたが、研究費の増額を約十億足らず組んでおりまするように、極力急速にこの大学における教授力の充実というような点につきましては、新制大学における種々の問題のうち、最も重要な問題といたしまして、私ども今後も努力いたしたいと考えております。
  18. 高橋道男

    ○高橋道男君 今度のこの法律改正によつて職員の増員がたしか五百八十一名と伺いましたが、これは大学だけでなしに、高等学校なども含んでおると思うのであります。このうちでこの大学に配属される人数が何名であるか。若しおわかりになればお示しを願いたい。それから五百八十一名の増員というものは、これはほかからの移管によつて殖えているものも大分あると思うのでありますが、純粋に今度の法律による新設によつて殖える人数がどのくらいになるのですか。その純粋に殖える部分の予算も併せて伺つておきたい。
  19. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) これは全体といたしまして、減員と増員との差引において五百八十一名という増加になつて参りましたので、一面減のほうも申上げ、又増も申上げませんと御説明にならんわけでございます。お話のように高等商船学校の移管に伴います増というのは、このうち二百五十三名でございます。あとは大学及びそれに附属いたします学校、統轄する学校の間の出入りでございます。大体の増を申上げますと、医科大学の学年進行というような面において六百三十二人の増加、それから名古屋大学の農学部の増設において八名の増、信州大学の研究施設において七名、靜岡大学の農学部の合併で七十三名、岡山大学の研究施設において十六名、それから六医大、遅く発足いたしました医大の助手、看護婦等を充実する意味において増が百七十名、それから一般の新制大学につきまして、教官の増を考えましたのが六十九名、それから長崎大学の分院設置について十五名の増、それから新制大学の定員振替百十五名、その他調整いたしまして殖やしたのが三十五名、それから今の商船学校を加えますと二百五十三名がありますので、合計千三百九十三名という増加になつております。これに比しまして従来の附属医専とか、専門部の廃止その他において百九十九名の減、東京大学の第二工学部の廃止によつて十八名の減、商船大学補習科の廃止で十六名、夜間高専の廃止で二十九名、そのほか学校廃止、調整減が百五十六名、それから提案理由の説明にございましたように、定員法に合せる定員の減少が百七十九名、昭和二十六年度の減が二百二十八名、計八百十二名、差引五百八十一名と、こういう増になつております。
  20. 高橋道男

    ○高橋道男君 大学を増設することによる純粋の増ですね、それから予算、これは今おわかりにならなければ別の機会でも結構でございます。  私が更にお尋ねしたいと思いますのは、今後勿論国民は高等専門の教育を要求しておることは当然でありますけれども、そういう要望に応じてどのくらいの大学を今後なお設置される見込であるか。そういう計画をお立てになつているかどうか。それから無論国民の要望するところに従つて、その希望する学問を修めたいのはやまやまであり、それに伴う施設をこしらえるのが国の立場としては当然であるかも知れませんけれども、現在の財政状態などからしては、個人経済においては勿論のこと、国家においてもその全部の要望に応えることは到底できないと思います。併しながら国家としては例えば医者をどのくらい養成しなければならないか、或いは文科の出身者がどのくらい要るか、そういうような計画は別に持つておられると思うのでありますけれども、そういうような計画に従つての、大学計画というようなものをお持ちになつているかどうか。
  21. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 只今の御質問非常に基本的なむずかしい問題でございます。教育刷新審議会におきまして、この新制大学という問題についていろいろ御考究になりました際に、いろいろな材料から調査せられましたのでありますが、例えば高等学校を卒業いたしました年齢層の人間のうち、およそ何%ぐらいがそれ以上の教育を受けさせる必要があるかというような点について調べたのであります。当時大体アメリカの計数におきましては、たしか一割五分ぐらいな人数が大学程度の教育を受けている。我が国におきましてはまあ将来少くもその半分、これも非常に大した基礎があるわけじやありませんけれども、八%ぐらいの人間が大学教育を受けるよう、目途とすべきだというような意味を含めての答申があつたのでございます。現在はそこまでも行つておりません。非常に新制大学が多くなつたというふうに言われておりますけれども、就学者について考えますれば、国立、公立、私立を全部引くるめましても、只今の八%までは及んでいないという状況であります。これらにつきまして全体的に国力、或いは国の将来の事業計画というものを考えて、勿論養成計画は立つべきものだと思つておりますが、国立、公立、私立まあそれぞれの主体もございますので、その間の調整というものは非常に困難な問題だと思つております。只今のお話にありましたように、特殊の例えば医学であるとか、或いは商船関係の従業員、或いは電波というような特殊な面につきましては、いろいろ養成数が具体的に出て参り易いものでございますので、我々といたしましては成るべくそうしたはつきりした養成数の得易いものにつきましては、できるだけ早くそれに応じたいと考えております。常に私ども研究いたしておりまするのは、例えば工業あたりにつきましては、できるだけ社会の要望に応ずる養成数を、又要望に応ずる学科の研究生を出して行きたいというふうに考えておるのでございますけれども、これもまあ大企業の要請と中小企業の要請といつたようなものが、非常に違つておりますので、なかなか把握しにくいのでございます。そういうような意味合いにおいて、例えば大学の程度におきましては、技術教育研究協議会というようなものを設けまして、各方面の産業に関係のかたがたと関係官庁のかたがたあたりもお入り頂いて、いろいろ研究いたしておりまするうちのお話に、今の養成数等も一つの題目として取上げて見たいと考えております。非常に困難な問題でございますけれども、成るべくそうした点に応じて参りたいというのが、私どもの念願でございます。  それから先ほどお話いたしました増減の数字でございますが、五百八十一のうち商船学校関係が二百五十三でございます。従いまして新制大学のほうの純粋に増加いたします数は三百二十八ということになつております。
  22. 高橋道男

    ○高橋道男君 国民の要望に対して大学を設けるという御趣旨一応伺いましたが、ここに一例として具体的にお伺い申したいのは、千葉大学で今回工芸学部というのを工学部に変えるという案を伺うのでありまするが、この工芸教育ということが、或いは工芸部門に属する高等教育というものが、たしか千葉とそれから只今京都でございますか、その二カ所にしかなかつたかと思うのであります。今度この工芸学部が工学部に変えられるということになりますと、ただこの表だけの印象からいたしますれば、工芸に関する部門がすつかり消されて、いわゆる普通観念における工学部という内容になつてしまうのではないかということの懸念を持つものであります。工芸学部を変えて工学部にする、併し内容はそのまま受継がれて行くのだ、工芸教育も十分見て行くのだというようなお考えの上から、ただ單に名前だけを変えられるものであるかどうかということをお伺い申したいと思います。
  23. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 千葉大学の工芸学部を工学部に名称変更いたしまする点につきまして、一応沿革的に申上げたいと思います。最初東京に工芸専門学校というのが御承知の通りございまして、これはまあ全体の教育が相当工芸的色彩を持つて維持経営せられておつたのでありますが、それが先般千葉県下に移りまして、その当時戦争の関係もございましたが、いろいろ建築とか機械とか或いはその他木材工業というような純粋工学の学科が増設せられまして、継続いたして参つたのであります。それが千葉大学の新制大学のうちの一学部として包容せられるに当りまして、最初はまあいろいろ二十一ばかりの専攻学科を立てでおりましたが、更にそれを整理いたしまして、工業意匠科と建築学科と機械工学科と電気工学科と工業化学科という五つの学科編成になつたわけでございます。そういたしますると、この全体五つのうち工業意匠科というのがまあ工芸的色彩を持つております。あとは建築学科、機械工学、電気工学、工業化学でございまするので、こうした学科を包含いたしまする学部の性格といたしましては、これはまあ工学部と言うのが適当であろうというような点からいたしまして、工芸学部をこの際工学部に改めるということにいたしたわけでございます。大体学生の志願等につきましても、建築、機械工学、電気工学、工業化学あたりに非常に志願者か多く殺到して参るというような点から見ましても、地元の要望にはこうした学科編成及びこうした学部の性格というものが合致しているのじやないかというように考えられるのであります。ただ一面我が国全体を見渡しました場合、お話のように、工芸という方面の教育は将来にかけて十分これは充実して行かなければならんと考えております。その意味において純粋の工芸でありますれば上野芸術大学、又工業がかつた面につきましては京都の工芸学部及びこの千葉大学におきましてもこうした工業意匠科というような面を中心といたしましたり、その他の学科においてもそうした色彩のものは将来十分充実して参りたい、更に又工芸方面におきまして一番必要とせられるのは四年制の大学よりも或いは短期大学であろうかとも思われるのであります。そういうような点におきまして、将来財政上許されるならば、できるだけ工芸関係の短期大学等も計画して参りたい、それらの教育につきましても文部省といたしましては将来大いに努力いたしたいという気持は持つております。ただ差当り千葉大学の工芸学部につきましては、現在の性格を見ますると、これは工学部であるという点から名称を変更いたす、こういう次第であります。
  24. 高橋道男

    ○高橋道男君 今の伝統的のお話を伺えばなお更こういうものを残して行つたほうがいいのじやないか、殊に御意見から申して短期大学において徒弟的な者を仕込むというようなお考えもあるようで、この点誠に結構でありますけれども、千葉の場合には地域的な関係もあつてその方面への志願者などが例えば東京にある場合と異なつて、相当数が減少して行くのじやないか。従つて千葉において工芸意匠に関する部門を伝承して行かれることは結構でありまするけれども、財政措置ができるようになれば、例えば東京の工業大学とかというようなあたりへ、その伝統などを生かして行くというようなことについてこの、只今具体的なお考えは或いはないかも知れんけれども、そういう意図もお持ちになることはできるかどうかということを、併せて伺つておきたい。
  25. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) お話のごとく工芸関係の学科を増設するとか、或いは短期大学を設置いたしまするのは、やはり地域的条件を十分考えなきやならんかと考えております。そういうような面におきまして、東京あたりは是非設置いたしたい場所だと存じております。先ほど学部の沿革を申上げましたが、そういう沿革でございますが、終戦後性格が変つて来たというような点で、このたびの名称変更を考えた、こういう点につきまして御了承を頂きたいと思つております。
  26. 高橋道男

    ○高橋道男君 それからもう一つお伺い申したいのは、これはすでに予算措置も済んでおることでありますから、既設のものと同時に学生の募集はされておられるのですか。
  27. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 創設学部につきましては募集の準備をいたしております。正式にまだ法律も通つておりませんし、予算も成立いたしておりませんですから、準備をいたしております。実際收容いたしますのが多少遅れるかも知れませんけれども、そういう学部ができるであろうということを知らせておきませんと、希望著に対しては気の毒でありますので、準備中でございます。
  28. 高橋道男

    ○高橋道男君 それに関連して、こういう学校なり大学ができる。或いは設置する計画であるということは私は恐らくもつと早くに予定しておられると思うのでありますが若し早くに予定していなくて今になつてその計画が現われて来るというのでは、当局としては甚だ手遅れだと思う。従つて去年のうち相当早くに計画が進んでおると私は思うのでありまするが、そうであるならば今頃こういう法案を出さずに、去年のうちにそういう機会は何回もあつたと思いますので、もつと早くに法的措置をして頂いて、無論これは予算関係もありましようから、七月八月というわけには行かんでしようけれども、少くとも前年内くらいにこういう措置がとれて、そうして既設のものと同時に学生募集の方途を明らかにしてもらうことができるならば進学者のためには非常に便益だと思いまするが、そういう措置はとれなかつたものかどうか。
  29. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) お話のように、将来におきましては十分そういう点につきましては注意いたしたいと考えております。自然予算が確定いたしまする国会でありませんと、この法律は御審議願えない。こういうわけでございますので、この第十国会に提出したわけでございます。我々といたしましてはできるだけ早くこれを確定願いまして、そうした点についての便利を各学生に得しめたい、こういう念願を持つております。
  30. 若木勝藏

    若木勝藏君 二、三点伺いたいと思います。先ほど矢嶋委員からもお話がありましたが、日本のいわゆる六三制を中心にして完全実施というような方面からは、相当考えなければならんことは、私も同感なのであります。そういう点からいたしまして、文教全般にいてどうするかということについては、なかなか局長としても立場上はつきりとしたところのお答えができないだろうと思うのであります。大学の充実というような方面から考えまして、その点については恐らく局長はいろいろな構想を持つておられることと思うのであります。私の聞きたいところは、その大学の充実を図つて行くというふうな場合において、いわゆる学校の増設ということもあるかも知れません。或いは文学部の増設、或いは講座の増設、こういうふうな点、又研究施設を充実して行く幾多の、いわゆるその大学の運営からそういうふうなものがあるだろうと思うのであります。そういう点でどの点に主力を注いでおられるのであるか。学校の増設の方面であろうか、学部の増設であるか。そういうふうな、先ほど来緊急重要性を有するものから充実して行きたいというお話があつたようでありますが、それらについての局長としての計画についてお伺いいたします。
  31. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 只今の御質問の点につきましては、教育刷新審議会が教育財政全般について御答申のありました点も研究せられておりまして、将来国立大学につきましては原則として増設をやらずに、むしろ内容の充実に努めるという趣旨の御答申があるのでございます。我々といたしましても、大体そういうふうにあるべきものと考えております。もとより増設をしないと申しましても、北海道のように十年もたてば人口が十倍になるというような特殊の地域については、これは別の問題だろうと思います。又学部学科の新設等につきましても、そこに公立の單科大学がありますとか、その他総合大学のほうに包含いたしまするほうが教育的にも効果があり、又国全体の経費から見ましても、経済的になるというような場合におきましては、将来におきましても公共団体学校合併というようなことは実現すべきだと思つております。又学科の新設につきまして、地方の要望に即して考えて参らなければならんと考えております。何と申しましても、今日の各国立大学は旧制専門学校、高等学校を包含いたしました関係上、そこに包含せられまする学部学科につきましては、やはりその地方の要望に果して十分応じ得る形であるかどうかというような点につきましては相当疑問もあり、将来地方の要望に応じましては、学部学科も設けて行くということが新制大学を意義あらしめることと思つております。と申しましても、我々は徒らにこういう、ただものを手広く拡げるという点を考えておるのでなくして、むしろ原則として、全般問題といたしましては内容の充実であろうと思います。差当りこれを予算的に割当てまする場合には、施設もそうでございまするけれども、図書であるとか、研究費であるとか、十分大学の教官が大学教官としての研究教育に従事し、その活動を保障いたしまするだけの、そうした内容の充実というものを一番緊急の問題と考えております。そういうような面で、明年度予算におきましても研究費、或いは図書購入費、その他につきまして多少増額できましたのも、そうした事態であるわけでございます。
  32. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 その内容の充実というような方面からちよつと伺いたいと思うのでありますが、現在七十幾つかあるところの新制大学というものを見てみますというと、地方の要望が、大学からの要望がどういう面に非常に強くなつているか。この点について伺いたいと思います。
  33. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) ちよつと御質問の意味を取りかねたのでございますが、地方か新制大学についてどういうふうに要望をしているか。この点はまあ地方々々によつて、又大学自体が現在持つておりまする特色なり、欠点によつて非常に違つて参ると思いますが、どういう点でございましようか、恐れ入りますが……。
  34. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私の伺つているのは、地方に設置されているところの大学が運営上、文部省に予算とか、そういうふうな方面の要求がある、そういう要望はどういう点に集中されているかということです。
  35. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) これは個々の性格を持つておりまするが、何と申しましても、一番眼に着きまするのは施設の問題だろうと思います。戦災復旧もまだ半分しかできておりませんし、殊に従来の専門学校程度の施設を大学程度にいたしまするとか、先ほど他にお答え申上げましたように、大学の要望ということを自然考えますれば、何と申しましても建物設備という問題が一つの問題として出て来るでありましよう。それからもう一つは、やはり研究費の問題だと思つております。だんだん人件費が殖えて参りまするに比して、実際研究に使いまする物件費の割合が減少して来るという傾向に従来ございます。研究費の増額及び新制大学の一つの大きな欠陷といたしましては図書が非常に少ない。そういうような面からいたしまして図書費の増額、そういうような点が新制大学充実という点につきましては一番私ども常に各地方及び大学当局者から伺つているのであります。
  36. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 次に伺いたい問題は、高等学校の教員の実情につきまして伺いたいと思います。それは、私の考え方では、先ず小学校、中学校の教員というふうな場合においては、これは学芸大学ということで相当整備されて来るだろうと思うのであります。高等学校教員というふうなものは、実際の現在の高等学校の充実を図つて行く上において心配なくやつて行けるか、この点について。
  37. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 高等学校の教員につきましては、文理学部初め大学の各学部の専門課程を履修いたしました者が同時に教職課程をとりまするが、卒業に際して二級免許状が与えられる、こういう仕組になつておりますので、成るべく有為な人材を、高等学校の教員として志願するように指導して参るというような点から考えますれば、全体的に養成の数といたしましては、非常に逼迫はいたしてないと考えておりまするが、特に問題になつて参りまするのが、職業関係、芸能関係乃至は体育関係の高等学校の教員、こういう面につきましては現在の全国国立大学の学部のあり方と、又一般の社会経済状況から見て志願が少なかろうというような見込みから、相当この点につきましては養成という点につきましても、或いは又そのほか免許制度等につきましても考究しなければならん問題があるように考えられております。
  38. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 その高等学校の教員の養成の点について一つ伺いたいのは、現在の学芸大学において、高等学校の教員を養成するというような場合にはどういうふうな措置をとられますか。
  39. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 大体現在の学芸大学は、その施設及び定員等から考えまして、義務教育課程の先生を養成するということで先ず一杯でございますので、学芸大学において高等学校の教員を養成するということは、養成計画としてちよつと考えてないのでございます。勿論学芸大学におりまする者が、適当な免許法所定の課目をいろいろ他学部との関係において取り得たといたしますれば、なり得ないわけじやございませんけれども、大体高等学校の教員といたしましては、一般の文理学部にありまする者が、教育学部の教職課程をとるというのが中心である。先ほど申上げましたように、他の農学部工学部その他の学部にありまする者が高等学校教員として期待せられるわけでございます。
  40. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 表を見ましても、学芸大学に、いわゆる附属の高等学校というようなものを設置しておるところがあるのでありますが、その附属の高等学校を設置している場合に、それを利用いたしまして、何か学芸大学において高等学校の免許状を付与するというふうな途が開かれるか……。
  41. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 学芸大学に附属の高等学校が附いておりまするのは、学芸大学が旧制の青年師範を包含しておりまして、旧制の青年師範に、前の青年学校の変りました定時制の高等学校が附いておつたのであります。これは学芸大学の性格、先ほど申上げましたような現状から見まして、この附属定時制高等学校は、将来なくなるのでございますが、現在在学生がおりますので、卒業する間、青年師範がなくなつてしまうから学芸学部においてそれを扱つておる、こういう恰好で存置するわけでございます。従いまして学芸大学全般には高等学校の附属が将来考えられないわけでございます。
  42. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そういたしますというと、今あるのはそういう実情であつて、高等学校の教員を養成するというふうなことには何らの役に立たない、こういうことになりますな。
  43. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 差当り学芸大学の教授構成なり、又生徒の研究施設なり定員なり、これは義務教育課程の教員養成を目的としてでき上つておりますので、学芸大学におきましては、高等学校の教員養成を目的とはしない、こういう恰好になつております。
  44. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 次に一つ伺いたいのは、第三条で以て随分旧制のいわゆる師範学校、こういうふうなものが今度の三月三十一日限り整理されるようでありまするが、そうしますというと、これに伴つて来るところのいわゆる教員の処置というふうなものが考えられるのでありますが、現在において文部省といたしましては、こういういわゆる旧制の師範学校に勤めておつたところの教員の処置というふうなものについて、どういうふうにお考えになるか。
  45. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 旧制の師範学校の教員でございまするが、これは昭和十八年に師範学校が転換いたしまして、中等学校程度から専門学校程度になりました場合に、ずつと教員がそのまま存続しておるというような形でございます。又専門学校程度と新しい大学の学部につきましては、大学設置審議会の審査を経まして、教員の資格も違つておつて、一々設置審議会の教員資格審査を経て、それに合格した者のうちから学部の教授を、或いは助教授その他の講師を選衡するという建前になつておりまするので、師範学校の教員として在籍せられておつたかたが、必ずしも全部が全部学部の教官とはなり得ない、こういう恰好でございますので、従いまして只今お話にありました師範学校の今までおられました教官のかたは、まあ行きかたといたしまして、大学学部の教官として配置換えになるかたもある。又他の公立学校等に転出せられるかたもあり、或いは又この際勇退せられるかたもあるというような形になつて参るわけでございます。
  46. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それらの他に転じなければならない、或いはつまり勇退しなければならないというふうな、大学教授としての資格を持たない人は、総体においてどのくらいありますか。
  47. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 只今まだ今月日がありますので、目下各大学におきましては、こうした人事について最後的な措置をとりつつある際でありますので、最終的な点につきましては、私どもつかみかねておるわけでございますけれども、ここでなくなりまする、ここに掲げております専門学校、師範学校乃至青年師範学校の定員で、今年落ちまする者が凡そ四千六百十五人ございます。そのうち現在員といたしまして三千五百名ほどおられたわけでございます。そのうち大学に配置換えがすでに決定いたしております者が、二千四百名ほどございます。そのあとの人々が他の公立学校に替るとか、或いはやめられる。或いは今日まだ未定の状況にあるというような情勢でございます。
  48. 堀越儀郎

    ○委員長(堀越儀郎君) 他に御質問ございませんか。
  49. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 今のを資料にして頂きたいと思うのです。学校別、それから資格別、わかれば男女別、それからそれらの待遇をどういうふうに取扱われるかということを資料にして出して頂きたい。
  50. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) その待遇というのは、どういうことなんでございましようか。大学教授の……。
  51. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 いや、もうそのまま、その人は整理されたらどういう取扱をして、その予算措置はどういうふうにしてあるか。その計画ですね、そういうものを資料にして出して頂きたい。
  52. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 整理されたらとおつしやいますのは、やめたらという意味でございますか。その人々がこの際退職されますれば、それに対してこうした行政整理に準ずる退職手当の特別扱、普通の倍額近いものを出すというような点につきましては、目下大蔵省その他と折衝中でございます。我々はできる見込を持つて、今折衝中でございます。やめるかたについてはそういう特別の処遇をやつて行きたいと思います。
  53. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それをプリントにしてもらいたいと思うのですがね。
  54. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 十分材料を出しますが、今のお言葉をつかみにくいのですが。
  55. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう一遍申します。これで自然整理されるかたが出て来るのじやないかと思うのです。その整理される者を、青年師範の人もおりましようし、それから元の専門学校令の人もありましようし、そういう学校種別ですね、それからできれば資格
  56. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 資格とおつしやいますと……。
  57. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 今度大学学部教授に入れなくて、これからお払箱になる人の、大学卒業とか専門学校卒業とか、その学歴です。
  58. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 極力いたしたいと思つておりますけれでも、大学の人事でございますから、大学から上申が出ないと私どもわからないのでございます。ですからすでに上申があつて退官された者だけは、調べれば或る程度数は出るかと思いますけれども、それは中途の問題なんでございますがね。何とかできるだけの資料をお目にかけたいと思いますが……。
  59. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その点は非常に御無理ならば、できなければそれでよろしいのですが、一番大事なのは、何人学校種別に……その人数ですね、それから配置転換、大学から報告になつていると思うのですが、配置転換のはつきりしている数、それから見込のない者、見込のない者については、はつきりとこういう退職方法についてはこういう取扱をするという点を、明文化して資料にして頂きたいと思います。
  60. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 御承知のように大学の人事でございますので、最終決定をこちらで発令いたしますものは、こちらでその時期にわかりますけれども、恐らくこれから照会いたしまして、相当時日がかかると思いますが、できるだけ御希望に副うようにいたしたいと思います。
  61. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 まだ一回もそういう集計をやつていないわけですか。大体学長会議あたりで何じやないのですか、当然三月にこういう事態が来るから、そういう会議でも相当協議されているんじやないのですか。
  62. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) つまりこういうことになつております。これは大学の自治の人事でございますから、我我としては積極的に関与いたしません。ただ大学のほうで、文部省からほかの大学に世話してもらいたいという御希望のかたがあれば、それは承わる。又大学のほうでとりたいという科目の先生でありましても、穴があいておればそれを承わろう、そうして私のほうへ来れば斡旋を申上げよう、こう申してあるのでございますけれども、又国立大学機関のことであり、それぞれ専門学科で皆結ばれておりますから、我々のほうに頼まずにいろいろなそういうお話は進行しておる。我々のほうに御依頼のあつたのは、極く数える程度、百人足らずはあつたんでございます。併しながらこれは又別途にお話がついております。こちらでやる人事じやないもんでございますから、或る時期、或る時期どうなつておるかということは、私ども現状はちよつと把握しかねるのでございますが、これから照会いたしまして、できるだけ御希望に副うようなものは取りたいと思いますが、相当時日がかかると思います。それで又今ちようど動いておる時期でございますから、いつ幾日をつかまえて集計するということも、技術的に非常に困難だと思います。御希望の意味はよくわかりますので、御期待に副うようできるだけ何とかしたいと思います。
  63. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 大学地方移譲の問題ですが、一部に、大学の一部を地方に移譲したらどうか、こういう意見が出ておるものですから、これに対して文部省の見解を承わりたいと思います。
  64. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 大学地方移譲につきましては、地方行政調査委員会議におきまして、他の行政移管の問題と共に政府に対して答申があつたわけでございます。そのうちに、国立大学は成るべく地方に移譲するようにというような趣旨の点があるわけでございますが、文部省といたしましては国立大学設置の際に、教育刷新審議会の意見を聞きまして、十分そうした問題について研究いたしまして、例の十一原則に基いて今日国立大学を設置経営いたしておりまして、まだその充実の過程にあるわけでございます。こうした際に移管とか移譲とかその他いたしますると、非常に混乱を生じまするのみならず、将来といたしましても、国立大学はどうしても全国的な見解によつて学部学科の配置なりその他の運営をすべきものだと考えてもおりまするし、教授力の充実、科学技術の振興というような面から見ましても、これは各地方々々に任せて、それぞれの財政によつて差等がついて参るようなことは極力避けなければならんというような点から考えまして、我々といたしましては、国立大学地方移譲ということは、現在の状況といたしましては不適当なことだと考えております。
  65. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 この問題について何か閣議において協議せられたとか、そういう問題はございませんでしようか、政務次官に……。
  66. 水谷昇

    政府委員(水谷昇君) そういうことは聞いておりません。
  67. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それからこの施設の充実と関係して、大学の統合の問題が出ておりますが、この問題はどの程度おやりになるのか、又その進捗状況というようなものについて概要を御説明願いたいと思います。
  68. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) この点につきましては、昨年の秋ぐらいから大学設置審議会に大学特別委員会という特別な委員会を設けまして、主として設備という観点から見て、大学の統合の問題を研究しようということになつたわけでございます。現在の進行状況といたしましては、およそ各大学について一番まとまりやすい大学と、それから最もまとまりにくい大学と、その中間のものと、およそ三つぐらいに分けまして、第一のすぐまとまりやすいものは書面上いろいろ研究いたします。第二のものにつきましては、いろいろ学長あたりに来て頂いて意見を聞いたりいたしておりますが、第三のものにつきましては、現地調査を最初に行なつたわけです。そういうような次第で、同委員会もまだ各分科会の主査の審議の程度でございまして、大学委員会といたしてもまだ結論が出ておりません。 いわんや総会にもまだ諮つてないような次第でございます。我々といたしましては、この委員会の答申を得ますれば、将来大体そうした線に沿うてこれの実施その他をやつて参ります。又同時に地方協力も得てやつて、相当長い期間がかかるかも知れませんけれども、急速にその線をすぐに実現いたしますることは国家財政、地方財政から非常に困難でございまするので、およそ将来あるべき形をそこで画いて、だんだんそれを充実して行きたいという考えで現在審査を煩わしております。
  69. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そうすると、この問題はまだ進行中であつて、結論を得るまではまだ相当に時日がかかるという段階でありますか。
  70. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) さようでございます。
  71. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 先ほども出ておりましたが、急に新制大学がたくさんできて、施設の面もありますが、人事の面においても非常に充実していないという点が問題なんですが、これについて旧制大学との人事交流の問題ですね、こういう問題はどういうふうになつておりますか。
  72. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 大変失礼でございますが、御質問の意味を正確に把握いたしませんけれども、旧制大学と新制大学との人事の転換、これは、大体旧制大学の学部のありまするところには、同じ性質の新制大学の学部ができましたので、又設置審議会の審査におきましても、旧制大学の教授、助教授と、相当の地位にあります者は、大体そのまま新制大学の教授、助教授になるというようなことでございますので、旧制大学と新制大学との人事の転換という問題は、大体当該大学内において行われると考えております。
  73. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 附則の第二項の問題ですが、「第三条の改正規定により廃止された学校の職員は、別に辞令を発せられないときは、昭和二十六年三月三十一日限り職員の身分を失うものとする。」という附則に関連して御質問したいと思います。昨年の三月に旧制高等学校が廃止になつて、新制大学に昇格したのですが、その際の教職員の取扱なんですが、その際には別にこういう附則がなかつたように聞いているのですが、これはどういう……。
  74. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) こうした学校の廃止という問題につきましては、昨年高等学校が廃止になりました場合と、本年これだけ多くの専門学校、師範学校、青年師範学校が廃止になりますが、性質は同じでございます。ただ昨年は高等学校の数も非常に少かつたわけで、特別にこういう条件を設けずに置きました。本年度におきましては、これだけ多数の学校が廃止せられるということになりますので、大体事務上の便宜を考え、又その間人事の取扱の誤りなきを期する意味におきまして、こうした取扱いを法文自体で明確にするほうがいいと考えまして、本年度におきましてはこうした条文を置いたわけでございます。
  75. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 昨年高等学校が廃止になつたのは何校くらいになつておりますか。
  76. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 二十七でございます。
  77. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 昨年の高等学校廃止の際にこういう附則をきめなかつたのは、数が少かつた、こういうふうな説明のように聞いたのですが、相当数に上つているようであります、二十七、八校と言えばですね。ところが今度のそれはこういうような措置がせられ、数が少い、多いというだけでこれが設けられておるのか、設けられておるということになれば、ちよつと理解しがたい点があるのですが……。
  78. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) その点理論といたしましては、昨年も或いはこういう規定を設くべきであつたかと思うのでございます。この点は事務上の誤りなきを期するのと、事務簡捷の問題も、本年度これまで相当に、非常に激増いたしましたから、その点明らかにいたしまする必要が多いので、今年はこういう条文を明らかに入れた、こういうふうでございます。
  79. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それからこの項と教育公務員特例法との関係について質問したいのですが、大学の教職員につきましては、第五条に事前審査があるわけです。その身分を失う場合は当然あるわけなのですが、今度の場合やはり身分を失うわけなのですが、この特例法との関係はどのように解釈しておられますか。
  80. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 国家公務員法の第七十八条第四号でございます。官制の廃止によつて過員を生じた場合、本文に帰りまするが、「人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。」こういう規定がございますので、こうした学校が廃止になります場合も、やはり本人から依願退官いたしません場合におきましては、意に反して免職という範囲に入つて参ります。従つて形式上大学の教職員でありますれば、第五条の事前審査を受け得る状態である。併し実際の問題になりますれば、受けた場合に何を論じ、何を争うかという問題になつて参ります。要するに争うべき事実、論ずべき事実は、学校が廃止になつたかならないかということだけなのであります。ですから形式上は第五条の審査を受けたいけれども、受けて、そこで論じて見ましても、事案はその学校が廃止になつたかならんか、仮に審査をして、若し万一不適当だと考えられる場合にも、なくなつた学校に戻すわけには参りません。処置もつかない。従つてこれは事前審査を実際受けるだけの実益はない問題だと思つております。今回のこの改正につきましてもそうした手続をとつてもいいのでございますけれども、これは一般論を申上げますと、この只今の規定は、あらゆる場合を想像して原則的規定を置いております。ただ官庁が廃止になる場合にも、廃止になりかたにいろいろあるわけでございます。例えば通産省ができますときには商工省が廃止になつた。この同じような性格のものが廃止、創設引続いたわけでございます。そうでない場合もある。例えば通産省の設置法におきましては、商工省の職員は通産省の職員に辞令を用いずしてなる。継続する場合にはそういう規定を置くのが常例でございます。廃止になる場合には、又その廃止の法律におきまして、こうした点を明らかにすべきものだと考えております。そういうような意味合いにおきまして、この国家公務員法は一般に規定いたしておりまして、具体的には法律にきめる必要がある、そういうような解釈の下にこの第二項を置いたわけでございます。
  81. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 その身分を失う場合に、附則でやれば辞令を出さないでその身分を失う、こういうことになつておるわけですね、ところが……。
  82. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 今回の改正法規になりますと、そうなるわけでございます。
  83. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そうすると特例法に認められておる身分を失う場合は、辞令も出されない、理由も明示されない、こういうことで自然にやめられて行かなければならない、こういうことになると、特例法の第五条とこの附則は矛盾するのではないかというふうな疑惑を持つのです。
  84. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 特例法の第五条は、審査すべき問題が、審査するだけの複雑さを持つておることを予想した規定だと思つております。この場合は、国家公務員法だけの規定から見ますれば、意に反する免官になりますので、特例法第五条に持つて来得る形式的な理窟にはなりますけれども、その場合、そうしたことによつて争つて見ても、論じて見ても、問題はただ学校が廃止になつたかならないかという事実だけであります。従いましてこの学校が廃止なつた場合にはその身分がどうなるかということは、法律で明らかにして、別に辞令を用いずしてその当然のことを明らかにして置いたほうがいい、こういう趣旨でできたわけでございます。つまり国家公務員法で処置いたしますれば、官庁の廃止の性質によつてその点疑念が起る、各設置法なり、或いは廃止法でその点を明らかにする、こういう常例に従つてここでこの規定を設けた。先ほどの、なぜ旧制高等学校が廃止されたときにこういう方法を用いなかつたか、私單に数的な問題を申しましたけれども、その場合において実際問題でございますが、大学教員資格を持つていないかたでも、高等学校或いは師範学校、青年師範学校教員資格はありますから、当分の間高等学校のなくなつた先生を師範学校その他で預ることが、実際の処置としては適当だ。そういうような点において多少本年度とは取扱が違う、こういう点を御了承願いたいと思います。
  85. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 現在三月の、これによつてやめなければならない職員の中には、新制大学資格を認められて十分その資格を取つておる者でも、教授会が新らたにそういう大学教授として決定しなければ、当然やめなければならん人があると思う。そういう人は、新制大学資格を取つておりながら、ここに廃校になるということによつて全然やめなければならないということになると、私は第五条の適用を当然受くべきだ。こういうふうに考えております。どうですか。
  86. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 形式的な問題でありますけれども、採用するかしないかという問題は、第五条の問題になりますが、お話のように新制大学教授会でこの人を大学に拾い込むかどうかという問題は、これは別の問題でございます。学校が廃止になつたから身分を失うというのは、これは又別の問題、従つて学校が廃止になつたから身分を失うということは、形式的には争い得まするけれども、何を争うかということは、別の大学、別のものが採用したかしないかという問題は、これは争いにならないと思うのです。
  87. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 その次にもう少し実際問題についてお尋ねしたいのですが、今度のやめなければならない場合、退職者に対しては、普通の場合は一カ月の十日分、その退職手当が出る。ところがこの場合は十六日分出るような措置を閣議で決定しているというふうに聞いておるのですが、その内容について説明を願いたいと思います。
  88. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) これは先ほどお答え申上げたように、まだ決定にはなつておりませんが、決定して頂きたい希望と、又実現の見込を持つて、今関係省と折衝中でございます。
  89. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それは私が今申した一カ月の十六日分という内容ですか。
  90. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 年数によつて違いまするけれども、お話のように十年以下の者については、一年について十六日分、それ以上の者には何日というふうに、従来の行政整理による退官等の例に従つて、今折衝いたしております。
  91. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それからこれは少し穿つた質問になると思うのですが、これが現在非常に問題になつているのです、各大学において……。ところが各大学の学長とそういつた教授との間にいろいろ話合いが進められて、円満にこの問題が進行するような措置がとられているというふうに聞いておるわけです。具体的にそれを申上げることがいいか悪いか、私も判断に迷うのでありますが、適当に措置がとられるようなことも聞いておるわけです。ところがこの附則第二項によつて、三月三十一日限り身分を失うというふうに嚴重に規定してしまうと、非常に困る結果が來るのではないかということを恐れているわけです。
  92. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) お話の適当な措置というものは、何らか新制大学職員になることではないかと思うのでございますが、そうでない、残つた人につきましては、こういう結果が生ずる、適当なる措置がとられれば問題はないと思います。
  93. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 これはここで申上げるのを差控えたほうがよいと思うので申上げませんが、私はこの問題は相当紛糾を起す附則だと、こういうふうに考えておるのです。こういうふうに解釈して、当然廃校になると、廃校になつた場合の教職員は、新らたに大学で採用するかしないかは、大学が自治的に決定できるものなのです。従つてこういう附則がなくても、そういう教職員の整理というものは、附則のあるなしにかかわらず、大学自体において措置できる問題だと思うのですが、どうですか。
  94. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 新制大学と旧制の専門学校その他の大学というものは、全く別の行政機関であります。今包括はされておりますけれども、それは別の問題であります。従つて新制大学で或る人をとるかとらないかということ、又旧制学校がなくなつてしまつたから身分を失うというのは、これは法的には関連がない問題になつて来ると思うのです。新制大学におきましては、よそからもとれるし、又旧制学校にいた人はよそにも出る。これは必然の継続関係がない。若し必然の継続関係がありますれば、例えば商工省通産省になつたような、そういう意味も明らかにすべきだと思います。この場合は必然的な関係がないから、旧制学校がなくなると同時に身分を失うということは明らかにしなければならないと、こういうふうに考えております。
  95. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 私のお尋ねしておるのは、前に高等学校の場合、廃止された場合、こういう附則を附けないでも円滑に行けたわけなんです。今度の場合にも、こういう附則を附けなくても円滑に行けるのじやないか、こういうふうに思うのですが……。
  96. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 多少繰返しになりますけれども、前の高等学校がなくなりましたときには、まだ隣りに専門学校もあり、青年師範もあり、いろいろな、大学の教官になる資格のないかたを一時お預りして置くまあ学校があつたし、又そこに働いた事実もあつただろうと思います。今度の場合にはみんななくなつてしまいますので、やはりその点をはつきりしなければならんと思います。
  97. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 今の説明では僕はよくわからないのですが、今でも高等学校もあるし、高等学校に行こうと思えば行ける。何ら変つていないと思いますが……。
  98. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 勿論公立の高等学校から私立に転換されるのは、何らこれと関連がありません。ただ三月三十一日に別に退官の辞令が出なかつたかたが辞令に代えてその効果を生ずる、これは学校がなくなつてしまつたのですからどうにもしようがないし、その点をただ明らかにした。それまでに大学へ行くとか、私立の高等学校公立の高等学校へ行くというようなかたは、これは転任で参りましようし、私立の場合には辞表、辞令で行くと思いますが、そういう問題にはちよつと差当り関係ない。ぎりぎりの場合、学校がなくなつたときには身分がなくなる、これだけの規定でございます。
  99. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 繰返して何遍お尋ねしても同じことになるわけですが、法的に、高等学校の場合はこういう附則はなかつた。今度の場合にはこういう附則を附けなければならん、こういう法的理由ですね、これをお伺いしたいと思います。
  100. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 法的に申しますれば、高等学校のときにもこういう規定を設けてもちつとも差支えないし、設けるということも結構だと思つたのでありますけれども、ただそのときには一面まだ学校の数も非常に少いし、事務的処理の間違いとか、或いは又事務的処理の便宜を図るという程度が本年度ほど多くない。こういうような実情から昨年はやらなかつたが、今年度はやる、こういうことと考えております。
  101. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そうすると、法的にはこれを設けても設けなくてもよいということになりますね。
  102. 稻田清助

    ○政府委員(稻田清助君) 法的には只今の事務的処理という要請がありますから、ここで設ける必要が生じて来た、こういうわけでございます。
  103. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 終ります。
  104. 堀越儀郎

    ○委員長(堀越儀郎君) 何か御発言がなければ、この法案に対する質疑はあともう一回くらい続行いたしたいと思いますので、本日はこれにてこの法案に対する質疑は打切ります。会計課長代理が見えておりますから、文部予算の一般に対して御質疑があれば委員会を続行いたします。なければ懇談会にしたいと思いますが、如何でしようか。
  105. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今日は十二時も相当廻つておりますので、今日はこの辺で打切りまして、他の機会に又やりたいと思います。
  106. 堀越儀郎

    ○委員長(堀越儀郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            若木 勝藏君    委員            大谷 瑩潤君            左藤 義詮君            平岡 市三君            荒木正三郎君            高田なほ子君            高橋 道男君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   政府委員    文部政務次官  水谷  昇君    文部大臣官房会   計課長事務代理  相良 惟一君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君   事務局側    常任委員会專門    員       石丸 敬次君