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1950-03-17 第7回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和二十五年三月十七日(金曜日)    午前十時三十五分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件公職選挙法案(衆議院提出)   ―――――――――――――
  2. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) これより本日の委員会を開きます公職選挙法を議題にいたします。それでは速記をやめて……。    午前十時三十六分速記中止    ―――――・―――――    午前十一時五十四分速記開始
  3. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それでは速記を始めて下さい。先刻来いろいろ御審議になりました公職選挙法の第八十九條を確正いたして、「都道府県知事及び市長は、自発的に離職したときは、離職後六箇月間は、参議院全国選出議員選挙又は当該地方公共団体の区域を含む選挙区においての衆議院議員若しくは参議院議員地方選出証員の選挙の公職の候補者となることができない。」とするという島村君の御発議で、そういう修正並びに附則に経過規定を設けるという点について尚いろいろの御意見がありましたが、大体この趣旨で委員長に御一任になりまして、文章は尚事務当局で統制をし前、次にお諮りするということにいたしたら如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それではさよう決定いたします。
  5. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 速記のない間にこの第八十九條に誠きまして、関連して皆さんにお諮りいたした問題が一つあります。それは、「国又は地上公共団体公務員が、選挙期日前一ヶ年以後に退職して立候補した場合において、選挙期日前一ヶ年以後の在職中従事した公務に関し選挙人に対し特段に利益を提供し、又は利益の提供を約して当選の便宜を図つた疑いの顯著なものについては、利害関係者は選挙期日より三十日以内に限り、国会議員及び都道府県選挙の場合は全国選挙管理委員会に、その他の選挙の場合は当該都道府県選挙管理委員会にその審査を請求することができる。前項の審査の請求があつてときは、当該選挙管理委員会は審査を行い、請求の事実があると認めらたときは原告として選挙訴訟を行わなければならない。」、こういうふうな規定を置きまして、今古間で非難されておる某々次官が在官中猛烈な選挙運動をやつた、そういうことを絶滅することがありはしないか、こういうふうに思います。併しこの問題はいろいろな関係がありまして、今直ぐここでお決め願うわけには参りませんから、この公職選挙法案に対する参議院修正案が最後決定になりまするその際まで皆さんに御研究を願つて、留保して置いて頂きたい、この点だけについて……。
  6. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の岡本委員の発言の御趣旨に賛成するのですけれども、併しそれはさつきも述べられましたように、現在法においてもそういうことができるという意味ですね。
  7. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 この意味は選挙管理委員会が自発的に動いて呉れば問題はない。ところが自発的になかなか動き馬ない。それに対して利害関係人が選挙管理委員会に審査を請求し得るという新らしい制度を設ける必要がありはしないかということに重客であるのです。而もその請求は無暗に請求して貰つては困るので、疑いの顯著なものについてだけ、又在職中も選挙期日前の一年以後の在職期間の疑わしい事項に限る、こういうふうにしてあるのでありまして、これがなけれバやはりうまく動かないだろう、單なる事前運動の取締ということでは。だけれどもこの問題はなかなかデリケートな問題を含んでいますから、今ここで直ぐやる、結論を出して頂くことは少し面働だ、いつ修正案が決定しますか、このときまで延すということであります。
  8. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 僕の質問したいのは、現在世上で問題になつておるような某々次官なんかの職権濫用を伴う、或いは公の費用の濫用を伴うようなそういうものは現在の法律においても十分取締れるものであると思うのですが、その点はどうなんですか。
  9. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) その点は先程もちよつとお話がありましたが、事前運動の禁止ということで、それが明らかに事前の選挙運動であるということになりますれば、その違反として取締るものと思つております。尚その場合に今岡本委員からお話がありましたが、利害関係人から委員会に告訴できるというようなお話がありましたが、現在の刑事訟訴法の規定によりますと、官吏或いは吏員等がそういう犯罪ありと思料した場合は告発しなければならないという規定もあるわけです。その意味から言えば、実際的には法律上におきまして遺憾はない。さように考えております。
  10. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 この点私の説明をよくお聞きにならなかつたので、利害関係人は告発をするんではないのです。選挙管理委員会が相手だということがあるならば、あれが選挙違反にならないかという審議を請求するのです。告発するのじやない。新らしい制度を作るんだということなんです。
  11. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 了解しました。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  12. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 恐らくこういう規定がなかつたら、今の某次官事件でもよう手を付けられないだろうと思うのです。
  13. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) この問題は確定まで延すという線に御意見がありましたが、案が確定したときにもう一度御相談なさるということにしますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ではさようにいたしまして、第九十二條、即ちこの各議員供託金沒收の制限について……。(「九十三條だ」と呼ぶ者あり)九十三條第一項第二号でございます。
  15. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 これは先般の打合せのときに委員会におきまして、第三号の五分の一とあるやつを変更するように相成つておりましたが、どういうふうに事務的におやりになりましたか。
  16. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 只今衆議院法制局部長の方から答弁いたします。これは少し修正になつておりますね、衆議院でこちらの要求めに……、少し御説明願います。原案もすでに変つておる。(「原案は八分の一に変つておつたな」「九十三條の八分の一か、五分の一かということ」と呼ぶ者あり)
  17. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) 八分の一になつております。九十三條の第一項第二号であります。参議院全国選出議員選挙有効投票総数の沒收率の点に関しましては、八分の一ということになつております。
  18. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 委員長第三号を言つているんだよ。五分の一というのがありますが、何條でしたか、その次の箇條において、五分の一と当選の率とが違うから、ここを事務的に変更にするよう話になつておつたと思いますが、その点はどうなつたかお伺いして置きます。
  19. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 これはではね、私が申したので、これはどうしても修正をして頂きたいと思うのです。で、参議院地上選出議員の選挙、それは「通常選挙における当該選挙区智の議員の定数をもつて有効投票の総数を除して得た数の……」これは違うかな。
  20. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) これは沒收率の場合です。
  21. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 ああ、これは間違いました。これはいいのです。
  22. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 委員長よくないのですよ。第九十五條の第三号において、これは六分の一に変更するという話がありましたから、これを六分の一にするのならば、ここの三号の五分の一は合わないから、これも事務的に変更しなくちやいけないということになつたのです。
  23. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつと申上げますが、この参議院の原案も地方区の方はやはり五分の一決つておる。衆議院と同じです。この没收率の方は……。すると違つておるのは参議院全国選出の分の参議院は十分の一、衆議院は八分の一となつている。この点が違うだけで、外は違つていないのです。参議院の方と没收率は御覧になりますと……。これは如何いたします。    〔「衆議案賛成、衆議院案でよくはないかな」と呼ぶ者あり〕
  24. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 御意見がなければ大体……。
  25. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 御意見はありますよ。さつきから私の言つているのをはつきりさして呉れ。九十五條の第三号を六分の一にしたい。この前のときか話があつて、大体六分の一にしようというお話がありましたから、六分の一にしたら、こちらが五分の一でこれが無効になるのはおかしいじやないか。だからこの点を事務的にどういうふうに整理されたか、聞いておるのです。
  26. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 つまり当選したのに無効になつて来る。
  27. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 片一方では六分の一から当選になるのですよ。片一方の方は五分の一で没收……。
  28. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) だから片一方を五分の一に直すということは決つてないのです。
  29. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 いや、決つてないが、それを事務的にこの場合入替えるというお話になつているのです。
  30. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 それじや九十五條から先にやつて頂きたい。
  31. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それでは九十五條を先にします。九十五條については三浦法制局部長からちよつと御説明を願います。衆議院ではこの数で絶対大丈夫だと称しておるのですから、やはりあなた方の方から十分にこの根拠をこの議場に徹底するように御説明願います。
  32. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 九十五條の法定得票数の問題でありまするが、事柄を分けまして、全国選出議員と地方選出議員について申上げます。全国選出議員につきましては、衆議院の原案におきましては、最初四分の一でありましたのが、参議院側からの申入れによりまして六分の一にいたしたわけであります。これと関連いたしまして、供託金の方を、先程申上げましたように九十三條で八分の一にいたしたのであります。ところが参議院の地方選出議員につきましては、現行法も法定得票数四分の一でありますし、それから没收率につきましても五分の一でありますので、この点につきましては衆議院側の委員会における意見といたしては、現行法で第一回の選挙もそれで支障なく済んだのであるし、殊にこの際引上げる理由はないというような意見であると思つております。尚地方選出議員の法定得票数四分の一の問題を、昨年行われました衆議院総選挙の有効投票総数と比較いたしまして御説明をいたしますれば、昨年の一月執行の衆議院総選挙の有効投票総数は三千五十九万二千五百十九票であります。これを今度の参議院の通常選挙においては半数改選でありますので、全国については五十、地方選出議員については七十五で割ることになるわけであります。その選挙区内の議員定数の半数で割ることになるわけであります。それで全国選出議員については問題はないようでありまするから、地方選出議員について申上げますれば、地方選出議員は半数になりますと、従来定数が二名でありますところが一名になるのでありまして、一名になるところが相当数、十数県に及ぶと思つております。そういたしますと、丁度一県一区の一人について例を申上げますれば、丁度衆議院におきましては、一県一区の衆議院の選挙の場合と大体同樣のあれになると考えておるのでありまして、(「違うよ、員数が違うじやないか、衆議院の一県とは違うよ」と呼ぶ者あり)例えば長崎に例を取つて申上げますれば、長崎におきましては四十九万七千票という有効投票数でありまして、一で割りますと、これを四分の一の比率で出しますと十二万四千票ということが法定得票数になるわけであります。で十二万四千票はこの前の第一回の参議院選挙に比べまして人数が半数になります関係上、得票数もそれに比例して逆に多くなるというのは止むを得ないじやないかと思つておりまするが、全体を四分の一で平均いたしますると、全国の法定得票数平均が十万三千六十七票になるわけであります。それと全国選出議員の場合におきまして、六分の一の法定得票数で全国平均を出して見ますと、十万一千九百七十五票というようなことになるのでありまして、それとの平均を法定得票数と比較いたしました場合におきましては、大体同じような法定得票数ということが数字的に一応出て来るわけであります。でこの場合におきまして地方選出議員に比べると、参議院全国平均の法定得票数が同じようでは、全国は百名であるから少いというような御意見であれば、全国の方をもう少し率を上げるべきであろうというふうにも考えられますし、参議院の全国選出議員の六分の一の得票数が十万一千九百七十五票ということが適当であるという御意見であれば、地方選出議員の平均得票数が十万三千はそれでもう少し下げるべきかどうかという御意見になるのではないかと、かように考えております。併しながら全般的に考えまして、このくらいの得票数であれば実際問題としては支障はないのではないかというように私共は一応考えております。
  33. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 只今の御説明は先般も聞きましたが、先般も第二号の全国選出議員の方にも異議がなかつたという今お話でありますが、異議があつたのです。全国選出議員の方は十万もとれなかつた人で欠格者ができた場合に非常に困る。再選挙もできないじやないかという点もありました。これは非常に疑義があつた。  それから第三号におきまして、今長崎県を例にとられましたが長崎県の四十九万を割つて行くと十万何票という御説明でございますが、十万取つた人はもう落選ということに相成りまして、これを逆に前に戻りまして、九十三條に持つて行きますと五分の一になりまして、七、八万取つた人はすでに没收ということに相成る結果になりまして、これを先般の話では第三号を六分の一まで低下して、そうして行つたならいいのじやないかという話になつておつたと思いますが、その辺が今御説明になつた線から行くと、全国が十万平均であるから、地方区の方も十万平均ぐらいでいいじやないかと、そればかりおつしやるのですけれども、第一号の衆議院においては例を長崎県に取りますと、四十九万の有効投票のうち十人の衆議院議員がありますから一万そこそこでいいということになります。そういう懸れ離れたあれで、片方は多く取らなければならない。片方は少く取つていいという結果になりますので、同じ一県一区であるとおつしやつても、議員定数において片方は十人片方は一名なんですから、その辺は大いに違うのではないかと思います。(「その通りなんだ。飛んでもない。」と呼ぶ者あり)
  34. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 今小林君からおつしやいました通り、この前にこれは留保しました際に、私から衆議院側の案について御説明を求め、私の意見を申したのですが、衆議院側のあのときの御説明によりますと、全国区を六分の一に直したのだ。それでその法定得票数が昨年の衆議院の場合の有効投票を総数で仮りに計算してみると、五十人として十万一千九百七十五票、だからこのくらいでいいじやないかというお話があつたのです。併し第一定数五十で割るということが工合が惡いのでありまして、もう少し例えば参議院の議員の場合は欠員が十二人までは出得るのでありますから、十三人になれば補欠選挙をいたしますが、十二人のときは補欠選挙をまだしない。それを六年議員の改選と一緒に今度選挙をするということになつて参りますので、定数も六十二というようなことにならなければならん。それからこの十万ということは、これはなかなかやはり六十何人の人は取りにくいのであります。五十何人のときは取れるかも知れない。併し六十二番ぐらいの人は十万というものはなかなか取りにくい。そうするとその分は再選挙ということになるのですから、それは非常な手数がかかる。そこでどうしても八分の一にしなければならん。これが一つです。全国区について……。それから地方区については、今詳しく小林君が指摘された通りでありまして、我々の頂いた表について見ますと、奈良県に例をとつて見ましても、仮に衆議院のときの奈良県の有効得票三十三万一千を、今度参議院の定員は、定数は一人ですから……、定数ですね。そうするとこれは法定得票数は四分の一で八万二千になる。原案通りだとすれば八万二千取らなければならんということになる。ところが衆議院の方のそれじや奈良県における法定得票数はどうであつたかとこの表を見ますると、奈良県は定員五人ですから、衆議院議員の場合はだから法定得票数は一万六千でよろしいということになる。一万六千と八万二千と大変な法定得票数の差が出て来ます。だからこれは参議院の原案も惡かつた。それを見落して四分の一と書いてありますが、これは八分の一でなければ私はいけないと思います。こういう結論になる。
  35. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これはもうすでに世論が十分批判しておるところなんですが、参議院議員の定数ということについての考え方の混乱から起つておると思います。つまり第一回だけは臨時に全国の場合は百人、地方の場合は百五十人ということがあつたのですが、これは参議院議員の理論上の定数ではありません。つまり第一回の選挙においてだけであつて、今後は到底そういう定数は現われないのであつて、だから第一回のこの前の現行法はそうであつたから差支えないという御説明があつたけれども、それは非常な理論上の混乱であつて、理論上から言えば、参議院の定数は全国区は五十名、地方区は七十五名であるのです。だからそういうことは第一回だけあつたに過ぎない。そういうことが第一回だけあつたものを以て理論上の根拠とされておるというのは、これは勿論参議院及び参議院の事務局が主としてこれについての責任を負わなければならないので、衆議院乃至衆議院の事務局、法制局がその点について十分の御認識をお持ちにならないということは当然のことであつて、別に責めるわけではないのですから、だから今岡本委員が言われたような、即ち理論的に言えば参議院議員の全国選出の定数は五十名なんですね、だから第一回のときに百名であつたのは臨時で、今回基本法或いは公職選挙法を作るとすれば、前回の倍数にしなければならん。地方区においても理論上の定数は七十五名なんだから、百五十名という倍数でしなければならん。これは理論上事理明白、一点の疑う余地はない、ですからそういうふうにして頂きます。
  36. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) ちよつと私、さつき言い落しましたので附加えて置きますが、今のお話のありました通りで、私共はむしろ逆に考えておりまして、この前の定数が全国は百であり、地方は百五十名、その今度の半分になりますから、従いまして一人当りの得票総数というものは、法定得表総数というものは、その倍に逆に上つていいのではないか、こういうわけです。それともう一つは、この前の選挙の一応の事情でありまするが、最低得票数が、ちよつと私表を持つて参りませんでしたが、確か最小得票数が六万七千くらいだつたと思つておりますが、これは全国選出であります。そういう点を勘案いたしますと、今度は仮りにそれが半数で割りますから、倍になるとすれば十二、三万という法定得票数を一応得られる、こういうことになるのでありまして、それらを勘案いたしまして、大体ここらの見当が適当ではないだろうかということを一つ附加えて置きたいと思つております。それにもう一つの事柄は、衆議院の方は確かに法定得票数が低いと思いまするが、これは立候補者の数というものと関連いたしまして法定得票律を考えなければならんと思つておるのでありまして、候補者の数が多くなりますると、それだけ得票が分散いたしますので、分散いたしますれば、その率はそれらを併せて考えてやつておりませんと、一人当りの得票数の率を上げておりましても、結局誰も当選者がない、こういう実情がありますので、それを併せ申上げて置きます。
  37. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 今の御説明は、どうも私達いよいよおかしくなつてくる。一選挙区において定数が減つてくるから、投票する有権者がそれに附随して減るならば、当然あなたのお考え通りだと思いますけれども、同じように有権者の数があるならば、立候補者は何名殖えてもいいんです、立候補者が殖えてくると、あなたの話から行きますと、乱立防止にはいいかも知れまれんけれども、立候補者においては沢山出るかも知れない、そうなつてくると、殆んどがもう当選しない人が出て見たり、殆んどが没收される結果に相成るのじやないかと逆に我々は考えるのです。
  38. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) ちよつとその点は誤解があるとあれですが、私が申上げておりますのは、例えば全国について申上げますれば、従来は百で有効庭票数を割りましたのを、今度は五十で割りますので、そうして掛けます率は同じであります、それを今度は改正率は四分の一を六分の一に全国を下げますから、少くなりますから、そういたしますと、立候補者が仮に同じであるといたしました場合に、当然法定得票数は多くなる、こういうことを申上げておるわけであります。
  39. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の議論は極めて算術的な議論であつて、算術的にだけ考えることはできないので、その定員数、定数は半分に下げて、立候補者の数は殆んど同様なんですから、或いは倍になるという事柄かも知れないし、その立候補者の数が多いということを、衆議院の立候補のときには、立候補者の数のことを重大に考えておられるようだが、参議院の場合にも、やはり立候補者の数を考えなければならんのだから、さつき我々が申上げた理論というものは一向動かないと思う。
  40. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 私も羽仁委員、小林委員の意見に賛成なんですが、それに附加えまして、ここに挙げておるこの何分の一というものは、これは一つの欠格條件なんだ、欠格條件が或る場合には條件が重く、或る場合には條件が軽いというわけはない。ですからそういう意味においてならば、全国議員が八分の一ならば、地方議員も八分の一にすべきであると、私はそういうように考えます。
  41. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 如何ですか、御意見は大体出揃つたようですが、それではどなたかから修正意見をお出しになつたらどうですか、そうでないと決まりませんから。
  42. 島村軍次

    ○島村軍次君 衆議院の案では、全国区の場合は六分の一というのを、これを八分の一に修正し、第三号の地方選出議員の場合に四分の四を六分の一に修正する、いろいろ議論はあろうと思いますが、そういう修正が適当じやないかと思います。
  43. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) そうすると九十五條のこの修正に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 島村君の修正案に対する賛成は多数と認めて、さよう決定いたします。  そうすれば次に留保しておりました九十三條の没收率の場合を又考えなくちやならんと思います。それをどう修正しますか。
  45. 島村軍次

    ○島村軍次君 没收率は、ここを八分の一にしますれば、没收率は当然十分の一、第二号。それから第三号は六分の一で理屈が惡ければ八分の一ということに事務的に……。
  46. 菊井三郎

    ○法制局参事(菊井三郎君) 八分の一の場合に十分の一にしますれば、その比率を以ていたしますと、七・五分の一ということになるのでありますが、どうも数がちよつと工合が惡いように思われます。
  47. 島村軍次

    ○島村軍次君 それでは第二号十分の一、第三号は八分の一。(「賛成」と呼で者あり)
  48. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) そうすると、只今島村委員のこの九十三條の第二号を、参議院の場合十分の一、第三号を八分の一、これで御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) さように修正することに決定をいたします。  ちよつと時間が過ぎましたが、運輸省から、例のパスの問題で特に見えておるのですが、これは前の本委員会においても大部議論があつた問題ですが、一応運輸省の御説明を伺つて、百七十六條を決めて頂こうと思います。大変御迷惑でしたが、運輸省の佐藤君一つ……。そうすると運輸省の佐藤総務課長から第百七十六條、即ち交通機関の利用に対する運輸省の、かように訂正をして貰いたいという修正の意見の御説明を求めます。
  50. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) 鉄道監督局の総務課長の佐藤であります。百七十六條の修正の御意見を伺いまして、現行の立法例もありますので、我々としては、この線で事務的に準備をすることは不可能かと考えます。ただ一応運賃の問題、即ち予算と関連する問題でありますが、これにつきましては、只今私の方で計算をいたしましたところによりますと、一日平均乘車キロは三百キロの計算で、二等の現在の改正案の運賃といたしますと、七百六十円ということに相成りまするので、これを三十日掛けまして、従来の例によりまして、五割引きという計算にいたしますというと、一万四千百円という計算に相成るわけであります。従いまして、一応この計算で行くといたしますと、全国区の選挙五十名の仮に四倍の立候補者ということを仮定いたしまして計算いたしますと、三千四百二十万という運賃が所要という計算に相成るように考えております。
  51. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 何かこれに対して御質問ありませんか。
  52. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 私は質問とはちよつと違いますけれども、根本的にこの百七十六條の問題を討議して頂きたいのですが、この衆議院乃至は参議院地方選出議員は、一都道府県内の十五枚の無料のパスを貰つて自由自在に運動ができ、全国の人は僅かにこれを一枚ずつ分けたにしても十五県を一人が廻れるだけに相成ります。そうしてこの全国の回数券を十五往復仮に頂載するにしても、これは結局地方の議員を全国の議員との差が甚し過ぎるので、これを枚数は多少変更に相成つてもよろしいのですが、先般から参議院案として出しておる案で進んで行かなくちや、これでは根本的に余りに差があり過ぎると思います。
  53. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつと鉄道の課長さんに御説明を求めますが、つまりこの参議院の案と衆議院の案は十五枚の交付を受ける、全国はこれは全国を通用する。そして各区はその県内を通用するということになつておるようです。参議院はその各地方区は十五枚、全国区は二十枚を交付して呉れる、こういうことになつておる。ところが参議院のこの修正では全国区のものもやはり県ごとに区切つてしまつて、そうして十五枚ということですから、大変に全国区の人が不利になるといつたようなふうに考えられる。
  54. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今のは参議院修正ではないのですよ。今のは運輸省修正ですよ。
  55. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 私の言葉がちよつと間違いましたが、参議院は全国区のものに二十枚やるというのに、運輸省の方は全国区の方は十五枚、この十五枚は修議院は十五枚といつておりますからよろしうございますけれども、(「よろしくない」と呼ぶ者あり)併し全国区について私昨日も疑問に思つたんですが、各府県区域内に限つてそれを全国のものに十五枚やるんだという、大変全国区が不利になるように思うのですが、もう一応よく説明して頂きたいのです。
  56. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 説明を聞く必要はないのですよ。衆議院選挙ではなくして参議院の還挙をやるのですから、我々がやるのですから……。
  57. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつと申上げますが、この文書に尚参議院議員選挙において全国候補者について日本国有鉄道乘車券を十五枚呉れるということで、これを私はまつとうに私は解釈して、府県の方とは違うように思つたんですが、その説明を聞いておるのですよ。決定はこちらに権利がありますけれども、その内容を聞いて置く必要がありますので……。
  58. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) 只今の点でありますが、別にというふうに、別に回数乘車券ということであります。
  59. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 委員長が聞いておるのは、参議院の全国区の候補者に與えるのは、都道府県單位パスを十五枚與えるのか、全国区を通用するパスを十五枚與えるのかということを聞いておるのですよ。
  60. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) ちよつと御説明が足りませんでしたが、都道府県單位の外に十五枚。
  61. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 そうではないのですよ。都道府県のパスを外に十五枚呉れるの、それを聞いているのですよ。
  62. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) ですから、別に十五枚の外に出すと、併しその内容についての質問でございますか。
  63. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 別に全国に十五枚出すのですか。それなら全国は、文章はどうか知りませんが、私は昨日そう解したからそれで今そのことを聞いておる。それだけが皆さんに分れば、あとは法案はこつちで考えたらよろしい。
  64. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 違う、違う。もう一度はつきり聞きますが、運輸省の方もはつきり答えて貰いたいのですが、そうすると。参議院の全国の場合に、都道府県單位のパス十五枚と、それからそこと連絡するためのものを別に往復券を十五枚出すというのでしよう。全国のパスは出ていないのですね。どうですか。
  65. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) 我々の方で御意見を求められまして出しましたのは、今お話のように都道府県内のパスの外に往復の回数券を……。
  66. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 往復の回数券だけですね。
  67. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 全国通用の往復の回数券と都道府県内のと二つになるのか……。
  68. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 そうじやないのですよ。委員長は全く間違えている。
  69. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 これは先から私が言つているように根本的に違うのですよ。地方選出の人はその都道府県に対して十五枚を自由自在に乘れるから、本人が一枚使つて、あと十四名の運動員と共に十五名がじやんじやん都道府県を廻われる。ところが全国の選出の人はやはり十五枚で、例えば東京都なら東京都を指定した場合に、東京都だけは十五人廻われますけれども、外の県に行く場合には全然往復券しか貰えない。それだから五県乃至十県、四十五県をぐるぐる廻るということはでき得ないのです。これでは……。
  70. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつと私から申上げます。この文章の……通じて十五枚、参議院全国選出議員選挙においては都道府県を單位として通用する、この場合には十五枚、例えば東京都をやると言えば、東京都を十五枚やるものに限つて出す。それから尚全国の参議院議員選挙においては候補者一人について無料で全国国有鉄道往復運賃後拂証十五枚をやると、尚それだけ出すと書いてあるから、私の文章の見ようが惡いか、あなた方の考え方と違うかどうか知りませんが、そう私は考えたから質問をしているのです。それで今日これ以上……。むしろこの問題をはつきりしてこの委員会で適当な修正案を作ればいいのだから。鉄道はこういうのだ。鉄道の出した趣旨は私の今質問した通りと課長が言つているのだから、それだけを確めたのです。
  71. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 運輸省にお尋ねしたいのですが、全国を通じたパス、いわゆる全国に通用する回数券ではなくて、パスにした場合どういう不便があるのですか。御答弁願います。
  72. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) お答えいたします。只今のお尋ねの点につきましては、ちよつと御説明が先に進み過ぎておりましたのですが、私が一番初めに申上げましたのは、全国のパスの計算であります。それから回数券の場合はこの運賃の計算であります。
  73. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 差支えないというわけなんですね。
  74. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) 前の立法例もありますし、制度上そういうふうにお定めになりますれば、我々が與えられた権限の中で実施することができるわけでございます。
  75. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 全国パスを呉れるというのですね。
  76. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 それをお聞きすれば結構なんです。
  77. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 御説明はこれでよろしうございますね。
  78. 姫井伊介

    ○姫井伊介君 外の点で伺いたいのですが、地方選出の参議院議員がその選挙区である都道府県のうちの今のパスを貰う。ところが交通の順序で他の府県を経なければうまく廻れない。現に今山口県なんかそうです。山口線から更に山陰線に行こうとすればどうしても島根県の益田まで行かなければならない、そういう場合にはどうなるか、他府県を経由する場合にはどうするか。別に拂うということも面倒なんです。
  79. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 長崎県の場合において、先ず対馬へ行くときには佐賀県を経由して福岡県を経由しなければならん。(笑声)その問題も追加して考えて頂きたい(「その通り」と呼ぶ者あり)
  80. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) つまり県内の回数券を持つているけれども、他府県を通過しなければその県内へ行けない場合は、その通過する部分だけは別に汽車賃を拂うのかどうか、こういう質問なんです。
  81. 佐藤光夫

    ○説明員(佐藤光夫君) 只今の点につきましては現行制度上もあるわけですが、具体的の交通機関の実施の方法になりますので、これは十分に調査をしてからお答えを申上げたいと思います。
  82. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 私は地方議員ですから、全国には関係がないことだといえば関係ないんですが、私が常識的に考えても、例えば十五枚の県單位のパスを貰つても、関西地方の十五県の県單位のパスを貰つて場合、候補者が出た場合に全部持つて出なければならんのですが、特殊乘車券のことです。そういたしますと、候補者が関西地方十五県を廻るために全部のパスを持つて出てしまえば、後に残つた運動員というものは何にも運動できないということになるのです。それは結局運輸省がそういうことをして来るために選挙をさせないという結果になるんであつて、それは余程お考え願わなければならない。ただ事務的にむずかしいからというので、この選挙を阻害するような結果を来たすということは、やはり国家機関としては相当考えて貰わなくちやならん。
  83. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 質問は終つたものと認めますから暫時休憩をいたします。    午後零時四十三分休憩    ―――――・―――――    午後二時三十六分開会
  84. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 それでは休憩前に引続いてこれより開会いたします。  順序に従つて御討議をお願いしたいと思いますのは、公職選挙法第百十五條と、選挙基本法案の要綱の第百三十四の二項です。これは前回までの御討議の間で大体選挙基本法案の通りの趣旨に御賛成の方が多数だつたのですが、もう一度念のために簡單に御説明を願います。
  85. 菊井三郎

    ○法制局参事(菊井三郎君) 只今問題になりました点は、参議院の在任期間を異にする議員の選挙を合併して行いました場合において、当選人につきまして更正決定又は繰上補充、或いは議員が欠けたというような場合の繰上げの事由が、同時に若しくは引続いて生じた場合におきまして、公職選挙法案におきましては、通常の繰上補路の方法によつて、いわゆる次点者を繰上げて行くというようになつておるのでありますが、この建前で参りますと、任期の長い六年議員と三年議員の選挙を一緒に行つた場合におきまして、六年議員の当選人が欠けたというような場合に、次点者がいきなり六年議員に繰上げられるという結果になつて参るのであります。この点につきまして、参議院の案では、その場合には三年議員が六年議員に繰上つて、次点者が三年議員に繰上げられる。こういうようになつておる点が違つておるわけであります。
  86. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 御意見ございませんか。この点については、前回までの御討議では参議院議員の選挙に関する問題であるし、今菊井課長から説明せられたような趣旨が理論的にも正しいと思うから、選挙基本法案の趣旨に基いて修正をするというような御意見が多かつたのですが、これについて衆議院の方の御意見をもう一遍伺いますか。
  87. 木内四郎

    ○木内四郎君 一応伺います。
  88. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 今の菊井君の御説明と多少私共考えておるところと違う点があるのでありまして、衆議院案の百十五條の第三項と申しまするものは、在任期間を異にする参議院議員で選挙を合併して行いました場合に、その人が何かの事由で更に欠けたりいたしました場合において、その欠けた後に人を補充する場合において、その人が更に欠けた場合において、その人の繰上げをどうするか、こういう問題ですから、ちよつと菊井君の言われるのと私共考えておるのと話が違つておるように思つております。これは現在、参議院議員の選挙法の中にはこの通りに規定があるわけでありまして、一向私共は差支えないように考えております。
  89. 菊井三郎

    ○法制局参事(菊井三郎君) 只今の公職選挙法案の第三項は、参議院の規定につきましては、これに相当する規定が拔けておるようでありますが、その規定は当然必要であろうと思うのであります。ただこの場合の規定だけで申しますと、先程私が申上げたような結果になるのではないかと思われるので、参議院案といたしましては、更にそれ以外に在任期間の短い者が長い方に繰上つて、次点者が三年議員に繰上げられるというような措置が必要であろうかと思うのであります。尚参議院のこの第二項の規定は、そういう趣旨で書いたのでありますが、規定といたしましては少し不備があるのでありまして、仮に若しこういうような考え方がよろしいということになりましても、この條文の字句自体ではまだやや不宏全でありまして、少し訂正をする必要があると考えております。
  90. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 参議院案の百三十四條の二項の規定は、衆議院と立て方が多少違つておりますので、この事柄を直ぐ公職選挙法には当嵌められないと思つておりますが、その理由は、百三十四條の二項には、教育委員会の委員の選挙についての規定がありまして、これが三ヶ月以内に事由が生じた場合に、繰上補充をやるとか、而もこの場合に得票数の多い者から順次に繰上げるという規定でありまするが、公職選挙法案によりますると、教育委員につきまして、三ヶ月の区分をいたしておりません。これは、教育委員会の委員の補充は、欠員の場合も同様でありまするけれども、そういう欠けた事由が生じました場合におきましては、同点者で落選した者を先ず上げるということになつております。それから第二次的に上げます場合におきましては、次点者で、勿論落選した者ということになりますが、その人を上げる、こういうことになつて、期間の三ヶ月の制限はないわけであります。但し結果におきまして次点者から繰上げました場合におきまして、その結員は教育委員の補充委員と称しまして、その人の在任期間は真近に行われる通常選挙が行われる期間までしか在任しない、四年間の在任でないと、こういうことになつております。根本的に違つておりますので、直ぐ当嵌めるわけに行かないと思います。
  91. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 それではこの点に関しては、もう少し技術的に研究して頂いて、又後に御討議を願うことにします。そうすると、その次は公職選挙法の百三十一條選挙事務所の数、それの第三項但書ですか。
  92. 菊井三郎

    ○法制局参事(菊井三郎君) 前回の委員会におきまして保留になりました点は、参議院の地方選出議員の選挙の場合におきまして、選挙事務所が公職選挙法案と参議院の要綱との相違いたしております点に問題があつて、保留になつたわけであります。公職選挙法案によりますれば、「二箇所まで設置することができる。但し、政令の定めるところにより、交通困難等の情況のある区域においては、五箇所まで設置することができる。」かようになつておりますが、参議院案によりますれば、「衆議院議員の選挙の選挙区ごとに設置することができる事務所の数を合した数。但し、その数は五箇所をこえることができない。」という点に違いがありまして、いろいろ論議になつた結果保留になつたものであります。尚参議院の全国選出議員の選挙の場合におきまして十五ケ所という点については両院とも同じでありますが、但書の点につきまして、公職選挙法案では「一の都道府県においては、五箇所を超えることができない。」というふうになつておりますが、参議院の要綱案では、「事務所の数は第三号に規定する数の制限をこえることができない。」ということになつておる点であります。
  93. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 御意見ございませんか。これは衆議院の方のお考えでは、参議院の地方選挙の事務所がこの公職選挙法の第百三十一條によると、公職の候補者一人につき二ケ所というふうになつておりますね。参議院の方では衆議院の選挙区ごとに設けられた数を合せたものというふうになる、その違いなんです。これについては衆議院の方ではどういうふうなお考えであつたか、簡單に御説明を願つたらどうでしよう。
  94. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 只今の点は衆議院の案におきましては、選挙事務所は候補者の負担になる問題でありますので、できるだけこれを殖やすことを止めようというような趣旨の意見が委員会において述べられましたので、そういう線に副いまして一応案ができておりまして、参議院の地方選出議員、衆議院議員等につきましては、原則として二ケ所、併しながら交通不便の所その他においては五ケ所まで、こういうことにいたしまして、できるだけ選挙事務所の数を殖やすことを止めよう、その代りに別個に選挙事務所を移動することは、これはこの法案でも認めておりますので、百三十條にありまするが、認めておりますので、必要があれば選挙事務所の移動というようなことによつてその必要は補なえる。こういうことになつております。
  95. 木内四郎

    ○木内四郎君 参議院案の方が全国で非常に多くなるわけですな。
  96. 菊井三郎

    ○法制局参事(菊井三郎君) 全国区の場合におきましては、多い場合もあれば小さい場合もあるかと思います。
  97. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 参議院の場合は選挙区が一県に三区ありますと、三ケ所の事務所を設置することができる、全国議員の場合でも三ケ所以外には事務所を設置することができないというふうになつておるのでありますけれども、この公職選挙法案によりますと、一県について二ケ所、これは地方でありますが、その場合全国から出る議員候補者に対しては五ケ所を設けることができるということにして、三ケ所のズレがあるのですけれども、これはどういう考えでこのズレを拵えたのか。
  98. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点は但書が参議院の方の案と衆議院の案とでは違つておりまして、参議院の方の案によりますと、百五十の三号でありまするか、これによりますると、その数は五ケ所を超えることができないということで、ただ五ケ所という状況で押さえてあるわけです。一号の方の衆議院議員の選挙においては、「交通困難の情況にある選挙区においては政令をもつて五箇所までその数を定めることができる。」というような但書を衆議院の場合には付けておつて、参議院の地方選出議員、都道府県知事等についてはそういう限定がないわけで、ただ数を五ケ所だけ、こういうことになつている。ところが衆議院の方の案におきましては、但書においては交通困難なる状況において五ケ所まで設置ということにすべていたしておりまして、その点が、第一立て方が違つているわけでございます。それから先程申しましたように選挙事務所の数をできるだけ殖やさないということで行つておりますので、若し必要があれば百三十條の手続によつて事務所を移動して行けばそこに選挙事務所が置ける、こういうことになるわけでありまして、選挙事務所を置けばそこに選挙運動従事員というものを置くということになりますれば、これは選挙費用に加算されまして非常に候補者負担になる、こういうようなことから大局的に、原則的として二ケ所、こういうことで押えてあるわけであります。
  99. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 大体了承はできましたけれども、一県内において地方選出の参議院議員について二ケ所、全国については五ケ所まで設けることができまして、そこに三ケ所の差ができて来るわけです。それはどういうふうに御覽になつて三ケ所の差を付けたか、その点です。
  100. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 全国議員と地方選出議員とにおいてその差が付けてありますることは、付けてありまするけれども、全国選出議員につきましては、その地方の選挙運動の態様が種々ありまして、或る都道府県に非常に重点を置くという場合も考えられましようし、又そうでない場合もいろいろありますので、全国選出議員については最高五ケ所を超えることができないと押えただけでありまして、一ケ所でもいいし、二ケ所でもいいわけでありまして、候補者の自由にいたしまして、五ケ所までは最高置き得るということにいたしただけであります。衆議院、それから参議院の地方選出議員については、但書では先程申しましたように、交通困難の情況のあるところでなければ五ケ所まで置けないのでありますから、初めつから但書の問題に直接参りませんで、常に原則としては二ケ所、こういうことでありますので、ちよつとその間事情が違つておる。
  101. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 外に御意見はございませんか。この公職選挙法は今大畠委員の言われるように、ちよつと矛盾があるようですね。その参議院地方議員の場合には、交通困難のときには五ケ所できるけれども、全国選挙の場合には別に交通困難も何もなくて、五ケ所設けるというのだから、これはやはりこの公職選挙法の第百三十一條の一項ですが、これは衆議院議員と参議院地方選出議員とを、又は都道府県知事の選挙とを、選挙基本法案におけるように分けた方が理論的じやないでしようか、どうでしようか。
  102. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点につきましては、衆議院議員の選挙区を單位にいたしまして、その選挙区で何ケ所置けるから、それと技術的にそれより広い地域においてはどれだけ殖やして行くというお考えを理論的におとりになればまさにその通りだと思つております。併しながらこれは先程申しましたようなそういうことに法律上いたしておりますると、結局どれだけ殖やせるということになりまして、競争上自然に皆がそこまで行くということになれば、結果において選挙費用が嵩んで来るという実情論も加味されまして、常に二ケ所までということにして、それ以上はお互いに競争し合つて行かないようにしようという趣旨が盛られておりますので、こういうようになつておるわけでございまして、委員長のお話のように、理論的におつしやれば、そういうことも一応御尤もだと思います。
  103. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 参議院地方選出議員の選挙の場合の実情についてどうでしようか。二ヶ所でいいか、選挙管理委員会の御意見ありませんか。
  104. 木内四郎

    ○木内四郎君 私は実は当初衆議院の各選挙区に一ヶ所ぐらいずつなければ駄目だろうという意見であつたのです。実際問題としてもやはり事務所がなければならないのじやないでしようか。例えば私共の長野県などで、あの面積の広い所で、二ヶ所といつたもちつと困るのですね。もう北信から飯田まで行けば町へ着いただけで日が暮れるのですから、ちよつと実際問題として困難になると思いますけれども。この前そういう意見を述べたのですが、一面費用がかることも事実だと思います。そういうものを皆なくしてできれば、それに越したことはないと思いますが、その間にどうも私自身としてもまだ割切れないものがあるのです。実際問題としてやるには潜つてやらなければできませんね。    〔理事羽仁五郎君退席、委員長着席〕
  105. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) ちつと速記を止めて頂きたいのですが。
  106. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  107. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 速記を始めて下さい。  第百五十の三ですね。これは衆議院の案を認めることにして異議ありませんか。
  108. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 選挙管理委員会の今の御意見も速記に止めて置いて頂いたらどうですか。
  109. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それじや選挙管理委員会から、その説明を一つ……。
  110. 金丸三郎

    ○説明員(金丸三郎君) 只今政令案を持つて参つておりませんが、政令案を作ります際には、参議院地方選出議員選挙区の数は但書の規定によりまして、概ね衆議院選挙区の数に一致するような数だけ設け得るようにいたしたい、かように考えております。
  111. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 只今の説明で御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それではこれは衆議院案に決定をいたします。  今度は百三十七條の例の問題、教育者の問題を……。
  113. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 この問題につきましては、前回に衆議院参議院の両方の委員会が懇談がされたときに、私が大体述べた意見に多数の方が御賛成下すつたと思うのですが、要点は要するにこの現行法の精神、即ち我々が参議院において立案していた選挙基本法案の第百五十五であつて、これが未成年者選挙運動に利用されるということは正しくないという議論の余地のないはつきりした法律である。その未成年者選挙運動に利用するのは誰であろうとそういうことをやるのはよくないと理論上議論の余地のないところです。ところがそれについて教育者が教育上の地位を利用してそういうことをするのはどうであろうかというお考えが、公職選挙法案の方では出て来たのでありますが併しこれれ全く現行法の精神とは別の精神であつて、若しそういう考え方で行くとすれば、教育者の教育上の影響というものだけを問題にするのは公平の原則に反するので、他にいろいろな影響力を持つ地暁におる人がおられるのでありますから、そういうものに対しても制限を加えなければならないということになつて、事実上いわゆる制限主義になるので、よくない。それから又この公職選挙法案によると、今一つの考えは、教育上のインフルエンスということから考えて来ると、成年者であつても教育上の影響を受ける人は、その選挙運動に利用されるのじやないかという考えが起つて来る。こうなると成年者として立派に基本的人権として選挙権を單に教育上の影響があるかも知れないというような理由で制限するということは、これはそういうお考えもあり得るけれども、理論上は十分疑問の余地があることである。かように、参議院案は理論上疑問の余地がない、衆議院の方は二重に理論上疑問の余地がある。そういう意味で前回の参議院委員会においても、大体において参議院の原案を以て公職選挙法案に修正を行ナつて頂くという方向に多数の御意方だ行つていたと考えますが、日本もどうかその方向に行つて頂きたいと希望する次第であります。
  114. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 只今羽仁君の御意見通り、これは修正するということに決定しますか。
  115. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 私は羽仁委員の説に賛成なんです。特に学校の兒童、生徒を利用するのは、教育者のみに限定する必要はないのであつて、何人も利用してはいかん。こういうふうにやつぱり直して行かなければならん。又学生の場合、成年以上のものに対して、いわゆる選挙権を持つているものに対して利用してはいかん、利用されてもいかんという理由もないのでありまして、その点をどうしても修正する必要があると思います。
  116. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それでは、これは修正ということに決定いたします。百三十七條は修正。  それから百三十八條の第一項とこちらの百五十六條、これも戸別訪問に関する関係でありますが、これは説明されて皆さん御存じとは思いますが、一応おいでにならなかつた方もあるようですから、百三十八條と百五十六條との差違について菊井さんから説明を聞くことにいたします。
  117. 菊井三郎

    法制局参事(菊井三郎君) 公職選挙法の第百三十八條は、戸別訪問に関しまして規定いたしております。参議院の要項の第百五十六條も同趣旨で規定を置いておりますが、両案の相違いたしております点は、候補者が戸別訪問をする帰が第一点であります。公職選挙法案におきましては、「公職の候補者が親族、平素親交の間柄にある知己その他密接な間柄にある者を訪問することは、この限りでない。」といたしておりますが、参議院案では「候補者が知人を訪問することは、この限りでない。」といたしておる点が相違しております。  次に第二点といたしましては、公職選挙法案の第二項に、「いかなる方法をもつてするを問わず、選挙運動のため、戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。」と規定いたしまして、これは戸別訪問に準ずるというような趣旨で禁止いたしておりますが、参議院案につきましては、何らこのような禁止規定を置いておりません。これが相違いたしておる点であります。
  118. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これはもうすでに議論が盡くされていることでありますが、戸別訪問というものを禁止するということに関する理論上の理由は、選挙民のレベルが低いからということより外に理由がないのであつて、その選挙民のレベルは、特に日本において列国に比して低いという理由もないということも言われている通りでありますから、選挙基本法案に盛られている程度の制限で結構であつて、公職選挙法案の方に、第二項を設けてまでいろいろに制限をされるということは、選挙自由に反するように思うので、私はどうか我々がこの参議院選挙委員会において決定されたこの趣旨に従つて修正をして頂きたいというふうに考えます。
  119. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 只今の羽仁君の御意見は、第百三十八條を参議院基本法の百五十六條の文章修正する、こういう御意見であります。これに対して御意見を……。
  120. 木内四郎

    木内四郎君 私もこの百三十八條の二項を、実は前に多少誤解しておりましたので、羽仁委員と同じような意見を持つておつたのですけれども、この前の説明でここに「戸別に」という字が特に入つているということが明らかになりましたが、特にこの「戸別に」という字が終いまでかかるということでありますので、それではこの二項を入れてもいいのじやないかというふうに考えております。要するに衆議院案のままで差支えないという意味なんです。
  121. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) どうですか。
  122. 大野幸一

    ○大野幸一君 羽仁さんの議論賛成ですが、この程度の修正でも衆議院が呑まないと思うから、結局参議院のように修正しても衆議院で呑む見込みはないと思いますから。
  123. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 見込みはないのですか。
  124. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 ちよつと聞いて置きますが、この百三十八條の一項にありまする「知己その他密接な間柄にある者」この「その他密接な間柄にある者」というのはどの程度ですか。
  125. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 平素親交の間柄にある程度に密接な間柄にあるその他の者と、こういう意味でありまして、平素親交の間柄にある知己だけということにいたしますると、ただ知人の範囲に限られることになりまするけれども、その他密接な間柄にある者ということになりますれば、例えば組織の力を持つているところの地方の人達と、それから或るこちらの政党の幹部が立候補された場合におきまして、そこに密接な間接にある者でありますれば、知己という関係でなくても密接な間柄にある者という範疇に入つて、戸別訪問ができるということになるわけであります。で、但書の間の決定は、特に衆議院におきましては社会党の考意見によりまして入れましたのでありまして、非常に技術的にむずかしい面がありましたが、特にそういう社会党の御要望で入れましたわけであります。尚百三十八條の戸別訪問の問題は、衆議院におきましては、委員会創設の当初からこの会議が終る直前までいろいろ問題がありまして、最後までいろいろ議論が戰わされました。結局各党の妥協によりましてここまで、成立ちましのでありまして、相当衆議院側としては強い意見を持つておると私は想像いたしておるわけであります。それから尚戸別訪問の問題につきましては、候補者の方の側と、それから訪問される選挙民の側との迷惑というような点も考えなければならんというような意見等もありましたので、併せて申上げて置きます。
  126. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 続いてお伺いしたいのですが、具体的に労働組合、農民組合、これは密接な間柄にあるというふうに解釈して差支えないのですか。
  127. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) ただ組合の関係だけでは密接な間柄にあると直ぐは出ては来ないだろうと思つております。更に例を申上げますれば、或る立候補される方が東京のある組合の幹部である、それから地方のその支部、組合、こういうことの関係では、ただ役所なり或いは会社の関係において上下の関係、本店、支店の関係にあるその勤務者の関係という程度に過ぎないのでありまして、それだけでは密接な間柄ということには入らんと思つております。
  128. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 それでは労働組合並びに農民組合の幹部ということになりました場合には、密接な間柄と見て差支えないわけですか。
  129. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 本部におきまするところの幹部の方が、常に地方の組合に対しまして、指導的な役割り、その他組合の職務上いろいろ地方との関連を持つておられることが密接であれば、こういうことになります。
  130. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつと委員長から部長にお尋ねしますが、この知人というのと、それから衆議院の方の何は、非常に細かに書いてありますが、そうすると知人というのとは違つて、候補者は選挙中は自分の知つている人、ただ知つているというような人を訪問してはならないというようにこれはその議論はなかつたのですか。
  131. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 参議院の案によりますと、まあ知人でありまして、衆議院の方はまあ知己というように書いてございまするが、知人というのでは、その範囲が明確ではないというような意見がありまして、ただ人を知つておるということになりますれば、立候補者に投票しましたところの選挙民はすベて考え方によつては知人であろう、こういうことも又言われ得るわけでありまして、知人はただ知つておるというだけで、知己と申しますれば、己れを知るわけですから、自分も知り、相手方も知るというので、知人よりはもつと進んだ間柄にあるというのが知己ということであります。それから尚但書の規定が置かれました趣旨は、こういうところにあるわけでございまして、戸別訪問は、まだ日本の現状においては原則的に禁止するということは殆んど全部の意見が一致しておつたのでありまするが、ただそれでは実際問題として地方を演説に廻つたりしました場合において、本当に自分が特に親しい間柄にある極く僅かの人を訪問する、そういうことでもできないし、そこに寄つてちよつと疲労を癒すということもすべて個別訪問を以て律せられては困るというようなことから、特にそれを規律しよう、こういうことの趣旨から百三十八條の但書が出て来たわけであります。
  132. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 さつき委員長が、私の意見としては、この公職選挙法の第百三十八條一項、二項を修正して、選挙基本法案の百五十六條にするというふうにおつしやつたのですが、私の意味はそうでなくて、そういう趣旨で公職選挙法案の第百三十八條の一項だけを認めて二項を削るという意味であります。でその理由をもう一応念のために申上げますが、第二項のですね、実際下は最後にありますように、これらの行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなすというのだから、当然第一項の但書ですね、がやはり第二項にも適用されて来るわけですね、ですから選挙運動のため個別に演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為、又は特定の候補者の氏名若しくは政党、その他の政治団体の名称を言い歩くということは、親族、平素親交の間柄にある知己、その他密接な関係にある者については差支えないということになるのだろうと思うのですが、これは衆議院の方の御意見も伺いたいと思いますが、当然そうなつておる。そうすると二項の規定はますます曖昧になつて、こういうものを置いておく必要はないじやないか。
  133. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつと羽仁君に申しますが、私もあなたの御意見をそうだと思つて、百三十八條の一項、二項を第一項だけに直すという意味に皆さんに披露したのであります。
  134. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 二項の問題につきましては、これは実際この前の選挙運動の実情等に鑑みますると、こういう実例が相当あつたそうでありまして、いわゆる個別訪問の脱法行為といたしまして、得票を得るとか、或いは当選を得たいからというような意味ではなくして、演説会があります、誰々の演説会がありますというようなことを触れ歩るくことによつて、個別訪問の脱法行為をやる事例が多いという実情から、こういう規定を置く必要があるということに衆議院の方におきましてはなつたわけでありまして、戸別にこういう行為をやることを禁止行為と見なすのでありまして、街頭で戸別によるようなことに類似したことを禁止している趣旨ではありません。又百三十八條第一項の但書の範囲においてやることは、羽仁さんのおつしやる通り差支えないという規定でございます。
  135. 松井道夫

    ○松井道夫君 百三十八條はそれで賛成でありますが、ただちよつと字句の点に疑義があるのであります。それは第一項の、「平素親交の間柄にある知己」、「知己」というのはやはり「知人」がいいと思います。「知己」というと、今説明されたように、己を知り、人をも知る、人生観、政治的思想、その他よく知り合つてお互いに共鳴している人、という意味であるます。それはその必要はないので、親交の間柄にある「知人」で結構と存じます。それからこの読み方でありますが、「平素」がこの文章のままですと、「密接な間柄にある者」というふうにも見られる、てありますから、「平素親交の間柄にある知人」、そしてぽつを打つか、或いは少し離しまして、(笑声)ぽつを打つと一番いいと思いますが、「その他密接な間柄にある者」こういうように修正するのが妥当だと思います。
  136. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 技術的に、これは第一項だけにするか、第二項を認めるか、ということでないと、今までの議事進行の関係上困難だと思うので、私としてはその二項を削るか、存置するかというところで、大体多数の御意見で決めて頂いていいのじやないかと思います。
  137. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  138. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 速記を始めて。第三十八條についてはいろいろの御意見がありますが、衆議院の案で不備でも、皆さんお認めになることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それではさよう決定いたします。  第百四十一條の第一項第一号であります。これも御説明願います。
  140. 菊井三郎

    ○法制局参事(菊井三郎君) 公職選挙法案の第百四十一條は、自動車、拡声機及び船舶使用に関する規定であります。参議院案の規定と相違いたします点は、参議院の地方選出議員の選挙の場合におきまして、自動車の使用台数が公職選挙法案では一台となつておる、又船舶につきましては公職選挙法案は一隻となつておりますが、参議院案では自動車は二台、船舶は二隻となつておる点において相違いたしておるわけであります。この前保留となりました事情も、この点につきましてどうするかというような点について保留になつたものであります。
  141. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 私はこの公職選挙法案の方に賛成です。
  142. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 この台数の問題にかかつて来るのですが、オート三輪車というものは自動車の部類に入るかどうか、これを一つ……。
  143. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) それは入ります。それは第百四十一條の自動車の下に括孤書がしてございますように、「道路交通取締法第二條第五項に規定する諸車をいう。」というのが自動車でありまして、箱型のトラツクも入りますし、普通の乗用車も入りますし、オート三輪車も入る、自転車は入りません、衆議院の案におきましては、最初自動車は二台ということに一応原案ではなつておつたのでありますが、二台というのでは困るというので一台に修正されたような状況であります。
  144. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 衆議院案でよいじやないか。
  145. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 衆議院案でよろしうございますか。
  146. 大野幸一

    ○大野幸一君 全国区は多過ぎるね。
  147. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 只今の点は公職選挙法案に賛成ですが、今も御意見があるように、公職選挙法の第百四十一條の第二の「参議院(全国選出)議員の選挙自動車三台、拡声機三揃及び船舶二隻」というのはどう考えても多いように思う。殊に議論の途中で候補者みずからの乘用する車はこれに入るか、入らないかということになつておつたのですが、どうもその点曖昧で、結局入らないようなことに費用の計算の上ではなりますし、費用が主ですから……。
  148. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 速記を止めて……。    〔速記中止〕
  149. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 速記を始めて……。それでは第四百十一條は衆議院案に賛成ということに決めました。  次は衆議院案にはなくて、参議院案の第百五十九條にある問題であります。説明を願います。
  150. 菊井三郎

    ○法制局参事(菊井三郎君) 公職選挙法案には何ら規定がないのでありますが、参議院案の第百五十九條の第一項第四号に、町村の議会の議員及び長並びに地方教育委員会の委員の選挙に際しまして、拡声機一揃を使用できるようる規定されておるのであるまするが、この点公職選挙法案には何ら規定がございません。この点が相違いたしておるわけであります。(「要らない」と呼ぶ者あり)
  151. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) これは衆議院案で御異議ないと思います。  その次は百四十四條だと思いますが、百四十四條は大分長い。ちよつと申上げて置きまはが、これは衆議院はこの枚数で修正になつておりますから、三浦さんより説明を願います。
  152. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) これはお手許に刷り物で行つておると思いますが、ここに比較表で出ておりますのと違つておる点を申上げます、百四十四條の第一項の第一号に但書を加えまして「但し、参議院(地方選出)議員の選挙にあつては、当該都道府県の区域内の衆議院議員の選挙区の数が一を超える場合には、その一を増すごとにこれに一千枚を加えた数」、こういうことの但書が附け加えられております。それから第二号におきまして但書であるまするが、「但し、一の都道府県においては三千枚を超えることができない。」ということになつております。この比較表では一千枚となつておりますが、三千枚に訂正になつております。それから比較表の第三号、第四号を一緒にいたしまして、衆議院の案では「都道府県の議会の議員、市の議会の議員、市長及び市の教育委員会の委員の選挙にあつては、公職の候補者一人について五百枚」といたしまして、それに但書を附け加えまして、「但し、地方自治法第百五十五條第二項の市の市長の選挙にあつては、公職の候補者一人について二千枚」、こういうことが加わつております点が違つております。それから第四号は比較表の五号と同じでございます。
  153. 大野幸一

    ○大野幸一君 衆議院の方に念のために聞きますが、これは異つたる選挙が同時に行われるときには抱き合せは予想しておるのですか、衆議院と参議院が同時に行われる場合に……。
  154. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) ちよつとお尋ねの点がよく分りませんが、衆議院の選挙と参議院の選挙とあります場合に、衆議院議員と参議院議員の立候補者の方が一緒になつて一つのポスターを使うということでありますか。
  155. 大野幸一

    ○大野幸一君 そうです。
  156. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) それは公職の候補者の枚数が、この限度を超えない限りは差支えないと思つております。
  157. 大野幸一

    ○大野幸一君 了承いたしました。
  158. 金丸三郎

    ○説明員(金丸三郎君) そういうふうにいたしますと、全国区の人が地方区の人を加えますと、何十万枚というポスターが使えるということになつて、制限が非常に無意味になると思います。そういう解釈をとりますと、無料葉書についてもそういうふうにしなければならなくなつて参ります。やはり全国区でありましても、ポスターの使用は三千枚とか、或いは無料葉書は五万枚とか、そういうふうでなければいけないので、いわゆる抱き合せはできないと我々共は解釈いたしたいと思つております。
  159. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 この問題は参議院の運営委員会におきまして研究して、そうしてこういう規定を今度は設けよう、設けてはつきりしようということにしたのでありまして、現にこの規定がない衆議院の方においては、参議院側と違う解釈をせられるのでありますが、こういう法文をどうしても入れて置いて、はつきりさせる必要が私はあると思います。だから修正をしたいと思います。
  160. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) これは衆議院案に同調することの宣告してしまつたんですが、これはもう一遍……。
  161. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これはそういう点ですね、実際問題としてはそういうふうに抱き合せをされた場合には、それだけの効果がないのだし、恐らくそういうことは実際問題としてはそう行われることじやないし、大体において先ずこの公職選挙法案の方に賛成します。
  162. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 これは吉川君が委員を辞められて、おられませんが、吉川君は東京都においては二人が一つのポスターに入れて、共同して掲げたときは、それはおのおの自分の持数の枚数の中へ加えるんだという解釈をせられた。ところが大野君でしたかの方は、これは大阪かどつかあの方では、それはそういう勘定はしないんだ、つまり片つ方の方は、地方区でしたかの方は枚数に入れるが、片つ方は枚数に入れなかつたというようなことで、その間に全国区で所によつと非常に不公平になる。東京都で抱き合せをした人が、全国区の五万枚というような枚数の中へ数えられ、大阪で立つた人は数えられないというようなことが起つて来る。だからどうしてもそれははつきりする必要がある。それではおのおの数えることにするのか、或いは数えないことにするのか、どちらにするかはつきり書いて置いて、全国一斉にそういう解釈をするようにしたいと思います。この委員会ではそれはおのおの数えることにしようじやないかというのでこの規定ができておると思います。これは是非置く必要がある。
  163. 大野幸一

    ○大野幸一君 今の岡本委員の発言に関連しましてですが、管理委員会の方はちよつと異なる発言をされて不思議に思いますが、無制限にこれが増加するのじやないんです。例えば三人が組めば三人の名前を書かなければならん、五人で組めば五人の名前を書かなければならん、枚数が殖えても数が多くなるので効果がないだろうという羽仁委員の話である、そうしてこの三千枚というのは、この前全国区のときには、全国管理委員会というものは別にあつたものと記憶するが、全国管理委員会の方へ紹介したときは、これは抱き合せよろしいという話であつた、だからこれはその辺から抱き合せをしたいという事実がある。ところが都道府県管理委員会紹介したところが、都道府県の方は解釈を誤まつた。これはどちらが誤まつたか知りませんが、都道府県の方では総数を合せて一千枚、こういつたらしいんです。ところがこの前の経過については何ら差支なかつたじやありませんか。紙枚は殖えてもその紙に載るものは小さい表示になるだけで、而もそれでも尚多く知らせよう、同じ資材を以つて多く知らせようということは少しも構わない、全国管理委員会の人は、何だか同じ紙数で大勢並べて書いて余計貼つても構わないじやないか、成るべく多く貼りたい、貼つて、後ではがさないでみつともなくなるというような意味からしたことで、あなたの解釈は承服できないし、むしろ衆議院の方が進歩的だと思います。大いに支持します。
  164. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) この御議論は如何ですか、とにかく一旦衆議院のを認めようということになつたが、更に蒸し返してこれを何とかやるということにするんですか、更に御意見を確かめます。
  165. 松井道夫

    松井道夫君 ちよつと速記を止めて頂きたい。
  166. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 速記を止めて。    午後三時三十九分速記中止    ―――――・―――――    午後四時十分速記開始
  167. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 第百四十四條のポスターへ列挙する場合についてはいろいろの御意見がありましたが、その御意見を総合し、又この当委員会の皆さんの意見として、若し便乘する者があつてもその枚数は制限枚数以上に出ることはできないものと解する、こういう意味で衆議院案を決めることにいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これは選挙期間中に著述、演芸等の広ヅを以ていろいろなる名義を以て、この百四十二條の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。現行法ではこれに「主として」という字があつて、それで差支えなく行われていたのですが、法律文章の上から「主として」というふうな字は必要がないということで削られたんでありますが、併しこの「主として」という字を削られたために、世上一般の解釈としては、選挙期間中はそういうことは脱法行為ということで非常に広い範囲になる、すると従つて広告自由を害し、或いはその学者の著述の発表の自由を害するという輿論が非常に強く起つて来ておるが、これは業界、或いは出版界その他各方面からやはり現行法通り「主として」という字を入れて頂きたいということであります。前回衆参両院の懇談会のときにもその趣旨を申上げて、衆議院の方の御意見も、例えば社会党の鈴木君などの場合「主として」という字があつた方が分りやすのだから、親切に「主として」という字を入れた方がいいのじやないかという御意見であります。ところがこうしてでき上つたものを見て見ると、やはり「主として」という字をお取りになつておる、これは法制の專門家が「主として」という熟語を非常に嫌われて削られたんだと思いますけれども、親切な方がいいから一つ是非「主として」という字を現行法通り入れて置いて頂きたいというその点です。どうか御賛成を賜われたいと思います。
  169. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 只今の御意見どういたします。
  170. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 「主として」という字がないと一切できないというふうに考えられておるんだ、学術会議でも問題になり、出版界でも問題になつた。
  171. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 この問題については私共かねがね考えていたことでありますが、その問題になりますのは形式の件であります。それは私も曾て経験がありますが、自分の著書の名の方を小さく書いて、著者の名を大きく書くというようなポスターを拵えて貼つた者がありまして、或る県のごときは書店の店先には必ずそのよく本の売れる人の名を大きく書いて、著書の名を小さく書いたビラのかかつておることを見たこともあります。その形式において十分制裁すればよろしいかと思うのであります。とにかくそういう書物の丁度売れる盛りのときに選挙運動が始まりますと、こういう問題が起るのであります。これは今羽仁委員の御意見でありますけれども、相当各方面におきましては、著書を持つている者の便利を増進する方法として大いに警戒しているものだろうと思うんのです。この点余程考究しませんと、直ちに本案を修正するという意見をまとめるまでにはちよつと足らないと思うんです。その辺私はまあこのままでいいだろうと思うんです。自分も著書を持つておりますし、そう考えております。
  172. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 私は議咲として今のようないろいろな点は以前画されているので、現行法において「主として」とあるのであつて、それで何ら支障がないんですから、それを取るために現行法よりも制限が嚴重になるのじやないかという虞れは生ずるのではなくて、実際においては制限が嚴重になるのじやなくて、親切な意味で現行法通り「主として」という字を入れて置くのがいい、内容においては來馬さんの説に反対するものではないのです。「主として」という字があれば、今おつしやつたように候補者の氏名だけを主として書いてあるものは脱法行為とみなし、そうでない通常の行為は差支えないということになるのですが、「主として」という字がないと候補者の氏名は削つていなくてはならん、普通の行為もなし得ないということになるのですから、現行法で行つて頂きたい。その意味で現行法から「主として」という字を削つた公職選挙法案に対しては、基本法案のところで「主として」という字を加える修正案を作つて頂きたい、こういう希望であります。
  173. 大野幸一

    ○大野幸一君 そもそも言論、出版の自由は憲法で保障されておるのでありますから、選挙にこれを惡用することを避けるには、羽仁委員の言われる「主として」ということを入れて置けば、來馬委員の言われるような弊害も避けられるのでありますから、來馬委員の自説を主張するためにもこの「主として」を入れる方が妥当である。こういうことであります。私は羽仁委員に賛成いたします。
  174. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) どういたしますか。問題はそう大きな問題じやないと思いますが……。
  175. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 大体「主として」という修正案で行つて頂きたいと思うんです。
  176. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 羽仁委員の修正案に決定いたしますか。如何でございますか。
  177. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 成程羽仁委員の言われることは「主として」という文字があれば、著者の名を大きく書いて、著書の名を小さく書くといつたようなことは制限されるかも知れない、とにきくそういうことで一応話を進めることもいいかと思います。
  178. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 衆議議の方の案を意見をもう一遍部長から説明を聞きましよう。
  179. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) 百四十六條につきましては、「主として」という文字は現行法の臨時特例にありましたが、これを特に取りました理由は、検察当局の検討によりますると、「主として禁止を免れる行為」ということでは取締上非常に対象が曖昧でなかなか脱法行為であるかどうかの認定がむずかしい、こういう御意見がありましたことが一つと、それから理論上申上げれば、禁止を免れる行棟としてやる場合に、「主として」の場合と、「主として」でない場合とによつて、その区別があり得る筈はないというような理論的な根拠が一つということでありまして、この原案の衆議院案によりますと、立候補された者の氏名を現わしますることを禁止するわけではございませんので、禁止を免れる行為としてでありまするから、本人が脱法行為として、いわゆる常識的に、立候補の際に自分の名を、特に著者の名を大きく出さうとか、大きくなくても、出そうとして入れるような場合が禁止されておるのでありまして、そうでなくして予めそういう手筈になつておりましたが、たまたま選挙運動の期間中にかかつた場合に名徳が現れたからといつて、百四十六條の違反になることはないわけであります。
  180. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 この問題は実は日本学術会議において相当討議された問題でありまして、今衆議院側から御説明があつたような点はそれでいいのですが、併し実際において田舎などの場合にその取締が行われる場合には、この法文を今の取締の便宜の上からのみ解釈して、選挙期間中は立候補者の著書の広告というふうなことはできないのだというふうに解釈されておるものが非常に多いのです。日本出版協会においてもそういうような解釈が非常に強いので、それでこれは現行法通りにして置かれれば、そういう誤解が生じないのじやないか。それで取締の上から言つてもこの「主として」というのは、さつきも來馬委員からも御説明あつたような、主として候補者の氏名とか、名前の方ばかり書いているのを脱法行為としてみなすので、普通の広告として出されているものは脱法行為とはみなさないというので、取締の上で特に困難な事情はないですから、現行法の通り「主として」という字が入つている方が親切である。取締りの上からも却つて便宜である。日本学術会議ではこの問題について国会に申入れをするというような御意向も非常に強かつたのですが、併し我々としては日本学術会議が、養挙法が国会で主として審議せられているのだから、それに対して特に申入れをしないでも現行法通り決定されるであろうということで、特にその申入れをしなかつたのであります。どうか、さつきから申上げていることをもう一遍繰返しませんが、「主として」という字が削られたために、現在各地でいろいろな誤解を生じている。殊に地方などにおいては、取締りの警察官なり或いは何なりというものが「主として」という字がなくなつたから、名前で出ているものは即ちいけないのだという解釈も生じて来るという意味から、どうか一つさつき大体御異議なかつたようでありますから、御決定を願います。
  181. 松井道夫

    ○松井道夫君 私は大いに異議があるのであります。御議論はよく分るのでありますが、併しながらこの法文を見ますると、「禁止を免れる行為として、主として」、そうすれば六分はいけないが四分はいいということで実際濫用されるのです。ひどく濫用されるのです。これは正当なる広告その他は何ら差支えないのでありまするから、そう御心配になるようなことはないので、やはり衆議院の原案でいいのじやないかと思います。そうして、そういつた御心配になるような点は、それは選挙管理委員会で善処して頂く、いろいろ通牒その他で善処して頂くということでいいのじやないかと思います。
  182. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 如何でしよう。これは採決しますか、それとも……、どうしますか。
  183. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これは大体衆参両院の懇談会のときにも、参議院の一致した見解として委員長から主張せられたことでもありますし、その衆参両院の懇談会に我々出席するときに、参議院側の一致した見解として述べたのでありますから、それで進んで頂きたい。
  184. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 衆議院側はそれを採らなかつたのです。同じ意味だからそういう余計な字を入れなくてもいいと言うて、私が向うの委員長から聞いたら、小串さん、小さな問題であるけれども、それは同じ意味だという意見が多いから、君の方の意見は通らなかつたという報告があつたのです。
  185. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 それはそうでありますが、併しそれはその懇談会に臨んだときの参議院一致の意見であつたという事実を何ら変更するものではない。
  186. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それは事実です。参議院一致の意見だから尚その上に申入れた。これを通して呉れと言つた。ところが向うは通さなかつた、本当を言うと……。
  187. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 ですから、問題は参議院一致の意見であるということには動きがない。それを衆議院が入れなかつたことで引込むか、或いはもう一度修正案を出すかという点だけにあるので、その意味で修正案を出して頂きたい。松井委員から御意見がありまして、想像としてはそうなのですが、実際問題として各地にそういう問題が起つておる、そこのところは選挙管理委員会に御努力を頂いても、選挙期間中にそういうものを引込めさしてしまつたら学者の意見の発表に伴う自由の制限……。
  188. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) これは最後の決定でないから、最終日まで延期して皆さんの集つたときにもう一遍決めて頂きます。
  189. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 併し後廻しにされないで、大体参議院の委員会の一致した見解なのですから、それを引込めるか、それでやるかの決定ですから、決定して頂きたいと思います。
  190. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) よろしうございますか、決定して……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  191. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それでは修正を決定いたします。  それで実は、私関係筋の方から選挙の係りの人に四時判に来て呉れということになつておりますから、もう十分程したら閉会したいと思います。予め申上げて置きます。  それで第百七十六條の第一項、これは如何ですか。参議院の意見で事務当局の方で適当な文句に直すということに御一任願つた筈ですから、これは修正意見を出します。決めますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 皆さん御異議ないと認め、私に一任することに、それではそういうことに修正いたします。
  193. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 あと一つ、二百七十條の問題ですが、二百七十條は、病院に入院している人達が公職選挙法によりますと、第二項で以て「その住所があるものと推定してはならない。」第三項に行つて、それは選挙権の行使を妨げる意味を有するものではないというふうに両方でやりあつて、結局選挙権の行使ができなくなつてしまうのです。それでこれは各地の療養所からも請願書が出ておりまして、どうかこの二項、三項というものは削つて頂きたい。それで住所制限については一般の人と同じ住所制限の規定でいいのじやないかという問題でありますが……。
  194. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 今羽仁委員の御説明になつた通りでありますが、これは大体そういうふうに修正することに御異議ありませんか。それとも御意見を拜聽しますか。二項、三項を削つて呉れという御意見……。
  195. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これはこの前の本委員会の討議の際に、大体二項、三項を削除せられるということに御意見が一到していたのです。
  196. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) これは如何ですか、削除することに、つまり病院にいても選挙権の行使ができるということなのです。そうですね簡單に言つてしまえば……。衆議院の方の……。
  197. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) この点はいろいろ衆議院においても意見がありましたが、結局こういうことを規定しようということになつたわけでありますが、問題の要点は理論的に申上げますれば、病院に入院加療中ということによつてそこに生活の根拠があるとみなされるかどうか。病院に入院加療中の場所に生活の根拠があるということは理論上はちよつと納得しがたい理論であろうということであります。従いまして、従来選挙管理委員会の取扱いで、一応病院に入院加療中のものでもそこに住所があると推定いたしておりますが、その推定を原則的にひつくり返しまして、そこに住所があると推定してはならない。併しながらその人の選挙権の行使を防げる意味があるわけでありませんから、その人が入院前に持つている住所によつて選挙権の要件を決める。又入院加療中の所に本当に生活の本拠があるならば、そこで選挙要件を定める、そういうことであります。
  198. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 只今のような御説明でありますが、実際問題としては、これは主として療養所で、今日非常に多いのは結核が非常に多いわけで、それから癩の療養所がある。その結核療養所、癩療養所の各方面からの請願では、実情としてこの二項、三項ができると、事実上選挙権を行使することができない。
  199. 木内四郎

    ○木内四郎君 却つてその方ができるんじやないですか。病院に入つている者は元の所といつても、元の所へ行つてやるわけにいかんから、病院の所在地で選挙権を行使しなけれ先選挙権は行使できないでしよう。だからこれがなくちや工合惡いでしよう。
  200. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 いや、それがあると、とにかく第二項で入院加療中の者に対しては入院加療中の場所にその住所があるものと推定してはならないというふうになつてしまうのですから……。
  201. 三浦義男

    ○衆議院法制局参事(三浦義男君) ちよつと附け加えて置きますが、これはこういう実情がありました点を尚申上げて置きたいと思います。これは地方によりますと、只今お話もありましたように相当長期の療養所があつて、殊に狭い町村等におきましては、入院患者の数がそこの住民よりも非常に多い、こういうような実例等もありまして、そういうことになりますと、その入院患者だけによつて町村政を支配することになると思う。そして実際はそこに税金も納めていないというようなことになりまして、実情に副わない。だから本来の生活の本拠というふうに嚴格に解して、そこを選挙権の行使を行うことが必要である、そういうように考えるのが至当であろうということを附け加えて置きます。
  202. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の御説明も誠にその通りなんですが、併しその理由があるからといつて、その人達の選挙権の行使も防げてしまうことはできない。
  203. 木内四郎

    ○木内四郎君 それは三項にある。
  204. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 いや、実際においてはそれができないのだから……。
  205. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 若し長引くんでしたら、ちよつと代つて貰つて、僕は行かなくちやならんから……。
  206. 金丸三郎

    ○説明員(金丸三郎君) それでは第百八十六條の第二項の……。
  207. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の説明じやないのか。
  208. 金丸三郎

    ○説明員(金丸三郎君) それがよろしかつたらと言つて、委員長にお願いしたのですが……。
  209. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の問題はまだ決定していない。
  210. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) ちよつとそれでは代つて頂きますか。
  211. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 それじやこの問題を留保して、散会しては如何ですか。
  212. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それでは今の問題を留保して、今日はこれにて散会いたします。更に明日の午前十時から開会をいたしますから、さよう御承知置きを願います。    午後四時二十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大野 幸一君            木内 四郎君            羽仁 五郎君    委員            大畠農夫雄君            姫井 伊介君            佐々木鹿藏君            中川 幸平君            小林 勝馬君            岡本 愛祐君            柏木 庫治君            來馬 琢道君            西郷吉之助君            島村 軍次君            松井 道夫君   政府委員    全国選挙管理委    員会事務局長  吉岡 惠一君   法制局側    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君   衆議院法制局側    参     事    (第一部長)  三浦 義男君   説明員    総理府事務管    (全国選挙管理    院員会事務局選    挙課長)    金丸 三郎君    運輸事務官    (鉄道監督局総    務課長)    佐藤 光夫君