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1950-05-01 第7回国会 参議院 運輸・労働連合委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和二十五年五月一日(月曜日)    午後二時五十二分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件公共企業労働関係法第十六條第二  項の規定に基き、国会議決を求め  るの件(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 只今より労働、運輸連合委員会を開きます。前回に引続き質疑の継続を行います。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 原虎一

    ○原虎一君 先般の連合委員会におきまして、総理大臣の出席を要求いたして置きました。本日出られますか、或いは出られないのでありますか、出られないとしますれば、その事情を明らかに御説明を願いたいと思います。
  4. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 只今官房長官が見えられますが、それまでお待ち願いたいと思います。
  5. 原虎一

    ○原虎一君 私は官房長官に対する質問はないのでありますが、総理が出られないのであるかどうかは委員長でもお分りになつておるのではないかと思いますが、委員長からその経過並びに総理が出席されるや否やということについて御説明ができるならば願いたいと思います。
  6. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) それでは説明します。実は労働委員長の御要求があつたので事務局を通じて連絡させましたが、徹底をいたしませんので、私みずから参つて交渉をいたしました。あいにく総理に会えなかつたのでありますが、官房長官を通じて、是非暫くでもいいから出て呉れという要求をいたしましたが、各般の事情によつてどうしても今日は出にくいから御了承願いたい。是非労働委員長の御了解を得て呉れ、そういうことでございました。
  7. 原虎一

    ○原虎一君 総理の出席を私が要求いたしました理由は、本問題は御承知のような非常に国内における重大問題であるばかりでなく、世界各国における日本労働組合運動並びに政府のとる労働行政に対する注視の的となつておるのでありまして、今国会当初から五ケ月に亘つて、国鉄の第一次裁定及び第二次裁定に関連しておる重要な問題であります。従つてその間我が参議院におきまして、運営委員長におきましては、第一次国鉄裁定の扱い方と、本法のいわゆる公労法の不備なる條項とについて、可なり検討が行われ、政府議員との間におきましても議論が繰返されておるのでありますが、併しながら大体それを見ますれば、法の解釈を議論しているという状態のように見受けられるのであります。勿論法律によつてすべて行動をとつておられるのでありますから、法律解釈から受けるいろんな問題は議せられなければならないと思いますが、要はこれは労働組合、やはり政府労働運動に対する対策方針の問題が基本であるのであります。労働組合運動の犠牲のためにできたと言つて過言でない公労法であります。でありますから、問題は法律解釈の云々をいたす前に、労働組合に対する政府の方針というものが、法の解釈に不備がありますならば、法に不備があつて、解釈を右左する場合にあつては、やはり法制定当時の精神法の精神を生かすということが必要なんであります。その点におきましては、今まで関係の運輸大臣にいたしましても、労働大臣にいたしましても、一つの法律解釈によつてこの問題を解決しようとしております。政府の首班であるところの総理が、政府の首班である政策によつて問題を処理するということでなければ解決いたさないのであります。その点におきまして、私は吉田総理の出席をお願いいたしておるわけであります。実は第一次国鉄裁定の当時、即ち国鉄裁定を本参議院にかけましたのは、十二月の二十二日、二十三日の委員会、やはり運輸、労働連合の委員会でありますが、二日間に亘つて総理の出席を要求いたしましたけれども、官房長官は言を左右にされまして、而も我々から見れば吉田総理は仮病を使つておるのではないかというような状態において、出席を拒否されております。これは我々の審議権を軽視される不都合なる行為だと思う。従つて運営委員会は、この問題を取上げて十分に究明することになつて、そうして運営委員会に出席することを官房長官は、総理大臣を出席せしめることを確約いたしておつたにも拘わらず、その翌日は又病気と称して出席しなかつたのであります。そういう経過を経て、甚だ残念ではありますが、本問題を根本的に、いわゆる吉田内閣労働政策として如何なる見地からかくのごとき扱いをしておるかという点について、今日まで総理大臣の答弁を聞くことができなかつたのであります。そこで私は再びこの連合委員会で総理の出席を要求いたしておりまするが、併しながらもう審議の期間は本日と明日しかありません。この状態におきまして総理が出られないということになりますれば、我々は審議が不可能なんであります。従つてこういう重大なる問題を総理が出席不可能ということによつて、我々は審議を延ばすということのできないような期間に制約されておる実情に置かれて、総理が出席されないということは、誠に参議院議員の審議権を軽視するということも甚だしいということを言わざるを得ないと思うのであります。従つてこれは委員長から交渉されて、出られないというその理由が明白になりません。ただ諸般の事情によつて止むなく出られないということだけでは、余りに簡單な断わり方であります。これは従つて政府内閣におきまするところの副総理、或いは官房長官が説明されるならば、それによつて質したいと考えるものであります。併しながら審議は急がれておりますから、議案に対する私は質問を継続いたしたいと思います。ただ委員長にお聞きしたいのは、然らば政府は総理が出席されないということについて、いつその説明を政府としてする、この委員会に出席するということをいつまでも誰がするということを委員長に確約されておるのかどうか、この点を委員長からお聞きしたいと思うのであります。
  8. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 政府代表して、総理の出られないという説明は官房長官がする筈であります。時間の約束はしておりませんが、この委員会の開会の時間に、成るべく劈頭に来るということでございましたが、今本会議に出ておるそうでありまして、間に合いませんが、即刻交渉いたしまして来るようにいたします。
  9. 原虎一

    ○原虎一君 それでは私は議案について、幸いに労働大臣が出席されておりますから、二、三質問をいたして見たいと思います。先ず最初の一点は、今も私が少し述べましたが、公労法が制定せられたということについての公労法の制定の経過と、公労法の持つ精神について、労働大臣の見解を質したいと思うのであります。それは私共の見解は簡單に申しますれば、憲法の第二十八條に規定されておりますところの、即ち勤労者の団結権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利はこれを保障すると憲法第二十八條が規定いたしておる、この基本的人権であるところの争議権というものを公共企業体に従事する従業員なるが故に與えないという、剥奪するために、制限するためこの法律が生れたと言つて過言でないのであります。これは御承知のように、公労法第十七條において争議権を剥奪しておりますその代りに、第十六條におきまして、仲裁によつてその基本的人権を生かして行くという精神が現われておるのであります。この点についての解釈労働大臣はどういう考えを持つておられるのか、先ずこの点を明らかに願いたいと思うのであります。
  10. 鈴木正文

    国務大臣(鈴木正文君) 公共企業体の従業員諸君、公務員の諸君とはこれは全然同じではありませんけれども、例えば公務員の場合にも考えられたように、一般の公益国民全体の福祉というような問題と極めて密接な繋がりを持つているああいう公共事業、その場合におきましては、今申しましたような一般の国民福祉という問題との関係も考慮して、それに争議権その他の問題を取扱わなければならないという当時の段階において、それらを考慮いたしまして、公労法というものが作られたと考えております。併し御指摘の三十五條の関係、十七條の関係、十六條の関係、これは実質的には原さんの言われたような点もあると思いますけれども、法的には別に直接的にそういつたものの関係があるとも言い切れないかも知れないと思います。ただ精神におきましては、できる限り裁定というものを尊重するということは勿論でありまして、政府も終始そういう解釈をとつて参りました。併し予算、公社自体の経理内容というものを無視するというと大げさでありますが、それに著しい障碍を與えなければやれないような、そういつた裁定というものがあつた場合においては、三十五條一本で以て絶対性を持つて行くということに対しましては、尚相当の考慮を要するという考えの下に、十六條の規定が生れ、そうして一面において、国会の公平なる審議によるという方式が一方において取入れられて来たものと考えております。根本的には、三十五條が中心であるという考え方に、私共もそう考えておりまするけれども、併し三十五條一本を以てして常に最終的というふうには、現在の日本の財政上、或いは公社の現在の内容上必ずしもそうばかり扱えないという事情は、今日において尚十分これを考えなければならないと思つております。従つてそういう場合において、十六條の規定によつて国会の考え方というものが取入れられて行くということは、現在においては妥当な行き方ではないかと考えております。
  11. 原虎一

    ○原虎一君 私の質問以上にお答えがあつたので、少しお答えが変だと思いますが、私は法の制定当時の経過と、法の持つところの精神について労働大臣の所見を伺つたのです。従つて基本的人権を重要視するという点が最も大事なことであります。併し争議権というものを剥奪するために、仲裁という強制的な、裁判的なものが法によつて設けられた、併しながらそれは飽くまでその法律ができた精神は、基本的人権の上に乘つておるということを忘れてはならない。従つてこの考え方が基本的ということになりますれば、法の不備から起きて来る問題をその法の精神によつて判断して、法の精神に近付くようにせしめるのが、これが政府の任務であります。殊に労働問題を担当いたすところの労働省、労働大臣がそういう方向に努力することは当然な任務であります。私は当時この公労法が制定されるときには、現在の官房長官増田氏が労働大臣をされていた、従つてこの鈴木労働大臣は御存じないかと思いますが、そのとき政府がこの公労法制定のときの説明、公労法制定の説明の要旨の中にあるのを参考までに紹介いたしますが、これに関連して国会の所要の処置がとられるまで、労働協約の効力の発生……即ちこれは十六條の説明であります。少し前から申さねば分らないと思いますから申上げまするが、「団体交渉に関しましては、これが公共企業体の職員に対する重要性に鑑み、特に第十五條において、毎年四回は基礎的労働條件の確立のため団体交渉が行われ、これにより労働協約を締結することを特に法律上の必要事といたしております。併しながら公共企業体の予算経理については、国会及び政府の嚴重な監督にあることが予定されますので、これに関連して国会の所要の措置が取られるまで、労働協約の効力の発生を停止するの規定を第十六條に規定いたしております。第四章におきましては職員の争議行為を禁止いたすことにいたしておりますが、これは公共企業体が完全国有法人でありますので、これに対して争議行為を行いますことは、延いては国家に対し脅威を及ぼすことになり、更に公共企業体が、再建途上の国家経済と国民の福祉に占める重要性に鑑みまして、これが業務の運営の停滞は寸時と雖も許されません。かかる事情よりして止むを得ず争議行為禁止の措置を構ぜざるを得なかつたのでありますが、併しこの反面におきましては、完全なる団体交渉権の行使と公正な調停及び仲裁機関の迅速的確なる活動により職員の地位の向上については十分なる保障がなされることになつております。」即ち職員の地位の向上については十分なる保障がなされることになつております。これが伏府の即ち提案理由の中の一つの大きな説明の一項であります。この精神からいたしますれば、仲裁裁定というものが拘束力を持たない仲裁裁定というものか、強制調停であるのか、労使の紛争を調停する場合におきましては、申すまでもなく両者いずれが聞く聞かないという問題が起きますけれども、強制の場合には労働者も資本家側も強制することは理の当尊であります。この強制力なくして争議権、いわゆる基本的人権である争議権を奪つてしまつたという代りに、この法第十六條及び三十五條が生れたということを考えますときに、今の労働大臣の答弁は余りにも基本的人権を軽視し、当時の法の制定の精神というものを軽視する考え方であります。この点は御承知のように裁判の判決においても明らかになつております。私は重ねて聞かんとするところは、これ以上は先程も申しまするように、労働大臣或いは運輸大臣の答弁は不可能な状態を第一次国鉄裁定の場合から続けておるのであります。先程も申上げますように総理大臣の出席を要求いたしている。併しながら労働大臣として今申されるような答弁によつて、日本の労働運動が健全に民主的に発達するとお考えであるならば大きな問違いであります。政府は第一次国鉄裁定に対する最初の裁判所の判決、東京地方裁判所の判決に対して日本国有鉄道をして控訴せしめておりまするが、一体法律問題でこれを争うというくらい愚なことはないのであります。労働組合運動は毎日活動をしておるのであります。その問題を法律によつて基定して行こう、而も先程申しましたような、政府が法の解釈を制定当時の精神に則つて行いますならば、問題はいと優しく解決いたす筈なんであります。即ち東京地方裁判所の判決の理由の中の第二項には、「仲裁が争議権に代り生存権を保障する裁判制度でありとすれば、その裁定の効力の発生を国会の承認によつて決定することは理論上妥当を欠く。国会は裁定内容の当否には判断を下し得ず、專ら導政上の観点から承認の当否を決定しなければならない。」、今日の政府のこの議案の出し方は全く裁定の当否を国会において議論しなければならないように考えております。併しながら裁判所の考えは明らかに予算上できるかできぬかということを考えれば国会の責任はそれでいい。それ以方のことを考えるということは、それは基本的な人権から生れた法の精神を蹂躙するものという解釈を下して、これに対すりところの労働大臣は、一体如何なる見解を持たれておるか、もう一度私は伺いたいのであります。
  12. 鈴木正文

    ○国務大臣(鈴木正文君) いろいろの点を挙げて御質問がありましたけれども、要するに私は労働大臣といたしまして、終始公労法の三十五條十六條関係の説明に当りましては、予算上資金上可能なのか、不可能なのかという一点によつて決定すべきものであるという説明を最初から今日まで変らずに御答弁もいたしましたし、主張して来たつもりであります。その通りなのでありまして、一面において。そういう問題を並行的に労働の情勢をも考え、それから公社の従業員諸君の問題、延いては広い意味の労働問題の重要な一環としての考慮を拂うということがないというのではありません。それは勿論労働行政の重要な面から全然切離して考えられるかどうか知りませんが、公労法自体の解釈から行きまするならば、只今原さんがお終いにおいて言われた通り、予算上資金上可能かどうかの一点のみによつて決定すればいいと考えております。
  13. 原虎一

    ○原虎一君 それでは私は他の方面からもう一点伺いたいと思います。仲裁裁定というのは一つの裁判とみなさるべきもので、従つてこれは公労法第三十五條において労使双方を拘束するのであります。さて問題は、現実の問題として專売公社におけるところの裁定に対して、政府予算上資金上不可能なものとしてこれを衆議院議決を求めに出した。参議院に対しても予備審査としての形において議決を求めて来たのであります。ところがその後におきまして、公社会計内において、これが支拂える状態が成る程予算上資金上生れて来たのであります。そこで問題は裁定に対してその公社が拂えるようになつた結果、政府はこれを議決を求める件という提案を取下げたわけであります。従つて今日政府予算上資金上不可能と雖も、国鉄経済内において拂えるようになる状態は近い将来にあるかも知れない。そういう問題に対して国会が何も急いで決める必要はない。即ち仲裁裁定判決同様の性質を持つものでありますから、その実行においては労使共に責任を持たなければならん法律上の規定もあるのです。でありますから、今、今日の予算上資金上不可能といたしましても、二ケ月後には予算上資金上なし得るかも知れない。従つて国会は急いでこれを決める必要もない。又決めないことが私はこの裁定精神を生かすものであり、公共企業労働関係法の精神を生かすものと思う。この点について、こういう本国会において仮に決定いたさなくても、継続審査の形にいたして行く。こういう状態に仮になつたとしますれば、私は政府当局がそれによつて何ら支障はないと思う。或いは労働大臣はそういう問題についてどういうお考えであるか、この点をお伺いしたいと思います。
  14. 鈴木正文

    国務大臣(鈴木正文君) 最初の方の專売の場合、これは原さんの御指摘のような推移を辿りまして、あれは裁定が下されてから、国会が開かれておる場合は、十月以内に政府国会に不可能な部分は提出して国会の意見を聞かなければならないという、そういう規定がありますもので、とにかく出すことは出したのであります。当時においてはまだ予算の遂行上の最後的の見通しも付かないために、当時におきましては不可能と思い、これが出て来るということはどうしても掴めなかつたのでありまして、不可能という説明を政府国会から聞かれた場合にせざるを得なかつたのであります。それが年度末に近付くに従つて、予算遂行の実体が明らかになつて来て、不能ということが分つて来た。そのときには、前の経緯等に捉われず、やはり出すべきものは出すのが当然であり、もつと極端に申しますれば、公労法の建前から言うと、不能なものがあるならば、国会政府も何らこれに関與する必要はないのでありまして、その場合に可能な部分だけは專売公社の総裁政府にも国会にも諮らず、どんどん拂つてしまつていいのであります。そういうような事態があつたからして、従つて議院自体はそのままで置く必要もないから、その事態に相応すべき手続を政府がとつた、こういう考えだつたろうと思います。それで公労法の精神は極めて簡明に生きていると思います。御指摘の点は今の国鉄の場合でございます。衆議院の方でも、実は本日午前中労働委員会でこの問題を継続審議ということに決定されたようであります。これに対して国会自体がどういう措置をとられ、手続をとられるかということは国会自体の問題でございまして、政府はこれに容喙と申しまするか、いろいろ言う意思は毛頭ございません。ただ今のような場合になつたときに、労働大臣はどう考えるかという御質問に対しまして、別に私共は法規上も、我々のとつておる政策上も、そうなつたから困る、いけないというような理由も、一つも持つておりません、ということをお答え申上げます。
  15. 原虎一

    ○原虎一君 仮に今労働大臣が御答弁なさいましたように、衆議院労働委員会が決定いたしましたと開きましたが、継続審査という形になつている。政府において何ら支障はない、何ら政府は心配するところも差支えるところもない、これはそうだろうと私共も思いますが、念のためにお聞きしたいのでありますが、その点は労働大臣の言明を信じてよろしいと思いまするが、先程專売公社のことについて労働大臣が説明された。従つて私共はこの国会が、第一次国鉄裁定の場合には、衆議院においては支拂う必要はないという、予算上資金上困難だから支拂う必要はない。参議院は国鉄経済内において支拂うべしという決定をいたしている。そして国鉄労組が仮処分の申請をして、東京地方裁判所が御承知のように政府の考え方の間違いであるところを指摘して判決を下されているわけであります。こういう状態において我々は国会自体が慌てて決定すべきものではないと考えるのであります。従つてこれは国会自身の権限でありまするが、その場合における政府の考え方、政府に支障はないということが、繰返して申しまするが、労働大臣が確信を以て言われるとするならば、それでよろしいのであります。問題はそうすることが、やはり我々国会が国鉄経済において支拂えるような状態になることは二ケ月、三ケ月、或いは半年後にあるかも知れないものを、現在の状態で政府予算上資金上困難であるから、むしろ今日の場合においては政府が拒否する、否決を要望しているものと思うのですが、この点について私は労働大臣のお考えを伺いたいのであります。
  16. 鈴木正文

    国務大臣(鈴木正文君) 率直に申上げますが、今日に至るまでも今の與えられた予算の中に、何か或る程度のものが出し得る方法はないかという努力を私共も実は続けて参つたのであります。それから最後になつても、何か側面からもこれを促進する法案のようなものはできないかということまで検討して参りましたけれども、今回の段階におきましては、それらはなかなか実現できなかつたというのが事実でありまして、根本的の態度といたしまして、私達はあの裁定全体を呑めるか呑めないかという問題もありまするけれども、できるだけ出し得るような段階が早く来るということを望んでこそおれ、決してその反対の考えは持つておらないのであります。だからと申しまして、先程も申しましたように、国会の取扱い自体について我々がとやかく申すべきでありませんけれども、返に今原委員のおつしやるような形で以て推移して行く間に可能なるものが現われて来て、国会にも関係なしに、政府にも関係なしに国鉄総裁自身の裁量によつて、どんどん拂い得るということがありましたならば、私共は日本労働運動のためにも、国鉄の従業員のためにも、現政府のためにも、喜びこそすれ決して反対のことを考えても、又期待してもおりません。今日只今ここで以て一応の結論を付けるために、現在の予算で今日それが可能なのか不可能なのかということを国会から聞かれるといたしましたならば、今日只今では、そういうものは今の予算で、ここにありますということをどうしても掴まれませんから、不可能というお答えをせざるを得ないのではないかということを考えておりましたけれども、根本的の考え方は何とかして出したいというのが我々の本当の気持なんであります。
  17. 原虎一

    ○原虎一君 明らかになりました。従つて我々国会も、国鉄経済内においてできた場合に支拂い得るような状態にすべきものであるということが、我々の考えが正しいという結論になると思います。私は時間の関係もありますし、時間を約束されていないそうでありますから、官房長官がいつお見えになるか分らない。督促されて、どういう返事がありましたか、その点をお聞きして、議案に対する質問は一応打切りたいと思います。
  18. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) お答えいたします。官房長官は、今衆議院において不信任案が提出されんとするときでありまして、もう査く待つて呉れということであります。
  19. 中村正雄

    中村正雄君 運輸大臣に一つだけお尋ねします。第二次裁定に関係があることでありますので、実は第一次裁定のことでお尋ねしたいわけでありますが、第一次裁定に一項から三項までありまして、第二項につきましては衆参両議院がそれぞれ異つた解決を出したという結果になつておりますが、賞與制度の復活につきましては、政府はこれは可能なものであると国会の審議にかけなかつたわけであります。従つて第一次裁定に示されました賞與制度の復活につきまして、政府はどういう措置をとつておるか、この点につきまして運輸大臣にお尋ねしたいと思います。
  20. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 只今中村君の御指摘の御質問は、これはその後その趣旨を尊重いたしまして、国鉄の経営者と組合で目下種々検討中でありますが、まだ結論が出ておりません。
  21. 中村正雄

    中村正雄君 本年度の予算総則の十三條によりますると、收入が予定以上に増し、或いは剩余金ができた場合でも賞與制度の方に廻すということは不可能な制度となつておるように見受けるわけでありますが、予算総則の十三條の関係は運輸大臣はどういうふうにお考えになつておるか。この点の御答弁を願いたいと思います。
  22. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 御承知のように、この予算で決められた給與の枠以外の給與というものは、今の規則ではこれは支出できないことになつておりますが、いわゆる裁定によりまして目下研究中の賞與は、これはいわゆる日本国有鉄道法と予算総則の中に謳つておる給與とは、これは性格が違いますから、必ずしも国鉄総裁自身の裁量によつて支出が不可能ではないと考えております。
  23. 中村正雄

    ○中村正雄君 それじや具体的にお尋ねいたしますが、予算総則の十三條があつても賞與制度が出し得るということになれば、どういう場合があるか、御答弁願いたいと思います。
  24. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) 従業員の努力によつて増收が出たという場合におきまして、その出ました金額を分ける場合に、一般的のいわゆる総則に決めた給與の性質、給與に非ざる形の支出ということであれば、私はできると思いますが、それを具体的にどうかと言われますと、ちよつと今御返答申上げることはできません。
  25. 中村正雄

    中村正雄君 仲裁委員会の言う賞與制度というものが給與であるかないかという点につきましては、それぞれ解釈があると思いますけれども、一応常識的に考えましても、或いは法的に考えましても、賞與金制度と言います以上は、私は給與であると考えるのが妥当ではないかと考えます。然るに原則の予算総則の十三條が現存いたしまして、そうして賞與制度を復活し得るという余地が私は全然考えられない。然るに今運輸大臣の話では、給與ではないけれども、それ以外で考えられる。具体的に今言えと言えば分らない、こういう答弁では誰が考えても満足できないと思う。従つて予算総則の十三條が現存し、賞與が給與でないと仮定いたしました場合に、現実に裁定第三項を実施し得る具体的な例示を特にお求めいたしたいと思います。御答弁願います。
  26. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 常識的には成る程賞與という概念から言えば、いわゆる給與の一部であろうかと思われるのですが、経営者と労働組合との労働協約において、いわゆる純粹の意味の給與にあらざるという形において、従業員に何らかのもの、又は金銭というようなものを與えられる途が私はあるんじやないかという只今気持で申上げましたので、実はこの問題は非常にむずかしうございますから、よく愼重に考えて、まあ私でちよつとむずかしいところは政府委員に答弁いたさせます。
  27. 中村正雄

    中村正雄君 私のお尋ねしたいのは、御承知のように第一次の裁定は十二月二日に出されまして、そのときに国会承認を求めて来たものは、第二項のいわゆる四十五億の金額についての求めでありまして、運輸委員会並びに労働委員会との合同審査の場合におきましても、官房長官国会の審議をお願いするのは第二項の四十五億であつて、第三項の賞與制度につきましては、これは労使双方の努力と協議によつて決めるべきものであつて、予算上資金上不可能なものではない、従つて国会の審議外のものであつて、当然政府としても承認いたしておるということを話しておるわけであります。然るに今後收入というものが予算以上に増加した場合或いは従事員なり、経営者の努力によりまして、既定予算というものが非常に節約できた場合、これを賞與制度の復活に廻すというのが裁定の趣旨であるということは運輸大臣も十分御承知の筈なんです。ところがそれ以後におきまして、昭和二十五年度の予算総則の十三條にはつきりとそういうことができないという枠を決めたという点につきまして、政府裁定当時において答弁なされました考え方と、その後の予算とが全然齟齬しているということが、私の第一の了承に苦しむところなんです。従つてなぜこのたびの予算総則の十三條というものを入れまして裁定に示されまして、政府も了承したというその第三項の賞與制度の復活を何故阻止するような態度をとつたかということを、もう一度運輸大臣にお尋ねしたい。それから第二点といたしまして、日本国有鉄道が、この十三條の修正というものを、賞與制度復活のために、仲裁委員会の指示に従いまして、政府に要求したのに対しまして、何故政府がこれを拒否したかという点につきまして、御答弁を要求したいと思います。
  28. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) この第一次の裁定に対しまする第三項の四十五億以外の賞與制度に対する解釈は、当時私共がとりました解釈は、只今中村君が仰せられた通りでありまして、毛頭間違いありません。然るに今回の総則によりまして、十一條によりまして、これを拒否するような恰好をとつたのは不都合じやないかというお話がございましたが、ここに言うところの給與というのは、ここに具体的に挙げてございまする項目だけがいわゆる給與でありまして、ここに挙げておらないものは、只今私が抽象的に申上げましたいわゆる賞與制度というような形で、労働協約等の約束によりまして、ここに挙げました以外の何らかの形で、物或いは金銭というようなものが支給できるのじやないかと考えて申上げた次第であります。それから第二項の方は、政府委員から答弁いたさせます。
  29. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 国鉄が賞與制度の実施に必要なる予算的措置をとるように、予算総則の変更等について申請したのに、政府は拒否したと、こういう御質問でございまするが、政府といたしましては、拒否はいたしておりません。ただ国鉄の申出ているものは、現在の予算総則を変更せずしてできると、但し勿論賞與の性質が、予算総則にございます給與総額の中に当然含まれておるような、本来の給與そのものを増すというような形では、勿論それはできないので、そうじやない、本当に性格的に見て賞與という恰好になるものならば、予算総則を変更せずしてもできるのだから、従つてこれに対して、国鉄の申請のように、総則変更の措置をとる必要はないと、かような見解でおるのでありまして、拒否したわけではございません。
  30. 中村正雄

    中村正雄君 それでは重ねて確認的な意味でお尋ねするわけでありますが、予定收入以上に増收し、或いは組合なり国有鉄道の双方の努力によつて、既定予算が節約し得た場合に、それを裁定に示された賞與制度に振向けるということにつきましては、現在の予算総則に関係なく出し得るものだと、こういうふうに考えて間違いありませんか。
  31. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 従業員の努力によりまして、既定の枠の経費が節約できた場合において、賞與を支給し得ると考えますが、その出さんとする賞與が本来の給與に代るような同一性質であるというような場合においては、これは私はまずいのではないかと考えますが、然らざる限り、これは予算の節約が行われました場合には、その節約された部分を、いわゆる賞與制度として支出が可能であると考えます。
  32. 中村正雄

    中村正雄君 重ねてお尋ねしますが、給與と同じ形式では困るというのでありますれば、現在運輸省の考えておる、或いは大臣の考えておる賞與制度として出し得るものは、どういう形のものをお考えになつておるか。人件費以外の形で出すのであれば可能であると、こういうのであれば、どういう形で出したならば可能であるのか、これを明示されたいと思う。
  33. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 御承知のように、国鉄の経営は、経営者と組合とによつて経営されておりますのですから、さような、性質の能率増進によつた部分を如何なる形でこれを処分するかという問題は、いわゆる経営者と組合との労働協約、話ずくによつて私は決めたらそれでよいのであつて、別に政府がこれに対して干渉する性質のものではないと考えております。
  34. 中村正雄

    中村正雄君 私のお尋ねすることとは、答弁が食違つておると思いますが、それでは重ねてお尋ねしたいのは、既定予算を節約し得た場合、その節約し得た費目がどういう費目であろうとも、従業員の努力と国有鉄道経営者の努力によつて節約し得たもの、並びに予定收入以上増收された場合、これを大臣の言う人件費にあらざる賞與制度に振向けることは、政府承認なしに、国有鉄道労働組合との協議によつて出し得るものだと解釈いたしまして差支えありませんか。
  35. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) それは労働協約によつてよいと思いますが、併しその出さんとする賞與の内容が在来の給與に代らんとするような性質を帶びた場合には、これはいけない。従つて事実問題といたしましては、やはり多分恐らく国鉄の総裁は、その措置を運輸大臣に禀請して指揮を仰ぐというような行政的な措置が行われるのではないかと考えます。
  36. 中村正雄

    中村正雄君 それでは二つに分けてお尋ねしますが、人件費にあらざる方法で出し得るといたしましたならば、運輸大臣並びに政府とは関係なしに、国有鉄道は出し得ると解釈してよいわけですね。
  37. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) それはよろしいと思います。
  38. 中村正雄

    中村正雄君 第二点といたしましては、人件費にあらざる賞與制度という抽象的な言葉を使われておりますが、我々懸念いたしますのは、国有鉄道労働組合の双方におきまして、協議を経まして出します方法が、政府なり運輸大臣の方で、これは人件費に相当するものであるという理由で拒否されることを一番恐れるわけです。従つて、大臣のお考えになつておる人件費にあらざる支給方法というものをやはり明示して頂かなくちやいけないと思うので、一例でもよろしいから一応明示願いたいと思う。
  39. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) それは都合によりましては、運輸大臣が監督の立場から意見を加える場合があるかと思うのですが、一律的にばらつと人頭式に平均的にばら撒くというようなことにあらずして、努力の結果に応じた配分というような事柄であれば、これは本当に賞與制度の趣旨に合致いたしますので、いわゆる在来の本来の給與の本体を崩さざる、変るものでないという意味合になると思いますので、そういうものであれば、これは当然認めてよいものであると考えております。
  40. 中村正雄

    中村正雄君 重ねてお尋ねして置きますが、能率主義による努力の数量如何によつて配分するものであるならば、いわゆる給與でなくして、賞與制度であると、こういうふうに考えておるわけですか。
  41. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 大体さように考えます。
  42. 中村正雄

    中村正雄君 私の質問は終ります。
  43. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) この際お諮りしたいことがございます。今議長より地方税の問題が本会議に上程されておりますが、定数が足りないので、各委員会を休んで本会議に出て頂きたいということでありますが、如何いたしましようか。
  44. 中村正雄

    中村正雄君 それまでに一応、大臣も見えておりませんが、合同委員会を打切りなさつてやつて頂いたらどうかと思いますが、労働委員会に御異議がなければ……。
  45. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) それではお諮りいたします。他に御質疑がございませんければ、連合委員会を閉ぢたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) それでは、これで合同委員会を打切りまして、散会いたします。    午後三時五十一分散会  出席者は左の通り。   運輸委員    委員長     佐々木鹿藏君    理事            小泉 秀吉君            丹羽 五郎君    委員            入交 太藏君            横尾  龍君           前之園喜一郎君            高田  寛君            早川 愼一君            中村 正雄君   労働委員    委員長     原  虎一君    委員            山田 節男君            村尾 重雄君            一松 政二君            鈴木 清一君            佐伯卯四郎君            田村 文吉君            門屋 盛一君   国務大臣    運 輸 大 臣 大屋 晋三君    労 働 大 臣 鈴木 正文君   政府委員    運輸事務官    (鉄道監督局国    有鉄道部長)  石井 昭正君    労働事務官    (労政局長)  賀來才二郎君