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1950-03-17 第7回国会 参議院 労働委員会 7号 公式Web版

  1. 公聽会 ―――――――――――――――― 昭和二十五年三月十七日(金曜日)   ―――――――――――――   本日の会議付した事件夏時刻法の一部を改正する法律案  (内閣送付)   ―――――――――――――    午前十時四十四分開会
  2. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 只今より労働委員会の公聽会を開会いたします。過日本委員会に付託になりました夏時刻法の一部を改正する法律案、この法案に対しまする予備審査の参考のために、公聽会を開催することに相成りました。本日は御多忙中に拘らず、公述人の皆さんが御列席下さいまして有難く御礼申上げます。  尚公述人の方々に御注意申上げたいのですが、時間が制約されておりますので、公述人各位は一名十分間割当てであります。その範囲で簡潔に一つ公述して頂ければ結構だと思います。尚公述された方に対する各委員からの質問は、各公述人が意見を述べられました直後に御質問願う。かようにいたしたいと存じます。尚公述人に御注意申上げますが、公述は議事規則の第六十八條に「発言は、問題の範囲を超えてはならない。」ということがございますので、時間の関係もありますし、この範囲内において明確に公述願いたいと思います。申し遅れましたが、公述人の方はその趣旨をお述べになる前に、本案に対する反対、或いは賛成の趣旨を明らかにして公述をお願いいたしたい一思います。それでは最初に水路部の編暦課鈴木敬信君にお願いいたします。
  3. 鈴木敬信

    ○公述人(鈴木敬信君) 私は鈴木でございます。私は條件附で夏時刻法に賛成いたします。その條件と申しますのは、夏時刻法によりまして電力が節約される、その場合に動力は勿論節約される筈はないのでありますが、照明電力が多少なりとも節約される。その節約量が国家のために見逃すことができない。つまり日本の現状におきまして、溺れるものは藁でも掴む、その藁に相当する以上であつたならば賛成する。その節約量が論ずるに足りないという場合には、私は不賛成であります。サムマー・タイムか世間でよく間違えられまして、寒いからやる、暖いからやるとか、そういうことを言いますけれども、これは根本的に誤りでありまして、サムマー・タイムは熱の問題ではなく光りの問題であります。これは図を用意して参りました。一番上の図はこれは少し数字が小さ過ぎて分りにくいかも知れませんが、緯度別によつた図でありまして、これが五時、これが六時の線でありますが、赤道では二月から十一月まで間、ここが六月に相当します。こんな工合に六時前後に日の出が変化する。緯度十度になりますとこんな工合に変化する。二十度になるとこんな工合に変化いたします。どつちみち六時前後になりますけれども、日本の近所になりますと、三十度四十度になるとこんなような変化になりまして、緯度五十度になりますと、日の出は夏の四時以下になります。薄明時はそれよりもつと早くなりまして、これは日本の平均緯度三十五度に取りましたときの時刻であります。これが四時、一時、六時、夜が明けるのはそれより一時間四十分か五十分前で、これは青線で、これが日本における平均の薄明の時刻であります。ところが緯度五十度になりますと日の出がこんな工合に四時以下になります。夜の明けるのがそれよりずつと早くなつて三時頃になる。ひどいときには二時頃夜が明ける。そういうふうな状況でありまして、日本ではイギリスフランスにおけるように日の出がそれ程早くない。従いましてやフランスイギリス夏時刻法でやつたからといつて日本でやらなければならないという理由は一つも存在しないのであります。ただサムマー・タイムをやりますと、夜寝るのが早くなりまして照明電力が節約される。朝は幾分早く起きますから、多少そつちに電力を使いましようが、差引して幾らか電力が節約になる。その量が国家のために見逃すことのできない量であつたならば、サムマー・タイムはした方がよろしいようであります。それでサムマー・タイムをそういう場合にするといたしますと、四月にするか五月にするかというのは、あちらの図にありますから、あの図で見て頂きたいのでありますが、これが三十五度に対する日の出の時刻であります。これを四月からやると、ここに日の出が上つて来て、こんなふうになる。そうしてここは一時間の飛躍ができます。これでは北海道の気温その他を考えまして、非常に不適当であるからしてもつと遅らして五月にすれば、ここからこう上ることになります。そうすると、日の出の時刻が飛上つて、こう行つてここへ戻るということになります。私は言わせれば、それよりもむしろサムマー・タイムを一時間飛躍させるよりも、一分ずつなしくずしにやつて行つたらどうか。そうしますと、この赤い線で、よく見えませんが、示したのでありまして、非常に口の出がなだらかに変化します。そうしますと、寒いからどうのこうのと言わないで、日の出が全国的に変つて来まして、国民としては非常に楽に生活ができる。この一分ずつ変える場合には、ラジオのAKに連絡しまして、AKの時報、或いは天文台に連絡して、一分ずつ早めればいい。そういうふうな意見であります。それだけであります。
  4. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 只今の鈴木公述人の御意見に対して、御質問ございませんか。
  5. 門屋盛一

    ○門屋盛一君 御職掌柄だけのようですが、電力が節約になれば賛成だが、余り節約にならなければ反対だと、電力の面からだけ見られておるようですが、身体の健康上からお考えになつたことはありますか。
  6. 鈴木敬信

    ○公述人(鈴木敬信君) 私は、むしろそれによりまして余り為にならないと思つております。例えば大人の方は可なり夜更かしをする。問題は子供なのであります。子供は夕御飯を食べても、まだ外が明るいので外を遊び歩いておる。要するに夜更かしをする。私は暫らく北海道で生活したことがありますが、稚内あたりに行きますと、夜の八時頃まで野球をやつております。サムマー・タイムをやると、恐らく九時頃までやつておると思います。そうしますと、小さい子供が寝るのが非常に遅れまして、むしろ惡い結果になるから、やらない方がいいんじやないか、健康上からそう思います。
  7. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 外に御質問ございませんか。それでは続きまして株式会社レート社長の板倉君にお願いいたします。
  8. 板倉安兵衞

    ○公述人(板倉安兵衞君) 私は株式会社レート社長の板倉安兵衛でございます。  今回の夏時刻の改正によりまして、四月第一土曜日を五月第一土曜日に改正せられますことは賛成でございます。  元来夏時刻実施の趣旨は承知しておりますが、昨年本則通り、夏時刻が四月第一土曜日から開始されました結果については、中小商業方面に非常に無理がありまして、製造業者、或いは工場関係、卸売業者、小売業者の実情を見ますと、夏時刻によりまして、これら業者の工場、事業場に勤務いたしまする従業員、労務者の日常生活動作上の支障に対して、相当に考えなければならなかつたと存じております。殊に商店、会社の従業員、又工場の労務者等の通勤時間が、相当遠方の距離から来る者が相当多くありますので、これらの日常の勤務生活上種々関連した事柄におきまして、非常な不便と苦痛を感じておつたのであります。故に我々業者といたしましては、中には夏時刻は六月から始めて貰いたいというような希望者もあるくらいでありますが、これは実行上いろいろ御意見もあることと存じますので、この際夏時刻開始時期を五月第一土曜日に、改めるならば、業者の大部分は緩和されることと存じます。以上の通りでございます。
  9. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 只今の板倉公述人の御説明に対しましで、御質問ございませんか。
  10. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 板倉さんにちよつとお伺いいたします。現行のを一ケ月遅らして、五月第一土曜日にするのに賛成だ、尚六月にすることにも賛意を表するということですが、原則的にサムマー・タイムそのものに対してはどうですか。
  11. 板倉安兵衞

    ○公述人(板倉安兵衞君) これにつきまして今日伺いましたところは、この改正されるという範囲で以て私申上げておる次第であります。それで実は今日伺いますことにつきまして、時間もありませんので、手近のところその他を調査して参つた次第でございますが、これだけの範囲の私の今の調査としましては、原則的に申上げることはちよつと申上げかねますので、今日は改正の分だけを、そのことを御案内を受けたのですから、その範囲で以て私は回答を一つお許し願いたいと思います。
  12. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 この前の御通知は、原則的な意見も伺うことになつておつたと思うのですが、一応そういうことをあなたから説明なさつて、御案内をする必要があると思うのですが、如何ですか。
  13. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) この公聽会の趣旨ですか。
  14. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 ええ。
  15. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) それは勿論各公述人におかれても、この改正問題は、本質的なものに触れて頂いても差支ございません。
  16. 板倉安兵衞

    ○公述人(板倉安兵衞君) それにつきまして、なるたけ実情に即したことを申上げたいと思いますと、今私の申上げた通りにいたして頂いた方がよかろうと思います。
  17. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 私らの趣旨は、基本的なサムマー・タイムに対する御意見を伺うことになつておつたのだから、若しその御意見がある方には、そういう点を伺つでも結構だと思うのです。
  18. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) それは先程御説明申上げた通りです。  それでは続いて東京交通労働組合の飯塚君にお願いいたします。
  19. 飯塚愛之助

    ○公述人(飯塚愛之助君) 私は東交本部の飯塚でございます。急だつたものですから、正式な機関の決定ではありません。大体私の想像と個人的な意見になりますが、私はサムマ―・タイムそのものには賛成であります。  私は十五年ばかり前にサムマー・タイムを主張したことがあります。その理由としては、電力の問題、健康上の問題であります。勿論私は学者でもなし專門家でもありませんから、具体的のことは分りませんが、ただ勘で申しまして健康問題ということになるのですが、これは結局農山村に肺病とか近眼が少いという理由、肺病とか近眼は都会病だという俗称があるのですが、都会にそれが多いということ、これは電気が入つて来て、文明の弊害で、夜更かしをするということのためにつまり近眼であるとか、肺病であるとかが出て来るのではないかと思うわけです。それは朝は非常に清純で空気がいい。この時に寝ているということは、結局一日二十四時間ですが、労働時間の晝間についサボつて、電気で夜、夜更かしをするということで、知らず知らずに夜更かしということになる。同じ労働時間が夜に延びる。農村の百姓は野良に電気がつけられませんから、結局朝早く起きて日一杯仕事をしている。肺病もなく、近眼も起らんと思う。ところが非常に空気のいい時に朝遅くなることは、こういう時に寝ていると、太陽が出て来て照らす、それから起きて来て仕事をすると、結局一日中比較的空気の汚れた中に、而も電気の中で生活する時間が長いということが肺病や近眼の原因ではなかろうかという素人考えながら、そう考えるわけであります。そういう点から見ますと、同じ二十四時間をどうするかということになると、結局空気のいい、健康上にいい時間に働けばいいのだ。労働が別に延びるわけではないんですから、一定の労働時間ですから、そういう点から行くとサムマー・タイムということには私は原則的には賛成です。それから專門的ではありませんが、相当電力という、動力じやない、一般家庭電力、電燈、こういうものが相当に節約されるということが分るのです。そういう面から言つて原則的には賛成する。ただ遺憾ながら日本人は文明の弊害で電気の中の生活が長く、夜更かしの傾向があるので、サムマー・タイムが実際実施されたために直ちに消化されないということの弊害があるが、これは漸次消化して行けばいいのではないか。そういう点から段階的には四月では早いのではないかと思います。その点では五月の改正は最も適当だろうと思う。まして私共の交通労働に従事しておる者については、人より早く起きねばなりませんから非常に辛い。従来の習慣からいつて夜更かしをする習慣があるから……。四月になると私の方では五時から運転開始しなります。そうすると住宅の関係で遠い人は三時半頃に出勤することになりますが、ところが実際上は一時間繰上ると四時になりますから相当辛いことになるわけです。それで先に申上げましたように、八時間労働の枠があつて仕事をしているのですから、習慣として労働時間が延びることがないんですが、段々慣れて来ればいいのではないか。結局健康上の問題、電力の問題、こういつた点から言つて、原則的には私はサムマー・タイムに賛成する。ただ今までの惡い習慣上一挙に日本人にとつて早くすることは辛いから、段々早くして、時期的にこれを改正すればいいのではないかと思います。以上です。
  20. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) いいですか、公述人に対しまする御質問はございませんか。……ないようでありまするから、続きまして中村直代君にお願いいたします。
  21. 中村直代

    ○公述人(中村直代君) 私は婦人勤労者となつておりますが、公務員の家内でございます。主人が中央官庁に勤めでおるわけでございます。
  22. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 主婦の立場として…。
  23. 中村直代

    ○公述人(中村直代君) はあ、そうです。
  24. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 今中村さんから、婦人勤労者となつておりますが、公務員の奥さんだそうでありますから、主婦の立場からサムマー・タイムに対する御意見を述べられるそうであります。
  25. 中村直代

    ○公述人(中村直代君) 家が都心から大分離れておりますから、往復に相当時間かかりますので、この一年間を通じて、朝四時半頃に起きて食事などをいたしますので、只今のところまだよろしうございますが、段々日が長くなつて参りますと、四時半ですと、今までですと普通の時間でしたち明るくなりましてよろしうございますけれども、時間一時間繰上りますと、四時半でもやはり暗い時に起きなければなりません。朝がそんなことでございます。夕方も一時間早く帰つて参りましても、丁度食事の時間は、夏などは夕日が当つておりますから、早く日の当つておるうちに夕食を済まして、やはり休む時間が朝早いものですから、夜又早く休むようになりますので、そうしますと暑いのに戸を閉めて休むようになりますから、私はこの時間には絶対に反対でございます。
  26. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 只今の中村公述人の公述に対しまして御意見はございませんか。
  27. 城義臣

    ○城義臣君 伺いますが、四時半に起きているということでありますが、余程お勤先からお宅まで距離があるのですか。
  28. 中村直代

    ○公述人(中村直代君) 一時間半も時間がかりますものでございますから、四時半に起きませんと、どうしても七時に出掛けますのに間に合いません。一年中四時半に起きます。
  29. 原虎一

    ○原虎一君 そうしますと、夏時間そのものに反対で、五月にするということは問題でないのでございますね。
  30. 中村直代

    ○公述人(中村直代君) 全面的に反対でございます。
  31. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 続きまして、都立第一商業学校長武市春男君にお願いします。
  32. 武市春男

    ○公述人(武市春男君) 私は只今御紹介に與りました武市であります。私は夏時刻のことにつきましては、原則的に賛成であります。そうして五月の第一土曜日から始めることに改正することに賛成であります。その理由を私はこれから学校の現場の問題として申上げます。  さて夏時刻の制度が我々の国民生活に採り入れられまして、ここに二ケ年を経過しました。その経験から申上げますと、一昨年の夏時刻が五月の第一土曜日から開始されましたときには、時期がよく、生活の改善促進に役立ちまして、我々教職員生徒一同は一種のはりを以てこれを迎えたのであります。そうして比較的愉快にこれを過したのでありました。併しながら昨年の夏時刻は四月の第一土曜日からでありましたのですが、この点につきましては、いろいろな点から不都合が起つたわであります。不都合な点の第一を申上げますと、このときは日の出その他の関係から寒い。二月頃の気候を四月になつても又再び繰返して感じなければならないようなことでありました。第二点は学校の始業というものは八時乃至九時まででありまするが、四月の夏時刻におきましては、遅刻者が非常に多かつた。殊に教職員の遠方からの通勤者は通勤に苦労いたしまして、その家族までも早く起きなければならなかつたということで以て、非常に困難をしたのであります。そうしまして終業は午後の三時乃至四時でありましたが、この時刻はまだ大陽が高いところにありますので、生徒はいつまでも運動場に残りましてそうして運動をする。或いはクラブ活動というようなものに熱中いたしまして、学校の退出が遅くなりがちでありました。こういうようなことでありますので、学校におる時間が長いために、やがて生徒教職員に疲労が加わりました。そうして聊か能率低下を来たしたかのように見受けたのであります。私個人的なことを申上げては恐縮ですが、殊にこの四月からの夏時刻には、時間余分に働いて能率を上げたというよりも、むしろ寒さを味わつてその上疲労を得て能率を下げたという結果であつたことを御報告申上げます。併し夏時刻竜五月、六月に入りますというと、気候もよくなりまして、快適となりまして、生活にぴつたり当て嵌まつて参つたことは確かであります。そうして夏時刻になつた学校の受けるところの長所を挙げますと、第一夏季に入りましても従前のように、大体従前は夏季に入りますと、始業時間を早めるということをするのでありますけれども、そういうことを要しません。一年を通じまして大体同時刻に始業ができるというので、時間を変更する必要がないという点が挙げられるのであります。第二に学校におけるところの夏時刻の長所は、特に夜間課程において大であるということは言えましよう。夜間の生徒は、夏季においては少くとも一時間は晝間授業を受けられる、そうして又非常にこのために快適である。第三には、この夏時刻の制度の狙いでありますところの電力量節減の目的を、学校におきましては、全国の電力量から見ますというと甚だ微量ではありましようけれども、これを果し得たことも事実であります。かような夏時刻の制度が実施せられましてからこの方、二ケ年間のことでありますので、まだまだ制度そのものは、我々国民生活にすつかり根を下すまでには至つておりません。けれども学校の立場から申しますというと、長短は非常に多い。併しどちらかと言えば短所よりも長所の方が多いと私は確信しておるのでありますけれども、ただその問題となりますのは、夏時刻の始期をいつから始めたらよいかという点でありまして、私の述べました夏時刻の実施に伴う生活上の支障の起るのも四月から始めることによつてでありますので、私は結論的に申しますというと、夏時刻は四月から始めるよりも、どうしても五月から始めなければならんということに到達するのであります。日本は、北海道根室から南は九州の鹿兒島に至る全国二十一ケ所におけるところの、四月一日から九月一日までの日の出、日の入を平均いたしましても、四月一日の日の出が五時三十九分、日の入が十八時十三分、五月一日の日の出は五時一分、日の入が十八時三十七分、五月一日の方が四十分も日の出が早いのでありまして、この点からも五月がよいということをいよいよ確信するのであります。同様の理由によりまして、終期につきましては、前二回実施通り、この夏時刻法の現行通りに、九月の方がよろしい。  夏時刻の制度の狙いの一つでありますところの電力量の節約という点につきましては、頂きました資料のこの時刻法改正法律案の提案理由説明書にもありますように、四月から始めても五月から始めても、さ程大差はない。つまり四月から始めましても殆んど見るべき効果が得られないということでありますから、寒い思いをして生活上に支障を来たしながら、四月から始める必要は毛頭ないのではないかと、こういうように考えるのであります。  以上学校の立場から余り御参考にもなりますまいが、夏時刻法につきまして蕪雑な意見を申上げた次第であります。適宜お取捨て下さいまして、我が国に最も適する夏時刻法御改正に御盡力下さいますようにお願い申上げます。我々教師といたしましては、現場で真にこの制度を理解いたしまして、そうして生活上の利益を受けるように努力いたしたいと考えるものであります。  以上でございます。
  33. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 武市公述人に対して御質問ございませんか。  続いて岐阜県農業をやつておられる高木公述人にお願いいたします。
  34. 高木章

    ○公述人(高木章君) 私は岐阜県の山の中で少しばかり農業をやつておる高木と申す者であります。  私達にはサムマー・タイムというものはありません。朝、夜が明ければ野良へ出て働き、夕方は星を戴いて帰つて来るものであります。併し現在では百姓だけではなかなか食つて行かれません。百姓自身として、百姓の子弟が附近の会社、工場で働く者もありますし、又百姓の子弟は、下は小さな幼稚園へ行く子供から、上は新制高等学校へ出て行く子供もあります。子供は我々と同じように朝は親と一緒に起きて、親と一緒に御飯を食べ、学校なりその他の方面へ勤めております。在来は起きてからかなり時間が経つてから、太陽が高くなつてから、それらの学校とかその他へ行つておつたのです。それは私達百姓に取つては時間半端の時に行つて時間半端の時に帰つて参りました。かような時間的な、このような生活は、父兄の、特に女親の著しい負担となつておりました。夫を野良へ出してかなり時間が経つてから、主婦は幼稚園その他今行く者を送り出す。又夕方は夕方で早目に子供は帰つて来る。夕飯の仕度には少し早い。そうかと言つてその夕飯には早いという時分に子供は出掛けて帰つて来ます。併し昨年の四月から夏時刻が改正になつてから、朝早く主婦は子供学校へ出し、そうしてそのあとで直ぐ働きに出るということになり、又夕方は早く帰つて来ます。そうして子供子供で農家の労力の一員として働いて呉れました。かくして夏時刻を実施するときには時間的に太陽光線のみならず、農家経営合理化のために一役買つて呉れました。それで夏時刻の改正は、私共百姓としては四月より夏時刻はして頂きたいと思います。四月からです。本案の一部改正法律案に対しましては反対であります。
  35. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 只今の高木公述人に対して御質問ありませんか。ないようでありますから、続きまして国鉄労働組合の田村公述人。
  36. 田村清美

    ○公述人(田村清美君) 只今御紹介に與りました田村でございます。私達国鉄労働組合と申ますか、従業員の立場から申します、基本的には反対だということは、前の夏時刻の制定に当りまして代表が述べたところであります。今もその意見には変つておりません。従いまして今回の時刻改正に対しては、この期間を変えるということに対しては、そういう意味から賛成をいたします。  それで北海道の事情を申上げたいのでございますが、美は、例えば四月の第一土曜日ということになりますと、今年のような場合は四月の一日がその日に当つております。ところが四月の一日ですと、北海道の大部分はまだ街路に雪があるような状態でございます。こういうような状態でサムマー・タイムということは、一体おかしいわけなのであります。若しこういうような状況で一時間時間を繰上げて参りますと、又朝早くから起きなければならないことが出て参りまして、電力量というよりも、むしろ我々にとつては石炭、或いは鐵の消費量の方が問題になつて来るわけでございます。昨年度と申しますか、本年度と申しますか、二十四年度は、石炭手当が三トン当りで八千百円貰つておりますが、実はこの中から税金とか、運搬代を引いて参りますと、大体二トン程の石炭より手に入らないわけでございますが、こういう乏しい石炭の中で、若しも四月の第一土曜日からサムマー・タイムを始めますと、石炭がそれだけ沢山食つちやうわけなんであります。それだけ生活上の又負担になりますし、又逆に夜の場合を考えて見ますと、夜になりましてもやはり寒いわけであります。そうすると陽があるからといつて起きておりますと、それだけ石炭消費量も増えて参る。こういうようなわけで、北海道に住む、何と言いますか、住民にとりましては、電力量も大切ではございますが、それ以上に生活の非常に窮乏と言いますか、極端に申しますならば、そういつたような言葉で表現されるような状態に陷るわけでございます。そこで本改正案に上りますところの五月といつたことには、私達は賛成をするわけであります。そこでもう一度承正案におきましてお願いと言いますか、希望と申しますか、それを申上げますと、その終りの時期でございますが、この法律案によりますと、九月になつております。ところが北海道は、大体本当に暑いと申します時期は、七月の十五日頃から始まりまして、八月の初めの方でもうすでに暑いという時期は過ぎまして、それから日一日とずつと秋と申しますか、そういう時刻、何と言いますか、秋と言いますような温度の状態に入つて行くわけでございます。それでもう九月になりまずと、そろそろ肌寒いようになつて参りまして、朝晩になりますと、大体軽い緩房を取らなければならないというような状況に入つて行くわけでございます。それでこの法律案によりますと、九月の法律案によりまして、大体計算をいたして見ますると、速くこの第二土曜日が廻つて参ります場合は、九月の八日でございますし、又遅く廻つておる場合は、九月の十四、五日頃。つまり中旬まで入つてしまうわけでございます。こういうふうになりますと、又逆に通勤者などの家庭では、朝暗い中から起きなければならない。この法案の中に入つておりまするところの電力量の消費と言いますか、こういつたようなことが逆にそうではなくなつて参るような状態であります。ですから又この時刻になつて参りますと、九月の中旬過ぎになつて参りますと、帰る時刻も薄暗くなつて帰つて来る。暗い中に起きて暗くなつて帰つて来る。こういう状態に入つて参りますので、こういう点につきましても改正をして頂きたい。で若し改正するならば一体どういうのがいいかと申しますと、八月の第四土曜日、この九月の第二土曜日というのを八月の第四土曜日ということに直して頂きたい。そうすれば大体二十、二、三日ごろから二十八日までの間にサムマー・タイムの時刻が切上つてしまう、こういうふうに改正しで頂くならば、北海道といたしましても、あながち何と申しますか、全面的に、サムマー・タイムに反対するというわけではなしに、こういうことにして一般の生活をできるだけ日光に親しむ期間を持たせる、こういうふうになつて参るのではないかと思います。以上がこの時刻法に対しての私達北海道に住む者の意見になると思います。以上を以て終ります。
  37. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 田村君に対する御質問ございませんか……御質問ないようでありますから、続きまして気象研究所長畠山君にお願いいたします。
  38. 畠山久尚

    ○公述人(畠山久尚君) 私はサムマー・タイムというものに趣旨は反対であります。そのことをこれから御説明したいと思いますが、先程鈴木さんからサムマー・タイムというものは光の問題であると言われているが、その通りでありまして、実際に生活に関係したことになりますというと、光の問題の外に温度の関係が入つて来るのであります。温度のことを考えて見ますと、例えばヨーロツパと日本北海道あたりが緯度で言つてもやや同じです。北海道の方がむしろイギリスあたりよりは緯度が低いのですけれども、温度の方を比べて見ますと、ヨーロツパの方がずつと温度が高い。向うの方は朝早く夜が明ける。それに対して温度が高いということですからして、サムマー・タイムをするには非常に都合がよい。私も樺太の豊岡に暫く住まつておりましたが、あの辺に行きますと、今の日本の標準を使つてみますと、朝の二時ぐらいには明るくなる。普通の人が起きてくるのはそれから数時間も経つてからであります。その間は明るくて割合に、ヨーロツパのことを言えば割合に暖かくなつておるのに似ているけれども、そういう夜が早く明けて暖いという所はサムマー・タイムもよいが、夜が早く明けるけども、温度がそれに対して低いという所ではサムマー・タイムは不適当ではないかと思う。それで日本が、一つは北海道のような地域もあるけれども、もう一つは南で九州のような所もある。九州ぐらいの緯度の所に行くと、今度は日の出口の入が相当違いが出ますけれども、余り北の方とひどい違いはないということになりますからして、日本のように割合に北から南にまで亘つているというような所を一律にしてしまうということは、非常な大きな無理があるのじやないかと思う。そういうような点から、原則的にサムマー・タイムを一律に実施するということに対する反対ということ、それから私共気象台関係の官庁に勤めておりますので、気象だけの仕事として見た官庁としての意見というものを大体お話ししたいと思い手。気象台の仕事はいろいろありますけれども、一つはいろいろの資料をまとめて外に知らせるということがある。それにもいろいろなやり方がありまして、一つは国内の方に知らせることは勿論でありますけれども、国際的な気象單位というものがありまして、それの取決めに従つて何時々々の観測があつて、それを何時に無線で知らせる。それは国際的なことでありますから、その時刻というものはめいめい勝手な時刻を使うわけにはいかん。それは世界共通の時刻を知らせる。それにはグリニツジ・タイムを使つている。グリニツジ・タイムの仕事がある。ももう一つはそれぞれの国、日本なら日本では百三十五度の標準時によつて何時と何時と何時に観測するということが決つている。標準時の観測は、長年やつておるから、サムマー・タイムでも変えるわけにはいかない。それからもう一つは、国内の皆さんに対するいろいろな発表がある。温度のこともある。気象のこともある。気象の中に入つておりますが、気象のいろいろな状況、地震があれば地震についてどうこうということ、そういうようなことはサムマー・タイムでやらなければできないというようなことで、我々の官庁としては、時刻としては三重生活をしなければならないということで、官庁の立場からはサムマー・タイムは絶対に反対であるということは、前に誰かが言つたことがあると思いますが、そういうようなわけであります。それで私の意見としてはサムマー・タイムは使わないで、むしろ日本は割合に広い範囲に細長く伸びておるから、地域地域に応じて勤務時間……勤務時間の全体の長さは変えられないが、出勤の時刻というものを地域ごとに変えてやるということが可能であるのじやないかと思いますが、そういうことによつてサムマー・タイムの時間ということを活かすことができるのじやないかというふうに私は考えます。
  39. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 畠山公述人に対する御質問ございませんか……ないようでありますから、続きまして全国繊維労働組合の菊池君。
  40. 菊地よしえ

    ○公述人(菊地よしえ君) 私は紡績とか化学繊維とか、そういう労働組合の集まりました全国繊維産業労働組合同盟に働いております。私の組織では、このサムマー・タイムの問題につきましては、昨年の六月に開かれました全国大会で、実施期日を五月にしたいということを決議しておりますので、今回の改正案に対しましては賛成でございます。で昭和二十三年度に夏時刻が実施されましてから、加盟組合中の四十四組合、二万八千八百五十八名というものを対象にいたしまして、二十三年度と二十四年度の二回に亙つて、その経験を調査しております。その内容は、サムマー・タイムの実施はいつからがよいか、サムマー・タイムの実施で生産能率にどのような影響があるかということでございますが、第一の実施開始期日につきましては、四十四組合中三十三組合が五月を要望しております。三組合は六月を要望しておりますが、その他の七組合は不明でございます。で圧倒的に五月の実施を望んでおることが分りました。更に生産能率に関しましては、これは昨年度だけの調査でございますが、四十四組合中五組合が能率向上を認めただけで、三交替制を実施しておる十七組合中十三組合は能率が低下して来ております。こうした傾向は、先程からもたびたび北海道などのお話が出ておりますが、寒冷地にある組合でございまして、やはり四月からの実施では寒さの影響によつて、可なり作業能率に影響をし、生産の低下を齎らしたものであると考えるものであります。尚能率に関しましては、影響なしという回答が十五組合ございましたが、これらはいずれも交替制をとつてやつておるところで、従来の生活慣習による実施当初の苦痛が、短かい期間に調整されて行くのではないかと思われます。交替制と申しますと、御存じない方がいらつしやるかも知れませんが、先番が五時から始まります。ですから起床はそれよりも前になりますので、非常に早く、サムマ一・タイムが実施されました場合には、寒さの影響を受けることが多くなつて参ります。で次に外の調査でございますが、この期間中の移動率、出勤率、災害件数並びに病気に罹る率につきましても調査してございますが、実施期間中と実施後その年の年末までの期間を調べたものを見ますと、移動率につきましては、実施期間中に多くなつたものが二十三年度で九工場、二十四年度では十二工場となつておりまして、回答工場数の二十二の中、過半数を占めております。このことは夏時刻が労働者の生活に影響する。つまり早く起きてその割に早く寝るということが、なかなか無理がいつてできない。明るいから早く寝るということがむずかしいということなどで、過労になつて来るような結果を見たのではないかということが考えられるのですが、第二に出勤率につきましては、実施期間中出勤率が少くなりましたものが、三十二工場中二十三年度が九、二十四年度が十五になつておりましてこの大半はやはり寒い地方にございます。四月から実施したものの方が率も高くなつておりますことは、やはり四月が不適当であるということになつて来るのではないかと思います。第三に災害の件数でございますが、実施期間中に災害件数が殖えましたものが、二十三年度が二十一組合の中で以て六で、二十四年度におきましては、これが十五組合になつております。やはりこれも昨年度の方が殖えております。次に病気に罹ります件数につきましては、やはり二十三年度が、調査いたしました二十一組合の中で以て七でございますが、二十四年度は十五組合になつております。やはりこれも地域的な分布は寒い地方と、それから山間地方に多く見られております。それから先程主婦の方の立場から睡眠時間の問題が出て参りましたけれども、これは寄宿舎のようなところにおります者が過半数を占めております。私共の職場では、集団生活をしておりますために、その集団というものの影響が非常に多くなりまして、どうしても明るい中に床に就くということがむずかしくなつて参りますので、どこの職場におきましても、三十分か四十分ぐらい睡眠時間が減つて来ております。これもやはり特に二交替制のところに影響が多くなつておるようでございます。このような結果から見ましても、私共では五月から実施するというこの改正法には賛成でございます。  で先程から原則的にというお話が出ておりますが、私共では原則的にはサムマー・タイムは、こういう調査の結果から基きましても、なくていいのではないか、只今の畠山さんのお話にございました通りに、地域的に出勤時間その他につきましての調整を行なつて行つた方が好結果を生むのではないかということを考えております、以上でございます。
  41. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 菊池公述人に対する御質問はございませんか。ないようでございますから、続きまして関東配電の業務部長伊賀君に……。
  42. 伊賀秀雄

    ○公述人(伊賀秀雄君) 関東配電の業務部長の伊賀でございます。  サムマー・タイムの実施につきましては、電力に関係しますことが非常に大きいフアクターとして取扱われておるのでございますが、サムマー・タイムの実施につきましては、電気供給事業者といたしましては、一応賛成であります。四月を五月にするということにつきましても、反対の理由がないという程度でございまして、電力事情を勘案せられまして非常に重きを置かれておるにも拘らず、サムマー・タイムに対する電気供給事業者の態度が非常に生ぬるいということにつきましては、一二の理由を申上げなければならないと思いますが、ヨーロツパのイギリスとかドイツとかフランスとかいうような所で、発電の殆んど全部を石炭に負うておる所及びアメリカの大都市で、これも発電の殆んど全部を石炭に負うておりますような所では、時間のずれによつて生ずる電力の節約が直ちに石炭消費量に影響して来ますから、これは非常に大きい問題になつて来ると思います。ところが我が国のように主といたしまして水力を以て発電しておりまして、僅かに九州でありますとか、その他の所で火力を沢山使つております所を除きましては、夏時間の実施されます期間は豊水の時期であります。そのためほんの僅かだけの電力節約が夏時間によつてなされたといたしましても、石炭に影響するところは割合に少いのでありまして、若しそれで節約せられました電力が十分に消化し盡されてしまいますならば、誠に結構な次第でありますので、そういう意味におきまして夏時間に賛成いたすのであります。四月を五月にするということにつきましては同じ理由によりまして、四月はすでに豊水期に入つております。従いましてこの時期に電力が幾らかでも節約せられるであろうということで非常に微量に石炭に影響するということは考えられますが、これが電力供給上大きい影響を齎すということは考えられないのであります。実際問題といたしまして、今日のこの公聽会の趣旨にも書いてありましたように、全国といたしますと、夏時間の実施によつて電力消費が多くなつたのが少くなつたのかという見当が殆んど付かない程度であります。今ここに資料を差上げて置きましたが、これを御覧願います。関東配電の管内だけでの結果が書いてあるのでありますが、上から四行日あたりから、二十三年度夏時刻実施前後の当社の総合負荷曲線を比較いたしますと、二十三年度は五月に始まつたときでありますが、第一土曜日から実施されましたが、最大電力というのは夕方一時に使われます電力の量でありますが、その最大電力は三、六%、それから電力量、一日に使われました電力の全体の量については三・五%の減少となつておつたのでありますが、二十四年度は四月の第一土曜から実施せられまして、最大電力におきましては四%の減少を示しましたが、電力量におきましては僅かに〇・七%しか減少しておらないのであります。これが夏時間の実施によりまして、五、六、七、八月とどういうような減少を示すであろうかということは比較できません。比較の基礎がございませんので比較できないのであります。電力使用状況は日により月により非常に変化いたしますので、比較する基礎がありませんので、ことでは申上げかねるのであります。このようなわけで四月から始められます夏時間を五月に繰延べるということにつきましては、電力供給事業のみから考えますと、いずれでもよろしいという結論に私達は達するのであります。その事情を第二回で御覧願いますと分り易いと思うのでありますが、第二回を御覧願いますと、点線で書いてありますのが夏時間の実施されました直前の、下に時間が書いてありますが、一日の電力の使われますカーブでございます。それから太い実線で書いてありますのが、夏時間を実施しました直後のカーブであります。これで見ますと明らかに夕方の電力の使い方が減りまして、そうして夕方、と言いますのは暗くなりましてからの電力の使い方は減りまして、少くとも夕方少し暗くなりかけようかという頃の電力の使いが、これも亦減つて来ておるのであります。そこで私達といたしまして、若し勝手な希望を述べさして頂くことができるといたしますと、これはどうしても夏時間実施については甚だ重きを見られております電力部門から、皮肉なお願いのようでありますが、私は終る季節を延ばして頂きたいということであります。と言いますのは、第三図を御覧になりますと、その結論が御納得になれると思うのでありますが、この第三図におきましては黒い実線で書いてありますのが、九月の夏時刻を実施しております最後の頃の一日のカーブであります。その図面の左下の方に直前、九月九日と書いてあります下が直後、九月三日となつております。これは九月、十三日の誤植でありますから御訂正を願いたいと思います。九月九日の電力事情と九月十三日の電力事情とを比べて見ますと、こういうふうに変化しておるのであります。と申しますのは、夏時間を実施いたしておりますと、丁度十七時から十九時ぐらいまでの間、午後五時から午後七時ぐらいまでの間、まだ明るい頃でありますが、電力が非常に減つてしまうのであります。と申しますのは、工場はすでに終業してしまい、併しまだ明るいので電燈がつかないというわけで、そのカーブを御覧になりますと谷ができております。そうして暗くなりますと電燈がつくのであります。それが一時間ずれますと、その点線のように、その部分が急に消えまして、そうして而も夕方の電力の使い方が非常に増して来ましたので、これは昨年も今年もこの時期には電力供給上の混乱を起しまして、丁度水も余り豊富でない時期に向いますので、停電事故を起すようになつたのであります。そこで私達といたしましては、この電力の使い方が、日が縮まつて行くに従いまして、夕方引込んでおりますカーブが段々となくなつて行くわけであります。そこで九月の初めに夏時間を止めますところを十月まで引延ばしましたならば、この谷が少くなつて電力供給方面からは、ほぼ直後の点線に近いような状態に近ずいて来ましたときに夏時間を切上げて貰う。もつと慾を申しますならば、十一月、或いは十二月ぐらいまで夏時間の実施をして頂きますならば、非常に好都合なんであります。(笑声)  この意味で先程終りの季節についての御意見もございましたが、電力供給事業者といたしましては、四月、五月にするということについては反対ございません。希望といたしまして終りの季節をもう少し延ばして頂きたいということであります。
  43. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 伊賀公述人に対する御質問ございませんか。御質問ないようでありますから、続きまして松本市青果食品市場の常任監査役の佐々木君にお願いいたします。
  44. 佐々木文夫

    ○公述人(佐々木文夫君) 私が只今御紹介に與りました佐々木文夫と申す者でございます。  本日は時の政府におきまして我々国民のために重要な時間の改正というので、公聽会を聞いて下すつたことを感謝いたして止まない次第であります。  私はもともと松本在の一水呑百姓の伜に生まれたものでありまして、本日ここにお招きに與つて意見を述べるということは、何だか身が縛られるような思いで、十分な意思表示のできないことはお酌み願いたいと思います。  私は夏時間の改正に当つて、只今部門部門の專門的な知識を聽きまして、もはや私の述べる知識はない、こう申したくなりますが、との夏時間の改正に当りまして、我々が直接得た、体験したところの経験を二、三申上げたいと思うのであります。原則といたしましては、わしはこの夏時間の改正には反対であります。という理由は、松本青果という私らの会社は、東筑摩郡、西筑摩郡、南安曇郡、北安曇郡約六十三万の生産百姓の換金作物の蔬菜の集荷に当つておるのであります。ところが昨年、一昨年と夏時間が改正されて以来というものは、非常に我々に大きな支障を来たしておるというのは、夏時間の改正ということは非常に結構なことであるのでありますが、まだ我々の山村にはその改正という意味が徹底していない点があり、その一、二の例を申上げで見ます、集荷に行つても荷が市場に来ない。家の親に聽くと、サムマーだから家の伜は映画見に行つた。固つたサムマーだというようなことをわしは始終聞くのであります。というのはその時間の制度の具体的な、徹底した趣旨が農村、或いは山村の青年達に十分に含まれていない点があると思うのであります。でこの趣旨が徹底して、この趣旨が十分に含まれた暁において、時刻の改正ということは必ずわしは効果があると思うのでありますが、今のところ差当つての効果は皆無とわしは考えるのであります。わしたちは集荷に行きましても、皆さん御承知の通り信州というところは、非常にお蚕の沢山取れるところであります。それで伜がもうサンマーだと言つて映画を見に行く、あとは家のお袋や妹達が鍬を取つておる。それで雨が降つて来ると、わしらは三輪車を持つて来て運んでやつた実例があるのであります。こういうことは多々農村青年が夏時刻であるが故に、我々に與えられた自由であるということを履き違えて考えておるのであります。この点を十分に調査され、当局においても何故に、どうして夏時刻を採用するか、電力にどういうふうな影響があるかということを徹底的に教育して貰う必要があるとわしは考えております。  もう一つ経済部面におきましては、わしらの会社は大体日に十万から二十七、八万の取引でございますが、金額においては非常に、微細な金額でありますが、そうすると銀行関係に非常に支障を来たすのであります。松本の信用協同組合と結託しておりますが故に、銀行が終えれば、百姓にその金は拂われないのであります。御承知の通り百姓というのは夕方八時、九時まで働いていて、そうしてその余暇に生産物をどんどん市場へ運ぶという実情であります。そうして市場からお金を貰つて行くのでありますが、すでに銀行は閉まつてからではお金は拂うことができない。こういうような欠陷も生じて来るようなわけであります。それで夏時刻の根本的のわしの反対にいうのは、何故にこの夏時間を採用しなければならないか。この農村、漁村に伺つて然るべき当局において宣伝機関において徹底したところの宣伝をして頂いてそうして完全な夏時刻を実施して、十分な成果を挙げて貰うことを望んでおるのであります。  以上わしの意見としてはこれだけのことにつきまして、いろいろございましたが、皆様方から專門的な知識をお伺いしまして、わしの申上げることはこれでお終りでございます。
  45. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 佐々木公述人に対しまして御質問ございませんか。  これで一先ず各公述人の説明を聽いたわけでありますが、公述人の方で時間の制約上公述が尚不十分であるから補足したいという方はございませんか。
  46. 鈴木敬信

    ○公述人(鈴木敬信君) 只今お許しを得て、追加を少し申上げたいと思います。先程申上げました通り、日本では夏時そのものを実施すべき大きな理由は、天文学的に申しまして全然ございません。結局保健上或いは経済上の問題によるのだと考えます。電力の場合は只今承りまして、サムマー・タイムをやりましても水の節約にはなるかも知らんが、石炭の節約にはならん、そういうことを承りました。保健上から申しますと、一般に宣伝されるほどの効果は持たないのではないかと思います。そうしますと、サムマー・タイム自体から言いますと、むしろ日本のような低緯度地帶ではやらない方がよく、どうしてもやらなければならないならば、国民生活に大きな変革をもたらさない程度の方策を採つて頂きたい。それには一時間もいきなり繰上げるということは可なり支障かあるように考えられます。それでできることならば、小刻みにやつて頂きたい。これはイギリスで最初にサムマー・タイムを提案しましたウィリアム・ウィリツトという人がそういう提案をしまして、イギリスでやるときに二十分毎に区切つてやりたい、二十分ずつサンマー・タイムを区切つて切上げてやつたらよろしいという提案をしたのですが、実際に実施するときには一時間になつてしまつた。現在でも一時間急に繰上げている。併しながら一時間急に繰げなければならないという根拠はないのでありまして、国民として生活する場合に、知らない間にサムマー・タイムになつておるようにしてもらいたい。朝起る時の時間とか何とかそういうものに大きな支障がないようにして頂きたいと考えます。それで我田引水ですが、小刻みにやりまして、国民としては知らない間にサムマー・タイムになり、知らない間にサムマー・タイムから元の標準時に戻つている、そういう方策にしてやつたらよろしいかと考えます。
  47. 田村清美

    ○公述人(田村清美君) 一つ先程の意見に追加さして頂きたいのでございますが、実は我々国鉄に従事する者といたしまして、このサムマー・タイムの時間に徹夜勤務の交替ということがございます。そうしますると、始まりと終りのときには一時間ずつ、少くとも最少一時間ずつは超過勤務をしなければならない、こういうような形になつて来る。こういうことが実は心理的に非常に大きな影響がございまして、この切替時に不祥事が起きるか起きないかということを管理者側も非常に苦労するわけであります。又一般的に、国民全般もそうでございましようが、一時間早くなつた場合に心理的に非常にピントの狂つた生活をしなければならん。暫く五日なり一週間なり、この間が非常に交通機関に従事する者としては、障碍事故が起きないかという警戒心と申しますか、そういうことが非常に大きい影響がございます。この点を若し緩和するとすれば、これ又畠山さんから申されたような、勤務時間を地方的に調節することによつて、この問題は解決ができて来るのでないか、こういうことを考えて頂きたい。  もう一つは、そういう点から考えましで、北海道など冬の場合一体どうしてくれるのか、こういうことになつて参ります。例えば朝は暗いうちから起きて方かなければならない。帰りはもう真晝間のうちに家に帰らなければならない。樺太などの例を申しますと、冬は勤務時間を繰上げて勤務いたしておつたことを私は知つております。北海道などもそういうような点を考えますならば、大きな会社とか官庁とか、こういう所では煖房用に焚く石炭を五時まで焚かないで四時までにすると、非常に大きな節約になつて来るわけであります。こういうような面からも、又家庭生活の面から言いましても、夜遅くまで冬の間待つておつて乏しい石炭で以て家庭をやり繰りとて行く場合には、サムマー・タイム以上に、北海道の場合は逆に申しまして、ウインター・タイムを考えて貰いたい。これは趣旨に反するかも知れませんけれども、こういう点も地域的の特殊事情がございますので、委員の各位におかれましては考えて頂きたい、かように考える次第でございます。
  48. 鈴木敬信

    ○公述人(鈴木敬信君) 只今の田村公述人の意見に対しまして参考資料を提出いたします。イギリスでは大体四月中頃から十月初句までサムマー・タイムをやることになつております。これはサンマー・タイム・アクトという條例が出まして、それで規定されておるのでありますが、フランスにおきましては一九四一年から一九四五年までは、冬でも一時間サムマー・タイムをやつております。夏の間は二時間のサムマー・タイムを実施しておる。フランスでは一九四六年から四十八年までの資料しか私は持合せありませんので、それ以上は申上げかねますが、四六年から四八年までは通年一時間のサムマー・タイムをやつておる。これはフランスは日本より緯度が高いのでありまして、只今の田村公述人の意見によりますと、冬はむしろウインター・タイムにすべきところを、フランスは逆に一時間のサムマー・タイムを実施しておる。何か理由があることと考えますけれども、そういう事実があるということを申上げて置きます。
  49. 山田節男

    ○委員長(山田節男君) 各委員からの公述人に対する全般的な御質問はございませんか……ないようでありますから、これを以て公述を終ります。  尚本日は非常に御多用中に拘りませず、多数の方がお見えになりまして、非常に有益なそれぞれの方面からの御意見を聽くことができまして今後本法案を審査する上におきまして今日の皆さんの公述を参考としまして、十分留意いたしたいと存じます。この点厚くお礼を申上げます。  ではこれを以ちまして労働委員会の公聽会を散会いたします。    午前十一時五十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            城  義臣君            波田野林一君    委員            原  虎一君            村尾 重雄君            門屋 盛一君            田村 文吉君   公述人    海上保安庁水路    部編暦課    鈴木 敬信君    株式会社レート    社長      板倉安兵衞君    東京都交通労働    組合      飯塚愛之助君    主     婦 中村 直代君    都立第一商業学    校長      武市 春男君    岐阜県農業   高木  章君    国鉄労働組合    (北海道)   田村 清美君    気象研究所長    (理学博士)  畠山 久尚君    全繊維労働組合 菊地よしえ君    関東配電株式会    社業務部長   伊賀 秀雄君    松本市青果食品   市場常任監査役  佐々木文夫君