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1950-02-03 第7回国会 参議院 人事委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和二十五年二月三日(金曜日)    午前十一時二十四分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件国家公務員の給與問題に関する調査 の件   ―――――――――――――
  2. 中井光次

    ○委員長(中井光次君) それでは只今から委員会を開会いたします。本日は国家公務員の給與問題に関する調査ということが会議事件になつておりますが、昨日の申合せによつて人事院かち御出席を求めております。
  3. 木下源吾

    ○木下源吾君 今日は総裁はどういうふうですか、御都合は……。
  4. 山下興家

    政府委員(山下興家君) ちよつと都合が悪いものですから、私が代つて来ました。
  5. 木下源吾

    ○木下源吾君 先ず私はこの問題を当委員会が取扱うについて勿論人事院権限、その機能については十分承知しておるのでありますが、ただお聽きして置きたいことは、やはり人事院は勧告するというだけに止まるのが限界であるか、更にこれが実現に対しても熱意を持つておられるか、おられるとするならばどういう努力をなすべきか、こういう点について一応お伺いしたいと思います。
  6. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 只今木下さんからの御質問ですが、我々は勧告した以上はできるだけこれを実現するようにしたい。それが又公務員に対して、公務員保護するゆえんであると痛切に考えておるのであります。併し私共は政争の渦中には入りたくない。それで私共が勧告いたしましたことは十分科学基礎を持つておると信じておりますから、怪しい点がありますれば、どこまでも御追及を願いまして、それに対してできるだけの資料を提出し御説明を申上げたい、そうしてこれが実現するかどうかということは、国会内での御議論で決まると私は考えております。
  7. 木下源吾

    ○木下源吾君 資料の正確に対して責任を持たれることは当然でありますが、この機会にお伺いして置きたいことは、若し人事院の資料が他の資料との間に食違いがあり、人事院の資料が間違つておるということが立証された場合、人事院はやはり何らかの責任をとることになりましようか、その点について一つお伺いしたい。
  8. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 只今の御質問に対しまして、私共の希望しておりますことは、科学的であり、その申上げたことが真理であるということの一点に盡きるのでありまするから、その計算なり何なりによつて誤りがあるということであるならば、いつでもこれを訂正するに吝かでないのであります。どうか十分に御指摘を願いたいと思います。但し人事院独立存在でありますから、何かの権力を以て私共の申上げた数字を変えようとか、或いは何かのその外の目的を以てやるならば、我々はどうしても承服することができないのであります。どこまでも真理の探究というところに基礎を置きたいと思います。
  9. 木下源吾

    ○木下源吾君 只今山下さんから言われた、いわゆる政争の渦中に入りたくない。こういうことは具体的に言えば国家財政の問題だということになろうと思うのでありますが、併しやはり人事院は勧告する以上は、その財源についても何らかの見通し、何らかの関心を持つておるということがなければならんと思うのですが、その点については……。
  10. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 私共の関係する限度は、これが日本の経済にどう大きく影響を與えるかどうかというところまででありまして、それの財源をどこからどう捻出するかといつたようなことには立至らない。それは国会のお仕事であつて我々が關與するところでないとこう思つております。その訳は、若しも我々が出しだものをどうしても実現さすために予算を考えなくちやならんということであるならば、今までのように大蔵省内の給與局とか、そういうところで案を作るのと違わないのでありまして、そうすると、理論はこうである、給與はかくのごとくならなくちやならんということが出ましても、それは財政上困るから先ずそこを減して置けとか、もう少しどうしろとかいう、そこに政策が入つて来るのでありますから、それは非常に危い。我々が独立存在であるということは、そういうことに、何も構わんで、給與というものはかくあるべきものである、但しその給與は民間の給與と比較して非常に差があつては困る、だからかくのごとくあるべきだということを申上げる。そうして又、一般国民と同じ生活水準になくてはならないという、この大きなニつの基礎の上に立つているのでありますから、それ以上に出ると却つて我々の言うことが国民に信じられないという結果になりはしないかということを、我々は惧れるのであります。
  11. 木下源吾

    ○木下源吾君 そういたしますと、只今のお話は、国家財政については独立しておるが、民間の給與との関係というものについては、いわゆる経済については十分の関心を持つておると、こういうことでありますな。
  12. 山下興家

    政府委員(山下興家君) さようでございます。例えばよく唱えられておりますように、給與と物価の悪循環というようなことが若しもあるものであるならば、それはやはり給與に影響を及ぼして来るのであります。それでインフレにも影響を及ぼすということになるので、そういうことは我々やるべきものではない。例えば、戰後に日本国民がかくのごとき状態にある、それに適応したものでなくちやならんということから言いますと、国民全体の生活水準がどこにあるか。そうするとそれよりも悪いことであつてはならない、それとバランスのとれるものでなくちやならん、それかも又民間給與より公務員の給與を上げて民間給與に影響を與えるというようなことであると、これは又日本の経済に大きな影響を及ぼすから、それであつてもいけない。そういうところを全部考え併せまして、そうして計算の基礎ができておるのであります。
  13. 木下源吾

    ○木下源吾君 そういたしますと、私は先ず人事院国民経済との関連においての問題、即ち物価と賃金、民間給與との関係等において第一にお伺いし、次にば実質賃金の実情について、この点で先ずお伺いしたいと思うのでありますが、民間給與と政府職員、いわゆる公務員の給與との歴史的関係についてお伺いしたい。
  14. 山下興家

    政府委員(山下興家君) この資料を提出してございますが、七千八百七十七円給與水準関係資料、それの二十九頁を御覧下さいますと、これが一九四八年の一月から一九四九年の九月までのカーヴになつております。その一番上の点線は、毎月勤労統計日本産業であります。その次は毎月勤労統計の工業平均であります。この二つは労働省から発表になるのであります。これを出しましたときには九月までのでありまするが、その後十月、十一月というのが分つております。それによつて見ましても、このカーヴが現わすように、非常に急激に給與が増額されておるのであります。そうしてこの九月の最後が、全産業の方は九千百三十五円となつております。その次のカーヴはやはり九月の工業平均でありますが、八千六百二十円くらいのところでございます。今申上げましたような趨勢でありまして、その一番下に書いてある点線、これが公務員の給與のべースの上り方でございます。それでその大体の目的はどういう点かと申しますと、本当を言えば、給與というものは成績によつて決めなくちやならんものであるけれども、戰後我々は非常に窮迫した状態の下にありますから、給與の本体から離れまして、これは食べて行ける、生活し得られるかどうかということを先ず考えなくちやならんのであります。それでいわゆる理論生計費によりまして、国民の食べておるカロリーと合わそうと、先ず国民の平均の生活水準にはして置きたいというのが一つであります。それによつて計算をいたしますが、この基礎となるのが十九歳くらいの青年男子であります。そうしてそれが一ヶ月に幾らあるべきかという計算を先ず出す。それを一つ基礎といたしまして、そうしてあとは民間給與がどういうふうになつておるかということを見まして、もう少し年をとつたところ、即ち給與の高いところを民間給與のカーヴに合せて、それがニつの大きな基礎となつているのであります。それでその民間給與といたしましても、ここにある工業統計とか、或いは全産業統計とかいうのでは余りにあらつぽ過ぎますから、それで我々の方としては公務員と同じような仕事をしている人を民間で探すわけであります。大体四千ぐらいの位置について研究いたしまして、そうしてそれを基としているのであつて、決して乱暴にこの工業統計とか、或いは全産業統計とかいうことによるわけではない。無論これを非常に参考とはいたします。それでそういうふうにして幾らぐらい高いところからずつと段々と変つて来るその情勢を先ず考えて、そうしてそれとそこにいる本当の人とを掛け合わして計算をして、平均を出したものが即ちこの前は六千三百七円であつたと、こういうことになるのであります。それで六千三百七円はそれだから何を基礎としたかというと、我々は推定は一つもしないのであります。現実にあつた統計によるというその原則を立てている。でできるだけ近いそういう基礎を取わたいのでありますが、この前六千三百七円を拵えましたときは、一昨年の七月のを基礎としたのであります。今度の七千八百七十七円を出しますときは、これもできるだけ近い資料をと思いましたが、昨年の七月になつているのであります。それですから今世の中で言われておりますように、結與が実施されたのは三月だとか、いや一昨年の十二月だとか、そういう議論は問題にならないのでありまして、計算の基礎である一昨年の七月とどう変つているかということのみを考えているのであります。それですからその点は間違いのないように、できるだけ沢山の人に伝えて頂きたいと実は思つたのです。  もう少し追加さして頂きますと、成る程物価は昨年の春頃から先ず横這いになつておりまして、最近少し下りかけてはいるのです。併しそれは国民全体が受けている利益でありまして、私共の考えている公務員と、それから民間給與とが余りに離れては困る。政府として若し策を立てられるならば、民間給與と公務員給與とがバランスのとれたものでなくちやならんと私共は思つている。どんな政策をされるにしても公務員だけの給料を釘付けにして、それの犠牲において政策を立てるということは、間違つていやしないかということを思つているのであります。
  15. 木下源吾

    ○木下源吾君 政府はよく賃金を上げれば物価が上がるということをこの前からたびたび強調しているのであります。このことは勿論その政策に関係していることではありまするが、尚併し人事院の権限範囲内においても、只今申されるように経済事情というものを考慮の上でやつているのだと、こう言われるのでありますから、こういう点についての人事院の考え方、人事院の考えたところの基礎、こういうことについて一つお伺いしたいと思います。
  16. 山下興家

    ○政府委員(山下興家君) それは国家として重要な問題だと思つて私共も愼重に考えておるのでありますが、給與でも民間の給與と、それから公務員の給與とでは非常に性質が違うのであります。民間給與で以て物を製造するところの工員などの賃金が上れば、製品が上つて来るということは当然であります。併し公務員は非常に間接的でありまして、国全体の購買力にどう影響を持つかということから考えて行かなければならんのであります。それで私詳しく計算をしましたのが昨年十二月この委員会に提出した資料の中にありますが、それによりますと、この前、給與と物価との関係についてというのを昨年の十二月の九日附で差上げてありますからして、よく御覧願いたいと思います。それによりますと、日本全体の十五歳以上の労働人口の約三一%が……、それが書いてあるのは二頁の裏でございます。それで大体のことを申上げますと、結局こういうことになります。国家公務員だけが給料を六千三百七円から今度の七千八百七十七円に変えたといたします。一人当り千五百七十円だけ増額をしたといたしますと、それが購買力にどう影響をするかと言いますと、購買力には〇・五七%しか影響がないのであります。それで結局一%も影響がないということであります。それではいけないので、それよりも国家公務員の給與が上りますと、同時に鉄道従業員の方も上るでしようし、地方公務員の方も上りましよう。それから又専売公社の方も上りましよう。そういうことでそれが全部国家公務員と同じ程度に給與が増したと仮定いたします。そういたしますと購買力の増加が一・七七%になる。即ちそれは二%にもならないというわけであります。而もそれが最も悪い條件の下で考えたのでありまして、と言うのは何らこのインフレに対して対策を講じなかつた。即ち日銀券の発行高を一つも考えなかつた。そうして又給與が増しただけは全部消費に使つた、何の貯蓄もしない。何もしないで全部消費に使つた。こういう最悪の場合を考えても今のように一・七七%で、二%に足らないのでありますから、これを無論発行高や何かをちよつと操作いたしますと、全然影響がないということになります。で物価と賃金の悪循環という考え方は私共の計算によるというと全然誤りであると思います。それからもう一つ附加えたいと思いますが、公務員の給與を上げると民間給與をつり上げはしないかという心配もある。これは尤もなことでありまするが、昨年十一月の資料を見ますと、段々民間給與は下るのじやなしに段々上つているのです。これは十一月、労働省が発行せられましだ最近の資料でありまするが、それによりますと、六千三百七円に比べて四割一分増しているわけであります。民間給與は四割一分も増しているのに公務員がただ二割五分増したから、それによつて民間給與がつり上げられるだろうという考え方は、これ又理屈がないと私共は思つております。
  17. 瀧本忠男

    ○政府委員(瀧本忠男君) 只今山下人事官から公務員給與というものが民間給與とは性質が違うということのお話がございました。それから公務員給與を今回の六千三百円べースから七千八百円ベースに上げた場合の影響というものは、最悪の場合を考えても大分少いというお話があつたのであります。公務員給與というものは直接コストに影響しないという点におきまして民間給與と非常に趣を異にしております。そういう工合でありますから、公務員給與の引上というものがどういうふうに経済現象と結付いて来るかと申しますと、それはただ購買力が増加するかという一点にある。併し現在我が国におきましては経済安定政策というものが強行されておりまして、そうして各種の観点から非常に強力にこの方針が行われているわけであります。例えば通貨の発行ということにつきましても非常に嚴重な制限が行われている。こういうような状況の下におきまして、民間給與、それから公務員給與との間に相当の懸隔がある。即ち公務員給與というものは民間の給與に比べまして低い、こういうような場合におきましては、公務員給與を引上げる。而もそれを民間給與並に引上げる。それだけによりましてどういう影響があるかということについて我々研究いたしたのでありますが、これは殆んど物価に対しては影響がない、こういう結論を出しております。ただ我はこの公務員給與は成る程民間給與に比べて低い。従いましてこの公務員給與を引上げることが何ら民間に影響がないというふうに言いたいのでありますけれども、実は公務員給與を引上げるということは、引上げるということが非常に強調されまする結果、どうしても民間の給與に若干の影響がなくはないだろうという懸念をいたしているわけであります。併しながら現在民間におきましてはいろいろな條件が、制約がございましてなかなか現在その賃金を、公務員の給與を引上げたそれに更に下駄を履かせて引上げるという余地がないという現実の状況でございますので、我々はその点或る程度安心していいのではないかというふうに考えております。従いまして若し民間給與が引上るということでありまするならば、これはどうしてもコストを形成しております関係上、コストの面からも、又有効需要の面からもこれはどうしても物価を幾分でも引上げる要因になると思うのでありますけれども、現在のような状況の下におきましては、官吏の給與を引上げるということが殆んど民間の給與を引上げるという要因になりませず、従いまして先程の官吏の給與だけ上げた場合には全然影響がないということを申したのでありますけれども、民間の給與が引上げられるいう要因が殆んど考えられない状況でありまするから、物価と賃金の悪循環というようなことが言われておりますけれども、そういう懸念はないものであろうというふうに考えております。
  18. 中井光次

    ○委員長(中井光次君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  19. 中井光次

    ○委員長(中井光次君) 速記を始めて。
  20. 木下源吾

    ○木下源吾君 従来給與べースを上げた場合に、見聞の給與がそれに刺激されて上つたかどうか。そういう実例があるのかどうか、こういう点を先ず一点お伺いして、次に今回上げるということについては民間は引上げちれない情勢にあるという、その情勢をもつと日本経済の実情から具体的に一つ御説明願いたい。このニ点であります。
  21. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 只今木下さんからおつしやつたように公務員の給與を上げたがために、民間の給與が上つたかどうかということにつきましては、この前六千三百七円にいたしましたときに、それは相当大巾の上げ方であつたのでありますが、あのときに丁度御承知のようにインフレのさ中にあすたのでありまして、で少しでも刺激すれば民間の給與は上る方向にあつたのであります。それで実は多少恐れたのでありますけれども今それを、カーヴを辿つて見ますと、少とも影響を受けておらなかつたということがはつきりするのであります。それで今度の計算はインフレのさ中にあるという考えの下でやつても二%以上は上らないということが出ておるし、殊に民間の給與は今上つてはおるが、それはインフレで上つておるのではない情勢にある。それを四割一分も離れているものを二割五分ぐらいちよつと上つても、それでもまだ民間給與が影響を受けるということは到底想像がつかないのであつて、民間の給與に影響を與えることは、現在の情勢が最も影響の少い情勢だと私共は考えております。
  22. 瀧本忠男

    政府委員(瀧本忠男君) 尚ちよつと補足いたしまして、只今人事宮から御説明がございました六三べースへの改訂の際の民間給與並びに物価へどのように影響があつたか。その結果はなかつたという結論なのでございまするが、この資料は口で申上げまするよりも、我々の方で計算したものがございますから、これを次回に差出しまして、そうしてその数字を御覧頂きますれば、如何に影響がなかつたかという点の御了解が得られるだろうというふうに考えます。  尚第二の点につきまして、民間に上げる要因がないということを、もう少し詳しく説明しろというお話でございます。この点は二点あるだろうと思います。その第一点は、現在多くの工場、事業場におきまして、いわゆる金詰りという現象がございます。事実上におきまして、工場、事業場の資金のやりくりということに、非常に各事業場とも困つておる現状であるということは、これは皆様すでに御案内の通りでございますが、そういう困つております状況の下におきましては、金融機関というものの厄介にならなければ、資金のやりくりがつかないという現状も勿論あるわけであります。従いまして、当座の賃金の支拂をしよう、材料の購入をしようというようなことにつきまして、金融機関のいろいろなチェツクを受けるという事情も勿論ある。従いましてそういう事情の下に、金融機関の方から見まして、経営が不健全であるというふうな認識に若し立つといたしますならば、そういうところから非常に制限を受けることになるのでありまして、そういう面から見ましても、民間給與を引上げるということは、非常に制約を受けておる。こう言わなければならんだろうというふうに送うのであります。尚第二の点につきましては、これは政府がおやりになることでありまするが、そういう一つの民間給與が上らない要因はありまするけれども、尚且つ官庁給與が上つたという掛け声に従いまして、どうしても民間給與も上つて行くということなんでありまするが、これについてはやはり関係当事者が非常に努力されて、アンバランスのままにいつも政府職員給與が低いままに、即ち下駄を履いておる給與であるというような情勢を起させないような政策を、どうしても幾らかはおやりになる必要があるのではないか、こういうことを考えておるのです。公務員の給與というものが絶乏ず民間給與よりいつでも下廻つておる、そして民間給與が上る危險があるから上げないのだ、こういうことでは、これは公務員というものはいつまでたつても浮かばれない、こういうふうに考えております。
  23. 木下源吾

    ○木下源吾君 私は只今のべースの引上げが民間に影響するという問題については、曾て或いはそうであつたかというようなことも考えられるのですが、民間の給與に影響するのだという一点が、いわゆる人事院公務員基本権、人権の制約、或いは政治的活動の制約、団体交渉権、罷業権というものの制約をして、これを未然に防止するという考え方に出たのではないか、こういうように考えておるが、そういう点についてのお考えはどうですか。
  24. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 只今おつしやつた通りでありまして、これが民間であるように、どうしても給與を上げなくちやならんというようなときに、ストライキでもして行くというようなことであれば、それは給與も上つて行きましよう。併しそういうことをされては国民が大変に迷惑する。国民の迷惑が大変なものだから、止むを得ず、国民サービスをする公務員ストライキなんかをしてはならんのだということになつておるのでありまして、その代りに人事院がはつきりとこういうふうに計算をいたしまして、そして当然給與が上るべきものはこれだけ上げなくちやならんということを国会に申上げて、そして国民にも納得して頂きたい、こう思うのであります。国民に納得する方法といたしましては、どうしても国会でこれを問題にして頂きまして、正しいかどうかということを十分に御議論を願うということでないと、人事院の勧告は宙に浮いて無効になるのであります。そうしておいて一方ストライキをしてはいかんということは、全く片手落ちのように思いますから、どうかその点をよく御了解願いまして、何とかして実現するように御努力を願いたいと思うのであります。
  25. 木下源吾

    ○木下源吾君 先程人事官は、民間給與が昨年の十一月の資料によると四割一分の上昇をしておる、こういうように言われたのですが、他面において、多くの工場の金詰り或いは資金のやりくりに非常に困難をし、その他の要因において中小企業というものは非常に梗塞の状態に置かれておる。成る程四割一分上つたということは、そういう部分もあるであろうが、そうでない部分も相当多くあるのではないかということも考えられるのです。現に労働大臣は、私の本会議質問に対して、そういう意味のことを答えております。この点についてのもつと詳しい資料がありましたならば、資料をお願いすると同時に、御調査があつたならば、率直にその面のお話を承わりたいと思います。
  26. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 今の御質問に対して、私共も資料を、若しお手許へ行つておらなかつたら、差上げたいと思いますが、その資料というのは、私共が拵えた資料ではなくて、労働省が発表した資料であります。それは、企業が大きくなればなる程、給與水準が急激に上つておるのであります。今ここで一例を申上げますと、昭和二十三年十月に労働省が発表しておるのによりますと、三十今乃至九十人くらいの従業員を持つたものは、その当時五千三百六十一円であつた。ところが百人乃至四百九十九人というものは六千五百七十六円で、千二百円くらいも違つておるのであります。それから五百人以上になりますと七千七百十一円となりまして、これ又千二百円くらい上つておる。こういうふうに、企業が大きくなればなる程、給與水準は上つておるのであります。それは経営その他の関係でそうなつておるのでありましようが、公務員はこんな五百人よりもまだうんと大きな企業等に相当するものと思うのであります。この間労働大臣が、毎月統計はそういう小さなものや何かが入つておるから、それでこれを比較するのには不適当だと言われたので、私は不適当という意味は、比較するのに少な過ぎるということなら分るのでありますが、比較するのに多過ぎるということの立証にはならないと思つたのであります。
  27. 木下源吾

    ○木下源吾君 私の今お聽きしたいのは、只今の御説明の点と併せて小企業の場合の実情をお聽きしたい、こういうのであります。小企業の場合は現在の公務員ベースと比較してどういう状態にあるか、こういうことの説明を願たい。
  28. 山下興家

    政府委員(山下興家君) それは労働省から出される資料でございまして、よく研究いたしまして、そういうのがあるかどうか、例えば今申しました三十人乃至九十人というものは僅かに五千三百六十一円しかなかつたというようなのが、もう少し新らしい資料がありましたちお届けいたします。
  29. 木下源吾

    ○木下源吾君 その点は、実は労働大臣のあの口吻によりますと、民間の企業整備等においては今失業が出ておるのだということも承認しておるのですが、両小企業等においては非常に低賃金で長時間労働をやつておる。それと公務員給與をその水準まで引下げようとするような口吻を洩らしておるのでありまして、そこで私は今その資料をお聽きしておるわけであります。現内閣のこれは政策の第一にも触れる問題なんです。同時にお伺いしたいと思うところの、例えば賞與だとか、或いは臨時昇給というような政策と一貫しておる問題でありますので、是非その点をやはり資料の御提出を願いたい。あればですよ。なかつたならば、できるだけ速かに実情を簡單にでも調査してお願いしたい、こう思うのであります。
  30. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 承知いたしました。
  31. 木下源吾

    ○木下源吾君 次に実質賃金の上昇ということであります。先程の御説明によりますと、実質賃金の上昇ということは、今回のベース改訂とは無関係であるというように、まあ聞こえたのであります。と言うのは公務員の給與は民間の給與水準というものとの対照においてということが前提となるので、実質賃金が仮に上昇してもそれはひとり公務員ばかりじやないので、これは当然やはり引上ぐべきものだという御説明を承わつたのですが、それにいたしましても、一体実質賃金が上つたと言つて、六千三百七円に据置かなければならないという政府のこの考え方を、実質賃金が上昇しておらないという点と、それからもう一つは実質賃金は一体従来のどの時期に比較してやつたか、上つておるか、上つておらないかというようなことを併せてお聽きしたい。それはどういうわけかというと、この勧告を実施する時期にも非常に影響するのであります。この勧告は時期に触れておらないです。又触れべきではないのであるが、すでに先程お話のように一昨年の七月を基準として、そうして公務員法二十八條によつて、その後の変化は昨年の七月、こういうように考えて、これがベース改訂の時期というものはやはり昨年の七月でなければならん。従つて八月一日から改訂せにやならん。こういうようにまあ考えておるのでありますが、政府は実施したのは三月だとか、いろいろ言いましてその間で非常に曖昧になつておるわけであります。でありますから、実質賃金の問題につきましても、若しそれが安当であるものとしても、この間の非常な空白を埋める一つの方法がなければならぬ。こう考えておるのでありまして、この二点、実質賃金が本当に上昇して現任の六千三百七円でも、その当時の六千三百七円と公務員の実際の收入においては何らの影響がないのだということを明確にしたいので、それを一つお聽きしたいと思います。
  32. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 実質賃金と言われているのは、私共から考えると少しあらつぽい考え方でありまして、賃金をCPS即ち物価で割つたものというような大ざつはな考え方であるのでありますが、私共はそういう大ざつはな考え方によらないで、細かく皆の取つておるカロリーが、国民の取つているカロリーが、そのときの闇価格それから公定価格を全部考えに入れまして、給與のペースがかくならなくちやならんという計算を実はしているのでありますが、併し今の御要求によりましていわゆる実質賃金を計算して御覧に入れたいと思います。それにいたしましても、昨年の春三月から下つているじやないかというお話は、今木下さんの言われますように実は不思議なのでございまして、六千三百七円は一昨年の七月の基礎でありますから、六千三百七円を変える以上は一昨年の七月との対比でなくちや話が合わないのであります。そのときの実質賃金から比べますと、それはずつと下つているわけでございます。それで若しも政府が言われますように、これから先は実施された月によるのだ、それよりも以前はどんな計算でいつから計算しておつても、それだけの物価の上り下りは全然見ないのだということになるなら、そういうことを将来もやられるならば、今木下さんの言われますように、私共が決めた昨年の七月に遡及しまして七月から給與を上げるということでないと、理屈とは合わんと思うのであります。併しそれはいろいろな問題がありまして財政上その他でそうは行かないでありましようから、いつでも計算を基礎にとつた時に遡つて考えるということが、正しいものだと私は思つております。
  33. 瀧本忠男

    ○政府委員(瀧本忠男君) 山下人事官が今申されましたように、昭和二十三年の七月から昭和二十四年の十月まで、こういうことで一応考えて……と言いますのは、現在我々が持つております資料は、十月のところが一番新らしいわけであります。二十三年七月を基準といたしまして、その後統計資料を利用し得る限りにおいて実質賃金がどういうふうに変化しておるかということを申上げますと、民間賃金におきまして毎月勤労統計の平均賃金というものをCPIで割りまして、そうして求めるわけでありますが、そういたしますと二九、九%の上昇を示しております。これに比較いたしまして官庁給與というものを同じくCPIで割つて見ますと、昭和二十三年の七月に対して、昭和二十四年の十月は二、七%と場いう上昇になつております。二九、九%、殆んど三〇%でありますが、民間の賛金の実質的価値は、その間に三〇%の上昇があるわけであります。それに比べて官庁は二、七%の上昇である。併しながらその計算方法も我々は非常に不満足に思つております。というのはこのCPIはいわゆる実効価格の指数を示しておるのでありまして、実効価格は公定の物価、それから間及び自由物価をすべて含んでおるのであります。そういうものを総合されまして、この実効物価指数というものができております。民間の場合にそういうものを使うのはほぼ当つておりますが、官庁の場合にそういう指数を使うということは私は当つていないと思います。と言いますのは、官庁給與は非常に低い。従いましてその低い範囲円でどういう生活をしておるかと言いますと、これは殆んど公定の配給に依存いたした生活をしておるのでありまして、こういう生活の状況の下におきましては、闇物価が下つたということは余り実質的な影響がないのであります。それに引替えまして、若し公定価格が改訂されまして、そうして少しでも配給品の公定価格が上るということになりますれば、これは影響が非常に大きいのであります。例えば新聞料金が値上りをいたし突こういうのは我々に非常に切実なんであります。そういうような公定価格の改訂というものはひしひしと響いて来るのに反しまして、この闇物価、自由物価の値下りというものは響いて来ない。そういう状況でありますから、数字の上では二、七%という数字が出ておりますが、我々の想像では、これは的確な数字の把握のしようがないのでありますけれども、むしろ昭和二十三年七月に比べて、現在の官吏の生活はその当時より窮としておるだろう、こういうふうに考えております。
  34. 山下興家

    ○政府委員(山下興家君) ちよつと追加とたいのでありますが、実質賃金のみを考えて上つた下つたということ上りも、我々は戰後国民全体の生活水準は急激に上りつつある。それでそれはそのままにして置いてどんどん上る。併し公務員だけはそれには、その恩典は蒙らない、生活の水準は低くともよろしいのだ。国民から切離してでも公務員は貧しい生活をしておつてもよろしいのだということであれば、実質賃金ばかりを考えてもよいと思うのでありますが、それではどうもいけない、こういう考えで民間給與や何かと考え併せておるわけであります。
  35. 木下源吾

    ○木下源吾君 以上は大体物価と賃金並びに実質賃金のことをお尋ねしたのですが、更に一点お伺いしたいのは、新聞で見るというと、吉田首相も公務員の給與は少い、安いということは認めておる。これは明らかにもうこの国会でもそういうことを言つておるのであります。さてそれをどういうようにして、これをよくしてやろうかという方法について総理大臣は、今後まあ行政整理をやる、首切りをやるとか、或いは自然に淘汰される、そういうものを補充しない。そうしてつまり号俸の昇給をやつて、何とかしてそれをよくしてやる。こういう考え方であるということが新聞で言われておるのであります。  さてそういう方法でやる、とにいたしまして、これは一体人事院と何らの関係なくやり得るかどうか、この点について一つお伺いしたいと思います。
  36. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 定員を変えるということは、これはいろいろな行政組織の上から考え併せなくちやならないのでありまして、例えば経済の統制を外して行くといえば、それは無論そこに官吏の冗員ができるでありましよう。そういつたようなことを皆頭に入れて定員を考えなくちやならんのでありますから、これは行政管理庁の仕事でありまして、人事院はこれに嘴を入れることはできない状態であります。
  37. 木下源吾

    ○木下源吾君 いわゆる昇給という点については……。
  38. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 昇給につきましては今のところ政令四百一号がありまして、これは無闇に上げるということはできないのでありまして、今はその範囲内においてすでに大体一〇〇%に近く皆昇給されておみのであります。これを変えなくちやできないと思うのでありまして、若しも変えるならばベースを改訂するという以外にはちよつと方法はないのじやないか、そういうように思つております。
  39. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうすると政令ではどうすることもできん。変えるとするならば、つまり首相の考えておることを実行しようとすれば、やはり国会にかけなければいかん、こういうことになるのですか。
  40. 山下興家

    政府委員(山下興家君) そうでございます。
  41. 瀧本忠男

    政府委員(瀧本忠男君) 只今の点でございまするが、新給與実施本部が廃止されまして、そうして新船與実施本部で出しておりました政令四百一号というものは、これは我々の方に承継されております。そうして近くこれは人事院規則に書き換える予定になつておりますが、今事務がまだ進捗しておりませんので、すべて昇給ということは政令四百一号によつて行われなければならんということになつております。これに反しで行われるということは、新給與実施に関する法律に違反するにとになりまして、できないのでありまして、政令四百一号の範囲を超えた昇紙でありますとか、或いは一般昇給というようなととは、新給與実施法を遵奉する限り考えられないのであります。若しそういうことをやるとするならば、政令四百一号を改訂するなり、或いは新らしく措置を講ずるなりしなければならん。併しそのことは現在人事院が給與の実施の任に当つておりますから、人事院がやらなければできないと考えております。
  42. 木下源吾

    ○木下源吾君 只今の点についてもう一つ、政府がああいうことを、総理大臣も発表しておる以上付か人事院にそういうことについて交渉が、連絡があつたかどうか。
  43. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 全然ありません。
  44. 木下源吾

    ○木下源吾君 大体私の質問したい部分は以上であり、且つ資料はお願いしたものは頂いて、尚又必要な場合にはお願いしたいと思うのですが、先程人事官から言われた、人事院の勧告の基礎並びにそれが妥当であるということを国民の納得する方法を以てやらなければならんし、やりたいという御希望でありますが、これを具体的に達成するためには、どうしても新給與法の改正法律国会において公然と論議されなければならないし、そのためには論議の機会をどういうことに求めるかということであります。私共は、勿論これは私共の考えでありますが、これが改正法律案を上程したいと考えておりますけれども、両司令部からオーケーをとらなければその機会は得られない。この点について飽くまでも私共は私共としてあらゆる手段方法を以て努力しようと考えますけれども、尚もう一つ残されておる問題は、政府、いわゆる人事院側からですね、この法律案というものを提出さるるという御用意があるのか。又そういうお考えがあるのか。お考えがあるとするならば、オーケーがとれるという一つの確信をお持ちになつておられるかどうか。この点を一つお聞きしたいと思います。
  45. 山下興家

    政府委員(山下興家君) これを外国の例に引いて見ますと、こういうふうに例えば人事院が勧告をした場合に、どう国会で取扱われるかといえば、国会のいろいろな政党が適当にそれを考え合わして、国会立法のごとき形で以て出、て、そしてその是非についていろいろ議論を闘わし、そのときにそれの予算がうまく行くか、行かんか。そして又その人事院が出した勧告が正しかつたか、正しくなかつたかということを十分に検討されるのが普通だそうであります。それでそのことによつて国民全体に成る程予算は或る程度苦しいけれども、公務員の給料はかく上げるのが正しいとか、何とかということの批判を国民全体がするという行き方だそうであります。それで今木下さんのおつしやいました私共の方から別に法律案を出すかどうかということについては、今のところまだそのことは考えておりません。
  46. 木下源吾

    ○木下源吾君 併しお説のように国民の納得する方法でやろうとするならば、そういう順序で行かなければならんと思うのです。法律案を出さなければ国会で議論するごとにならんと思います。人事院としては勿論勧告をするという限度であろうと思いますが、政府のやはり一つの機関であるのですね、人事院は……。そこで法律案というものを政府が出すという場合には、人事院ということになろうと思います。この点については考えておらないどいうよりも、そういうことがあり得ることだと私共は思うのです。その点については何らかの努力を試みたことがございますかどうか。
  47. 山下興家

    政府委員(山下興家君) まだ只今のところその域には達しておりません。併しできるならばこれは国会での御議論に従つて、そうして民主的な行き一方、即ちこれが一番民主的な行き方と思うのですが、国会において勧告に従つて何かの議論が闘わされて、国民意思を周知するという行き方をして頂くことを希望するのであります。併し私共の方の又その外の考え方といたしましては、十分これから研究いたします。
  48. 木下源吾

    ○木下源吾君 曽て公務員法が改正になつたということは、昨年の七月のマ元帥の書簡に因を発しておるのでございますが、その書簡の内容は勿論人事院は深く体得しておられましようね。その点について……。
  49. 山下興家

    政府委員(山下興家君) と思つております。
  50. 木下源吾

    ○木下源吾君 その点について書簡の内容を人事院が体得しておられる。と同時にあの書簡は総理大臣に宛てられておるのでありますが、この書簡に対して総理大臣が回答をしております。こういうことは人事院とは密接な関係があるものと考えておりますが、そういう際にです、人事院に何らかの連絡があつたかどうか。こういう点について。
  51. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 別にございません。
  52. 木下源吾

    ○木下源吾君 私はあの書簡から見ますというと、一方に公務員たる性格が規定されて、いろいろ団体交渉その他が制限ざれることは当然であると同時に、公務員の利益、福祉のためには、政府はその手段を講じなければならないという義務を負わせられておると考えておりますが、その点についてはどういうようにお考えになつておりますか。
  53. 山下興家

    政府委員(山下興家君) お説の通りでございまして、私共は、人事院といたしましては、できるだけの力を以て公務員の立場を保護しようということを考えております。
  54. 木下源吾

    ○木下源吾君 そのできるだけの力ということは、ベース改訂の勧告ということでありますかどうか。
  55. 山下興家

    政府委員(山下興家君) それも一つで……、それも義務の中の一つでございます。
  56. 木下源吾

    ○木下源吾君 一方において公務員権利を広汎に束縛しておる点がありますが、若しもその義務を遂行せないという場合においては、これら束縛せられておる一切の事態を、人事院がこれを緩和するか或いはなくするか。具体的に言うならば、罷業権或いは団体交渉権というような意味を持つたものも與うべきであるという考え方については、どういうようにお考えになつておりますか。
  57. 山下興家

    政府委員(山下興家君) それはマ元帥の吉田総理に対する書簡にも明らかなように、公務員日本国民全体のためにサービスをするのだという立場からいたしまして、ストライキをするといつたようなことは考えられないのであります。併しそれであるから人事院は全力を盡してその幸福を保たすようにして行く。併し一方人事院としては、政争の中に入るということはできないのでありまして、そういうものにんりますと一人事院の中立性というものを失う慮れがありますから、そういう政争の中に入りたくない。それは国会で御盡力を願いたいと思つておりまして、そこのところは先進諸国の民主的な行き方を学んで行きたい。そういう希望でございます。
  58. 木下源吾

    ○木下源吾君 公務員法改正の場合において、例えば九十八條又は百二條で、こういうようなことを意図せられて、それが出されたのでありますが、これを提案した場合に、人事院権威も考えられて、人事院がベースの勧告等に関する処置を講じた場合には、必ずや政府はこれを行うであろうという見通しを以て、あの改正をせられたのか、どうか。
  59. 山下興家

    政府委員(山下興家君) それはできるだけそういうふうにしたいという希望でございますが、ただ日本ではまだこういう人事行政、殊に人事院の働きなんかについては十分な理解をして貰つておらないのであります。でこういう勧告について、国会がどうこれを取扱うかといつたことについて、まだ定つた方法が立つておりませんから、非常に苦しい、骨が折れる状態でありますが、これは或る年月を経れば、必ず正しい途を通じて行くようになるだろう。そして又御盡力を願いたいと思う次第でございます。
  60. 木下源吾

    ○木下源吾君 公共企業体の職員の場合においては御案内の通り、仲裁委員会がありまして、そこでこれが裁定を行い、そして公社が予算の措置を講ずる、公社自身ができない場合においては、政府がこれを取上げる。こういうようなことになつておるのでありますけれども、私は人事院の勧告は、公共企業体の仲裁裁定とも言うべき、同じ性格を持つておるものと考えられるのです。ただ一方が公社である故に、予算の措置は公社がなさねばならんし、公務員の場合は予算の措置は政府でなさねばならん。公共企業体の場合においては、当然国会にこれが承認を求めて手続をとられなければならんのに、公務員の場合は勧告を受つはなしにして、そうして政府がこれに対する法律とか、或いは承認を求めるとか、そういうようなことは何もしないでもいいことになつておるようでありますが、私は当然そういう義務政府政治的にあるものと、かように解釈しておるのですが、そういう点について、どうお考えになつておるか。若しも勧告しつぱなしで、何ともしようがない、政府が頬かむりすれば、しようがないとなる場合において、公共企業体の仲裁裁定はそういう取扱いをするように、分後公務員の場合もやると法律改正をしなければならない、又するというようなお考えがあるかどうか、この二点を……。
  61. 山下興家

    政府委員(山下興家君) この我々が勧告いたしますときには、内閣だけに勧告するということでは、どうも効果的でなかろう。それで同時に国会に勧告をするという形をとつておるのでありまして、国会で適当に一つ御盡力を願つて、そして将来も公務員が安心して、仕事ができるようにするように、何とかこれをお取扱を願いたい、そう考えております。
  62. 中井光次

    ○委員長(中井光次君) 木下さんどうです、余り時間が何ですから……。
  63. 木下源吾

    ○木下源吾君 じやもう止します、今日は。ただ一つ、それは新聞で見ますと、いわゆる経済白書というようなものを用意しておるというようなことでありますが、そういう四角張つたものでなくてもいいのですが、そういう御用意があるならば、本委員会に御提出を願いたい。これを一つ御要求を申上げて置きます。
  64. 山下興家

    政府委員(山下興家君) と実は経済白書というのは、新聞記者が付けたのでありまして、そういう気持は全然ない。この前の給與ベースを改訂いたしましたときに、その説明書をお手許に上げておるのがありまして、それがまだ……これでございますが、給與水準関係資料、これだけでは足りないかも知れんといつたようなものを用意しかけておるのでありますが、併しこの資料でも相当もう意を盡しておるようにも思いますから、今日のようにいろいろ御質問を頂きまして、それに答えることにいたしますと、先ずその必要はないのじやないかと今のところ思つております。併しどうしてもその必要があるということであれば、そのときに又用意いたしたいと考えております。
  65. 木下源吾

    ○木下源吾君 この速記ができ上るのも相当時日を要する慣例になつておりまするので、でき得れば早急に私共は、この問題の解決の方法を見出したいと思つておるので、続篇というようなものがどざいまするならば、是非一つ御提出を願いたい。
  66. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 今のに対しまして、私共もできるだけ詳しいことを報告しようと思つたのでありますが、白書とか、何とかいう名を付けられまして、えらく騒ぎ立てられたので、これを又ここに出しますと、ああ報告書が出たというわけで、政府も何か出されたようでありますが、そういう白書の闘いのような恰好を呈することは誠に遺憾でありますから、実はちよつと差控えておるようなりけでござやまして、そういう恰好で、国会でいろいろな質問を頂きましたち、幾らでも御説明いたしますから、何か変なものに取られないようにしたいと思つておるわけであります。
  67. 木下源吾

    ○木下源吾君 私の質問の内容は、そういう点に触れておると思うのであります。でありますから只今御答弁になつたことと重複する部分もあるであろうから、私の質問に対する答弁としてでも構いませんです。白書なんという麗々しくないものでよいのでありますから、そういう意味で、何等こだわりなく、調査の便宜を與えるつもりで御提出願いたい。
  68. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 資料を差上げるお約束をいたしましたのは、むろんできるだけ早く出します。この問答といたしましては、これは速記で御了解願えないでしようか。
  69. 中井光次

    ○委員長(中井光次君) 只今木下委員から人事官に資料の要求がございましたが、昨日の委員会においては、多数委員の御出席の中にそういう御要求があつたのであります。昨日人事院からお見えになつた政府委員の方は、大体了承されて帰つたようなことなんですが、そこで木下委員のおつしやつたように、もとよりそのときどきの質疑応答は必要でありますけれども、同時に静かに見て考えるということも必要なんでありますから、補足的の資料がございましたら、余りむずかしくお考えにならずに、十分に御説明を徹底せしむるという意味において御提出を願いたいと存じます。これは全員の昨日の希望でありますから、そういうようにお考えの上に、御善処をお願いいたしたいと存じます。  それでは本日はこれで以て散会いたします。    午後零時五十分散会出席者は左の通り。    委員長     中井 光次君    理事            木下 源吾君            小串 清一君    委員            松嶋 喜作君            羽仁 五郎君            岩男 仁藏君   委員外議員            吉田 法晴君   政府委員    人  事  官 山下 興家君    人事院事務官    (給與局長)  瀧本 忠男君