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1949-12-21 第7回国会 参議院 本会議 6号 公式Web版

  1. 昭和二十四年十二月二十一日(水曜日)    午前十一時五十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第四号   昭和二十四年十二月二十一日    午前十時開議  第一 最高裁判所裁判官国民審査管理委員の選挙  第二 昭和二十三年度及び昭和二十四年度参議院予備金支出の件(承諾を求める件)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  この際お諮りいたします。藤枝昭信君から十一日間、荒井八郎君から会期中、それぞれ病気のため請暇の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。      ―――――・―――――
  5. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際お諮りして決定したいことがございます。在外同胞引揚問題に関する特別委員長より、在外残留同胞並びに緊急定着援護の実情調査のため、千葉県、茨城県及び栃木県に穗積眞六郎君、岩本月洲君を、群馬県埼玉県及び長野県に岡元義人君、紅露みつ君を、神奈川県、山梨県及び靜岡県に天田勝正君、池田宇右衞門君を、十二月二十五日より明年一月末日までのうち七日間、決算委員長より国有財産及び終戰処理費の処理状況並びに大阪府下における運輸省関係の決算の実情調査のため、愛知県三重県奈良県及び京都府に中平常太郎君、柴田政次君を、滋賀県、大阪府及び兵庫県に奧主一郎君、阿竹齋次郎君を、明年一月五日より一月三十一日までのうち六日間の各日程を以て、それぞれ派遣したいとの要求がございました。これら十名の議員を派遣することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議員派遣の件は決定いたしました。      ―――――・―――――
  7. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 運輸委員長板谷順助君は昨日逝去せられました。誠に痛惜哀悼の至りに堪えません。つきましては、同君に対し院議を以て弔詞を贈ることにいたし、尚その弔詞は議長に御一任をせられたいと存じます。只今の議長の発議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。      ―――――・―――――
  9. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 村上義一君から発言を求められております。許可することにいたします。村上義一君。    〔村上義一君登壇、拍手〕
  10. 村上義一

    ○村上義一君 本日この席で運輸委員長板谷順助君の追悼の言葉を述べなくてはならぬことに相成りましたことは、私の痛惜措く能わざるところであります。  顧みますれば、板谷君が第一回の国会以来、運輸委員長として、新憲法下多事多端なる国会の運営に最善を盡され、又戰後荒廃いたしております海陸運輸の再建に努力されました功績は、誠に偉大なるものがあるのでありまして、板谷君は昭和二年以来衆議院議員に当選せらるること前後六回、昭和二十一年には貴族議員に勅選せられ、次いで新憲法下最初の参議院議員に公選せられまして、現在民主自由党顧問として政界における長老であられたのでありますが、同時に海運業、鉄道事業、自動車工業等、交通事業に関與せらるること頗る長かつたのであります。又曾ては鉄道参與官として敏腕を振われ、現在は社団法人日本船主協会の会長として活躍せられ、海運界における重鎭であられたのであります。  板谷君は政治家として、又実業家として、責に畏敬すべき方でありました。又常任委員長としましては、その卓越した識見と鞏固な信念の下に、終始一貫、委員会の使命達成のために異常なる努力を拂われたのでありまして、今回忽焉として突発したこの御不幸も、これらの御心労が重なつた結果ではないかと拜察されるのであります。殊に最近板谷君は神経痛を訴えられて、やや健康を害しておらるるようお見受け申しておりましたので、心ひそかに心配いたしておつたのでありますが、時たまたま国鉄仲裁裁定承認の問題やら、海員ゼネストの問題など、緊急解決を要する幾多の難問題がありまして、平素責任感の強い方でありましたので、一層御心労を深め、遂に今日のごとき悲しみの日を迎える結果を見たのではないかと思うのであります。目下我が国の交通界が、海陸共に尚幾多解決を要する重要問題を抱えておりますときに、突如として板谷君を失いましたことは、ひとの国会の損失ばかりでなく、我が国産業界にとりましても大きな痛手であると存ずるのであります。御逝去になりましたときは、船員のゼネスト問題が一応一段落を告げたようでありまして、御心労の一部は解消したことと思いますが、併し国鉄仲裁裁定承認の問題を初めとして、国政上重要な事項が山積しております際でありますので、責任感の強い板谷君としては、お心残りの多かつたことと拜察いたす次第であります。  この上は我々相携えてこの難局を処理して、平和的、文化的な民主日本の再建に邁進することが、板谷君の霊を慰むるゆえんではないかと信ずる次第であります。在天の英霊が私共のこの微衷を享けられんことを祈りつつ、謹んで追悼の言葉を終りたいと存じます。(拍手)      ―――――・―――――
  11. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 先程の決議に基き、議長において起草いたしました弔詞を朗読いたします。   参議院ハ、議員運輸委員長正五位勲四等板谷順助君ノ長逝ヲ哀悼シ恭シク弔詞ヲ呈ス      ―――――・―――――
  12. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、欠員となりました運輸委員長の選挙を行いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
  14. 左藤義詮

    ○左藤義詮君 只今の運輸委員長の補欠選挙は、成規の手続を省略して、議長において指名せられんことの動議を提出します。
  15. 山下義信

    ○山下義信君 只今の左藤君の動議に賛成いたします。
  16. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 左藤義詮君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議長は運輸委員長に中山壽彦君を指名いたします。(拍手)      ―――――・―――――
  18. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 去る十二日、本院に予備審査のため送付せられました公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件について、この際、運輸大臣の説明を求めます。大屋運輸大臣。    〔国務大臣大屋晋三君登壇、拍手〕
  19. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 只今から昭和二十四年十二月二日に公共企業体仲裁委員会が国鉄労働組合の提起いたしました賃金ベースの改訂及び年末賞與金の支給その他に関する紛争につき下しました裁定を国会に上程いたしますまでの経過その他につきまして、簡單に御説明申上げます。  本件は、国鉄労働組合が八月三十日国鉄当局に対し、現行給與ベースを九千七百円に改訂することと、年末賞與金を一ケ月分支給することの要求を提起したことに始まります。国鉄当局はこれに対しまして、国鉄財政の現状その他諸般の情勢を考えれば、現在の段階では組合の要求に応ずることができないと拒否いたしました。そこで組合は九月十四日この問題を国有鉄道中央調停委員会に調停の申請をいたしましたが、同委員会は十月十二日に至りまして、賃金ベースは基準内で月額八千五十八円とし、十月より支給する、但し年末賞與金は支給しないという調停案を示しました。この調停案に対しまして、組合側はこれを受諾いたしましたが、国鉄側は依然として財政上並びに諸般の事情からこれに応ずることはできないとしたのであります。そこで組合から更に問題を仲裁委員会に仲裁の申請をいたしましたところ、仲裁委員会は十二月二日に只今お手許にありますような裁定を下したようなわけであります。  この裁定につきましては、国有鉄道当局及び国鉄労働組合双方とも公共企業体労働関係法第三十五條の規定によりまして直ちに拘束されるべきものであります。ただ問題は、公共企業体労働関係法第十六條に規定されております予算上、資金上、不可能な資金の支出を内容とする場合であります。このような場合は国会の承認を得なければこの効力を発生しない、而もそういうことがあるならば、裁定を国会開催中なら十日以内、閉会中なら開会後五日以内に国会に付議しなければならないとされているのであります。そこで国有鉄道及び政府におきまして、裁定の要求いたしました四十五億という支出につきまして、それが予算上、資金上、可能な支出であるかを検討いたしたところ、そのうち十五億五百万円以内の支出は予算上、資金上、可能であると認められるので、この限度において先ず裁定を実施し、残余の金額につきまして法律の規定するところに従いまして裁定を国会に上程いたし、国会の御審議を願う次第であります。  以上を以ちまして私の説明を終ることといたします。何とぞ愼重御審議の上、速かに国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第であります。(拍手)
  20. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 只今の運輸大臣の趣旨説明に対し質疑の通告がございます。これより発言を許可いたします。中村正雄君。    〔中村正雄君登壇、拍手〕
  21. 中村正雄

    中村正雄君 昨年の七月二十二日附マ書簡によりまして日本国有鉄道法、公共企業体労働関係法が制定され、公務員法が改正されたわけであります。その趣旨は、これら法律制定の際におきまして政府がしばしば言明いたしておりますように、公務員は国民全体の奉仕者なるが故を以ちまして団体交渉権、罷業権を剥奪するが、その生活の保障は人事院の制度によつてこれを保護し、国有鉄道は公共企業体の故を以ちまして罷業権を剥奪し、罷業権の代りに調停並びに仲裁委員会の制度を以ちましてこれを保護せんといたしておるわけであります。憲法第二十八條に、勤労者の団体交渉権その他の基本的人権を保障されておりますにも拘わらず、公務員並びに公共企業体職員よりこれらの権利を剥奪いたしておりまするゆえんのものは、憲法第十二條の公共福祉という見地からだと考えられます。従いまして公務員に対する人事院の制度公共企業体に対する調停並びに仲裁委員会の制度は、恰かも憲法第二十八條の基本的人権が形を変えて別な姿で法律体系の上に現われておるものと解されなければなりません。言い換えますならば、これらの制度そのものは、制度の持つ権能は、憲法第二十八条に規定する基本的人権と同等の効力を持つておるものと解さなければ、憲法上の解釈が成り立たないと考えるわけであります。マ書簡の趣旨によりまして、これらの法律により、一方におきましては公務員並びに公共企業体職員より団体交渉権、罷業権を剥奪し、他方におきましては人事院、調停並びに仲裁委員会の制度を設けましたゆえんのものは、單なる形式ではなく、一つには、労働争議の解決は平和手段によつて解決することが労使双方に有利であり、再建の途上における日本経済のために有益であるという見地から、二つには、民主主義下における労働運動は、合法闘争によつても、その所期の目的を十分達成し得るということを保証せんがためだと考えられます。以上の見地に立ちまして、本案に対しまして質問を試みて見たいと思います。  第一点は、運輸大臣並びに労働大臣に対しまして、本案の提出の形式並びに裁定の効力につきまして質問いたしたいと思います。仲裁委員会の裁定につきましては、公労法第三十五條に「仲裁委員会の裁定に対しては、当事者双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならない。但し、第十六條に規定する事項について裁定の行われたときは、同條の定めるところによる。」といたしまして、第十六條は公共企業体の予算上又は資金上不可能なる資金の支出につきまして規定いたしているわけであります。この場合の第十六條第一項は、「不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。」と謳つておるわけであります。従いまして、この政府を拘束するものでないというからにおきましては、依然、裁定の、この国会の議決が如何なる結果をもたらそうとも、当事者である国鉄公社自体は、その債務から免れ得ないことは自明の理であります。而も又この本案件の提出の形式につきましては、先程も申上げましたように、仲裁委員会の裁定は、これは政府も国会もあらゆる機関政治的には拘束するという建前から、マ書簡の趣旨に従つての仲裁委員会の制度が確立されておるわけであります。従いまして、この提案につきまして裁定がなされた場合、鉄道公社は裁定の四十五億のこの資金が果して国鉄経理上出し得るか否かを検討し、出し得る部分につきましては直ちに履行することは理の当然でありますが、現在の予算上、国鉄経理上出し得ない部分につきましては、如何なる方法によれば出し得るかの予算的な措置をして政府に要求すべきが当然でなければなりません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)従いまして、政府は国鉄の予算上の請求を受けまして、それを検討し、如何なる実現方法が最も現在の財政上妥当であるかの見地から、この予算措置を付けまして、不可能な支出を如何にすれば可能になるかという予算的裏付けを以て、この裁定の承認を国会に求めるのがこの提案の出し方でなければなりません。そのことは第二項に、「前項の協定をしたときは、」これは裁定と読み替えるべきものでありましよう。「政府は、その締結後十日以内に、これを国会に付議して、その承認を求めなければならない。」如何なる裁定でありましようとも、嚴格に申しますれば、その裁定を予定して予算は組まれておるものではありません。従いまして、嚴格に申しますれば、たとえ五千万円の金でも一億の金でも、予算上出し得る金は恐らくはない筈であります。従いまして、この承認を求めるということは、裁定を如何にして実現するかの予算的措置を設けまして、この予算的措置を国会において承認を求めるのでありまして、政府といたしましては、現在の財政上、資金上不可能な部分につきましては、可能になるべき予算的な具体的な措置を設けて国会の承認を求めるのが、公労法第十六條の趣旨と解さなければならないと思います。(拍手)この点につきまして、今後この裁定が如何に国会において議決されるかは別といたしまして、如何なる議決があろうとも、鉄道公社は一つの債務として、この仲裁の拘束からは免れるものでないという私の考え方に対しまして、運輸並びに労働大臣は如何にお考えになつておるか答弁を煩わしたいと思います。  第二点は、大蔵大臣に対しまして、一般公務員の年末手当との関係並びに資金の面につきまして質問いたしたいと思います。最初この裁定が出されましたときにおきまして、政府においては、年内三十億の、国鉄従事員に対する一時金を支給する場合は、一般公務員との振合いを云々されていることが新聞紙上その他で報道されております。勿論、鉄道の従事員は公共企業体職員でありまして、純然たる労働者であります。公務員の枠から外されていることは、マ書簡の明示するところで明らかであるにも拘わらず、政府国家の使用人であるという広い意味から、国鉄の従事員と一般公務員との振合いを考えて、この裁定を如何にするかという点で種々論議されたごとく新聞で報道されております。然らば、若し一般公務員と国鉄公社従事員の振合いを政府がお考えになつているとするならば、一般公務員に対して年末手当を支給する限りにおいては、何故国鉄公社職員に対して年末手当を支給しないかという点をお尋ねしなければならないわけであります。即ち十五億五百万円というものは、これは仲裁委員会の裁定に対する義務の履行であります。而も一般公務員に対する年末手当は、昨日の衆議院における大蔵大臣の説明を聞きましても、賃金ベース改訂とは何らの関係なくして、年末賞與の意味を含んでいるものであると、かように言明されている上からには、鉄道公社従業員に対しましても、年末賞與の意味であるこの年末手当を支給するのが当然ではないかと思います。この点に対しましての大蔵大臣の御見解をお聞きしたいと思います。  尚、鉄道公社年内三十億のこの資金が、最初公社の経理上から参りまするならば十八億可能ということが総裁談その他でしばしば言明されているに拘わらず、現在出されておりまする裁定案の理由書には十五億五百万と明示されまして、残余の分につきましては予算上その措置が不可能であると、只今運輸大臣は言明されております。公社自体の直接の責任者である総裁が十八億可能であると言つているにも拘わらず、何故政府が十五億五百万しか可能でないと言い得るか。その間の事情をはつきり説明願いたいと思います。  尚、又この度の国鉄公社の裁定に対する支給につきましても、すべて税金が引かれることは理の当然であります。然らば国鉄公社の経営上十五億五百万支出するといたしましても、そのうちで一般の従事員に渡る金額は恐らく十億内外でありましよう。あとの五億何がしの金は、これは税金として一般会計にはね上るべきものであります。然らばこの裁定によりまして、一般会計は不当な利得をするものだと言つても過言ではないと思います。然らば国鉄の苦しい経理の中から十五億五百万が出し得るとしますならば、これはすべて従事員に対して出し得る態勢をとるわけでありまして、このうちの五億近い金を一般会計に税金としてはね返る制度は、我々納得できないわけであります。(拍手)この点につきまして大蔵大臣はどういうふうにお考えになつているか。御答弁を煩わしたいわけであります。  最後に総理大臣に対しまして質問いたしたいのであります。国鉄の仲裁委員会が国鉄労働組合のこの要求に対しまして、国鉄の財政状態、或いは一般国民の生活状態、国鉄従業員の賃金体系等よりいたしまして、愼重検討いたしました結果、国民の誰もが納得できる、いわゆる世間並みの裁定を下しているわけであります。この仲裁委員会の下しました世間並みの裁定に対しましては、事実の前に目をいつも蔽うている政府と雖も、これは何ら異議がないことと考えられます。この裁定が不当に高いものであるということは一人の大臣からも聞いたことはないわけであります。世間並みのこの経済的要求を拒絶することは、これは誰にもできないことであります。どこにもできないことであります。如何なる時代におきましても、これを拒絶すべきものではないわけであります。若しもこの裁定を、予算上不可能であるという理由で、又は健全財政を堅持する建前上不可能であるといつて拒絶なさるとするならば、政府が声を大にして叫んでおる健全財政なるものは、このこと自体で申しますならば、粉れもなく不健全財政だと言わざるを得ないわけであります、民主的な労働組合の自党によりまして、終戰後初めて労働運動がその本道に乘らんといたしておる際に対しまして、果してこれを本道に乘せ得るか否かは、この裁定に対する政府態度如何にかかつておるわけであります。公務員公共企業体従事員より罷業権を剥奪いたしておりますことは、人事院、調停並びに仲裁委員会の機構なり、或いはその制度の権威を保つということによつて初めて合理化されるわけであります。若しもこの裁定が、目の前の予算難、財政難の理由のみに気をとられております政府や国会の多数派の一存によりまして、若しこれが葬り去られるといたしますならば、公務員法も無用でありましよう。仲裁委員会も無用でありましよう。民主主義も否定されるだけでなくして、合法闘争によつて自己の生活を確保せんとして今労働運動の本道に戻らんといたしておりまする労働組合が、恐らくは非合法の力を以ちまして自己の目的を貫徹するために立ち上り、社会秩序も混乱されることは火を見るよりも明らかであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)現在の吉田総理は民主主義の徹底を標榜し、最初の施政方針演説におきまして労働者の協力を求めた。その言葉が真の言葉であるならば、民主主義危機の一歩手前にあるこの労働情勢に対しまして、如何なる所信を以つて邁進せんとしておるか。その所信をお伺いいたしまして私の質問を終る次第であります。(拍手)    〔国務大臣林讓治君登壇、拍手〕
  22. 林讓治

    国務大臣(林讓治君) (「総理大臣はどうした)と呼ぶ者あり)総理に代りましてお答えいたします。  民主主義においては、合法闘争によつて要求の貫徹を図りますことはもとより本来の姿でありまして、政府も全く同感であります。従つて仲裁裁定に対しましても、政府はもとよりこれを尊重するに吝かではないのでありますが、ただその内容が予算上、資金上、不可能な資金の支出である場合は、政府はこれに拘束されないということは、公労法に明示したところでありまして、政府は同法の定めるところによりまして、これを国会に付議いたした次第であります。又一般公務員に対しましては、国鉄職員のように仲裁裁定こそありませんが、事情は殆んど同じでありまして、要求も同樣のものが出されておるところであります。よつて政府はこの両者を同樣に取扱いまして、公平を図つたのであります。ただ法律的措置を必要としない国鉄等を除きまして、一般公務員に今回臨時年末手当の法律案を提出いたした次第であります。さよう御承知をお願いいたします。(拍手)    〔国務大臣大屋晋三君登壇、拍手〕
  23. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) 中村君の第一点の御質問でありまするが、この仲裁委員会の裁定は、中村君の御意見では、政府並びに国鉄経営者、国鉄労働組合の三者を拘束するものであるというような御意見があつたのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)これは政府は勝手に、さような見解はとりません。この公労法三十五條の規定によりまして、裁定は当事者双方を拘束するのであります。而してその場合におきまして、この国鉄の資金経理上におきまして、予算上、資金上の措置を必要とするものがありました場合には、これは国鉄経営者は、この分に対しましては政府を経由いたしましてこれを国会に提出、付議、承認を求めなければならぬということに相成つておるのであります。そこで国鉄総裁におきましては、四十五億のいわゆる裁定の金額に対しまして、十五億五百万円は国鉄の予算の流用の措置によりまして支出が可能である、その残余の分に対してこれを国会に付議、承認を求めたのであります。而して国鉄の総裁におきましては予算を附して政府に提出いたしましたが、政府といたしましてはこれを審査いたしまして、予算を附せずに、政府の意見といたしまして、国鉄総裁は十五億五百万円は支出可能であるが、残余は不可能であるということに、これを政府の説明を附しまして国会に提出、御審議を願うことといたしたのであります。  更に中村君の第二点の御質問でありまするが、国鉄の総裁並びに私も、十八億、国鉄の現行の予算のうちから支出可能であると考え、又さようなことを努力すべくいろいろな手だてを講じましたのですが、終局におきましてあらゆる角度から審査いたしました結果は、十五億五百万円が可能の限度であるということに到達した次第でございます。(拍手)    〔政府委員水田三喜男君登壇、拍手〕
  24. 水田三喜男

    政府委員(水田三喜男君) (「大臣を出せ」「責任のある答弁をせよ」と呼ぶ者あり)大臣に代つてお答えいたします。  国鉄におきましては、大部分事業費の流用によりまして十五億五百万円というものが大体予算上、資金上、可能な額ということになりましたので、一人当り平均三千一円を支給することができまして、これによつて仲裁の一部履行を果すことができる。従つてこれは同時に越年資金的な意味を果せることと思うのですが、一般公務員におきましても立場は同樣でございまして、特に賃金ベースの改訂が勧告されておるときでもありまして、国鉄においてこういう措置がとられたのでありますからして、大本これと歩調を揃えまして、賞與的な意味で以て一般公務員の方もこの際、特別立法によつて年末手当を支給するということになりましたので、特に鉄道に改めて又別個に賞與的な意味を持つた資金を支給するということを現在考えておりません。  第二の質問であります税金の問題ですが、国鉄のうちで流用し得る範囲のものは十五億五百万円と金額が決まつておりますので、これを支拂つて、それによつて五億円くらいの税金が一般会計へ来るというのは、これは現行法上当然のことであります。それを来ないように、その分を更に鉄道へ又戻すということは、これは予算の実質的な変更になりますので、現在として不可能であるということは、これは止むを得ないことと存じます。(拍手)    〔国務大臣鈴木正文君登壇、拍手〕
  25. 鈴木正文

    国務大臣(鈴木正文君) 先程の中村さんから私に対する御質問に対してお答え申上げます。  公共企業体労働関係法の立法の精神は、国鉄、專売等が持つておりまする公益的の事業の性格に鑑みまして、その諸権利に対して或る一定の限界を決めると同時に、一方におきましては、それに対する調停、仲裁等の制度を設けたということが立法の精神の根本でございまして、今回の裁定案の取扱に対しましても、政府といたしましては、公労法三十五條及び十六條に記載されておりまするところの成規の手続を、政府の見解に従いましてとつて参つたのでございまして、それを裁定案全部を承認するか、いないかということは、十六條にも明らかに記載されておりまする通りに、最終的には国会の議決に待つべきものであり、若し国会がこれを承認すべしという場合におきましては、政府はそれに対する適当なる措置を政治的に負うものであると考えております。それから効力の発生の点におきましては、予算上、資金上可能である部分におきましては、政府或いは国会の意思とは全然関係なしに直ちに効力を発生するのでございます。又予算上、資金上不可能な部分に対しましては、国会の承認によつてその効力が発生し、或いは発生しないのでありまして、若し国会がこれに不承認という最後的の結論を下しましたときには、この効力は発生しないのでありまして、従つてその場合におきましては、債権債務の関係は残らないというのが政府の見解であります。(拍手)      ―――――・―――――    〔小林勝馬君発言の許可を求む〕
  26. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 小林勝馬君。
  27. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 本員は、この際、簡易保險並びに郵便年金積立金の運用再開に関する緊急質問の動議を提出いたします。
  28. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 只今の小林君の動議に賛成いたします。
  29. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 小林君の動議に異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許可いたします。小林勝馬君。    〔小林勝馬君登壇、拍手〕
  31. 小林勝馬

    ○小林勝馬君 私は去る第五国会におきまして本院が満場一致を以て可決いたしました簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用再開に関する決議に対しまして、政府のこれがその後の取扱い方につきまして質問いたしたいと思います。  簡易保險及び郵便年金の詳細は省略いたしますが、現在三十有余年の歴史を持つて、契約数九千余万件、保險契約額は数百億の巨額に達しておる実情でありまして、これが一般大衆の生活安定並びに福祉増進に寄與しつつあることは諸君も御承知の通りでございます。この積立金運用は、事業開始以来法令の定めるところによりまして、両事業の経営の主体である逓信省がこの国民の生活安定と地方公共団体への長期低利貸付をなして、国民大衆の要望を満たすことを特色といたして参つたのでございますが、昭和二十年度以来特殊な事情によりまして、大蔵省がこの運用を取つて代つて現在やつておるのでございますが、この変化のために逓信関係の事業監理者及び従事者の自主性及び自発的奮発心を失わしめ、又一方、地方公共団体との直接の繋がりを断ち切られたことによりまして、両者相待つて事業成績の向上の支障と相成つておるのでございます。契約者の利益と豊方公共団体財政上芳ばしからぬ結果を来たす虞れがあるのじやないかと考えるのでございまして、これを従来通り逓信省が主体となりまして、大蔵省と連絡を保ちつつ運用することこそ適当じやないかと思うのでございます。このことにつきましては、第二国会以来、毎国会ごとに或いは請願となり或いは陳情として国会に提出されたその数は、書面によらない陳情を合せますと、実に数百件の多きに上つておるのでございます。これは本事業の普及発展と、地方財政金融の円滑豊富なる運行と、地方財政確立百年の大計の一環として要請していることは疑いないのでございます。故に本院におきましては、その願意を妥当なものといたしまして、急速に実現をすべしとの意見を附して内閣に送付したのでございます。政府におかれましては、如何なる事情か一向にその実現を見ることなく今日に至つておるのでございます。この間におきまして、本院では去る五月十八日各派共同を以ちまして、積立金運用に関する決議案を提出いたしました。而して満場一致を以て可決いたしたのでございます。これに対しまして逓信大臣は、「只今この決議が満場一致を以て議決せられました以上は、政府も勇気百倍、一層これが速かに実現するにように努力することをお誓いいたします。」云々という御答弁がありました。又大蔵大臣は、「今後その線に沿つて十分研究いたしたいと考えております。」と申されたのでございます。本院は政府の誠意を信頼いたしま島前、これが実現を今日まで期待して見守つて参つたのでございますが、決議以来七ケ月を経過いたしました今日におきまして、今年ももはや暮れかけようとしておる現在でございます。然るに未だにその実現を見ず、又実現の予報すら聞かない現在でございます。本件は衆議院におきましても、本院とほぼ日を同じくいたしまして、全く同樣の決議が満場一致を以て可決されておるのでございまして、これは一般国民が如何にこれを要望しておるかということを物語つておるものでありと考える次第でございます。私は国会の決議の尊重という見地からも、又両事業の健全なる発展及び契約者並びに地方公共団体の利益のためにも、一日も速かに先般の決議が実現されんことを切望するものでありまして、若し政府が依然としてなすところなく日を過ごすならば、私共はこれに対して議員発議の法案の提出も止むなきかとも考える次第でございまして、私はかような点から、政府のこれに対するその後における措置、及びこれに対する総理大臣の所見、並びに関係大臣の所信を明らかにされんことを要望して、私の質問を終りたいと思います。(拍手)    〔国務大臣林讓治君登壇、拍手〕
  32. 林讓治

    国務大臣(林讓治君) 小林議員にお答えをいたします。  只今お尋ねの問題につきましては、私共といたしまして、盡く同樣の観念を以て去る国会の議決の御趣旨に副うように努力をいたしておるわけでありますが、詳細のことにつきましては所管の大臣から説明を願うことにいたします。(「内容のない努力か」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣小澤佐重喜君登壇、拍手〕
  33. 小澤佐重喜

    国務大臣(小澤佐重喜君) 小林君にお答え申上げます。お話のように、この簡易保險積立金運用問題は、去る第五国会におきまして、当院において満場一致の決議、更に衆議院におきましても同樣の決議があつたのであります。従いまして、政府はこの決議の線に沿いまして極力努力して参つたのであります。即ち本年の九月十六日に、非常な問題もあつたのでありまするが、とにかく政府といたしましては、この決議の線に沿いまして、積立金運用問題の所管を私の所管である郵政省に持つことに閣議の決定を見たのであります。併しこの問題は、閣議の決定だけではどうにもなりませんので、これは小林君も御承知の通り、関係方面からのスキヤツピンによつて、こうした措置がとられておりまするので、この問題に対しまして、日本政府はこのように考えておるから、直ちに御了解を願つて、このスキヤツピンの取扱い方をそのように懇請して参つたのでありまするが、その後いろいろな手段で、我々の熱意、或いは国会のお考え、或いは国民の世論等の実情を具さに申上げて、向うの了解を得るべく努力をしております。併しながら現在の見通しでは、必ずしもこの実現には楽観的観測を持つことは困難であるのでありまして、今、小林君からもお話がありました通り、その他の方法、即ち法律案として新たに国会の審議を仰ぐことも一つではないかというような考えも持つておるような次第であります。いずれにいたしましても、本問題は極めて重要な問題であり、殊にこの資金の地方還元、或いは簡易生命保險特別会計の赤字克服等の点から申しますと、極めて緊急を要する問題でありまするから、速かにこの問題を対して層一層の努力をすることをお誓い申上げて、答弁に代える次第であります。(拍手)    〔政府委員水田三喜男君登壇、拍手〕
  34. 水田三喜男

    政府委員(水田三喜男君) 大蔵省としましては、この趣旨に賛成でございまして、現在折衝を、只今郵政大臣から御説明のありました通り、折衝を郵政省にお任せしてございますが、現在のところ、これがまだ承認を得るに至つておりませんので、これが承認あり次第、大蔵省として直ぐに預金部からこれを独立して運営して貰うということに一切異存なく、私の方からもこれについては相当側面から努力しておることを御報告申上げます。(「了承」「お願いまします」と呼ぶ者あり)      ―――――・―――――    〔岩間正男君発言の許可を求む〕
  35. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 岩間正男君。
  36. 岩間正男

    ○岩間正男君 私はこの際、地方公務員等の給與に関して緊急質問をすることの動議を提出いたします。
  37. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 本員は只今の岩間君の動議に賛成いたします。
  38. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 岩間君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許可いたします。岩間正男君。    〔岩間正男君登壇、拍手〕
  40. 岩間正男

    ○岩間正男君 六千円出すか、青酸加里を呉れるか、これが日雇労働者の期せずして発した叫びであります。この沈痛極まる叫び声を政府の諸公は一体何と聞かれたか。首相官邸に、或いは国会に押寄せて参りますところの労働者の群は、今日、日一日と増加しておるのであります。日教組、国鉄、全官、自治労、進駐軍労務者と、飢えたる大衆は、歳末を控えて、ひしめき合つておる状態であります。今こそ堪えに堪え、こらえにこらえて来たものがほとばしり出たといつた感じが深い。その原因は何であるか。我々は率直に、ここ一ケ年間とられて来たところの吉田内閣の労働政策の跡を、ここで振り返つて見なければならぬと思います。  そもそも本年一月から実施されました六千三百円のベースは、昨年七月の物価、生計費を基準として算出されたものであつて、そこに多くの無理と矛盾があつたのであります。従つてその結果は、CPIにおいてさえも、昨年十二月で二七%、本年五月で三五%の上昇を示しております。人事院のベース改訂の勧告義務は、すでにすでに一年前に発生しておるのであります。然るに政府は、一方的に、一週四十八時間の労働強化と、号俸の切下げを行い、あまつさえ超過勤務手当の不拂、交通費の支給停止宿舎料、合宿料の値上げ、諸手当の削減等によりまして、実質賃金は三〇%から四〇%低下を来たしたのであります。これを民間の賃金に比較して見ますと、例えば八月の毎日勤労統計によると、交通関係労働では九千九百五十円、商業関係におきましては一万一千二百六十円、金属労働では一万一千円ということになつておりますから、これと比べて五〇%から八〇%の低下を来たしておるというのが、公務員の給與の状況であります。  こうした悪條件の中におきまして、九月、国鉄労組の諸君が九千七百円の要求を掲げて団体交渉を開始した。而も一ケ月を経て、調停委員会は、これに対して八千五十七円の調停案を発表したが、労組側は讓歩してこれを呑んだに拘わらず、政府側は、強引にこれを蹴つてしまつた。こうして公労法による最後の手段である仲裁委の発動となり、十二月二日裁定案が発表された次第であります。  その後の経過については、ここで詳しく申述べる限りでありません。このたび発表を見ました三千一円の予算的措置の正否については、本院のこれからの審議の経過が明らかにするところでありますから、私はこれ以上述べようとは思わない。ただ、ここで振り返つて見なければならないことは、第六国会における政府態度である。若し政府にして、労働者側の止むに止まれない要求に応えようとする一片の良心があつたならば、当然補正予算でその措置を講ずべきでなかつたかと私は考えるのでありますが、政府は、食管会計への繰入金百七十億円、薪炭特別会計の穴埋めとしまして五十四億円、公団繰入金四十二億円、合計約二百七十億円を中心としたところの全く資本擁護の政策に終始して、労働者の要求は、てんで眼中になかつたような補正予算を組んでしまつたのであります。誠に、働く者よ死ね、と言わんばかりの処置ではなかつたかと思うのであります。このようにしまして、吉田内閣の労働政策は、徹頭徹尾、反労働者的であり、欺瞞的であると言わなければならぬ。このことは、人事院の勧告が第六国会明けの十二月四日を待つて行われたので、こういうような事情の中にも、はつきり我々は看取することができるのである。過去一ケ年間吉田内閣のこうしてやつて来たものは、給與改善はおろか、労働組合の分裂策と彈圧、首切りと労働強化のみでなかつたか。こういうふうに言えるのであります。今日、吉田内閣が越年資金並びにベース改訂を中心としたところの労働攻勢の真つ只中に立たされて、慌てふためいておるということは、誠に故あるものと言わなければならぬのであります。而も尚、依然として国鉄の裁定に忠実でないのみか、人事院の勧告も退けて、給與ベースの改訂は、これは行わないという態度を表明しておる。ところで、仲裁委の裁定は、最低の要求に基くところの最後の審判である。政府がこれに従うか否か、これの是非は国会の審議がこれを決定するところであるから、今暫くはこれに触れないとしましても、私はすでに提出されましたところの裁定案の議決を求める件並びに国家公務員の年末手当支給に関する法案の審議に当りまして、この際、特にこれと連関の深いところの、そうして、それと共に問題となつておるところの他の労務者、殊に全国五十万の教員諸君、七十万に余るところの地方公務員、並びに進駐軍の労務者、日雇労働者、これらの人達の給與問題について質問したいと思うのであります。  政府教員地方公務員については、公平の法則の従つて年末手当の処置を国鉄並みにやる、つまり右に倣えをすると、しばしば言明している。果して然らば、その言明を裏付けるところの如何なる法的措置をとろうとするのであるか。又如何なる財政的措置を考えているのであるか。この点がお聞きしたいのであります。伝え聞くところによりますと、教員地方公務員の場合は、中央にその財源がない。従つて文部省地方自治庁の一片の官庁の通牒を以てこの負担を全く地方財政に転稼せんとしているもののごとくであります。併しながら目下窮迫に喘いでおるところの地方財政の現状を以てしては、果してこのことが可能であるかどうか。これを過般の補正予算によるところの新たなる地方配付金九十億について我々はその内容を検討しますというと、先ずそのうちの約十二億が地方公務員の寒冷地手当になつています。又恩給法の改正による増額は七億円で、都道府県の共済組合負担金としまして六億円、その他十億円でありまして、更に一昨年度の年末給與の際、いわゆる一・八ケ月分支給の際に、地方財政に繰越して貸しましたところのその債務を償環する金としまして十八億五千万円を加えるというと、合計五十四億五千万円、殆んどこれはすでにもう既定の使用済の金になつておるのであります。従つてこれを九十億から引きますと、残額は僅かに三十五億五千万円しかない、今、教員、それと地方公務員の数を大体百二十七万程度と押えまして、これに急場凌ぎの内金として今政府が出そうとしている約三千円内外の越年資金というものを考えまして、これを計算しますというと、大体三十七八億の予算が要るのであります。そうしますと、三十五億の残額すべてをこれに使つたとしましても、とてもこれは賄い切れないような事態が生ずることは明らかであります。従つて地方財政にその責任を転嫁する限り、教員公務員の年末越冬資金の支出は事実不可能に陷る憂いが十分にあるのでありますが、これをどうするか。更にその場合、当然必要になつて来るのは政府の最後的な保証でありますが、これをどのように考えておるか。又地方財政に依存する限り、各府県の貧富の差があります。従つてその支給額は当然そこに厚薄のむらが生ずる結果となる。このようなことを一体どう処置するか。政府は二言目には公平の法則ということを口にしていますが、これを具体的にどのように処置して公平の法則を貫徹するか、伺いたいと思うのであります。(拍手)この点につきまして吉田首相並びに木村国務相に具体策があつたらお聞きしたい、こういうふうに思います。吉田首相がお見えになつていないようでありますが、林副総理はしつかりと肚を決めて、篤と返答願いたいと思います。  又池田蔵相には、かかる財政現状においては当然これは国庫よりの予算的裏付けが絶対必要である、不可欠の要件であるというふうに思いますが、蔵相はかかる措置をやる考えがあるかどうか。考えがあるとすればその具体策はどうか。こういう点について伺いたいのであります。  又高瀬文相に対しましては、地方教官の場合、義務教育費国庫負担法に準ずる措置として、その半額を国庫より支出する意向があるやにも聞いておるのでありますが、果して現在の見通しはどうであるか。こういう点について私は質したいと思うのであります。  これらの措置は、いずれも一時逃れの便法や或いは押付けでは何ら問題は解決しないのであります。政府は一片の通牒や訓令を以て事態を糊塗しようとする態度は止めて、真に責任のある方策を立て、その裏付けとして速かに法的並びに財政的措置を講ずべきであると思います。殊に教員地方公務員の場合は、その数におきまして全体の三分の二以上を占めている。その平時の待遇條件から見ましても甚だ劣悪である。このような事実に鑑みて特に意を用いるべきじやないかと思うのであります。更に歳の瀬は押し詰つております。政府の現在の緩慢な措置では、改めてこれらの地方公務員教員の場合は対県交渉を持たねばならない。これでは年内支給に誠に困難なことが起り得る。この点をも併せて吉田首相並びに木村国務相、高瀬文相に応急措置について伺いたいのであります。  次に進駐軍労務者の場合についてでありますが、山口国務相の意見を質したいのであります。去る二十日、首相官邸における代表者との会見において、山口国務相はこういうことを言つておられる。「諸君の家計が赤字であることは認める。政府決定以外の部分については別に考える」と答弁されたと聞いておりますが、別に考えるというのは具体的にどういうことを指すのか。この点お伺いしたいと思います。  以上は国鉄裁定に連関して、今日までのところ、その処置を政府が約束した労務者の場合でありますが、この外にも非常勤者、或いは国会議員の秘書等、こういうような人達はその勤務が他の労務者に比して実質的には聊かも劣つていない。併しながらこの越年資金の恩惠についてはあずかつていないようであります。果して政府はそのような勤務実態についても詳しく調べての処置であるかどうか。この点もやはり公平の法則という点から考えて重要視すべき問題と思いますので、首相の答弁を求めたいと思うのであります。特にこの日雇労働者の場合でありますが、この事態は非常に深刻を極めています。大体現在の稼働日数を見てみますと、現在は二十二日ということに政府発表ではなつているようでありますが、本年度前半では大体平均月十日内外、その給與状態はどうなつているかというと、現在におきましてはこれは後半期に入つて日給が少し上げられまして二百四十五円となつている。併しその中から税金、失業保險金、それから交通費等を差引くというと手取り二百円内外になる。政府は現在その対策が非常に強化されたということを事ごとに呼号しておる。今日ではこれら日雇労働者にあぶれがないということを宣伝しておる。併し事実は非常に嚴密、煩瑣過ぎるところの登録制をとつておるのであります。先ず登録にありつくということが非常に容易でないという事情がある。ところが政府の発表で、あぶれがないと言つておるのは、これら嚴密な登録の方法を用いて登録済の者についてだけ言つておるのであります。だから従つて政府の統計面に現われないところの広汎な失業群がその外にあるということをこれは考えなければならない。日雇労働者の生活の劣悪、失業対策、或いは社会保障制度の不完全な現状におきまして、年末を控えて或いは餓死する者、或いは凍死する人を出しておるのであります。現に十日程前に大森では防空壕住いの女人夫の方が赤ん坊を抱いて、そうして防空壕の中で凍え死んでいる。それを次の朝になつて発見したという事実がございます。又亀戸では食えないために荒川への投身自殺者があつた。歳の瀬を控えてこれら日雇労働者の越年資金要求は誠に熾烈を極めています。これに対して増田官房長官は、自由労働者に越年資金を出すなどというのは以ての外だと言つて、これを拒否したと聞いておりますが、併し一体誰が今日すき好んで自由労働者の群に投ずる者があるか。これこそは売弁的な吉田内閣の労働政策の何よりの犠牲者と言わねばならないのである。(拍手、「そうだ」と呼ぶ者あり)従つて、殊に進駐軍日雇労働者の場合は、名目は日雇でもその仕事の内容は殆んでこれは常雇に近いのであります。政府はこれらの労務者に対しまして、この歳の瀬を越すに足る資金を他の場合と連関して支出し、一片の誠意を示すべきであると思う。これに対して、吉田首相並びに鈴木労相の確信はどうであるか。これらの人々こそは吉田内閣の労働政策の犠牲者であるから、政府はこの際みずからの蒔いた種を刈取るべき道義的責任があると思うが、これを果さんとする意思があるかどうか。  最後に、時間がございませんが、私は全般的なこの度の年末賞與の措置に関連いたしまして、税金の問題と超過勤務手当、ベース改訂の問題について簡單に触れて見たいと思う。越冬資金の給與に対しましては、その性格上、所得税のごときものはこれを免除せられるべきが妥当であると我々は考えるのでありますが、これに対して何らかの特例的な措置をとる方法を政府は考えておるかどうか。これを採らなければ、先程も国鉄の場合に約三〇%が税金として取られるというお話がありましたが、公務員の場合にも同じようなことが起るのでありますが、僅かに三千円程度足らず、そのくらいの年末資金がその半分或いは三〇%が税金として引上げられるときに、誠に意味をなさないと思うのであります。これに対して所見を伺いたい。  それから超過勤務手当については、非常に今まで不完当に実施されて、たまつておるのが相当の額に上つていますが、これをどのように今後処理しようとするのか、伺いたいと思います。更に例年のことではありますが、年末資金を貰いますと、この崇りがこわいのであります。後がこわいのであります。新年度に入つてから勤労大衆の生活は酷い目に会うのだ。現に昨年のごときは年末調整などがありまして、一月の俸給袋は殆んど空であつたのであります。従つて人事院の勧告では、それさえもが、その人事院勧告に従つてさえも、現在三〇%くらいの不足を認めているベース改訂でありますから、このベース改訂を並行的に、今度の年末越冬資金と並行して行わなければ、誠に越年資金というものは全然生きて来ないのであります。仲裁委のこの度の裁定は、国鉄のベース改訂九千七百円の九月の要求に対しての処置であつたにも拘わらず、六千三百円ベースの不完全な実施によつて起つて損失を補償するというような程度のことしか今度なされていないのであります。政府はこの際、労働階級の陷つている窮状を冷嚴に直視し、率直にその要求を取上げ、ベース改訂を行うべきであると思いますがどうか。若しこれを行わないとするならば、政府の反労働者的欺瞞政策は労働階級の一大反撃を受けざるを得ないのでありますが、すでに合法鬪争の限界に来ているということは民同の認めているところであります。今日労働者の生活権を守り、日本再建と民族独立自由、平和の実現に忠実なる労働者ならば、この要求を死守せざるを得ないのでありますが、この点、民同もなく急進派もない。吉田首相もこの点を篤と肚に納めて返答されたいと思うのであります。  以上、日本共産党を代表いたしまして政府の誠実な答弁を要求する次第であります。(拍手)    〔国務大臣大讓治君登壇、拍手〕
  41. 林讓治

    国務大臣(林讓治君) お答えいたします。地方一般公務員の給與につきましては、政府といたしまして、これに特別に措置を加えるべきではございませんので、地方公共団体もこの今回の政府の措置の趣旨に副うようにして貰えるものと期待をいたしておるわけであります。尚、詳細の事柄につきましては所管大臣よりお答えすることにいたします。(拍手)    〔国務大臣高瀬荘太郎君登壇、拍手〕
  42. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) お答えいたします。今回地方公務員である教員に対しまして支拂われる年末手当につきましては、後日国庫からその半額を補給するように適当な措置を講ずる考えであります。次にこれに関する必要な法的措置につきましては、後日かかる措置を講ずる場合にこれを具体的に考えるつもりであります。尚、地方教員に年末手当の支給が遅れるようになると甚だ困るという考えから、政府といたしましては特に各地方へ人を派遣いたしまして、政府の趣旨を十分に通達して手違いのないようにいたしております。(拍手)    〔国務大臣山口喜久一郎君登壇、拍手〕
  43. 山口喜久一郎

    国務大臣山口喜久一郎君) 只今岩間君の御指摘の私は進駐車労務者との会談の内容でありまするが、前段は正しくその通りお答えをいたして置きました。後段の何とか考慮しようという点は、進駐軍労働者は前月分の計算を、現地進駐軍の労務士官の証明を取る等の関係から、翌月の十日でなければ支拂られないのであります。こういう点等を是正して、いわゆる岩間君のおつしやる通り公平の法則に合致するように努力しようという意味でありまして、私といたしましては、進駐軍労務者が一般労務者と違つた待遇等があれば、これを改善して公平の原則に合わして行かなければならぬというような意味であつたことを御承知願いたいと存じます。(拍手)    〔政府委員水田三喜男君登壇、拍手〕
  44. 水田三喜男

    政府委員(水田三喜男君) 岩間さんの御質問に関しまして、特に事前に大蔵大臣の答弁が必要だということでございましたので連絡してございましたところ、あとから大蔵大臣が答弁するということでありますから、この点御了承願います。(拍手)    〔政府委員小野哲君登壇、拍手〕
  45. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 岩間さんの御質問の中で、所管事項について御答弁申上げたいと存じます。地方職員につきましては、御指摘のごとく地方財政が極めて窮迫しているという折柄、これが実施をいたしますことは相当困難な事情があるものと考えておるのでございます。それにつきましては、諸般の事情をも考慮いたしまして、差当りは国と同樣に、或いは事務費節約等の措置によりまして、極力既定財源の活用を図ることによつて、政府職員の例による手当の支給を期待いたしているような次第でございまして、この間に対処いたしまして、地方自治庁といたしましては、できるだけの努力をいたす所存でございます。右御答弁申上げます。   (「裏付けはどうした」と呼ぶ者あり、拍手)
  46. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 議事の都合によりましてこれにて午後二時まで休憩いたします。    午後一時九分休憩      ―――――・―――――    午後三時三十九分開議
  47. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際、日程の順序を変更して、日程第一を後に廻し、日程第二、昭和二十三年度及び昭和二十四年度参議院予備金支出の件(承諾を求める件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議ない」と呼ぶ者あり〕
  48. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。議院運営委員長高田寛君。     ―――――――――――――    〔高田寛君登壇、拍手〕
  49. 高田寛

    ○高田寛君 只今議題に供されました国会予備金支出の件について御説明申上げます。  ここに御報告いたします参議院予備経費の支出済額は、昭和二十三年度に属する分四百六十五万二千円、昭和二十四年度に属する分百九十一万六千八百二十円、合計六百五十六万八千八百二十円であります。而して参議院予備経費は二十三、二十四両年度とも、その予算額はおのおの五百万円でありまして、二十三年度分のうち三十四万八千円は、すでに第四国会において報告の上、承認済のものでありますから、通じて五百万円全額で支出済となつた次第であります。  以下支出済となつた額の内容を申上げますと、昭和二十三年度に属する四百六十五万二千円は、職員の給料予算に不足を生じたため、その補足額として支出いたしたものであります。昭和二十四年度分に属する百九十一万六千八百二十円は、死亡せられました議員三人の遺族に支給する弔慰金百十七万一千二百円、それから憲法記念式典費の分担金二十四万二千六百五十五円、それから前議長の参議院葬執行のための諸経費のうち三十万四千九百二十円、特別委員会等の食糧費十九万八千四十五円がその内容であります。従つて昭和二十四年度分予備金は尚三百八万三千百八十円の支出未済額を残す計算であります。以上はいずれもその支出の都度、議院運営委員会の承認を経て支出したものでございます。  右、国会予備金に関する法律第三條の規定により御報告申上げる次第であります。御審議の上御承諾あらんことを希望いたします。(拍手)
  50. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件に承諾を與えることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承諾を與えることに決しました。      ―――――・―――――
  52. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) 参事をして報告いたさせます。    〔海保参事朗読〕 去る十九日議員から左の議案を提出した。  人事院の給與改訂勧告の予算化に関する決議案(木下源吾君外四十名発議) 本日議員から、左の議案を提出した。  人事院の給與改訂勧告に関する決議案(島村軍次君外三名発議)      ―――――・―――――
  53. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) この際、国会法第五十六條の二の規定により、人事院の給與改訂勧告の予算化に関する決議案(木下源吾君外四十名発議)につき発議者の趣旨説明を求めます。木下源吾君。    〔木下源吾君登壇、拍手〕
  54. 木下源吾

    ○木下源吾君 私は人事院の勧告即ち十二月四日に国会に勧告されました給與ベースのことにつきまして、これを政府は速かに予算化して、そうして実行すべきである、こういう趣旨の決議案を本日上程する次第でありますが、先ず決議案の全文を朗読させて頂きます。    人事院の給與改訂勧告の予算院に関する決議   十二月四日人事院は国家公務員法第二十八條の規定により国会及び内閣に対し、国家公務員の給與改訂に関する勧告を提出した。   政府職員は、昭和二十三年十二月一日より新給與法の実施によつて、六、三〇七円ペースの適用をうけているが、その後の物価の上昇、今後の物価の改訂、民間賃金との不均衡等の関係によつて、その生活は極めて不安定となつている。政府は、人事院の勧告を尊重し、速かにこれを予算化して、政府職員の生活安定を図り、公務の民主的且つ能率的な運営を保障すべきである。   右決議する。  すでにこの決議文の内容において明瞭でありますると同時に、先般この議場におきまして、私は改訂に関する緊急質問をいたした中においても、もはやこの勧告を政府が実行に移すということが、それのみが正しい採るべき方法であるということを申上げております。恐らく諸君におかれても、人事院に勧告されまして以来、すでに四日から今日までの間に、篤とこの点についてお考えのことと考え、且つ結論がもはや完全に出ておると思われるのであります。従つて本院においてこの決議が満場一致を以て通過することを私は信じて疑わないものであります。ただこの際、私は政府はこの種の給與に関する問題を極めて曖昧な方法で、口汚く言えば、ごまかそうとしておる。現に年末越冬資金を政府が今出そうとしておりますが、この越冬資金におきまして、国鉄の裁定も又人事院の勧告も皆これで摺り替えようとしている。現に只今私は大蔵委員会で、政府の提案いたしておりまする国家公務員に対する臨時年末手当の支給に関する法律案の提案理由の説明を承わつたのでありますが、これは賞與である、だが国鉄の職員の公社との間の協約に従つて、この仲裁委員会の裁定の一部ともみなされるものである、そういうように解釈すべきものであるというような説明をされておるのであります。政府は曾て御案内の通り給與は改訂しないとしばしば言明しておるのであります。而も只今申上げるような年末賞與というような、全く何らの給與に関する科学的根拠のないもの、こういうものでごまかそうとしておる。これは私はここで皆樣に申上げるまでもない。只今並行いたしまして緑風会の諸君からも人事院の給與改訂勧告に関する決議案が上程されております。私共はこの緑風会決議案に賛成してもいいと考える節もあるのでありますが、基本的に我々の今当面考えておることと非常に縣隔があると思うのであります。と申しまするのは、やはりこの緑風会の諸君の決議案には非常に曖昧なところがある。(「ノー」と呼ぶ者あり)抽象的な点があり、ノーとおつしやるならば、私共の予算化すべし、実行に移すべしということを、実行すべきものであるという、このことに御賛成があつて然るべきだと思うのであります。(「何を言つているんだ」と呼ぶ者あり)尚、生活の安定というこの美名に隱れて、人事院も仲裁委員会も、そういうようなものは要らんのだ、ただ公務員に金をやればいいじやないか、この考え方が、申すまでもなく、古い日本から人事院が創設され、或いは中労委、或いは仲裁委員会というものができた趣旨と合致するでありましようか。人事院は諸君御案内の通り、あの大勢な人々があらゆる実際の問題と取組んで科学的な調査をいたしまして、そうしてこの勧告に盛られておる内容はもうすでに御覽の通りであります。そういうものは要らないのだ、ただ食えればいいのではないか……安定の度合があります、食えればいいのではないか、丁度我々が使用人を使つて、こういうことも、こういうこともやつたのだ、だからして、これはこれだけれ価であるから、どうか親方呉れてくれないか、当然な仕事の分量、又仕事をするために必要な要求をいたしましても、まあまあそう言うな、お前はまあこれだけで一つ持つて行つて我慢しろ、そうして、もつきり一杯飲ましてごまかす、これは古い日本の封建的なやり方である。(拍手)私は決して緑風会の諸君全部がそういう考えだとは申しません。すでに我々は機関として人事院を設け、この人事院が只今申しますように科学的で、具体的で、而も政府のいろいろ申されることに、賃金を上げれば物価も上る、そういうようなことに対しても、極めて精細な計算の上に、そういうものにはならない、民間給與との比較はどれ程である、公務員は民間よりも低い給與ではなく、経理を保ち得る給與をしなければならないことはちやんと決まつておる。私は政府予算を作る上においての心配は勿論我々も同一な心配でありますが、ただ一つこの政府がドツジ・ラインというこのラインを曲解いたしまして、復金債に三百数十億を期限も来ないものを拂うておる、或いは不始末なことをやつて、当然国民の負担で賄うべきでないものをも、我々の現実の今苦しい生活の中から取上げて、そうして拂つておる、そういう金がある。本当に働く者はこの敗戰日本にただ一つ残された資源であると、曾て総理大臣が言うがごとく、肚からそう考えておるならば、すでに筍で裸になり、いよいよ現在の給與ベースにおいては、みずからの肉を食い、みずからの骨をしやぶらなければ再生産することはできないというこの実情に対して、古い、働く者は切れた草履のように捨て去るというような考え方を改めて、国民の一人々々はこの国の主人公であるという新らしい憲法にもう一度反省すべきであると私は考えるのである。かかる意味において私は、私の提案いたしましたるこの決議案が、何の惑うところなく、我々は、当然これを受くべき権利を憲法から法律によつて保障されているという建前から、堂々と主張するものであると同時に、この中に恐らく労働者は我々養つて行くべきものであると、かように考える人々があるだろうと思う。その結果において同一なものを見出するならば、満場一致を以てこの決議案を通過せしめられんことを切に希望する次第であります。      ―――――・―――――
  55. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) この際、国会法第五十六條の二の規定により、人事院の給與改訂勧告に関する決議案(島村軍次君外三名発議)について、発議者の趣旨説明を求めます。安部定君。    〔安部定君登壇、拍手〕
  56. 安部定

    ○安部定君 只今説明を求められました人事院の給與改訂勧告に関する決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を説明いたします。  先ずその案文を朗読いたします。    人事院の給與改訂勧告に関する決議   政府は、十二月四日の人事院の勧告の趣旨を尊重して、公務員の生活安定につき、速かに最善の努力をなすべきである。   右決議する。  淺井人事院総裁が去る十二月四日国会及び政府に対して、国家公務員の給與額及び勤務地手当の改訂を勧告して参りましたことは、只今前発議者の説明にあつた通りであります。現行の国家公務員の給與六千三百七円ベースは、その算出の根拠を昨年七月におけるマーケツト・バスケツトによる生計費及び民間給與実態調査に置き、官民給與の均衡を図つたものでありまするが、生計費はその後、本年の七月までに三八・六%、民間賃金は四九%の上昇を示しているのであります。これは国家公務員法第二十八條が規定しております「給與を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるとき」云々というのに当然当てはまるものでありましで、同法の精神から考えますれば、勧告の提出がむしろ遅かつたとすら考えられるのであります。政府は先般来のたびたびの官公労の組合代表との会見において、又議場等におきましても、今直ちにベース改訂の意思のないことを告げ、その理由の一つとして、物価が本年四月以降横這いを続け、或いは物価指数が一〇〇から九九に下降したとも先般の組合との会見において増田官房長官は言つているのでありますけれども、一部贅沢品や或いは纖維類等にはそういうことも言われるのでありますけれども、公務員諸君の生計費の主要部分を占める主食については、これは当てはまらないのは皆さん御存じの通りであります。即ち昨年七月十一日に改正いたしました精米十キロの値段は三百五十七円でありまして、今日ではそれが四百五円になつており、更に来年一月からは四百四五十円程度にするということは、政府が本議場でしばしば言明しておるのでありますから、たとえ今後、これも又政府が言います主食米麦一、二勺の増配をするということが実現されたといたしましても、尚且つ生計費の増大は避けることができないのが実情であります。政府が今法律案として本院にも提出されております臨時年末手当支給、あの国家公務員二千九百二十円については、不満足ながらその労を多とするものではあります。併しこれを以ていわゆる一部新聞等に言われておりますようなボーナスとか、或いは餅代などというようなことは到底考えられないのであります。公務員諸君の生活というものはそのような余裕のあるものでは勿論ありません。公務員の生活は赤字の累積であるからであります。我々はその立法機能によつて、国民としての当然の権利の数々をも、公務員諸君に対しましては、公務員であるという理由で制限して参つております。中立性を付與した人事院も又その制定する人事院規則によつて公務員諸君の言動をいたく制限いたしております。中立性を持つた人事院が公務員なるが故に公務員諸君に加える制限は何らの制動もなくそのまま適用される。公務員福祉の擁護に当らんとする人事院の措置が、その人事院が予算を持つていないという理由によつて阻止せられるということは、これは甚だしい手落ちであると私は思うのであります。即ちこの勧告が政府にとつて法的な拘束力はないといたしましても、この勧告には相当の権威を感じて対処する措置をとるのが至当であると考えるゆえんであります。淺井総裁は勧告に附した談話で、国会及び内閣が最大の考慮をいたされんことを切望すると附言しています。我々は政府人事院の勧告の趣旨を尊重して、速かに最善の努力をなすべきであると考える。(「何故予算化を言わないか」と呼ぶ者あり)  以上で本決議案の趣旨説明を終りますが、何とぞ満場の皆さんの御賛同をお願いいたします。(拍手)
  57. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) 議事の都合により、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 松嶋喜作

    副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時六分散会      ―――――・――――― ○会議に付した事件  一、議員の請暇  一、実地調査のため議員派遣の件  一、故議員板谷順助君に対する弔詞贈呈の件  一、故議員板谷順助君に対する哀悼の辞  一、弔詞案文に関する件  一、常任委員長の選挙  一、公共企業体労働関係法第一六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件趣旨説明  一、簡易保險並びに郵便年金保險積立金の運用再開に関する緊急質問  一、地方公務員等の給與に関する緊急質問  一、日程第二 昭和二十三年及び昭和二十四年度参議院予備金支出の件(承諾を求める件)  一、人事院の給與改訂勧告の予算化に関する決議案趣旨説明  一、人事院の給與改訂勧告に関する決議案趣旨説明