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1950-06-15 第7回国会 参議院 地方行政委員会 閉3号 公式Web版

  1. 昭和二十五年六月十五日(木曜日)    午後一時三十八分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (地方税法案及び集団行進並びに集  団示威運動に関する件)   ―――――――――――――
  2. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。本日は前回に引続きまして地方行政の改革に関する調査として地方税法案、これは次の第八国会に政府の方で再び提案なさろうとしているのでありますが、それの経緯につきまして本多国務大臣に出席を求めましてこれまでの経過、今後政府がどういうふうにやつて行かれるか、そういうことについて承わりたいと思います。
  3. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 私が前回の委員会に出席できませんでしたので、他の政府委員よりすでに御報告申上げておるのではないかと存じますけれども、一通り国会後の経過を申上げますと、地方税改正案が不成立に終りました結果、地方団体の財源に歳入の欠陥を生ずることになりましたので、その措置といたしましては、六月までの分といたしまして預金部資金二百億、更にその後の平衡交付金のうちより八十二億繰上げて交付する等の措置を講じましたことは、当時すでに御承知のことであろうと存じております。その後この応急的措置の外に平常の場合における平衡交付金の交付を引続いてやらなければならなかつたのでございますが、この平衡交付金の六月までの分を交付するにつきましては、どうしても地方財政委員会の決議を経なければなりませんので、地方財政委員会の発足を促進いたしておつたのでありましたが、漸く三日程前に地方財政委員会が成立いたしまして、そうしてそこで早速六月までの分の平衡交付金の交付額の決定を頂いたような次第であります。更に只今御指摘の次の国会に提案いたしたいと考えておりまする地方税法案の取扱についてでございますが、前回不成立に終りました原案に、この法案の実施時期が遅延したために一部修正をしなければならない点があると考えられます。又国会審議等に現われました御意見、その他政府といたしましても更に再検討を加えまして、でき得ることならば財政計画を破壊しない程度において軽減ということにも力をいたしたいと考えております。更にその実施の遅延に伴いまして固定資産税、まあ全部の税の納期についての修正をいたしたいと考えておりますが、固定資産税については、やはり時期が遅れましたためにその固定資産の評価の期間が極めて短縮されますので、その短い期間内に適正な評価が困難なように思われますので、この適正な評価は来年まで継続いたしまして、最終的に税金の精算をするというような方法も講じたいと考えております。  第一の遅延したための修正は附加価値税でございますが、この附加価値税についてはどうも調査期間等が短いために実施を延ばしてはどうかという御意見も出ておつたのでありますが、併し四月一日からの実施でありましたならば、政府としては一月一日以後の附加価値に遡つて課税しても大なる無理と支障は生じまいと考えておりましたが、これが更に遅れて八月でなければ実施ができないような状況でございますので、そうなりますと、転嫁的性質を持つた附加価値税を一月一日まで遡つて適用するということは少しどうしても無理だろうということで、この附加価値税を来年の一月一日からそれを適用するというふうに、一年間むしろ繰下げるというふうにして、これを実施すべきではないかと考えております。従つてこの附加価値税の代り財源といたしましては、従来の事業税をこの一年間だけこれを復活いたしましてその財源に補填したいと考えておりますが、その事業税は御承知の通り課税標準も違つておりますし、税収入の見込額も附加価値税に比較いたしますと相当上廻つておりますので、附加価値税の予定収入でありました四百十九億から四百二十億程度の収入を満たすためには、事業税では少し余裕があり過ぎますのと、更に又負担均衡化の点から考えまして全体的に二割程度は税率を引下げることが適当ではないかと考えております。更に附加価値税の場合に御審議頂きましたあの農業、林業に対する免税、畜産業、水産業に対しましては主として自家労力によるものはこれを免税するというような規定がございましたが、そうしたものを従来の事業税を今回一年間実施するにつきましてはそうした修正を加えることが適当でないかと考えております。更に免税点につきましても従来の事業税は四千八百円でありましたけれども、これはやはり新らしい所得の基礎控除の二万五千円程度まで引上げるべきではないか、かような点について只今司令部の方と折衝中でございますが、これはどの条項についても未だ司令部の方からよろしいというような示唆は與えられておりません。従つて只今説明申上げましたことはまだ責任を持つてこういたしますと、ここにお話申上げることはできないことを御了承願いたいと存じます。そうした希望を持つて政府の内意を申しまして私が司令部と折衝中でございます。その折衝の経過についてでございますが、これは先週の土曜日に只今申上げましたような点を修正したいという希望を申出ております。これに伴う収入見積額、或いは法文上の修正の字句等につきまして今週一ぱいにはその資料の提出を終つて、来週一ぱいぐらいには司令部に一切の審査と最後的な意見を取まとめて貰うというようなその進行についての申合せをいたしまして、そういう方針で只今進んでいるような次第でございます。尚微細な点に亘りますと、地方財政法について前国会においてもいろいろ意見のありました強制的な寄附等を禁止するというような措置も講じたいと考えております。そうした点、罰則等の点につきましてもでき得る限りの折衝をいたしたいと存じておりますが、何分にもまだ一点も了承を得たものがございませんのでねこの点は確実にこうなりますということはまだ最上げられない段階にございます。
  4. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 只今の本多国務大臣の説明につきまして御質疑をお願いいたします。
  5. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 今の大臣の御説明のうちに三日程前にですか、地方財政委員会の審査を受けて平衡交付金の交付額を決めたというその数字はどういう数字でございますか。
  6. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 如何でしよう、これは地方財政委員会の委員長から御挨拶に代えて今のことをお答えしたら‥‥。
  7. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 只今のことにつきましては新たに発足しました地方財政委員会の委員長の野村秀雄君が見えておりますから、野村秀雄君の御答弁を願いたいと思います。野村秀雄君を御紹介いたします。
  8. 野村秀雄

    ○説明員(野村秀雄君) 私只今御紹介にあずかりました野村秀雄であります。このたび地方財政委員会が新たに設置せられるにつきまして不肖私その委員の一人として拝命しまして、更に委員会において互選の結果委員長の重職を引受けることに相成りました。私は地方財政について学識も経験もございません。折角委員を拝命し、又委員長として互選せられた以上、私も最善を尽してすべて地方財政委員会の意義、目的を公正に忠実に果して行きたいと存じております。皆さんの御指導と御鞭撻によつてその責を完ういたしたいと存じますから、何分よろしくお願いいたします。  尚只今御質問がおありになりましたが、私委員に就任し又委員長として就任して時間も浅いことで、ここで責任をもつていろいろ御説明申上げる程に材料もありませんから、数字その他に関することは後日改めて御説明申上げたいと思います。御了承願います。
  9. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 只今野村委員長の御挨拶に引続きまして、西郷委員が最前御質問になりました点につきまして簡単に御説明申上げたいと思います。  今回決定されました六月分までの平衡交付金は、昨年度の地方配付税額の丁度四分の一年分でございますので、四分の一をそのまま決定して概算渡しをするわけでございます。従つてこれは府県別の資料をお示しいたして差支えないと思いますので、資料としてお上げいたしたいと思います。それを決定いたしたのでございまして、更に平衡交付金法に基きます本年度の平衡交付金の額は、これは地方税法の標準税率等が中心になつておりますので、地方税法成立と、先般成立いたしました平衡交付金法による財政需要額の算定方法、この両者相待つて初めてその本当の交付金、本年度の分が具体的に決まるわけでございまして、それはどういたしましても地方財政法成立、更に又平衡交付金法の測定単位の調査等を進めて行きますと、早くとも九月にならなければその金額の決定は困難ではないかと思います。そこで九月頃地方財政委員会でそれらの資料調査を全部終つて決定されました上で、今回六月分までの前年度の地方配付税の四分の一として交付します平衡交付金はこれを精算することになるわけでございます。そういう措置を地方財政委員会でとらえましたということを御報告申上げます。
  10. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 第一回から、今度昨日ですか、財政委員会でお決めになつた交付金の各府県別の金額を書類でお出し願いたい。
  11. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 只今西郷君から御要求の各府県別のもの、これは財政委員会からお出しを願います。
  12. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 今の参考資料ですが、その他例えば起債とか、預金部資金とか、そういうふうなものをもすべて包括したものをお出し願いたい。併せてそれを追加してお願いいたします。
  13. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 只今西郷君の御要求分りましたか、地方財政委員会‥‥。
  14. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) それは大蔵省財政委員会です。
  15. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 便宜連絡してまとめて頂きましよう。  それから新聞紙の報ずるところによりますと、地方財政平衡交付金法の実施に伴いまして、地方財政委員会で規則ができたようですが、その規則はどういう規則ができたのか、その御説明を願つて置きたいと思います。
  16. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 昨日出しました委員会規則は、只今大臣から申されました六月分の平衡交付金の概算交付に関しまする規則でございます。これも次会におきまして先程御要求の資料と同時にお目にかけたいと思います。
  17. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) その内容は今本多国務大臣からおつしやつた通りですか。
  18. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) その通りです。
  19. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 何でもお尋ねしてよろしうございますか。
  20. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 地方財政に関して何でもよろしうございます。
  21. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 えらく選挙ぼけいたしまして、ちよつと私も忘れたようなことがあるかも分らんですが、まあ一つお叱りなく、お笑いなく、一つ御説明頂きたいのですが、今度地方税法案がこのようなことになりましたことによつて、例えば自動車税、自転車税、荷車税は四月一日が賦課期日となつているのですが、これは遡及して取れないのか、もうこれはそれだけ今度地方税法が仮に八月一日から施行されるような状態になつた場合についてはどういうことになるのか。それからその他入場税、遊興飲食税及びその他いろいろの今度の地方税法の不成立によつて税が取れなくなる、八月一日までの間は‥‥というふうなものは何税、何税であつて、それは当初の政府の予算額からどれ程推定税金が取れないようになつたのかどうか。その税の種目、それから予定税収入額からどれくらいな金額が取れなくなつて来たのかどうか、そういう点を承わりたいと思います。
  22. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 地方税法の一部改正法律におきまして、地租、家屋税、事業税等、いわゆる年一回徴収しますような税は、すべて徴収が停止になつております。併しながらそういう税につきましては、次期国会におきまして、何らか地方税法成立いたしまするならば、その場合に年分を徴収いたすことに相なりますので、別に本年度の徴収見込額は変りはございませんです。ただ附加価値税の問題につきましては、先程大臣のお話のように、これは別途考えているわけでございます。徴収を旧法によりまして四月以降継続しておりますのは、遊興飲食税、電気、ガス税、鉱産税、木材引取税、接客人税等でございますが、これらにつきましては、ただ道府県分と市町村分を一つにまとめるということは考えておりますが、別に税率につきましての変更は考えておりません。但し遊興飲食税につきましては、課率を相当低下することは考えておりますが、従いましてそのために徴収が本年一ぱいにおきまして減るということはございません。ただ遊興飲食税の税率の軽減が、新しい改正地方税法成立まで、古い税率で、つまり高い税率で取られておるという点を除きましては、あとは同じでございます。但し、道府県分と市町村分をまとめることになりまするが、改正地方税法成立までの間は遊興飲食税、電気ガス税、鉱産税、木材引取税、接客人税等すべて道府県、市町村が半々、或いはその他法定の率を以ちまして分けて取ることに相成ります。
  23. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それは旧税法の復活という措置は、あれは取れたのですか、どうでしようか。
  24. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 旧税法の復活ではございませんで、旧税法中、只今申上げました遊興飲食税、木材引取税、鉱産税、電気ガス税、接客人税、これらは全然徴収を停止しておりませんで、四月以降旧税法によりまして取つておるわけであります。その他の税、いわゆる地租以下の年税に相当するものは、これは停止してございます。
  25. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 今次長のおつしやつたのは、やはり停止されておつたのと違うのですか。もう一度くどいようですがお尋ねしておきます。
  26. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) その税金の中で、いわゆる日税とか月税、つまり毎日取ります税、毎月取ります税、こういうものは停止してございません。従いまして電気ガス税、遊興飲食税、木材引取税、それから鉱産税、入場税、それから接客人税は月税でございます。そういうものは停止してございません。入場税は勿論改正されました。一部改正がすでに成立しておりまするので、それによりましてもう徴収しておるわけであります、道府県だけでございます。
  27. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私はちよつと選挙ぼけしたのか、勘違いしておるのか、こういうことによるのが地方税の改正法案であつたので、旧税法が生きておるのであるならば地方税法を改正するのと、その切替えは法律には‥‥、そういう切替えが、地方税法が通過したら、旧税法は消滅するということにはなつておらない。先に消滅の条文が出ておつたのではないのですか。
  28. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 旧税法は法律としてはそのまま生きておるわけでございまして、ただその中地租、家屋税、事業税等の年税、いわゆる年全体を通じて取ります税、これだけ新税法成立まで徴収を停止してあつたのであります。従いまして、その他の税、入場税、遊興飲食等は、これはそのまま旧税法で徴収を継続しておるわけでございます。
  29. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そうしますと、自動車税、自転車税それから荷車税などはどういうことになりましたか。
  30. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 自動車税、荷車税、自転車税のごときは、いわゆる年税でございまして、年一回徴収いたしますので、こういう税金はすべて徴収を停止しております。従いまして、新税法が成立いたしまするならば、その際に一ヶ年分を徴収することに相なります。
  31. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 ところが、これらの税金は賦課期日を四月一日と明記されておるのでありますが、明記される必要がないのじやないか、何故明記したのですか。
  32. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 旧税法では、たしか賦課切日は明記しておりませんです。が徴収を停止しておつたのであります。新税法によりまして、二十五年度に対しまする賦課期日の特例等は勿論規定する意向でございます。
  33. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それでは、政府の説明によりますと、地方税法案が未成立になつたことによつて徴税のギヤツプは起らない、ただ遡及して取り得るから事実上ギヤツプは起らないとこういう御解釈でありますか、如何でありますか。
  34. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 年間を通じましては計算上は、収入減は起らないように考えております。
  35. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 事実上或る種の税目等においては、今度の地方税法が、仮に八月一日に施行されるようなことになつた場合にでも、果して遡及して徴収できるというお見通しでありますかどうか、お聞きしたいと思います。
  36. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 四月から三月までの間1ヶ年間に徴収いたします税金を仮に八月以後三月までに徴収いたしますことは、納税者にとりましていろいろ問題を生ずると思つて憂慮したのでございますが、併し何と申しましても、徴収を繰上げるのでなくて延期するのでございますから、それぞれ納税者におかれましてそれに対して準備をしておかれまするならば、実質上非常に障害の起ることはないと考えておりますので、すでに地方にも勧告いたしまして、それに対しまする納税貯金とかいろいろの対策を講ずるように指示してございまするので、本年度新税法が成立いたしますならば、予定の大体千九百億という地方税は徴税し得る見込でございます。
  37. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そういたしますれば、現在政府が採られておりまする八月一日までの期日の地方財政収入面を預金部その他の資金で補充されておるものに対しましての補填は、十分きくというお見通しと共に、これらに対しての利率と申しますか、利子は附けるのでありますか。又それが八月一日から施行しても、実際の税が収得されるのはそれから二月も三月も、乃至は半年も先ではないかというような場合に対しまして、国の財政或いは預金部の資金の上においていろいろの問題が起る懸念はありやしないかと案じますが、如何ですか。
  38. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) この四月から八月までの間の歳入減につきましておつしやいますようにいろいろの問題が起ると思います。それで政府といたしましては一応第一四半期、四月から六月までの間平衡交付金の四百億円の概算交付、二百億円の預金部資金の融通、これを以ちまして対処することにしております。七月以降尚地方税法成立し或いは成立いたしましても徴収が実際に始まりますまでの間の歳入減金につきまして対策を講じなければならないと思いますが、これは目下検討中でございます。  尚仰せになりました預金部資金の一時借入によりまする利子につきましては、将来国におきまして適当な財源を地方に保証いたしたいと考えております。
  39. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そうすると、その利子は政府の保証による、地方庁、地方自治庁の負担になるという御説明のように思いますが、これが現在の状態から見ますれば相当大きな金額になるのみならず、現在国税が三月の末までは一千億以上の滞納だと言われる。滞納だと言われておるのに、こうしたいろいろな融通がきくというのですから、政府の台所はちよつと又改めて開かなければ分らんのでありますが、非常にこの問に国民が政府の財政というものと、地方のこうした財政というものには非常な弾力性がある。国民の血税と言いますか、こうした不景気、収入減、或いは企業の不振の折柄に対して、徴税は厳しいが非常に財政は豊かであるという印象を各方面に與えておる、或いは非常にこの間に合点の行かない諸点を見出しておるようでありますが、そうしたことによる挙げての責任が全部地方庁にあるということは、ちよつと私は合点が行かないと思いますが、もう一度その点を承わりたい。
  40. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 只今申上げましたように、年間におきましては別に収支に狂いはない。ただ問題になりますのは一時借入金の利子を地方団体が負担しなければならないという点だけだと思います。それにつきましては只今申しましたように、将来地方財源といたしまして個々に補助金を出すとか、或いはどうするというような具体的な方法は決まつておりませんが、全体といたしまして地方団体の負担にならないような措置を講じたいと考えております。そういうことをし得る余地があるじやないかとおつしやいますけれども、これは専ら金繰りの問題でございまして、年間におきましては今後地方税法が我々の考えておりまするように成立いたしまするならば、狂いは生じないと考えております。
  41. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 もう一点、若し地方税法が八月一日に施行されないようなことに陥つた場合には重大な問題が起ると思うのですが、この際地方の各府県は地方税法成立する見通しでそれぞれ予算を組んでおるのであります。そうして今日すでに平衡交付金の先渡しであるとか、預金部の融通資金といつたようなものによつて賄つておりますが、地方自治体においては非常にこの間に不徹底な歳入歳出のやり繰りでいろいろ問題も起つておることは御承知の通りでありますが、地方の予算におきましては修正予算と申しますか、補正予算と申しますか、そういつたようなものを政府が勧告されるといいますか、地方自治体がやられるということはあり得ますか、そういうことはあり得ないことでありますか、一ことお伺いしておきたい。
  42. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) この二十五年度の地方の予算につきましては当初よりそういう問題があつたのでありまするが、改正地方税法成立いたしませんし、その当時国の予算成立しておりませんので、すべて旧制度によつて予算を組むということを指示してございますので、地方も恐らく旧制度によつて組んでおると思います。補正予算はむしろ地方税法が正式に成立いたしましてから、地方におきまして予算の更正等が行われるものと考えております。
  43. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 ちよつと問題を変えまして、政府は地方税法が通過したならば私鉄は一割七分、或いは家賃は何倍とか、ガス料金はなんぼとかいうことに改正されることが当然あり得る、算定基礎を資料として提出されておりますが    〔委員長退席、理事吉川末次郎君委員長席に着く〕 先だつて私鉄が五月十五日に一割七分上げられたのは、地方税法には関連なく上げられたと思われるのでありますが、如何ですか。
  44. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 私鉄の料金の値上げのございましたのは、いろいろなその後の経済情勢の変化等もございますが、地方税法の改正ということも折込んで考えております。
  45. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 地方税法改正と申しましても、地方税法は否決になつた。その当時の政府委員の説明によれば、地方税法が通れば私鉄は一割七分上がるということを言われた。地方税法が通らなかつたのに一割七分上げたということになると、地方税法が通つたら又上げるのですか、どういうことになるのですか。
  46. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 地方税法の影響する部分も含んでこの前の地方鉄道の料金値上げをいたのでございますがこれもいろいろな見通しがございますので、必ずしもその計算上現われている数字を全部そのまま認めたのでなくして、その後の景況の推移等も考慮して決められたものでございます。従つて今後附加価値税法が仮に成立して来年から実施されるということになりましても、その要素はすでに今回の値上げに入つておることでございますから、その理由で値上げはないものと考えておます。
  47. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 大臣の説明は非常にお上手で、私ちよつと分らなかつたのですが、地方税法が施行されるということによつて一割七分上がるということは当時政府委員の説明にあつたし、資料にもそれは出されておる。国民の負担から見ますれば、すでに地方税法が決まらん前に、先に電車賃は高くなり、又今度ガスを全国平均一割五分上げるということ、これも政府の資料によりますれば一割五分も上る資料は当時資料としては出ておりません、そんなにまで上らない資料でありますが、一割五分平均上げたという理由は私には分らない。それは或いは石炭の補給金その他の補給金が撤廃されることを予想しての立場であるとしても、これは七月以降からの問題である。現在政府は物価指数は順次低落の状態にあると言われておる。こうした状態にあるに拘わらず、    〔理事長吉川末次郎君退席、委員長着席〕 地方税法と最も不可分の関係にあると言われておるガス料金、私鉄料金、或いは東京のごときは地下鉄料金も上げておるということは、どうも地方税法があるのだからということに籍口して、当時止むを得ざる説明に国民はしぶしぶ納得せざるを得ないような感じを受けたのでありますが、どうもその点が徹底を欠くと思うのでありますが、地方税法が今度実際に施行された場合には又上るのか、又上げないのだつたらその間の国民の負担のズレといいますか、逆ズレと言いますか、こういつたものの負担が非常に問題になると思いますが、この辺は一つ地方税法を主宰されておる自治庁においては大いに関係官庁と連絡をとられて、これに対する態度を明らかにして貰いたい、かように思います。今度ガス料金を上げようという措置は地方税法にも関連しておるごときことが新聞報道にもあるし、当局もそれを言われておる。それに対して又ガスの次に何が出て来るか分らないというような状態、これは鉄鋼或いは石炭の補給金等が撤廃させるという問題と違つた上げ方であると思います。重ねて大臣の御見解を承わりたい。
  48. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 最近に価格の改訂を見ましたものは、この地方税法の改正も価格或いは料金の計算の要素の中に織込んでございます。やはり今回のガス料金の値上の内容にはなつておるのでございますが、地方税法の関係は実はそれほど大きなパーセントにならないのでございまして、ガス料金は主としてコークスの販売価格が暴落をしたということが料金値上の理由になつておるのでございます。又その値上をするという計算の根拠も、これは計算ではこの程度になるが、その何%は会社自体の合理化によつて吸収せしむべきであるという方法で値段が決められて行きますので、決まつた結果のその料金或いは価格についてその幾らの部分が地方税の関係であるかということは逆算では出て来ないような決め方になるわけでございます。大部分が合理化吸収ということになります関係と、地方税関係以外の要素が大きいために、地方税の関係が特にそこに大きくは分らないのでございますけれども、最近公定価格のあるもので地方税の影響の及ぶものの改訂はすべてこれも計算の中に入れられて改訂されておると、かように御承知願いたいと思います。
  49. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 この問題は一応今日はこれで打切つて置きますが、もう一つだけお伺いしたいのは、先程説明員の説明によりますれば、例えば附加価値税、固定資産税等においても八月一日にこの税法が決定するまでは遡及して取立てろと言われておる。ところが民間企業においては固定資産税及び附加価値税というものが課税されることによつて原料コスト、生産コストというものが向上されることは明らかであります。政府資料においても‥‥。ところが税金は遡及されて、例えば四月一日から遡及されて取立てられる。四月一日から八月一日までにでき上つた製品というものは旧コストで販売されるから安い値段で販売しにやならんということなる。それは消費者、購買者が高く買つて呉れればいい、けれどもとにかく八月一日から四月一日までの製品というものは旧価格で販売する、併し税金は後から徴収されるというのでは、企業が下げに会つてやつて行けないではないか、この点をお尋ねしたいのが一点と。もう一つは家賃の場合でも同じであります。政府は二倍半上るだろうという推定をされておる、土地家屋に対して‥‥。固定資産税のこの評価から見ますれば‥‥。そうすれば私は家主でもありますが、仮に店子に遡及して家賃地代を取立てる権利を政府は與えますかどうか。これもお尋ねしておきたいと思います。
  50. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) この地方税の改正と物の販売価格との関係の問題でございまするが、そのうちいわゆる公定価格のあるものにつきましては、勿論この地方税の改正で仮に負担の増加するものがございましたらその部分だけは計算に入れたいという考えでございます。その際に地方税の成立が遅れますと後に遡つて料金を上げるということは、勿論売つてしまつたものにつきまして後から料金を取る、家賃、地代等につきましても後から地代、家賃を追徴する、こういうことはできないわけであります。従いまして引上げますときからそれだけの税の負担の総額が織込めますように料金を決めて行くという方法に相成つております。例えば地代家賃にいたしましても、仮に八月から施行いたすといたしますれば、八月以降におきまして年間の地方税分が中に織込めるというような倍数を用いたいと考えておる次第であります。
  51. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それは取立てる政府側の机上構想であつて、例えば年間分を八月一日からつまり六ケ月分ですか、何ケ月分ですか、というものに、例えば家賃が年間を通して二倍半だが、八月一日からその年の三月三十一日までだから三倍四倍になつたということは、現状の経済事情から店子が負担できると思いますか。そんなら政府はその間に対する一般の公務員の給料であろうが、一般の給料ベースであろうが改訂もし、逆に消費物資はそれでは安くする、例えば米代も安くする、電燈代も安くする、逆に汽車賃もガス代も安くするという措置がないとすると、あなたの言われたことはあまりにも世間のいう搾取ということであつて、そこは通じないならば而も現在このような四月一日から売出された製品を遡及して消費者がもう使つた物を追立ててやることはできないので、政府が遡及して四月一日の固定資産税やら、市町村民税やら、附加価値税を取立てたらこれはもう非常に途方もないことじやないですか。私はそこに問題があると思いますが、政府の説明だけではどうも納得ができないと思いますがね。
  52. 荻田保

    ○説明員(荻田保君) 家賃地代につきまして例を申しましたが、只今お述べになりました例として二倍半のものが五倍にもなる、こうおつしやいましたが、確かにそういう数字を根拠にいたしますとそれは無理でございますけれども、我々の計算では大体八月一日から実施いたすといたしますれば、四月から七月までの間の分でございますか、仮に二倍半上げなければならないものを、そのために二倍七分とか八分とか、そのくらいの程度で済むように思います。五倍にはならないで済むように考えております。
  53. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私が五倍と言つたのはその例が悪かつたのであつて、恐らく三倍半か四倍になるか知らんが、二倍半か二倍七分になるというような、そんな率にはならないと思います。  そこで然らばそれはもうそういう地代家賃の例においてももとよりですが、物品製造コストの上においても、販売価格の上においても、それでは物価体系を年間のものでは八月から三月までの短縮した年間に割当てたという、そういう物価体系に政府は変更される。いわゆる給與ベースも変更される考えを以て言われておるのか。恐らく私はあなたの方の取立てる方の側から見ますれば、そういう都合のいい感じを持たれるかも知れませんが、取られる方、それによつて影響する企業産業方面の済経コストというものは、それはもうべらぼうなことになつて来ると思いますが、そのギヤツプを如何にして政府はやられるのか。そこに私は矛盾があるということを申上げておるので、二倍七分が正しいとか五倍が間違つておるとかという問題とは違つておるのです。それはこの際明確にしておかないと政府が将来ベースを改訂しようとか、或いは価格調整金を撤廃されるに伴つての価格改訂がなされるとか、或いは米代を変えるとか、そういつた重要物資価格の価格改訂を企図されておる問題に対して、極めて大きな問題を投げておると私は思うのですから、今の荻田次長の説明だけでは国民は納得しない。納得じやない、もうそんなことは無茶だと僕は思うのだが如何でしよう。
  54. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) これは根本的には、税というものが所得等の後で決める場合お話のようなことが起きようと思います。でありますから、できることなら税というものはその年度の前からその税率というものがはつきり確定していることによつて、同じ所得の中から消費生活をやるにしてもその覚悟を以て生活することができる。不動産をこれを使用する場合にしてもそうした覚悟を以てやることができるわけでありまするが、現にこの住民税のごときは実績による所得税、そういうものは後で税法の改正がある場合には、去年実は生活する時分にはそんな税のかかる覚悟はしていなかつたという場合が起きて来るだろうと思います。又この固定資産税のような財産税についても同じことだろうと思いますけれども、このこうした所得税的性質の税、財産税的性質の固定資産税、こういうふうなものについて後で税法の改正がある場合には、そうしたことは起きるのでありますが、これはすべての税について、すべて税率の改正等がある場合に起きる問題で、税というものはそういう性質のものじやないかと私は思います。  それからその他ここに全く転嫁的性質を持つている附加価値税について、これは附加価値税というものは例えば乗車料に転嫁するような性質を持つているから、成るべくその転嫁の期間がなければ企業体が困難をするわけでありますから、これは余り極端に遡ることは如何かと思います。従つてこの附加価値税のようなのは八ケ月も遡るというのならば、むしろ来年からというふうに行くことが合理的じやないかと考えた次第でございますが、所得財産等に対する税が改正になるという場合には、只今お話のようなことはこれは止むを得ないことだろうと思います。  それから又その家賃の点でありますが、公定価格以下の場合において初めて家賃が何倍にもなるというのでありまして、大体においては公定価格で済んでいる家賃は今日少い状態でございますから、それ程現在の家賃が、この改正のために正確に何倍になるというような場合は極めて少いのではなかろうかと思われます。併しそれはどちらにいたしましても財産税でありまして、その財産を持つている人からそれだけ税金を出して貰う。出して貰うことが、土地、田畑におきましても、これが負担に堪え得るものであるか否かというようなことを、財産税でありますから、考慮して決めて頂くということで、私は税というものは決つて行くものだと根本的にそう考えております。
  55. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 これはまあ議論になつてはいかんと思いますが、決して大臣の仰せの通りには‥‥私はそういうわけじやないと思うのです。特に今回税制が改正されるのでありまして、固定資産税のごときのまあ一例を見ますれば、家賃のごときが七ケ月を以て年間に割付けられるということにおいて、二倍半にでも上げるということにおいて、非常な脅威と社会問題が起つておるに拘わらず、それが三倍になるか、二倍何分になるか知らないけれども上げられる。又これに伴つて価格改正というものが非常な問題を私は発生すると思うので、いわゆる地主やら家屋持ちには遡及してやられるけれども、実際の家賃はそれから八月以降より上げられないというようなことにつきましての、果して親切なやり方であるか、どうか。或いは適切なやり方であるかどうか。これはもう政府側から見れば不幸に地方税法が否決になつたことでありましようが、国民の立場から見ると別の議論もあるであろうと思います。でありますから、そういう漠然とした理論で止むを得ないというだけで片附けられることではないと思います。どうしてもこの矛盾は、家賃の例を私引きましたが、ひとり家賃ばかりではない、或いは製品コスト、或いは貿易の上におきましても、すべての問題、運賃の問題におきましても、鉄道のごときは早手廻しに五月一日から上げておられる。或いはガスのようなものも今から上げておりますけれども、都合のよいものは早手廻しに上げられて、都合の悪いものは非常に虐げられるということは、いわゆる善政ではない。こうした重税化する税法の改訂に伴つては、もつと親切な合理的な措置を講じない限り、これが又相当大きな問題になる恐れがあると私は思います。この点は改めて承わる必要はありませんが、私は今の大臣の御議論に対して遺憾ながら承服できないということを表示いたしまして、この問題は今日はそんな問題じやないと思いますから一応打切り改めて又お聞きいたします。
  56. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 先程大臣の御説明にありませんでしたからちよつとお伺いしたいのですが、地方税の廃案の対策として先般新聞で見たのですが、起債額を増額するようなことになつておつたのですが、それは中止なさつたのかどうかという点と。又最近の新聞で見たのですが、入場税とか、遊興飲食税と思いますが税率を引下げるようなことを政府は考えておるというようなことを見たのですが、その点はどうですか。
  57. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 起債の枠の五十億円を三百七十億円に拡張いたしたいと考えております。それはシヤウプ氏の地方税計画に基く枠の範囲内でございますので、是非最終的にはそこまで拡張して貰うように司令部方面の了解を得るように申請をして努力も続けております。この起債の枠等は実は地方税法成立とやはり関係があるように考えられますので、一方税として徴収する側の吸収面が一部分止つて、預金部融資、平衡交付金の繰上交付というようなことですでに三百億円近く出ておる。政府に入らずして出るわけでありますから、そうした方面から通貨の流通高というようなものも、起債発行の限度を決めて貰う場合には勘案されるものと思われますので、この五十億の枠の拡張も、実は地方税法成立してそうして税としての吸収ができて、それが短期融資が還元して来るというような時期と睨み合さなければ実現が困難ではないかと今考えております。併しこれは努力中でございます。  それから入場税、これは只今のところでは本年度についてはまだそこまでは行きかねております。将来については何とかして政府の方の平衡交付金の増額或いは地方の財政計画のできる限り合理化というような方法によつて、只今御指摘のような税率については軽減するような方向に努力したいと思つておりますが、今回提案するものについてはそこまでは困難ではないかと思います。
  58. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 もう一点伺いたい点は、地方税が廃案なつて、今度何らかの形式でお出しになるのですが、先程来いろいろの論議の中にも、徴収時期が、遡及する期間が非常に長いために一遍に多額の税金をとるという結果になるのですが、そういうふうなことを考えて、政府はそういうふうな対策の一つとして平衡交付金を二十五年度に限りそういうふうな状況から増額して、地方の財政を潤おすというふうなことを対策として考えておられるかどうか。全然そういうふうな平衡交付金は増額しないという肚でおられるのか、その点を‥‥。
  59. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 本年度分につきましては、平衡交付金を増額しないでやはり地方税法の改正によつて千九百億の税収入を確保したい。こういう方法で行きたいと考えておりますが、来年度につきましては、これについて再検討を加えまして、若し国の財政に余裕ができましたならば平衡交付金の増額ということによる地方税の軽減ということも考慮したいと考えております。
  60. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 外に本多国務大臣並びに地方自治庁に対して御質問ございませんか‥‥。
  61. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 次にこの前出席を要求しました田中警視総監が、この前は欠席でありましたが、今日出席をされておりますので、先頃皇居前広場の事件に関連をして東京都におきまして集会及び行進に関する治安条例の適用によつて集会並びに行進等を大幅に制限をされた、各大学における慰安のための会合とか修養のための会合とか、そういうことまで禁止をしたということで、大分問題になつておる。それのみならずいわゆる治安条例によつてそう長くこういう集会並びに行進を禁止することは違法でないかという問題も起つております。そういう点につきまして、警視総監から意見を伺いたいと思います。
  62. 田中榮一

    ○説明員(田中榮一君) 警視総監の田中でございます。去る二日に警視総監声明という形式におきまして都内におきまする集団行進及び集団示威運動についての制限を発表いたしまして、その際に二日から五日までの間は一切の集会、示威行進及び集団行進及び集団示威運動については全面的にこれを制限するということの警視庁の方針を一応明示いたしまして、それと共に六日に更に改めまして、示威行進及び示威運動及び屋外屋内の集会につきましても一応制限をするということを明示いたしたのであります。勿論かかる集会及び集合につきましては、一切の集会及び集合、会合を認めないというのではないのでありまして、その当時新聞紙上若しくはラジオによりまして声明をいたしましたごとくに、六月二日より五日までの期間には一切の集団行進、集会、示威運動等は、これを行うことができないようになつていたが、更にその後の推移に鑑み尚当分の間、一、如何なる目的にせよ、あらゆる行列及び示威運動はこれを行うことができない。二、行列、示威運動、煽動、挑発、社会不安を醸成すること等を目的とする会合及び集会はこれを行うことができない。この二の問題は行列を目的とする会合及び集会はこれを行うことができない。示威運動等を目的とする会合及び集合はこれを行うことができない。煽動を目的とする会合及び集会はこれを行うことができない。こういうように全部かかるのでありまして、その外のこれらの事柄に該当しない集会等は、勿論何ら支障はないのでありまして、もとより一切の集会につきましては憲法第二十一条によりまして、国民の基本権利といたしまして保障をされておるのでありまするが、但しこの社会不安等を目的とし、又挑発、煽動等を目的とする集会及び会合等につきましては、憲法の十二条及び十三条の規定の上から全然これを警察が制限をなし得ないというようには私共はしていないのであります。そこでこの警視総監声明と申しますのは、これは御案内のごとくに、一応これは声明という形式で発表いたしたのでありまするが、これは一応私共の解釈といたしましては、警視庁の一般に対する警告、忠告というような意味にとつておるのであります。ただ形式を一応声明といたしておりまするが、軽い意味で言いますれば、一般に対する警視庁の注意というような意味に私共といたしましてはとつておるのであります。  それからこれの制限に関する根拠でありまするが、これにつきましては昭和二十四年十月二十日附の東京都条例第百十一号の集団行進及び集団示威運動に関する条例ということになつております。そうしてこの条例は第一条によりますると、道路その他公共の場所で、集団行進又は集団示威運動等を行わんとするときは公安委員会に届出なければならない。そしてその届出る場合におきましては書式が一定しておりまして、これにいろいろなことを書添えることになつております。そうして更に第三条には、六項よりなるところの条件を附し得ることになつております。その一つは、官公庁の事務の妨害防止に関する事項、二、危害防止のための銃器、兇器その他危険物携帯の制限に関する事項、第三といたしましては、交通秩序維持に関する事項、第四は、集団行進又は集団示威運動の隊伍の保持に関する事項、第五は夜間の静謐保持に関する事項、第六といたしましては、公共の秩序を保持するため、止むを得ない場合の日時の変更に関する事項、従いましてその日に行うことがいろいろの点について支障を来すという場合におきましては、その日時を改めて指定して、この条件を附する。そうして若し特別の事由のない限り届出がありましたならば、実際行う二十四時間前までに届出の写を更に承認の判を捺しまして、これを返すことによりまして、ここに正式に、これらの行進及び示威運動が適法にできるというように相成つたのであります。他の都市の条例におきましては許可制度をとつているのでありまするが、東京都条例におきましては、他の都市と異なりまして届出制度をとつているのであります。この点は或いは若干弱く感ずるのでありまするが、まあ実質的には届出を拒否し、届出を受取らないということによつて、この集団示威運動若しくは集団行進を承認しないというような実際上の手続をとつておつたのであります。そこでこの集団示威運動及び集団行進の声明をいたしまして、これによりまして管下の警察署にもその旨示達いたしたのでありまするが、先程申述べましたごとくに、以上の条項の社会不安を惹起するような会合集会等は認められないのでありまして、普通の娯楽的な集会とかそういつたものはこの範囲には入つてないのであります。ただ当初におきまして多少いろいろの点について手違いがありまして、若干社会問題を起しまして、この点は誠に遺憾に堪えないのでありまするが、一応問題を起しました点も直ちに是正をいたしまして、只今では大体において遺憾なく実施されているものと考えております。先般も或る学校、特に名前を申上げますれば、早稲田大学の学園内におきまして、文化的な集会が開催されたのでありまするが、これもいろいろの点から考えまして一応制限をされたのでありまするが、併しその後のいろいろの点を勘案いたしまして、今後学園内の集会その他につきましては、学校の総長若しくは校長等が自主的に責任を持つてその集会を認めるとか認めないとかということを決定をするというように是正をいたしまして、学園内の集会等につきましては学校長若しくは責任者に一切を御一任するというように相成つたのであります。そこで現在の治安状況からいたしまして、こうしたことを無制限に続けるということは誠に面白くないことでありまして、できるだけこうしたことを撤廃いたしまして明朗なふうにいたしたいとかように考えまして、只今いろいろの点につきまして関係方面とも折衝を続けているようなわけでありまして、私個人の考えといたしましては何らか近いうちに解決の方法があるだろうということを考えている次第であります。  尚非常に抽象的なことで御了解できない点が多々あろうかと考えておりまするが、又御質問によりまして、必要がありまするならば更に一つ御了解のつくまでお話を申上げたいと考えております。
  63. 柏木庫治

    ○柏木庫治君 警視総監へお尋ねいたします。  只今のお話を承わりまして余程よく分りました。さもあらんと思つたのでありますが、警察の末端においては或いは非常に行過ぎをやつておるところもあるのじやないか、こう思われるのでありますが、例を挙げますと、お寺とか教会に寄りまして一ケ月定例の届出てあるお祭というものがあるのであります。そのお祭日には、いわゆる世間的な言葉で申しますと、精神修養でありますが、お説教があるところもあり、ないところもあるのでありますが、又親不孝な子供を持つた親は、その子供を連れてお説教を聞きに行くというふうに、専ら精神修養に努めておる。そのお寺及び教会の祭典がありまして、その後のお説教はさつき総監の仰せられたような、禁止すべきどの項にも当るわけはないのでありますが、それを禁止しておるというところが何ケ所かあると承わつたのでありますが、これは教会ができ、お寺ができて二十年三十年の歴史的にずつと続いておることでありまして、曾てそれを差止めたことは如何なる場合もないと思うのでありますが、今回のあなたのされた声明をどう解したか分らないのでありますが、この点について従来通り何ら拘束されることなく、手数を運ぶことなく、祭典と祭典後のお説教をしていいか、こういう点について一つはつきりお答えを願いたいと思います。
  64. 田中榮一

    ○説明員(田中榮一君) お答え申上げます。修養団体等の行いまするお説教その他の集会等は、これは私共の考えておる集会とは認め難いのであります。これはここに申します集会とは私共としては取扱つておりません。ただ当初いろいろの十分に趣旨の徹底が欠けておりましたために、或いは警察署の方において非常に神経過敏にそうしたことまで差止めたことがあろうかと考えておりますが、この点につきましては今後十分注意いたしたいと思います。ただ文化祭とか文化的な集会でありまして、その集会の内容におきましても、只今一部の暴力的な企図を持つた団体がこれに加わりまして、会場における挑発、刺戟、或いは示威ということをここに目的といたしまして、一定の文化集会をやるのがございます。一例を申しますと、神田共立講堂におきまして北里商事株式会社という会社がございまして、これは北の星でありますから大体お分りと存じますが、その他前進座その他の文化団体がこれを主催いたしまして、そうして一部の勢力のものが、この文化的集会を利用いたしまして、相当なアジを行うというような集会がございましてのでこの集会には「きけわだつみのこえ」という映画を映して、専ら宣伝をするというのでありましたが、かかる文化的集会と申しましても、これを一部の者が利用して社会不安を醸成するような企図のある場合におきましては、私共といたしましてはこれを事前に適当なる措置をとりまして、或いは取止めさせるとか、或いは若しあえてこれを行なつた場合におきましては解散を命じ、尚その解散に応ぜざる場合におきましては、実力行使によつてこの解散を行うというようなことをやつておるのであります。従いまして私共の考えといたしましては、いろいろな、極めて穏便な、又何らそうした心配のない会合、集会等もたくさんあるのであります。ただときにこれを利用いたしまして宣伝を行う、或いは刺戟をするような行動に出た場合におきましては、たとえその主催団体が極めて円満なる団体でありましても、形の上においてそうしたことが現われた場合におきましては、警察としても措置をとらざるを得ないような場合があるのでありまして、この点につきましては昨日も社会党の本部からも私の方においでになりまして、いろいろその点をお聞きになりましたので、私の方からもできるだけ懇切に、こういうようなことについて十分注意して貰いたいということの御注意を申上げたような次第でありまして、大体において御了承願つたものと考えておりまするが、先ず警察としましては、できるだけ常識的に、非難のないように、最近におきましては最善の注意を払つて措置をいたしておるような次第でございます。
  65. 柏木庫治

    ○柏木庫治君 よく了承いたしました。実はお寺とか或いは教会のお祭から後にいろいろと身の上相談その他の精神上の悩みを持つた者が参拝をいたしまして、それに向つてお話をするということは、宗教の一番大きな命と思うのであります。それを突如禁止するということは、それこそ驚くべき宗教圧迫と思いましたが、従つて私は今度開かるべき臨時国会で、吉田首相に本当の意思かどうかということを質問するつもりでありましたが、今の総監のお話を承わりまして、警察庁においてもその方面を取締るのじやないということがはつきり分りましたので、それではお寺及び教会においては、従来の通りのお説教、精神修養に当つては従来通り行なつて何ら差支えない、こう受取つてよろしいのですか。
  66. 田中榮一

    ○説明員(田中榮一君) その通りであります。
  67. 吉川末次郎

    ○吉川末次郎君 警視総監が御出席になりましたから、この機会にこの前の委員会で私が質問したことでありますが、政府の方からは、国警本部長官及び選挙管理委員会側の答弁を聞いたのでありまするが、先般の参議院議員選挙と同時に行われました東京都における住民投票に際して、日本共産党が都内に貼りまくつたポスターについてでありますが、御承知のように首都建設法は軍事基地設定のためのものであるから、これに反対するという意味のポスターが都内至る所に貼りまくられたのであります。選挙管理委員会及び国警本部の意見は、前の委員会において一応聽取したのでありますが、住民投票に関する特殊の法規が立法されておらんのでありまするが、あの共産党があのポスターに意味したことでありますが、これはその時も言つたのでありますが、全く荒唐無稽のことである。首都建設法案につきましては、その審議に建設委員会が議決をしたのでありますが、我々地方行政委員会の者もそれに参加したのですが、反対するとすれば、第一には東京都というものが明治維新以来帝都或いは首都として、国から非常な特殊的な保護を受けておると、そのために地方の都市に比べて頭でつかちの都市を、日本の全体的な経済力及び政治力等からすれば、非常に頭でつかち的な過度的集中をしておると、更に明治政府以来のそうした東京都に対する、首都であるということに対する特殊の保護を持続するということが、果して一国全体の上から妥当なりや否やということについては、これは地方の人からは相当私は批判の対象になることであると思います。それから第二には東京都のもつているところの自治権を国が侵害するところの憂いがないかどうかということ。それから現在の都市計画法規によるところの東京地方都市計画審議会その他の機関によつても十分あの法案が目的していることは実現できるじやないかどうかというような、まあそうした点から反対するならば反対されるということは私は分るのでありますが、あれが軍事基地設定のための法案であるというようなことは全く荒唐無稽のことであつて、何等の関連性はないということは明確なんです。あの法案の審議に当つては、参議院においても日本共産党を代表する委員も加つておるのでありますから、そうした馬鹿げた荒唐無稽なことは言えたわけではないわけなんです。然るにかかわらず、日本共産党は共産党一流の目的のために手段を選ばずというところの戦略に基いて、ああいう荒唐無稽な嘘八百のことを書いて、都民を迷わせる行動に出たのであると思うのであります。ところが住民投票の結果を見ますると、四割に近いような反対投票があつた。その反対投票は外の動機からした者もあるかも知れませんが、大体において私の察するところはあの日本共産党の軍事基地設定のための首都建設法案であるということが非常な影響を與えたことは事実であると考えられるのでありますが、住民投票に関するところの法規がない。従つて住民投票に対するこれに罰則規定もないということは言い得るかと思いますが、一般普通刑法、その他の刑罰法規というものに当然私は常識的に考えて抵触しなければならんものだろうと思うのであります。勿論経済的な利益を目標としておるものではありませんから詐欺罪のようなものは成立しないでありましようが、ともかくも悪意を持つて、嘘八百であるということをみずから知りながらそうした行動に出たということについては、当然に私は処罰されなければならんものであると思いますが、これは政府の法務府総裁等からも一応意見を聞いてみる必要があると思うのでありますが、事は東京都に関してでありますから、その東京都に行われた首都建設法案に対する日本共産党の荒唐無稽なる嘘八百のポスターを貼りまくつたということについての警視総監としての御意見をこの機会に一つ承わりたい。
  68. 田中榮一

    ○説明員(田中榮一君) 去る六月四日の参議院選挙投票日におきまする首都建設法の法案に反対をいたしました某政党の取締の件につきまして、只今御質問がありましたが、本件につきましては、特にこれらの運動をする人々が特定の政党のスローガンを同様に掲げたり、或いは特定の候補者のために選挙運動をするというような疑いのあるものにつきましては、公職選挙法の第百二十九条の規定からいたしまして、選挙当日においては一切の選挙運動はできないことになつておりまするので、この規定からいたしまして取締をいたしたのであります。  それから尚只今お示しの軍事基地化反対その他のいわゆる反米的のスローガンを掲げておつたのでありますが、この点につきましては政令第三百十一号の規定からいたしましては、はつきりこれが反米的であるということにおきまして、反米的の文書図画を頒布する、或いはこれを貼付したというようなことによりまして、これを取締ることに相成つております。ただこの反米的スローガンの解釈と問題でございますが、軍事基地化反対というようなスローガンにつきましては、実は以前から方々にこれが貼付されておりまして、この点につきまして関係筋ともいろいろ取締方法につきまてしも研究いたしておつたのでありますが、或る一定の時期に連合軍司令部の方から相当強い命令がありまして、これは選挙後でございますが、自今こうした反米的のスローガンを掲げた文書図画を頒布貼付するような場合におきましては、それの現行犯は勿論のこと、これらのぷらカード、貼紙、ビラ等を製作した者に至るまで、政令第三百十一号の規定によつて取締を厳重にするようという命令を受けまして、只今におきましては見付け次第取締をいたしてえるのでありますが、当時といたしましてはまだ十分にその辺我々といたしましても、スローガン等の解釈問題がはつきりいたしておりませんので、十分な取締ができなかつたのでありますが、今後は相当厳重に一つこの点を取締をして行きたいと、かように考えております。
  69. 吉川末次郎

    ○吉川末次郎君 選挙運動の一つとして取締つて行くということ、それから反米運動ということの点から取締るということ、それについての御答弁は只今ありましたのでありますが、私が専らお尋ねしたいと思うことは、そうした御答弁の内容をなしておる二つのことよりも、嘘であるということを自分みずから意識しつつ荒唐無稽のことを書いたポスターを貼るということが、何らかの現在の刑罰法規に抵触しやしないかという、これは法律問題になるかも知れませんが、それについてのあなたの御意見を承わりたいとこう思うのであります。
  70. 田中榮一

    ○説明員(田中榮一君) この点につきましては、すでに私の方から関係方面にそういつたことを提示いたしまして、先方におきましても内閣的に今研究しておるようであります。まだそれに対しまして、何ら私の方に、ああせい、こうせいという指示はなく、内部的に研究を続けておるようであります。
  71. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) ではこの程度で本日は散会いたします。    午後三時十分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            吉川末次郎君            堀  末治君    委員            黒川 武雄君            岩木 哲夫君            山田 佐一君            林屋亀次郎君            柏木 庫治君            西郷吉之助君   国務大臣    国 務 大 臣 本多 市郎君   説明員    地方自治政務次    官       小野  哲君    地方自治庁次長 荻田  保君    警 視 総 監 田中 榮一君    地方財政委員会    委員長     野村 秀雄君