運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-07-13 第5回国会 参議院 建設委員打合会 閉2号 公式Web版

  1. 昭和二十四年七月十三日(水曜日)    午前十時二十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○建設事業一般並びに國土その他諸計  画に関する調査の件  (デラ台風の災害復旧対策、緊急失  業対策事業及び國土総合開発等に関  する件) ○都市計画の路線の変更についての請  願   ―――――――――――――
  2. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それじや本日の建設委員打合会を開会いたします。昨日中央氣象台長の出席を要求しまして、デラ台風の被害状況を聽いて見ますというと、その影響も頗る廣範囲且つ深刻であるということが分りました。それから更に河川局長の出席を要求しまして、本年受けた災害の調べを一應ちよつと聽いたのでありますが、併しその報告というものは、各府縣の報告をそのまま受容れたもので、建設省として責任ある調査でないことも分つたのでありますが、併しそれにしましても、災害が南九州始め、四國方面に互つて相当程度のものであり、且つこれが災害復旧について非常に巨額を要するということも分つておるのであります。これに対して、建設大臣の今後の御対策並びに当面の処置等をお取りになつたことについて、一つ御説明を拜聽したいと思いまして、御出席を要求しました。委員諸君において何か初めからお聽きになるような項目でもありますれば、前以て発言して、発表して頂きたいと思います。
  3. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 どうせこの順序によつてなさると思いますが、第五の緊急失業対策事業に対する助成、これについてちよつと大臣にお尋ねしたいと思います。そうしてこれは委員長からお話がありますか……、今の委員長の順序によつて行きますか。
  4. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) いやこれでなくても……、それで差当り災害対策ということを先にいたしまして、それに伴うて各種の建設事業の進行状態と伴いまして、失業対策をそれに加味して行くことといたします。
  5. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) デラ台風に対する今日まで政府の取りました処置について御説明申上げます。一昨年並びに昨年の台風の後始末もまだはかばかしく参つておらないのに、今回六月二十日でありますか、二十一日でありますか、南九州へデラ台風が上陸して、そうして非常な莫大な災害を九州方面において受けたことは、誠に痛嘆に堪えないのであります。そうして尚又二十六日から二十九日まで、又最近は七月の四日、五日の各地における豪雨のため、やはり相当の被害を蒙つております。建設省関係におきましては、デラ台風以前の全國の損害と、デラ台風による損害、デラ台風後に蒙つたところの損害、総額はお手許にすでに参考資料を差出してあると存じますが、大体百四十億以上になつておるのであります。これももとより只今委員長の仰せになつたごとく、建設省といたして責任を持つて申上げることのできない数字であります。現在建設省といたしましては、地方の報告に基いて、今嚴密に損害の金額を査定いたしておるのであります。恐らくは遠からんうちに完全なる調査を完了することと存じております。この災害に対しまして、政府といたしましては取敢えず災害復旧費を除く第三四半期、並びに第四四半期の一般公共事業費中から十億円を差繰りまして、この台風の復旧に充てることにいたしました。尚預金部の融資といたしまして十億円であります。総計この災害に対しまして、取敢えず二十億の支払をいたし、又融資をいたしてこれに應ずる應急の措置を取つたのであります。もとより今後調査をいたして参りますると、この金額では足りませんと存じておりまするが、放擲できない部分については何らかの措置を講じたいと存じておるのであります。もとより只今申しました通り、今回の災害から見ますると、政府の取りましたこの應急措置の金額では足りないと思います。思いまするが、これは十分に嚴密に査定をいたした後に、どうしても近く予想せらるべき出水期に対処するがために、放擲いたすことのできない部分については、何らかの措置を講ずるつもりであります。今回のデラ台風その他の災害に対する應急措置といたしまして、政府の取りました措置は以上概略申上げた通りであります。
  6. 北條秀一

    ○北條秀一君 大臣にお伺いしたいのでありますが、公共事業費の中から差し繰つて十億円出したというお話でありますが、この問題は第五回國会におきまして予算の審議に当つて、本委員会においてこうした風水害の緊急の対策について、相当深刻に論議されたことは大臣よく御承知でありますが、この十億円は公共事業費から当時の考えでは稔出できないと考えておつたのでありますが、どういうふうに取扱つたのか、それを伺いたいと思います。
  7. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 御承知の通り公共事業費は年間を通じて御審議を願つております。それを交付いたしますには、例えば助成金といたしますれば、助成金を交付いたすには四期に分けて交付いたしております。即ち第一四半期は四月から六月まで、又第二四半期は七月から九月まで、第三四半期は十月から十二月まで、第四四半期は一月から三月までというように、四期に分割いたしまして、それぞれ助成金を交付いたしております。從つて今回は御承知の通り災害に対する予備金等の備えがありません。從つて他にこの財源の稔出方法がございません。故に差当りこれは放擲できない被害でありまするから、それに対して今後交付すべき、或いは今後政府として事業を遂行いたして施行いたさなければならんその部分から、第三四半期、第四四半期から、これはまだ交付いたしておりませんから、それを差し繰つて取敢えずこの方に充当いたしたのであります。もとより本年の公共事業費は、その種類の如何に拘わらず僅か五百億でありまするから、どの公共事業費も緊急必要なもののみであります。從つて私責任の立場といたしまして、公共事業費は差し繰りをいたしておりまするが、これをいわゆる取りつ放しにして置くということは、私は自分の責任上できないと思うので、何らかの方法によつて助成金といたして交付すべきもの、若しくは政府の施行すべき仕事に対しては、別途の考えを以てこれを埋め合わして参らなければならんと存じておるのであります。併しながらここで追加予算を出して、そうして埋め合わすとか、或いは災害費に対して新たに追加予算を出して御審議を願うというようなことについては、未だ政府の閣議等において決定いたしておりませんから、明確にお答えすることはできないのであります。併しながら只今申しました通りいずれの公共事業も必要緊急なるものと確信いたしておりまするから、差し繰りをいたしたものは別途の方法でこれを埋め合わして参らなければならんと存じております。又只今申しました通り、今回のデラ台風並びに前後の災害については、二十億の緊急應急処置を取りましたが、これももとより十分と申上げることはできません。どうしても手当をいたさなければならん部分、即ち放擲いたして置くことのできない部分については、今後実地の調査をいたしました上、それぞれ適当な措置を取りたいと考えております。
  8. 北條秀一

    ○北條秀一君 大臣の今のお設によつて分りましたが、重ねてこの点について質問と意見を申上げたいのですが、先の國会におきまして、こうした風水害が起きた場合には、起きた後に緊急に処置をするというお話でありました。今回の処置は当然大臣がその当時言明された通りの処置をされたと思うのですが、この災害復旧費、即ち公共事業費の中から出すところの災害復旧費は、今大臣のお話の通り一文も、一銭と雖も余裕がない筈なんです。從つて枚回のデラ台風における被害が、報告額は百四十億でありまして、現在我我の同僚議員久松君が調査に行つておるわけでありますが、いずれ今月末にその調査報告があると思いますが、それだけの十億円の復旧費では到底足りないということは、私共早くから予想されるのであります。そうなりますと、今後その復旧に対して差し繰るという余裕は今現在の予算にはない筈なんですが、そうなりますと、いよいよデラ台風の被害の復旧が遅れて参りますし、当然又秋起るであろうと予想される風水害というものを考えますと、勢いここに根本的な処置を講じなければならんと考えるのですが、追加予算であるとか、或いは補正予算であるとか、そういうふうな根本的な措置について大臣のお考えを今承つて置きたいと思うのであります。
  9. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 只今申上げました通り、いずれの公共事業費も今日の現在の状況では無論緊急なるものであります。從つて差し繰りいたしました部面については、これの予算的の埋め合わせをいたさなければならないと、責任者の私はかように存じております。おりまするが、未だ閣議において追加予算として出すかどうするかということは決定いたしておりません。從つて責任を持つて明確にお答えすることができないのであります。尚今回の差し繰りました十億円は、先程申しました通り本年度分の災害復旧費の助成金、それを除いておりまするから、第三四半期、第四四半期という先を待たないで、そうして一日も早く目睫に迫りました次の出水期に備えるために、尚二十億災害復旧費は建設省として持つております。第三四半期、第四四半期の分、これを能う限り早く出して、そうして災害防止並びに災害を減少するという方面に役立たして参りたいという考えから、今関係の各省と熱心に相談をいたしております。一日も早く十月以降使うべき金を今成るべく早く出して貰う。そうして災害復旧をいたし、災害を防止し、若しくは軽減いたしたいと思つて今努力をいたしております。
  10. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 とにかく今回の出水は少し早過ぎたというのか、もう一回來るだろうということはまあ分つておることだと思いますが、そこで今言つたように金を先に出してしまつたというようになると、恐らく今大臣も大分苦心しているようだけれども、これはどうしても追加予算でもしなければならんということになると思う。ところでこれは失業対策で十億とか、見返資金の方から廻つて來るとかいうことを聞いておりますが、さようなことも、そのくらいの問題でも、私は誠に我々としては十億くらいではとても足らんと思つておりますし、政府もさようと思いますが、かような問題を一つに纏めましても、建設関係においても一つこれは至急臨時國会を召集して、かような問題を解決するに当るべきだと思うのであります。大臣の御意見如何でございますか。
  11. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 新聞等により御承知のことと思います。新聞に報道せられる金額、その他いわゆる助成金の振り当ての種目については、全部が確実であるということは私申上げることができません。尚いろいろの新聞に種々出ておるのでありますが、これ必ずしも正確なものではないと思つております。思つておりまするが、とにもかくにも政府といたしましては、今回の失業対策というものを噛み合せて勘案いたして、そうして公共事業をいたしたい。それには見返り援助資金と申しますか、見返資金、これをできる限り多くこの面に充当いたしたい、使いたいという考えで今各所管の役所においてそれぞれの方面と折衝いたしております。併しながらこの見返資金の援助資金と申しますか、これに対する見通しは、遺憾ながら今日のところではまだはつきりどの方面にどれだけ振り向けるか、又どの災害復旧費に振り向けられるかというようなことは、全く今日はまだ明確なる見通しがございません。成るべく皆樣方の御意思に副うように努力いたしたいと思つておりますが、只今申しましたような事情で明確な見通しがついておりません。從つて私からもはつきりしたお答えができないのを遺憾といたします。
  12. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 それでそういう問題を解決するために、建設大臣としても早急に臨時國会を閣議で持ち出すようなお考えはありませんか。
  13. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 財源の見通し等が立たなければ、漠然と國会を召集いたしましてもどうかと思いまするので、御承知の通り政府といたしましては、臨時國会召集の熱心なる要望もあります。ありまするから、成るべく速かに國会をこの要望に應えて召集いたす考えで、それぞれ研究調査をいたしております。いたしておりまするが、まだシヤウプ博士の税制に関する勧告案と申しまするか、成案というものもできないようでありますが、これに基いて政府は先ず減税の方面に力を注いで、又一般公共事業費の方面に予算を捻出いたそうという考えで、熱心に調査をいたしておる状況であります。でき得れば一日も速かに國会を召集いたし、皆樣方の御審議を願いたいと存じておる次第であります。
  14. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 災害関係について少しく、お尋ねいたします。但し大臣の御答弁がなくても局長の御答弁で結構であります。大臣が近々の中に災害の実査にそれぞれ派遣するようにおつしやいましたが、今までの査定の結果を見ますと、査定したら、即ちそれが補助金があるものと、こういうように府縣が考えまして、その結果実際に補助金が行くことは非常に遅れていても、今申したように補助金があるという観点から仕事をして、つい誤解して、役所が約束をしながら金を寄こそうとか、そういうことを今までの國会でも非常に強く言われるのです。でありますから、今回査定に行く場合には、査定してそれで合格しても、直ぐ補助があるものと、そういうことの観念が根本的にないように指導されるのは当然でありますが、それに対する局長の御意見をお伺いいたします。
  15. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 今までの査定の行き方は予算の有無に拘わらず、先ず査定に出かけまして、地方の工事の補助、適格なるものの認定をしたわけですが、これが今までですと、これで府縣は査定額そのものを目途として仕事をやつて参りまして、多少補助費が遅れましても、府縣の財政で賄つて行つたのでありますが、御承知の通りに最近非常に府縣の財政状態が苦しいものですから、早くこの國庫補助を要求して來る。いわゆる査定したものを、國庫で出すことを予約したというふうに近頃はなつて参つたのであります。でこれでは査定ということによつて権威つけたことが、却つて補助を出す予約をしてあるのだというふうになりますので、我々の方では非常に苦しい立場に現在追い込まれておりますから、本年からはこの行き方を変えようと思つておるのであります。と申しますと、大体予算の見通しがついてからその予算に相当するものを査定して行くという、根本の原則に立ち返りたいと考えておるのでありますが、ところが府縣の方ではやはり全体の査定をやつて、大体の見通しをつけて貰いたいという希望もかなり強いのであります。ただ補助は將來あるが、必ずしも思う通りは出ないのだということの條件でも査定はやつて貰いたいというのは、縣としてはこの工事は將來補助ができるというような見通しがつきませんと、縣自体の計画は立たんということもありまするので、やはり査定は從前通りやつて貰いたいという希望が相当強いようであります。そこでこの行き方は、いずれ九月の本当の災害時までに決定したいと思いますが、今度の七月に災害に対しては、差当り十億の融資と更に公共事業費から十数億を出すということになつておりますから、この十数億の予算が確定したものとして、それに対する今回は嚴密な査定をやつて來いと、非常に時間もありませんから、そういうふうな行き方をしたいと考えておるのであります。いずれ査定の根本方針は次の査定の時期までに決定したいと思います。
  16. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 十数億というものは、すでに予算があるものとして査定になつて、その場合に次の災害の査定によつて根本方針を決めると、つまり今度は根本方針は決つてない、こういうふうに聞えるので、非常な矛盾でないかと思う。十数億の予算に対して査定するならば、今までの査定とどこが違うか。もうすでに今回行く査定官が違つた考えを持つて行かなければならん筈です。それに何ら指示でしてないとされるならば非常に変なことです。
  17. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 今のところは御承知の通りに補助規定によつて行くのでありまして、今までのところ方針を変えたとすれば、補助規定の改正ということになるのであります。で補助規定の改正までには相当時間もかかるし、又相当これは問題がありますので、研究を要する事項が相当あります。で補助規定は変えないで、今度の査定というのは一應この十数億に対する緊急な査定である。内輪の査定で、全体の査定よりも緊急に十数億の箇所をどこに決定するということを目途として査定するのであつて、補助規定による全体の査定というふうには今考えておらないのであります。と申しますのは、いずれ九月が間近に迫つておりまして、九月の出水を見ませんと、本当の災害箇所がはつきりしないのであります。多少とも増加する可能性も相当ありますので、今嚴密な査定をいたしましても、更に九月雨がありますれば、又出かけて行かなければならんということは分り切つておりますから、この際は災害総額の大体の見通しと、この十数億をどこに使うかということ、その点の嚴密な箇所決定の方に力を入れたいと考えておるのであります。というのは今までの行き方と申しますと、全体を査定しまして、それで施工箇所は府縣の知事にこれを大体一任したのであります。この行き方は往々にして重点施工を我々は要求しながら、その意思に反して知事が施工する場合があるのであります。その弊害といいますか、それを是正するためには、予算が決りましたら、十数億の箇所を嚴密に査定するということがより有効である。いわゆる第一段階の予算の決りました所を査定するということが有効であるという考え方から、全体査定の一部を早急に実施したいという考え方で進んでおるのであります。
  18. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 大体御方針承りました。そういたしますと、災害の査定に行きます場合に、ややもすると机上査定、現物を見ないで机上査定というようなことがあると思います。今度は実際に必要な所を嚴重に査定なさるという御意思ならば、やはり災害箇所を全部机上によらないで審査なさるのですか、或いは机上によるものがあるのですか。
  19. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) そこで今度のものは百二十数億の内十数億だけを査定するのでありますから、一應府縣から緊急にこの仕事はしたいという箇所を取りまして、これを現地にわたつて査定したいと、要するに現地を見ませんと、府縣の言う今の机上査定という形で行きますと、往々にしていろいろの説明の仕方に惑わされまして、実際を掴めないということがありますので、今度はできるだけ現地査定をやりたいというつもりでおります。
  20. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 現地査定は結構ですが、そういたしますと、今後の査定といいますか、或いは年によつて査定の方針が非常に変つて來たように思います。今度は嚴重になさるでしようが、又それに九月も水害が多分あろうと思います。そういう関係がありますので、この査定方針は、現在の災害復旧工事補助規定に基いて、あの方針を急に変えることができんとすれば、査定方針は年々変るようなことはなしになさるのですか、どういう方針でなさるのですか。  もう一度言いますと、査定方針が時によつて、査定官によつて或るものは査定として認める、或るものは合格する。こういう情勢が地方にありますから、それに対する適確な御意見を伺います。
  21. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 今赤木委員のお話御尤であります。査定を嚴正にやるということは、非常に必要なことでありまして、査定基準を或る一定の方式に作るということは必要なことであります。併しながらこの一定の方式に作りましても、如何なる形に詳細なる基準を作りましても、査定官そのものが、認定の事項が相当廣範囲に亘つておると思うのであります。人によりまして、或る程度の誤差と申しますか、いろいろな解釈の相違が出て來ることは予期しなければならないところであります。最もいい方法といたしましては、一人の人が全部各縣を廻つて査定するということが望ましいことであります。一人の人で、同一人で、同一人の頭で、目で見るということでありますれば、今のようないろいろな各縣まちまちの行き方にはならんのでありまして、そういうふうに持つて行きたいと考えておりまするが、これもその災害の範囲が権限された場合、例えば今度のような九州地方というように極限された場合は、これは可能でありますが、全國に亘るということになりますと、なかなか同一人で長期間査定するというようなことが非常に困難でありますので、できるだけ各縣に不公平のないように、同じような目で見るという行き方を今後は取りたいと考えております。これが査定を公平にやる一番最良の方法だと私は考えております。そこで査定の今の基準でありますが、基準は毎年変るのではいかんではないか、こういうお話であります。そこで一番基準で今問題が起きておりますのは、補助該当災害であるという認定をつけまするが、この災害は補助すべきか、すべからざるか、いわゆるこの程度の金であれば、或いは府縣の労力で簡單にできるのではないか、例えば最低限度を何万円に抑えるか、昔は二百円、五百円ということで抑えていましたが、この物價がこういう変動するときには、或る程度これは上げて行かなくてはならんではないかというのが、この際基準として重要なことだと思うのです。それは恐らく毎年変るべき性質のものと我々は考えております。それからその今の昔から來ました査定のうちで、原形復旧主義をずつと取られて來たのであります。できるだけまあ改良は考えて行かないというのが昔からの査定方針です。というのは成るべく國の費用を出すまいということでかかつて來たのでありまするが、この方針は昨年あたりから大分方々からの議論がありまして、これは原形復旧だけでやることは結局金を捨てることである。多少そこに再び災害の起らんような多少の改良といいますか、改善をここに加味することが災害を少くするゆえんであるというような観点から、今までの査定方針よりも多少積極性を帶びて來たということは、昨年あたりから変つて参りました。それが査定の規定の基準の重要なるフアクターだと今考えておりますが、これが毎年変るというふうにお考えでありまするが、これはやはり社会情勢によつて多少この方針は変えて行くべきものである。第一段の最低の線をどこに引くかというようなことはそのときの地方の財政状態、そのときの物價の状態というようなものを考え合せまして、これは決めるべきものである。これは多少は毎年変る性質のものであると考えております。
  22. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 大体分りました。もう一つお伺いしたいと思います。査定に行く場合に、少くとも災害査定官は各府縣の災害を査定する人よりも、多少優れた知識、或いは少くとも專門的の人が行かないと、若しも府縣の人の出した設計が、或いはこちらの査定官の査定したものよりも優れているというふうなことも仮りにあるとするならば、査定に対する権威が非常に疑われると思うのです。その意味でこれは少し行過ぎか知れませんが、御承知の通り建設省は、道路は道路の專門、河川は河川の專門、こういうようになつております。でありますから、河川の方がやはり河川の災害箇所を査定なさるのがこれは当然、又道路の方が道路の災害箇所を査定なさるのは、これも当然、少くともその地方の技術よりも一歩進んだ見解を以て査定なさると思います。今局長の言われた通りに、災害査定には單に原形に止めず、多少でも改良を加味すると、そういう場合には少くとも地方の技術者よりも多少優れた技術を以てなさるが当り前で、そういう観点からして、災害箇所に当つては、或いは砂防は砂防の專門家、道路の災害なら道路の專門家、或いは河川の災害なら河川の專門家というように專門家を以て災害査定に当つた方が、これは技術の向上にもなるし、一歩進んだ改良になる。これに対して全然関係のない者、極端に言いますと、学校を出てまだ間がなく、余り経驗もない、そういう人が査定官であるという見地からして査定すると、却つて府縣の出した設計よりも惡いことを査定するというようなこともなきにしもあらずで、そういう現実も亦知つていなければ、これは飛んでもないことになる。そういう観点からして、今後の査定は少くともその査定箇所に專門家を派す、こういうことが、建設省の権威を高める。こういう点から尤もと思いますが、これに対して局長の御意見如何がでしようか。
  23. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 我々もその御意見には非常に賛成であります。ここで我々の今日問題になつておりますのは、災害としうものを河川局の一課で取扱うことの、分課の問題が今議題になつております。やはりこの災害には、道路の災害あり、砂防の災害ありでありますから、これは各專門局の方では、專門家の方では、これはお互に別別にやるべきだという主張もやつております。そこで我々はそうするのがよいではないかというふうに考えたときもありますのですが、ところが地方廳におきましては、この予算を各局各課で縛られるということが非常につらいということで、これに対して、反対意見が起きておるのです。と申しますと、今の災害が、本当に災害査定した金額そのものが一年或いは二年で配当できるものでありますれば、今のようなことは可能でありまするが、これが今のように非常に少い、何割というような、二割、三割というような金を出すのでありますから、どうしても府縣知事が適当にその間の緩急の度を勘案してやらして呉れ、やらせなければこれはもうやりにくいというようなことがありまするので、却つてそういうふうに分けることの反対が現在起きているのであります。この問題はもう少し予算の將來積極性を持つ災害復旧費になるかどうかによつて、これは考えなくてはならんと思うのであります。  それから府縣の方の技術官が本省の査定官よりも場合によると相当優秀であるということも肯定できるのであります。ただここで我々の最も査定官として心得なくちやならんのは、技術的な指導が或いは多少不公平でありましても、府縣同士の公平なる査定ということに重きを置いておるのでありまして、やはり箇所の選択方法の査定というのは或る程度府縣の技術者に任しておいても結構でありまするが、この箇所は災害として取上げられるかどうかという観点を重視しておるのであります。これが結局各府縣に行く金の基礎になるのであります。そういう点を重視するのでありまして、そういう点におきましては、公平なるやはり本省からの、たとえ多少後輩であり、技術が優れておらなくても、地方におります人が公平なる立場においてこれを査定するということが必要なるゆえんだろうと考えます。
  24. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今の御意見で私は少し意見を申したい。成る程公平なために、各府縣を通じて公平な査定をする。ところが事実はそうされていないことが往々ございます。我々が地方に行きましても、或るものは査定として認められた。そうしたところに類似のようなものが査定として認められておらない。その点例を少し言いますと、そういうことがあります。でありますから、公平必ずしも実際公平にやられていない。でありますからして、これは一つ局長に、非常に局長がそういうお考であれば、本当に、実際に公平に行くようにやらしたい。今言う通りに、或る府縣では認めないものが或る府縣では認められておる。又地方査定に行く前に打合せは当然なさるでしようが、査定官のそのときの考で、どうも非常に変なところがある。これは事実あるのですからして、これは余程公平の上に査定を願いたいとお願いします。  それから大臣に一つお伺いしたいのですが、今事務当局の考では、災害を受けた場合に、原形復旧だけではいかないから改良も加味する。これは御尤もであります。併し私は日本の河川におきまして、根本的計画に基いた河川はいざ知らず、それ以外の河川、つまり治水の完全にできていない河川において災害を受けた場所を、それを復旧してもよろしい。河川が根本的に水利計画ができていないならば、よしその局部だけ改良をなされても目的が達し難いと思います。でありますから、私のお伺いしたいのは、場合によりましたら災害復旧は仮工事で止める。仮工事で止めて置きまして、根本的の治水ができて、これならばいいというときに本工事をなさる。そういう方法に改めた方が今後の日本の治水全体に対して國としてやり得ることじやないか。初めから本工事をしないで一時は仮工事をする。仮工事をして全体の計画、全体の仕事は全部そこに本工事に移す。つまり仮工事と本工事と二つの時期にしてなさつた方が政府の計画としていいと思いますが、これに対する大臣の御意見を伺います。
  25. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 只今赤木委員のお話は全般の災害復旧に通ずるかどうかは私も專門でありませんから、或いは復旧だけで差支ない場合もあるし、又今おつしやつたように、仮工事的の工事をいたして、根本的治水計画を立て、將來本工事にいたすというのがいい場合もあると思います。この点は私工事のことについてはしろうとでありますから、先ず参考として研究をしなければならんお尋ねと思いますから、各河川について十分に研究をいたして参りたいと思います。
  26. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私の尋ねた趣旨は、今までの査定は仮に原形復旧以上に改良を加えましても、つまり災害査定によつて仕事は必らずしも公平であるというものは殆んどないのです。これは災害工事で済むものは別です。災害の査定を受けてやる仕事は大体本工事です。それでもいけない箇所が多々ありますから、この点は今大臣のお話の通りに特に御研究を願いたいと思います。それから次に大臣にお尋ねしたいのは、緊急失業対策の問題、先に大臣からお話がありましたが、それは私はどの費目にどれだけ金をお出しになる、そういうことをこの際に承ろうとは思いません。これはいろいろの関係がありますからい思いませんが、やはり公共事業費、殊に土木関係の公共事業費と、緊急失業対策の事業に限られておることは先程大臣のお話にもございましたが、どういう性質のものを失業対策の対象とされるか、その御方針を承りたい。
  27. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) これは先程も申しました通りに、まだはつきりいたしました見通しがありません。從つてどの仕事を失業対策の対象とするかということは今日のところは明確にお答えする時期ではございません。即ち未だに決定いたしていないのであります。ありませんが、安本並びに労働省等と相談をいたしまして、例えば都市における清掃事業でありまするとか、都市周辺の道路でありまするとか、或いは重要産業に対する労務者の住宅の方面とか、或いは又上水、水道であるとか、いろいろの失業対策を加味した公共事業に対しては研究をいたしております。そうしてこの事業に対してはどれだけの労務者を收容することができるかというような数字的の研究もいたしておるのであります。併しながら只今申しました通り、この事業にどれだけの金をどうするかということは決定いたしておりません。さように御承知を願いたいと思います。
  28. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私のお尋ねしたのは、どの事業にどれだけの金をお出しになる、それを承つたわけではありません。今大臣も申されましたが、或いは道路も都市計画の一部にあつたらしいのです。そういうふうな意味で、つまり都市周辺の土木事業になさるのか、或いはその金の大部分が労力費として費されるものに出されるのか、そういうふうな御方針が大体あろうと思います。その御方針を承りたいとこう思います。
  29. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 失業対策的の公共事業ということであります。無論これは今の考では各所管の署で仕事をいたすのでありまするが、そこに失業救済、失業対策というものを考えて出しておりまするから、特に土木事業のごときは無論資材の費用も要しましよう。いろいろ要しましようが、主として労務者に対する費用が多いと思うのであります。そういうものを取上げて、そうして公共事業を出して行きたいという考えで進んでおるのであります。
  30. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 端的に申しますと、お話の通りに成るべく失業対策としてはその金の大部分は労力費に投ぜられるものと、それから失業者の受入態勢の可能の場所、これは議論の余地がないのです。そういう点から申しますと、これも災害と関連いたしまするが、今度は非常に災害が大分起つた、この災害の起つたたびごとに何十億、何百億という金を出すことになつておりますが、一体こういうふうなことも止むを得んと思いまするが、これと同時に災害を起らないような根本策、災害復旧、どちらを重視なさるか。場所によつてはもとより災害復旧が大事でありましよう。場所によつてはそういう災害が起らないように予め仕事をして置けば何百億という災害をなくする、こういうものもあらうと思います。そうしたら、私の考によりますれば、場所によつては、或いは災害を起さないように予め仕事をする。これの方が重要性があるように思います。これは無論箇所によつて違います。從つて災害復旧費、それから治水の根本事業はこれはもうどちらも軽重特に論じ難いと思いますが、これに対して大臣のお考えは如何でございますか。
  31. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 災害を起さないようにする根本的の仕事をいたすことが主眼であります。從つて御承知の通り取敢ず先般全國の利根川を始め十河川を選定いたしまして、これに対する根本的治水計画を樹立いたして計画を今進めておるのであります。災害復旧は止むを得ずいたすものであります。從つてその根本であり、根源であるところのしつかりした治水計画をやるということは理想かと思いますが、さようにして行かなければならないのでありますが、御承知の通りの水源地のごときは殆んど荒廃いたしておりますので、僅かな雨で土砂が崩壞するということになりますが、どうしても山を治め水を治めるという根本政策を建てて、それに主力を盡してやらなければ賽の河原のようなものでちよつとした雨で崩れる。又その手当をするということではいつまで経つてもいたちごつこですから、根本的な治水計画を樹立して、これに対する措置を講じて行かなければならないということは赤木委員の御説明の通りであります。從つて金額は僅かでありますが、利根川なども根本的治水計画の線に副つて乏しい予算でありますが、その線に副つて改良費をその方面に振向けていたしたいと思つております。これは災害復旧は繰返して申しますが、止むを得ずその根源を絶つことは政治の上に、又建設省といたしましてもこれを主眼としてやらなければならんことは御説の通りであります。財政の許す限りその方面に力を注いで参りたいと思うのであります。
  32. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) ちよつとお諮りいたしますが、委員の発言を妨げない範囲内におきまして委員外議員の発言を許したいと思いますが、これは委員のその適当な機会において許しますから……。
  33. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 よろしうございます。それから大臣が災害並びにこれが根本治水を重視することはこれは当を得た御答弁であることは有難く拜聽いたしました。そのお考えならば、引続いてお願いをし又お伺いをしたいと思います。この治山治水に対するこの内閣の考えは治山は非常に重視されておるということも存じております。併し実際予算面に現れたことを見ますると、誠に僅かな額であります。併し果して治山がされておるかというと僅か七億の砂防費でこれが治山をしたというようなことは公言できない。これを昨年の金に比べますと、少しは殖えておりますが、実際の仕事は昨年に及ばないのであります。私は吉田内閣が治山をしたということは天下に大きく言われないと思います。ですからその意味で私先程災害に対する仮工事と申しますか、或いは本工事と申しますか、お尋ねしたいのですが、仮に今大臣のお話の通りに土砂が出て來て川床が埋つてしまうのでありますから、災害を受けたときに上流を根本的に抑える、その抑えただけで暫く仮工事で我慢する、上流がすつかり治まつてこれで水害の禍根を一つ絶つて本工事に移るという方針になされば、今後の水害は余程変りはせんか、併し今度の建設省のやり方はむしろ逆で、それも大臣か知らんが、とにかく目先の復旧工事をやるという指導精神をこの際お考え置きになさらんと非常に間違いやせんか、我々は仮にドイツ何かを見ますと、あの辺に水害なんかありませんが、たまたま中小河川くらいの河川が壞れておりました。その場所を見ると、何ら仕事をやつていない。簡單な仮工事しかやつていない。何故災害復旧をやらないのかと聞けば、この上流の山がいけない。だから今その工事をやるようにやかましく言つて、三分の二の補助を出してやらしておる。あれができてしまつてから本工事をやる。それまでは我慢すると言つておつた。こういうようになさらん以上は決して日本の治水はできん。これに対して建設省殊に大臣の今後の指導方針に特に御考慮願いたいと思うのであります。  それから先程の緊急必要に対しての問題に対して、大臣もそういうふうに砂防の重要性を御承知ならば、仮に砂防工事費を出して、それが都市周辺の失業救済に役立つ。これは労力費が昭和七年、八年、九年の農村匡救にそれまで三十万円しかないのを三百万円にした。これは砂防事業に労力費を沢山要するので、大部分はこれは機械もない、セメントの費用が少し要りますが、そういう意味で画期的砂防事業をやつたのです。それまで砂防事業は殆んどしなかつた。それで昭和七年、八年、九年の事業で長野縣で初めて砂防工事の重要性が分つて、砂防工事をやらなければならんというのでやつたのです。であるから神戸市、佐世保市、呉市とか直ぐ仕事をしなければならん。失業者が沢山できておる。当然これには失業対策の対象としてお考えなさるべきが当然でありますが、これに対してお考えになつておりますか、如何ですか。
  34. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 十分研究いたしたいと思います。先程申しました通り、建設省、経済安定本部、又商工省、労働省等からそれぞれ專門家が集まりまして、研究いたしております。お説のごとき砂防、都市周辺の河に対する砂防、これも誠に失業対策の上から言つて、治水の方面から見て誠に緊要なる仕事と思います。十分研究いたします。
  35. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今安本とも連繋を取つてなさるというお話は結構でございます。この際私は大臣にお願いして置きたいのです。安定本部の今度名前は変つたか知れませんが、前の建設局、これには公共事業が関連しておるのですが、そこに河川は河川、そういうふうな專門の技術者が建設省の兼務でやつております。ところが砂防に関してはない。河川の技術者が砂防を見ておる。それがために不備の点がある。率直に申しますと、河川の技術者は砂防を余り了解されないのか、或いは軽視されておる。こういう姿は方々にある。それでありますから、少くともこういう非難が世間に分らない観点からしても、安定本部にやはり砂防の專門の技術者に建設省の技術者を兼務されるように特に御配慮願いたい。砂防に関しては技術者はない。これを特に御配慮願いたいと思います。
  36. 北條秀一

    ○北條秀一君 先程來の問題でありますが、この今回のデラ台風による十億の緊急支出の問題は分りましたが、それと現在河川局長が説明しました災害査定との関連はどうなるかということと、十億円はどういうものを基準にして、そうして又緊急にどういうふうに支出されるか、その説明を聞きたいと思います。
  37. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 只今出しておりまする緊急の十億というものは短期の融資であります。從つてこれは今後更に公共事業費の繰合せによりまして、十数億を出すことによつてこれが長期の起債に変つて來るわけであります。本当ならば大体査定をやりまして、各縣の実情を把握しまして、公共事業費を出す。それから起債をするというのが順序でありまするが、その時間的の余裕がないので、これが逆に行つたわけであります。逆に行きますると、結局今度の十数億の公共事業費、これは國庫補助ですから、これを正確にやり、嚴密にやることによつてその裏付けが長期債に変るのでありまするが、これが重要なポイントとなるわけでありまして、今後査定をやりまして、この十数億を本当に決めたいというのが我々の方針であります。差当り非常に激甚な箇所に一應融資をしろというので、十数億一時融資をしたいというのが現状であります。
  38. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) これに関連して質問として委員外の議員の発言を許したいと思います。
  39. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) これは局長からでも又大臣からでもいいのですが、先程局長のデラ台風の説明の終りの方で、査定方針はその年その年の災害量と予算とによつて決定するようになるであろうというように私は承つたのでありますが、私の耳の違いであれば結構と思うのですが、先ずこれは違いであつたでしようか、それから一問一答で一つ。
  40. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) それはそういう意味じやなくて、その年その年によつて変るというのは、災害査定の基準が場合によりますと、例えば先程お話した通り、府縣の財政を見ましても、普通百万円以下は査定の國庫補助の対象にしないとかというような基準がありますから、この基準は土地々々によつて物價と地方財政と睨み合せて変つて來るということと、それから最近の変り方としては、今の原形復旧主義に捉われないで、再び壞れないような仮工事というお話もありましたが、原形ばかりに捉われないで、多少改良を加味して行くというのに最近方針として変つて行きつつあるということを申上げたので、査定そのものの額が財政状態と睨み合せてやるというわけではないので、ただ今やりまするのは、緊急に九月までに或る程度復旧しませんと、九月の出水期に間に合わないというために、十億とそれから更に十数億を出すのでありますから、この金に対しては予算が決まつてからやるような形になつたのであります。
  41. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) もつて率直にお尋ねしますと、今までの査定はいわゆる建設省が査定額を決めたことによつて補助額に対する責任を負わされたような形になるのであるから、実際問題としてはその年の災害量と予算とを睨み合さなければ査定額を決めないというようなふうに考えられるのであるが、融資等の関係で補助が貰えなくても、融資でもやらなければならん仕事があるのだから、私はその技術的な査定というものは、この査定方針をその年の災害量とか予算とかいうことに関係なく、その災害の起きた時にもう少しはつきりした地方建設局單位の技術委員会を設けて置いて、何も東京の本省から行つたものでなければ査定ができないというようなことでなしに、査定を二通りにしたらいいじやないか、技術的査定は、これはこういうふうに原形復旧でなしに、改良を加味してこれだけの金額が要るのであるという一應の技術的の査定をして、それに対して補助をどれだけ出すかということは、これは技術的査定ができておるのであるから、これは東京の机の上でも決まることである。何故こういうことを言うかというと、査定方針を変えることがある。変えることはあるが、九月の出水期までその方針を決定したいというようなお考があつたようでありますから、そういうお考がえるならば問題であります。私は委員外でありますけれども、是非その地方建設局單位の技術的委員会でこれを決定する。無論その技術委員会には地方建設局の者も入り、民間の者も入り、又他縣でも例えば河川に堪能な技術家がおれば、他府縣の各縣からそれを入れて行けば差支えないと思うのであります。今の行き方はやはり民主政治によつてやつておつても、飽くまで中央の人間でなければ査定ができない。これは災害だけではない。あらゆる工事の査定というものが、建設省の特権工事なんかはその費用が多かつた。むしろ設計し、施工し監督する技術官の方で優秀な良心的なことをやつても、中央の管理であるが故に頭から一割、二割を引けというようにやつておる。反対に盲滅法要らん金を出しておるところもある。これらは中央集権で、中央の者が偉いというような考え方になる虞れがある。それが私は補助政策の弊害であると思う。從いまして、先程のお話の通りに、補助工事に対する方針を変更するようなお考があるかのように承つたのですが、これは現在のこの頻々と起る災害の対しては、到底補助の予想がつかない。であるから補助工事に対するところの方針は変更しない、こういう考のあることが適当であると私は思う一人であります。このお考が建設省自体のお考であるか、或いは関係方面からでも御指示があつたものかないかということは、差当り本年度の災害を処理する上において、大きな問題になるので、これをお差支のない表現でお話し願いたい。  それからこれは河川局長だけにお伺いすることは、御無理かも知れませんが、本年度の災害の見込というものが建設省にありますか。これはなくてはならない。本年度災害の見込、それから出水期を九月を決定なさつておるようでありますが、本年は型破りに梅雨の中にあれだけの災害があつた。戰爭に敗けたせいか、出水期が変つて來よる。九月の出水期まで査定の方針を決めるなり、補助工事に対する方針を決めるということは少し遅いじやないか、一昨年以來の災害の復旧ができていない。決して私は建設省当局を責めるものではない。お氣の毒に考えておる。これは國の予算の関係上、技術屋としてやらなければならんことであると分つておりながらやれないのはお氣の毒に考えておる。併しそれも本年度の災害の見込みは私共五百億を突破すると押えなければならんと思う。一應の見込みとしては災害は本年度は五百億と見込んであるのでおるが、これは建設省で一千億と見ておられれば結構であります。それに対する建設省の見込額があるかどうか。その見込額があるならば、これに対する予算のお考はどういうふうにお考になつておるか。御承知のように地方配付税は法律の改正をやつて、一六%に下げておる。地方財源というものは枯渇しておる。だから平たく言えばどんな災害が起きても見送るより仕方ないとお考になるか、今の災害工事を何とかの方法でやるか、本年度に対してどういう手を打つか、我々國会にいたしましても、災害ができた、差当り十億というけれども、これなんかは報告が間違つておるかも知れないけれども、百二十億の災害に対して十億の融資をやつて、査定によつて十億公共事業費に繰り込むことができるとしても、二十億の手当しかできない。六分の一の手当しかできない。これで河川局長なんか、技術屋として恐らく私の五百億も起るだろうという災害に対して絶対に起きないという断定はできないだろうと思う。これは実績から割つておる。或いはこの程度以上になるかも知れません。それが起きなければ、これは極めて天佑に属することで、常識的に考えれば、五百億本年度あるものと見なければならん。それに対してどういう方法で應急処置を取り、どういう方法であとやるかということが決定しなければ、九月の出水期に対して査定方針を決めるか、補助工事の方針をどうするかということが方針が立たない、こういうこの根本問題について簡單でよろしうございますから、一つお答えを願います。
  42. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 査定方針の問題、或いは査定機関の組織の問題のお話でありますが、今査定基準ですが、方針と申しましても査定基準がまだいろいろ決つておらない。やつておらないというのは、過去のものははつきり決つておりまするが、これを改良改善して行くかどうかということが決つておらないと申上げましたのは、この点は私のところだけでこの基準を決めるということは非常にまずいことがありまするので、これは農林省あり、鉄道省あり、いろいろ各省に跨つておりまするので、実は昨年來安本が中心になりまして、各省の足並みを揃えるという行き方を取つて貰うべく努力しているのでありますが、正直なことを申上げますると、旧内務省で言う査定方針は嚴格なる査定方針であつたということは事実であります。そこに建設省の行き方がこれよりも多少、何といいますか、少し行き方の変つたのを採用しておるのでありまして、こうなりますと、まじめな行き方をしておる者が馬鹿を見るという結果に今までなつておつたのであります。率直に申上げますと、安本がおられますから、惡口を言うと惡いのですが、率直に申しますと、これだけの金をこれだけ災害に出しますと、各省の割当は按分になつて來る。嚴密に査定して來たところと嚴密な査定をして來ないところと一緒くたにして予算を按分するということが往々にして起り易いのであります。こういうことは非常にまずい、だから査定基準というものを各省一樣にして貰いたいというのが我々の希望でありまして、安本がこれを取上げてやつておつたのであります。一年かかりましてもまだこれがなかなか決定しかねるというのが現状であります。併しながら我々としては安本の態度如何に拘わらず、或る程度各縣の足並みを揃えて公平に査定をするという立場において、各省の関係は別にしても、基準を作らなくちやならんということを現在考えておるのであります。それで、それに対する今の査定組織の問題でありまするが、中央集権的な中央だけで査定をしてはいかんというようなお話御尤もであります。そこで昨年あたりもそうでありますが、地方の出先官廳と言いますのは地方建設局でありまするが、ここを利用したのであります。ところが御承知の通りに災害査定なるものは河川技術者という河川のオーソリテイーだけでは災害査定はできないわけです。そこで地方の建設局を利用しました結果、これがうまく行つたところもありますが、うまく行かないところもあるというような結果が現われて來る。そこで組織の問題は相当いろいろ研究しなくちやなりません。場合によりますと、昨年もこういうことを考えて見たのですが、府縣の優秀なる技術者、経驗者を査定官に任用するわけに行きませんから、アツシスタントとして持つて行くというような行き方をやつて見たのでありますが、これは案外効を奏しておるのもあります。ですから或いは今の御説明の委員会制度というものを作るのも結構かと思いまするが、結局はその査定に行く個人の問題でありまするから、これが今のやはり行政組織上から申上げますと、どうしてもやはり本省の人間であり府縣の監督者であるという形でありませんと、権限を持たせられないということもありまして、府縣の者を使つてもいいが、府縣の者はどうしてもアツシスタントとしての形で行かなくちやならんというようなこともありまして、なかなかこの点は非常にむずかしいのであります。それならば本省にそういう優秀な者を皆集めたらどうかというお話もありますが、これは非常に少い数でありまするので、ここに我々として悩みがあるのであります。必ずしも中央だけでやりたいという意味じやありませんが、それがどういう方法を取るのが一番いいかということに相当悩んだのであります。  それから本年の災害の予想でありますが、災害予想というものはこれは非常にむずかしいと我々は考えております。というのは災害は天災でありまして、雨の降り方によつて決まつて來ることは御承知の通りであります。最近戰後非常に災害が多いという現象と、戰時中全然大きな災害がなかつた、数年これが続いて來たというこの現象を思い合せますと、何かここに終戰後に特別な、こういうふうに申上げますとおかしいのですが、天の配剤があるのじやないかというようなことで、非常に私のところではむずかしいのであります。それならば科学的にどのくらい雨が降つたらどのくらいの災害があるかというのは今申上げられます。例えば百ミリの雨が全國に降りましたらば、そういう仮定の下でありますれば、大体二百億の災害が起きる。これは全部平均しての話です。大体これは昨年度の物價によつて調べたのがこの程度であります。これが二百ミリになりますと、相当極端に多くなつて参ります。それで現状は、各河川の現状を見ますると、大体七十ミリ程度で警戒水位に達する河川が相当あります。大部分の河川は七十ミリ、百ミリで危險を感ずるというのが日本の現状であります。でありまするから、もう百ミリ、それ以上の雨が降りますると、どつかに災害が起るのが現状であります。
  43. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 補助工事に対する方針を変更するかどうかというそのお答えがないのですが、あとといたします。  それから先程の査定方針に対する機構の問題についてのお考えが、少し私の申上げたのと食違いがあるのですが、私は府縣の技術屋並びにこれら災害復旧というものは技術だけではなく、経済面も関連して來る。府縣の吏員のみならず民間及び学界を含めて、常に九州地方なら九州地方の査定委員、関東地方の査定委員というものを、委員会を常置して置きまして、災害が起きたならば、そこで技術的にこれはこういうふうに復旧するのがいいという技術上のことを決めるのには何も中央官廳の関係でなくてもいい、中央官廳は予算の関係がありますから、それに対して技術や一人、事務やが一人、もう一人関係課長あたりが代表しておれば連絡が付くのであつて、そういう常置的のものを拵えて置けばいいのじやないか、こういうことを申上げなければなりません。これに対しても私は今我が國の河川技術におきましては第一人者である目黒さんから以外なお言葉を聞いて日本のために実に残念であると思う。技術やの目黒さんとしてそれだけの認識しかなかつたならば、今日只今河川局長を辞めて貰いたい。災害は天災なりということは曾ての日本の言うことである。現在の日本の災害は科学的に……災害が起るというのが不思議な状態になつておるというのを技術やとして認識なさつて置かなければならん。試みに利根川を以て説明します。私があなたに河川を説明するということは釈迦に説法ですけれども、私は利根川の上流及び中流方面のことを聊か知つておるので、利根川……私群馬縣に今から二十年前におりましたときの利根川の河床と、今日視察に行つた際、私の目測で見ましても、二メートル五十センチ以上前橋附近で河床が上つておる。そうしたならば二十年以前ならば百ミリで洪水になるものが河床が二メートル上れば六十ミリで、利根川の出水期というものが非常に早くなる。普通の雨が降りましても、七十ミリでもう洪水になるということは科学的に分る。技術的に分つておらなければならん。そこへ以て來て森林が枯渇していて降雨の時間的調節が取れない。山が禿げてしまつているんです。僕の頭見たいだ。降つたら直ぐ出る。時間的な調節が取れない。かかる森林と、かかる河川から起る洪水を災害なり、天災だという河川局長のお話でありました。そういう考えはお止めになつて下さい。甚だどうも私はあなたに対して敬意を拂つておつたら、政治家になろうとしている。技術やとして日本の國土は我々が守るという信念を飽くまで貫いて行かなければならん、私は建設省の技術やに非常なる同情を持つておる。苦しい予算の中で國土を護つておられると思うから敬意を拂つておる。その敬意を拂つておるあなたが災害は天災なりと片付けられて、日本の國土を如何にしますか。天災じやないのです。少くとも五百億、一雨降つたらです。今回の九州のデラ台風、あのとき私は九州におつたが、今までのあれでしたら、戰爭前の雨でしたら、あのくらいな雨なら、九州の山が繁つておつた時ならあんな災害が起らなかつた。災害の起るようにできておる。もうすでに今日では災害は科学的根拠によつて起り得る状態になつておる。災害ということがすでに間違いなのです。天災というのは福井の地震とか、佐世保地方を襲いましたような、あれだけの降雨量は今までの記録に、嘗ての記録にないような降雨があつた場合は天災だけれども、この頃普通に起つておるようなのは天災じやない。天災じやないとしたら本年度の災害見込額というものは建設大臣が確つかり抑えて置かなければならん。あなたは死を賭しても國土を護るために災害復旧の本年度の見通しの予算で行かなければならんということで行くならば、こういう財源というものは今から握つて置かなければならない。この模樣だつたらいつ時化が來るか分らない。梅雨うちに時化ないというようなことは事実なのです。今までのは戰爭が終つたから雨が余計降つておるわけでもない。天候が異変しているのでもない。今まで災害にならないものが災害になつて來ておる。これは目黒さん一つ……私は興奮して激しい言葉を使いましたけれども、あなた一人を頼りにしておる今の日本の技術界で、災害は天災なりという政治的なゼスチユアは、我々をごまかそうというお考えは止めて下さい。それよりも災害が起るものは起る、起るものならば率直に言つて下さい。何とかして本年度一千億の金を國会で用意して下さい、そうじやなければ我々の技術は死んでしまいますということをなぜあなたは言えないのですか。あなたは日本の河川を護つておる技術やとしてなぜできんのですか。今日只今一千億の金がなかつたならば日本の災害復旧はできない。対策もできないということはあなたの肚に分つておるでしよう。一つ率直に御返答をして頂きます。
  44. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 熱心の余り、あまり興奮しないように……。
  45. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 私言葉遣いが惡かつたもので申訳けございません。私も正直な話五百億程度の災害を受けるということは想定しております。ただその五百億という條件が、仮に昨年度のそういうような台風が再び來ますればという前提がありますが、その前提を今申上げますることは非常に科学的に基礎がないものですから、推定で申上げますと非常に誤解を招くということもありますので、ここで仮定が若し入りますれば、例えば今後二百ミリの雨が関東地方に降つたという仮定が置かれますれば、これはこれだけの災害が起るということは申上げられます。その点を一つ御了解願いたいと思います。
  46. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) それと関連して科学的に根拠がないということは、今までの日本の出水量、それから台風の來る時期、降雨量を調べたならば私は科学的基礎があると思う。はつきり言えないのは、いつ、いつ頃河川の災害が起るということは言えないけれども、日本全体を通じてこれから台風期を控えて多くの災害を見るということはこれは科学的基礎があるのです。今までの降雨量を調べて、去年はあれだけ降つたが、今年はあれだけの雨が降らんという基礎があれば別ですが、そういうことは五百億円以上は年年起るということは科学的な基礎があると思うのです。
  47. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) ちよつと門屋君の発言に関連して申上げますが、只今の御質疑のことは非常に重大なことでありまして、我が國の天災ということについて政府も國民も非常に関心を持つておることなのです。而して今発言になりました門屋君に対して特にそうした発言を許したのでありますが、門屋君の御意見に対して、それと同じ線に沿うた答弁はなかつたのでありますけれども、先程門屋君の御出席前に建設大臣もすでに地方の災害に対してすらまだ完成がなつておらないところへ重ねて今回の台風の被害を受けて、誠に國家として困つたことで、その上に更に次の機会、即ちいつもあるように秋期の災害が到來するに違いないということを予想して説明があつたのであります。それでありますから、我々はただここに天災があるのかないのか、これは大体眼目としてあるという観測が立ちます。その見込みの程度が違つたからといつてそう興奮する必要はなかろうかと思いますが、併し私は今門屋君の発言中我々の至極同感の点はあるのであります。これに対して軽軽しい考えでなく、政府はことに非常なる決心を持たれまして、今後の水害対策に当つて、今後再び禍いを來たすことのないようにこの対策を立てることを私はこの機会に要求いたして置きます。
  48. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 今の補助工事の方針を変更するというお話があつたのですが、その質問のお答えがないのですが……。
  49. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 補助工事に対する方針と申上げましたのは、変更しますその理由には、査定基準の線をどうするかというその立場からであります。それから多少先程赤木委員からお話のありました通りの、上流地方における改修の計画がない、これは本当に土砂崩れの災害が起つたと推定される所、原始河川を多少でもやはりもう少し將來を見てやらなければならん。或いはこれは今の相当改良を意味した積極的な行き方はこの際止めるべきじやないかというような議論も行われております。でありますから、方針の変更と申しましても、これはそう大きな変更じやない。この程度の変更が行われることであろうと我々は考えております。  それから査定の一番変更が議論されておりますのは、先程お話の出ました國庫補助の見通しがつかないのに、全体の査定をして府縣にそういう約束を、將來に対する約束をつけることがいいかどうかということが今相当議論中であります。そうして見方によりますと約束であります。ただ見方によりますと、これは査定をした、これだけ災害があるという一應の通知であるという解釈もつくのであります。これは府縣の希望によりますと、やはり査定はして貰つて大体の國庫補助は大体このくらいということを調べて貰つて置いた方が、將來府縣なら府縣で負債なり借入などをするのに都合がいいという話がありますが、この点は懸案になつておりますが、まだどちらとも確定しておりません。今の問題になりますのは、その点くらいであります。
  50. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 関係方面から指示されておるようなことはありませんかね。
  51. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) ありません。
  52. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 先程科学云々をいうことが出ましたが、昨日の河川局長のお話では、今回の九州地方の災害に対して鹿兒島縣、宮崎縣、この両地区に対しては砂防工事をやつたところは殆んど災害がない。これははつきり明言されたのであります。でありますから、私は決して砂防のことは云々言いたくないのです。科学云々の問題ではない。やればできる災害に対して、根本治水をやつていないからそういうことになる。でありますからして、河川工事を重視し、砂防工事を軽視するとか、砂防を重視して河川を軽視するというそんな考えはありません。やはり山林から河口に至るまでどうしてもこれは余程考えなければならぬ。併し仕事には順序がある。これはここで申す必要はありませんが、もう大臣も御承知と思いますが、とにかく洪水の中には、或いは甚しいものは五割もの土砂を含んでおるから、仮に水だけならばそれ程河川が氾濫しない。土砂を含めばこそ堤防から氾濫する。又含んだ土砂が下流に來て川床が埋まる。そこで堤防を高くする。殊に河川改修をして川幅を廣くすれば流速が減じます。流速が減すれば土砂が堆積するに決まつておる。河川改修をしてますます川床が浅くなる。河川改修を私は決して惡いと言いません。河川改修は必要だが、本当言えば堤防を造らなくても現在の川が深く堀れておればそれで氾濫しない。それが本当の治水で、それができないから堤防を築く状態です。要するに今までの治水の根本というのは間違つた線だ。やはり上流から土砂が崩壞しないように、両量を制限することはできないが、洪水のうち半分を占めておる土砂を防ぐことはできる。その土砂を防げば川幅は小くてもいい。であるからして仕事の順序がおのずから決まつておる。先ず上流から手を著けて、それから下流に行く。これは治水の古今東西を通じての理論である。併しそれならば上流だけやつて目の前の堤防を放棄してもいいかというと、それはではないから現状に即して堤防をやらなければならんが、併し理論としては上流から下流に行くのは議論の余地がない。そういう観点から、殊に先程申した本年の水害を見ても、砂防をやつた所は水害がない。こういう実績から見ても、この際大臣に砂防に対して特別のお考えを願いたい。特にこの際に附け加えてお願いをし、又大臣の御意見を伺いたいと思いますのは、今日の砂防予算というのは和昭十五年にできた予算のなし崩しです。それ以來予算らしい予算はない。もともとそのときできた予算をこういうふうに物價が変りましたから、段々何億ということになつておりますが、実は昭和十四五年頃できた予算なのです。そこでともかく明治二十九年に河川法ができ、同時に三十年に砂防法ができ、河川法と砂防法と同等に重視して日本の治水を全くしよう。こういう観点からできたものです。これは恐らく私は想像に過ぎないかもしれませんが、又昨日河川局長のお話で、それ程には考えていないようなお話がありましたが、この際河川法改正に対して、或いは水法というふうなものを作つて、その中に砂防法も包含しよう。こういう意見が或いはあるように承つたのですが、これは由々しきことであります。若しもそういうことをなさればこれは参議院挙つい反対する。どこまでも反対する。砂防法と河川法があつてやつと砂防が活きておる。その砂防法を水法に改めて砂防を無視する。そういうことになつたら由々しい問題であります。でありますから、これに対しては恐らくそういうことはないと思いますが、河川法を改正なさるに対して、砂防法も古い法律ですから改正なすつて結構ですが、砂防法を改めて水法にする、そういうことは恐らくないと思いますが、これに対して大臣のお考えを承りたい。
  53. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 河川法その他を今日の現況に應ずるように改正をいたす考えは持つておりまするが、只今お尋ねのようになことはまだ決定はいたしておりませんが、十分に研究いたすことにいたします。
  54. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 決定はいたしてないとおつしやいましたが、これはやはり多少でも砂防法を廃止して、或いは改めて水法というような形で持つて行こうという御意向はあるのですか。
  55. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) まだ私は内容は存じておりません。從つて案が出ますると、その点は十分研究いたします。
  56. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 重ねて申上げ、或いはお願いいたしますが、そういうふうな観点で砂防法というものの活きておつてこそとにかく砂防でありますから、砂防法を改正なすつても、砂防法と河川法と一本にして水法にすると、そういうことをなさらないように特にお願いいたします。
  57. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは本日災害対策及び台風関係の質疑應答は一應これで終りたいと思いますけれども、尚又未済のものもありまするし、これは後に又継続することにいたしまして、午後は失業対策に関する関係として安定本部、並びに建設省からの御説明を伺うことにして更に十津川、吉野川及びその他の総合開発の関係について農林省関係の御説明を伺いたいと思います。
  58. 北條秀一

    ○北條秀一君 今の順序は分りましたが、午後建設大臣は出席されるのでしようか。
  59. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 午後は、今日は一時から三越に建設展覧会がありますから。
  60. 北條秀一

    ○北條秀一君 それじや大臣がおられる時に一つだけ簡單に聽いて置きたいと思います。それは先般鈴木労働大臣が國会におきまして、吉田内閣が今度作りましたところの各種の審議会、國土計画審議会並びに北海道開発審議会というもの、こういう審議会を、いずれも失業対策をやるためにこういう審議会を作るのだというお話があつたのでありますが、それは速記録にきちんと残つておるのであります。我々が今日までこの各地の総合開発を先の國土計画委員会の当時から続けて参つたのでありますが、我々の考えておりました國土の総合開発計画と申しますのは、この緊急失業対策が重大な問題であるけれども、更に基本的な問題として今日まで考えて來たのですが、その点につきまして鈴木労働大臣の言われたことと、我々の考えておりましたことが可なり喰い違つておるのですが、これについて吉田内閣はあの開発審議会というものを飽くまでも失業対策に資するためにああいうものを設置したと考えておられるのかどうか。この点について建設大臣のお考えを聽いて置きたいと思います。
  61. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 現在新聞等に現れております失業対策的の公共事業を研究いたしておりまするが、もとより失業対策を加味いたしました公共事業の計画を今研究いたしておるのであります。併しまあこれは失業対策のみのためということは申すわけではありません。総合國土開発審議会でありますが、これは申すまでもなく國土の総合開発であります。從つて多くは或いは発電とかいろいろの方面の研究をいたして貰うことと思いますが、これは同時に政府がやりますれば、公共事業的の性格、又民間團体その他の会社等でやりますならば、一つの事業であります。從つてこれは失業という方面の解決を伴うことと信じております。併しながら失業対策を唯一の目途として開発の計画審議会を作つたものではないと私は思つております。みずから失業対策に資する、みずから失業対策の各部門を解決いたすということは、計画もあるし、当然のことであります。ただ失業対策のみを考えてやつたものではないと私は信じております。
  62. 北條秀一

    ○北條秀一君 大臣はないと信じておられるということでありますが、鈴木労働大臣がそういうふうに國会で正式に発言したものですから、吉田内閣として決定した方針は、各大臣が個々ばらばらに、俺はこう考える、俺はこう考えるということでなしに、あの対策審議会というものは、國土の基本的な総合開発に資するために作つたものだと、私共は新聞でも拝見し、了解しておつたのですが、その点の喰い違いがあつたから聞いたのです。從つて建設大臣は、建設大臣だけは、自分はそういうふうに考えるというふうなことでは、内閣何しておるかと言いたいのです。恐らく内閣としては、内閣としての方針は、今大臣が言われたような方針であるというふうに私は解釈すべきかと思いますが、そういうふうに了解していいですか。
  63. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 只今申上げました通りであります。今日失業の対策を講じなければならん。これが一つの重要な政治問題でありますから、みずから國土開発計画を立てて、それを実行いたしますということになりますと、無論労働者の需要も伴つて参ります。即ち失業対策に資するということになると思います。ただ失業対策というものを唯一の目途といたして審議会を設置いたしたものではないと思います。私はさように解釈いたしております。
  64. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 最後にちよつと大臣にお伺いしたいのですが、これは前から問題になつておる砂防についても山林砂防がある、それから治山の問題があるということは河川問題では言い古されておりまして、殊に今度の九州地方の災害では開墾地の流失、そういうものが非常に上流地の氾濫を何したということを聞いたのでありますが、どうも農林大臣もこの前の予算委員会の小委員会のときも、さつぱり山林と砂防の関係については、農林省は農林省独自の考えをもつておつて、どうも建設関係と離れた方針があるようなことを申しておるのでありますが、どうもそういうところに今度の上流地の氾濫があつた、被害が多かつたということを思うのですが、建設大臣がこういうことに対してもう少し積極的に何か、もうこれは分り切つた前から言われておる問題ですけれども、我々は実際当面の問題を解決することについて何か確乎たる御意思はないかということをお伺いいたします。
  65. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 所管の事務をどうするかということは第二段といたしまして、先般來私は利根の上流を直接視察いたしました。農林省の開拓でありはやつておりますが、或る川から水を引いて灌漑用水を作るというので、私率直に申しますと、工事のことは素人でありますが、川のまん中へ土を持つて行つてそうして水を引くのであります。雨が降れば直ちにそれが崩壊いたして洪水が出る。非常な危險なことを私は直接見て來たのでありまして、縣應に対して嚴重に忠告をいたして参つたような実例もございます。從つて溪流砂防とか山腹砂防とか分れておりますが、所管の事務はいずれにいたしましても、今後年々歳々累増の一途を辿つております災害を防止する上において、治山治水ということをしつかりやらなければならんということの感を非常に強くいたしました。そこで所管事務は繰返して申しますが如何ようでありましようとも、十分に私の方の治水の仕事と治山の仕事というものは、仕事の上に緊密なる連絡を取つて、そうして歩調を一にして治山、治水の目的を達し、延いては災害の防止ということに協力いたして進まなければならんということを私は痛感いたしております。そうして今回御承知の通り行政制度の審議会がありますので、ここで國会における皆樣方の意見を尊重しつつ、又この委員会において行政制度に対する根本的の檢討を今いたしておりまするから、機構の改革、或いは所管の事務の分掌と申しますか、所管事項というようなものもみずから決定いたすものと思います。繰返して申しますが、所管の如何に拘わらず、治山、治水についてはおのおの所管の省と緊密なる連絡を取つて、区々に自分勝手の仕事をいたさないようにいたして参りたいという考えを私は持つております。
  66. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 そういうことは我々は聞き飽きておると言つては何だが、誠にそういう氣持を当路者は持つておると思うのです。具体的にもう考えていい頃だと思うのです。何かそういう各省の対立なんということは、とにかくそんなことは別として、実際にやつておる面において何か連絡の機関を作つて、誤りなからしめるような具体的なことを何かお考えないのですか。
  67. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) これは電力開発とかいろいろなことでは安本が中心で、建設省、農林省、商工省その他が集まりまして、協議会でありますが、委員会のようなものをやつて研究をするのです。この治山、治水にに対しましても、それぞれ私の方にも治山の調査会というものが官制の上に認められておるのであります。これも從來もとより各省の間では治山、治水の関係、開拓事業をやるにいたしましても、それぞれ連合いたして、連絡を取つていたしておることと思いますが、もう一層強く治山、治山という方面に、或いは安本が主宰をいたしますか、根本的にしつくりともう少し力強く手を握つて仕事をして行くように私はいたしたいと思つております。これについては吉田総理においてもさような考えがあるように先般聞きましたので、今後一層緊密な連絡を取つて、誤りのないようにいたして参りたいと思つております。
  68. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは暫時休憩いたします。    午後零時十八分休憩    ―――――・―――――    午後一時四十六分開会
  69. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは午前に引続いて開会いたします。そうしますと、実は午後災害対策に関する農林省所管を伺うつもりでおりましたけれども、農林省の方が見えておりませんから、これを後に廻しまして、失業対策問題について安定本部からの御説明を伺うことにしたいと思います。委員の諸君からの御質疑があれば先ずその発議を願いたいと思います。
  70. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) 私共安本という大きな立場から申上げるわけには……建設局だけの我々の仕事として安本全部ということは申上げかねます。  先ず建設局で所管いたしております公共事業費とか或いはこの度議会を通りました失業対策法案についての全部について一應御説明申上げます。  御承知の通り公共事業費は五百億という小さな枠におさまるのでありまして、雇用の面から申しますと逆に二十三年度の公共事業費における雇用よりも大体二割程度逆に失業者が出るような形になつております。数で申しますと、約十万、一日の出ずらが十万程度の雇用量が減つておる形になつております。それに対しまして、最近非常に失業問題がやかましくなりまして、何かの対策を取らなければならないということになつておりますが、最近の財源の方でまだ全然話になりませんので、只今勿論具体的に多少なつておりますのは、援助資金の中から多少失業救済ができるのではないかということで、この援助資金から出ます公共事業関係の工事がすべて失業対策を目標として行われるというわけではないのでありまして、例えば鉄道の電化であるとか、或いは通信の電話設備だとかいうようなものは殆んど雇用面では言うに足りないのでありまして、こういうものは失業救済事業というふうには余り考えられませんが、その他の道路とか或いは港湾とか、水道とかいうようなものにおきまして、多少の雇用を増すことができると考えております。この中でも街路、東京都外三十六都市、それから建設省所管の道路工事、それからこれも建設省所管でございますが、荒廃市街地の整理、それから災害復旧工事の十五億円、こういうものは相当量の失業者を救済することができると考えております。併しながらこの百十五億円の対日援助資金から廻しますこの公共事業の関係の工事では、一日の出ずらとしましては、相当多く見まして五万人程度の雇用より見込めないのでありまして、現在の情勢では例の失業対策法案によります緊急失業対策事業によつて、この大量の、殊に都市の失業群を救わなければならないのだろうと考えております。併しながら只今のところ失業対策事業に対しましては、まだ全然資金的には問題になつておりませんので、どれだけの人数を幾ばくの金によつて救済するかというようなことは、只今のところ全然問題になつておりません。併し我々といたしまして当然予期されるこの事業に対しまして、只今相当量の資金が出るものと仮出しまして、然らばどういう仕事を各都市に起そうかというようなことで只今資料を蒐集中でございます。大体今月の末頃までには大体の資料を揃えまして、労働省から地域的な失業者の状態等の申込がありますれば、直ちに労働省の方にお示しできるようにしたいということで仕事をしております。どうも甚だ頼りないのでありますが、現在のところはその程度であります。
  71. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今のお話によりますと、この失業対策事業として道路、都市の拡張、災害、大体この三つの項目を挙げられたように存じておりますが、これらの項目を失業対策事業として取上げられた根本趣旨と申しまするか、どういう点でこういう事業のみに限られたのか、その点をお尋ねいたします。
  72. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) 実は私、監督課長でございまして、対日援助資金のここまで参りました細かい点については、実は私承知いたしておらないのでございます。まあ一般的に道路であるとか、街路の清掃というものが非常に労務費が多くて、失業救済事業に適しているということで取上げられたのだろうと思いますが、ただ今後行われます緊急失業対策事業の中には、今朝程から赤木さんの申されるような仕事が相当入つて來る余地があるということを考えております。
  73. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 監督課長さんに特にお願いやら実情をお話申上げます。御承知の通りに安定本部でもいろいろなお考えがありましようが、課長さんが方方御視察された結果を見ましても、今までの治水政策は根本的に間違つている。それは下流に重点を置き過ぎて上流を余りに軽視している。これでは何十年やつたつて日本の治水はできる筈がない、これは技術的に根本的に間違つておりますから……。その点特に今後建設省はもう少し砂防に対して目覚めたらいいのではないかというようなお考えをお持ちのことと存じておりますが、実際これは一つの例を申しましても、今朝も建設大臣に言つたのですが、砂防に対して誰がこれをやるか、砂防の審査をする前に河川関係の技術者が審査している。砂防の審査ではない。ところが河川関係の技術者が公平に審査しているかというと、多大の疑問を持つている。尚極端に申しますれば、今日の建設省において、昔の最初の技監のときの当時、治水観念のないことは無論ですが、その後、二代、三代の技監も治水観念が欠けている。その当時の技監初め各出張所長も砂防の重要性を見ない。沖野技監のごときは、誰も砂防に熱心な技術者がないから、砂防の設計をこういうようにやつているのだ、私は、みずから砂防の設計をしておられるので驚いたのですが、それ程熱心にやられた。そういうふうで砂防に対する観念が非常に強かつた。今日河川局長おられますが、局長さんは非常に御熱心だと思いますが、果して皆の人がそういうふうに治水全体を考えているか、これについて私は非常に疑問がある。でありますから、すべての治水事業を公平になさるあなたとして、本当によく見られた結果として、今日の治水政策はいいか惡いか、これについて十分根本的に檢討して頂きたい。  それから今の問題ですが、成る程今の金で砂防計画も立つていない、それについては私は彼れこれ申上げません。でありますから、今後の失業対策問題にいたしましても、いわゆる労力費を最も多く使うのは砂防である。これは先程申上げましたように、昭和七、八、九年の災害対策、これは砂防に重点を置いた。而もその当時やつた砂防は非常に立派な効果を挙げて、多くの労銀を得せしめた。これは今後失業対策としてよく考えて貰いたい。今まで建設省時代、内務省時代、戰爭時代に港湾を殖やそう、こういうときに生憎鉄材がない、遺憾ながら鉄材がないときに港湾を殖やすことはできない、だからこの際港湾は一切取上げない、こういうふうに局議の表ではやつた。ところが知らん間に初めの局議の当時と変つてしまつている。それから段々見ますと、終戰後砂防を増して呉れと言いましても、資材がないからと言う。幾ら金を廻してもセメントがないからできんと言う。これは建設省或いは安定本部の方の問題であります。ところが今日、資材、セメントというものは決して不自由ではない。そうすると資材ができて來ると、砂防の費用をどうして減そうかということに盡力する。そういうように砂算の予算は資材がないから資材がないからと言う。でありますから、あなたもこれはよく方々を御視察と思います。公平に判断していらつしやいますから、私はこれ以上述べません。ただこの上とも公平に日本の治水はこれでいいか惡いか、單に目前の治水ではどうにもならない、將來の我々の子孫に対して、こんな治水をやつては何年経つても水害を受ける。それではしようがないと思いますから、その点を今後十分お考えを願います。私はこれは特に質問でなしにお願いをしたいのであります。
  74. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それから今の失業対策に関しまして労働省からお見えになつておりますから……。
  75. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 委員外で失礼ですが、この失業対策について安本に伺つて置きたいと思います。  失業対策ということが、私は問題になるのは失業対策という言葉そのものが問題になると思うのですが、併し失業者の出るという事実は蔽うことができない。どうしてもこれはやはり失業対策ということで暫くの間そういう言い現わし方で行くよりしようがないのですが、失業対策というものが別に取分けてあるものでなしに、先程も御説明のあつたように、あらゆる公共事業が失業対策であると、こういうことは分る、分るのですが、公共事業というものは失業者が出ても出なくてもやらなければならないものであつて、特にこの九原則の実施に伴つて行政整理と民間の企業の合理化を行ないますと、本年は特に失業者の数が一時的に高くなる。そこまでまあ失業対策ということで言い現わすようになるのですが、大体曾ての安本の五ケ年計画がそのまま進められて行けば、失業者なんかは余り出なくてもよかつたかも知れないのですが、そういういろいろの前提の下に現実の問題として緊急失業対策法によりますと、労働省の方からどれだけの失業者が出るということを安本の方に通知するようになつている。安本はそれによつてその失業者を遊ばせないような緊急なる失業対策を立てることになつている。それでこの労働省と安本との連絡方法について労働省の方から前以て通知があるのか、失業者の出た数で通知があるのか、これを伺いたいわけです。失業者が第三四半期にはこれくらい各地でこういうふうに出るのだという御通知を受けられるのか、第一四半期においてこれだけ失業者が出ておるという現在の通知を受けられるのか、その連絡によつて大変な違いができて來ると思う。
  76. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) そのお話は労働省の関係の課長に……。
  77. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) いや、安本から伺いたい。これは労働省から伺つたのでは價値がない。
  78. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) 私の方では今のお話はこのように解釈しております。現在一、二度私の方へ労働省からこういう要求がすでに参つております。各都市に、例えば東京で一万人であるとか、札幌で三百人であるとかいうようなことで、これに対する事業を探して貰いたいということを私の方へ言つて來ておりますが、その程度の人数は労働省の現在の予算の範囲内で救える程度ということで、実際の失業者の数よりも非常に少いものが只今我々の手許へ來ております。それでまだ現在のところ全体の見通しとか或いはここ一月、二月前の現在においてどういう状態になつているということはまだ私の所へ届いておりませんけれども、この第二四半期から本格的に事業を進めなければならないので、間もなく労働省からそういう御通知が頂けると思いますが、私としましては、当然現在出ている失業者とそれから企業整備その他の情報によりまして、当然起るであろうということを予想した数字が入つて來るものだと考えております。
  79. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) そうすると、現在のところでは前以て予報されている数字じやないのであつて、出ている失業者が安本自身が考えてももつと失業者があるであろうと思われる範囲内に來ている。それはつまり具体的に言うなら、八億という非常に少い予算の中で切盛りのできる数字しか安本に通知して來ておらん、こういうふうに了解してよいのですか。
  80. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) さようでございます。
  81. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) それからもう一つ今度安本の技術者としてのお考えで、大体今期は八億とありますが、八十億であれば尚更のことただ溝の中へ捨てるような使い方をされては困る、そういうような使い方をされるということが、果して日本の産業再建上、又日本の大きな國土の再建上、先程お話になつたような荒廃市街地の整備であるとか、道路、街路の改修ということは尤もやらなければならんことであるけれども、本当の企画官廳として考えた場合に、そういうことまで一々安本がやらなければならんことか、安本まで來なくても、そういうことは地方廳に任して置いていいことじやないか、予算だけ國がやればいいのじやないか、安本がそこまで干渉して果して適切なる計画が、果して適切なる監督が現在の機構でできておるかどうかということが一点です。  それからもう一点重要なことは、これはどうも建設局に伺うことは無理かも知れんと思いますから、今日お答えはなくてもいいのですが、安本として見られる今度の行政整理と企業の合理化から生ずる失業者の数及びその時期はどれくらいに見られておるか、到底今の労働省から通知を受けて、それで対策を立てるくらいなことでそれが吸收し得るような数量じやないと思うのです。だから安本として一應失業者はどれくらいに見ておるのか、これはつい一ケ月半ばかり前の國会の開かれておる際に、両大臣を並べて置いて聞いても分らなかつたことですから、今それをそのときに遡つて責めるという意味じやなしに、現在は情勢も一ケ月経つて変つたのですから、失業者の出るという推定数は私の考えと労働大臣や安本長官の考えとはひと桁違つておるのです。労働大臣や安本長官が二十万か三十万出る、私は二百万か三百万出る、ひと桁違つている。國会が済むとこれは今では百七十万の失業者が出て來るというように変つているのですから、國会中に大臣の知つておることなんというものは大体まじめなことは言わないのです。ですから、そういう國会でどう言つたこう言つたということは第二の問題として、本当に國民不安を除去するためには、失業対策というものは急いで立てなければならん、その急いで立てる建前から考えて、安本自体の考えは何十万くらいな失業者を予想されておるか、何百万くらいに考えられておるか、安本自体の予想されておる失業者の数及び失業者の出る大体の時期ですね、それからそういう失業者が出たとしたならば、それをどういう事業でやるかということに対する対策が事実あるのかないのか、なければないであつさり兜を脱いで、別な委員会でも作つて対策を立てる、あるならあるではつきり示して貰いたい。これは私は委員外議員ですから、時間の関係で正委員の方に御迷惑をかけてはいけませんから、今日お答えができなければあとで資料を貰いに來てもいい、今日お答えができればあとでお答えを聞きたいのですが、先ず安本の方から……。
  82. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) 第一の方の失業対策事業についてお話申上げます。  只今お話になりました通りでございまして、あの法案の第七條に取扱い方が書いてございますが、これは今お話のように労働省から各地に起る失業の情勢を安本へ通知しておる、それによつて安本で失業対策事業を労働省に対して提示するということになつておりますが、この失業対策事業を労働省に任せないで安本が、安本がと申しましても建設局がこの事業を示すのだということは、たとえこの失業対策事業でありましても、経済効果を第一に考えなければならんということのために、あのような法律になつておるのです。それでそういうような仕事を只今集め中でございます。  それからもう一つ清掃のような事業はやらなくてもいいじやないかというお話がございましたが、実は私昨日ここにおられる労働省の海老塚さんと東京都内の失業対策事業の現場を一日自動車で歩き廻つて見て來たのでありますが、この労働者の状態を見まするというと、非常な老人、これは六十過ぎたと思われるような老人と、それから女の方、それからこれは病人じやないかと思われるような身体の弱そうな方が非常に多いのでございます。こういうような方でも併し動かなければならないという現実の状態になつておりますとしますと、結局重い労働でない、たとえこれは詰らないものであつても、そういうふうな軽い労働でそういう人を救えるものを、仕事を何がしかはしなくちやならないというふうに考えております。
  83. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) やらないでいいではないかというのではないので、街路の掃除とか荒廃市街地の整備というようなことは、何も企画官廳たる安本が関係しなくても國が予算だけを当該市町村に分けてやればもう少し樂にできるのじやないか。適切に時期を失せずにやれるのじやないかという意味なんです。あなたが前段に言うところの企画官廳として日本の経済にどれだけ寄與するかということを見るような事業は無論安本の経費でいいのです。
  84. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) 只今のお話にお答えしますが、実は現在東京都内で学校の校庭の地均してあるとか、それから下水の掃除であるとか、それから道路の掃除といつたようなものが大体毎日五千人くらい失業者を使つております。これは実は安本でこういう仕事は指示してありませんが、労働省と府縣で話合いまして適当にやつておるわけでございます。安本としましても、そういう下水掃除のようなものを一々どこの下水掃除をやれというようなことを指示するつもりは全然ありません。
  85. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) だから八億くらいの費用では企画官廳の頭を使うほどのことはないと思う。だから企画官廳が頭を使うならばもう少し計画的のものがなければならん。
  86. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) 我々は今後の労働状態によりまして、或いは政府として何らか失業対策事業について資金を捻出されるというようになるのじやないかということの予想で、今準備をしておるわけでございます。今の八億に対して用意しておるわけじやないのであります。
  87. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 準備中ですね。
  88. 武田利雄

    ○説明員(武田利雄君) さようでございます。  それから將來の失業状態の見通しとか、それに対する計画というものはどうも安本全体の問題でもございますし、安本の中にも労働室がございまして、そういう失業なんかのことをやつておりますので、どうも建設局としてはそういうことは只今はつきり資料を持ちませんので、はつきりお答えできないのでございますが、尚そのことは労働室やその他幹部の方へ申し傳えて置きます。
  89. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) その点が一番むずかしいところで、よく勘違いするのは、失業者のことは労働省から通知を受けるとか、労働省で調べることのように考えておるが、これは大きな間違いである。失業者ができてしまつたあとの労働者の相談に乗る労働省と、失業者がどれだけ出るかということを予想し得る官廳は日本には安本以外にはない。帰つたら一つ安本の方でどれくらい失業者が出るということは大臣の耳にたこのできる程言つて貰いたい。安本がすべての日本の産業を握つておるから、どの産業からどのくらいの失業者が出て來るか、安本では分る筈である。失業者の予定のカーヴを労働省という官廳ではどのくらい失業者が出てどうということは、これは作文を作つて來ておるけれども、労働省の予定数というものは、これは労働省から見た数字であつて、事業から見た数字でない。安本の方が先に予定数が分らなければならない筈ですから、一つやつて頂きたい。私どの委員会に出ておるか分らないが、私は失業対策の自立するまでは、來年の五月までは任期があるから、こんなこと言うても、どうのこうのと言うてもどこにやられるか分らん。これは建設局に聞くのは無理だから、それで関連しまして、労働省の方がお見えになつておるから、私は緊急失業対策法案の場合にしばしば言うたのであるが、どうして前以て安本に連絡をもう少しつけないか。それから今監督官廳の言われるので、重大なるところは、現実に出ておる失業者の数をなぜ安本に報告しないのです。これは東京都だけの問題じやない。私が今度議員派遣で行つて、個人でざつと調べて歩いた場合の数でも、失業者が二千人も三千人もあるところでも、その事業費の関係で二十人しか認めない、五十人しか認めない。労働省の持つておる表というものは毎度言うことだが全然信用のならない表を持つておる。正しい本当のところを持つておるが出せないのか、そこをはつきり聞きたい。それはなぜかというと、あなたも議会に出て來ておつたかも知れない、八億で足らないと言うけれども、要るだけの金は幾らでも出すということを大藏大臣が言つておるのだから、失業者が出たならば出ただけのものを安本の方に通知して対策を立てなければならん。東京都に五千人の失業者があるのに、東京都に一万の失業者はないと思うが、僅か五十人の整理をしたようで、労働省はどういう理由でそういうことをやるのか。つまり日本の法律を行政府そのものが踏みにじつておることになる。これはどういうわけですか。これを一つはつきり聞かせて頂きたい。
  90. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 緊急失業対策法は、御承知の通り去る五月の末に、五月の二十日から施行になつております。それで計画といたしましては、第二四半期の事業から実施するという段取りになるわけでございます。先程武田課長から御説明がありましたように、一應五月の末に我々の方で各地域に起します失業対策事業の使用労働者はすべて安本の方に連絡いたしまして、そうして事業を示して頂くようにお願いしてあります。  それからもう一つ予算のお話がございましたけれども、これはおつしやるように前の國会で失業者に應じて増額するということを大藏大臣も労働大臣も言われているのを私もその席で承つております。私の方といたしましては、現在の八億円の予算では到底今後の失業対策事業関係を実施して、失業者を吸收するのには十分でないということは我々も考えておるのでありまして、それの所要予算を今週中には大藏省の方に出す運びになつております。ただ現在では八億円の予算しかございませんので、一應大藏省と相談の結果は、現在の予算では一應二百億の程度は第二四半期として大藏省が了承しておるのでありまして、その限度の計画を経済安定本部の方に出してあるわけでございますが、予算がどうなるか最終決定に至りますまでは勿論國会の承認を経なければならないわけでありますが、第二四半期分につきましても、一應その見通しがつきましたならば、二百億円でなくて現在六億余り、一四半期に一億五千万円程使いましたので、六億五千万近くの金が残つているわけでございますので、それを繰上げ実施するというように臨時措置といたしましては運びたいということは、労働省といたしましては考えているわけであります。まあそういうような計画と、それと合して、第三、第四四半期分に対しまする失業対策事業のための予算の要求を今週中には大藏省の方に出したいというふうに思います。
  91. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) あなたは労務局ですか、安定局ですか。
  92. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 失業対策課長です。
  93. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) そうすると、ずつと出られていた筈ですが、そうすると労働大臣が國会を蔑視したことになります。労働省がぐるになつて我々を騙かして法案を通過させたということになつている。これははつきりしているのです。それは審議の速記録を御覽になれば分る、八億の予算ではこの法律は通せないということが問題になつたときに、失業者が出れば、失業者の出ることを安本に通知して安本で事業の対策を建てればそれに必要な金は出す、無論我々も國会議員である以上予算措置の済んでいない、國会の認任をされていない金は使えないということは分つている。併しこれはそのときに九月か十月に臨時國会を開き、補助予算を組まなければならんことが法律化されて五月二十日から実施されたことも知つている、六月から直ちにこの緊急失業対策に使つている、六、七、八の三箇月の間に八億円あれば間に合うだろうということ、第二、第三四半期に二億円とか三億円とかそういうことは勘定に入れていない、そのときにこんな金ではどうなるのだ、あなたの説明を聞いておつてもやることがいんちきになつている。間違つている。どこが間違つているかというと、失業者の現れた数を報告すればよいのだ、失業者がそこに十万人ならば十万人の失業者が出たら先ず事業を起さなければいけない、事業でつまり……それが就職しない者に対しては失業保險を給付するのですから、失業保險の給付を多くするということは怠け者を養成することになるのだから、失業保險は成るべく余計給付しないように事業を起して働く人を拵えなければいけない、失業させてはいけない、であるから実際失業者を素直に安本に報告すればよいのだ、失業者の中にこれは何々と択り分けて今あなたの安本に報告している数字というものは使用労働者数を報告した、使用労働者というのはその字が示すごとく、労働省で一つの事業を計画して、その事業に使用する労働者の数を報告している、だからこの方の運営が根本からいんちきになつている、法の精神から行けば、失業者が出た、その出た失業者を安本に報告する、連絡する、安本はそれによつてその者を遊ばせないように、而も日本の復興に、産業復興に貢献するような事業を安本でよるのです。そうしてその事業に、それは必ずしも緊急失業対策費から出さなくてもよいのだ、どこから出た金でもよいのだ、こういう事業に吸收させる、いよいよ吸收されん者に対して失業保險で賄つてやつて行く、扱いを間違つているじやないか、國会が済んで一箇月か二箇月経たんうちに國会をそれだけ馬鹿にして嘘を言うなら今後も承知しないぞ。これはどういう訳だ、速記録を読んで見給え、悉く労働委員会をたばかつているじやないか、答弁できるならして見給え。
  94. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 緊急失業対策法の第七條に「労働大臣は、前條の計画を樹立した場合には、失業対策事業に吸收すべき失業者の所在地域、数及び情況等を経済安定本部総務長官に対して通知しなければならない。」ということが第七條に書いてあります。
  95. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) それは分つている、私は條文に対して質疑があつたから労働委員会で以て質疑をしているのだ、その質問に対する労働大臣及び安定局長の答弁は私か今言つた通りである、だから何でも構わんから國会をごまかして通してしまつたら後は自分らの都合のいいように運営されるという考えですか、労働省でそんな事業の対策なんか立ちはせんですよ。立たないときにどういう対策を取るか、各省と緊急な連絡の上に立案するということを言つているじやないか、僕は委員外議員だから、この委員会には速記録を取寄せないが、緊急に労働委員会を開催して速記録によつて質しますよ。
  96. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 第七條には只今朗読した通りに明瞭に規定をされております。で先程私が申上げました使用する労働者の数を知らせるという意味は数を知らせるだけで、その事業は安定本部から通知を求めるために知らせるのであります。事業を労働省で計画するようなことは全然ありません。
  97. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) そのことに対して労働委員会で答弁したことはいんちきであつたのだね。
  98. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 第七條には失業者の数を通知しなければならないということであります。大体失業者の……。
  99. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 失業者の本当の数を安本に通知していない。
  100. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 大体失業対策に吸收すべき数を通知する……。
  101. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) それは本当のことを通知していると思つたら、先にあなたの答弁を後廻しにして監督課長の策弁を聞いた場合には、その数は予算に縛られて本当の数の報告が行つていないという現実のことが現れているじやないか、それはどうなつたか。
  102. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 私は現在の予算が一應あります以上は、その予算の限度内にしか事業も起せないというふうに考えます。
  103. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) そうじやない。
  104. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) でありますから、その事業に使用される労働者は安本に通知いたしますときにも、その前提の元の数を通知すべきであるというふうに考えます。
  105. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) だから予算に縛ばられた数を報告しているのでしよう。
  106. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) そういうわけです。
  107. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) だから労働委員会での我々の質疑は予算に縛られるから、出た失業者は全部安本の方に言うということが言つてある筈だ、そうするとあなたは安定課長ですか……。
  108. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 失業対策課長です。
  109. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) とにかく労働者の人に間違いないのだから、この潮のごとく出て來る労働者の失業問題に対しては、どういう考えを持つているか、法律を自分らの都合のいいように解釈して、実際失業者が殖えようが、どうしようが、自分らのいいように考えて八億の金を第二、第三四半期で使つてしまつたつていいじやないか、だからこつちが予算が足りなければこつちが殖やす、大藏大臣が殖やすということを言明しているじやないか、我々に失業対策を審議させるときに我々を騙かすような答弁をしているじやないか、それを責めているのだ。そういう心掛でおつたらこの労働問題は解決しないですよ。もう少し労働省が労働者の味方になり失業者の味方になつて考えられておつたならば我々は安心するのだ。だからこんなくだらないことになつちやう、法律は立派にできているがこの法律を労働者が運用を誤つた場合には困るということまで附加している、僕の一番心配した方向に進んで行つている。
  110. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 答弁ありませんか。
  111. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) ええ。
  112. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 答弁はないようです、別の機会に……。
  113. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) そうするとこの労働委員会において、政府及び政府委員は労働委員会をごまかして法律を通しておると了承してよろしいですか。
  114. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) どういう点ですか。
  115. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 労働委員会で言つたことを実行しておらん。
  116. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 私の解釈でございますが、やはり予算に縛られております限りは非常に失業対策事業を起した場合でも、これだけは起さない処置というものも無論あります。ありますが、事業をどの規模で実施するかということを決定いたします資料といたしましては、その事業に大体これだけの人員が必要なんであるというふうに安定本部に知らせるべきではないかというふうに考えております。
  117. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) そこが問題になつておる。予算があります以上はというけれども、予算が足らないことはこの法律案審議のときに分つているのだ。予算がありますと言つたつて予算が八億あるのでしよう。もう一つあなたの答弁し易いように言うから、良心的に答えて貰いたいのだが、現状においてこの四半期づつに割つた二億円の緊急対策事業で失業者が賄えておるのですか。賄えておらないのですか。
  118. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) その点は先程或いは答弁いたしませんでしたか知りませんけれども、我々の数字でも門屋さんのおつしやる通り、現在の失業対策事業の予算では、二億円で割つたのでは到底運用できない、そこでそのためにそれに合せまして、大体どの程度の予算のめどが付くかということを大藏省と折衡いたしておるわけであります。それで大体のめどが付きましたならば、その結果に基きまして、更に安定本部と只今の事項を連絡するというふうにいたしたいと思つております。
  119. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) だから今の二億円で賄えないということが分つておれば、八億の金を使つてしまつてもいいのだから、足りないなら早く足りないような処置を立つたらいいのじやないか、どのくらい賄えていないのですか、パーセンテージを調べたときに教えて頂きたい。
  120. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) これは私個人の考えでありますが、まあ十分上司とも相談いたした数字ではございませんので、その点はお含み願いたいと思います。
  121. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) それはいいよ。
  122. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 第四四半期には今の二倍乃至三倍くらいの経費を使わなければ済まないのではないだろうかというふうに私共は考えております。これは大藏省との要するに関係でありますが、それには一應大藏省との予算折衡では、毎四半期ごとにどの程度を使うかということを大藏省と了解をしなければ使うことができないのであります。これは今の事務のお話を申上げておるのであります。只今まで大藏省の事務官、課長と私共と話しておる現段階におきましては、一應二億円……二億円では大藏省の方も足りないだろうから更に追加をどの程度使うかを更に折衡しようという段階になつておることを先程から繰返してお話しておるのであります。取敢えず二億円につきましてだけ、安定本部の方にその数を連絡して、更に大藏省の方との話合いが付き次第その結果に基いて安定本部の方に連絡をするというようなつもりで私は今事務を進めておるわけであります。
  123. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) それは君の言うのも僕の言うのも分つておる。君の方は事務的にああいうふうに進みたいと言うし、僕らがその法律案審議の折に八億円では一月程しかない。よく眺めて一四半期しかないということを言うてある、だからもう直ちに労働省の省議でも進めておるかどうかというわけですが、その労働省の省議でも進めて八億円では第二四半期で使つてしまう。第三四半期の予算がないのだ。第三四半期までの間に臨時國会が開かれないと困るからそれを第二四半期でその中四分の三を使つて、そうして第三四半期に四分の一を残して置けば第三四半期中には臨時國会が開かれるのだからというくらいに考えて賄えない人間に対する処置が眞劍に講じられておれば何も私はあなた一人をいじめるようなことはないのだが、その処置が現在の労働省では講じられていない。四、五日前に行つたが、そういう省議の運びに行つていないのだ。
  124. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 門屋君の御説は尤もだ。併し今この場合において課長に幾ら質疑應答を試みて見ましても、課長は事務的に取扱うに過ぎんので、この問題は行政整理と又その他各企業等に対して生じて來る自然的深刻なる社会問題に触れておる。要するに門屋君が言われるように、当局大臣の方では予算の範囲でやればいいというようなことではこれは困るのだから、この問題については非常に重要なる取扱いをしたいと思います。それで本委員会は建設省の方の建設事業の方から見た失業対策を考究しておる場合なのでありますが、併し何としても建設省の方に持つて行つて消化する失業というものは大部分を占めるのでありますから、この委員会におきましても相当な考えを持ちまして、別な機会において当局大臣の出席を求め、或いは総理の出席を求め、國策上の見地から檢当したいと思います。
  125. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) 委員長の御注意は分りました。この間から言つておるのは緊急失業対策の問答をやつておるように聞えますが、その緊急失業対策の八億円では失業者が救えないのだから、公共事業の本質的のものが入つて行かなければ……それで労働省を代表して來られた人だから、課長でも局長でも同じですがね。失業者の出る数というものをはつきりして貰いたい。その失業者の出る数がはつきりすれば、安本及び建設省の方を通じて八百億円、千億円の公共事業費を起さなければ、この緊急失業対策で以て賄うやつはどぶの中に捨てるような金が多いのですよ、それだけ申上げて置きます。
  126. 海老塚政治

    ○説明員(海老塚政治君) 省議でこの話が出たということは、私は省議に出席いたしておりませんので知りませんけれども、とにかく私個人の考えを申上げますと、八億の予算の使い方につきましては、大臣も或いは局長も大体そういうふうにすべきではないだろうかということを考えられておるのであろうと推測いたしております。ただ省議でそういう話が出たかどうかはこれは存じません。その点だけをちよつとお話申上げます。
  127. 門屋盛一

    ○委員外議員(門屋盛一君) まあ一つお帰りになりましたら、上司の者に門屋がやかましく言つていたと傳えて置いて下さい。
  128. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今門屋さんの質問は失業対策、又実際に出る失業者に対しても自分の責任上お困りの点がありはせんかと思いますからして、これは一つ十分労働委員会としてもお考え下さい。併しこれは余り延ばしても困るのだから、成るべく早くこういう委員会を開いて、或いは大臣なり局長から向うのはつきりした態度……又こつちでも用意したい点もあるからして、成るべく早くお願いしたいと思います。
  129. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 今度農林省の方の方にこの災害問題について大分こちらからも質疑があるということですから……。災害復旧課長さんですが。
  130. 長谷川義意

    ○説明員(長谷川義意君) 局長も課長も今安本に行つておりますので、私が代りに出ました。  今度デラ台風による農地関係以外についてお答へ申上げます。漸く昨日各縣からの報告によつて纏つたものでありますが、総体的に申上げますと、今度のデラ台風の被害は最も大きいのは鹿兒島、宮崎、次が山口、岡山、高知、福岡、長野こういつた順序になつておりまして、合計二十五縣、その被害は耕地面積、つまり耕地に砂が入るとか、砂利が入るとか、稻作が不能になつたようなものは一万一千三百町歩、その大体復旧金額が十億九万円でございます。  その他今度公共施設即ち道路、水路、橋梁、取入水門、隧道こういつたものが……。道路、水路の延長が大体百十三万四千八百メーター、橋梁、取入水門、隧道が七千六百四十個所、その金額が五十八億六百万円になつております。そのトータルの金額が六十八億九千七百万円、こういつた状況になつておりまして、その浸水面積は大体十万四千五百五町歩といつたような報告になつております。以上を以て簡單ですが、最近の状況を申上げます。
  131. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 こういうお書きになつた資料を一つ委員に御配付願いたいと思います。
  132. 長谷川義意

    ○説明員(長谷川義意君) 結構でございます。ありますから持つて参ります。
  133. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 先程の耕地に砂が入つたかというような浸水面積……開拓開墾ですね、そういう部類はどんなふうに荒されておるか、壞されておるかという調査はありませんか。開墾、最近入植して開墾しましたね。その被害は……。
  134. 長谷川義意

    ○説明員(長谷川義意君) その事業別ですね。それはまだ詳しい報告はないのですが……。
  135. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今岩崎委員から開墾に対する災害の状況でちよつと御質問がありましたが、この委員会としましては、國土委員会当時から開墾と水害の関係は非常にやかましく言つておるのです。開墾されるその結果は水害を起す。だから開墾を止めて欲しい、場合によつては開墾はもう殆んどなさなくてもよいじやないか。それまで極論したものです。併しその都度開拓局といいますか、農林省といたしましては、開墾による被害がないというようなことを絶えずおつしやいました。併し実際水害の結果を見ましても、開墾に基く水害が相当あるように見受けられるのであります。殊に今回の九州におきましては、開墾による水害が相当にありはせんか、これも私まだ現場に行つて見ませんから詳しいことは存じませんが、一、二地方の人の話を聞いておりますのでありますからして、何も省が違うからかれこれ隱す必要はないのです。我々ははつきりしたことを把握して建設省でも農林省でもどの省でも惡いことは直して、よいことは進めて頂きたい。これは私の観念でありますから、開墾が惡い結果を來したならば、どういうふうな開墾が惡いか、それを具体的にお互いに檢討し、そういう開墾を止めようというところまで進んで頂きたいと思います。でありますから、災害、水害があつたとするならば、開墾地を成るべく詳しく調査して、どういう性質の開墾が惡かつたかそれに対しては今後どういうふうにするかというようにそれまで掘入つて研究して、農林省でもその結果を報告して貰いたい。建設省としてもその報告に相俟つて開墾に対する相当の制限も考える、これは当然だと思います。御承知の通り何といいますか、農地法の関係で砂防法、河川法そういう法的措置が殆んど完全に行われていない。行われる筈でありますが、事実においては行われておらない。こういう結果になつておりますので、水害と開墾、開害に対する今後の処置等を十分に研究する意味からして、今あつた水はに対して成るべく具体的に開墾に対する被害の状態を……、今日は資料をお持ちにならなければ今後お願いしたい、こう思つております。
  136. 長谷川義意

    ○説明員(長谷川義意君) 私の方も災害復旧というよりも只今お話ありました通り、防災方面から建設省並びに農林省においても、各林野局等あらゆる方面と連絡をとりまして、詳細なる毎年の具体的な台風の影響による統計的なものを調べまして、詳細に調査し、防災方面に全力を注いで行きたいとこう思つております。
  137. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 これは事実はどうか知りませんが、最近私地方で聞いたのでありますが、これは開拓課でなさるかどうか知りませんが、多分開拓課と聞いたような氣がしますが、それは災害防止の堰堤を切るとあつた。これは砂防の堰堤であります。それから灌漑用の堰堤であります。砂防災害防止の堰堤を農林省の方で計画されて、それを府縣でやつておりますが、事実そういうことがありますか。
  138. 長谷川義意

    ○説明員(長谷川義意君) 只今お話が出ましたが、防災方面から見た堰堤の切り方が出ましたが、それは土堰堤であります。とにかく山から急速に出て來る水を一旦そこで堰止めまして、その水を全部受入れまして例えば今まで百の水が山から出まして洪水になるとすれば、その土堰堤を作りまして、そこで調節しまして、五十の水を流す、そうしてその残りは直ぐ洪水が終つてから逐次流して行く。そういうようにいつも空にしておいて次の洪水が來ましたときにその方法を取るというような計画になつております。
  139. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今の御説明でいよいよそういう事実があるということははつきりしました。そうすると事実これは砂防事業として仮に一時水が沢山出るのを防ぐ、これは初めそういう堰堤は砂防堰堤じやないというふうな説もありましたが、内務省自体に……。併しその水が非常に狹い川で、若しも急に水を流さないで水を調整して流すならば、その下流の狹い川は災害を蒙らない。狹い川が災害を蒙むつた場合は当然砂防として直すのでありますから、災害の起らない下において先ず以て洪水調節用の堰堤を作るのには砂防の一環として認める。これはドイツでもやつておることであります。これは現に宮本技師と極論して砂防だとかないとか言つて結局砂防でよいということになつて砂防の大きな事業として中國方面にはやつておる。これは今まで砂防ということで農林省の方でいろいろの係爭があつたと思いますが、そこで、今度は開墾の方も亦いろいろと問題が起きて來まして、ますますこれは河川局長の方にお願いすることが多いのでありますが、河川局長がここにおられますから、こういうことがあるということをよく御認識願いたい。実はこの前に私は委員長をやつたときに、そういうことがあるということを聞きました。これまででさえいつも農林省、それから建設省の砂防といろいろ問題がありますが、これは事実砂防と全然変りがないのでありますから、それをよしなさいといつてその当時お止めになつたことを知つております。事実そういつたものがあるということを建設省としても砂防観点から十分お考えになられ、又農林省といたしましても、何も自分の方で事業を取ろうとしないで、そういうことは砂防の方の仕事をしているその方に任して一つ砂防をやつて呉れないかという、そういうような大きな襟度を持つてやつて貰いたい。建設省、農林省お互いにどうして國のために盡すかという考えを持つて欲しい。建設省の河川局長もおられるが、又農林省当局も今後この考えを根本から改めて貰いたい。これを特に希望するのであります。又これに関しては或いは後日の委員会において又資料を見て詳しい説明があり、又質問をするかも知れませんが、これ以上この問題については言いませんが、こういう事実があるということは一應はつきりしましたから、申上げる次第であります。
  140. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 他に差当つての御質疑がなければ、今度は請願が來ておりますので、それを処理したいと思います。  都市計画の路線の変更についての請願をちよつと專門員に朗読させますから……。都市局長も來ておりますので……。
  141. 武井篤

    ○專門員(武井篤君) 説明いたします。  場所は札幌市南九條西二丁目前田太郎外三名から出ておるものであります。紹介議員は板谷順助君であります。  この請願の要旨は建設省の昭和二十四年二月二十四日附の建設省告示第百十四号及び昭和二十四年三月三十日附建設省告示第三百三号に対する路線を三十六米に変更して貰いたい。こういう請願であります。  理由とするところは、土地は昭和二十年の五月に防空法で以て強制疎開された土地であります。終戰後札幌市はこの土地を利用して路線四十五米及び五十米四五とする都市計画を立案したが、これに対して疎開者はこの路線を交通、防火上支障のない程度と認めた三十米五〇とするように請願を市議会に提出した、市議会ではこれを愼重審議の結果三十六米を妥当とするように訂正の上採択した。その後開会されたる北海道地方都市計画委員会においては市議会の採択を無視して、札幌市案を以て決定の上建設省に答申したので、告示の通りの決定となつた。この土地を路線とするため市で買上げるとしても時價坪平均二万円程度であるから全土地坪数は一万坪であるから二億余円となつて、札幌市財政上到底買上不可能であるので、市は事業実施困難と思考される。この土地は商店街としては最も適切な土地であつて、今この土地を全部路線とされることはひとり疎開者のみではなく、札幌市全体の損失甚大である。札幌市は他の都市に比して商店街が少いので、若しこの土地を返還の上商店街とすれば、税收の強化となることは勿論、三百棟以上の住宅の建設を見ることになり、現下最も深刻なる住宅難緩和の一助にもなる。  そういうような理由で以て四十七米に決められたものを三十六米に変更して貰いたい。こういう趣旨であります。
  142. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) これは一つ地方で騒いでおりますので、局長より一つ詳細に御説明を聞きたいと思います。
  143. 八嶋三郎

    ○説明員(八嶋三郎君) 只今の請願の趣旨でありますが、札幌市の南四條線の路線の幅員の問題について只今の請願でありますが、これについては只今請願の中にもありましたごとくに、実は戰爭中に疎開して防火上必要としたものを戰後において都市計画上、眞に必要なものだけを残して、その他は全部元の地主に返すなり、処置をするなりせよという実は指令を出してありますので、この札幌の南四條線の問題につきましては、いろいろと市並びに縣御当局でも御意見を十分拝聽いたしまして、実は札幌市の性格なり、又いろいろ防火の点等を特に考えまして、この南四條線を一應四十五米といたしまして、実は都市計画委員会の議にかけて参つたのであります。この委員会におきまして、いろいろと数回に亘りまして議論を重ねて愼重審議をいたされました結果は、やはりこれは四十五米が適当なりという実は結論で、私の方に報告になつておるのでございまして、從いまして、昨年の本年度の両回に亘りまして、これを生産再建の事業として実は事業の実施をいたしておるような次第でございますので、今直ちにこの変更を見るというようなことにつきましては、私共は今のところは直ぐ採り上げるということはできんだろうと思つております。但し今お話のございますいろいろの家屋等の問題につきましては、市当局並びに縣当局とも十分に打合せを遂げまして、それらの方々の願意の存するところを十分に参酌いたしまして、処置を図つて行きたいということを考えておるような仕末であります。  尚縣並びに市当局ともこの問題につきましては、今後十分に一つ打合せを遂げた上で、これが処置を図つて行きたいということを特に考えておる次第でございます。
  144. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 自分の直接聞くところによりますと、すでに疎開した者は帰つて來る場合において四十四米にするというと、居る所がなくなつてしまう。三十六米ということにすれば現に自分達の居住する場所も今建てる家も復活することができる。而してその道路の続いておる先端の方には豊平川の橋もある、その橋も皆三十六米の計画ができておる。もつと狭くもできておるかも知れない。それからその土地を四十四米に拡張する途中に今何ともすることができない不燃質の建設物もあり、又小学校もそういうようにして建設されてある。で、でこぼこのある四十四米の道を設けられなければならない、それはどういうところから來ておるか、その御説明して頂きたい。更に札幌市の一番廣い道路は三十六米であるということであれば、札幌の道路はすでに今日でも全國の都市において狭い道路のものとも考えられない。で精々人口は目下のところ二十万か三十万で、五十万、百万という次都市の中にも入るものではないのであるから、徒らに一部に大きな道路を造つて貰いたいということは、敗戰日本の都市復興としては余り出過ぎたものではなかろうかということも私共は考えられるのであります。で私は実は市長もしておりまして、中小都市の都市復興も考えたのでありますが、これはなかなかやり難いもので、遠大な計画せ立てて見ようとすれば、関係者においてそれと反対の意見を立てる、又無関係の人が成るべく大きなことをして、後へ残して行こうという、その間に摩擦を起すのは大抵の所にあるという状態を私は見ております。で私は現場は大体想像いたしておりますが、將來を見通すことも必要でありますが、余り地方民の意思を無視して大きな道路を計画して、そうしてそれがために貴重なる土地を費し、又更に今後道路が廣ければ廣い程舗装その他において経費がかかるのでありますから、そういう点を考えて見るというと、市民の負担を増すことになるし、市議会において三十六米でいいというのを途中において無理矢理に殖やさなければならないということは、如何にも市民の声を無視したような見方にも……、これは一方的かも知れませんが、考えられます。その点においてどうか当局において十分檢討せられまして、何ものにも拘泥するところなく將來を考え、又現在の繁栄をも顧慮して、札幌市にふさわしい計画に向くことを私共は念願するのです。これに関して道路の方はどう考えておりますか。
  145. 八嶋三郎

    ○説明員(八嶋三郎君) これは委員長から御注意もありましたので、私共といたしましては、只今のお話はまあ札幌市に限らずいろいろと戰災都市その他の問題につきましての御注意もあつたと存ずるのでございますので、こういうような点については実は戰災復興の再檢討をいたそうというので、実は不燃等の問題につきましても、或る程度十分地方の実情等参酌いたしまして、そうして極めていいようなところは防火体などにつきましては十分に愼重にして行かなければいけないということで、実は先日戰災復興対策協議会というものを建設省の中に設けまして、そこでいろいろ御審議を願つたのでございます。近く全國の課長を集めまして、これが再檢討を指示いたしたいと思つておりますので、その中には実はその幅員の問題等も入つておるのでございます。この南四條線の問題につきましては、実は先程お話のありました住宅問題の点につきましては、これは疎開をいたしましたのは随分古い話なんでございまして、恐らくその人達が今まで住宅がないということもないのじやないかと思つておりますが、併しこの点につきましては、十分市当局とも道当局とも打台せを遂げまして、それらの人達の不安のないようにして行きたいという氣持を十分持つております。尚市会の方面の問題は、実は先に本年度の予算を議決いたします際におきましては、四十五メートルの議決で予算の成立は出ているような状態なんでございます。その後におきましては、実はいろいろ請願があつたりいたしまして、三十六メートルに大体の意思があるのじやないかというような結論らしいのですが、そこでそういうような事情も含みましたものですから、実は委員会におきまして、数回に亘りまして愼重審議をいたしました結果が、やはり過半数を以ちまして四十五メートルがいいという実は答申が参つております。市長は是非ともやりたいというふうな御意向もございます。ただ私共の老婆心といたしまして、事業をやる以上は市当局のみならず市議会におきましても、一つ一体となつて行かなければいけないということで、途中において仕事を打つちやられるようなことが非常に心配になるわけであります。その点につきましては実は市長及び市会議長並びに道知事というものと十分懇談を遂げたいという氣持を実は持つておる次第であります。
  146. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 この問題は大体建設省としても調査なさつたものと思いますが、併し一旦これで採決しますと……我々は成るべく実行のできないことは採択したくないのです。でありますから、今この委員会にかかつた点もあるので、もう一度再檢討して貰つて、その請願の通りにやつていいかどうか、或いはそれじやいけない、どうしても技術的にいかない、とにかく再檢討をお願いしてその結果に基いて或いは採択するとかしないとか、今軽々にこれを採択してその結果、もうどうにもならないということになりますと、この委員会の権威にも関係すると思います。私ばもう一ぺん再檢討したいと思います。
  147. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 赤木委員の御意見の通りいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それではそういうことにいたします。  次は十津川、吉野川関係、島根縣大山、それから只見川関係の総合開発の問題をお聞きすることにいたします。
  149. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) 特定地域の総合開発計画のことにつきましては、先般の國会におきましても若干申上げ、過般御視察を願つたわけでございます。この特定地域を拾いました理由等につきましては、重複を避けまして申上げませんが、要するに残された資源で、方法を以てすれば開発が可能ではないかと覚しき地域を拾つて、その中でも最も地方において有望且つ適切なものを十ケ所選定いたしまして、その計画を段々と固いものにして行き、又一方においては公共事業の面では若干の予算的措置をも加味するという段階で今日に至つております。從いまして、奧会津地域とか或いは十津川の流域とか、大山、島根半島沖を加えての地域とか、等々まだ他にもあるわけでございますが、そういうものについても只今ここに確定的な計画が樹立されるという段階には至つておりません。或る程度のものは地方においてこれを纒め、中央の関係者の協議にかけるという程度のことは進んでおりますが、例えば奧会津におきましても、電源開発をどういう形式にするかというような、非常に大きな國を挙げての大問題を控えておりますので、確定的な案に進むというよりは、むしろいろいろな案を比較檢討して行く、その場合に総合開発という以上、ただ電力だけを電力会社が開発するというようなことに終らんように、その地方も全体として開発され、生きて行かれるというようなものを総合的に見るということを深く強調して、その認識の下に事業を見て貰うという一種の輿論開拓時代と言つてもいい程度でございます。從いまして総合開発計画の公共事業費につきましても、先の國会で申上げた通り、新らしい費目、総合開発というようなものを計上しまして、それによつて事業を施行するという段階に至つておりません。やはり川のことは河川でやる、或いは開墾のことは農林省の方で考えるというような理屈に、それぞれの予算はそれぞれの省においてこれを流すという形をとつております。ただその場合に、安本を一つの調整機関として、そういう総合開発計画に成るべく近寄るように、それを実現するにいいような予算の調整をして、そうして流したものが段々と進んで行けば、総合開発計画が段々実を結んで來るという段階にございます。このやり方につきましては実は、若し本当に権威のある確定的な計画ができるならば、これに法的な一つの権威を持たせるということが残された問題でございまして、この法的な権威というものは、今日まで総合開発とか総合計画というものにはございません。從つて例えば地方計画法というような法制的な処置をやりまして、その一環として特殊な地域における総合計画が決定されれば、それによつて諸般の事業はその線から外れてはいかんというような法的処置も考えなければならんという意味で、只今建設省においては地方計画法的な法制を用意しつつございます。と同時に又予算の上におきましても、総合開発計画が本当にものになり、本当のものになるならば、どうしてもこれは從來の行政の系統に從つて予算を流す方式でなくして、何々地域総合開発費というような費目を設定して、これによつて事業の完璧を期するということにならなければ嘘であるという意味におきまして、更に計画を深く檢討し、固いものにいたし、その権威において予算的処置をも各省の了解を得て一本のものに持つて行けるようにするということが現段階における我々の任務であり、又努力の目標でございます。從いまして過般御視察を願つた吉野、熊野或いは大山、島根半島或いは只見川即ち奧会津等の地域の御視察の結果につきましては、十分一つ御意見を伺つて、今後計画をコンクリートにする上において、我々はその御意見の線を十分採入れて又研究したい、こういうように思つておる次第でございます。先ず総論的には一應その程度申上げます。
  150. 北條秀一

    ○北條秀一君 総合開発についての総論が今説明されたのでありますが、私は先般大山と島根半島の総合開発についての調査をいたして参りました。その調査の結果につきましては、後刻報告をするわけでありますが、この際管理局長に質問いたしたい点は、現在までのところでは総合開発と言いながら、実際には総合開発をするための機構は整備されていない。從つて依然として農林省は農林省、建設省は建設省、こういうふうにてんでんばらばらにやつておる。從つて又縣に参りますと、縣は縣で各部、各課ごとにそれぞれ從來の殻に閉籠つてやつておる。極端な例を申しますと、一本の道路を道路課の方でつけると、他の方では、林務課の方では林道をそれに並行して作るというような問題が、單に道路の問題だけでなしに、河川の問題にしましても、或いは住宅、開拓の問題にいたしましても、あらゆる点にあるわけであります。そういうふうな状態でありまして、私は今総合開発について詳細な研究に基いて意見を言う段階に到達しておりませんが、少くとも今日までの経驗と調査に基きますと、早急に総合開発を実施するための機構というものを必要とする、中央がそういう機構を作れば、おのずから各県においてもこれらの機構に右へ倣つてやつて來る。そういうことによつて從來やかましく言われておつたところの官廳のセクシヨナリズムを打破し得る、それによつて現に各縣にそれぞれの費目で配付されておるところの予算、或いは各縣が持つておりますところの縣の予算というものを最も有効に使い得るのではないか、即ちそういう方法によつて総合開発というものを毎年々々逐次基礎固めをして段々と積み上げて行くことができる、こういうふうに考えるのです。その点が鳥取縣と島根縣を廻りまして、非常に弱点であると考えておるのでありますが、恐らく他の奧会津にしましても、或いは吉野川の総合開発にしましても、同様なことが言われるのじやないかと思うのですが、從つて早急に中央において総合開発を実際に行なつて行く予算措置は取れなくとも、機構的な措置をやる必要があるということを考えるのですが、これについての管理局長のお考え、即ち建設省ではどういうふうに考えておられるか、或いは他省との関係においてこれらの問題について相当論議をされておるのかどうか、或いはされたとすれば、その結果についてどういう見通しが現在あるが、これについてお伺いしたいと考えるのです。
  151. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) 御尤もな点でございます。私も北條さんが御視察の後今月初めに大山、島根へ参りました。そのときにも第一に注意として縣知事及び縣会議長、その他関係の方へ申上げた点は、その点でして、早速その意見に從つて審議室を作つて、いわゆるブレーン・トラストとして総合審議室を作つて、各部各局に偏しないような権威のある知事直属のものを作るということを提唱しましたところ、これは早速実行に移すということになつたようでございます。これは実は進んでおるところは正にそうなつておるのでございまして、鹿兒島縣においても知事直属の審議室を設けて総合的な企画をやる、その場合において土木部なり農林部なり、農地部というものはむしろ脇役というより、そのアジスタントになるという形をとつておる。尚能登半島におきましても、能登半島開発事務局という知事直属のものを設けておる。そういうことでやはり必要というものは実に不思議なもので、熱心な所及びその必要性をお感じになつた所はすでにそういうものができて、ややその縣としての態勢は整いつつあります。やや不熱心といいますか、少し立ち遅れの所はまだそういう態勢がないので、從つて作られた計画草案を見ますと、どうも寄せ集めを編纂したような企画になつております。これでは本ものでないというので、いわゆる総合の文字にふさわしいような機関を作ることをすでに指示しておりますし、又機会あるごとにこれを注意を與えて実現させるつもりでございます。  さて中央の機関でございますが、これは実は私の方が言出し手と言わんよりは、國土計画、地方計画の所管をいたしております省として、私の方の企画課が主としてまあこの縁の下の力持ち的な仕事をやつておるわけであります。併し何と言いましても、それ以上の最高の行政機関がない中央の各省におきましては、なかなかこれを一本に纒めるということが容易ならぬ藝当でございまして、なかなかこの機関を作るということには、正直に申上げて困難があるわけでございます。そこで我我は決してその一省がその仕事を專管するとか、そういう大それた考えを持たん、つまり幹事役をさして貰うという謙虚な氣持で各省にも呼びかけております。而も呼びかけて御協議を願うときには、幸いにこの外郭團体に國土計画協会というものがございます。これは各省の人も関係を願つておる外郭團体でありまして、この團体が主宰をして、いわゆるどこの省が主宰だからどうというような感じを受けないように、常に和氣靄々裡に具体的な実質的な問題を討議しようという形で今日まで來ておりますが、併しこれもいよいよとなりますと、やはり不満足なのでありまして、これを安本でやつて貰うことにするのが先ず現段階においては一番本筋でございましよう。各が総合調整機関なのですから……併し実際の仕事になりますと、なかなか安本でも全部の仕事を引受けられることもできませんので、今後どうこれを中央の機関を作るか、中央の統一をつけるかということについては今ここに御返事をする確信のある案が実のところございません。併し大体各省の御意向も必ずしも相反撥するような空氣ではございませんので、共に手を携えていい案を作つて、一つ推進しようという一つの空氣はうん釀されておりますので、形は法制的な形にならなくても、或いは協議会等を安本で音頭を取つて貰い、我我がその下働きをするという形で行けるではないか、こういう考えでいます。尚且つ先刻申上げました地方計画法の草案におきましては、どうしても中央に一つの審議機関を設けて、ここで諸般の総合計画をチエツクするという一つの法的な根拠のあるものを作りたいという考えでおります。併しこれも地方計画法を次の議会に提出して御審議を願うということになりますかどうかはちよつとお約束はできないわけでありますが、そういうつもりで中央、地方とも今北條さんのお話のような線に沿うて努力をいたしております。
  152. 北條秀一

    ○北條秀一君 特定地域の総合開発十ケ所を決定したわけですね、十ケ所決定は政府が決めたわけでありますが、四十六縣ある中で尚未開発で且つ今後総合開発として期待し得る地域が十ケ所しかないということではないですね、まだいろいろあるけれども、その内から緊急に総合開発の線に上るものを十ケ所選ぶというのは私は本当だと思う、そうなつて來ると、中央にこれは相当責任がある、今の管理局長の話では各縣に審議室を作つたらどうか、縣に任せればいいのだ、縣に任せれば、中央はできるだけのことをするというわけですが、私は縣の実際を見てみますと、やはり中央で中央が纒めて且つ相当強力に指導して行かなければならない。又その指導に應じて國家としても予算の措置を考えて行かなければならん。こういうことを私は強く懇願して來たのであります。ですから今のあなたのお話では建設省が幹事役をやつて中央の各関係各廳を纒めて行くには、國土計画協会がそれに協力するというようなことでありますけれども、どうもそれでも私は特定地域の総合開発という看板をかけるのには余りふさわしくない貧弱な内容ではないか、これは何とか分り易い方法はないか、これは今回の一つの大きな懸案であります。更に建設省は幹事役となつて関係各省を早急にお集め願つて、ここで一段の飛躍的な伸張をするように研究して頂きたいと、こういうふうに考えます。そこで今の縣の審議室は分りましたが、中國の場合には中國地方の総合経済研究所というものを作つております。これを各縣の関係をどういうふうに指導して行こうと考えているのでありますか。
  153. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) 前後の問題は御意見御尤もなことでありまして、我我ももう少し強いものにしたい、まあ本当を申上げますと、やはり一つの立案が要るだろうと思うのです。それで仮称地方計画法というような一つの案を持つております。併しこれが政治的、行政的に現内閣において取上げられるようになるかどうかは今後の推移に待たなければなりませんが、とにかく事務やとしては一つの案を持つております。これを推進すれば、その点にちやんとした骨組ができるようになつて來ると思いますので、今後努力いたします。  それから中國地方には、中國五縣のブロツクの、かなり進歩的なブロツク計画というものを進めておりまして、それには專門の調査事務局を持つております。これは私もそれに関係しておりますので、よく存じております。どちらかと申しますと、中國五縣の行き方は全國的に言えば、尖端を切るものでありまして、いわばテスト・ケースみたいなものになつております。これは各府縣知事とも非常に協力いたしまして、あの附属の機関で基本的な資源調査その他をやつて、そうして各府縣から出した要望を総合して、そうして中國地方はかくあらねばならんというブロツク活動を盛り立てて行こう。それで中央で作る経済復興五ケ年計画の実施案にまで持つて行こうという理想でやつておりまして、他の地方においても同様なものができることを期待し、又これを一つ処置して行こう、或いは指導して行こうというところでございますが、実際やつて見ますと、なかなか容易ならんことでありまして、あれは幸いにも滿鉄の方々の調査スタツフが割合に得られたものですから、先ずその権威のある基礎ができそうでございます。それもなかなかこれは各府縣のいろいろな関係がありまして、そうして各府縣の具体的な今度の計画をどうするかということになると、これはなかなか何らか法制的処置を見ませんと、ただ申し合せによつてブロツクの協議会でうまく行くかどうかは今後の推移に待たなければ分からないと思います。これも亦やはり私は地方計画法か何かで、ああいう機関を法的な裏付けのあるものにして行かんと最後の仕上げがむつかしいではないかとすら思つておるわけでございます。併し今日までの状況におきましては、中國ブロツクに関する限りは相当熱心に且ついわゆる深く堀り下げた案が作られつつある、でこれは幸いか何か知りませんが、最近公供事業の予算の実施割当等に関して関係筋からは地方の総合的な計画の線を十分参酌して予算を割当てろ。ただ天降りの予算の配付はいかんというようなサゼツシヨンもあつたやに聞いております。これは安本において然るべく行政的処置を取られつつあるらしいのでございますから、このあたりから見ましても、やはり地方の総合的な計画に能う得べくんば中央の施策がマツチするようでなければいかん。要するに金も死んでしまう能率も挙がらんということになつてしまいます。そういうようなかたがた要求もありますし、しますので、今後ブロツクなり府縣からそういうものの計画というものを一つ我々も勉強して仕上げるようにして指導して行きたいと思つております。
  154. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) ちよつと北條君に申上げますが、あなたのお手許に河川総合開発表がありますか、これは経済安定本部からこれを廻して來ておりますので、この関係上今この主査の方がおられるようだからこの方に一つ又関連してどうぞ……。
  155. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) 経済安定本部建設交通局開発課の畠山でございます。私から河川総合開発調査というものにつきまして簡單に申上げたいと思います。お手許に二つの種類のプリントをお届けしておるわけであります。「河川総合調査の現況に就いて」というのと、一つは「河川総合開発調査運営方針」こういう刷物を差上げてあります。大体これで私の申上げようとすることは盡きておりますが、簡單に附加えさして頂きます。只今お話がありました治水総合開発計画と河川総合開発調査というものは形の上で、これは車の両輪のごとく一應独立した恰好になつております。「河川総合開発調査の現況について」というプリントの二頁目に書いてございますが、貯水池というものは治水や灌漑や電力の開発等の問題、その外に工業用水とか、上水道の水量の確保というように、非常に多目的に使わるべきものである。且つ貯水池というものは、人工貯水池にしろ、天然の貯水池にしろ、河川を一括した最も理想的な開発がなさるべきであるという趣旨から、昭和二十二年度より河川総合開発調査という調査をやつております。それは目的がそうであるばかりでなく、我國の地形が貯水池を建設した場合に、地形が狭隘で河川勾配が急でありますもので、ただ軍力なら電力、灌漑なら灌漑という單一目的だけで貯水池を作りますと、コストが高くなりまして、非常に貯水池に可能なところが少くなりますので、いろいろな目的を総合しまして、そうして割勘的負担をなしまして、共用の貯水池を作りたい。こういうのが趣旨でございます。只今まで昭和二十二年度以前におきまして、そういう調査がなかつたものでありますから、安定本部ででき上りましたものを主といたしまして付託したわけであります。そういたしまして、その運営方針は次の刷物に書いてございますように、「本調査の対象は発電、灌漑、治水、工業用水、上水等の諸見地より総合調査を必要とする河川の中から至急施策計画を樹立すべきものを選択する。」こういたしまして、「本調査は経済安定本部の定める調査計画に從い農林商工及び」これは少し古いプリントですから「内務各省において実施を担当する。」ことといたし、「但し右各省は他の能力ある團体に調査を委託することを妨げない。」というような方法で調査しております。調査費の問題につきましては、昭和二十二年度におきましては、七百六十五万円を予備金支出で得まして、十一河川を調査の対象にいたしたわけであります。昭和二十三年度におきましては、三千百二十万円の予算をもらいまして、十三河川の調査をいたしました。本年度におきましては、二千万円を以て十二河川の調査をいたすことになつております。本年度の予算は経済安定本部に全部二千万円をつけてもらいまして、これを担当河川別によります担当各省に分割する方法を取つております。この点少々お分りにくいかと思いますから、プリントの三頁を開いて頂きますと、概略のことはお分りになると思います。先程からもいろいろ御説明がございましたように、河川というものの関係する官廳は、少くとも建設省、通商産業省、農林省がございます。それからその外地方廳がございます。それから企業團体として、電力会社とか、いろいろな用水組合というものがございます。それから又地方廳と同じく自治團体、水道なんかで自治團体というものが関係しておりますが、調査はどこか一つが担当して細かいデーターを作るという建前で、一應河川を主役と脇役に分けまして、主役のところでいろいろなデーターを集め、そうして報告書まで作るという建前を取つております。三頁のプリントを御覽になりますと、本日この後で議題になります十津川、紀の川、この問題につきましては、農林省が主役をやりまして、そうして建設省と通商産業省が脇役になりまして、各地方廳その他の関係團体を網羅しました地方協議会というのを作りまして、そうして農林省がその調査方針に從つて調査を行いまして、その会議にかける。そうしてデイスカツシヨンしまして計画を定めて行く、こういうより方をやつております。それから熊野川につきましては、十津川、紀の川より分水しました北山川をどういうふうに開発すべきかということを、二十三年度から建設省が担当で主役になりまして、通商産業省と農林省が脇役になりまして調査を進めております。それから只見川につきましては、通商産業省が主役となりまして、建設省と農林省が脇役になりまして、只今調査を進めつつあるわけであります。ですから治水計画の方と、河川総合開発調査の方とは、こういう点で入り混つておりますから、その間連絡をとりつつ仕事を進めております。只今申上げました十津川、紀の川について地方の協議会を設ける。それから又熊野川について地方協議会を設ける。只見川について地方協議会を設けるというようなことを御説明申上げましたが、河川開発総合調査の方では、別に河川ごとに地方協議会を設けまして、それを総括するのが中央協議会であり、つまり中央協議会というものがありまして、どの川を選ぶということを定めまして、どういう計画の下に調査をしようという、大体の構想を與えまして、それを地方協議会に移してそこで細かいデイスカツシヨンをする。そうしてでき上りました結果は又中央協議会にかけまして、経済安定本部に報告して頂く、こういうやり方をやつております。中央協議会のメンバーは、次の頁に出ておりますように、経済安定本部、通商産業省、建設省、農林省、日発、学識経驗者すべてを網羅しまして、連絡を密にしているわけであります。只今まで河川総合開発調査というもので調査を終りましたのは、大体九河川ばかりの調査を大体の構想を纏めて報告書起草を今やつておるような次第でございます。
  156. 北條秀一

    ○北條秀一君 今の案はこの表でどこどこであるか言つて頂きたい。調査を完了したのは……。
  157. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) 調査の完了したのは、三頁を御覽になりますと琵琶湖と書いてございますが、これが二十三年度までで大体の計画が纏つております。それから十和田湖、猪苗代湖、朝日川、十津川、紀の川、江の川、物部川、嘉瀬川、玖珠川が二十三年度までに実際の調査作業は終つたということでありまして、報告書の出來上つておりますのが、嘉瀬川、それから物部川、それから物部川はまだ、只今印刷中でありますが、それから一應計画の全貌が、会議で決まつたのが十津川と紀の川でございます。後のものにつきましては猪苗代湖は只今報告書が大体において原稿が完成したという程度でございまして、後のものは、今残務整理をやつております。それで河川総合開発調査は、一應飽くまで調査するということを前定といたしております。これの企業というものとは、別個に考えておりまして、計画を作る……河川を一貫した、もう少し具体的に言いますと、貯水池計画を作るのだということのための調査をやるということになつております。ですから企業というものと実施という面とは、一應は分離されて運営いたしておる次第でございます。
  158. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) この参加する各省のことは分つておりますが、この主体となるのは、前々から何か或いは灌漑排水のことを主としてやる場合なら農林省が主としてやる、或いは初めから、電力開発の目的でやつたものは通商産業省、それから河川の修築、それから砂防等の見地から來たものは建設省、何かそういう目的のためにこういう数字になつたんですか。まあ沿革的に初めから手をつけておつた関係上、こういうふうに入り混つたのか、私共の考えは、河川ということを利用して、……ですからいわゆる治水、利水という方面から言えば、当然これは河川の方で、建設省が主となつて、後これを、その河川を利用する関係省がそれに参加するということが主でなければならんと思う。何かこれはえらい複雜になつておるが、どういうところから來ているのですか、決してこれは、こだわつて言うのでも何でもありません。ただ私共が理屈の上で、ちよつとそう考えるのであります。  それからもう一つ二十二年度分と、二十三年度分、これはどういうわけですか。前からこういう計画があるということですか。
  159. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) 今一緒にそれでは申上げますが、これはつまり主役となる担当省をどこがやるかということにつきましては、大体におきまして、只今までは一番関連のありそうな所を三省協議の上決めております。例えば只見川につきましては、只見川の開発は電力がかりでやるべきでないということは、やるべきでは勿論ございませんが、電力のウエートが非常に大きいという点で、三省協議の上通商産業省が主役となる。それから例えば嘉瀬川につきましては、昔から嘉瀬川は上流部には農林省がいろいろ計画しておつたところがある。そうしてその嘉瀬川の計画というものは灌漑方面に主なる目的があるんだという考え、建前から三省協議の上農林省がやるというようなやり方を取つております。それからここに二十二年度分とか、二十三年度分とかがございますが、丁度このプリントに過去の歴史を合せて刷つたわけでありまして、二十二年度の予算七百六十五万円では、これだけの調査をこの河川についてやつたと、それから二十三年度には三千百二十万円で、こういう担当でこういう河川をやつたという表でございます。それですから、二十四年度分に新らしく入りますのは、信濃川、石狩川、球磨川、神戸川、矢部川、こういう五河川が新らしく顔を出しておる、こういうことを示しております。
  160. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今の河川の総合開発調査は、先程の特殊地域の総合開発、これという関連にあるのですか。
  161. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) これは直接の、この二年ばかり前に実は河川総合開発調査もスタートいたしておりまして、その間特定地域の問題につきまして、そちらの方も或る程度具体化しておるという実情になつたわけでありますが、それは中央協議会の人員をダブつていると申しますか、例えば特定地域に最も関係の深い建設省の企画課長の小澤さんのような方々には、こういう河川総合開発のメンバーにもなつて頂きまして、メンバーそれ自身を以て両方の連絡を取るという形に現在進行しております。
  162. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今の御説明は私は分るのですけれども、そうなると、結局人間中心ですね。というやり方になつて、組織ということを全然軽く考えておる。そこには弱点があると思う。だからその点は先程管理局長にも申上げましたが、早急に直さなければならんと思います。特に関連しまして御質問しますが、ここに出ております神戸川ですが、島根縣の神戸川の総合調査をおやりになつて、これはまあ通産省がおやりになつたのですが、島根縣では、先程管理局長が言われましたように、今度は知事の下に審議室を作る、あそこでやつておるのは神戸川は勿論考えておりますが、宍道湖を中心とした総合開発を考えておる。神戸川というのは総合開発の極く一部です。それと、ここでやつておられるそういつた神戸川の総合開発調査というものと、今の島根縣当局のやつておる総合開発というものとどうこれからマツチさせて行くか、その点について何か考えておられませんか。
  163. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) それは私からお答えいたしますが、これは最近斐伊川、神戸川に行つて参りました。今安本のおつしやつておられることは何か通産省が担当するとかということですが、私の見たところによると、そんな通産省という問題じやないのでして、あの斐伊川なり、宍道湖なり、あの何とも言えない尻詰りの川なり池というものとの関連において神戸川というものは料理すべきものであつて、たまたま神戸川の上流に水力発電の電源があるということもあるけれども、併し実はその斐伊川をどうするかという問題と関連して神戸川は考えるべきであつて、ということはつまり斐伊川、宍道湖その尻の大橋川、これらと一体をなして、神戸川というものを料理すべきものだ。そういう意味においてはまあ安本で御決定になつた理由は知りませんが、必ずしも通産省が受持つことがいいかどうか、非常に疑問であつて、むしろこれは縣があの出雲地方の全体の計画の一環として、中心となつて、中央の人の援助を請うて調査をし計画を立てるという方が正しいではないか。併しまあこの個々の問題についてはそういう問題があると思いますが、安本の河川総合開発というものの行き方は二、三年前からまあ一ケ省でなかなかやれんから、比較的関係の多いと覚しき省が分担してやろうという軽い意味たろうと思います。だから或る省がやるから、通産省は電源一点張りというようなことで神戸川の問題が解決すべきものじやないかと思つております。その点は十分今後も注意してやりたい。総合開発との関連においては私はそう考えております。
  164. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今のお話がありましたが、分りましたが、私は神戸川の問題を出したのは、神戸川の問題は島根縣の総合開発の何分の一かの小さな問題です。それを特にここで河川の総合開発として重要河川の中の一つに採上げられて相当な総合調査費を出してやつておられますから、非常にここに私は奇妙なものを感じたわけです。それですから、島根縣の総合開発をやつておる、宍道湖を中心として斐伊川等を加えた総合開発をやつておるということを十分承知の上で、電源を神戸川に求めるのだ、ただそういう小さな目的のために開発されるのであると、これは河川の総合開発というのはちよつと看板が大き過ぎるのじやないか、神戸川の電源開発というならば分ります。総合開発の問題とすると奇妙な感じが起きるのです。
  165. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) 只今お話ございました通り、斐伊川の問題、それから神戸川の問題につきましては、併せて我々の方も地図の上でいろいろの計画について考えております。ただ川のつまり貯水池計画はどうするかという点につきまして、もう少し具体的に申しますというと、神戸川の水を斐伊川の方に持つて行けるのじやないかという構想も実はあつたわけであります。ただそれでは斐伊川の方の貯水池計画について何故考えないのかという疑問がございますと思いますけれども、一應地図の上では考えまして、斐伊川も金額の許す範囲におきまして考えたかつたのでありますが、予算が幾分不足したもので、神戸川の上流の貯水池について中心に考えようじやないかということに実は決つたわけであります。それでそれから又只今まで、五月一杯までは経済安定本部も建設局におきまして、特定地域の問題を取扱つておる課と、それから河川総合開発を取扱つておる課とは違つておりましたわけでありますが、六月の一日から建設局開発課となりまして、併せまして開発課の方で担当いたすことになりましたもので、今後は今までよりも遥かにいろいろな点につきまして連絡がうまく行くのだろうというふうに考えております。これをちよつと附加えて置きます。
  166. 北條秀一

    ○北條秀一君 要するところ、先の話に帰るわけですが、今はそういう特に神戸川の例をとつて申しましたのは、一方には河川の総合開発計画があり、そのために中央協議会がある。地方に行くと縣には審議会があり、或いは中國総合調査所、四國総合調査所、こういうものがあつて、話を聞いて見ると一々尤もなんです。ところが聞いておるときは尤もなんですけれども、さて帰つて総合的に考えると私共には分らないのです。どういうふうにやつておるのか……、そういう点がありますので、それで何よりも総合々々と言いながら、結局すべて総合されていない、どうしても総合的なものを國土計画というふうな観点に立つて、その組織から、その機能からすべてを総合するようにして行かなければ能率が惡いのです。科学的でない。そういうところに私は持つて行きたいと考えたのですから、今のような問題を持ち出したわけなんです。ですから冒頭の問題に帰るわけですが、これは安本、建設省、関係各省は人によつて下つて來るというような考え方でなしに、組織によつて、組織立てる、同時にその組織を、最も有効に人を動かすという方向に早急に持つて行くように努力しなければならん、これだけです。
  167. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) 御尤もでございまして、是非そういうように我々勉強しよう、又それについて具体的な方法について御意見等が承われれば尚結構だと思います。
  168. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) ちよつと私からも一つお尋ねして見たいと思います。この総合開発計画についての計画ですが、勿論計画と起業とは又別になつておるでしようが、併しただ調査といつて実現性のないものを、多額の経費を投じて調べて見る必要はない、必ず実現させる方法を取らなければならん、それについては建設省なり、安本の方で如何なる方法をお取りになつておるでありましようか、これを或いは日本発送電などからも出ておるから、そういうような方面に移して、速やかに実現させるような方法を取つておられますか。ただこれを官廳の一つの調査資料として、聞きに來た者には示すということになつておるのか、又或いは他の方法でこれを成るべく起業の希望のあるようなものに公開して、それを速やかに実現するような方法に移してやるのか、それをちよつと伺いたいと思います。
  169. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) 河川総合開発調査協議会といたしましては、調査をいたしまして報告を出せばよろしいということには変りはございませんが、その中に建設省なりそれから通産省、農林省、我々の行政機関があるということは、実施というものを前提といたしまして進んでいるわけであります。例えば本年度の予算におきまして、嘉瀬川及び物部川は幾分の予算が付いている。そういう公共事業に関しましては予算に反映させるべく努力する、こういうことをやつておりますし、又電源開発につきましては、この協議会で定まりました趣旨に基きまして、電力行政、つまり電源開発の規模並びに計画というものをそれに合つた線の上に持つて行く、こういう操作をやつているわけであります。例えば例を申しますというと、先日新聞紙上にも、GHQの方から認証を得ました三十幾つかの発電所に関しましても、その中に、今ちよつと数字を覚えておりませんですけれども、我々の方の協議したところが相当入つている。又これから認証を申請する場合におきましても、総合調査で決まりました線に沿いまして申請をやつて行くという建前を取つております。
  170. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それからこの調査は、戰時中工事を中止しておつたのがございますか。
  171. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) ございます。
  172. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) そういう工事のできておらんのを更にそれを再檢討して利用價値を増進して行くというようなものは入つているのですか。
  173. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) それは北上川につきまして、北上川の治水をどうするかというために、前に工事が戰時中中止になつている、例えば猿ケ石のダムというものもございますが、これらも併せまして北上川全体として考えまして、そのために或いはダムの高さが違つて來るということもあるのじやないかということは考えられます。それから工事中のようなものは大体におきましては対象の外になつております。
  174. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 中止されているもの……。
  175. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) どんどん工事の進んでいるもの……。
  176. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 新規のものばかりですか。
  177. 畠山正

    ○説明員(畠山正君) 大体におきまして……。ただ北上川を例に取りましたが、あれには五つの支流に五つのダムを造る、たまたまその一つに工事中になつておつた猿ケ石のようなものがあるということを申上げておきます。
  178. 北條秀一

    ○北條秀一君 管理局長に最後に一つ……。今度政府が作りました北海道開発審議会、それとこういうようなものとの関連はどういうふうになつておりますか。
  179. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) これは発足早々でありますが、その後の進行の過程においてこれをどう結付けるか、多少考えておつたわけでありますが、御承知の通り北海道には北海道総合開発審議会がありますし、その他の地域には國土総合開発審議会があるわけです。從つてそれにはこれまで政府においてやつている特定地域の開発とか、或いは安本の産業五ケ年計画というようなものについて参考資料を出せ、説明もしろというようなことで説明をいたしております。併しこれは何と申しましても部分的な問題ですから、だからあの審議会で審議する。北海道全体を如何に管理をするか、或いはその他の地域全体の國土総合開発をどうするかという線から言えば、言わば一部分と言わなければならない。併しながら全体の一部分ですから勿論関連があり、又あの審議会が今後発展する上において、一つの準備過程としては相当有力な参考意見になるだろうという意味において協力はするということになつておりますが、その後まだ余り進展していないようです。併しこれはむしろやや行政的な実体に触れております。あれはむしろ総理大臣のプレイン・トラストとしての審議会ということになつておりますので、より基本的な問題、或いはより総合的な問題という性質があるわけです。從つて今のところあれとの関係が直ぐどうこうということになつてはおりませんが、併し我々はあの審議会のためには十分下働きをするように努力しておるわけでございます。
  180. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 今皆さんのお話を聞いていると、結局地域総合計画、河川総合計画、今の北海道総合計画とか、ばらばらの計画で、全体の総合計画がない、國土計画はないということになるわけですね。日本の全体の國土計画はない。これを建設省か内閣か知らんが、考えて行くことになるのでしようけれども、今のところはそういうことですね。
  181. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) 正直なところそうだと思います。併し例えば治水なら治水の五ケ年計画とか、道路なら道路の四ケ年計画とかそれぞれあるのです。又開墾の方なら開墾、百五十万町歩開発計画とか、電力なら何百万キロワツト開発計画とかいろいろあるだろうと思います。併し結局そこで國土の総合開発計画はないじやないかということになりますと、確かに私はそれが本当に集大成された意味の決定版はないと思います。併し結局みんながこれをやり通さなければならん。ただ一番この場合において難点になりますのは、一体日本の今後というものは何によつて、どういう産業によつてどういう國土を料理してやつて行くかという経済的な基本的な條件というものが決らない。日本の八千万という國民が八千何百万人或いは九千万人になる。一体これにどれくらいのカロリーの生活をさせるかということは複雜な経済状態にあるので……又國際輸出振興といつても、一体國際貿易で日本の経済の産業形態において何パーセントくらいのものをこの輸出産業に依存するかというような基本的な体系がないと本当はできないわけなのです。理論的に負けるわけです。併しそれが決るまで手を拱いておられるかというと、そうも行かない。そうするとどつちに轉んでもこれだけはどうしてもやらなければならんというようなものから手を著けて行く。その一つが特定地域であり、特定の河川の開発計画であると思うわけです。併しこれも結局は今お話のような本当の意味の國土の復興計画、又それが裏腹に見て経済の復興計画になる。それが又日本の國勢の復興計画になるわけだろうと思いまして、これは順を追うてやつて行かなければならんと私は思つております。
  182. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今の話は、私はそういう考え方もありますが、これは理論になりますから、この席上では憚りたいと思うのですが、若干申上げて置きたいと思うのは、成る程日本の経済條件というものがどうなるかということが決らなければ國土計画というものができないというふうに言われますが、基本となる問題は日本の國土が持つところの自然的な潜在エネルギーといいますか、それとその人口、この二つをどう処理して行くかということが國土計画の根本だと思う。そうなれば日本の國土が持つところの潜在力、潜在的なエネルギーというものは調査すればこれは分るわけです。河川の発電力はどれくらいあるとか或いはその林産物はどれだけあるとか、こういうようなことは要するに調査によつて十分に科学的に我々は知り得るわけです。從つてそういうものを如何に考えて行くかということが今日の総合開発の基本でなければならない。私はそういうふうに考えておるのであります。今のお話によりますと、國際経済の一環としての日本の経済のあり方が分らなければ、総合開発計画は立たんという御意見でありますが、それについては私は今申しましたような見解から相当檢討しなくちやならんというふうに考えますので、蛇足のようでありますけれども、一言附け加えて置く次第であります。
  183. 中田政美

    ○説明員(中田政美君) それは言葉のあやですから、できないと断言するわけじやありませんが、理屈を言われるとなかなかそういう問題にぶつかる点もあるわけです。例えば電源開発をするといつても、一体コストを何ぼかけてする程度が開発として可能な限界かということは経済問題である。又その電力はなんぼ高くてもいいというのではない、経済にペーするものとしての電源、それからいわゆるエネルギーの資源がどうなるかということも、やはり大きく言えば経済問題だということになる、そういう意味で非常に復雜になりますが、幸いに安本において今日漸やく成案を見られつつあるやに仄聞するいわゆる五ケ年計画というようなものがほぼ原則的にその筋の承認が得られるならば、我々はたとえそれが完璧なものでないにしても、一應のオーソライズされたものとして、その一つの仮の枠において本当のコンクリートな國土総合開発計画というものは可能だと思います。絶対にそういう條件が決まるまでは手がつけられんという意味じやない、一つのこうすればこうなるという意味の経済復興五ケ年計画が仮に近くできるとしますれば、勿論それは丁度それの再説或いは姉妹篇としての國土計画はこれは作らなくちやならん、又作り得ると思いますので、その点は北條さんと余り意見の差はないように思いますから御了承願います。
  184. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 御質問ありませんか。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  185. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 速記を始めて……それでは一つ本論に入りまして只見川の関係を……。
  186. 小林泰

    ○説明員(小林泰君) 私は建設省の利水課の小林と申します。  只見川の総合開発につきましては、先程畠山政府委員の方から御説明申上げました通り、本來は担当が水産省になつております。河川の水流の利用につきましての管理が建設省の所管となつておりますので、これらの計画について実際事業を進めて参ります場合には、直接の事務の担当は我々の方に廻つて來るわけでありますが、お手許に差上げましたパンフレツトによりまして御説明申上げたいと思います。  この只見川の概要につきまして申上げますと、現在我が國の水力資源として残されました最も大きなものでありまして、別のパンフレツトの熊野川と只見川という二ケ所につきましては、日本に残されました最大のエネルギーの未開発なものであるというふうに申上げられると思うのでございます。この水源は丁度福島と群馬と新潟という三縣の境になつております尾瀬原の尾瀬沼、この地点に源を発しているわけでありまして、信濃川の最も大きな支流になつているのであります。それで水源の標高から申しまして約千四百メートル以上になつております。その海に至る千四百メートルくらいの落差と非常に豊富な雨量による流量と併せまして、大体包藏水力というものが二百万キロを突破するような厖大なものに相成つているわけであります。それでこの地点につきましての開発は永年から問題になつておつたのでありまするが、非常に山間僻地であるために開発が遅れておつたわけであります。昭和二十二年の末頃に日本発送電の方でここにお示しいたしましたふうな開発計画案ができ上りまして、二十三年に至りまして新潟縣の方からこの第二に上げております新潟縣案というものが提出されて参つたのであります。そしてこの両案につきまして、総合開発協議会としては專門的な、技術的な檢討が加えられつつあるのであります。で本年度におきましても、信濃川の利水という面からも関連を以ちまして、信濃川の調査と共に並行いたしまして檢討されることに相成つているわけであります。日本発送電の案によりますと、この水源にあります、この後に図面がございますが、これを御覧頂きますと大体の地形が分ります。この図面の一番下に出ております尾瀬沼の方から尾瀬原の方に一段と下つているわけであります。尾瀬原の一部に六十二メートルの堰堤の作りまして、これに貯水いたしまして、尚この農水期の各河川の水をこれにポンプ・アツプいたしまして、これを渇水期における補給用の貯水池といたしまして、下流に只見川に沿いまして奧只見、前澤、田子倉、館岩というようなその間の堰堤を作りまして阿賀野川の本流に至るまで開発し盡すという計画がこの只見川の計画に入つておるわけであります。それでこれによつて発生いたします電力はこの次の頁にございますが、増加いたします電力、開発されます電力が約百九十五万キロということに相成つておるわけであります。このうち既設の発電所がこの画面でお分りのように、この宮下以下にあるわけであります。宮下の発電所というのは、宮下が鉄道の終点のところにあります。右側の方の所にあります。それから新郷、山郷、豊實、鹿瀬というような発電所がすでに開発されておるわけでありまして、この既開発の発電力というものは現在におきまして大体二十六万キロくらいに相成つております。それによつて貯水池計画によりまして、増加いたします電力が新設の発電力を合せまして百九十五万キロという計画に相成つております。それでこれによる年間の発生電力量は次の案にあります四十五億万キロワツトということになつておりますが、大体この六、七割が渇水期の補給電力というふうに計画されておる。それでそれに基きまして節約されます石炭の量というものは、火力発電所の運轉に使う石炭の節約量というものが約三百八十万トンということが言われておる。それから新潟縣の計画は丁度縣境がこの画面で御覧願いますと分りますように、縣境の一部が只見川が新潟縣と福島縣に跨つておりまして境の方が新潟縣になつておるわけであります。それで新潟縣の案としましては、この実線と点線と合せて書いてあります計画、この左の方に挙つております計画であります。奥只見の貯水池とそれから田子倉の貯水池とこの両貯水池から信濃川の水系の魚野川の方へ落しまして、流域変更をいたしまして、信濃川の方へ発電所を設けて行くという計画であります。それで又只見川の本流につきましても、それぞれ発電所を設けまして両方の合計出力が百三十四万キロぐらいの規模のものに相成つておるわけであります。但しこの両計画につきまして、根本的に違います点は、日本発送電の計画で参りますと、本川の落差と水量を利用いたします電力に重点の置かれた計画であります。それから只見川は新潟案によりますと、信濃川水系にこれを放流いたしまして、これは電力としては、常時電力がその開発の対象に相成つておるわけであります。それで放水されましたものを信濃川に落しまして、それを下流の灌漑用水に振向ける。この灌漑面積は約五万町歩と言われておるわけであります。それで開田と濕田の乾田化によりまして、増産をして行くという計画が織り込まれておるわけであります。両者の間にはそういつた根本的な考え方の違いがあるわけであります。以上で大体の御説明を申上げたわけでありますが、これらの両計画につきまして、現在信濃川の方の水量がどうなつておるかということ、それらの問題がまだ調査が残つておりますので、本年度におきましてこれらの問題の檢討が加えられるわけであります。以上簡單でありますが御説明申上げます。
  187. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 次に吉野川のことにつきまして……。
  188. 古賀俊夫

    ○説明員(古賀俊夫君) 現地におきまして、主として調査を担当しました建設部長の古賀でございます。お手許に概要書の十津川、紀の川総合開発計画というのをお配りしてありますから、どうぞ御覧下さい。一昨年の暮から調査を始めまして、漸く今年の三月をもちまして大体の調査を終りましたが、目下完全に取纒めを急いで、近く先程もお話の安本の方の報告することになつておるわけであります。その主目的は灌漑、殊に山と平野が一万町歩の耕地、唯一の奈良縣の耕地でございますが、毎年旱魃によつて非常に困つて、無理をして灌漑をやつておるわけであります。多年に亘つて吉野川から水をとりたいという希望はあつたわけでありますが、旧藩時代に紀伊御三家の関係で、和歌山縣の反対のためにどうしても水を吉野川からとることができなかつた。こういうような経緯の話がありまして、最近まで至つた。その間いろいろ大規模な貯水池を作る計画等が進められましたが、いずれも和歌山縣の反対によりまして実現することなく、漸く総合開発委員会が設定されまして、両縣も委員になり、度々会合して説明し、一應両縣とも納得し、又各省関係の出先機関といろいろ意見交換の結果、一應計画ができ上つた次第であります。一番最後に図面を掲げておりますから、それによつて御説明いたしたいと思います。図面で御説明申上げますが、吉野川の最上流に、黄色で流域を塗つてあります大迫の貯水池、ここに堰堤の高さ八十六メーターのものを造る。それからずつと下りまして褐色で塗つてあります津風呂の貯水池、ここに五十三メーターの堰堤を造る。そうして下流に下淵取水堰堤というのが書いてありますが、下淵取水堰堤を造つて奈良平野約一万町歩の水を貯水する。それから熊野川の上流の十津川に廣瀬の貯水池ということが書いてありますが、十津川の上流に貯水池を造りまして、この十津川は熊野川へ流れておるのを吉野川を落して、主として和歌山縣側の水源にする。尚下流に黄色く塗つてある、和歌山縣に入つて山田貯水池、これは三十メーターの土堰堤ですが、これによつて和歌山縣側の下流の水源にする。尚十津川の水と、只今申上げました山田の水では和歌山縣の水を十分確保できませんから、最初申上げた大迫、津風呂の両貯水池の余剰を以て、和歌山縣側の足らない部分の水源にする。その間灌漑と発電との関係を非常に苦心して睨み合わしてやつたのですが、大体灌漑開始の六月は、貯水池としてはどうしても満水して置かなければならん。尚十月頃に冬の渇水時の電源、発電の関係から満水させる。この二回を條件にしていろいろの水の配分を図つておるわけです。そういつたような事情から、ここに年間発電力量をそこに掲げておりますが、その程度の発電が確保される、こういうことに相成るわけであります。で一應総合開発委員会といたしましては、この水源を決定し、それに賛同しておるわけでありますが、最後に工事をどういうふうな順序で始めるかという問題で、目下両縣を集めましていろいろ協議を進めておる次第であります。非常に簡單に過ぎるようでありますが、以上御説明申上げた次第であります。
  189. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) これであともう十津川と島根県の大山の関係ですが、これは後へ廻したいと思います。それでよろしうございますか……、それではそういうことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。    午後四時三十分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    委員            赤木 正雄君            北條 秀一君            岩崎正三郎君   委員外議員            門屋 盛一君            河井 彌八君   國務大臣    建 設 大 臣 益谷 秀次君   説明員    総理府技官    (経済安定本部    建設交通局監督    課長)     武田 利雄君    (経済安定本部    建設交通局開発    課勤務)    畠山  正君    農 林 技 官    (農林省京都農    地事務局建設部    長)      古賀 俊夫君    (農林省農地局    災害復旧課勤    務)      長谷川義意君    労働事務官    (職業安定局失    業対策課長)  海老塚政治君    建設事務官    (総務局長)  中田 政美君    建設事務官    (都市局長)  八嶋 三郎君    建 設 技 官    (河川局長)  目黒 清雄君    (河川局利水課    勤務)     小林  泰君    常任委員会專門    員       武井  篤君