運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-04-16 第5回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 18号 公式Web版

  1. 昭和二十四年四月十六日(土曜日)   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○吉村隊事件 ○愛の運動に関する件 ○請願及び陳情の取扱に関する件   ―――――――――――――    午後一時二十九分開会
  2. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 只今から委員会を開会いたします。  先ず第一番にお諮りいたしたいのは、三日間に亘りまして愼重に吉村隊事件の審議がなされたわけでありますが、この結果をば如何ように今後運んで行くか、先ずこの点について各委員の御意見を求めたいと思うのでありますが、あの三日間の調査で大体更に証人を必要とするかせんか。この点について各委員の御意見を求めたいと思うのでありますが、あの三日間の調査で更に証人を必要とするかせんかという点について、先ずお諮りして行きたいと思います。尚速記を本日私が今から連絡いたしまして、できるだけ速かにでき上るように処置いたしたいと思いますので、十分な検討は速記録ができ上らなければできないかと思われるのでありますが、只今お諮りいたした分に関しましては、大体あの三日間の調査によつて御意見を承われるのじやないかと考えられますので、お諮りいたした次第であります。
  3. 千田正

    千田正君 当初の目的であつたところのものは、これは結論としての、問題としてのいわゆる犯罪が構成するかしないかというような、世間が望んでおるようなものじやなくて、むしろ特別委員会としては現在四十三万の我々同胞が未だ帰らずにソ連地区におつて、從来帰つて来た人達のいろいろな言い傳えによつて、ソ連地区においての労働状態とか、或いは死亡状態、或いは行方不明の状態等が甚だ審かじやない。いろいろなことが言い傳えられておるということが、誠に遺憾であつたのでありますが、当委員会としましても、しばしば連合國側を通じ、或いはソ連大使館に直接に実状の報告方をお願いしたのですが、十分なる回答が得られなかつた。内地におるところの留守家族の人達の心中は、我々言葉で言い盡されない程の苦悩に満ちておるものがある。たまたま朝日新聞が吉村隊事件を取扱つて非常なセンセイションを起したのでありますが、これを当委員会としては取上げて、十分にソ連地区にあるところの收容されておる人々の実態を調査究明したいのが当初の目的である。これが内地において犯罪を構成するかどうかというような問題は、我々の目的でなかつたと、私はそう考えております。むしろこの三日間においての各証人の申述べられたことによつて、或る程度の実状が究明されたのじやないかと、私はこう思いますので、速記録ができ上つたならば、この議事録を中心にして十分なる検討を加え、適当の時期を見て、発表して欲しいと、こう思うのでありまして、特にややもすると、これは一体吉村が犯罪を構成するのじやないか、或いはこうしなければならないというような世間の風評に対して、我々がそれにどうという解決を與える必要はないと、私は考えるのであります。委員会としては、今までの三日間に亘る詳細なる証人証言を中心として、こういうような状況であつた、少くとも限られた外蒙地区におけるところの、ウランバートルにおけるところの状況はこうであつた、同時にあの時も延人員が吉村隊としては約二千名、患者の延人員が約三百名あつた。そうすると約一割を越したところの患者ができておつた。その原因は何かというような問題を究め、未だ帰らざる、心配しておる人達に対してそういうことは知らす必要があると思いますので、そういう程度のいわゆる証人証言によるところの実態を或る程度発表するという程度に止めて欲しいと思うのであります。
  4. 矢野酉雄

    ○矢野酉雄君 これから新たに証人を喚問するかどうかというような議題に限定しないで、今千田委員の御意見もその通りでありますが、それよりも三日間のあの熱心な委員会、あれから一体どういう結論を見出すかという根本的態度委員会で決めるべきであつて、その態度が決まつてから、この三日間の収穫をどういうように整理するか、その整理の仕方如何によつて、是非新なる証人を喚問したり、或いは前に出席した証人に再度出席を求めるとかいうような問題が起ると思うので、むしろ三日間に亘つたあの委員会そのものの結論をどう付けるかということについて、よく冀わくば委員の方々は、心に一物を残さないような氣持で、一致した一つの結論に達したい。こう私は念願しておるものです。それからあれから公式に池田君、或いは他の証人の間で、いろいろないざこざがあつたというような出来事は、全然なかつたどうか、報告があるかどうか、これを一應お聴きしておきたい。
  5. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 矢野委員にお答えして置きますが、只今お尋ねになつたようなことは、今までのところありません。
  6. 天田勝正

    ○天田勝正君 証人を呼ぶかどうかというのは、一体吉村隊事件に関して呼ぶかどうか或いはこれに関連するところの他の問題について呼ぶかどうか、こういう二つに分かれるだろうと思うのです。吉村隊だけのことを考えますと、千田委員も言われましたけれども、これをとにかく裁判的に黒白を付ける、黒か白か判定するということになりますれば、恐らく今まで新聞に出ておつて、これに直接関係したと言つている人達だけでも、五十人くらいおりますので、又その新聞に現われただけを呼ぶにしても、二回くらい呼ばなければならんということになるので、若し更にそれを確実に把握するということになれば、恐らくこれは正式に裁判にかかるというようなことになるならば、私は二百名を突破する人員を呼ばなければ、本当に黒白が付かない。從つて本当に黒白を付けることが目的でない本委員会といたしましては、吉村隊事件と限定するならば、もはや証人を呼ぶ必要がない。こういうふうに考える。ただ多く引揚者の傳うるところでは、いつの場合もそうでありますが、悪い場面が多く博わり勝ちなのであります。そういうところからソ連本國にいたしましても、シベリヤ地区にいたしましても、入つて来る情報は悉く悪い情報ばかり入つて來ておる。ところが過日津村証人証言によりますと、一体民主化したところの、いろいろ結果を挙げておる收容所は何処であるかといつたところが、シベリヤの殆んど全般である、こういうことを言われておるのであります。ところがこれらの地区においても、その留守家族はやはり吉村隊事件と同様にあらざるかということを非常に心配しておる。同時にナホトカまで帰つて参つて、通称人民裁判の結果又逆戻りをさせられるのではないかという件について、これ又非常な心配を持つております。從つてさようなことがあるや、なしや、こういうことをはつきりするために、証人を喚問することによつてでなければ、その報告によつてでも、ただ発表だけでも多くの留守家族は胸を撫で下すという大きな精神効果があろうと私は思う。そういう観点からいたしまして証人を呼ぶか呼ばないかというこのことについては、私としては吉村隊事件はこれでよろしい。それから後に出されるところの他の収容所如何という問題、又逆戻りをさせられるということにつきましては、勿論人民裁判がその決定権がないにいたしましても、その予審的なるもの、効果はあるということが断定できると思いますので、そういう点を明らかにいたして、更に遺族に安心せしむるために、そういう向きの証人喚問は必要でなかろうかと、かように私は考えております。
  7. 岡元義人

    理事(岡元義人君) ちよつと先程私のお聞きしたのは多少まずかつたと思いますが、今天田委員のおつしやる通りにその問題と切り離した意味において、吉村隊の一應の結論を出しますために、もう何も必要ないか。現在の三日間の審議に基いて結論を出すようにいたしますか。それともあの審議の中に結論を出す。これは委員会としての結論を出す場合に、第一番目の目的に、死亡等のことについて、この委員会はよくその原因を調査する必要があるという点があつたわけでありますが、これは枝葉になりますけれども、石切り場の現場において死んだ死亡者というものが、伊藤少尉と渡邊軍曹がこれを殴つたのである。ただこの一つだけがそのまま、まだあいまいになつておりままので、証人を喚問しなくともその点を外の方面で調査せしめるという方法によりまして、大体の三日間の調査を纏める。こういうような方法もできますし、又二人を呼んで、この問題は証言を求めて置くという方法もありますのですが、そういう意味において私がまあ問題を提供したわけであつたのです。
  8. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 私は天田委員の言われる通り、吉村隊事件についてはもう証人は必要ないと思うのであります。ただ、今委員長が言われたようなことはですね。これを法律的に裁く検察廳、裁判所の立場としては、徹底的に呼ばなければならないかと思いますが、我我の委員会目的としてはあれで大体十分であると思います。それはもつと念を入れて調査すれば、いろいろの証人も喚問しなければならないけれども、我々の仕事はいろいろ沢山あるので、この問題のためにこれ以上呼ぶというのは必要ないとこう考えられるのであります。それからもう一つ千田委員も申されましたが、我々の委員会は法的にこれを処断するか否かということを審議する性質のものではないことは明らかなんです。本日紅露委員長が不在で甚だ残念でありますが、不在中に申上げるのは甚だ工合悪いのですが、委員長代理に傳えて頂きたいことは、昨日の新聞に紅露委員長談としてこの問題は裁判にはなるまいというような談話が出ておりました。これは恐らく新聞報道の間違いであると思われますが、新聞の問違いだつたら厳重にこの報道の誤りを訂正すべきで、若しこれが事実とすればこれは根本的に考え方が問違つておるんで、我々の委員会の審議で裁判成立つか成立たないか、そんなことは我々の権限でないので、こういうことを若し発言していたならば、これは委員会に対して誤りをはつきり言つて頂かなければ、(「賛成」と呼ぶ者あり)委員会の今後の運営に甚だまずいと思います。この点を委員長代理から來たらお傳え願います。
  9. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 只今星野委員の御発言は、多分個人の氣持でおつしやつたかどうかよく分りませんが、十分にその趣旨を連絡いたしまして、御注意を申上げるようにいたしたいと思います。
  10. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 ちよつと御注意でなくてね、よく眞相を究明して欲しいね。注意するのでなくて眞相を究明して欲しい。星野委員の意見もそうだつた。
  11. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 そうだつたのですが、只今の問題は外部的にですね、委員長談として出ますと、この特別委員会法律的な裁判の問題にまで干渉しているという印象を、外部にもたらせるわけですね。ですからこれは重大な問題だと思うのです。
  12. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 承知いたしました。
  13. 天田勝正

    ○天田勝正君 はつきりして置きたいと思うのでありますが、これは法律的には本委員会は國民の代表として告発するということがなし得ることもあり得ることでありまして、そういう向の点について法律問題にするというならば、これは又別であります。併しながら本委員会がこの事件に関する証人の喚問をいたしましたのは、決してさような意図でなかつたことが申合せられておるのです。そういうことからいたしまして、法律問題云々というのは、すでに告発するか否かという國民代表としてやる観点からいたしましても聊か逸脱しておると、こういうふうに考えられる。ましてや裁判の結果が法律問題にはなるまいというようなことは到底断定でき得ないところでありますから、そういう点からも私は、まあ省略しますが、星野委員のお考えの通り、この点ははつきりして頂きたいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  14. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 承知いたしました。細川委員。
  15. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 今度の調査は初めから犯人は誰であるかどうかという法律上の問題を扱う、そういうことではなかつたことは、はつきりしておるわけであります。それよりもこの事件がどうして如何なる状態の下に起きたか。その状態をはつきりさせるというのが根本の目的であつたのであつて、これはどなたも理解しておられることであつて、今おつしやるような紅露委員長がああいうふうなことを言うようなことはあり得ない筈です。それでただ私遺憾なことはこの調査の最中に、今度の調査の主要なる目的人民裁判のことをはつきりすることにあると、これは岡元委員長代理も言つておられたが、これは非常な間違いである。それで天田委員もさつき岡元君の提議に対してああいうふうな解釈をして人民裁判の問題を出して來られた。それは私は意外なことだと思う。これは勿論人民裁判だとか、兵士大会のこと、そのことをはつきりすることではない。必要ならばやつた方がいいと思うが、目的は、私らの調査の目的ははつきりしておる。それがいろいろの逸脱をしたことを言うことは私はおかしいことじやないかと思う。今度のこの調査については大体において今申した目的は達しておられると思う。ですから速記録はまだできておりませんから、細かいことについては私は言わんが、大体のことは承知しておる。この程度でこの問題についてはこれ以外に証人を呼んでこれに関係するということは必要ないのじやないかと私は思うのであります。
  16. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 私はこの度の証人の喚問においての結論といたしましては三つあると思う。その一つは、先ず結論は、この度の証人の喚問においては、私は出ておりません。そこで一應中間報告を極めて早い期間本会議においてこれをなして頂くと同時に、一方六、七人の証人を更に喚問願いたいのであります。その理由といたしまするところは、過日十数名の証人の喚問の結果、池田は全部蒙古側の命令であると言つておる、ところがその大半はこれを一部認めて一部認めておらない。ところが窮極にこいつをだんだん攻め上げて行きますと、最後に二、三の人間だけの問題になつてきちやつた。これはちよつと糾明すれば、糾明といいましようか、もう少し証言を求めればはつきりした結論が出る。そうした点において私はすでにこの前の証人の喚問のときに沢山羅列してありましたが、過日の十五名の証人になつたのでありますが、原正信、神戸市の生田区山本通りこれは吉村派となつておりますか、これは喚問してなかつた。これは一等兵であります。これを一つ喚問願いたいと思います。それから千葉縣東葛飾郡小金井町東平、永井正これは熱河省の協和会の次長をしております相当の人物だと思う。それから御手洗清、これは二十九歳でありまして、私が調査するところによりますと外蒙側から命ぜられて会計係をしておつた。これは宮崎縣の東彼杵郡とかにいる。それまでしか分つておりませんが、この間いろいろ金銭の問題があつたのですが、こうした点について御手洗清、それから福岡縣の行橋市の在住だそうですが、村上悦治という人、これは熱河省囲城縣の産業課長をしておつた、民團の相当の幹部をしておる、年は四十六歳、更に伊東邦義、世田谷在住のこれは少尉です。これは石切場の総監督をしておつたという。それから渡邊廣太郎、それから西村春吉、これも石切場の監督をしておつた。それから吉田敷一とかいつて隊長量り当番をしておつた。これはもう少し自分が調査しますれば、はつきり分つて來ますが、そうしたような六、七の人間をもう一度御喚問願うと、可成りのところまで出ておる結論が更にすつきりとするのではないかと、こう思うのであります。それから最後の三点でありますが、過日の証人喚問にいたつて津村讓二証人の喚問をみたが、これは細川委員の御提案によつてなされたのでありまするが、過日の証言を聞いて強く感じましたことは、いわゆる人民裁判、この過日の津村証人兵士大会とか言つておりましたが、このいわゆる人民裁判のこの問題は、もう少しはつきりさせなければいけない。或いはもう少し徹底的にこの問題を調査する必要が当委員会としてはあるのじやないだろうか。私はこれを提案する者であります。
  17. 天田勝正

    ○天田勝正君 ちよつと速記を止めて下さい。
  18. 岡元義人

    理事(岡元義人君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  19. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 速記を初めて。
  20. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 只今の淺岡委員の提案かございましたが、大体の結論が、今までの喚問で出來得るものと思うのであります。それはあの喚問の結果証言か喰い違つては確かにおります。池田証人と外の証人との証書が全く喰い違つております。併し外の十数名の証人は殆んど一致いたしております。重要な点は一致しており、而もその人たちが決して一つのグループでなく、又思想的な何らかの繋がりがあるというわけでもないことが明らかのようであります。例えば津村氏は確かに共産党員であることを自己も述べておるし、そのように見受けましたが、例えば阿部忠氏の如きは、――――――――。これは明らかに共産党ではないし、それから長谷川大尉に至つては、これは四書五経などを語られたような軍人さんの頭を持つておる。実に証人の頭はまちますの人々であり、一應の判断ができる。ただ当該者だけが問題なんで、大体結論は出ておる筈だと思うのであります。更にもつと愼重に調べるというならば、先程淺岡委員の言つたように、こうした吉村派というような人、それから從來特権階級であつた、こういう人々を呼ぶことも必要だと思います。そうしますと、公平を期するために、更に吉村によつて迫害されたというのも、新聞記事に例えば遠くですけれども、宮崎縣の森山氏とか、いろいろなものが沢山あります。それから一般兵士も呼ばなければならん。そうすると、まだ相当の多数を呼ばなければこれは糾明できないということになつて、結局それだけの精力をこの問題に本委員会が、それのみに注ぐというのは不適当と思いますので、この喚問はこれにて十分でおると考えられるのであります。
  21. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 只今星野委員の提案に対しましては、私は当委員会が出されたところの資料を根本資料として、各委員が三日間に亘る少くとも最初の一日二日ぐらいはその資料を大元として証言を求めたと思うのであります。併し他の委員のことまで申上げては甚だ恐縮ですが、私は少くともそうであります。三日間に亘りまして、済んだ後静かに自らも委員の一人として反省してみますると、最初のあの証人十六名の喚問に当つて、私共が強く申上げてこの委員会にお諮りいたしましたことは、当初吉村隊長、即ち池田重善以下二十六名の証人を一應喚問する形において、各証人の名前が二十大名があつた。その中で、でき得れば……被害者側の方の立場に立つた、或いは告発をした方の人間という方の証人のみを喚問しておる。そうして吉村つまり池田隊長の側といつではおかしいのですが、そういうふうな立場に立つ方の人間は殆んど呼んでいない。それからもう一点は隊長室というところに当番もありましようし、或いはその他の幹部諸君もある。そういうふうな声も実際にあつたということを証言として当委員会が求める。多くの人を呼ぶ必要はない。少くとももう六、七人の人を呼び得れば、石切山で死んだ二名は氏名も判明しておりますが一人は判明していない。さような事情の面もはつきりする。そこまではつきりいたしますならば、この委員会権威を掛けてやつたということで満点が期せられるんじやなかろうかと思うのでありまして、ここで新しく他の隊員であつた兵隊を沢山呼ぶとか或いはあつちこつち呼ぶというのではなくして、当初から我々はこの資料に基きまして、そして呼んだ者は吉村は実に極悪非道な奴だ、これを訴えるとか、或いはその非行をあばくという方の人間のみを多く証人として求めた嫌いがあるのでありまするから、どうしても当委員会といたしましては公平を期する点からいたしましても、委員会権威からいたしましても、もう一應六、七人の証人を喚問願つて、そしてすつきりした結論をお出し願つて、これを本國会を通じて國民の前に出すということが本委員会の使命ではないかと思います。私はこう思います。
  22. 天田勝正

    ○天田勝正君 どうも折角熱心に御主張なさつておるのに反対の意見を出すのは恐縮ですが、黒白を付けるというならば、確かにあれだけ呼ばれました証人の中で、いわゆる池田重善氏に味方をすると言つては語弊がありますが、そうした者は二人もなかつた。結果において……。そこで從つて黒白を付けるならば確かに証言は不十分ということになる。併し当委員会目的は如何なるところに引揚が阻害されておるか。この一点に私はかかつておるだろうと思う。たまたまあの事件はああしたことによつて苛酷なる労働を独断で強いることによつて多くの病人或いは死者を出す。そういう面からの引揚げの阻害であつた。こういうところにあつたと思うのでありましてそういう点の調査は十分盡きたと思う。池田氏個人の資料という点からすれば、確かにそれは不十分でありましよう。そこで私はあの事件の引揚げの阻害という点については明らかになつたんであつて、若し呼ぶとすればあそこから滲み出されたところの他の収容所が如何なる状態であるかということと、人民裁判が多少ともソ違例に報告されまして一應の予審的な取扱がなされたということが明らかである以上、この点を明らかにすることの方が当委員会目的としては更に効果的ではなかろうかと、これも私は飽くまでも主張するということでなくして、証人喚問という案が出ましたので、むしろそういうことに進んで行かれた方が妥当ではないか、かように考えます。
  23. 矢野酉雄

    ○矢野酉雄君 各委員諸君のいろいろな御意見は意見としてそれぞれ認めらるる根拠をはつきりしておるわけであります。だけど僕としては最前申し上げたように、この議論をしておるというと、結局ここで又決を採つたりなんかしておかしなことになつてしまう。それでむしろあの問題について大体調査する以前に、こういうような大体A・B・C・D四つの大きな項目を掲げてこの枠を或る程度見ながら調査を進めて行こう。今度は実際にやつて見てどういうようないわゆる一つの枠で纏めるか。纏めるに当つての根本的態度はどこに置くべきかということについても、既に千田委員、天田委員、或いは星野委員、淺岡委員、細川委員等からそれぞれ一つの態度については御意見がそれに含まれておるわけであります。だから我々は委員会がただ委員会だけの問題として採上げたのでなくて一番重大な引揚げを促進し、又受入れ体制を強化して、今日生きて帰らざる人々のことを思うていればこそ、三日間に亘つて十分といろいろな準備をしてやつたのでありまするから、やはり私達としては、どういう態度でこれを纏めるか、纏めるについては、さて態度が決つたから、どれとどれ、どれと取つて大きい項目を分けて結ぶか。それを論議しておるうちに、僕は実際にいろいろな問題が出て来る思う。どうしてもこの問題については、ここまで來ておるのに、もう一歩突込めばどうも眞相の究明ができそうであるというような場合には、その時によく委員会に諮つて淺岡委員の意見を容れて、そうして証人を再喚問する、或いは新たに喚問するというような手もとらなければいかんと思う。それから最前細川委員は、委員長のやつておることが一度何か逸脱したような御意見でありますが、それは御意見そのものが聊か逸脱しておるだろうと私は思う。むしろあの結論を出すためには、ナホトカにおける人民裁判のごときは、これは非常に引揚を待つておるところの家族達は、重大な関心を持つておる。だから、これも亦、結論を出す過程において、この点を明かにすべき必要をこの委員会それ自体が認めるならば、これは人民裁判を中心として、事件の眞相を更に明かにして、なるべくなら不安を根本的に一掃してやるというようなことも、決して委員会の、私は逸脱した権限ではないと思う。でおりますから、証人を喚問するか、或いは、これを打切るかというような問題は、一應ここで結論を出さないで、どういう態度であの三百間の熱心なる委員会の結果を結ぶか。結ぶには然らばどういう内容で結ぶか。それが速記が完成しなければできんとするならば、そのときまで待つより外はないと思う。そういう意味で最前は僕の意見を述べたのですから、よく委員と御協議の上に、最も適切なる方法を執るようにお願いいたしたいと思います。
  24. 千田正

    千田正君 速記がいつ頃までに完成して印刷せられるか。或いは印刷に付する前に原稿が出たならば、印刷のでき上る前に、委員間で一應この結論を付ける参考資料として、印刷のできる前にガリ版か何かでも配布されるかどうか。或いは印刷ができても、できれば印刷ができた後であの当時の三日間のごとを十分再檢討して、そうして今言うような、淺岡委員からも意見が出たような問題を捉えるかどうかということをやつた方がいいと思います。
  25. 岡元義人

    理事(岡元義人君) ちよつと速記を止めて。    午後二時九分速記中止    ―――――・―――――    午後二時二十九分速記開始
  26. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 速記を始めて。この問題はまだいろいろ各委員の御意見もありますようでありますから、更に次の委員会に持ち越しまして、そうして一應の各委員の意見をまとめました上に御決定して頂くというように取り計らいたいと思いますが、それで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 岡元義人

    理事(岡元義人君) それではなお、人民裁判の件もそのように、併せて次の委員会において檢討してから決めて頂く、こういう工合に取計らいまして、御異議ございませんか。
  28. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 それは人民裁判の件は、今日お諮り願うわけに行きませんか。
  29. 千田正

    千田正君 若し人民裁判の問題で仮に証人を喚問するというような問題は、これは別個に考えて貰いたい。私は吉村事件の解決というものをこの委員会が決定した後に、これは皆さんの中で大多数の人が必要とするならば、これは、やることにしまして、先ず第一に吉村事件の結末をどう付けるかということを、お諮り願いたいと思います。
  30. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 皆様に委員長から申上げておきたいのは、既に再開を目前に控えておりますので、一番当委員会目的にいたしておりますのは、皆傷が付かずに無事に帰つて來て貰うことだと思うのであります。それ故に、このすべての問題がこの委員会に採り上げられておるのであります。今千田委員から多少の期限をという御意見もございましたが、次の委員会に一應持ち越しまして、各委員の意見も皆さんから発言して頂いた上で、この問題も決めたい。こういうふうに取計らつて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 天田勝正

    ○天田勝正君 異議はないけれども、我々は出発して、いなくなりますが、いなくなつてもいいです。適当に決めて呉れれば賛成をしますから……。
  32. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  33. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 速記を始めて。それではこの問題は十九日の委員会において決定するようにいたして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 岡元義人

    理事(岡元義人君) それではさように取計らいます。次の委員会を十九日に開くこと、この点も御了解願つておきたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 さつき矢野委員が、私が今度の調査というものは、こういう事件が如何なる状態の下に行われたかということを調査するのが主目的である。それは私共の間で打合せたことであつて、はつきりしたことである。それにも拘わらずいわゆる人民裁判が主目的であるということを言われたということは逸脱している。目的を逸脱した言い分であると言つたことに対して、細川の言い分は逸脱している。こういうように言いましたが、あれは間違いです。我々の調査の目的というものは、始めからこの事件が行われた状態をはつきりさせるということにあつたことは、もうはつきりしている。我々の委員会の決定ではつきりしておるのでありますから、その点は皆さん御承知のことだと思うのです。ここに本人がおりませんから仕様がないけれども……。
  36. 岡元義人

    理事(岡元義人君) ちよつと細川委員に……。今の問題で矢野委員が申されたのは、十四日の一番最後の時に細川委員の発言のことに対して言われたのではないか。それと今細川委員のおつしやいました問題は、目的のここに書き物がありますから、あれをよく読んで見ますと、逸脱しているか逸脱していないかということも分つて頂けると思います。目的が三つ書いてございます。
  37. 岡元義人

    理事(岡元義人君) それではこの際、援護廳から岡田課長がお見えになりまして、愛の運動週間についての、簡單な御報告をして頂くようになつておりますので、一應お聽きしたいと思いますが、御異議ございませんね、それでは岡田課長
  38. 岡田好治

    ○説明員(岡田好治君) それでは委員長からお話がございましたように、私から本年度の愛の運動の計画につきまして、簡單に御説明申上げたいと存じます。  昨年の愛の運動は、当委員会のいろいろな御協力を得まして、非常に効果を挙げたように私共考えております。ただ昨年は御承知のように、冬期になりまして引揚げが中絶いたしましたために、留守家族の方々のお力落しの点を汲みまして、主として運動の垂点が留守家族の方々の激励に重点を置いたわけでありますが、今年は後期引揚者の方々を先ず運動の対象といたしまして、これらの方々に対しまして國民全部が心からお迎え申上げるといつたような線に、運動の重点を置きますと同時に、留守家族の方々、或いは又帰つて來られる人の喜びに引替えて、永久に帰ることができません人々の遺族の方々、こういつた方々のお氣持も御想像申上げて、こういつた方々へのお力付けの運動を通じて、やつて行きたいというようなことで、この運動の趣旨をさようなふうに狙いまして、本年度に相当徹底して、この運動を行なつて行きたいというふうに、只今準備をいたしておる次第であります。大体運動は、各地方へ示しておりますのは、最後の一人が帰るまで、この運動を続けるという指導方針で、すべての立案企画に当らしておるわけですが、ただ運動の山といたしまして、一般にそういつた運動の趣旨を呼び掛けるための宣傳啓発強調期間と、更に宣傳、啓発、強調期間内に、趣旨を徹底いたしましたことによりまして、特に大きく國民の行動を現わして行く実践奉仕活動を、その面後において全國的に展開して行こう、こういうことで本年度の運動は、大体宣傳啓発強調期間と、実践奉仕活動の強調期間と、二つに分けまして、それは四月二十日から四月二十日までの十日間を一應の期間として、あらゆる宣傳行事を通じて、一般に呼び掛けるといつたようなことにいたしております。それから駅の出迎えその他、そういうた面の実践奉仕活動の面は、引揚げ再開第一船が、内地に上陸いたしました日から十日間を予定いたしまして、この運動の山として廣く全國的に展開しようというようなふうに、山の強調期間を二つに分けまして、それぞれ運動を展開するようにいたしております。尚、行事の内容につきましては、昨年と同様でございますが、ただ実践奉仕活動の上におきまして、御手許にお配りいたしましたように、大体の対象別に実践奉仕活動の例示をいたしまして、主としてこういつた例示に向つて重点的に一つこの運動を御開始して頂くよう、こういうふうに要項の立案をしておるのであります。尚、特に申述べておきますならば、昨年は倉皇の間にこの運動を計画いたしましたために、本委員会から御指摘がありましたように、ただ單なるお祭り騒ぎになつてはいかんということで、私共も相当その点は警戒いたしたのでありますが、運動の行き方といたしましては、得てして一般大衆への呼びかけだけに非常に力が入つておりまして、各家庭への呼びかけについては昨年の連動を振返りますと、遺憾の点がありましたが、本年は特に各家庭へ滲透せしめるという点にすべての中心を向けて参りますように、過般各府縣の社会課長、援護課長会議にもその点を特に私の方から注意しておるわけでありまして、本年この運動を通じまして個々の一人々々の国民に強くこの運動の趣旨が徹底して参りまして、お帰りになつた方々並びに既に帰つておられる方々の立上りにこの運動が役立てば仕合せだと存じまして、只今のところこれが運動の趣旨の徹底につきまして私共いろいろ苦労しておるようなわけであります。大体運動の大あらましの趣旨につきまして御説明申上げておきます。
  39. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 只今の報告に質問したいのですが、この要綱について見ますと、引揚げ苦闘及び生活苦闘記の公開という報告がございますが、引揚の苦闘と生活の苦闘について相当出版物が出ております。とかく引揚の報告を聞くと、苦しかつたことを誇張する向きが多い。そうすると非常に留守家族は必要以上に心配するというような文書が多く見られるのでありますが、特に援護局でやつておられるものにも、ときたも、そういうものが見受けられる。而もその場合に、中には排外的な感情を持つ、そうすると愛の運動と言いながら愛といつて、どんなふうな國民の中の愛か知らないけれども、仙國民に対して憎しみの宣傳の文も出る。こういうものを一つ考慮してやつておられるかどうか、その用意の程をお伺いいたします。
  40. 岡田好治

    ○説明員(岡田好治君) この要綱に謳つております引揚の苦闘と生活の苦闘記の公開と申しますか、つまりこの苦闘記を通じて、國民が、その苦闘記を読みまして、さような状態の御苦労をなすつておられるならば、我々としてもお手助けしなければならんというような愛の氣持を呼び起すような苦闘記を一般に公開しよう。只今の御指摘のような誇張とか、乃至はそういつたような一般にこれを公開しまして逆なものが出ますようなことは、私共といたしましても公開しないつもりでおります。
  41. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 非常に華やかにこういう運動をされておつて、相当予算も使うと思いますが、一番後期引揚者について重大な問題は就職であつて、殊にシベリヤから帰つて來た方は思想がおかしいから使わないという話です。これが非常に就職を妨げておるので、これは單に愛の宣傳という鳴物入りの宣傳ではなくて、この点については具体的に何らかの施策をすることこそが根本なんですから、そういう問題に対しては何らかの計画をしておられますか。
  42. 岡田好治

    ○説明員(岡田好治君) 後期引揚者並びに既徒の引揚者の方々に対しまする就職の斡旋につきましては、私共といたしましては労働省関係と十分連絡を取りまして、特に労働省方面におかれましては、現在の失業状態の中で特に引揚者の方々の実情が相当失業対策の面において大きく取上げて行かなきやならんというようなこともございまして、その面について労働省としても十分な力をいたしたいというような申入れも受けております。又労働省ではそういつた面への御計画も進んでおるように私共は聞いております。  尚、愛の運動は今星野委員のお話の通りに、そういつたことが仮りにあるといたしますならば、この愛の運動を通じてそういうことを是正して行きたいというのが、一つのやはり運動の狙いになつて來るのじやないかと思つております。從つて要綱の最後の「全般を通じての奉仕」の中には原職の復帰、並びに職場の斡旋ということを眞先に認つておりますが、これによつて、仮りにそういつたような考え方が雇傭者の側にあるといたしますならば、そういつた点もこの運動によつて是正して行こう、更に又民生委員その他を動員いたしまして、そういつた方方がそれらの中間に立つて、努めてそういつた方々の就職を優先的に取扱つて行くというふうに、それこそ輝動の狙いだと思つて私共はその点についても十分やつて行きたい、こういうふうに考えております。
  43. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 只今の報告を聞くと、成る程御尤も、誠に御尤もなようなことですが、実際帰還者から聞いてみますと、当局の就職斡旋などというのは名ばかりで、実際にはちつとも役に立たないという声をどこに行つても聞くのであります。そういう只今の報告をお聞きしますと尤もらしゆうございますが、要所々々を掴んだ点が一つもないので、成る程引揚者がこれじや名ばかりで何にもならないというのも、ちよつと符節を合わしたとこういう感じを受けるわけなんであります。勿論あなたは愛の運動の係であつて、具体的に就職斡旋、原職復帰ということを具体的に仕事を担当されているのではありませんが、愛の運動としてもただそういう気持を柔らげて、愛してやつて呉れ、使つて興れ、それじや実際に使う人間はこれは商賣人や資本家ではなかなか使いませんので、これには愛の運動の計画をお樹てになるなら、もつと具体的な企画をするか……、実施するわけには行かないけれども、こういう引揚者の愛を実施するなら、こういうことをして具体的に就職させなきやならないのじやないかという案を出すことは必要だと思うのです。例えば引揚げて來た者を使うについて政府が月給の幾割かを出す、補償するというようなことをしなければ、これはできない。この具体的な愛を主張する、そういうことは必要だと思うのです。そういう点を具体的に何ら言われていないので、もつと具体的に織込んで行つて頂きたい。
  44. 岡田好治

    ○説明員(岡田好治君) 御指摘の点は、大体就職状況その他につきましては主管省が労働省になつておりますので、私共御答弁を申上げるのもどうかと思いまして差控えたのでありますが、運動の面の御指摘の点につきましては、お配りしてあります細部の要綱の方で、特に運動として、これは民間團体の運動でございますので、從つてできますことも民間團体としてできます程度のものを一應謳つておるわけでありますが、例えば市町村毎に民生委員を中心とする相談所の開設であるとか、職業安定所管内毎における移動就職相談所の開設であるとか、或いは相談施設には巡回就職相談施設を設けるとかいつたような細部の一つの運動の方向というものは示しております。從つてこれはそれぞれ各地方の知事が地方議会を通じて、而も又安定所等とも連絡を取りまして、この運動と即應して、一面においては政府の施策も加味し、尚且つ民間團体としてはこういつた細部要綱の線に沿つて運動を展開して行くというふうに大体一應の計画は立てているわけであります。
  45. 天田勝正

    ○天田勝正君 お伺いしますが、その就職の点については労働省の所管でありますから別としまして、先ず上陸地に上つたときに、それは数は恐らく少いだろうと思うのですが、引揚に当つておりまする係の人たちが一番胸を打たれるのは何かと言うと、「だまされない」ぞといつたような言葉を聞くのですね。これは私もまだ現地に行つて見ませんから、十九日から行つて見て、よくこの点を調べてた見たいと思つておりますが、これが地方にも相当噂ばかりでなしに、例えば上野駅頭で出迎える、これは民間の團体ですよ、役所関係でなしに……。又田舎の駅で迎えた場合も、そういうことがたまたまある。恐らくこれは千人に一人もないことだろうと思いますけれども、人というものは悪い方ばかりはもう実に電波のごとく傳わるものなのです。向うの抑留中の苦闘記なんかも一つの大きな例なんですが、こういうことがなにするというと直ちに、特に御婦人の方などはああいうことじやとても一緒に仕事ができないとか、とにかく使うこともできないとかいうことになるのです。今度は又この惡いことを、全然迎えにも行かん連中がそれを、頭から信じ込んでしまう、こういう面もあるのです。そこで、帰つて來られる者にしても少くともこれを口外するということは、人の口には戸は立ちませんけれども、それにしても何とか上陸地だけでも防ぐ途を講じなければならん、こういうふうに考えるのであります。上陸地ならばこれは成る程民間團体も行ぎましようが、直接に接触するのは恐らく役所の方たちでしよう。これらの人たちが、いやなことだけれども我慢するということになれば、これで漏れない。田舎の駅まで来てそれをやられると、この評判というものはえらいものになる。そこで実際これは非常にむずかしいことです。だが何とかあそこで、腹の中はどうであろうとも、その後の駅頭や何かでそういう言葉が出ないように、何か読み物やら何かによつて、随分御苦労なさつていると思いますけれども、もつとそういう方面にやわらかみを與えてから帰す、そういう尖つた心をそのまま吐き出すという、そのままで帰さぬということも、私は、就職につける一つの途ではなかろうかと、こう考えるのですが、それらの点について何か、むずかしい表現ですけれども、愛の啓蒙といいますか、そういうものに対してどういうことを今考えておられますか。今までのことは分つておりますが、更にこれを何とかしないと、そういう面からの逆作用が来るので、何かそれをもつと……こういうことは私自身も実は現場へ行つておりませんから名案がないのですよ。ないから伺うのですが、どうぞ一つ……。
  46. 岡田好治

    ○説明員(岡田好治君) お話の通りであります。私共も大体昨年のいろいろ引揚状況その他から考えまして、あすこで眼に角の立ちましたものをやわらかくしてお返しするということが援護局の一番大事仕事だと思います。昨年の何としましても援護局の職員が非常に努力をいたしまして、大体上陸なすつたお方は、相当眼に角を立てられておつたのが、あすこの援護局を立ちます場合には有難うという言葉も出るし、或いは又眼もやわらかくなつておるというような大体の実情でございますけれども、尚更に一層あすこでそういつたお氣持をやわらげておきたいというようなことで、本年は援護局の中に、特にこれは鶴舞でありますが、郷土室を設けまして、これは從來とも郷土室はあつたわけでありますが、本年は特に建物を大きく建増しいたしまして、それで各府縣知事の挨拶、或いは戰災当時の写眞、それから現在の復興しておる写眞或いは学童の慰問文等、いろいろのそういつた郷土をあすこで直ぐお知りになるといつたような面での郷土室を大きくあすこで開きまして、郷里の懐しさを先ず上陸第一歩で感じて頂こう、こういう点で郷土室に非常に力を入れまして、先般五日、六日の課長会議の際にも特にそういつたようなことを考えまして、全國の社会課長を舞鶴に集めまして、現場を見て頂きまして、それぞれの趣向を凝らしたそういつたようなことをするように指示もいたしております。それから尚、印刷物等につきましては、更にこれを少しやわらかいものにしたいといつたようなことで、今文部省の方ともいろいろ打合せをいたしております。それから、できますれば兒童作品とか、そういつたものも印刷してあすこで配つて差上げれば読み物として非常な懐しさをお感じになるのじやないか、そういうふうに考えております。それからもう一つは、できますれば食事等の際にその地方中年以上の御婦人の方に一つ奉仕をして頂いて、あすこで湯茶の接待というようなこともいたして見たらと、こういうようなことも関係方面とも一應話を進めております。更に労働省文部省外務省、私の方と特に身上相談についての連絡協議会を設けまして、その協議会で大体話が決つておりますことは、できれば各関係省であすこに駐在員でも置いて、そうしてそれらの方々が快よくお会いして、いろいろな面において御折衝申上げたらどうだろうかというようなことで、各援護局の身上相談の面を一つ拡充して行こうという計画で、只今進めておるのであります。できますれば、そういつたあらゆる援護局の業務の改善と、併せてお氣持をやわらげるような、而も郷士の懐しさを上陸第一歩で植え付けるといつたようなことに主力を注いでやつております。   ―――――――――――――
  47. 岡元義人

    理事(岡元義人君) 陳情請願の問題がありますが、これは小委員会を別に設けずに、会期の関係もありますので、委員会において審議して頂くということに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 岡元義人

    理事(岡元義人君) さように取計ろうことにいたしまして、本日はこれにて委員会閉会いたします。    午後二時五十八分散会   出席者は左の通り。    理事            天田 勝正君            岡元 義人君            星野 芳樹君    委員            淺岡 信夫君           池田宇右衛門君            小畑 哲夫君            穗積眞六郎君            矢野 酉雄君            細川 嘉六君            千田  正君   説明員    厚生事務官    (引揚援護廳指    導課長)    岡田 好治君