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1949-04-19 第5回国会 参議院 文部委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和二十四年四月十九日(火曜日)    午前十一時五十二分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○小委員長の中間報告教育予算に関する件   ―――――――――――――
  2. 松野喜内

    理事(松野喜内君) これより委員会を開きます。本日の議題たる教育予算についての説明聽取、文化小委員長の中間報告をいたしたいのですが、これらの順序について御意見があつたら承わりたいと思います。
  3. 三島通陽

    ○三島通陽君 本日はこの文部委員会におきまして文化委員会中間報告をいたすことになつております。文化委員会におきましては、小委員の方方が非常に御熱心に一週に三度も委員会を開きまして國宝保存法改正の調査をいたしております。その國宝の保存法でございますが、ここにその御報告をすべきなんでありますけれども、時間が大変ないようでありますから、報告書を速記録のあとに添附して頂きまして、それでお許しを得たいと思つておりますが、どうぞ委員の方々にお諮りを頂きたいと思います。ただ一言申上げて置きたいのは國宝保存法の改正ということで、この委員会のお許しを得て調査研究をいたしておつたのでありますが、それをもつと廣げまして、建造物絵画、彫刻、工芸品、書蹟、史料、演劇、音樂その他文化的な所産又は技芸で重要な價値を有するものと認められるものの保存又は利用の措置を講ずるということで、文化材保存法というような名前の法律案を作ろうということで只今研究いたしておるということを一言申上げまして、あとは報告書を添附することにお許しを頂きたいと思います。
  4. 松野喜内

    理事(松野喜内君) お諮りいたします。今三島委員のおつしやる通り、又文化委員会中間報告は、詳細は添附書類によつて御承知を願いたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鈴木憲一

    ○鈴木憲一君 三島委員長の報告で結構だと思うのでありますけれども、午後もこれに引続き研究されますから、若しこれを御覽になつて、極く簡單な項目が出ておるのでありますけれども、何かこの際御意見があれば簡單にお伺いして置く方がいいのじやないかと私は思うのですが……
  6. 三島通陽

    ○三島通陽君 午後の小委員会に成るべくなら速記をお呼び頂きまして、十分に皆さんに御発言をして頂き、尚又御意見のあります他の小委員会外の文部委員の方々にも御出席頂きまして、その席でお述べ頂いたら時間が経済になるのじやないかと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 丁度委員部の責任者も來ておられるから、速記を付けて伺いたいことが……    〔岩間正男君「時間がもつたいないから……」と述ぶ〕
  8. 松野喜内

    理事(松野喜内君) それじや今のお話は午後に速記をお出し願つて、その上に鈴木委員の御要望の通りにいたします。   ―――――――――――――
  9. 岩間正男

    ○岩間正男君 六三の予算のその後の経過について先ず文相から説明を求める。
  10. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 六三の建築費國庫補助予算につきましては、今までの状況はいろいろ申上げてあります。それでその後の折衝を続けまして土曜日にも私は折衝に参りました。併しまだ決まらないで、而も非常に困難な状況にありまして、皆さんの御期待にまだ副い得ないということについては甚だ遺憾に思つております。
  11. 岩間正男

    ○岩間正男君 すでに衆議院があのような形で通過を見て参議院にかかつたのでありますが、参議院の情勢については、これは当委員会としてもいよいよ間近に迫つた予算の問題について処置がなされると思うのであります。今のところですね、どうもこの予算を獲得する見通しというものは非常に薄い。それから今文相の見通しのお話でも非常に困難だという情勢になつておるのですが、それがためにいろいろな困難が起ると思うのです。先ず第一に、相当二十四年度の予算を当にしてまあ地方では工事を進めておる。そういうような補助下りない場合にこれは建ち腐れになるというような現象が起つておる。更に又そのために地方議会におきましては、町村長とか、町村会議員とか、そういう者で非常にこの問題の責任のために重要な段階に追込まれる。それでまあ辞職するとか、或いはリコールになつておるというような例が非常に多いのであります。すでに和歌山縣あたりでは二十七町村長がこの六三制のために辞職をしておる。三名の議員リコールされておるという実情が出ておる。殊に最近見えました茨城縣の教育委員とか、それからPTA、そういうような人達のこの陳情團の報告を聽きますというと、すでにもう辞めておる。ところがその辞めた町村長のあとにはなり手がない。告示を三回も出したけれども未だその候補者が現われないという実情が起つた。これは恐らく日本の実情を正確に調査したらこういうことが非常に多く行われておると思うのでありますが、こういうようなことから起る教育的な更に政治的な混乱について文相はどのようなお考えを持つており、どのようにこれに対処するお考えを持つておるか伺いたいと思います。
  12. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 只今岩間委員からお話のありましたような非常に困難な状況が各地において起るということについて、私も相当理解しておるつもりであります。從いまして何とかそういう問題をこちらとしても考えて行きたいということで現在も努力しておるわけであります。今後若し臨時國会等が開かれる場合におきましては、無論その場合も努力しなくてはならない。その外公共事業費以外の方法によりまして考えられる方法もないかということで、いろいろと考えておるわけであります。そういうあらゆる方法、あらゆる機会等を利用しまして、地方教育に対する熱情から來たいろいろの困難につきましては、文部省として取るべき方法を取つて行きたいということで考えております。
  13. 岩間正男

    ○岩間正男君 臨時國会において努力をするというようなことを、何か吉田首相も言われたというようなことを新聞で見たのでありますが、果してそれがどの程度の一体根拠があるのであるかどうかということ、これを第一点に伺いたいと思います。我々の見通しでは今のこの本予算において基本的な線が打込まれないで以て、これを臨時國会で果してやる可能性があるかどうかということに対しては非常に不安を感ぜざるを得ない。恐らくこれは全國民大衆のやはり不安であろうと思うのであります。從つて今國会において至急に何らかの形で補正予算のようなもので以て六三制の遂行を可能ならしめるという点について努力をする考えがあるかどうか、そういう点について文相の意向を質したいと思います。
  14. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 衆議院予算総会におきまして総理大臣も今後できるだけ実現できるように努力して行くと、こういうお話がありました。内閣全体といたしましてもそういう方針で進んでおります。それで次の臨時國会が若しあるといたしまして、その場合にどのくらいの見通しがあるか、非常に困難ではないかというお話でありますが、無論それは決して容易ではなかろうと思いますけれども、私といたしましては今後常にその点について努力をし、関係方面とも折衝をいたしまして、できるだけの方法でやつて行きたい、そうしてそれが実現するようにあらゆる努力をしたい、こういう考えを持つておるということを申上げる外ないと思います。御承知のように只今國会に出ております新財政法が通過いたしますと、一旦決まりました款についての予算内部の操作は後で國会の承認を得ることによりまして、政府の方針でできることになつておるのであります。ですから関係方面との折衝が付きさえすれば、たとえ國会が終りましてもできないわけではありません。ただ併し今まで努力しておつて、それが急にできるというようなことは考えられるかと申しますと、これはなかなかやはり容易ではありませんが、決してインポシブルではないということになります。
  15. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の話で吉田首相並びに文相の今度の臨時國会においてできるだけ努力するというようなのは、これは一つの希望的観測というふうに私は受取つたのであります。というのは少くともこういうことに対する折衝が事前になされ、それでその確約が関係方面と或る程度なされてこれは出されておるのではない、首相がそういうようなことを衆議院の方において声明されたというのは、少くともそれは一つの首相希望的なものであると、こういうふうに考えて置いて、その点ようございますか、つまり何らのはつきりした基礎の上に立つて言われたのではない、必ずそれが実現するというような根拠の上に立つてそのような声明をされたのではないというふうに我々は受取つてようございますか、その点伺います。
  16. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) それはそうだろうと思います。
  17. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでようございますね。そうしますと非常に問題があると思います。少くとも民自党がこの総選挙におきまして、これは六三制のために格段の努力をする。そうしてそれを方針として堅持してやつて來た。ところが今度の補正予算を組むに当つても、その僅かに一%に当るものでさえもこれは確立できなかつた、その政府がまだ今度の臨時國会においてこれを果して具現することができるかどうかということは、これは國民大衆の非常に不安を感じておる問題だと思うのでありまして、その程度のことでは恐らく今差掛かつておるところの至急な問題に対して、これを解決するなんの鍵にもならん、そういうふうに思うのでありますが、先刻申しました、もつとそうすると具体的に申しますと、努力する、努力するでは駄目です。若しそのような全然駄目になつて場合に起る、つまり今建てておる建物の建ち腐れとか、経済的な破綻とか、それから町村長のリコールの問題、こういうものに対してもつと文部省はどのように考えておられるかという点を改めて又伺つて見なければならないというように思いますが、如何でございますか。
  18. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) それにつきましては、先刻お答えした通りでありまして、非常に困つた問題であるとは思いますけれども、それでは直ぐ補助を何とかできるようにすると、或いはどういう金融措置をするというようなことをまだはつきり申上げるというところまで行つておりませんですから、御了承を頂きたいと思います。
  19. 岩間正男

    ○岩間正男君 先刻私の質問の一点にお答え頂けなかつたと思うのですが、今國会において早急に補正予算のようなものを出して、この問題を解決するというような見通しをお持ちになつていらつしやるかどうか、その点を伺います。
  20. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) その点につきましては、私としてはまだ折衝を続けておるのですし、今後もできるだけやつて行くのでありますからして、今國会中にそれはできますれば無論補正予算等によりまして実行したいと、こういうつもりでおるわけであります。
  21. 岩間正男

    ○岩間正男君 質問のついでに第二点の問題に移りたいと思うのでありますが、六三制の予算につきましては、單に努力するというような、そういうようなことでは無論足りませんので、もつと具体的にこの態勢を急速に取つて頂きたいというように考えます。次に、文部省予算の問題でありますが、教員の首切りの問題であります。これにつきましては……
  22. 鈴木憲一

    ○鈴木憲一君 今の問題に移られる前に、外に意見がやはりあるんじやないかと思うのですが、そこで一應讓つて貰えないでしようか。
  23. 岩間正男

    ○岩間正男君 それではそういうように……
  24. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 今鈴木委員の言われたように、先に予算問題について、外の委員からの御質疑がありましたら……
  25. 鈴木憲一

    ○鈴木憲一君 文相にお聽きしたいのですが、連日交渉して頂いておると伺つて感謝しておるんですけれども、交渉を切らずに連続してやつてお出でになるという裏には、何かできそうな見込があるんでございますか、お伺いいたします。
  26. 松野喜内

    理事(松野喜内君) ちよつと速記を止めて……    〔速記中止〕
  27. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 速記を始めて…
  28. 鈴木憲一

    ○鈴木憲一君 文相の御意見ですと、まだ五里霧中の中にあるようにも聞えますが、併しながらその中から何か掴みを出そうと努力をしておられるようにも思うのですが、その掴み出し得るという信念の下に連日御盡力を願つておる筈だと思うのですけれども、これをどこまでもやつて行けば、必ず打ち出して見せるというしつかりした御決心が、ここで以て我々の前に表明して頂ければ非常に有難いと思うのです。尚その上に連日の交渉について、文相一人の御意見で次ぎへ次ぎへと展開をしておられるのであるか、できればこういう際に各委員等の意見等を御聽取になつて、取捨選択の上、又こういう方法をやつて見ようという立場をお取り入れにならないか、この二点についてお願いしたいと思います。
  29. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 私としては何とか成功さしたいということで飽くまで粘つて、あらゆる角度からやつておるわけでありますけれども、先程申しましたような状況でありますからして、必ず成功させるということは、実は私として現在言明ができない状況なのであります。無論やるにつきましても、全力を盡してあらゆる角度から成功さしたいということで、まだ望みを失わないでやつておるわけであります。そのことを一つ御了承を頂きたい。それから後の問題、私が行つて折衝する場合の説明の問題でありますが、随分いろいろなことを申しまして、それからいろいろな方にも会つておりますが、その方々の御意見も伺つてやつてはおりますが、皆さんから尚いろいろ御意見が伺い得れば、無論それも参考にして今後も話を進めて行きたい、こういうふうに思つております。
  30. 若木勝藏

    若木勝藏君 今の件に関連して大臣に伺いたい。今のお話で以て随分熱心に折衝されておるので、この点は分るが、どの程度に目安を立てて予算を獲得されるのか、私にははつきりしないのであります。
  31. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 金額ですか。
  32. 若木勝藏

    若木勝藏君 どういう目標で折衝されておるか。
  33. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  34. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 速記を始めて。
  35. 若木勝藏

    若木勝藏君 そのくらいの額で今年度の六三が成立つかどうか、こういうことについて文相どういうふうに考えておりますか。
  36. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 文部省が最初計画した五ヶ年計画によりますというと百八億であります。それに比べるとほんの僅かで、これくらいのものは燒石に水だということにはなります。併し御承知のように、百八億という計画の中には、中学の施設として教育を十分やるのに是非必要な特別教室裁縫室であるとか、料理室であるとか、実驗室、そういうものも入つておるわけであります。特別教室が相当沢山入つております。そうして一方で、今までやつております二部授業或いは仮教室を解消する、或いは寒冷地の方面での雨天体操場の完成、いろいろな要素が入つておるわけでありまして、ですからそれらの中でむろんできるならばこれを五ヶ年計画で全部完成することが望ましいのでありますけれども、おのずから非常に困難な場合には、そこに緩急の差があるわけです。ですからその緩急の差に應じまして、最も教育的な欠陷を生ずるというところから漸次解消をする、こういう方針で行くといたしますれば、十五億の場合には先ず差当りどう、三十億の場合には先ず差当りどう、こういう計画は立つわけで、そうして今度十五億仮に取れたといたしますれば、むろん今年度の計画としてそれで足りると考えておるわけではありませんから、今後もあらゆる機会において増額をするという何もして行きたい、そういうつもりでおるわけでございます。
  37. 藤田芳雄

    ○藤田芳雄君 六三の施設の経費の点に関しましては、お話のごとく、どこまでも一つ粘つて頂くことは希望しておりますが、先程岩間君の方からお話もありましたように、現実としては大体見込みがないといつた方がよくはないかと思うような見通しがあるわけです。そういたしますというと、実はこの二部教授、三部教授とかいうような面で困つておる部分を何とかするというような説明にはなつておりますけれども、実情はもう六三実施のために教室が極端に不足しておる。殊に年度が進むに從つて不足を來しておるというようなことは事実なんです。そこへ今年度こうしたように見通しが付かんとすれば、將來できるかどうかということよりも、差当つて現実の問題としてはもう何とかそこに実際の処置を講じなければならんのではないか、こう思うのですが、で一面この経費を要求すると同時に、先ずないものという見通しがあるとすれば、それに対して何らかの処置を講じて置かなければならん。それに対して文部省の方に何かこの間に対應する処置を講じておられるか、或いは計画があるか、あるとすればどんな意味に考えておられるか、その点をお伺いしたいと思います。
  38. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 取れるといたしましたところで、今申上げましたように、十五億やそこいらならば非常に教育上にいろいろな問題が起つておりますので、そういう場合にどういうふうにして進むのであるかというようなことは無論文部省として考えなければならないのであります。学校教育局の方でいろいろ考えておるわけでありますので、それについて何か学校教育の方で一つ……
  39. 内藤譽三郎

    ○説明員(内藤譽三郎君) 只今の点いろいろと研究はいたしておりますが、まだ発表するまでに至つてないのであります。例えば一週五日制の問題とか、既存校舎の利用の問題とか、高等学校の校舎の利用、或いはその他の校舎の利用、こういう点については檢討は続けておりますが、まだ成案を得るまでに至つておりません。この点御了承願いたいと思います。
  40. 藤田芳雄

    ○藤田芳雄君 もう始まつておるのでありますから、檢討の時期ではないのじやないかと思います。何とかそれは早急に決定して末端が迷わないようにして頂きたい。少しでも混乱を防ぐということは重要なことだと思います。それから今のお話では教授内容になつておりますが、併し地方によりましては、先程來お話しのような経済的混乱が相当窺われる。そういうことについては何か内閣として考慮しておられる点があるか、それもお願いいたしたいと思います。
  41. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) つまり今のお話しの意味は、一應補助があるというような予定で計画をしてやつておる仕事があるので、補助が今年度ないということになると、経済的方面でやはり非常な困難がありまして、教育上だけでなくそういう問題があるから、それについて何か考えがあるか、こういうようなお話じやないかと思うのです。それも私も考えております。これは公共事業費からの補助の問題とは別個に処置できる問題になるかと思います。それで大藏大臣と相談しておりまして、併しただそれをやるにいたしましても、例えば起債の方はどうするとか何とかいう点、やはり向うのO・Kを得るということが必要となつて参りますので、私と大藏大臣だけの相談でできるわけではございませんが、併し大藏大臣と相談いたしまして、そういう公共事業費からの補助の問題以外で何らか金融的な措置なり何なりで今のような経済的な混乱を緩和し、何とかする方法はないだろうかということで、それは相談して考えておるところであります。
  42. 藤田芳雄

    ○藤田芳雄君 仕事が今継続されておるということもありますが、実際の子供の親の身になりますというと、三食を二食に減らしても自分の子供教育のことは考える。從つて末端において今学ぶ教室がないとすれば、いわゆる寄付募集でも何でもして建てて行かうとしておる状況がある。そこで今のように、確かにお話のように起債の方ですでにもう使つて、それも利拂問題から、先程お話しのようなリコール問題も出て來る。こういうような実情もあると同時に、今のように莫大な寄付を出し合つても作つて行かうとしておる。ところが今までの政府の考え方としては寄付はみずから好んで出すのであるから、別に國家財政として考える必要はないというようなよく話を聞いたのでありますが、どうもそれは違うと思う。國家財政から言えば地方の起債さえいろいろ制限しようとしておるときに、やはりそうした金を各國民が負担すればそれだけ生活面に響きますから、從つて預貯金にいたしましても、或いは國家の重要な國債方面の関係の資金にいたしましても、或いは中小企業金融面の資金にいたしましても、そうしたものがあればあるだけやはり國家財政に大きな響きを持つて來るのだ、そういう方面に対しても何らかやはり國民に対して、それに対する指導とか、或いは方策というようなものを政府側として持たなければならないのじやないか。それが親切な行き方じやないかと思うのですが、そういうふうの面はどうなんですか。
  43. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 只今の御質問の要点は私にはちよつとはつきりいたしませんでしたが、寄付金等について政府は、それは進んでやるのだからやらしたつて構わないのじやないのだろうか、こういう考えでいるのじやないか、こういうお話でありましたが、決して政府はそういうわけでございませんで、民間のいろいろな團体から、やはり寄付金を強制するようなことがあつて困るから、そういうものはなくして貰いたい、こういう要望が始終内閣に來ております。それで閣議でも確か三月に決めたと思いますが、寄付金等の少しでも強制に亘るようなものをやつちやいかん、こういうことが決まつたのであります。ただ教育の方の問題は警察署を建てるとか、税務署を建てるとかいう場合の寄付金とは性質が相当違つておるということは考えられる。父兄の中で自分の子供学校のために進んで寄付したいということも事実ある場合がある。併し警察を建てるとか、税務署を建てる場合と、そういう点が大分違うのだから、少しそこは別に考える必要があろう、こういうことは考えておりますが、寄付を奬励して、そうしてそれで建てる、こういうような考えは実は持つておらないのであります。
  44. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 皆さんにお諮りいたします。大臣は十二時に外部の会合に出られるので、さつきからすでに三十分以上引張つておる次第ですが、まだ質疑を更に重ねたい……先に岩間委員からも次の問題を提案になつているのですが。
  45. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の六三問題について、地方の父兄の負担が、若しできるのならこの上……まあ教育の問題は別だからいいというようなお話があつたのですが、これは私は実態をやはりもう少し嚴重に把握して貰うより外ないのじやないかと考えます。御承知のように今までの國庫補助分では建築費は三分の二が今まで殆んどこれは父兄負担という形でやつて來たのであります。ところが今回仮に十五億を取るということになりますれば、去年並に建てたとしても十六分の十五というものは大衆負担ということになるのであります。私の計算では……ましてそういうことになりますと、これは現在の地方財政状況で果して可能であるかどうか。そこで言うまでもないことですけれども、今度の地方財政計画が非常に大混乱に陷つて、今大きな問題になつております。恐らく文相が地方委員会から出るようにと呼ばれているのもその問題じやないかと思うのですが、先ず第一に配付税が去年のパーセンテージから見ますというと、これは二〇%以上も低くなつた。それから法定のものから見ますと、半分くらいになつておる。つまり五百七十七億というような当然法定の半分くらいの大削減がなされておるということ、そうして地方財源がそのような赤字が枯渇している、そこへ持つて來て住民税が大体一・六倍に上げられた、更に地租が約二倍半に上げられておる、その他まあいろいろな鉱区税とか、狩猟税とか、そういうようなものも、これは二倍以上に上げられておるような実情であります。而も大衆負担はもう底を割つているということが言い得るのじやないか。農村におけるところの非常な経済的な混乱、もう再生産業も割つておるような……米價の形からしまして再生産が不可能で、すでに農林省統計によりましても二万五千町歩くらいが作付不能になる、こういうような形になつておる。更に米價が一方これは補給金との連関において非常に抑えられている、そういうふうに、土地改良費が足りなくて非常に困る、災害復旧費が足りなくて困るというようなことで、地方の負担というものは話にならない、蜂の巣をつつ突いたような、てんで話にならない状況になつているときに、果して六三制の寄付が今言つた三分の二から十六分の十五に上げられたときに、これを取るという可能性があると文相はお考えになつているかどうか、その点お聽きしたいと思います。
  46. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 先ず第一点につきまして、文部省は父兄からの寄附金を奬励するのだ、こういうようなふうにお考えのようでありましたが、決してそういうことではありませんで、成るべくそういうことをしないようにという方針で実は行つておるわけであります。それから十五億になつた場合に、去年と同じだけの仕事をしようとすれば、父兄の寄付に頼るとすれば非常な負担になる、現在のような状況でそんなことができるか、こういうような御質問だつたと思いますが、私はやはり困難だろうと思います。事実困難だと思います。從いまして、若し仮に十五億ということになりますれば、去年と同じ程度の建築が本年度できようという見込みも非常に少いのじやないだろうか、そこで非常な困難が教育上起きるわけなんで、何とか無理をして教育をして行かなければならないという問題が起きまして、その点についてあらゆる工夫をして行く、そうしてその苦しいときを何とか乘り切つて行くというより外ないだろう、こういう考えを持つているわけなんであります。
  47. 鈴木憲一

    ○鈴木憲一君 六三の経済問題ですね、一つ特にお願いして置きたいことがあるのですが、まだ軍用建物が大分沢山ある、これは地方によつて相当違うと思うのですが、大藏省はこれをどんどん値を上げている、それがために学校で欲しいものも取れないというような状況になつて來ているのです。この際十五億取れましても不足するのですから、その財源の埋合せというような立場からも、何とかしてこれを大藏省から無償で、学校建築の場合だけは無償で地方公共團体に渡すというような交渉をして頂ければ、それだけでも大変いいことになるのじやないかと私は思つているのであります。現に私の知つておりますものでもまだまだ、建物がどんどん傷みながら手を付けられないものが沢山あるわけです。是非それを一つ実行して頂きたいと思います。
  48. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 只今のような点は私共といたしましても、無論こういう困難なときを切拔ける手段として考えなければならんと思つております。ただその状況から申しますと位置の関係が、果して間に合うかどうか、ありましても、やはり新制中学として使う場合には位置が相当関係する、それから、そのままでは使えないで、移築しなければ工合が惡いというものが相当多いのじやないか、そうしたしますと移築費というものが、新らしく建てるのと殆んど同じぐらい金がかかつてしまうというところに問題があります。併し多少地理的に不便でありましても、使えるものは何とか使わせるということで行きたいと思います。それにつきまして、家賃が非常に高くなつて來ておる、或いは拂下げにいたしましても非常に高くなつて來ている、これも事実であります。これは國有財産の拂下げに関する法律や何かが変つて参りまして、やはり大藏省の財源を探すというような意味から、拂下げは時價によらなければいかんとか言つて來ておる結果なんでありまして、結局教育に使う場合には、それは特別に考えて頂きたいというのが文部省の考えであつて、大藏省にそり話をしております。それで段々話が進んでおりますから、教育方面への拂下げなり、家賃については何か特殊な措置が講ぜられるようになるのじやないかと思つております。ただ問題は、厚生省あたりとの関係もありまして、厚生省がいろいろ使つておるところもあるので、教育の方に使つておるのだけをそうするということもなかなかむずかしい問題になつて來ますから、そうするとすべてをそうしなければならないと、大藏省としては歳入の上に非常に影響して來るというようなわけで、教育には相当理解して呉れているようでありますが、他との関係がありましてはつきりまだ決まりませんが、何とかして貰う途があると考えております。できるだけ努力したいと考えております。
  49. 鈴木憲一

    ○鈴木憲一君 文部省はこれを移築して学校にするとか、そこに通わして学校にするというような考え方をしておられますが、私はそれを六三の財源として地方自治團体に無償でやつてしまうというようなやり方をしたらよいと思う。そうしたらそれを地方が誰に賣つても構わない。その金をとにかく六三の方に廻して寄越せ、そういうような立場を取る。とにかく方々で欲しがつておりながらも、これを取らずに荒れ果てさして置くという現状から、何かそういう手が打てるのじやないかと考えております。御盡力を願いたい。
  50. 藤田芳雄

    ○藤田芳雄君 予算ももう直きに成立することと思いますが、六三の施設費が計上されないということは國民に與する精神的な影響は非常に大きいと思う。殊に最近日本の國全体として最も欠陷とされておるところは道義の低下であります。この道義を高揚しなければならない最も重要なこのときに、六三の経費がもがれたということは國民に対して非常な影響を與えるものと思います。そこで私は予算成立をいたしました場合には、政府といたしまして國民の教育のことについて何らか國民のそうした精神的な高揚を図るような声明なり、激励なりのものを出す必要があるのじやなかろうかと思うのでありますが、これは重大な問題になつて來ると思います。その点に対する文相の御意向を伺いたいと思います。
  51. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 只今の御意見誠に御尤もで、私共いろいろ考えております。
  52. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでは先程質問しかけまして、鈴木君の上に讓つた首切りの問題について質問したいと思います。首切はないというように文相がこれは衆議院の方で言明されたように聽いております。併しここに数字があるのですが、我々の計算によりますと、文部省統計によつて現在生徒数が推定数でありますが、一千八十三万八千四百七十七ということになつております。ところが現状の学級数は二十三万五千六学級であります。それに一・三五を乘ずると所定の教員数は二十九万二千六百三十九人という数が出ます。それから校長事務職員、養護訓導が一校に一名ずつという事になりますと、校長が二万五百四十四人、同じように事務職員、養護訓導がそれだけになりますから、これを差引くと二十万九千三百二十九人というような計算になると思います。この学級担任教員総数を、学級数の二十三万五千六学級で割れば、一学級の担任数が〇・九八人というような数が出るのであります。こういうような事情について、文部省ははつきり把握されておるのであるか。更に学校の特質としまして結核に倒れる者もあります。それからいろいろな点で休む欠勤者、そういうような者も非常に出て來るのでありますが、こういうような点について十分な願慮が一体拂われておるのかどうか。今申上げました数字的な矛盾についてはどう考えておられるか、その点伺いたいと思うのであります。
  53. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 只今の数字の細かい点につきましては、私よりも係りの者によく説明さした方がいいかと思います。
  54. 岩間正男

    ○岩間正男君 それではその点については政府委員の方と折衝したいと思いますが、次に、教員の馘首問題と連関して、今全國的に傾向を見せておりますのは、教員政治的な活動の自由、更に組合運動に対する自由制限、こういうものは全國的に発生していると思うのです。東京でもそういうような問題が問題になりまして、この前多田小学校で三人の訓導がそういう点から随分問題になつております。そうして教育委員会においてこれが取上げられておる。そうしてその結果教育委員会においては、文部省にこれに関して質問したというようなことが起つておりますが、その後文部省はこれに対してどのような手を下されたか。読賣新聞の伝えるところによると、教員政治活動は禁止されるというふな話がある。併しそれは実際は一記者の見解でそういうことが書かれた。併しその根拠は文部省内から出たのだというようなことが、端なくもその記者によつて言明されたような節がある。從つてそういう実態についてこれが明確にされた場合には、文部省の役人の首は三、四人くらい飛ぶのじやないかというようなことがその記者によつて語られた。そうすると法務廰からの見解として出された來たところの、つまり学校基本法第八條の教員政治自由は何ら侵犯し得ないという條項に対して法務廰が示した見解を文部省はどのように考えられて、これをどのように処置されんとするか、大臣の御意見を伺いたいのであります。もう一つこれと関連するのでありますが、最近物淒く耳目を聳動さしておりますのは、長野縣に起つておるところの教員の大彈圧であります。まだ正確な調査が全部入つておりませんけれども、我々の報告を受けた分だけでも約百人以上の教員が或いは退職を強要され、或いは格下げ減俸を強要されまして、これが全縣下に亘つて、而もその理由とするところは組合活動に從來專念した例えば二・一スト時代の責任者は全部責任を取れというようなことで、それが視学から強要的に今度の転任に際してそういうような内示を受けた。そうしてどんどんそういうことが了承させらめるという形になる。ところが松林、市川という校長が、どうしたつてそれは腑に落ちないというので飽くまで了承しなかつた。ところが縣視学は馬場というのでありますが、この縣視学に迫つて、どのような理由で一体首を切ろうとするのであるか、退職を迫るのであるか、その理由を聽きたいということで迫つて、結局視学がこれに対しまして、それは組合運動をやつた、そういうことをやり過ぎた、それがいかんという理由によつて首を切るのだということを一札入れさせて判を押させた。ところがこれに対して縣視学はそのような一札を強要されたということで当局に訴えた。その結果非常に脅迫的なことをやつたというので、その二人が最近逮捕された。この調査の結果によりまして、而もそれは不当であるということで更に未決監に拘禁されたというような実例が出ておるのですが、先ず私はこのようなことにつきまして、この問題は二・一ストの組合運動に專心したということによつて一体退職の理由になるのかどうか。更に組合運動に專心することによつてそのような廣汎な転勤退職ということが一体行われていいのであるか。この長野思想の彈圧並びに組合運動に対するところの彈圧は、実に我々として軽々に見逃すことのできない重大問題であるのでありまして、文部省はどのようにこの経過をタツチされ、今の点についてどのような考えを持つておるか伺いたいと思います。
  55. 高良とみ

    高良とみ君 もう時間ですから、今のは大変重要な御質疑のようですから、十分御調査の上、後で御報告願う方が、こういう差迫つた時間にするよりもいいのではないかと考えます。そこで大臣の都合もあるということでありますから、もう時間も相当迫りまして、これは重要な問題であればある程、ゆつくりと時間をかけたいと思いますので、進行動議を提出いたします。
  56. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 今高良委員からおつしやつた通り、岩間委員の重要な御質問ですが、併しこの次に又委員会が開かれることになりますので、又大臣の御都合も先程申上げた次第ですから、この質問に対しては重ねて続いてやる必要があると思いますが、大臣は今向うから再三呼び出しが來ておりますので……
  57. 岩間正男

    ○岩間正男君 無論時間も迫つておりますし、重大な問題でありますが、折角質問をしかけたところですから、その答弁を得て、それから問題を保留するのならいいと思いますけれども、その答弁を委員が要求しておるときに、それに対して動議提出ということは私は友誼的ではないと思う。こういう問題、一應これに対して答弁を求めて、そうして時間は無論考えておりますから、御心配なくやつて貰いたい。
  58. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 只今の問題は、高良委員からお話がありましたように、非常に重大な根本的な問題でありますから、ゆつくり又お話を申上げるということにいたしたいと思いますが、一言だけ申上げますと、東京都教育委員から具体的な例をずつと挙げまして、そうしてこういう場合は教育基本法第八條第二項に牴触するかどうかという意見を聽いて來ておることは事実なんであります。それについて文部省としては問題が非常に重大でありますし、法律上の問題でありますから、常識的に解釈するというわけに參りません。それで十分檢討し、又これは法律に関係がありますから、法務廰の方面の意見等も聽いて回答しなくちやならんということで進めまして、法務廰の意見も聽いて一應案ができ、又CIEと折衝した上でないと回答ができない状況にあるので、只今CIEに出しておる状態でありますから、ゆつくりその点はお話申上げたい。
  59. 岩間正男

    ○岩間正男君 長野の問題はいかがですか。長野の問題は細かいどういう事情があつたのは私はまだよく知つておりません。ですからその事情もよく調べてお話した方がいいと思います。
  60. 松野喜内

    理事(松野喜内君) 岩間さんの方で御了承なさるならば、この程度にしたら如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 松野喜内

    理事(松野喜内君) それでは本日の委員会はこの程度で散会いたします。    午後零時五十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     田中耕太郎君    理事            松野 喜内君            高良 とみ君            岩間 正男君    委員            若木 勝藏君            河野 正夫君            大隈 信幸君            木内キヤウ君            三島 通陽君            鈴木 憲一君            藤田 芳雄君   國務大臣    文 部 大 臣 高瀬荘太郎君   政府委員    文部事務官    (大臣官房会計    課長)     小川 潤一君    文部事務官    (文部省学校教    育局次長)   剱木 亨弘君   説明員    文部事務官    (学校教育局庶    務課長)    内藤譽三郎君