運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-04-18 第5回国会 参議院 経済安定委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和二十四年四月十八日(月曜日)   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件日本経済の安定と復興に関する調査  の件   ―――――――――――――    午後二時五分開会
  2. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは第七回になると思いますが、第七回の委員会を開会いたします。今日は予定の通り日本経済の安定と復興に関する調査を議題といたしまして、特に中小企業の問題について御審議を頂きたいと思います。予定としましては政府側から中小企業に対する、特に九原則実施の段階で集中生産の問題から始まる中小企業市場の問題、それから價格の問題、更に合理化の問題、全部引つ括めた経営の惡化の問題及びこれに対する対策というような具体的な問題をお話し願いたいと思うわけでありますが、そういう状態で先ず政府から聽いて、それから証人としてお呼びしてあります日本中小企業連盟会長豊田雅孝君、それから全日本中小工業議会委員長の大塚育君、それから三番目に東京商工指導所の所長である中西寅雄君、更に東京商工会議所中小企業委員長の野澤一郎君からお話を聽くという段取りになつておりますが、まだ政府の方が見えておりませんので、差当りまして最初証人の方からお話を聽きたいと思いますが、先ず宣誓をお願いします。    〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣 誓 書  良心に從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 豊田 雅孝         証人 大塚  育         証人 中西 寅雄         証人 野澤 一郎
  3. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは最初中小企業問題の一般的な問題につきまして豊田雅孝君のお話をお願いいたします。
  4. 豊田雅孝

    証人豊田雅孝君) それでは私から全般的な問題につきまして一應の御話を申上げたいと思います。  申上げるまでもなく九原則のワンポイントになつておりまする賃金安定、これを今後やつて行く上におきましては、是非共生活必需品の生産配給は確保しなければならんと思うのでありますが、この生活必需品の生産者、配給者の大部分を占めておりまするものは、これは中小工業者並びに中小商業者でありまして、これを振興いたさなければそのはね返りが重点産業の部門に参りまして賃金安定は阻害せられ、又重点生産それ自体が阻害されることに相成ると考えるのであります。同時にこれ又九原則の一つになつておりまする輸出振興の上におきまして、輸出産業としてのこの雜貨、それから加工度の高い布帛製品類これらは何れも中小企業でありまして、これらの輸出額というものが以外の重要性を持つて参つたのでありまして、戰前輸出額の六〇%ぐらいというものはこの中小企業の製品を以て占められておつたのであります。更に機械器具の下請産業といたしましての中小企業というものをこれに加算いたしますると、更にその重要性は増して來るのでありまして、中小企業の振興なくして本格的な輸出の振興を期するということは至難だというも敢て過言ではないと考えておるわけであります。近來船舶或いは車輛の額いが海外から注文があるわけでありまして、今にもその船舶、車輛或いは紡績機械かようなものを以て我が國の輸出計画が全部充たされるかのように考えるということは非常な速断だろうと考えるのでありまして、少くともここ当分相当の長期に亘りまして、バラエテイーと消費量の多い、いわゆる廣義の雜貨、或いは加工度の高い布帛製品類等の中小工業製品というものを絶対に軽視できないと考えるのであります。中には東洋諸國にも漸次雜貨類等はできるようになつたというようなことを言われるのでありまするが、もとよりこれは産業進化の原則から見まして、その傾向にあることは事実でありますが、併しそんなに急速にかような状態が來るというふうに考えることも行過ぎであろうと思うのであります。現在の日本の実例から見ましても、明治以來産業の振興には、御承知の通り非常な努力を拂つたのでありまするが、雜貨類の輸出國と日本がなつたというのは、大体第一次欧洲大戰の時でありまして、かように日本のごとく産業保護助成に非常な國力を注いだ過去の歴史を見ましても、なかなか産業発達ということはそう迅速に行くものではないのでありまして、同時に日本も重化学工業本位の輸出國にそう急速になり切れるというわけではないと考えるのでありまして、ここ当分長期に亘りまして、廣義の雜貨類、又加工度の高い布帛製品類等の中小工業製品というふうなことに、大いに重点を置くという必要を通感いたすのであります。殊にポンド・ブロック貿易が本格化いたしましたその際を考えますと、いよいよこの感を深くさせられるわけでありまして、我が國の立地條件、更に又重工業原料に乏しく、手先の器用だという我が民族性から見まして、いよいよこの廣義の雜貨類、或いは加工度の高い製品を中心とする貿易というものはいよいよ以て軽視できないと考えるのであります。從つて現下の段階におきまして、重化学工業貿易というものを余りに過大評價するということは危險だと私共は考えているのでありまして、雜貨乃至加工度の高い纖維製品の貿易、要するに中小企業を中心にする貿易というものを過小評價してはならんと考えるのであります。要するに賃銀安定なり、生活安定のためんら申しましても、又更に輸出振興の点から考えましても、中小企業を軽視するということは絶対相成らんというふうに確信いたすわけでありまして、自由貿易を基調にいたしまする國際分業の見地、又我が國の資源民族的特色を基調といたしまする國土計画的な見地から考えまして、健全なる中小企業育成振興ということは絶対に必要だと考えるのであります。かくすることによりまして、本格的な日本経済の再建なり、又失業問題解決の有力な一端がここに開かれると考えるわけでありまして、特に、今日は経済安定委員会の御主催でかような会合をお開き下さいましたことにつきまして、特にこの中小企業問題に関する基本的な考え方ということを、今後この委員会を中心として十分にお考えを願いたいと衷心より考える次第です。然るに現実的に見ますると、中小企業につきましては非常に不利な條件が只今山積しているわけでありまして、差当り、是非ともこの際解決を願わなければならんという点につきまして、数点ここに簡單に申上げたいと存ずるのであります。  第一は、政府及び大企業の未拂金の問題でありまして、この政府及び大企業未拂金というものが中小企業に皺寄せになつて來ているのでありまして、すでに政府においては配付済みであるというに拘わらず、現実においては、御承知のようにその未拂金が相当巨額に上つておりまして四、五百億だというようなことを言われているような状態でございまして、これが最も弱い中小企業としての関連産業、或いは下請けの産業に皺寄せになつているのでございまして、これをこの際解決することが絶対に必要だと考えるのであります。この点について速かに一つこの委員会を中心とせらまして、具体的な手を打つて頂きたいと考えるのであります。而もそれが末端にまで滲透するような方法をお考えを願い、監督をして頂きたいということが第一であります。  第二は税金の問題でありまして、この税につきましては、或る協同組合で調査をいたしたのでありまするが、その半分以上が廃業を希望して出たという状態でありまして、如何に税金の問題が深刻なる問題になつて來ておるかということを立証できるかと思うのであります。この税金の問題につきましては、いろいろ具体的に申上げたい点もありまするけれども、私は基本的に考えますると、中小企業に対する税と、大企業の税と同一の立法によつて律しておるところに大きなる欠陷があると考えるのであります。御承知のごとき中小企業は大企業とは本質的に企業実体を異にいたすのでありまして、又帳簿の整備等から見まして全然大企業とこれは同一に論じ得ない特質を特つておるのであります。從つてこの中小企業を対しましては、是非共独自の立法を願いたいと考えておるのでありまして、具体的に、一例を申しまするならば、中小企業所得は非常に勤労所得に近い性質を持つておるのでありまして、從つて勤労所得に準ずる免税点或いは大巾の基礎控除、これらを多分に加味する必要があると考えるのであります。と同時は徴税規則につきして特に中小企業に対する実情に則した行き方をせられたいと考えるのでありまして、これもその一例を申しまするならば、例えば中小企業にもぴんから切りまであるのでありまして、これを大中小に分け、而して大についてはどの程度の税にするか、税務当局と業界の代表者で納得ずくで税額を決めまして、これによつて他の該当の企業が右へ倣へをするというような行き方でありまするとか、或いは中小企業でも尚且つ記帳可能のような簡易なる帳簿を、税務当局も参加せられましてこれを決定いたし、それの普及を中小企業界に徹底的にやるというようなこと、要するに只今行われておりまする見込課税或いは更正決定、あの乱暴な行き方で以て行くということは絶対に今後避けるような徴税規則を今後確立する必要があるというふうに考えておるわけであります。  次に取引高税の問題でありまするが、これが問題になりましたる際に、中小企業界で反対しておるのは、所得の全貌が取引高税によつて把握せられることを嫌つておるが故にさような反対を強くするんだというふうに言われておつたのでありまするが、これは余りにも中小企業界全体を見ました場合には、非常に酷な考え方でありまして、さような所得の全貌が把握できるから云々ということは、一部には勿論あるかも知れませんが、全体といたしましては、漸次ガラス張り経営を何とかしなければならんというところまで業界も迎えつつあるのでありまして、取引高税に対して業界が挙げて反対いたしましたゆえんのものは、取引高税というものは、御承知のごとく生産者、問屋、小賣、消費者というふうに漸次段階的に轉嫁して行くということが本則になつておりまするのでありますが、然るに轉嫁に当りまして最も弱い立場にある者は、上よりは轉嫁せられて來ますが、下に対して轉嫁ができない、要するに一番弱い者がこの取引高税を負担する、最も負担能力のない者に負担を掛ける、かような税金率に反するというような点に関しまして、取引高税に業界挙げて反対しておるようなわけでありまして、今後共この問題は絶対に解消はいたさんのでありまして、この点についても根本的な檢討を願いたいと考えておるのであります。  それから第三には資金の問題でありまして、一方未拂金があり、一方税の攻勢が激しいという結果、只今におきましては資金はいよいよ詰まりまして、このままで推移いたしまするならば、中にはこの年内に中小企業者の半分は潰れるだろうというようなことを言われておるくらいでありまして、この際資金対策につきましては各段の御檢討をお願いいたしたいと存ずる者であります。一体中小企業資金といたしましてどの程度が必要かということを言われるのでありますが、これは非常にむつかしい問題でありまして、と申しまするのは、中小企業組織化せられておるものはまだ只今のところは一部分でありまして、大部分がまだ未組織なのであります。從つて組織化せられております組合だけの必要資金がどの程度であるかということを推算するの外ない状態であります。差上げました資料にもその調査が出ておるわけでありまするが、昨年の五月協同組合につきまして調査いたしました結果、組合の所要資金、これが四千三百六十二組合から回答があつたのでありまするが、これが五十六億八千九百万円、設備資金が九億六千三百万円、運轉資金が四十七億二千六百万円、組合員の所要資金といたしましては三千七百七十二組合からの回答があり、これが百三億五千百万円、設備資金が三十三億四千四百万円、運轉資金が七十億七百万円、このうちから轉貸資金になりまする重複部分を控除いたしますると百四十九億三千七百万円に相成るのであります。この数字を基礎といたしまして、現在の設立組合数一万四千組合の所要資金を推算いたしますると、組合の所要資金といたしまして百八十二億六千万円、設備資金が三十億九千万円、運轉資金が百五十一億七千万円、組合員の所要資金が三百八十四億一千八百万円、設備資金が百二十四億一千一百万円、運轉資金が二百六十億七百万円というわけでありまして、合計いたしまして五百六十六億七千八百万円の相成るのであります。これは設備資金が百五十五億一百万円でありまして、運轉資金が四百十一億七千七百万円で、これは先程申します通り組合及び組合員の分だけでありまして、未組織中小企業者の分というものは、これは入つておらないのであります。で一方大藏省が調査せられましたるところによりますると、これ又昨年の数字でありまするが、中小企業者の預金が約一千百億円と言われておるのであります。このうち中小企業に対する貸出は約六百億円と言われておるのであります。しこに五百億円の預金超過になつておるのでありまして、中小企業界は金がないないと言いつつも尚且つ五百億の預金超過になつておるという実情であります。かような数字から大まかに推算いたしまして、差当り五百億円前後の中小企業界に対する資金の放出というものは妥当性があるのではないかというふうに考えられるわけでありまして、そのうち短期資金につきましては、この際日本銀行資金を大幅に拡大せられるということを急速に願いたいと思つておるわけであります。と同時に預金部資金を是非ともこの際中小企業界に放出せられたいということを考えておるわけであります。長期資金につきましては、これはいわゆる援助見返資金をこの際復金の長期資金に代る制度といたしまして、是非共その実現方を御配慮願いたいと考えるわけであります。それと同時にこの金融機関といたしましては、中小企業の專門的金融機関というものに重点を置いて今後施策を立てられたいと考えるわけでありまして、同時に組合金融のみならば個人金融も可能ならしめるように併せて配慮を願いたいと存ずるわけであります。  第四には、労働基準法の問題であります。中小企業は大企業と先程申述べましたが、本質に異にいたすのでありまして、どちらかと申しますと、農林畜水産業に近いところがあるのであります。而して雜貨類等を扱いまする中小企業になりますると、船積の時期が変つて來た、或いは納期が急に変つたというようなことからいたしまして、深夜業等もちよいちよいやらねばならんというような一つの特殊性を持つておるのであります。從つて農林畜水産業には休憩、休日、それから時間外労働に関する規定の適用除外があるのでありまするが故に、少くとも輸出産業としての中小企業に対しましては休憩、休日時間外労働に関する規定の適用除外ぐらいの緩和は何としてもこの際やらねばならんだろうというふうに考えるのでありまして、大企業と本質を異にいたします中小企業でありまするならばかような扱い方もソシアル・ダンピングのそしりは受けないだろうというふうに考えるのであります。  第五の点は、輸出の振興上中小企業者に海外の事情を把握させるということの必要を痛感いたしておるわけでありまして、中小企業代表者というものを海外市場に派遣するということを実現するようお考えを願いたいと存ずるのであります。  これに関連いたしましてこの際申添えて置きたいと存ずるのでありますが、いろいろと政府等にも審議会、或いは委員会等が設けられるのでありますが、これに対しましては大企業者の代表者のみならず、中小企業代表者を必ずこれに入れるということを実行せられるようにお願いいたしたいと存ずるのであります。  第六は集中生産に関する問題でありますが、これは能率は一産の趣旨からやるということになりまするならば、これを必ずしも否定はできないと思うのでありますが、問題はそのやり方であります。形式的な判定基準を設けなして、天下の的に、而も形式的な設備等によりまして判定をしてやつて行くという行き方は、これは絶対に避けて貰いたいと思うのでありまして、少くとも能率を判定し、そこに企業努力を認める余裕のある行き方をせられたいと考えるのであります。それと同時に若しその基準から落ちるというようなものに対しましてはこれは極力協同経営に誘導いたしまして、そうしてこれが組織化せれ、協同組合化せられたものに対しては、資材割当対象にまでこれを引上げて扱つて行くということを相並んで行なつて行くということを是非配慮して貰いたいと考えるわけであります。同時に残在工場、或いは下請工場として十分活動するというような義後措置というものに万全の措置を講ぜられたいと存ずるのであります。  それから最後に新しい協同組合法の関係につきまして一言いたしまするが、今まで申述べました政府の施策と相寄り相俟ちまして、中小企業を合理化して行きます上におきましては、今度の新らしい協同組合法は唯一の組織法になるわけでありまして、それだけに急速にこれを判定実施せられたいと考えるのであります。政府の施策に対應いたしまして民間側でやれる唯一の手段、道具立というものはこの組織法以外にはないのでありまして、それだけに一日も早く判定せられる必要がある、特に單一レートの設定を目前に控えております今日それを特に痛感いたすわけであります。それと同時に要望すべき点はここに四点を挙げたいと存ずるのであります。  第一は企業組合に対する課税の税率の問題であります。企業組合は零細なる業者を協同企業体化して行く制度でありまして、普通の協同組合とは違うのであります。ところがこれに対しまして会社に対する税率と同樣の税率を掛けられそうになろうとしておるのでありますが、これはこの企業組合の本質から言いまして甚だよろしきを得ないと考えるのでありまして、大企業体としての発展性を持つている会社と、零細企業を合理化する企業形態であるこの企業組合に対する税率とが同率であるということは甚だ了得しがたいのであつて、少くともこの普通の組合に対して課税しております百分の二十五を以て臨むべきだろうと考える次第であります。  次にはこの組合に対しましては取引高税を全免して貰いたいということであります。取引高税全体につきましては、先程申述べました通り、これが廃止を要望いたしておりまするけれども、その問題とは別にいたしまして、仮にこれが残るということになりました際におきましても組合に対する取引高税、要するにこの組合組合員間の取引、これは一段階普通の取引よりも多くなつておるのでありますが故に、その段階に対する取引高税というものは免除せられたい。  第三には組合設立の際に、今回の法案によりますると、公証人認証を必要とするということになつておるのであります。この公証人は縣によりますと縣廳所在地に一人か二人しかおらんというような実情であります。これに対しまして組合設立の際に悉くその公証人認証して貰わなければならんということになりますと、折角親心の一端として今度制定せられます法律も却つて組合設立を阻害するようなことに相成ると思うのであります。この公証人認証制度の簡易化につきまして特別の措置を講ぜられたいというように考えるのであります。  第四には今回の法律によりますると、連合会形態の組合というものは解散をいたしまして、八ケ月間は設立不能ということになつておるのでありまするが、ところがこの連合形態の組合経済事業或いは金融事業をすでに営んでおるのでありまして、これが相当期間睡眠状態に置かせられるということは、非常にそこに経済上の支障を來たすわけでありまして、この点につきまして連合会形態の組合が何らかの便法に途よりましてそのまま移行し得るを開かれたいという点であります。  要するにこの新らしい協同組合法につきましては、一日も早く提案せられ、又これを審議せられまして施行せられるように要望いたす次第でありますが、同時にこの組合制度を生かすような、又この制度を裏附けとなるところの諸般の政府の施策というものを、以上いろいろ申述べましたが、この際是非とも実現するよう特別の御配慮をお願い申上げたいと存ずる次第でありまして、一應この程度を申上げまして、又後程いろいろ御懇談等がございましたら、その際に申上げることにいたしたいと存じます。
  5. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 有難うございました。先程申上げましたように、丁度今青木安定本部長官が見えておりますから途中でありますが、経済九原則の実施によつて中小企業がどういうふうな影響を蒙むり、これに対して政府としてはどういう対策を以て臨まれるかという点を中心として只今豊田さんからいろいろ話のありました点も含めて一つ御説明を願いたいと思います。途中でお出でになりましたが、豊田さんからの問題の提示は、未拂金の問題と、税金の問題、資金の問題、それから労働基準法の問題、それから代表者の海外派遣の問題、集中生産の問題、最後に新らしい協同組合法に対する問題として要望点が四点挙げられたわけであります。この七点も或る程度含めながら、先程言いましたように経済九原則の実施に伴つての中小企業に対して及ぼす経済的な影響と、これに対する政府対策についてお話を伺いたいと思います。包括的な準備が若しなければ別の機会にいたしますか。
  6. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) そうして頂きたいと思います。
  7. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは少くとも今豊田さんからお話のありました主なる点についてのお答えを願いましようか。
  8. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) 只今私は大分遅く上りまして、実は包括的なこの中小企業の問題についての思意をいたしておりません。甚だ申訳ない次第でございますが、只今ここへ参りまして豊田さんのおつしやつた一部分を拜聽いたした次第でございます。  御承知の通り中小企業に関する問題は、年來極めてむずかしい問題でありまして、それだけこの中小企業問題のエキスパートの方々、或いはその他議会におきましても非常に問題となつておる次第でありまして、殊に九原則の実施に際しましてはこの方面に対する特殊な配慮が必要である、こういう要請は非常に強いと思つておる次第であります。政府といたしましても勿論この点についていろいろと考慮をいたしておりまする只中でございまするが、私が経済安定本部長官として取扱う問題といたしましても極めてむずかしい問題であります。併しながらこの九原則が実施せられまして、いよいよ予算も近日の中に成立いたすことになつております。そこでこの予算が実行せられると同時に、この予算の範囲におきましていろいろと政府の施策が実現せられるということになるのでありまするが、御承知の通りこの九原則を実行するということの目的は、先ず日本の経済を一應安定せしめると、こういうことであります。その安定せしむるという狙いの下にインフレが漸く緩慢化して來たこの機会にこのインフレを收束せしめて、そして経済安定の基盤を得ると、こういうことであります。このための今回の予算でありまして、我我はこの予算を実行することによつて一應我が國の経済は安定せしめ得るというような見通しの下に臨んでおる次第でございます。特にその中の中小企業に及す影響、こういう点につきましても世間いろいろ、この予算を実行し、これに伴つた施策を実行することによつて、今までのインフレという過程が急激にデフレという傾向を多分にはらんでいる、そういう状態が起つて來るのではないかという懸念がある際でありますし、從いまして私共はこれをデフレに持つて行くということに対しては、何とかしてこれを避けなければならんということでありますが、併し私共のよく反省しなければならんことは、現在の日本の経済が、インフレ状態が継続されている。而も非常に緩慢化して來たけれども、このインフレというのは、これは日本経済にとつて健全な状態でないことは言うまでもございません。從つてこの健全な状態でないインフレから端的にデフレになるという観察は間違いではないか、むしろ我々は日本の経済が正常化するということのための安定であり、又安定は、我が國の経済がともかくも一應安定付けられて、その結果物價においても賃金においても、且つ又この我々の経済生活においても一應安定するということでなければならんと考えまするので、その場合において相当金融面なり、資材面なり或いは経済生活全般に亘つて引締められる、引締められるということは、一方において耐乏生活を要求するということになる、こういうことは当然我々は考え得られるのでありますが、併しそれに伴つて我々は先ず、特に困難に直面するだろうと考えられるところの中小企業の問題、これは特に関心を持つているものではございますが、併しこれまでの経過、今後に向つて我々がこれを考えまする場合は、特にこの大企業等につきましてはそれ程影響がないかと言えばそうではない、やはり大企業にいたしましても、その合理化を強く要求いたしますと共に、中小企業についても当然合理化を要求いたすということに相成るのであります。その合理化ということがどんな程度に、時間的にも、それから又内容において速かに改善され、合理化されるかというような問題になつて來ると思いますが、只今豊田さんがおつしやいました集中生産についても、やはり能率生産を考えるということであれば当然ではあるけれども、能率を認め、企業努力を注目すべきであるというふうなことをおつしやいましたが、我々は大企業についても中小企業についてもそうでありますが、合理化を要求するということ、それは從來のように、インフレ下においての闇の横行というようなことはこの際罷めなければならんし、企業自体の内部における生産コストを低める、或いは賃金において或いは操業度において、それから製品について、それから消費者の選択、そういうものはこの際当然我々は考えなければならんと思いまするし、おのずからそういうことが集中生産の過程を蹈まなければならんということにもなると思います。その場合における中小企業の大きな犠牲ということも、勿論金融面、資材面において考えますが、併し輸出を振興する、そして我が國の経済力をできるだけ豊富なものにするということに対する方向にありまする限り、こういう犠牲は、この際或る程度まで止むを得ないのだということを前提として掛からなければならんだろうと思います。それは、若しこの実際に企業がだんだん改善されて行くというような時間を待つて行くということになれば、それは容易にこの経済の安定というようなことは得られないということになると思います。又能率を高めるといつても、從來のような形をそのまま温存するということであつては、到底合理化の実現はできませんし、尚資材面におきましても、その操業度が高く、而も製品が立派なものであるということである、こういうことであり、又生産計画においてもそのコストにおいても將來適当なものであるということであれば、その方面に対してはできるだけ資材を供給するというような、資材の配給とか割当についての順位とか或いはその差とか、そういうことも考えなければならんと思いますし、又資金面におきましても有望なというような企業に対しては、これをできるだけ援助するというようなことを考えなければならんと思います。その場合我々は從來の企業金融の措置で満足すべきものだとも考えておりませんが、御承知のように復興金融金庫は仕事が縮小されるということでありますので、御希望のように復金を動員することによつて日本中小企業金融というものを充たして行くということはできないだろう、そういうことであれば当然興業銀行であるとか或いは商工中金であるとか或いは又農林市金であるとか、一般市中銀行であるとか、こういう金融面に対する配慮をしなければならんと思いますし、この一般市中銀行に対する考え方としては、御承知の通りに復金債の買上即ち償還であるとか或いは國債の買上であるとかというような措置によりまして一般金融機関の資金を豊富にする、そうして信用のできる企業の方面に資金がおのずから疏通するということが考えられます。尚特別な金庫の設置というようなことも昨年以來我々は考えて参りましたけれども、なかなか金庫の設置ということはできない状態にありまするので、今申上げたような金融機関をできるだけそれぞれ配慮いたしまして、そこに中小企業に対する万全の途を講じたい、具体的には興業銀行の債券の発行額を増加するとか、又商工中金とか或いは勸業銀行、農林中金といつたようなものを何とか動員するというようなことを考えなければならんと思いますし、尚資金についての、米國の対日援助見返資金の利用がどの程度中小企業金融にできるかという問題でありまするが、この点はまだ未解決のままであります。これに大きな望みを持つて行かれるかどうかは今のところ疑問でありますが、先ずそういう点にも注目をいたしておる次第でありまして、資金計画がまだでき上つておりません。その点からはつきり申上げるわけには参りません。かようなわけでありまして、只今お伺いしたところでは、私が豊田さんからいろいろと問題をお教え頂いたという程度でありまして、我々がこれらの問題について御希望に副うような何か一應の纏つた対策を今日申上げるという段階に到達いたしておりません。甚だ粗略な申分でありまして相済みませんけれども、次の機会に改めてそういう点について申上げたいと存じまするが、今私が遅く参りましてお伺いいたしましたこれらのことは、十分私共も配慮いたしまして、研究すべきところは研究をいたし、実現に移すというような措置をとつて参りたいと存じます。申すまでもなく、繰返して私が申上げたいことは、中小企業金融は特に日本においては困難な問題になつておりますので、又この中小企業の、いわゆる組合組織、これらの問題についてもやはり政府としては、この中小企業等の協同組合法及びこの施行法というようなものを考えておりまして、これもまだ具体化してはいないのでありまして、今後に残されておりまするが、今度ともいろいろお教えを頂きたいと思います。以上申し述べまして、一言御挨拶を申上げた次第でございます。
  9. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 今長官からお話がありましたが、お話の中にありましたように、事務局の手違いによりまして、問題が十分に傳わつていなかつたそうでありまして、從つて、具体的問題の中心である九原則実施に伴う中小企業への影響と具体的な対策についての具体的なお話は一應次の機会に留保されたわけでありますが、根本的な態度について御質問その他ありましたら御発言願います。
  10. 帆足計

    ○帆足計君 私は自由党が、傳統的に日本の農業、並びに中小商工業に対して、非常に理解の深い政党であるというふうに考えておりましたので、非常に中小工業問題に関する限りは、現在の政府において相当積極的な、むしろ中小工業に対して、至れり盡せりであり過ぎる政策を持つておるものと信じて疑わなかつたのでありますが、最近の状況を見ますと、日本の経済の状況は、大体昭和六年に戻りそうで、即ち当時は農村の恐慌及び中小工業への打撃、その状況に大体戻るような氣がしますが……、ですから井上準之助さんの政策を政友会の後身であるところの自由党がおやりになつているというような悲喜劇を見るような思いがいたしております。只今の大臣の御説明も一向我々に感銘するものが何らありませんで、もう少し中小工業の問題につきましては、経済安定本部も力を入れて頂きたいと思いますが、併しそれというのも、結局長い間の放慢政策アメリカ政府から引締められるというような事態にぶつかつて、このこと自体は実は終戰直後の東久邇宮内閣、それから石橋財政以來の放慢財政責任であるとこう考えておりますが、併し何と言つても現在の事態に追いつめられましたのは、政府だけを責めるべきでもあるまいし、これは全國民の努力なり認識の甚だなかつた結果で、特にドツジさんの声明の前書のところに、日本國民は、日本の実情を少しも知らんじやないかということを実に露骨に嚴しく書かれておりますが、全くその通りだと思います。そこで新らしい再建者たるアメリカ及び日本に対する慈善事業の救済者であるアメリカから、手嚴しい條件をつけられて、その條件の枠内において國の再建をせねばならんというところへ來たわけですから、私は日本の再建計画それ自身を、もつと嚴格な條件の下において再檢討する必要があると思いますが、五ケ年計画並びにそれと相呼應した年次計画等が毎年審議されて、もはや一、二年にも二、三年にもなるんですけれども、あの計画は一体いずこに行きしやという私は感じがするのでありますが、日本の再建を自主的に、そうして日本の國民の力によつて、先ず第一義的にやる、足らないところを若干外から捕わなければならんということは勿論公式であり、当然のことでありますが、私はこの新らしい事態に即して先ずやはり産業計画を立てて、そうして一刻も早く政府は見通しを國民に示して、そうしてその見通しに從つて、資金政策は最初まあ大きな原則は示しますけれども、何といつても資金は女房役であつて、資材と技術と勤労と設備さえあれば動くべかりし筈の現実でありますから、それを動かす潤濶油になるのが資金に過ぎませんから、やはり生産、勤労、技術が主であつて、資金は徒である。銀行家は單に助産婦に過ぎないというような考えで、一つこれを乘り切らなければ、資材や労力――労力は失業者として、又設備、勤労意欲等は、廣汎な中小商工業その他が擁しておるのに拘わらず、それらのものを動かすことができないような事態に段々追い詰められて行くと思いますから、新らしくアメリカから示された要求に即應した五ケ年計画並びに年次計画を國民の前に示して頂かんならん、それに應じた金融対策をもう一度振返つて再檢討して頂きたいと思いますが、政府当局としましては、從來の産業計画をどういうふうに今再檢討しつつあるのか、お考えのほどを先ず伺いたいと思います。それによりまして中小商工業をどう活かすかという問題も十分檢討し得ると思うのです。その点を一つ……。
  11. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) お答えいたします。おつしやるようにこの五ケ年計画というものを立てて参りまして、それは本二十四年度から出発いたしまして、昭和二十八年度までに一應完成するという予定でありました。併しながら今回のこの九原則をいよいよ実施するということになりますると、多少やはり高の計画が、ずれて來るということは止を得ないと思つておる次第であります。特にこの中小企業等につきましては、戰前の、先程お話がございましたが、当時のこの中小企業というようなものについても、特に中小商業の問題等については、いろいろ反産運動とか或は産業組合の問題とか、そういうものが折重なつておつたと記憶しておりまするが、今回この協同組合というようなもので、これを組合組織によつて運営して行くというようなことが実行せられることになりましたけれども、併しこの産業一般ということからいえば、やはりおつしやる通り我々は金融というものは産業に追随するものであつて、殆んどこれに伴つて、或は前後して行くものだけれども、やはり産業というものに從つて行くものであると一般的には考えて参つたのであります。併し今回のこのドツジ声明というものから見て、金融面からともかくもインフレを阻止するんだ、インフレを收束さすのだと、こういう前提でありますので、殆んど國の赤字による支出というものは全然なくするということが根本でありますので、從つてこれから参りまするところの金融的措置は、國民の実力により、國民の働きによつて蓄積されて行くので、少くとも預貯金の面においてもそうでありまするが、國が支出するところの、政府出資に掛かるこの経費も、すべてこの國民の経済的な実力に基くということでありますので、やはり今日のような殆んど蓄積資本を根本的に破壞され、その他設備、資材、ともかくも我が國が戰爭によつていわば経済的には破壞されておるということを前提として考えなければなりませんので、一般企業金融についても非常なそこに無理が出て來ることは否むことのできない事実であります。從いまして、我々は、從來安定本部が立てて参りましたこの五ケ年計画、産業についてもこの産業の五ケ年計画、こういつたものに副つた中小企業等についての計画もおのずからそこに多少変つて來なければならんということは当然だと思います。そこでおつしやるように、この五ケ年計画を再檢討するということは当然の任務だと考えておりまするが、今のところまだ皆樣に御報告するようなところまで参つておりません。それはやはりいろいろな事柄が織り込まれて参つておりまするので、尚今後ともいろいろと御指導を願いたいと存じます。
  12. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 他に御質問ありませんか。
  13. 帆足計

    ○帆足計君 もう一つお尋ねしますが、先程中小工業の立場から、豊田さんから、現在の業界の困難の最も大きなものの一つは、政府及び大企業の未拂金の処理対策ということでした。これにつきまして、先般の本会議以來各議員からいろいろ痛烈な質問や督促がありましたけれども、御承知のように、政府はもう全部拂つたと言いますけれども、実際上は拂われていないものが沢山ある、例えば鉄道車輛にしましても、政府は四、五月に拂つてしまうと言いますけれども、四月の鉄道車輛の未拂も、三月三十一日に拂うべき五、六億のものがまだ現在拂われていないような状況でありますし、それから石炭の関連産業の未拂金の百億近くのものにつきましては、先般の一般会議でも商工大臣から安本長官とよく相談して、何らかの措置を講ずるというお話を伺つて、而も各委員会で再三再四伺つておりますのに、而もまだ何ら見通しのある御返事を頂いておりません。私はそこで今日政府宛に質問書を提出したのですが、業界の方では、いろいろな差障りがあつて今直ぐできないならば、大体どういう方針で行くという方針だけでも聞くことを希望しているわけですが、例えば石炭関連産業は、中小企業関係のために非常に未拂が溜まつていることは長官もよく御承知ですが、民間としては、從來のような生産及び品物の納入を続けて行つてよいのかどうか、それとも政府表彰されたりいろいろ激励されて努力して來て今日に至つたわけですが、そういうような努力はもうしない方がよいのか、そこまで聞きたがつているような次第です。これに対してこの数日來における政府交渉の経過等は大体どうなつておりますか、安本として各省、特に大藏省、商工省、連絡調整される場所として現在どういうふうになつておりますか、お伺いしたいと思います。
  14. 菅谷重平

    政府委員(菅谷重平君) この問題は、もう帆足さんの方がよく存じ上げていて、実は聞かれる方が苦しいくらいなんでありますが、おつしやる通り、一月の末と十二月の末で各事業について計算しました賣掛金が五百二十一億程あるわけですけれども、帆足さんのところへ数字を出してありますが、あれを御覽になつても分る通り、大部分が約百億近くというものが石炭の未拂金、それから後は官廳の未拂、特に運輸省逓信省、特別調達廳等のものであります。それから貿易廳の問題、その分が大体三分の一ほどあります。五百三十億ほどの未拂金は成るほどそうでありますが、どの事業も未拂金というものは幾らかずつは持つておりましたので、通常持つていたところの未拂金を差引きますと大体その半分くらいになつて、半分くらいになると約二百五、六十億ということになつて来ますが、その二百五、六十億に対して約百億近くの金が出さえすればここで大分樂になるということで、差当り石炭に対して金を出そうということを考えておりまして、それは去年の配炭公團の剩余金が二十九億ほどありますが、それを、公團の剩余金というものは國庫へ返すことになつておりますが、まだ決算ができていない、この分を返して紐付きで返して行つて融資に当てたらどうかということを今折衝中でありまして、これとそれから設備の資金が同額くらい考えに入れられておりまして、これも折衝中であります。
  15. 帆足計

    ○帆足計君 設備の資金は約何億ですか。
  16. 菅谷重平

    政府委員(菅谷重平君) 差当つて約三十億近く、それも遅れてはしようがないのでありますので、五月のなかば頃までにはとにかく何とか出すことになつています。設備資金の方もほぼ並行して進んでいます。四月から六月までの資金計画ができますから、その分と一緒にしようとこういうことに今考えております。今朝そういうことにしましたばかりで長官議会の方に行つていましたので長官には話をしておりませんが、そういうようにとにかく考えてはおります。
  17. 帆足計

    ○帆足計君 中小企業代表の方からお話を伺うことになつておりますので時間の都合もありますので、もう一つお尋ねしますが、貿易資金特別会計から産業資金関係は思いの外豊富に出せば出せるように先方は言つておるわけですが、その産業資金の中から中小工業に対しまして、一体産業資金をどういう形で出すかということが、まだ政府でもお決まりになつていないのですし、我々も了解していないのですが、その資金の問題も一つは扱い方にあると思うのですが、そこで只今豊田さんから今の資金対策、税対策、取引高税、海外派遣の問題とかそのいずれも緊急を要する問題を具体的に御指摘になつたわけですが、中小企業に対してやはり資金の枠も相当廣く取つて頂かなければならんと思うのですが、安本長官の方では只今その問題をどういうふうにお考えでしようか。
  18. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) お答え申上げます。まい実は中小企業に対してどうというようなところまで計画が進んでおりません。
  19. 豊田雅孝

    証人豊田雅孝君) それに関連しましてちよつと簡單に……今帆足さんからいろいろ御指摘になりまして、ここに中小企業に関する資金の枠をどうするかという、これは中小企業金融としては根本の問題になると思うのですが、將來のこの日銀にポリシィ・ボードを設けられるようでありますが、そのメンバーの中へ中小企業に関する、或いは金融界でもいいでありましようし、或いは産業界でもいいでありましよう。場合によりますれば、中小企業廳の代表者でもいいでありましようけれども、要するにその中小企業のために資金の枠を獲得すべく、代弁する者をポリシイ・ボードの中に何らかの形で入れるように御配慮を願いたいと思うのでありますが、その点につきまして、今お答え願えますれば結構でありまするし、或いは御研究願いまして、その要望の実現するように御配慮願えれば仕合せだと存じます。
  20. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) 我々もその中小企業金融の重大性はよく了承いたしておりますから、できることならそういうことにいたしたいという考えでありまするが、大体今七名となつておるようでありますが、それを九名ぐらいにするかどうかと、こういう問題もあるのでありますがそれらの点につきましては、尚よく大藏大臣等とも話合つてみたいと思います。お言葉のことは十分承つて置きたいと思います。
  21. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 私ちよつとお伺いしますが、本格的の問題ではないのですが、先程長官のお答えの中で連絡が不十分だつたから、まだ準備してないというお話だつたのでありますが、私そういうふうに了解したのですが、お話の中でまだ具体的な対策はできていない、準備ができていない、或いは答える段階まで確定していないというようなお話が出ておりましたけれども、その辺どうなんですか、或る程度計画があつたけれども、今日突然であつたから十分調べて來ていないという意味なのか、計画自身がまだ殆んどできていない。先程長官が言われた程度しかできていないということですが、ちよつとお答え願いたいと思います。
  22. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) その点は、実はまだ予算委員会等で御承知だつたと思いますが、この千七百五十億円の米國対日援助見返勘定というものの資金計画というものが、まだ詳細な点が決まつておりません。それから中小企業対策、殊に金融についての中小企業金融というようなものについてどうするか、どうかしなければならんがということはよく分つておりますが、まだはつきりと、その辺に対しての方針が決まつていない、こういうことでありまして、從いまして私が今日この委員会でこういうお企てがあるということを、実は今日閣議の後に承つて、この時間に出て來いということでありましたが、多少多忙なことがありまして遅れた次第でありまして、申上げるための準備ができておらなかつた、又從つて事務当局との話合もついておらない、こういうことが事実であります。さような今日のところでは状態になつておるのでございます。
  23. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) そうしますと日を更めてやれば、今出て來ている範囲の九原則実施に伴う影響が中小企業の中にどういう点で出て來、これに対してどういう点の対策を立てつつあるかということは、日を更めれば御報告、御説明願えるわけですね。
  24. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) お答えいたしますが、それは今おつしやいました全部のことについて、その通りを御希望のようなことに全部お答えできるかどうか、今はつきり申上げられませんが、併し我々もこれらの点について一通り意見なり方針なりを纏めましてお答え申上げます。
  25. 帆足計

    ○帆足計君 安本長官も今やはり成る程度司令部と折衝せねばならんし、今予算の大詰でお忙しいときだと思いますから、やはり中小企業問題の重要性については、長官も十分認識しておられますから、至急やはり安本で以て、もつと政策を具体的に吟味いたしまして、そして、成るべく早く一遍この委員会で各項目につきまして、詳細な項目を承ることにして、後業界の方もお見えになつておりますからお話を聞いたら如何でしよう。
  26. 西川昌夫

    ○西川昌夫君 三月末における政府債務としてはつきりしたものを統計で御報告を伺つてもおりますし、又一面日銀の報告を見ますと、政府預金が三月まで相当あるに拘わらず、終戰後特に最近一両年この方政府の支拂が、特に特調関係或いは國鉄、逓信いろいろの面において從前に比べて支拂が殊更惡く、支拂う債務がはつきりしておるに拘わらず拂うのを澁る、特にこの三月までのごときは政府においては政府預金が相当あつて、新聞によると、市中銀行政府の預金を肩代りしてでもいいという程金があるが、拂わないというか、関係筋あたりに、インフレの防遏というような意味で、政府にそういう趣旨でもあつて拂わないのですか、その辺をはつきり……。
  27. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) お答え申上げます。それはいつであつたか、今から十二、三日前でしたか、はつきりと日を覚えておりませんが、閣議政府支拂を速かにすべしということをそれぞれの行政廳に向つて勧告をいたしておりました。そういうようなわけですから、政府の方でインフレがかような状態であるから、これを引締めるために支拂わないといつたようなことは特にした覚えはございませんし、そういうことはございません。
  28. 和田博雄

    和田博雄君 ちよつと簡單に……。安本の方ではまだいろいろな対策がお決まりになつていないようですからそれについての質問は差控えますが、実はこの見返の、仮に資金をどういうように使うかということがまだ決まらなくても、例えば中小企業金融でありますとか、それから農業金融であるとか、そういうものはもう日々実は必要な金融なんでございますね。ですからそれに対する当座の手段としても何かやはり政府の方で斡旋をするなり、方向ぐらいはやはりお示しにならないと、徒らにただじつと業者の方々の破滅するのを待つておるわけには実はいかんわけでありますから、その点はどうでしようか、非常に根本的な対策をお立てになることも必要ではあるけれども、大体今の條件で、もう見通しのつく限りにおいて、ただ今與えられたことでやり得ることが政府としては相当あろうと思うのです。だからそういう点を少し、やはり中小企業なり、農業金融なり、そういつたようなことについては、もつと具体化されたものを至急お作りなさつて、それでやはりこういう方向で暫くはやるのだということをやつて頂かないと、これは影響が非常の出て來てからは、もう手を打つても、実は間に合わないのじやないかという感じが私はいたすのです。それで殊にことの間からの政府の未拂の問題なんかもその一つでありますが、今豊田君が言われたまあポリシィ・ボードができて中小企業の人を入れるかどうか、これは非常に必要でありますが、ただそれを入れるということを決定になつても、それだけでは問題は実に解決しないので、ああいうポリシィ・ボードで政策を決めて、例えば中小企業にこれだけ枠を持たしたとしても、その枠がずつと下まで行くと、いつの間にか消えるとは私は申上げませんが、その通りにはちよつと行かない、フォローしない、一つもフォローしないということは前からやかましく言われておつた点でありまして、改善されない点だと思いますが、そういう点もあるわけですから、殊に今後は蓄積は國でやるのだけれども、投資は全部銀行でやるというような妙な形を今度の場合に採つてしまえば、ますます金融業、銀行に対してはやはり政府の意図するような筋を通つて資金が確実に流れるということなんかについても、ことをちやんと確めるというようなことを今からでも工夫されておいて、余りうるたえんようになされた方がいいのではないかと思いますが、そういう点に安本なんかが中心になつて各省とも御相談なさるなり、それから專門の入から何も聞かれるなり、党としての態度もありましようから、そういう点をもう少しタイムを失わないようにやつて頂きたいと、希望だけ今日は申しておきまして、この次に根本的ないろいろな問題が出て來ますれば、いろいろな点で御質問したいと思いますが、今日はまだ政府も何もできていないということですから、これは委員会質問しようもありませんから、今日はこの程度で私としては質問を終ります。
  29. 青木孝義

    ○國務大臣青木孝義君) お言葉に從いまして、早速我々の方も大切な時を失わないようにということを十分考えまして、折角配慮いたしたいと思います。
  30. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) ちよつと速記停止して下さい。    〔速記中止〕
  31. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 速記を開始して下さい。大塚さん一つお願いいたします。
  32. 大塚育

    証人(大塚育君) お忙がしいようですから、特に総括的の問題を豊田さんから申上げてありますから、私は中小工業の全國の代表といたしまして工業に関するお願いだけ。それから批判は十分出ておりませんので、批判は省略いたしますが、ちよつと一つ申上げさして頂きたいのは、これはすでにお分りの通り、大臣の先程の御説明、それから本日の委員会に対する御出席の心構え、その他については些か不満であります。これは申上げておきます。もう少し中小企業の形も少しお考え願わなければ、甚だ一般の中小企業としては、こういう公聽会に対しまして折角出掛けて採りました者に対して不満であります。後は内容を申上げます。それで今詳細に亘つて出ておりますので、時間の省略上或いは意を盡さない点がございますが、極く簡單に申上げますが、資金の関係、これですが、これも前者の弁と重複いたすことは省略いたします。ただ一つ中小工業は全國的に私共の調査によりますと、工場数が全國の九〇%あるように調査しております。それから從業員が五五%、生産量が五〇%、かように私共は全國を行脚してそれぞれ民間から得たる資料によりまして、そういうふうに調査を確信しております。それに対してあとは施策でございますが、例えばこの資金の枠等の設定に対しましても、昨年度におきましては大体一七%の産業資金、大資本方面に対しては八三%の産業資金、生産量から眺めましても、從業員から、眺めましても、工場数から眺めましても大企業家との割合が八十三対十七というのは、甚だ我々として釈然としない。資金の面で一つ、あとは先に未拂問題については豊田さんから申上げてありますから、これは省略いたしまして、ただそれから來る税金の問題、これに対しましては、これは未拂金があるにも拘わらず、それがいわゆるバランス・シートの面においては益となりまして、延滯利子日歩二十銭になりますと約七割になりまして、未拂代金がありましてもバランス・シートが益ですから、いつ取るか分らない、架空のものに対して七割以上の税金を拂つたのではどんな素人が計算しましても、小学校の兒童に言わせても恐らく経営は成り立つまいと、こう考えております。今の面では資金と税制、それから電力の問題はもう少し責任を持つた数字を挙げて申上げたいのですが、電力の問題は産別その他から得たる資料によりましたものだけで、総同盟、日労関係の資料はありませんので、差別関係だけの資料ではちよつと困難で、これは省略いたします。現在の調査で見ますと、電力関係についても、パーセンテージから來る比重は約四割五分があるように思つておりますが、これは今申上げましたような理由で、公聽会としては省略さして頂きます。  それから資材関係はこれは大体豊田さんの言で盡きておりますが、全國的にいろいろの業種を調査いたしまして、これも私共の資料と安本から若干頂戴した資料を併せますると、非常に割当の方式が違つておるということが一つでありまして、これはどうか民間の代表を入れた割当審議会というようなものを強化してやつて頂くようにお願いいたします。  それから行政整理の問題については、これはいろいろありますが、私共中小工業につきましては、行政整理は非常にむずかしい問題でありますが、一つお願いして置くことは失業者に対して失業対策費用というものがありまして、その失業対策費用は当然失業者は中小工業の方に流れて來ますが、この失業対策費用は中小工業方面の操業強化育成に充てられる方が最も効果があるのではないかと思いますので、それを一つお願いいたします。  それから輸出工業に対してそれぞれ調査しておりますが、現在まではいわゆるウエップ・ポリメン法、こう言つた方法で何らか輸出組合、事業組合のようなものを設立さして、これによつて育成方法を採つて貰うようにお願いしたいと思つております。  それから協同組合法の改正の中に百名と書いてございますが、これは二百名ぐらいにして頂くということと、それからそれ以下の極く零細規模工場については、これは集團企業のような形で一應二十人、三十人で集團いたしまして、一種の生産合作社にすると同時に、これにも資材、資金その他の問題を見て頂くようにお願いするように協同組合法の法文で別に出しておりますが、それを一つお願いいたします。  それからどうか失業保險制度中小企業の経営者に対しましても、十人以下の企業の経営者に対しましても、失業保險制度を設けて頂きたい。それから十人以上に対しましては事業協同組合の方で、これを何らかの方法ができるように協同組合に資材、資金その他のものを十分に当てがつて、そうしてその中で面倒を見る、この二本建でお願いしたいと思います。後の方もございますので、委員の御退席を願いましては甚だ何ですから、申上げたいことは沢山ありますが、これで終ります。
  33. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 有り難うございました。次に中西寅雄さんにお願いいたします。
  34. 中西寅雄

    証人(中西寅雄君) 中小企業に関する問題は各方面で非常に論ぜられておるのでありますが、大体において抽象的のことだけでありまして、本当に具体的な資料に基くということは非常に少い、政府においても殆んどこの中小企業に対する統計資料というものは非常に少いのではないか、これが中小企業に対する問題の解決を單に掛け声だけで終らしておるところの一つの大きな原因ではないかと考えるのであります。で、具体的な資料というものは非常に困難でございますから、私は昨年から東京都におきまして商工指導所というものを作りまして、そこで業界の人と直接に接しておる。その個別的ないろいろの資料からして考えられるところのいろいろの結論について実情をお話申上げたいと思うのであります。そこで私の方の相談の方に昨年の十二月から今年の三月の終りまでに來ておるのが二千六百九十三件ございます。その中において千九百五十四件、七二%というものが金融の相談であります。この点からしまして金融の問題ということはとにかく中小商工業企業におきましては今日業界で一番大きな問題になつておるということが考えられるのであります。そこで金融の方面につきまして大体中小企業はどんなところから金を借りておるかということを見ますと、現在中小企業の方におきまして普通銀行から借りておるのが七二%ぐらい占めております。その次は個人金融業者その他といつたものが一〇%ぐらいというところでございまして、やはり普通銀行からの金融というものが中小企業金融の一番大きな点であるということが分るのであります。それで一体中小企業に総額としてどれだけの資金が流れておるか。これは大体大藏省の調べでございますから、説明をする必要もございませんが、中小企業に対する銀行の貸出の残高として八百三十億と推定いたしております。で、これをこの中において、五十億を超える資金が復金を通じて二十三年度に貸出されておる、それから日銀の中小事業部から特別融資として興銀、勧銀、商工中金を通じて約八億円が貸されておるということになります。そこでこの復金の約五十億というものが今後なくなるということになれば、これだけでも非常に大きな影響を與えるのではないかというふうに考えられます。で、東京都の商工指導所において、今まで相談があつたものに対して、如何なる業種が、一番資金を要求しておるかと申しますと、これは機械器具工業、これが壓倒的に多いのでございます。大体件数にして全体の二七%、金額にして二六%となつておりまして、機械器具工業が非常に金詰りが特に甚だしいというふうに現われて來ております。どういう用途について金を要望しておるかと申しますと、件数から見まして運轉資金が六三%、それから設備資金が三四%、金額から見まして運轉資金が五三%、設備資金が四四%となつておるのでございまして、大体運轉資金の方が少し多いということになつております。その金額がどれくらいの金額を要望するのが一番多いかと申しますと、十万円から五十万円程度のものが一番大きい、相談件数の五〇%、それから金額の方から見まして、この階層に属するのは三三%ということになつております。そこでこの点について考えて行かなければならん点は、今日まで中小企業金融として興業銀行、或いは勧業銀行等を通じて貸されておるところの金というものは、相当に中規模のものに対しては多い、ところが中規模以下のものについては今日これを金融するところの機関というものが非常に欠けておるというところに、一つ大きな問題があるのではないかというふうに考えられるのであります。そこでこういうふうに相談に來たところの者の中におきましては、いろいろな者がおりますので、私達の方で、專門家がおりまして、そうしてその中から非常に、仮に小規模であつても経営の状態がよく、その業種として前途も非常に見込がある、そういつた者だけを百七件選びまして、銀行に対して金融の斡旋を願つたのでありますが、併しその中で六十九件というものは不成立に終つておるわけなのであります。で、このことは非常に大きな問題でございまして、私達の方で比較的惡い者は勿論、もうこれは金融の斡旋はいたさないのでありますが、これはもうどうしても金融の便宜を図つて事業を維持しなければならない、といつたふうなものの中におきまして、僅かに三分一、否二十%くらいしか金融が得られないわけで、そういつたことのために、事業としていいものも金融難のために非常に苦境に陥つている、こういう事情があるということを、考えて頂かなくてはならないと思います。それでどういう意味で、これが金融ができないかという点、この点につきまして、銀行の方では又いろいろ銀行側の理由を述べておりますけれども、併し私達の方でどういう理由で断わられたか、ということを、断わられた者について調べてみますと、銀行の手許資金がないために断わられたという者が、二十七件、全体の断られた者の三十九%、或いは銀定と預金取引がないというのが十六件、二十三%、そういう意味におきまして、銀行と從來取引がないということも、敗戰後インフレの経済においては止むを得ないことであつたのでありますが、その理由もありますけれども、やつぱり銀行に手許資金がないということが、これが一つの大きな原因であるように思うのです。本年度において中小金融に対して、どれだけの資金が一体必要であるか、ということを一應私、日本銀行の全産業の資金需要量というものを日本銀行で計算をしまして、本年度においては運轉資金として、千八百億、それから設備資金として千八百億円としております。この中從來の経驗によつて非常に低くみまして、中小企業に対しては、運轉資金は一割、百八十億、設備資金は五%としまして、九十億ということになる、二百七十億の資金くらいの資金の需要というものが中小企業において存在するということが考えられます。これに対して然らばどれだけの資金が今後放出されるかということは、これは非常に大きな問題で、是非考えて頂かなければならない問題であると思うのです。中小企業金融難の、現在のこの金融難がどういう原因に基いているかと申しますと、一つは第一番は、税負担の過重ということが現在においては第一の大きな原因になつております。第二は、マル公の引上げ、その他物價騰貴による購入物資資金が非常に大きく掛かつて來た、從來と同じ規模の経営を維持して行くためには、どうしても金を借りなければやつて行けない、それからこれは最近の現象でありますが、賣行の不振ということ、それから賣掛金の回收が不円滑になつて來たといつたふうの点、貸し倒れの増加といつたふうの点、從來は物を作れば賣れたのでありますが、これからは非常に賣れなくなつて來た、ということが一つの金詰りの大きな原因になつております。勿論政府支拂の遅延ということも影響することは、当然でございますが、そこでこれは九原則というものは、何ら影響していないのに、今日において非常に金融が逼迫しているということ、九原則が本当に動き出して來ると、ここ半年くらいの間にいろいろの問題が起つて、中小企業金融の問題から非常に苦境に陷るのではないか、而もそれは戰後続出したところの、もう潰れても構わないといつたふうのものではなくして、本当に金融さえつけば、うまくやつて行く、或いはそれによつて合理化をやつて行けるといつたふうのものも、今の状態で行くならば、これは潰れなければならんもので相当沢山ある、そこでこれらのものを潰さないように、どうしても考えて頂かなくてはならないと思うのです。その根本的な点はやはり中小企業金融の枠を、どうしてもやはり決めて拡大して頂かなくてはならない、これも大工業に対するごとくそう沢山の金は要らないと思います。百億くらいの金がありますれば、この苦境というものを何とかやつて行けるのではないかというふうに考えます。その沢山の金が要らないのでありますから、どうしても枠というものを考えて頂かなくちやならない。  もう一つは、信用保証制度をば拡充してやつて行く、現在の信用保証制度は、これはありますけれども、信用の保証をして銀行から金を借りることはできない、それはやりは枠がないからであります。できれば信用保証というものに裏附けになるところの枠というものを、やはり考えて頂けば非常にいいのではないか、それともう一つの点は、輸出の場合、貿易金融の場合において、貿易手形の割引ということ以外に、輸出産業の生産資金をば潤沢にするために、貿易手形の発行以前に、輸出品の生産者に対してその必要資金を融通するということ、つまり今日非常に沢山輸出の方に轉向したいというところの者があるわけです。併しそれが金融難のために輸出に轉向できない、こういつた者が相当にありますから、この点輸出の重要性ということも考えて頂かなくちやならん。  それから第二は税金の問題でありますが、税金につきましては今日の税金は單に重過ぎるというだけの問題ではないように思うのであります。第一に更正の決定が非常に不公平な点がある、これは法人個人との点についても、よく一應檢討してみる必要があるように思います。又中小商工業企業についても、各地域によつて非常その決定高が違つておるということ、具体的な資料は皆差上げておりますが、地域によつて非常に違つておる、或いは又業種別に割当の不均衡が非常に多いというふうなこと、そういつたふうの点が非常に問題になつております。それから税率が非常に高いということ、それで今後、今年は六割殖えるということになりますれば、これは中小企業の方では、限界に來ておるのではないかということが考えられるのであります。それからもう一つ大きな問題は、実際の所得を無視して税金が課せられておるという点でございます。この点につきましては、先ず中小企業の方にも惡いところはあるのであつて、中小企業の方においても記帳といつたふうのものが全然ない、そこで水掛け論になりまして、どうしてもやはり上の方から掛けて來たものに対して、これに客観的に対抗するところの対抗資料を持つていないというふうな点もあります。尚税金の問題も非常に大きな問題であります。この問題も是非一つ考えて頂かなければならん問題ではないかと思います。  それからその次に中小企業の合理化の問題でございますが、これについて先に問題になりました集中生産の問題であります。大工業の場合におきましては、集中生産を、大規模経営のものに生産を集中するということは、固定設備というものが多いのですから、これは非常に合理化になるだろうと思うのです。併し中小企業の場合におきまして、單に経営規模というものをば規準にしまして、そうして集中生産を行われるということになれば、非常な弊害が生ずるではないか、單に中小企業はむしろ小規模であるというところに特質を持つておるのであります。小規模のものと雖も経営状態の非常にいい、能率の高いものも沢山あるわけです。それを單に経営規模ということだけでこれを集中生産をやるというふうなことになりますれば、戰時中の企業整備と同じような結果になつてこれは失敗に終るのではないか、そこで然らばどうしたらいいかという問題でございますが、一つはこれは中小企業組織化するということであると思うのです。これは同種のものを組織化するということ以外に、一つここで考えて頂きたいのは中小企業といつたも、いろいろのものがあるのではないか、機械工業といつたふうのものは、これは大工業との関連において下請組織といつたふうのもの、そういつたふうのものとの関連において一つの産業組織というものを形成しておるのではないか、それを單に中小企業だけを取出していろいろのことをやろうとしたところで、非常に困難な、却つて産業組織そのものの有機的連繋というものを破壞するというふうなこともあるのではないか、そこでむしろある種のものは大工業中小企業との関連ということを考えて、そうして大工業の一環として、大工業を中核として中小企業がそれの部品を作るといつたふうの、こういつたふうの生産組織を考えて行く、この際に大工業中小企業の能率のいいものをば選択して行くということも或いは考えられるものではないか、輸出工業の雜貨工業というたふうのものになりますれば、これはどうしてもやりり問屋というもの、或は輸出会社というものと離れて考えるのは間違いじやないか、そこでやはりこれはそれらのものの一環として考えて行くということが必要であるように思います。又或る種のものにつきましては非常に專門化して、そうして中小企業という、これはミシン等でありますが、それぞれの工程を專門的にやり、そうしてその中小企業者全体が集つてミシンの生産をやる、いわゆる連鎖的な工場経営というものに組織すれば、中小企業でありながら近代的な組織形態というものができて來るではないか、これをただ單に中小企業だけを考えて、それを組織化そうというところに、非常にいろいろの、却つて全体の有機的な関連というものをば失つておるような点もあるではないか、そこで合理化という場合におきましてはこの組織的な合理化ということを今後よく考えて頂きたいと思うのです。  それからもう一つの点は中小企業において今日非常に欠陷の多い点もあります。併し又中小企業として非常にいいところも沢山あるのでありまして、そこでこの中小企業の方面におけるところの能率を増進して行くということを、やはり政府で考えて頂かなくちやならないのではないか、これは大工業の場合であれば大工業は自分の力でやり得るかも知れんですが、どうしても中小企業の場合においては政府その他の指導ということが必要です。どうも合理化という場合において、中小企業を潰したり、或いは賃金をば低めるというふうな消極的な面だけが今日問題になつておりますけれども、本当の合理化ということはやつぱり無駄を排除して能率を増進するというところになければならないのであります。これは中小企業においてやるべきところの沢山のことがあると思うのです。これは是非一つ……、大工業においても勿論必要でありますが、中小企業の方において、政府指導的な立場に立つて合理化運動というものを起して頂きたいと思うのです。で、昨年度の輸出実績という点からみましても、中小企業は大体五三%となつておりますが、併しこれは中小企業輸出はこれは大体爲替レートを非常に円安にみておりますので、%が少くなつておりますが、東京都では六〇%以上というものは中小企業輸出によつて出ます。今年の安本の計画輸出六億ドルというものの中において、纎維品、雜貨工業、機械の一部というものを加えると、やはりどうしても六一%というものはやはり中小企業の力によらなければならないということになつておるように思うのです。で、こういうふうな点から考えても、中小企業というものは如何に需要であるかということをもつと御認識されて、そうして單に大工業だけの問題としてではなくして、大工業中小企業との関連といつたふうの点からして、日本の経済の再建ということに中小企業の重要性ということを非常に織り込んで頂きたいと考えるのです。
  35. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) では次に野澤さん、一つ簡單に要点をお願いいたします。
  36. 野澤一郎

    ○証人(野澤一郎君) お言葉に從いまして要点を簡單に申上げます。  中小企業が潰れたら日本はどうにもならんと思うのでありますが、併し終戰後歴代の内閣の放慢政策からしてインフレを來し、そうして今日に及んでいるのでありまして、そこでこのアメリカからの九原則からして徹底的にここで出鼻を完全にインフレを抑えよという指令でありますでの、企業が行悩み、中小企業が特に行悩んでおることは止むを得ないのでありますが、それにしても重圧が甚し過ぎますと、これで財界が滅茶苦茶になるので、それでその点に深く考慮を願いたいと存ずるわけであります。実際の業界の実情を見ると、もうどうにもならん、進むこともできなければ、退くこともできんという状態なんであります。それで第一として需要供給の関係が甚しく不均衡でありますので、從つて競爭が激甚であり、そうして採算割れの甚しい実情にある、これだけでも業界はどうにもならないわけであります。それから第二に続けさまに金融々々でありますが、本当にこの金融の甚しい硬塞はお話にならん実情でありますので、繰返して申上げるのも何かと思いますが、実にこの金融は絶望状態にある、それは勿論先程前弁士から申上げたようでありますが、政府の支拂の遅延、それから企業、元請工場の支拂の延期といいようなことがこの問題に関連しているのでありますが、これが容易ならざる問題で、実際金融等も、事実御存じない方面もあるかも知れんのでありますが、月一割、月二割、甚しいのは一週間に一割というような高い利子まで拂つておるのでありまして、これは先行きどうにかやつて行けるだろうというので、目先だけ考えて、こういう高率の利息を拂つて切抜けようとしている、こういう全然先に明るい見通しがないというような状態にいる中小企業の問題は、容易ならざる問題なんであります。  第三は担税能力を超えた重税、担税能力を超えた重税でありますから、この申告等についてもその申告を度外視されて、そうして更生決定が來る、それがやはり一年過ぎ、少くも一年半以上過ぎたあとで追加徴收がある、このためにやはり同じ担税能力を超えた徴收でも、直ぐならよろしいのでありますが、ずつとあとで徴收が來るので、計画がすつかり狂つてしまつて金融政策がますます深みに陷るというような問題になるわけであります。  それから第四、これは今の集中生産は、先にも申上げましたが、重点生産方式が今度又集中生産方式になる、そうして而も小企業がこの際相当範囲整理されなければならないような運命になる、少くともその問題では資材その他の面に対しては全く行詰りの状態である、事実、終戰後は相当資材を持つておつたのでありますが、それは悉く供出の結果となり、而も生産方式が重点的になりまして、割当は全然ない、資材は全然ないというような状態で、これもやはり進退どうにもならん状態であるわけであります。  それから第五といたしまして、これは、これ程の難局でありまするならばこれを切抜ける一つの方法として、時間を長くするとかというような労働條件の切下げというようなことで、どうにか切下げる手もあるのでありますが、而も今は基準法というようなものに拘束されて、而も時間の延長ができないというような実情のために、尚その難局を切抜ける一つの方法として、時間外の労働というようなもので切抜けようとしても、これも基準法によつて切抜けることはできないというにも拘わらず、これらの外にかてて加えて無理解なる労働攻勢というようなものがありまして、これもどうにもならん状態に追い込まれておるような実情なんであります。  それから六といたしましては、これは爲政者の無理当なる施策及び書類地獄が挙げられるのであります。爲政者の無理解なる施策ということになると甚だ言葉が過ぎるのでありますが、実際よくお考え願いたいのは、仮に食い詰めて、工賃が拂えん、材料もない、それでは材料を買うか工賃を拂うか、止むを得ずして工賃を半分拂つて、あとは來月の材料の手当をしようというような場合でも、材料を買つて工賃を拂わないときには、これはやはり檢察廳の手に掛からざるを得ないわけであります。從いまして百年の大計どころではない、來月の計画も立てられないというような状態が、その面だけでも押進められるような状態なんであります。今申上げましたように、一が需要と供給の甚しい不均衡、二が金融の甚しい梗塞、三が担税能力を超えた重税、それから甚しく遅れた更正決定の追徴、それから四が集中生産方式による資材難、それから供出の結果による資材難、それから五は、時間延長等によつてこの難局を救おうとしても、基準法及び労働攻勢というような問題でどうにもならん、而もこの問題が爲政者の、というと言葉が惡いかも知れませんが、この無理解、実情を把握しない状態に置かれた中小企業は全く進退両難の状態に陷つておる、のみならずこの最も大事な一つとして、中小企業は書類地獄、もう事務方面は手薄でありますが、而も書類を出す量に至つては、これはもうお話にならんほど無茶なんでありまして、これを中小企業では書類地獄と称しておるのであります。これらも救わなければならん、以上六つの点を挙げられるのであります。  それでこの救済対策といたしましては、先ず救済策甚だ困難であるということを一言にして言い得るのでありますが、  第一の問題に対しては、輸出産業の振興、それからそれには技術指導、もう一つは中小企業廳による診断制度の実施、それと同じ診断でも自己診断の要領、診断を企業廳がするには手が廻りかねるので、自分自身の健康を自分が診断するというような自己診断の要領書というものを中小企業廳で作りまして、それを企業方面に廻して、自分の今の難局はどことどこで、これに対しどうするというようなことも、救済の一つの方法として大きなる方法であると思うのであります。そうした行き方で行つても、尚この技術指導、それで行く以外は業種を轉換するか、然らざれば大勢の変るまでこれは雌伏して待機すよるり外に仕方ないが、若くは廃業するより外にないので、これより以外には救済の途はないと思うのであります。  第二は金融の問題でありますが、この問題は勿論政府の未拂、それから元請企業の未拂その他の問題があるのでありますが、それ以外に信用保証制度、連帶保証制度、これは一人の者が借りるのでは、それに倒されては困る、然るに五人か、十人なりの共同連帶的に借りるなら、貸す方でも甲、乙、丙がしつかりしておるから、あとはどうか知らないけれども、貸してやろうというようなことであるので、貸す上も取扱がし易いと思います。こういう共同連帶保証制度の採用、これは今度協同組合法ができましたが、その組合法の適用によつても効果的に運営し得るわけでありますので、この点も御了承願いたいと思うのであります。尚又この金詰りのときにこういう金融政策によつてインフレを止めるというわけでありますから、從つて金融面に対してはそう緩みは取れないでありましようが、併し余りに急激に來て、そうして牛を殺すようなことではいかんのでありますので、結局のところは金融をじわじわと緩めるような手を相当範囲採つて頂きたい、その意味では復金の貸出の資金、あれの償還期日に対して手加減を願いたい、復金の貸出に対する手加減を願いたいということであります。  それから三の問題に対してましては税率の改正、併しこの税率の改正につきましては、これは困難であればまあいたし方ないといたしまして、更正決定の促進、これは一年も過ぎて更正決定をするのでは全く困るのでありまして、更正決定の促進はでき得ることであると思いますのでそれをお願いしたい、それから又納税に対しては手形分納、これは本当にここで納税に対して御経驗のないお分りにならんと思いますが、督促状が來るとその次にはもう日歩二十銭で、一年に七分というようなことになりますので、これには手形分納を許して頂きたいということをお願いしたらよろしいのじやないか、もう一つは納税証券の設定であります。納税証券というものを作りまして、その納税証券を設定するというような制度であります。納税証券の制度につきましては、ここに参考案として作つておりますが、提出いたしますので、これを御覧願いたいと思います。朗読は時間の都合上省略いたしますが、例えば納税証券の制度を作ります。そうして納税証券を運用するならば早く納税ができる、それからこれは預金して置くという代りに証券を作つて置くと、証券が証券として外に使い得るというようなことがありますので、そうして而もそれに対しては詳しく運営方法については書いてあります。朗読は省略いたします。  次に資材の面でありますが、第四でありますが、この重点生産方式、若しくは集中生産方式で、能率を上げて、そうして輸出を増強するというようなことでありまする以上、絶対量の少い資材に対してはいたし方ないのでありますが、從いまして、この点に対しましては重点統制も多少止むを得ないと思うのでありますが、併し統制で行く場合に手続を簡單にするということを御考慮願いたいと思うわけであります。  それから先程も中小企業に対する政策を中西さんからも御説明申上げましたが、それに対して私ここで附加えるわけでありますが、それには適当な大いさ、これが非常に大事なんでありまして、私共は学校時代から教えられたことは適当な大いさ、エフェクティヴ・サイズでなければ何事も成就せん、機機を設計するのもエフェクティヴ・サイズ、企業をするのにもエフェクティヴ・サイズ、企業で必要なものは、小さい企業でなければ成功せんものもある。仕事の種類によりましては大企業でなければならんのがありますが適当な大いさ、それには小さい企業でなければ成功せんというような企業の種類が非常に多いのでありまして、これも甚だしく爲政者は沒却している場合が非常に多いのであります。戰時中のごときはこのエフェクティヴ・サイズを沒却していたために非常に中小企業が犠牲になり、而も一番最後の戰時生産は中小企業が大部分を担当したというような実例があるのでありまして、苛まれておりながら而も中小企業がやつてのけたとあうことは、やはりエフェクティヴ・サイズの重要なお蔭でありまして、本所、深川方面が爆撃を受けたために全然戰闘力がなくなつたというのは、やはりエフェクティヴ・サイズの小さな必要な部品その他の部分が壊わされてしまつたために、あとの生産ができなくなつたという事実は多くの人の知るところでありまして、エフェクティヴ・サイズについては非常に大事なことと思うのでありまして、この問題に対してはエフェクティヴ・サイズを無視するものはというような問題で私の書いたものがあります。これはやはり問題として御提供申上げます。読むのも時間的都合で略します。  次に労働法規の改正についてでありますが、基準法を変え、労働法規を変えるということはなかなか困難であろうと思うのでありますが、それにつきましては、労働法の改正に対しての希望意見その他の問題に対して、特に基準法に対しての希望意見等がここにありますのでやはり御提出申上げます。朗読は時間の関係で省略いたしますが、これには是非御考慮を願いたいと思うのであります。例えばここでこれ程苦痛になつたという場合には、先ず時間を延長して、おやじさんも徒弟も悉く時間を延長して仕事をやろうとすると、而もこの急場を抜けようとすれば時間の方の、基準法の制限を受けてできないのであります。又その中に労働攻勢が深刻を加えておりましてできないのであります。一体窮乏輸出、飢餓輸出、若しくは耐乏生活を続けよということをドツジ公使も言つているようでありますが、それに拘わらずやはり向うからの指図である基準法ができ、その基準法が時間が八時間以上ではいかんというような、こういう矛盾はやはり向うの指令なら止むを得ないのでありますが、それには適用緩和規定でも設けなければ、この際どうにもならんと思うのであります。如何に敗戰國であつて民主主義になつたといつたところで、余裕のあるアメリカは而も実働八時間であるにも拘わらずそれを眞似ている日本拘束八時間、実は実際働くのは七時間しか働いていない、労働白書には今は七、八時間だけ働いていると、こう書いてありますが、あれは誤りでありまして事実そんな工合のものではないので、八時間労働制は七時間しかやつていない、それ以上やる場合は、あれは夜業若しくは作業の延長とかいうような名前の下にそうした時間をやつているその平均を挙げたに過ぎないと私は思う、私は実際上からで統計から見るのではありませんが、そういう点から事実私共が工場を一、二経営しているのでありますが、そういう点から想像してあれは労働白書の誤りであると、実はあれは夜業等の時間をあの中に重ねたためにああいう数字、七、八という数字になつたのである、あの辺に対しても実情を把握しない点が多い一つの証左として申上げ得ると思うわけであります。  それからここで、もうそれ程経営が困るなら廃めるかどうかということになつてもこれは実は今の退職手当の金が都合ならないというような実情でありまして、企業を廃めるにしても、退職手当をやるわけにいかない、銀行へ持つて行つても、廃業するという会社に退職手当を貸す筈がない、一万田日銀総裁は先程の日産協の総会において、退職手当に対しては、これは企業整備である関係上貸してやるというようなことをはつきりされておりますが、あれは特別の企業に対して退職手当ならば外のものは貸さんけれども企業の整備の退職手当のためには貸してやるというのであつて、然らば中小企業がここで企業を廃止するのだから退職手当を貸して下さいといつたところでこれは言うだけ野暮な話でありまして、全然そうした見込みがないというような実情にあるわけでありまして、今の中小企業は全く進むこともできず退くこともきでず、然らば廃めようとしても廃めることもできんというような実情になつているのであります。勿論今までの歴代の内閣が放慢政策でここまで來てしまつて、而も九原則によつてインフレを一挙に止めるということでありますので、今まで非常なスピードで走つていた自動車が一挙に止まるのでありますから、それには大きなシヨック、大きな出血が來るのは当然でありますが、出血は多少あつてもいい、潰れてしまつてはいかんので、その辺に同じ止めるにしても、少しじわじわと止める必要があるのではなかろうか、相当中央においてこの金融等についても、金融操作の面においてインフレを止めるというふうな、これは或る部分まで止むを得ないとしても、そのために、社会内のシヨックによつてそれの全部が死んでしまつたらいかんので、死なないように止めなければならない、実に中小企業の状態におきましては、それがもう本当にそれと一緒のシヨックによつて一緒に死んでしまうというような状態になるのであります。で、集中生産方式の維持方面等においては、実は余り大産業中心にして考えるならば、それは集中生産方式には有利だというような面もあるでありましようが、併しその半面その外の方面では悉くここで破算若しくはそういうような状態に陷るのでありまして、そうした場合に労働方面に対しては失業救済失業保險があり、その他のものにも救済方法がありますが、企業者に対しては救済方法は勿論ないのでありまして、この辺も非常に考慮を願わなければならないと思うのであります。尚又先程の長官のお話でこれがデフレになつたら大変だが、ここで一應インフレを止めたい、ここが狙いとおつしやいますが、今の担税能力を越えて、この税金では中西さんのお話のごとく半分以上営業を廃止するとかいうような実情にあり、それから半分以上破算の状態にあるというようなことを豊田さんが申された点から考えましても、そうした状態になり、材料は捨て値に賣る、機械は捨て値で賣るということになる、現に或る方面ではもうどうにもならない、從業員にこの機械を全部やるからこれを使つてやつて貰いたい、これは全部賣つて貰いたいというような実情がある、又或る会社では、会社の名前は……、はつきり言えと申せば申上げられるのでありますが、その会社では殆んど仕事がない、仕方がないから、六〇%だけ自分で拂う、後は出稼にして負担を追い付けようというような実情があり、それから全然退職手当を出さんとか、全部退職手当を二十年働いた者も、三年働いたもののも共に五百円、泣きの涙で與えたというような実例等もあります。これは記憶があるのでありますが、名前がちよつと今ここにありませんが、いつでも申上げられるのであります。事実こうした状態にあるので、その点を御了承を願いたいと思うのであります。尚又ここにそれに対する租税諮問委員会の設置の要綱、租税証券制度に関する参御意見、それから中小企業協同組合法案に対する意見といたしまして、この中小企業協同組合は非常に結構な意見でありますが、行き方によつては必ずしもそれがそう行かんので、角をためて牛を殺すようなことがあつては困るというようなことを、これは杞憂に終れば結構なのでありますが、そうしたことで先程のお話がありましたように、工業は百人、商業は二十人というようなことを限度としてやるというが、併しここで先程公正取引委員会の許可を得る場合は、その組合は私的独占禁止法二十四條第一号の要件を備える組合をみなす特別の特例を設けること、協同組合の事業として納税に便宜を図るために預金の斡旋等をとること、というようなこと等も書いてありますので、これも時間の都合上省略いたします。これはこのまま書類として提出いたします。尚又この事業は大きいばかりではいかんので、小さくてもいいのだ、そうしなければならないので、エフェクチーヴ・サイズ、適当な大きさを考えないものは悉く失敗に終るということを考えます。先程申しましたことは私の書いたものでありますが、それも一緒に出します。尚又中小企業に対する要望、これは全般的な要望でありますが、東京商工会議所の要望でありますが、これも一緒に提出いたします。そういうようなわけなのであります。尚時間の関係がありますので、甚だ雜駁でありますが、以上申上げたようなわけであります。
  37. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 先程申上げましたように、質疑應答は次の委員会に譲るといたしまして、今日の御説明その他を聞きつ放しということで一應閉じたいと思います。
  38. 大塚育

    ○証人(大塚育君) 先程省略した中で課目だけを一つ申上げます。前者と重複して省略したために落ちております課目だけを一つ申上げて置きます。第一としては税制の改革ですね、その中には事業所得税は中小工業の負担に耐える、担税力は耐える程度に変えて貰いたいということが一つ。  二としては徴税方法の改善、これが予算によつて徴税しておるのが事実なので、そういう点は中小企業に犠牲の出ないような無理のない予算の編成変えをして貰いたい。  それから政府支出の合理化、これは行政整理の面と同じようになりますが、大企業には非常に行政整理をするに拘わらず、或る程度の保護制度がとられている、資金の面に……、それに対して中小企業は虐待されているからこの点を改良して貰いたしということ。  それから四として、金融政策でこの面から來る特別金融金庫を設けて貰いたい。これは先程長官の話がありましたが、一應私共はお話して置きます。金融制度はそういう点をお願する。  五は集中生産方式については、再檢討を願いたい。  六、今の協同組合法の改正については、先程申上げたような理由で、大いに経営の協同化によつて事業が成り立つように協同組合をして或る程度の幅を持たしたものを與えて貰いたいということが一つ。  それから七としましては、先程貿易においていろいろな問題について具体的に申上げましたが、もう一つは貿易資本の中でも外資の輸入とか或いは貿易の再開のために、その業種以下のものが非常に落ちますので、その点は自主性を持たせて保障して貰いたい。後は先程申上げました失業対策として何らかの方法を願いたい、  それから最後には整程申上げませんでしたが、中小企業の機関の強化、拡大をお願いしたい、それから爲替レートその他については、これは申上げましたから省きますが、それからこれは課目じやありませんが、ずつと私ここのところ実は全國ではないのですが西半分は廻つて來たのです。夜行で今朝帰つてここに出ておりますが、概ね破産をするのだということになつて、ここに聽いたのを合せていうのですが、看板は下すが、食わないわけには行かない、失業保險があるわけでない、ブローカーでも闇でもやつて食うということでこの点政府の爲政者には、單に企業整理をして集中生産をして、企業を書類の上でそのものの形体が奇麗になつたように思つても、ただ看板を外すということで実際は経済計画を崩す段階に陷るということを調査の面で知つた、これは私が調査して行つた具体的な実例であります。  もす一つ申上げて置きたいのは、極端なる思想に対するところの把握性を持つておりません。自主的に思想に対する認識を持ちませんで、極端なる思想に非常に傾きつつあること、これは私共は或る程度利益を求めて企業をやつて行く関係上、共産党と具体的なことは申上げませんが、極端な思想に追込まれることは、私は非常に困るのじやないか、これは労資一体に立ち得るような形体に日本の政治を持つて行つて貰いたい、これだけ申上げます。
  39. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは先程申上げましたように、今日は証人からのお話も聞き放しになつておりますし、政府側の説明も安定本部並びに中小企業廳の方からのお話も聞かずに、次の機会に包括的に御説明を聞き、そうしてこれに対する質問應答をする恰好にして進みたいと思います。お忙しいところを証人の方にお出でを願いまして御覧のような状態で、非常に御不満だつたと思いますが、次の機会に尚御出席願いまして意を盡したいと思いますから御了承願いたいと思います。それではこれで散会いたします。    午後四時三十分散会  出席者は左の通り。    委員長     佐々木良作君    理事            西川 昌夫君            帆足  計君    委員            和田 博雄君            奥 むめお君            鎌田 逸郎君            藤井 丙午君   國務大臣    國 務 大 臣 青木 孝義君   政府委員    経済安定本部生    産局長     菅谷 重平君   証人    日本中小企業連    盟会長     豊田 雅孝君    全日本小工業協    議会委員長   大塚  育君    東京商工指導所    長       中西 寅雄君    東京商工会議所   中小企業委員長  野澤 一郎君