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1949-04-13 第5回国会 参議院 予算委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和二十四年四月十三日(水曜日)    午後一時四十一分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○昭和二十四年度一般会計予算 ○昭和二十四年度特別会計予算 ○昭和二十四年度政府関係機関予算   ―――――――――――――
  2. 黒川武雄

    ○委員長(黒川武雄君) これより委員会を開会いたします。中川政務次官がお見えになつておりますから、御質問のある方は……
  3. 山下義信

    ○山下義信君 安本長官にお尋ねしたいと思いますことは、中川次官に伺つて御答弁頂こうと思います。第一点は今回の予算の編成というものが、非常な重大転換を來しましたことは申すまでもございません。このドツジ・ライン、ドツジ・プランに從いまして、ただ今年の予算が編成されたというだけでなくいたしまして、少くとも明年、明後年あたりまでの或る程度の見通しというものが計画されまして、そうして本年の予算が編成されておるものであると私は思うのであります。これに対しまして安本は、いわゆるこの重大な財政、経済政策の転換に伴いましての長年計画と申しますか、或いは從來の経済再建の五ケ年計画といつたようなものをただ單に修正されたというだけでなくいたしまして、根本的に新たなる日本側の計画というものがどの程度にお進め下されてありますか。その点が先ず第一に伺いたいのであります。
  4. 中川以良

    ○政府委員(中川以良君) 大臣が只今閣議に行つておりますので、私から代つて御答弁をいたします。本年度の予算の形態と申しますものは、從來の予算の形態とは非常に異なつた形として現われておりますので、これは先般ロイヤル長官が参りまして、ドツジ・ミツシヨンが残りましていろいろと日本の財政上の問題を檢討いたしました結果、飽くまで均衡健全財政を基調といたしまして、先ず日本の経済の安定第一主義というところに構想が持つて行かれたような次第でございました。そこで本年の予算を見ますると、成る程厖大な予算になつておりまするが、從來の予算のごとく、例えて申しますとこれに載つておりますところの補給金のごときものに対しましても、これをこの年度内に全部使えという意味ではないのでございまして、從來往々にして、年度末に予算の余つたものは旅費とか何とかいうものによつて、ともかくもその年度内に使わなければいかんという建前で行つておつたのでありますが、今後はさような考え方をしないで、予算はできるだけ一つ節約して、平素の支出においても現に無駄なものは節約してこれを残す。補給金等につきましても、止むを得ない今日の経済情勢から支出するものだけを限られておりますので、つまり目標の品目の整理、それから出しますところの價格單位の減少等もやりまして、而も企業の合理化に伴いまして逐次これを減少して行くと、將來の見通しとしてはこういう補給金を出さないで、日本の経済一本建で行こうということでやつておりますから、これもできるだけ年度内に節約して今年度に残し明年度に持つて行くと、而して明年度においては國民の課税負担というようなことも、こういうような意味において或る程度減額されるというようなことが考えられておるような次第でありまして、経済復興五ケ年計画につきましては、御承知のごとく、本年が第一年目のいわゆる実施計画時期に入つた次第でございます。ところが大体生産の計画は石炭四千二百万トン銑鋼百八十万トンという線によりまして、当初私共が考えておりましたような産業の水準に持つて行こうということを只今計画をしておりますが、これに裏付けをいたしますところの資金の計画につきましては、昨日総合資金需要の見込の概算というものを大臣が御説明を申上げた次第でございまするが、これによりまして一應産業資金といたしまして、四千七百五十二億を確保いたす予定になつておりますが、このうち大半の、いわゆるアメリカの対日援助見返資金から出ますところの産業に対する投資というものはどれだけになるかということが、実はまだ決定をいたしておらないような次第でございまして、これによりまして、できる限りこの計画に資金の裏付けをいたしまして実行いたしたいと考えておりますが、併しながらこれらの援助資金の使い方等によりまして、復興五ケ年計画の幾分ずれができるということは予想をされております。併し飽くまで目標計画は、これを維持いたしまして、多少の年次が延びるというようなことは、或る程度止むを得ないかと思いますが、目標だけは失わないように、日本の経済の見通しというものは常に明るい見通しを立てまして、私共は施策をして行きたいというように考えている次第であります。
  5. 山下義信

    ○山下義信君 予算の使い方が大体の枠が決めてあるので、実際は大藏大臣運用の次第によつてこれが変化を來すようにしてある。そういうことにこの際は承知いたしまして、それによつていろいろ又具体的な結果が生れて來る。その影響もはつきりして來るだろうと思うのでありますが、要するところ本年度のこの予算を実行する上におきまして、経済界に非常な影響をいたしますことは言うまでもありません。それがデフレになりますか或いはデイスインフレで行こうというのか、いろいろ意見なり見方があるわけでありますが、重大な影響があるということは諍えない事実であります。その影響をどの程度に安本は眺めどの程度に予算して、本年度の予算から來るこの経済界に及ぼす影響に基き、この復興計画というものがどういうふうに組まれているか。それが從來組んであるところの安本で作業しておられる五ケ年計画というようなものにどれだけの影響を及ぼしているか。非常に根本的な大修正をする必要があるのではないかと私共考えるのでありますが、その点はどういうふうになつているかという点が伺いたいのであります。
  6. 中川以良

    ○政府委員(中川以良君) 只今の御指摘の点は、私共も非常に心配をいたしておりますところでございますが、ただ先程も申上げました通りに、経済復興五ケ年計画の本年が実施計画の第一年度に入つておるのでありますが、現在の情勢といたしましては、いろいろな客観的情勢によりまして、必ずしもこの実施計画をそのまま実施をいたし得ないんではないかというようなことも考えられますので、これらの点は種種の客観的情勢により按配をいたしましてできるだけ善処をいたすつもりであります。この程度の目標は、先程も申しましたごとく飽くまで失わない考えでおるのであります。ただここで一番案ぜられますことは、石炭鉱業に対しましてでありますが、これは御承知のごとく今日非常に企業として困難を極めております。併しこれには從來のいわゆる政府の援助に負ぶさつておつた、又企業自体が本当の合理化をやらなかつたと、労資の眞の協調が保たれていなかつたというところでいろいろな無駄がございますので、先ず企業自体が安定をいたしまして、この企業に從來行動しておりましたいろいろな不合理性を拂拭をいたしまして、企業の合理組、自立化に邁進をして貰わなければならんと思いますが、ただこれにどのくらいの資金が投資できるかという問題でありまするが、今後の大体の見通しといたしましては、復興金融金庫が從來のような機能が発揮できないことに相成りますので、大半の資金というものは市中銀行に依存いたしますることと、それから産業みずからの力によつて調達いたしまするところの投資により運営をいたすべきだと存ずるのでありますが、石炭鉱業のごとき現在のああいう状態の企業に対しまして、市中銀行がどうして融資するか、又赤字を持つた石炭鉱業に一般の資金が投資されるであろうかということを考えますると、これは非常に困難な問題ではなかろうかと存じます。ここで一に期待を掛けますることは対日援助見返資金からどのくらい石炭鉱業に資金が出るかという問題があるのでございます。この点は極力現在の実状を関係方面にも話しまして、蹉跌のないように私共は懸命なる努力を只今いたしておりまするような次第でございます。尚これに関連いたしまする他の基礎産業に対しましても同樣な関係もございますので、これが計画を立てまして折角只関係方面と折衝をいたしておりまする次第でございまして、ただ世間で考えまするような非常はデフレーシヨンになつて來るのではないか、恐慌が起り各企業の倒産が続出するのではないかという考え方もございまするけれども、只今までの放漫経営でございましたところの一部のものは、この機会にいわゆる落伍者となる部面が出るかと存じまするが、一應ここで日本の経済の安定のために眞に奮起をいたしまして、企業の合理化、今後の経済の自立化に向つて邁進をいたしますることは、大企業であると小企業であるとを問わず、正しい努力をいたしますものは必ずここで試錬に打勝つて残つて、將來の産業の発展の基盤を必ず作るものと私共は確信し、又さような確信を持ちまして今後の施策を運営いたして参ります考えでございます。
  7. 山下義信

    ○山下義信君 安本ではいろいろ研究しておいでになると思うのでございますが、つまり新たなる経済復興計画というものが、この新らしい要請に伴うてのいろいろな計画をまだ別にお立てにはならないで、從來の長期五ケ年計画の本年は実施の第一年度で大体その計画で実行して行きたい。こういうふうに御答弁になつたと了承いたしております。若しそうでなかつたならば後でお示しを願いたいと思います。この問題につきましては、又別の機会で伺いたいと思います。  その次は國民所得の表を頂いたのでございますが、その表の中に営業者の所得の数字が九千九十八億、こう暦年度で大体予定がされてありますが、これは今年のいわゆる予算によりまするいろいろの影響、今年の経済界の推移、そういうものを見通されまして國民所得のすべてが推計されておると思うのでありますが、殊に営業の面におきましての九千九十八億という予想、この推計されました基準というようなもののあらまし、例えば営業の種別といつたようなものの内容を少し御説明願いたいと思います。
  8. 森下政一

    ○森下政一君 関連しておりますから……只今山下さんから、政府側が御配付になりました國民所得の推計の中の一部分を指摘されて説明を要求されましたが、若し政府側からこの國民所得の推計というお渡し頂いた資料についての御説明が済んでいないならば、全体について、ひとり営業所得だけでなくして、勤労所得その他についても、なぜこういうふうな推計ができるか、一見して二十三年度より二十四年度はどの所得も増額を見込んでおいでになるわけですが、その御説明を一つして頂くことができれば仕合せだと存じます。
  9. 内田常雄

    ○政府委員(内田常雄君) 二十四年度の國民所得推計の基礎でありますが、御承知のように、昨年の追加予算が國会に提出されました十一月当時に、この二十三年度の國民時得の推計といたしまして二兆三千九百三十億というものを出したことがございました。ところがこの昨年公表いたしました二兆三千九百三十億というものは、二十二年度の実績に基きまして、二十二年度からの生産の増加とか或いは物價の騰りとか或いは雇用の変動とかというものの計数をかけまして出したものでございますが、今回は二十三年度の昨年発表いたしました推計を基礎としないで、この一年間から見まして経済安定本部國民所得調査室が、年度ではなしに二十三年の一月から十二月までの実績を纒め上げましたもので、その二十十暦年の実績に基きまして、二十四暦年の見込をいたしましてそれを更に換算いたしまして、二十四年度の國民所得、お手許に数字がございましようが、二兆九千七百四十二億というものを出した次第でございます。そこで二十三年國民所得の実績は、これは実績でございまして、いろいろ調査を纒めましたが、必ずしも十分ではないでしようが、一應出ました数字は二兆一千六百四十二億八千万円、こういう数字になるのであります。この暦年の数字を基といたしまして、先ず第一にこれに関連せしめます資料といたしましては、二十三年から二十四年への雇用指数、雇用の増減の数それから生産の増加の生産指数、更に一般勤労者の賃金の上昇指数、及び物價の指数、更に業種によりましてはこれらの生産とか物價の指数のみならず、各業種における所得率というものがございますが、この所得率の関係を勘案いたしまして、二十四暦年の國民所得といたしまして二兆九千二百八十五億七千万円という数字が出るのであります。この二兆九千二百八十五億に更に明年の三月まで、言い換えると二十四年度への換算をいたしますと、先程申しました二兆九千七百四十、正確には一億八千万円という数字になるのであります。そこで問題は雇用の指数、二十三年から二十四年度の雇用の指数をどう見るか、生産指数、賃金物價の指数をどう見るかというのでありますが、雇用につきましては、二十三年から二十四年への動きを全体的に見ますと〇・六%増と見ております。つまり一〇〇・六%というものを現しております。これも業種によりまして非常に違いまして、この平均の一〇〇・六%というものが、或るものは一〇〇%を欠くものもあり、或るものは一〇〇%を越えるものもありますが、大体二十三年から二十四年までの人口の増加率の推計は一〇二・四%になるのであります、大体二十四年の人口を八千二百万人ぐらいに見ておるのでありましようが、ともかく人口で申すと一〇二・四%であります。雇用の関係ではそこまで追付かないで〇・六%しか殖えない。ここに失業が若干出るという関係を我々も見込んでおるのであります。  その次にこの雇用の指数は主として勤労所得を彈く際に使われるのでありますが、個人所得等におきましては、勤労の指数よりもむしろ生産指数が問題になるのでありますが、生産指数全体といたしますと、先程もお話が出ました経済復興計画の考え方では、鉱工業等については実は三〇%近い増を見込んでおるのでありますが、これはいずれも大工業でありますが、この國民所得の基礎になります個人業主所得においては、大工業を除いておりますから、生産指数というものは遥かに低いわけでありまして、ここで採りました指数は農林、水産業については一〇四%即ち四%増。それから一般の個人営業につきましては一一五%、一五%の増を見込んでおります。  更に賃金と物價でありますが、賃金につきましては勤労所得推計の基礎といたしまして、大体二十四年を通じまして賃金はこれ以上一應上らない、こういう政策がとられるわけでありますから、こういう彈き方をいたしております。先程申しました二十三年中の実績つまり二十三年の一月から十二月まで勤労統計に現われました賃金の平均を一〇〇といたしまして、それに二十三年の十一月の賃金を対比いたしますと或る数字が出て來る。二十三年は一年通しましてずつと上つております。上つておりますが平均しますと十一月だけの賃金よりも無論低いわけでありますから、十一月を採りますと或る高い数字が出て参ります。ところが官公吏等につきましては、これは十二月から御承知のように俸給のベースが三千七百円から六千三百円に上つておる。又或る種の工業等におきましては、賃金協定が成立して十二月以後においても上つておるものもある。そこで原則としては十一月の賃金を採りながら、さようなものにつきましては協定ができ、法律で新らしく決つた。恐らくは二十四年中を通じまして呉れるであろうところの賃金を抑えまして、この指数を一三七%言い換えると賃金の上昇三七%と見ております。二十三年中の賃金の上りのごときものは到底三七%ではなしに非常に大きい数字が出ておりまして、この基礎には直接なりませんけれども、二十三年中においては賃金は仮に二十三年の一月を一〇〇といたしますと、二十三年の十一、二月頃に二〇〇から三〇〇ぐらいに上つておるが、今年はそのような状態でないという或る一つの政策想定の下に、一三七%というような数字を適用いたしております。  それから物價につきましては昨年のような大きな上昇傾向はとらないという政策前提の下に、個人業主のうち農林水産物につきましては一一八%、一八%の上昇、これも昨年の十一月の実行價格と申しますか、現実價格と申しますか、それも高さを昨年一年中の物價の平均と対比いたしまして、それに対する騰り方一八%というものを持つて参つて來ております。農林水産業以外の営業につきましてはその高さが一一七%こういうものを適用いたしまして、二十四暦年のそれぞれの勤労所得の大きさ、個人業主の所得の大きさというものができ上がつておる基礎になつております。その他の所得、個人賃貸所得、利子所得、或いは法人所得も同じように二十三年の実績をそれぞれ今集められる限りの資料を基礎として適用いたしまして出してございます。尚二十四暦年から二十四年度の三ケ月の喰い違い分、これは一定の前提の下に技術的な方法を以ちましてそれだけ引延ばした。從つて暦年で行く場合と年度で申す場合とは、若干年度で計算した場合の方が國民所得が大きく現われておる。かような恰好になつております。一應の説明を了します。
  10. 山下義信

    ○山下義信君 今の御説明若干は分つたのでありますが、この人口の増加を見込みます理由はどういう理由でございますか。國民所得の増加に所得の二十三年度から二十四年度に移ります人口の増を見込みました理由、それから失業者の状態の見込み方をどういうふうに二十四年度の所得の上にお見込みになつておりますか。今少しく具体的にお申しを願いたい。それから営業所得などの関係におきまして、いろいろ物資の輸送状況などというようなものは、この推計の中にお取りになるのでしようか、ならないのでしようか。或いは資金の動いておる状況、需要状況言い換えますというと、この営業関係などにおきまする資金の廻転率なんというものをお取入れになりますかどうか、その点を伺います。
  11. 内田常雄

    ○政府委員(内田常雄君) 人口の増加はこの國民所得算定の基礎に直接になるわけでありません。ただ勤労所得を見ます際に、結局各業種一人当りの平均賃金なり給與に対して、雇用人員を掛合せたものが勤労所得になるのでありますが、その場合に一体雇用がどれだけ殖えるか。殊に人口増加との相対関係において雇用の率というものは殖えるか、減るかということの関係が出て参る、その参考までに申上げたのでありまして、先程申上げましたのは雇用の方におきましては、本年は雇用の人員は非常に見積りは少い。然るに人口の方は遠慮なく先程も申上げましたように二%以上が殖えて参る。そこで人口の増加と國民所得に見込んだところの勤労所得の基礎である雇用の増加との差が大きいものが出て來て、結局この國民所得の資料から判断される限りにおいては、百七、八十万程度の失業者になる。我々の方の数字では昭和二十二年度の失業者が六十万人あつた。これは二十二年の國勢調査の数字でありますが、それが二十三年は殖えておりますけれども、二十四年のこの数字による限りにおいては、そこに失業者の増加が現われて参る。こういう意味に申上げたのであります。  それからお尋ねの輸送とか資金というものも直接この國民所得を彈く基礎に入つて参りませんけれども、これは結局直接ではないが、間接にはそれぞれのパーセンテージを計算する場合に入つて來ておる。例えば営業所得のうち商業というものを見ます場合に、商業そのものには生産の増加はないわけですから、生産指数というものは適用できませんから、それで結局取引額というものになる。生産指数が直接ではなしに取引額の増加額というものを見る場合には、結局取引を可能ならしめるところの輸送とか金融なんというものは裏面に出て参つて來るわけでございまして、具体的の数字を申上げますと営業の一般の生産増は先程も申上げましたように一一五%と見ておりますが、商業等につきましては、間接的には影響するようなものの段階になると思いますが、一一八%、そういうようなものが取引上の増加、一八%の増というものになつております。ここで挙げました生産増は、先程申上げましたように、例えば鉱工業等のものにおきましても、石炭鉱業とか或いは金属鉱業とか、或いは化学工業とかいうものは大企業の経営に属しておる。ここにいう個人の営業の範囲に入らない商業で大きなものは、これらの大企業の産物の取扱い、而して大企業の生産の増加は、石炭、鉄鋼におきましても、一一五%というような数字ではなしに、申上げました一三〇%近い増加になりますので、商業関係は一八%の取引上の増加というように出て來ておるわけでございます。
  12. 山下義信

    ○山下義信君 ここにお尋ねした推計の基礎は、非常に私は根本の基礎資料で重大であると考えますので、尚十分調査したいと思うのでありますが、この営業のBのものの大体の内訳を、今一つ資料を頂戴したいと思うのですが、御要求いたしておきます。  次は今一つ簡單に伺いたいと思うのは、國民生活の見通しなんでありまするが、この予算の編成に伴いまして耐乏生活がいわゆる要請せられておる。どの程度までつまり少くとも今後一ケ年間の見通しの下に、國民生活がどういうふうな状態にまで切下げられるか、或いは現在の生活程度は維持し得られるのかというような点に関しましての、安本の國民生活状態の見通しに対する御見解なり御調査なりというようなものについて御説明願いたいと思います。
  13. 中川以良

    ○政府委員(中川以良君) 経済復興五ケ年計画におきましては、昭和五年、九年のいわゆる國民実数生産所得に今後五ケ年、いわゆる昭和二十八年まではそこに持つて行きたいという当初計画を立てまして、その際には鉱工業生産を一四五%、農林生産を一一一%に持つて行かなければその水準に到達をしないという考え方でございました。ところが段々やつて参りますると、なかなかそこまで生産を持つて参りますることは困難なる事情がございまして、先ず鉱工業生産を一三五%、農林生産を一〇六%に止めまして、但しこの際には一應輸出を十六億五千万ドル、輸入は十七億五千万ドルを見込みまして、而して國民の生活水準が八〇%で一応我慢をするというところに持つて参つておるのであります。  ところで現在の状態は大体六〇%程度に國民の生活水準は参つて來ておるのであります。昨年、一昨年当りはこれが五〇%前後であつたのでございまするが、漸く六〇%に只今來ております。本年はこれから更に幾分でも上昇させたいと、鉱工業生産で申上げますと、七五%くらいは是非持つて行きたいと考えております。いろいろな客観的な情勢から考えますと、先ずこれが七二・三%くらいにしか行かないのではないかというふうに考えられるのでありますが、これと同時に國民生活の水準も……
  14. 中西功

    ○中西功君 具体的な数字を言つてほしい……。
  15. 中川以良

    ○政府委員(中川以良君) これはちよつとなかなか計算がむづかしいのですが、六〇%から六五%くらいまでの間には是非上昇させたいというふうに考えておりますような次第でございます。
  16. 山下義信

    ○山下義信君 労働大臣が見えておりますので、この質疑は保留して置きます。この国民生活の今後の見通しについての安本の御調査になつております参考資料がありましたならば、我々は是非頂戴したいと思います。國民は相当生活困難な、非常な生活の切り下げが來るものと実は怯えております。それが特に勤労階級に來るのではないか、或いはこの耐乏生活が上下共に平均されるような政治がやれるかどうか、いろいろ注目しております。又日本の國民はどの程度ならば生活が耐え得るか、これ以上は絶対耐えられないという最低飢餓線があると思います。そういう点に対する安本の國民生活の今後の見通しに対する調査がおできになつておると私は思いますので、我々の参考になる御研究の資料を頂戴したいと委員長から一つお願いして頂きたいと思います。
  17. 中西功

    ○中西功君 それに関連してちよつと、序でに國民所得のことなんですが、調査された二十三年度でも、二十四年度でも結構です。結局勤労所得の場合に、勤労人口何人に見込んでおりますか。それからその一人当りのいわゆる所得を幾らに見込んでおりますか、それが一つ。  それから個人業種所得のうちBですが、これは生産と商業に分け得られるんですか。
  18. 内田常雄

    ○政府委員(内田常雄君) どれをですか。
  19. 中西功

    ○中西功君 業種所得のうち営業の…
  20. 内田常雄

    ○政府委員(内田常雄君) 営業は分け得られます。建設工業、製造工業を数業種に……
  21. 中西功

    ○中西功君 それをもう少しく詳しくして貰いたいと思います。それからこの表にはありませんが、二兆九千億というものの所得の財政資金、或いはそういう方向へ配分があるわけですね。こいつは資料がないのですが、これは簡單に出せますか。
  22. 内田常雄

    ○政府委員(内田常雄君) もう予算が決まりましたので、今度の予算を前提とすればできるわけですから会期中に……
  23. 中西功

    ○中西功君 一應資料として至急出して貰いたい。私これだけ要求して置きます。
  24. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 國民所得の問題ですが、これは日本に在住する第三國人の所得は含まれておりますかどうか、いるとすればその割合を同時に資料にして貰いたいと思います。
  25. 黒川武雄

    ○委員長(黒川武雄君) 鈴木労働大臣に対する質疑を始めます。
  26. 深川タマヱ

    ○深川タマヱ君 毎晩通勤の途中、有樂町駅に差掛るときに、限りなく集つて來る闇の女達を見て、我々婦人國会議員は体がしびれる思いがするのですが、どうしても今度の労働大臣に、この問題を解決をして貰いたいという希望を持つておりますが、あの近いうちに日本では賣淫行爲取締法案というものが出るそうでございますが、これの受入態勢とも睨み合せまして一体婦人の失業対策はどうして救済なさるかお考えなさつておるかどうか承わりたいと思います。
  27. 鈴木正文

    ○國務大臣(鈴木正文君) 根本的の考え方といたしましては、只今深川さんがおつしやいました考え方と私共も全く同感で、婦人の今の賣淫の問題或いは職業安定の問題は、特殊の角度から見て極力力を入れて行かなければならない。そういう考え方は私共同じでございます。それにつきまして前の方の最初の御質問につきましては、考え方としてそうであると申上げられますけれども、これは別に責任をよそへ押つけるわけではありませんが、主として厚生省の問題になつております。具体的な計画に至りましては、廣い意味の労働問題を含めた婦人問題の一部として厚生省と連絡をとつて努力いたそうという考え方はしておりますけれども、具体的の計画その他につきましては、別の機会に厚生省その他に御意見をお伝え頂きたいと存じます。  それから婦人の方たちの就職の問題につきましては、私共も全く御質問の趣旨に同感であります。率直に申しまして、男子一般を引つくるめて今年度の統職の問題、つまり廣い意味の失業対策の問題は極めていろいろな困難な條件の下に置かれておりますけれども、職業安定所を通じまして、或いは特殊な知識階級その他を引つくるめたところの特殊な失業対策事業というふうなものを、労働省直轄の事業としてこれを行うという計画も別個に持つておるのでありまして、それにつきましては緊急失業対策法という法律案が近くこの國会に提出されます。その中に知識階級及び婦人の方たちの就職の問題、一般の失業救済の就職問題というふうな問題も織り込んで、できる限り実行して参りたいと思つております。ただ申しまするというと、他面予算に計上されておる金額は八億八千万近くらいでありまして、これは衆議院でもしばしば指摘されましたる点でありますが、ただこれは予算の最終的の終結の形ではないのでありまして、関係方面とも打合せておりまするが、必要に應じてこの考え方を敷衍して予算的措置を取つて、そうしてやつて行くという考えでございます。
  28. 深川タマヱ

    ○深川タマヱ君 それは附け足して幾らか御参考にして頂ければ結構だと思います。私は婦人の失業対策、失業救済について考えておりますことは、やはり婦人も一般の工業方面に吸收して貰うことが一番いいと思いますけれども、今度全國の労働状勢視察をして参りました経驗から考えて見ましても、兵庫に池田という小都市がございますけれども、あそこでは福助足袋とか、煙草の刻みの工場がございますので、そこで大低の闇の女、婦人の失業者は吸收されますので、闇の女なんというものは殆んどありません。それから北の群馬縣の桐生市もやはり天下に聞えた絹織物の輸出工業のあるところでございまして、ああいう工場がありますと、普通の民家もやはり工場の仕事を手伝う仕事が廻つて來るらしいのでございます。一人の婦人が一万数千円稼いでおりまして、一人の婦人でも四五人の家族を養つておりますので、輸出向けの家庭工業の注文を都市の婦人のために取つて頂きたいと思います。この戰爭中には白山芸者が飛行機の部品を作る合資会社を立てて、成績を挙げておりましたが、ああいうことも結構だと思います。  それから労働大臣でありますのでお願いいたしたいのは、職業安定法を少し変えて頂いて、派出婦会とか看護婦会、あれを少しもつと利用價値のあるものに変えて貰いたいこと。紹介事業というものが中心になつておりますので、二つの團体が解散になつておりますけれども、一般の家庭では相当金がございましてもこの頃実際問題として闇のものへ食べさしたりします関係上、女中一人に五、六千円かかります。そういう專属的の女中は雇い切れません。一ケ月に三日か四日、溜めて置いてして貰うような仕事は家庭には相当ございますので、やはりどこへ行つたらこういう仕事をしてくれる派出婦が待機しておるかということを、一般の人が知る必要があるのであります。又そういう所があると未亡人も助かりますので、國家が監督でもしてやはり派出婦人というものを復活さして貰いたいと思います。  それから産婆の方は別でございますけれども、看護婦が拂底しておりますので、急病人で出てもどこへ行つたら看護婦が待機の姿勢を取つていてくれるか分りませんので、あれも國家が監督して、産婆看護婦会を指定されて、少し法規を改革して貰いたいと思います。  いつも出て來るのは女と子供ですが、託兒所のことでございますけれども、全國を歩いても託兒所を沢山作つて建ててくれと盛んに請求されますけれども、今度の予算案を見ましても、とてもこんな貧弱な財政では託兒所なんか作つて呉れることができません。今下に婦人團体が一杯來ております。私もちよつと行つて來ましたが、これは一般家庭の営業になりますので、屋敷が廣くてそうして奥さんとお嬢さんが暇であつて、何人かの未亡人を雇入れましてそれで働く人の子供を預りますと、結構営業が成立つのであります。これは子供を世話をするのだからそう別に專門の知識も必要ではなし、稽古する必要もない。女なら大低子供の守ができるのでありますから、こういうことを婦人少年局で奬励して貰いたいと思つております。  それから次は労働問題でございますが、今度は男子を含めた一般失業救済の問題で、インフリの方々は統計事業、それから一般の人の燒跡の整理、それからその外の人は失業保險は六ケ月を九ケ月に延長なさると言つておりますけれども、私はやはりその方法を少し変えたらどうかと思います。今度の行政整理の目的は財政支出の軽減にあるのだと思いますけれども、こういうふうに配置転換してもちつとも財政支出の軽減になりません。統計事業は大事でございましようけれども、今までさえもこれで間に合せて來ておりますので、今直ぐに財政支出をされてこんなことをしなくてもまあ辛抱できるし、燒跡の整理のことは國家の財政でしなくても個人の資本のある人が個人の資本でできることであります。それから失業保險金は何の生産の裏付もないので、インフレを刺激するのみならず、ちつとも救済の実が挙りません。月千円、二千円貰つたところで経済安定を害しますので、この失業救済は原則としてやはり輸出貿易の方に集中して貰わなければいけないと思います。丁度アメリカの援助資金がございますでしよう。あれを輸出貿易の設備の拡充と資本の方に廻して貰いたいと思います。こんな考えでありますが、これに対してどんな考えを持つておりますか。
  29. 鈴木正文

    ○國務大臣(鈴木正文君) 考え方の根本といたしまして失業保險、それから中間的な、團体的な失業救済事業というものに失業対策の根本を置くという考え方は全く同感でありまして、私達もそう考えております。究極は新らしい國民経済の拡充によつて雇用面が開けて、そこで最終的に吸收するのでなければ失業問題は解決されないとこう考えておりますが、極く大雜把に手許にある数字だけで申上げますと、そういう考えの下に國民経済の配置転換でなければならないという考え方に私達も立つておるのであります。ただ実際問題といたしまして安本当局とも打合せ、いろいろ今年度及び來年度の國民経済の雇用状態を計算した結果、これは或る程度又変つて來るかも知れませんけれども、今見通している数字におきましては今年中に開拓される一般経済の新らしい雇用面というものは、約四十万人くらいではないかと見ております。尤も一方その國民経済の中から同時に三十万乃至六十万の失業者も出て來るという見通しがありますから、出入りしますと四十万雇用が殖えるのじやありませんけれども、とにかく四十万くらい殖えると見ております。そのうち二十万人くらいが貿易の面であろうという推定になつております。尚細かい数字は、それじやそのうち貿易の分はどれだけ殖えるかという数字はここに六つだけの面を挙げて細かい計算をしておりますが、御質問の趣旨はそれ程のあれも必要ないと思いまして、若し御必要でしたら別の機会に差上げます。そういうわけでして今年中に四十万人が最終の形で以て吸收できる。それから來年は同じ計画で以て計算して行きまするというと、八十万乃至百十万くらいの新らしい雇用面が貿易だけではありませんが、貿易を中心として開けて來るという見通しを持つております。結局だから今年中に四十万人を吸收し、そうして來年に至つてその残りを吸收し終る、そう完全に行くかどうか問題がありますが、根本的にはそういう考え方の下に立つておるのであります。同時に失業は恐らく今年の上半期末から下半期にかけて起つて來るのである。そうすると、その間だけは、どうしても受入れられない部分だけは失業保險なり、直接的な救済事業で受止めていなかければ、これはその日の生活問題でありますから、いけない。こういう意味におきまして、その期間だけを失業保險と直接的の救済と一つで受止めていく。併し半年乃至一年の間には最終の状態まで持つていきたいというのが計画でございます。  それからもう一つの御質問の重点でありました、アメリカの援助資金を以て貿易その他の復興面の拡充によつてこれを解決していつたらどうかという問題があるわけでありまして、あの資金を御承知のように、公債、國債等を支拂つて、それからあとの残りは建設的な面に向けるということになつておりまして、恐らく貿易及びそれに附随する積極的な再建事業というものは、優先的にあの資金の対象として取扱われるだろうと政府も見ております。そういうやり方は可能だと思います。その面にお尋ねのような知識階級の救済や、最終吸收の面を結びつけそうして考えていきたいと思います。併しそれが一應成果を結ぶまでには半年乃至一年半ぐらいの時間がかかるということは、どうしても考えざるを得ないのであります。その間は今申しましたような中間的な時期と考えておる次第であります。
  30. 深川タマヱ

    ○深川タマヱ君 次に労働法規のことでございますけれども、今度の九原則の中にも賃金安定の方策を立てろという項目がございます。それについて経済的の方面から立てることも勿論ですけれども、やはり法規の方から立てる必要があると思います。私労働問題に対して、大変遅れておるかも知れませんけれども、二つの、日本の法に対して疑問を持つておりますので、お尋ねいたしたいと思いますが、そのうちの一つは、個人の権利に爭いが起りましたときは、大低はそれは裁判所で裁けます。ところが労働力の賣買に当つてのみ最後は直接行動が許されておりますので、資本家と労働者の人たちが勢力爭いによつて、根比べによつて賃金をせり上げる方法が許されております。それからもう一つの疑惑は、軍隊のある國の自由と、軍隊のない國の自由との間に相当差別をつける必要があるのじやないかと思います。と言いますのは、最近フランスの爭議の例を考えて見ましても、あすこは生々しい軍隊のある國であります。それだのに爭議のときには、最近三十万の軍隊が出動して治安の維持に当つております。日本でそういう爭が起つたときには、日本におる外國の軍隊は講和会議後にはいなくなるということになります。そこでよその國の軍隊を借りて來なければならないので、いつも外國の軍隊を駐屯して置かなければ、日本は労働運動のために永久に独立ができないことになるのです。(笑声)これは勤労者のかたがたも含めた一般の國民感情を満足できないということになりましよう。必要は発見の母といいますから、勤労者のかたがたが工場で働いて、大いにいろいろ発見なさいますその創意工夫を生産増強の方面に向けていくために、経営協議会を置いたら至極結構と思います。生産の余剩價値を配分に当つて爭いが起つたときには、それは私はできるだけ勤労者のかたがたに大いに余剩價値を分配するという考え方は、共産党のかたがたよりももつと大いに持つておるつもりでありますけれでも、(笑声)実際問題としてその爭いが起つたときに最後に直接行動のストという方法でなく、暴力に代るべき科学的基礎によつてやはり労働者と資本家の代表者が出ておる國会、或いは國会の委託を受けた人が出て、労働裁判所というようなところで最後の判決を下して國民同士の直接の暴力的の爭いを避けて行くのが、將來の文明國の行くべき途ではないかと思うのですがどんなものでしようか。
  31. 鈴木正文

    ○國務大臣(鈴木正文君) 極めて理想的で考え方としては御説に反対する余地はないのでありますが、資本主義的生産組織の下においては、ああいう形の労働爭議というものは、時あつて起つて來るのは自然の現象である、いいことではないけれどもそうであるからこそ、関係の幾多の労働基規も必要なのでありまして、私達は根本的な労働者諸君の爭議権というものはこれを認めて行く、私達労働行行の衝に当つておる者はそういう立場をとつておる。ただ一般の公共の福祉とその國の事情とに照し合せまして最も犠牲の少い、不当な政治的、破壞的なストライキを防いで行くところの慣行なり方法というものを、確立して行くということが労働行政の中心でありまして、そういう意味におきましての労働法規の改正なり、或いは行政の新らしい方法の転換なりはありますけれども、繰返して申しますが、根本的には労働者諸君が労働者諸君の経済的の、社会的の立場を守るために爭議権というものを持つておるということは、根本的には確認してかかるべきであるとそう思つております。  賃金の問題につきましても御説の通りの点もありますけれども、賃金の統制は三原則の下におきましては、御承知のように赤字の融資による賃金の引上げはできない、生産物の價格の引上げによる賃金の引上げはできないという根本原則がすでに嚴然たる既定の事実として決つておるのでありますから、そういつた從來一、二年間に行われてきたような形の意味における賃金の引上げは行われなくなつておるのでありまして、そこにはドツジ氏も曾て言われたような三原則を実施すれば賃金の統制の必要はなくなるのだという他面の事実もあるのであります。ただ企業の努力、これは深川さんが只今御指摘になつた点でありますが、労資双方の協力によつて企業の成績が挙つた場合におきまして、賃金の引上げはむしろ歓迎こそすれ抑える必要はないのであつて、高能率高賃金の原則で結構だと思います。ただそういつた方式を実行して行くためには極めて科学的に、統計的に根拠を持つたものでそれを措置して行けというお説は御尤もで、卒直に申しましたところ日本の現在の統計とかいつたものはまだ不備でありますけれども、労働省はその方面に対しましては今後も現在も調査研究を進めて参りまして、できるだけ科学的に労資双方が、理論的にも納得の行くような賃金の基礎を算出して行きたいとこういうふうに思つております。
  32. 田村文吉

    ○田村文吉君 安本長官にお尋ねいたしますが、今日の新聞を拜見いたしますと、鉄その他の公定價格の買取値段の変更が発表になりまして、十二日から実行ということに相成つております。たまたま本國会で予算の審議が行われておりまして、而も歳出の最も大きな金額として價格調整費が計上されておるのであります。その價格調整費の一番大きなものはやはり鉄関係のものであります。今どのくらいの補給金を出すことによつて幾ら予算が殖えるかということで予算の問題を審議しておる最中に、すでに生産者價格を変更して御発表になりますということは、何かしら予算の審議をすることを阻止するかのような形に見えまするし、又阻止することではないまでも甚だ愼重でないと考えられるのでありますが、長官はこれに対してどうお考えになつておりますか。
  33. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 九原則の実施に伴いまして生産を増強する、そういう線に沿いまして生産者價格を引下げることのためにいたしておりますのでおつしやるような矛盾は起らないと存じます。
  34. 田村文吉

    ○田村文吉君 お引下げになります前提は予算の價格調整金が前提の下にされておると私は考えるのでありますが、さようではありませんか。
  35. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。引上げたのでなくて、引上げたのでありますから、補給金は從つて少くなる、こういうことであると考えます。
  36. 田村文吉

    ○田村文吉君 十分お分りにならないと思うのでありまするが、生産者價格をお引下げになつたことは間違いないのでありますが、お引下げになるには沢山の價格調整費、いわゆる補給金が出ることを前提になさいましてお引下げになつたのではないでしようか。
  37. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) お答えいたします。この度の鉄の生産者價格の引下げは、今年度の操業の條件等を勘案いたしまして行なつたものであります。補給金はそういたしますと尚鉄の價格が非常に高いのでありまして、引下げましても高いのでありまして、それを昨年は基準年次の百十倍の線に消費者價格を押えるために補給金が出ております。今年こういうふうにして生産者の價格を操業條件から割出して下げておりますけれども、その價格は尚基準年次の百十倍以上に非常に高いのであります。これは消費者價格を据置くために補給金が必要になるのでありまして、補給金は從いまして補給金單價も減りますけれども、数量が殖えますことによつて昨年よりは膨らむ、こういうことに相成ると思います。
  38. 田村文吉

    ○田村文吉君 さようのことはよく承知しておるつもりでありまするが、御覽になりましたか知りませんが、大藏省から出されました昭和二十四年度の予算の説明というのがあります。予算の説明の一番後の方に、すべて今度御改正になりました價格の基準として、かくのごとき調整金を支出するのであるというようなことを説明されておるのでありまして、そういたしますとこれは関連しておる問題でありますのに、何故に物價廳だけは政令でこれをなすことができるという理由で、今予算の審議の最中であるに拘わらず、さような発表をなさるということは、私はどう考えても不穏当であると考えます。その意味について長官の御答弁を頂きたいと思います。
  39. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。大藏省が出しておりまするこの予算にマツチさせるためには、こうしなければならんということから発表いたした次第でございます。
  40. 田村文吉

    ○田村文吉君 その問題は又改めて御答弁を頂くことにいたしまして、次に長官にお尋ねいたしたいのでありまするが、これはまだ御決定にはならないか存じませんが、輸出入のレートは同一率になさるお考えでおられますか、輸出と輸入の單一爲替レートは変更してもいいというお考えでおいでになりましようか、お伺いいたします。
  41. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。その点はまだお答えする段階に到達いたしておりません。
  42. 田村文吉

    ○田村文吉君 只今申上げた價格の問題について少しく所見を申上げ、又御意味を承わりたいのでありまするが、例を銑鉄にとつて見ますると、銑鉄の價格は、いわゆる買取値段が一万三千百九十円と相成つております。而してこれが消費者價格は鑄物用及び鋼材用と二通りになつておりまするが、この平均價格は一トン三千九百八十三円五十三銭であります。この差額が約九千二百円、これが今度の價格調整費に盛り上げてあるものでありまして、即ち一トンに対して九千二百円の價格調整金が計上されておるのであります。  ところがそれだけならばよろしいのでありまするが、安定帶物資としての石炭の補助が三百二十億でございます。大凡そ在來の経驗からいたしますると、その四〇%に該当する金額が銑鉄及び鋼鉄も若干入るのですが、銑鉄、鉄鋼に振向けられておりまするので、この金額が百二十億あるのであります。それから輸入の調整資金の方で鉄鉱石が百六十七万五千トン、それに対する補給金が七十億五千二百万円、それから輸出入の石炭でありますが、輸入石炭が百九十二万トンありまして、これに対する補給金が四十六億二千六百万と相成つておるのであります。合計いたしまして二百四十億ばかりのものが百九十万トンの銑鉄のために補助金を交付されておりまするから、この金額は一トン当りにいたしますると、一万二千六百六十円の補助金が隠れて補助されておるのであります。そういたしますると、一目して分りまする一トン九千二百円の助成金と合せまするというと、合計いたしまして二万一千八百六十六円という價格が四千円の消費者價格に加えられておるのであります。僅か四千円のものに対して二万一千八百六十六円というごとき多額の補助金を出すこの價格調整金というものは、甚だ不穏当のように考えられるのであります。  これを鋼材に見ますると、同じような計算で出しました私の計算によりますると、三万七千円の補助が與えられておるのであります。而も一万三千百九十円という生産者價格というものは、これを戰前の基準年度の物價に比べてみますると、三百二十七倍という数字をすでに示しておるのであります。それを若し銑鉄において以上申上げたような助成金、補給金がなく、ありのままに銑鉄を造るといたしまするならば、さつき申上げたような價格でありまするから、その價格は驚くなかれ戰前の物價に比べれば六百十五倍と相成つておるのであります。而もこの銑鉄のいろいろの補助金によつてでき上りました二万五千八百五十円という價格は、新たに銑鉄を輸入いたしますると、この表によれば一トン二千九千五十円であります。無論まだ輸入した方が少し高くなつておるのでありまするが、若しこの輸入價格は一割低下するようなことがあるといたしますると、これだれの補助金をやつてこれだけの面倒をするので、新規に輸入した方がよほど有効であり、経済的であるという計算さえ出てくるのでありまして、而も銑鉄の二万九千五十円も私の計算から参りますると、遠からず二割程度の値段は引下がるものと考えられるのであります。こういう点について著しく價格調整金の制度のために事業を極端に補助、保護をいたしておりますることについて、長官は止むを得ないものとしてお考えでありまするか、又これを是正すべきものとお考えに相成つておりまするか、お伺いいたして置きます。
  43. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 只今のところでは止むを得ないものと考えておりまするが、漸次これを是正して行きたいと考えております。尚詳細の点につきましては、物價局長から御説明申上げます。
  44. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) 只今の方針は長官のおつしやる通りでありますが、確かにお説のように、いろいろな補給金を総合いたしますならば、銑鉄については正当多額なものになる、鋼材については更に高いものが出されておるということは事実であります。これは結局ありのままに補給金を出さずに、生産者價格をそのまま消費者に転嫁することになりますると、非常に日本の基礎産業が使うところの資材が上ることになりまするので、物價の関係から申しまして高い水準になることになるのであります。そこでこれを避けるために、過渡期の措置として今のようないろいろな補給金が出ております。この補給金は、お説のように、産業の生産の方はそれでいいのでありますが、その生産物を使つて行くところの消費者の價格を下げるために出しておるものであります。從いましてこの物價の水準を維持して行く観点から申しまうならば、段々に日本のそういつた非常に價格水準の高い産業が能率をよくして、この價格水準が低下するということを図るべきであると思います。そういうことによつて補給金も逐次なくなつて行く。適時にこれは打切らるべきものと、こういうふうに考えております。
  45. 田村文吉

    ○田村文吉君 物價局の方にお尋ねいたしますが、我々もさような見地において調整金が出されておると考えておるのであります。併しここに甚だ皮肉なことがあるのであります。それは何故かと申しますると、今御説明申上げましたように、輸入の鉄鉱石或いは安定帶物資としての石炭の補助金、或いは輸入の石炭、かようなものを除きました生産者價格一万三千百九十円というものが、すでに戰前の物価の三百二十七倍と相成つております。石炭窒素の懸を見ますと戰前の價格の三百二十二倍と相成つております。國家の最も保護して参りました石炭の價格は、三百十八倍と相成つております。その他いろいろ安定帶物資と称するものの價格を調べてございますが、要するに各種の補助金、助成金を貰つておるもの程生産者價格が高く相成つておるということは、何か説明するかというと、いろいろのさような保護をすればする程生産費は高くなつておるのだということを証明しておるに過ぎないのであります。この意味におきまして、今他の物資に影響するところ大なるが故に助成金をやると仰せになつておりまするが、すでに近く單一爲替に決まろうとして、日本の物價は世界の水準の中に入つて行かなければならない今日の情勢下に相成つておりまする際に、ますます助成を多くするような今日の政策をなすつていて、いつの日に世界の水準物價にお直しになろうとお考えになつておるのか、この点が私甚だ了解いたし難いのでお尋ねいたします。
  46. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) お答えいたします。只今のお尋ねは、補助金を出して貰つておる産業がますますコスト高になるというようなお説だつたと思いますが、実はこの補給金と申しますのはそれぞれの産業に出すのではないのでありまして、つまり現在の條件において生産しました場合の生産物が非常に高い場合に、その高いものをそのまま消費者にぶつかけますと、その生産物が高くなつて價格の水準が上る、從つて物價への影響力の大きい産業の生産物につきまして田、この消費者の價格を下げるために補給金が出ておるのであります。從いまして、産業そのものを保護するために補給金を出するとうのではないのでありまして、消費者の價格を下げるために出ておりますので、國際物價の鞘寄せするというためには、そういうような補給金が出なくても競爭力のできるような経済状態になることが望ましいわけであります。これがいつできるかという問題であります。從つて補給金は過渡期の措置でありますので、逐次これは日本の経済力が伸張するに伴つて減少せられると思います。適当な時期にこれは打切らるべきものだと、こういうことになるのであります。
  47. 田村文吉

    ○田村文吉君 分りましたが、私の申上げたいのは、段々かようなものを減らして行つてこそ初めて世界の物價水準に合うことができるのに、段々この金額が事実的には殖えておるのであります。かように政策を一方に採つて置きながら、一方で單一爲替レートによつて世界の物價水準にマッチするようにとお考えになつても、いつになつたらこれはできるか、ますます惡くなるのではないかと、こういう考え方から私はお尋ねいたしておるのであります。
  48. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) その点につきまして田、補給金の單價は逐次減らしておるのであります。今度生産者價格を下げておりまするが、これは結局補給金單価を下げておるのであります。ただ絶対額が殖えておりますが、これは数量が殖える関係によるのであります。今お説のように、段々單價は下げて参ります。
  49. 田村文吉

    ○田村文吉君 成る程今度は一割二分ばかりお下げになりました。お下げになりましたが、先刻私が御説明申上げましたように、いろいろの形において、昔は内地だけの石炭、内地だけの銑鉄でやつておりましたからその補助金というものは少かつた。今度どういう御都合か知らないか、外國から持つて來る石炭に対しても、外國から持つて來る銑鉄に対しても、いろいろの方面で交付金が多くなるのでありますから、実質的においては一トン当りの助成金というものは非常に大きくなる、そのことをどう御説明になるか。
  50. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) その点も同じでありまして、いろいろ日本の現在の物價の水準を成るべく動かさないという大方針を採ります限り、輸入して來るものの價格が高くなりました場合にはこれは動くことになるのであります。從いましてこの現在の水準を維持するという方針から、輸入補給金も物價に大きな影響を與えるものに出る、こういうことに相成るわけであります。從いましてこれは日本の今後の経済力が伸展するに伴つて逐次減少せしめるということを企図せざるを得ない立場にあるわけであります。
  51. 田村文吉

    ○田村文吉君 今鉄鋼で例え申上げたのでありまするが、鉄鋼の中で約四十万トンの搬出をなさる御計画に伺つております。そこで私はお尋ねいたしたいのでありまするが、今日の國際場裡において、ダンピング的に國内から補助金を出して海外に輸出するというようなこと田、望ましからざることとして世界の受入れない問題だと思うのであります。そういう点から考えますると、これは態のよい、輸入に対して奨励金をやるけれども、輸出に対する一種の奨励金を俗けると同じ結果に相成ると思うのであります。この点はどうお考えになりますか。  併せてお伺いいたしたいのは、今の鋼材の四十万トンは如何なる價格を以て輸出なさる御計画でありますか。これも併せて一つ伺いたい。
  52. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) 輸出いたしまするところの鋼材につきましては、價格調整補給金は出さない方針であります。
  53. 田村文吉

    ○田村文吉君 でありますからどういう値段でお出しになるか、それを伺つているのです。
  54. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) これは生産者價格を基礎にして出します。
  55. 田村文吉

    ○田村文吉君 そういたしますると、外國から入るものはいろいろの補助金をくれて出すときには非常に損をして出す。こういうことに相成つて参るように思いまするが、その点如何ですか。
  56. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) 別に出すものには補助金を出さないのであります。從つて損にはならんと思いますが……
  57. 田村文吉

    ○田村文吉君 その問題はそのくらいにいたしまして、長官にお尋ねいたしたいのでありますが……
  58. 黒川武雄

    ○委員長(黒川武雄君) 農林大臣の質問を、ちよつと二人ばかりありますので、それから安本長官に……農林大臣に対する質問を始めます。
  59. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 第一に食糧問題について農林省のお考えを聞きたいのであります。今度の予算を見て見ますと、食糧の自給、自足といいますか、この確立ということについて、非常に私は落胆失望いたしておるのであります。御承知のように今日すでにアメリカなどの外國から百五十万トン乃至二百万トンの輸入を仰いておるのでありますが、日本の人口は、この前参議院の方でも人口問題を、誰か……帆足さんでありましたか、論じておりましたが、二十二年の臨時國勢調査で、七千百十万でありましたか、その後引揚者も非常に殖えて参りますし、現在では八千万ばかりであります。年一年と人口は増加いたしております。百五十万乃至二百万も増加をするだろうと思います。そういたしますと、今後十四、五年たてば一億に垂んとするか、或いは突破するというような状態になろうと思うのであります。農林省の農林政策について考えて見ますと、何らこの食糧問題に対する百年の大計ということについての、根本策が取られておらないように、私は非常に心配をいたしておるのであります。これは私だけではありません。國民全体としてこれに非常に大きな関心を持つておるのでありますが、第一、農林大臣に対して、この点を一つ、一應はつきりお伺いして置きたい。
  60. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 岩男議員にお答えいたします。人議と食糧問題ということが、國家といたしまして誠に重大な問題であるのであります。限りある國土に限りなく殖えて行く人口を養つて行く、お話の通り年々今日では百六十万の人口が殖えております。一面に産兒制限であるとか、或いは人口調節というような問題も起る程、この人口問題につきましては、國家として関心を持たなければならない重大な問題であります。而も戰爭に負けまして郷土は荒廃し而も四つの島に限られまして、年々百六十万も増加する人口をどうして養つて行くかということを考えるときには、國家として実に重大な問題と考えざるを得ないのであります。私微力にしてこういう大きい問題を解決することに御満足を與える解答ができるかどうか知りませんが、私のこの問題に処して考えておりますることを申上げたいと思うのであります。  日本の各種食糧の増産が果してできるかできないかという問題であります。年々、六百万町歩の水田畑地を持つておりますこの耕地を十二分に耕しつつあるかどうかという一つの問題であります。戰爭以來化学肥料に依存いたしまして、耕土は非常に瘠せております。もはや化学肥料、硫酸アンモニアを施しましてもそう効果を挙げることができない程酸性土壤化している面もあります。こういう瘠せた土地でどうして増産を挙げて行くかという問題でありますが、これは即急の問題としては、或いはその効果を見ることはでき得ないかも知れませんが、私といたしましては有畜農業を採入れまして、そうして土質の改良をやつて行く、又酸性土壤の改良に対しましては化学的措置もありまするが、客土等によりまして土質を改良して行く、又耕種方面、栽培技術方面においては、まだまだ採入れる技術があろうと思うのであります。日本は余りに科学というものを尊重しない今日までの状況でありまするが、この農業生産の上におきましても科学を用いるという点が非常に多いと考えておりまして、農業改良局等にも動員いたしまして、この技術面の惨透を考慮しなければならぬと、かように考えておるのであります。又耕地の拡張でありますが、これは干拓と開懇と土地改良、この三つの面が許されてあります。開懇につきましては戰爭以來失業対策の意味を以ちまして開懇が継続されたのでありますが、その入植條件が不十分でありまして決して成功いたしたとは考えておりません。併し相当の耕地が新らしく設けられたのでありますが、この新らしく設けました耕地をうまく利用するということについては、開拓に相当の体驗を持つものでなければ実際いけないのであります。昨年來満州なり或いはシベリアから引揚げて來ましてこういう開懇事業に体驗を持つ優良な人の入植を見まして、現在で二万五千世帶が入つておりまするが、更に現在待機しておる人もありまするので、この一万世帶を二十四年度においては入植して貰うということもやりまするが、この開懇、開拓がややもすれば行き過ぎまして國土保安を乱すような平地林の用木材を伐採して、そうして耕地に仕向けるというような各地に摩擦が起きております。これは昨年の十二月、農林省といたしましては各府縣に指令を発しまして、そういう摩擦の起らないように國土保安の上にも耕地を守るような注意を拂つておるのでありますが、開懇の方向におきましては当時百五十六万町歩というものが計画されておつたようでありますが、事実さほどの開懇の余地はなかつたと思います。併し今後におきましてはこの開懇というよりむしろ干拓の方に力を入れたらどうかということも考えているのであります。この干拓におきましても、沿岸地方の潮の満干を利用して干拓いたしまするところと、湖沼を干拓いたしまするところの二つの面がありまするが、この海岸線の干拓におきましては余程規模が大きくありまして、又経費も相当掛るのであります。一反歩に六万円から七万円も経費が掛るのでありますが、区域が非常に廣範になつている場所が多いのであります。併し所によりまして実に簡單に干潮を利用して干拓できるところがありますのでこういうような所において耕地を拡める。而も市街地に近いのでありますから今後入植いたします場合におきましても、生活の保障もあり便利でありまするから、こういう方面の改革に力を入れる、又湖沼の干拓におきましては、これは水の溜つておりまするものを引上げて、そうして必要時に水を灌漑すればいいのでありますが、至極簡單に干拓ができますので、こういうふうな方向に力を盡して耕地を殖したい、こういうことを考えておるのであります。これは耕地を拡張する問題でありまするが、更に耕地を開拓しますのと、土質を改良しまして、地力を復活させるという面によつて努力いたしまして、果して年々百六十万の増加率を持つ人口を、どうして養つて行くかということを考えますと、なかなか容易ならざる問題がここに起つて來るのであります。そこで現在私の考えておりますることは、あらゆる力を以てこの増産に努力する、いわゆる科学を取入れ、土地を拡め、そうして土質を改良して、そうして生産の技術を総合的にあらゆる角度から改善いたしまして増産いたしますと共に、輸入食糧をできるだけ防遏して行きたい、この考えを持つのであります。二十四年度の米穀年度において今政府の考えておりますことは、百八十万トンの輸入を懇請すべく予想いたしておるのであります。これは御承知下さる通り、この七月からアメリカの國会が開かれますので、どういう予算か編成されるか、これは未知数であります。百八十万トンの食糧が許可されるかされないか、これも分らない問題であります。もう一つ日本として考えなければならないことは、ひよつとすれば或いはこの海外よりの食糧輸入というものが、どういう環境に置かれるとも分らないということも、一つ考慮に入れて置かなければならないと思うのであります。そうしますと、ますます日本の食糧の前途というものに不安を持たざるを得ないのでありまするが、併しこの間も御承知下さるかも知れませんが、シヤムから五万トンの米が輸入されることになりまして、近く又次々とこういう問題もこちらの要請に應じて貰えるような時期も來ると思いますが、いずれにしましてもそういう意味でなしに自力によつて日本の食糧を確保して行きたい、こういう氣持を以て農政を進めて行きたい、かように考えるのであります。八千万の國民が戰前は一石七升くらいの消費量でありました。幾らか増加いたしておりますが、本当に食べても一石一斗くらいだろうと思いまするが、今二合七勺に規正されておりますが、事実はもつと食うておるのではないかと思うのであります。仮に八千万の國民が一年一石を食べるといたしますれば、丁度八千万石でありまするが、八千万石の米が日本で穫れることがあるだろうか、どうだろうかという問題であります。私は米が少くとも六千五百万石乃至七千万石取れるといたしますれば、後の二、三千万石を外のもので取れば、麦で千二百万石を先ず考える、それから「さつまいも」馬鈴薯、これらの芋類によつて三千万石くらいを予定すれば、一億万石の食糧が得られる。そうすると、先ず現在においては輸入食糧に仰がなくてもいいような計数も出るのでありまするが、直ちに今日の供出制度等の考えから申しまして、尚この制度において改善すべきものがありますので、直ちに輸入食糧をお断りいたしまして、自給自足を樹てるというところまでは進んでおりませんが、私はこういう考え方を以て進めて行きますならば、必らず或る時期には自給自足の途が立つと、こう思うのであります。本年度にはいつかも御報告申上げたかと思いますが、「さつまいも」が折角二十億万貫、三十億万貫取れましても、それを腐らせることが多いのであります。でありまするから、本年は小さい規模でありまするけれども、三千万貫を來年の四、五月頃までこれを貯藏いたしまして、そうして総合的な配給をいたして行きたい、こういうような考えも持つておるのであります。然らば現在の國民は八千万でありますから、それで救える。然らばこの百六十万ずつ殖えて行く人口をどこへ包容するか、これが問題であります。耕土を拡めることはできませんし、人口は未だに移民も許されておりませんが、どうするかという問題であります。私は今日の日本の國土は地力が落ちておりまするけれども、土質を改良して行きますならば一毛田が二毛田になる。二毛作地として見ることができます。或る一定の分量ではあるかも知れませんが、一毛作地を二毛作地にすれば、土地が倍になつたわけであります。そういう方面において土地の利用を高めて行くということと、もう一つはベルギーの例を倣うではありませんが、その増加する人口を今日の農村にかぶされては農村は持つて行けません。農村においては自然農村工業を発達させて余剩労力を利用して農村経営の合理化をする。必ず年々百五、六十万ずつも増加する人口を農村にかぶされては農村はたまつたものではない。そこでこれはベルギーの例に倣うではありませんが、いわゆる軽工業を起して、軽工業によつて輸出品を生産して、そうして食糧を外國より取入れる。これは今の例には少し不向きかも知れませんが、一反歩の桑園を立派に経営いたしますと、十五貫の繭が取れます。その十五貫の繭を生糸としてアメリカに輸出すれば、十五石の麦を海外から取ることができます。一反歩の桑園を如何にこれを栽培いたしましても、麦や「さつまいも」で十五石の食糧を得ることはできないのであります。これを生糸としてアメリカへ輸出すれば十五石の麦が入つて來る。これは一つの例でありますが、この小さい軽工業によつて過剩の人口を包容し、軽工業の力によつて必要なる物資に入れるいうこの途によつて日本は救われるのではないか。移民等のごときも許されませんし、満洲もあの通りでありますから、今残されたのは北海道であります。北海道は満洲の開拓よりもむしろ有望であり、そうして日本の國民としてあの北海道を総合的開拓をいたしまして、北海道に本当に落著いた方法を考えるならば、人口増加の方面にもまだ余地を持つておるのではないか、こういうようなことも考えるのであります。あちらこちらに亘りまして甚だ雜駁な申上げようでありましたが、私はこの食糧問題と増加する人口問題を考えますときに、日本にとつてこれは実に重大な問題であり、この対策につきましては皆樣のいろいろのお智慧をお借りしまして、これはやつて行かなければならないと考えておるのでありますが、目下私の考えておりますことをこういうことを一端ではありますが、申上げさして頂いたわけであります。
  61. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 実に経論、御抱負といいますか、立派なお考えを持つておるようでありますが、併し如何に立派な経論をお持ちでありましても、これを実行しなければこれは一片の作文であります。今の何はこれは農林大臣の一つの作文として承つておるのであります。あなたはそういう立派なお考えを持つておられ、又日本の食糧問題について非常に御心配されておると言われますが、耕地の拡張ということもお説きになりました。土地改良ということもお説きになつた。或いは有畜農業である、或いは高度の科学的技術の導入であるとか、いろいろおつしやいましたが、耕地の拡張の面からちよつとお尋ねいたしますが、土地改良のごときはこれは喫緊の要事であります。緊急を要する問題でありますが、今度の予算面から見まするというと、私は非常に失望いたしておるのであります。尚耕地拡張ということで開拓事業、干拓事業、干拓事業に例を取つてお尋ねいたしますが、全國でいえば今……私は大分縣でありますが、大分縣でもやつてこれは問題になつておるのであります。全國で只今九十ケ所の干拓事業をやつておられる。工事を始めて一年。二年、三年になると潮留をやる。私の大分縣の関係は潮留をやる時期に到達しておるのでありますが、それが全然放置されるというような、状態になつております。それはそうでございましよう。少くとも今の九十ケ所の干拓事業を電氣計画でやると二十五億乃至三十億要る。この予算面では約八億であります。約七割というものは、何といいますか、着工前に還つてしまうのである。これは開拓事業ならば草が生える程度か知れないが、干拓というものは海の水を相手の工事でありますから、これを中止いたしますというと、着工前の状態に還つてしまうのであります。つぎ込んだ経費というものは水泡に帰してしまうということになりますが、積極的には耕地の拡張、これに非常に重大関心を以て食糧問題の解決をやると農林大臣のおつしやられることと、非常にそこに相反するものがある。この点をどういうふうにお考えになつておりますかお尋ねいたします。土地改良と両方を言つて下さい。
  62. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 食糧問題についての御質問でありましたので、私は食糧問題について甚だつまらん考えであるけれども申上げたのであります。然らば本年の予算の上において、何らその考え方が出ておらんじやないか、殊に土地改良の如きは、都道府縣の事業以外においては打切つておるのではないか、こういう御質問と思いますが、特に干拓なんかは九十ケ所を二十三ケ所に切りつめておるのではないか、お前の言うことは全く予算面と違うのではないか、こういう御質問でありますが、私は食糧問題についてどう考えておるかというお尋ねでありましたので、一應私の卑見を申上げたのでありまして、(笑声)その卑見を何故予算の上に盛らないかという重ねての御質問であります。私は例えば干拓の問題につきましても、九十ケ所の予定計画をやりたい。これは年々継続している仕事もあります、新規のものもありますし、これをやる場合には、凡そこのくらいの金が要るのだ、これだけなければこれはできないというて、予算編成については努力をいたしたのでありまするが、四囲の事情で、どうしてもこの予算を削減しなければならない、縮めなければならないというような事情に置かれまして、そうして余儀なくこれは切捨てざるを得なかつた。併し私はどうしても土地改良の場合は民間事業としてはこれをでき得ないところもありますので、何らかの方法を以てこれを復活いたしまして、そうして当初計画いたしましたことの全部は行かなくても、急ぐものは是非ともこれはやつて行きたい、そんならいつどうしてやるかということになりましても、それはいつやるということは私には言えませんけれども、私はそういう氣持を持つてこの予算に対する考え方を持つておるのであります。さよう御了承をお願いいたしたいと思います。
  63. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 なかなか関心を以て大臣が努力されておるということについては、私は敬意を表するものであります。実は私共食糧問題に非常に関心を持つておる参議院といたしましては、これはここで発表してよいかどうか知りませんが、ここに二三日の中に食糧増産の決議案を出して、一つ農林大臣の仕事のしよいようにして上げようと思つておりますが、どうぞ一つ時期は明らかでなくてもよいですが、私の今のお尋ねいたしたことについて、必ず本年度に実現化するように御努力願いたい。実は大臣、この二三日前の新聞に、これはあなたの方の御調査でありますが、非常に耕地の狹い零細農業をやつておる日本で、不思議なことには耕作を放棄しておるところの者が百姓の中にだんだん殖えて來た、現に五千数百町歩耕作を放棄しておる、その中で三千数百町歩というものは荒廃してしまつて利用價値がなくなつておる。これについて何か農林行政について欠点があるのではないかと思いますが、如何ですか。
  64. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) そういう事情が、全國的ではありませんで、局部的なことでありまするが、相当数ある。詳しい数字は今持つておりませんが、折角自作農になりながら、自作農を放棄して行くというような現象が現われておることを聞いておるのであります。その原因がいずれにあるやという問題でありまするが、見方によりまして、又言う人によりましては、農業に対して非常な税金を課けるからだ、或は農作物が安いからとても引合わないと、こういうふうなことで放棄されるのである、こういうようなことも承つたのでありまするが、私はつぶさに、どういう原因によつてそういうことが現われましたか、その事情をよく聞き質しておらんのでありますが、せつかく農地調整法によりまして自作農を作つて、その自作農が一年か二年経つか経たないのに放棄するということについては、余程ここに重大な原因があると思います。これはよく私は調査いたしまして対処しなければならんと思うのでありますが、私の縣においても、何か五十町歩放棄したというのが新聞に出まして、調査したら、それは一つのデマであつたように聞いておりましたが、埼玉縣等においては事実あるように承わつておるのであります。これは私は、今日の農村の農業生産に対しての氣持が、甚だよろしくないのではないかと思うのであります。ということは、農地解放をいたしましたのは、生産力を上げる、今までのような封建的な地主制度の下の小作階級であつたのでは、いつまでやつてもいつまでやつても小作階級として搾取せられて、自主独立の氣持が起つて來ない。眞に耕地に愛する氣持も起つて來ない。ここで地主となり自作農となつて、長い間希望しておつたところの土地を自分の土地としたという、この喜びで生産意欲に燃え、土地と生死を共にするという氣持で土地を愛して呉れる。そこに生産力が上つて來るのだ。こういう氣持がその中には含まれてあつたし、又含ませなければならないと私は考えておつたのであります。然るに、せつかく小作から自作農になりながら、その耕地を棄てて他へ転向するということは、他にいい仕事が発見されたのかも知れませんけれども、私はここに農業に対する收支計算、いろいろそこに欠陷をはつきり認めなければならんと思うのであります。それで農業に対する課税の問題につきましても、できるだけこれを合理的に処置いたしまして、納得の行く課税にしなければならない。又農業物價にしましても、他の物價に比較して安いというような氣持を以て考えてはいけない。どこまでも適正な價格にこれを維持しなければならないし、又工業方面から受けるところの資材についても、できるだけこれを農民の納得の行く價格において資材を提供せしめなければならん。こういうようなことを考えるのでありますが、どういう原因で放棄されたかということは、ここに私も一つ考えなければならんことは、近く小作料の調整をいたしたいという研究を今進めております。小作料を上げるということは、非常に農民としては反対である。こういうことを私は聞いておるのでありますが、近く地方財政委員会におきまして、地租を百分の二百から百分の五百に上げざるを得ないというような案ができておるような状態でありまして、現在の賃貸價格は、米が一石二十円五十銭のときに定まつたのでありまするが、農地改革の段階でありましたので、七十五円という一石当りの價格を以て小作料を決めたために、現在私の知つておる範囲におきましても、自作農にならないで、やつぱり小作農家でいて、石七十五円の小作料を拂つてさえおればいいんだ、こういうような氣持を今日農村に間々私は見受けるのであります。これではとても、昔のいわゆる小作階級として、飽くまで土地を愛着しないという氣持になりましては、日本の食糧増産においても重大な問題でありますので、どうかしてこの土地は自分のものとしてどこまでも愛護して行かなければならないというこの氣持を持たす、そうして日本の農業は家族労力で行く農業でありますが、この家族労力というものは常に変転するものでありまするから、やはり土地というものに執着をいたしまして、小作制度というものを設けて置く必要があるのではないかというようなことも考えるのであります。地方的にいろいろ事情もありましようが、こういうことが事実現われました以上は、政府といたしましては、その原因をよく質しまして、十分なる処置を加えて、折各自作農をどこまでも維持して行くように考えて行きたい、かように考えておる次第であります。
  65. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 次にお尋ねしたい問題は、輸入食糧に関する問題でありますが、輸入食糧に対しては、お互い國民の負担から出ますところの二千二十億でありますが、この價格調整費がこれらに大分補助いたしまして、消費者には輸入價格よりも安う配給してやる、こういうことになるのでありますが、ちよつとここでおもしろい問題は、この二千二十億というこの價格補給金、この税でありますが、約國民の半分の農民がやはりこの税を出しておるので、ところが御承知のように農民は自分で作つたものを自分で食べる、それでこの恩惠を蒙りません。消費者價格はこの恩惠を蒙りません。併し負担は限界に達しておるところの農村課税、これは非常に限界に達しておりますが相当の負担を出しておる。このことでありますが、この点について、甚だ私は百姓そのものから見れば非常に不平があると思いますが、大臣はどうお考えになりますか。
  66. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) これはガリレオ物資の値段の関係から一應、一應でありません、そういうふうな結論が出ますので、つまり実際日本はアメリカへ金はやらんのだが、金はやつたという形において日本の農産物と同じ水準に定めて、それから爲替関係の場合、一般の方に使つておる今度千七百五十億万円というものが、表へも出て來ましたのもその金でありますが、結局そうしますと、日本の農業者が自分のものが上るものを抑えられておつて、そうして國民のために上げられずに犧牲になつておる、こういう結論に着くわけなのであります。併しこれを外國の輸入物の公定價格まで日本の農産物を上げるということにいたしますれば、とてもえらい問題になりまして、まあ賃金とか生活費とかいうようなことになつて参ると思いまするが、これは非常に農村の人に対して、いわゆる玩具であるとかいうような、ああいうふうなものは輸出しましてもそういう問題は起つて來ませんけれども、こういう輸入食糧に対しては、非常な犠牲をまあ理論的に農民が負担しておる、こういう結論になりますので、農民に対してはできるだけ農産物價を上げて行きたいという氣持で、このパリテイー計算によりまして、今定められておる百四十二・三ですか、その價格によつて農産物を維持すると同時に、できるだけ肥料なり農機具なり医療品、そういうふうなものを安く農村の方へ廻して行くということによつて行くより途がないのではないか、かようなことを考えておるわけであります。
  67. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 私はそれはそういう報奬物資、安い報奬物資を分けて貰うことは非常にいいことですが、農業パリティー、農産物價が決まりますね、その時分に更にこれを加味して、その上に値段を決めちやどうかということを考えております。これはどうかパリテイーだけによらずに、この問題だけを加味する。
  68. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) これはお話のようなことも考えなければならんと思うのでありますが、このパリテイーにいたしましても、或るレートを予想してのパリテイーでありまして、本当のパリテイーではないのでありますが、その氣持によりまして、この米價、今日発表いたしましたのは消費者價格でありまするが、生産者價格につきましては、この氣持でバツク・レートとしてこれを計算し、來る六月に米價を生産者の價格を決めますときでも、そのときにパリテーによつて決めて行く、消費者價格は一ケ年間動かさないという程度で決めたわけでありますが、生産者價格はその折のパリテー指数を價格で決めて、さように決めて行きたいと、これより外に途がないと思うておるのであります。
  69. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 次の問題は米麦その他の農産物の供出の問題でありますが、実は私も大分縣でありますが、大分縣ばかりではありません。今年の收穫期に近寄つて思わざる災害、病虫害に非常に米でありますが、減收を來したので、どうも私の縣では漸く三月三十一日供出を完了したという新聞を昨日見たのでありますが、非常に町村長あたりが困つたのであります。或いは農業團体の代表者あたりは非常に困つたのであります。というのは転落農家が或る町村のごときは半分以上出まして、そこでこの点を保償して呉れれば必ず出すと、その保償の点を申上げますが、転落するとあと配給を受けんならん、ところがその配給價格と生産者價格がそこに開きがございまますが、御承知の通りであります。安う出して今度転落すれば政府から拂下げを受けて配給を受けまして高い米の値段になるのであります。この問題については保償金を貰いたいとこれが解決できさへすれば、町村長や農業團体の代表者は供出を強要することができる、それも聞くところによるというと食管の長官に対して、食糧管理局長官に対しても再参前から要請しておる、近く何とか解決するというけれども、半年、一年もそのままになつておる、大臣はどういうふうに考えておるか。
  70. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) 還元配給に対する問題でありますが、これは普通の消費者價格と違いまして、その農業倉庫に保管しました保管料、手数料だけを貰つて還元いたしておるのであります。公團の手数料は入つておらないのであります。併しこの還元配給ということが果していいかどうかということを、私は現在の供出制度がそういう還元せなければならん人まで、その供出せしめる説であります。私はそういうふうなことを繰返しているということが、今日の供出制度の更正しなけれどならん点の一つではないかとかように考えておるのでありますが、今御質問のこの價格は御承知の通り政府の手数料だけであつて、公團の手数料だけは除いてありますが、政府の手数料だけはこれは止むを得ないとかように考えておるわけであります。
  71. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 止むを得んと言えばそれまでのことでありますが、これはこのために供出が非常に阻害されておるのであります。この点は転落農家とか、或いは還元配給はあり得ない、そうしたことはないといつても現実そういうことをやつております。理論としてはこんなことは分るのであります。自分の食うものを出して政府の配給を貰うこれは馬鹿々々しいのであります。これは少し相当にお考えにならんというと今年は済んだかも知れませんが、來年繰返せば恐らく百姓は供出はせんと思うのであります。  次にもう一つこれは二、三日前何といいますか、食糧管理法の臨時措置法の一部改正が新聞に出ておりましたが、これによりますと実に滑稽なことがある、この役人が机上で立てる案でありまするが、成る程東京の郊外でも、戰災地の燒跡でも小麦を作つたり大麥を作つたりしております。今までは大目に見ておつたのを大分この一部改正によつて、一畝作る二畝作る僅かな零細な耕作をやつておる者、その者に対してもそのでき高だけは配給を減ずるということ、そういうことをやるそうでありますが、実際これをおやりになるつもりでありますか。
  72. 森幸太郎

    ○國務大臣(森幸太郎君) これは連合軍の方より幽霊配給をいたして、一体日本はアメリカから食糧を貰いながら幽霊配給をしておるではないか、そういうふうなことをやつておるようなことでは、この食糧輸入もいつ杜絶するかも知れない、こういうような氣持で速かに幽霊人口を調査して、嚴密なる配給をやれ、こういう指令に基きまして、臨時措置法の一部を改正する法案を考えたのであります。而も今お話のような僅か一畝や、二畝のものまでもこれを準配給者として認めることは滑稽ではないかというお話でありますが、これは農村の実際におきますと、一畝、二畝の馬鈴薯を作つておる者もこれは供出の対象になつております。從來は配給が窮屈なために、こういう燒跡の自周栽培に対しては、これは調査も不可能であり、そのままに経過しておつたのでありまするが、この度の注意書によりますれば、これは農村と同一、一様な立場において食糧生産等を考えて、一應同じにこれを考えて行くことと御承知を願いたいのであります。
  73. 岩男仁藏

    ○岩男仁藏君 御注意がありましたからちよつと申上げます。これは大臣の理窟はいいのです。机の上でこれはなかなか理論的に公平な話でありますが、結果はこれは非常に惡いと思うんです。恐らく一畝、二畝の僅かなこれだけのものを、小麦なら小麦を穫りますね。ところがこの分だけ二斗できた三斗できた、五斗できた、その分だけを配給を減ぜられるということになれば、恐らく麦を作る者は私はないと思うんです。作物を転換いたします。結局二合七勺じや足りません。足らんからこれを三合でも四合でも食べなければならんわけでありますが、これが転換をして野菜、その他の供出の対象にならん作物に変つて來る、二合七勺で満足している家はありませんよ、皆んな闇で横流れて以て補給しておるのでありますが、こういうことをやつたために、恐らく來年はこれを励行すれば、來年は非常に莫大な闇、米麦の闇、これが横行するということを御承知でありますか、私はそれを心配いたしておるのであります。以上で打切ります。
  74. 黒川武雄

    ○委員長(黒川武雄君) 田村委員の安本長官に対する質問を継続いたします。
  75. 田村文吉

    ○田村文吉君 簡單に安本長官に問題をまとめてお伺いいたします。この間の本会議で政務次官からの御答弁でございまして、價格差納付金は正常なる所有量以外のものに止めて、正常量以内の量のものに対しては、十分に考慮されるかのようなお話があつたのでありますが、この機会に大臣からはつきりと承われれば結構であります。
  76. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答え申上げます。田村さんから折角お尋ねになりましたが、この問題は我々もまだその決定をいたしておりませんので、只今研究中でございますが、是非さようにしたいという考えで研究をいたしておるわけでございます。
  77. 田村文吉

    ○田村文吉君 了承いたしました。是非さようなふうに取計らわれるように希望申上げる次第であります。  それから公定價格の決定法が、從來余りに官だけでお決めになるような形で、非常に一般の業者としては不本意な点があるのでありますが、この点について何か御改革頂けますような点がありますかどうか。
  78. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答え申上げます。御承知の通りに、これは私共の方の安定本部といたしましては、大体実際面でいろいろ仕事をしておられる方面の方をも、これらの決定に当りましては、いろいろと御意見を伺うようにいたしております。そういう大体組織になつておりまするので、尚將來ともそういう点で欠けておる点は考えたいと存じまするが、今までのところでは、実際の業態をも考慮されておる、こういうことでやつて参つておるのでございます。
  79. 田村文吉

    ○田村文吉君 現在の公定價格をお決めになりました價格というものは、昭和九年、十一年の基準年度における價格というものは、その当時の價格は、世界の物價水準に伴つてできておるのでありますが、それに比べますと、先刻來御説明いたしましたように、鉄や鋼材というものは三百倍以上になつております。それから石炭も三百倍になつておる。食糧品は百六十五倍程度に止つておる。その他の物價表を見ると、非常の凸凹が多いのであります。例えば硫化鉄鋼のごときは八十倍、鉄鋼石は百十五倍というような非常にこれは凸凹が多いのでありまして、この單一爲替が行われるという際にこそ最もいい機会でありますから、どうしても修正をなさらなければならないのではないか、この点についてどうお考えになつておりますか。
  80. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答え申上げます。お説誠に御尤もなことだと存じまするが、御承知の通り、我が日本の経済は、これまでいわば外國の價格、即ち國際價格というものとは全く絶縁しておつたような状態でありますので、この機会に國際價格に鞘寄せして行くという方向を取つて参りますので、その点も尚考えては参りますが、今のところその凸凹というような点について勿論考えても参りますけれども、尚それを全体的にどうするかということについては、尚研究中に属しておる次第でございます。
  81. 田村文吉

    ○田村文吉君 丁度今日大藏大臣もお見えになつておられますので、私の本当に申上げたいことを申上げて御意見を承わりたいのは実はその点なんでありますが、今度ドツジ・ラインによりまして非常に均衡の取れた、安定を得た予算ができたということは、私共非常に喜ばしいことに存じておりまするし、これが一年でも早く、二年でも早くできたならばということを実に痛切に感じておりまするので、このドツジ・ラインにおける大藏大臣及び安本長官の御苦心の程もお察しするのでありますが、最後に何にぶつかるかと申しますと、國民の負担を何とかして軽減する方法はないかということにあるかと思うのでありますが、その場合に、國民の負担を軽減する財源として持つて行こうと考えられることは、一部の、一部ではない大部分の消費者の負担を多くならないようにするために全國民が、いわゆる今日で言えば血税とも称するようなものを拂つておるのであるから、何とかしてこの價格調整費というようなものは止めたい、その費用があるならば、國民の負担を軽減してやりたい、こういうことに恐らくは安本長官も、大藏大臣のお考えも違わないのだ、こう私は推測しておるのでありますが、ただその場合において、物價が上る、物價が上るから、それはインフレを促進する虞れがあるのでいけない、こういう観点から物價の問題にお触れにならず、從つて價格調整費というものが二千億のものが出て來た。こういう点に今度の問題の悩みがあると考えるのでありまするが、すでに物價自体が今も安本長官の言われる通り、それはもう非常にでこぼこで、もう失礼ですが、なつていない物價の情勢なんであります。これはこの際当然改正なさらなければならない。今日問題があつてもなくてもなさらなければならないような状態になつておりますことと、官業だけが自主独立採算をやつて、民業は独立採算をやらなくてもいいんだ。民業だけは損が行けば、幾らでも金を貸してやる、こういうような考え方が、果して今後の自主的の日本を作り上げて行く上からいつて、許さるべき考え方ではない。こういう点から考えて参りますると、どうしても、或る程度まで物價は改正して、そうして調整金というものは止めて、それによつて國民の負担を軽くすると、こういうところに私は最後に結論が行かざるを得ない。又殊に單一爲替を今後実施しまして、日本の國民の自主性を拡大して行くという点からいつたらば、どうしてもそこに來なければならないのだが、ただ價格を改正するという点についての、大藏大臣及び安本長官のお悩みがどうしてもこういう無理な不自然な形に出て來ているんだと、こう考えるのでありまするが、併し要申したように、物價というものは当然もう変えなければならないものが沢山あるのであります。現にパリテイ計算の関係上米價は一割五分上る、或いは又自主採算のために鉄道の旅客賃を上げると、こういうようなことが次々行われざるを得ないようになつておるのでありまするから、今日思い切つてこの價格調整金というものは止めて、そうして價格は上るがままに日本の姿を現わして、そうして日本の皆が努力して、できるだけ世界物價水準に伴つて、そうして商賣ができて行くと、こういうふうにすべきではないか。これが即ち本当の意味におけるドツジ・ラインを引いて行く問題ではないかとこう私は考えるのでありまするので、この点を長官及び大藏大臣からお考えを承わることができ得ますれば、大変幸せに考えるのであります。
  82. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 簡單にお答えを申上げます。只今のお説は私共の究極的に考えておる一つの途ではございますが、御承知の通りこれまで戰後引続いて統制経済を行つて参りました。從つてこの統制という立場から申しますれば、御承知の通りに物價問題、特に物價を維持するために或る程度の補給金を用意しなければならんということは、これは一つの当然の行き方でございます。併しながら我々はこういう状態をいつまでも続けて、そうしてそれが適当にこの國内の物價を維持し得ないというところには、いろいろとそこに欠点があり、統制経済そのものの一つの考え方、或いはその実行の面において欠陷があるということを見逃すことができないのでありまして、これを段々改めて参りますその一つのプロセスとして、我々は今日のこの補給金を用意しなければならんということであります。併しながら今年度におきまして、この多額の補給金をできることならば日本経済の自立の線に副いまして、できるだけこれを節約して、そうしてその本來の目的に副わしめ、而もそれを更にできるならば國民大衆の税の軽減に充てる。例えば所得税の軽減に充てるとか、そういうことができますならば、我々は非常に幸いだと考えておるものであります。又そういうためにも大いに努力をいたしたいと考えておるのであります。要するに我々はこの價格の調整金、補給金というようなものを將來なくして、そうして日本経済の自立を達成いたしたいと、こう究極に対しては考えておる次第でございます。
  83. 田村文吉

    ○田村文吉君 大藏大臣から御所見を承われば……
  84. 池田勇人

    ○國務大臣(池田勇人君) お話の点、誠に御尤もでございまして、私の財政経済に対する基本観念も御説の通りでございます。経過的に申しますると、私は大体日本の今の経済は温室経済と考えております。而もその温室の空氣たるや、今までの財政インフレによりまして、ますます世界経済とかけ雜れつつあるのでございます。而も陽の廻りが所々に違つておりまして、物價はお話の通りに出たらめとは申しませんが、非常な不均衡な状態です。これを何とか直して行く、このためには先ず第一に財政インフレを止めなければいかんということで、財政インフレを止めました。而して又財政インフレを止めた場合におきましても、或る程度物價に手を加えて、そうして補給金を少くしよう。一般物價は動かせませんが、特定の物價につきましては或る程度変えて行く、そうして基礎物資につきましても二次、三次製品に移り変わるときに及ぼす影響につきまして、檢討を加えてやりたいと思つておつたのであります。  何と申しましても、只今は物價を動かすということは、労働問題その他で非常な大きな問題でございますから、財政インフレを止めて、一應安定をして、そうして徐ろに世界市場との繋りを持つ。こういう考え方で進むことにいたしたのであります。先程來農産物の價格が非常に外國市場と比べて安い、農民の負担になるという御議論もありました。併し又石炭におきましても、今の値段にいたしますと、運賃その他の関係で相当高いものについております。これは全体の物價の問題でございます。私は適当な時期を見まして、個々の物價について檢討を加えて行きたい。これがいわゆる補給金を或る程度減らして行くという考え方の元であります。御説誠に御尤もで、我々もそういう線に副つて、どういう時にどういうところから始めて行こうかというのが問題でございます。今後十分その線に副つて行きたいと考えております。
  85. 田村文吉

    ○田村文吉君 十分御趣旨のあるところも分りましたが、今我々が申しておりまする價格の改訂を、輸入物資に比例を取つてすぐやるという考え方では無論ないので、それも御承知と思いますが、食糧が百六十五倍のものが、まだもつと上げないと外國の輸入物資に合わないという点とか、或いは石炭の今の例もありましたが、その通りで、外國から入つて参りますと、一トンが五千何百円になりますから、内地の物價に比べるとまだ高い。こういう点を私は申すのではありませんが、非常に御趣意のように物價が乱高下しておる。どうせこれはお直しにならなければならんのだから、この際に一つ調整費というものを、全部ができなければ半分でも減らして、そうして先ず自立経済に行くように行くべきではないか。官業が独立採算制を言いながら何故民業が独立採算制を言われないか、こういう点が私共の納得行きません点で、成いは関係筋方面と、その点からも御苦労であるとは私は考えるのでありますが、この点は十分に一つ説明すべき資料が実は山ほどあるのであります。でありまするからこういう点を説明してよく納得して貰い、早く今日の、もう実に歩くこともできないように重くなつておる税金を、何とかして軽減してやるということが、今日八千万の民衆が皆希つておる問題なのであります。そこで私は調整金について二千億からの調整金を出して、先刻大藏大臣はおいでなかつたですが、銑鉄に対しては実にいろいろの調整金を加えますと、戰前の六百倍になつておる。六百倍の値段にまでなるのであります。こういう無理な不自然なことをいつまでも継続するということは、少しも世界の物價水準に近付くという方法でなく、遠くなる方法をやつていらつしやる、こういう点が私共非常に不安に考える。二千億の物價調整費というものを若し八十円の米を五十円で國民全体に分けてやるという方がどのくらい公平的であつて、全般の民衆が潤うか分らない。そういう方面に使われるというならば、そこに一つの理窟はあるのであります。唯実は鋼材ならば我々國民にとつては鉄瓶が少く高くなる、火箸が一本高くなる、こういうことでいろいろ変つては來るでしようが、大衆には了解できない。二千億の金を出して自分たちの鉄瓶が少し高くなる、それが何か。実はそんなものは高くならない、皆吸收されてしまう。八千万の人にはその氣持が分らない、こういう点を私は特に注意を喚起いたしまして、最後に私は大藏大臣に伺つて置きたいのですが、この價格調整金を予算に組んで置きました場合に、期の途中でこれを廃止することができますかどうか、この点をちよつとお伺いして置きたい。又必要とあればいつでも廃止すると考えていられますかどうかをお伺いして置きたい。
  86. 池田勇人

    ○國務大臣(池田勇人君) 價格補給金につきまして御意見を承わりまして、至極同感でございます。補給金につきましては、いろいろな問題がありますが、例えば鉄道会計の赤字のために税を徴收しているけれども、これが財政的にいい考え方かどうか、こう申しますと私は余り賛成したものじやない。こういうことから考えますと、肥料につきましては、一千二百億円の中に百七十四億円肥料がございます。又輸入物資の補給金の中にも数十億円の肥料がある。そうすると肥料の補給金の二百億あまりのものを廃めて、そうして硫安ならば一反当り五貫目であるといたしましても、反当り二石程度の收穫といたしますと、米價にはあまり響かない。米價を二百円程度上げて、そうして税金を二百億も少くするのが、私は財政当局としてその方がいい、こういう考え方を持つているのでありまするから、將來物價の問題と兼合して考えて行きたいと思います。  それから又今の鉄とか、石炭等につきましては、私はまだ企業の経営につきまして、檢討を加えて行けば相当減らし得る余地があると考えております。二十三年度におきましても、増産によりまして、そのまま從來通りのトン当りの補給金をやつて行きますと、それが労賃に転化して、惡い結果を及ぼす点が見受けられますので、そういうような企業自体の情況を調べまして、或る程度減らし、又集中生産と申しますと何でございますが、高能率の会社に多量の生産をさして行く方が我々の考えと合つておるのであります。この千二百億につきましては、十分今後実行上考慮檢討を加えて行きたいと考えております。これが減りました場合に、一トン当りの補給金を減すということは当然できると思います。減らした金額をどうするかということになりますと、予算の組替になりまするから、國会の承認を得ることになると思うのであります。或る特定の品目について全部やめるということにつきましては、その與える影響を十分考えなければなりませんから、今直ちにそういう全部廃める場合があるかないか申上げることはできませんが、できるだけ少くするように努力するということをはつきり申上げて差支えございません。
  87. 田村文吉

    ○田村文吉君 伺いたいのは廃められますかどうかということなんです。法的には何ですが、徳義的にも補給金をやつて、そうして或る一つの産業に期の半ばになつて、もう値段を上げてやる、上げてやるから今度補助金をやめる、こういうことは自由におできになる考えでいられますかどうか。
  88. 池田勇人

    ○國務大臣(池田勇人君) トン当りの分につきまして、経理情況によりまして減らすことはできると思います。もつと極端にいえば補給金をやらなくてもいいというふうな場合につきましては、私はできないことはないと考えております。
  89. 田村文吉

    ○田村文吉君 そういたしますと、二千億の予算は組んだけれども、物價の改訂等が許されてする場合に、これを全部廃めてもそれはそのときで差支ないとこう考えて、了承してよいのですか。
  90. 池田勇人

    ○國務大臣(池田勇人君) 全廃めるというようなことはちよつといかんのではないかと考えておりますが、減らすということはあり得ると思つております。それから又八百三十三億円の輸入物資の補給金につきましても、輸入の数量によつて動きますし、それから千二億の國内安定帶物資につきましても生産の状況、経理の状況について変え得ると考えております。
  91. 田村文吉

    ○田村文吉君 誠に時間をとつてすみませんが、安本長官に簡單な問題を一つ……度々私は主張して参つたのでありますが、電力と石炭の價格に地域差をおつけになることは私は至当であると考えておるのでありますが、長官はこの点についてどうお考えになつておりますか。例えば九州で使う石炭の値段も、東京で使う石炭の値段も同一であるということは不合理だと思う。電力も途中に非常にロスがある場合にも拘わらず山の中に電力料金と、東京大阪で使う電力料金と同じであるということは不合理だ、こういうことを考えておりまして、しばしば御当局のお系の方々はそれは尤もであつて、他日價格改訂の場合には調整すべきであると自分も考えると、こういう個人的な意見は沢山官廳から伺つておりましたのですが、長官はこれについてどのようにお考えになりますか。
  92. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。只今の御説、その地域差ということは一應尤もだと私は存じます。併し電力については尚我々としても十分研究を遂げたいと存じます。
  93. 帆足計

    ○帆足計君 私のお尋ねしたいことは只今田村委員がほぼ一々の條項に触れましてお尋ねがありましたから、時間の節約の関係から更に確めたい点だけお尋ねいたします。物價体系につきましては、私は只今の田村委員と全く見当を同じくしておりまして、これは前の和田安本長官のとりました安定帶が殆んど完膚なきまで壞れてしまいました後でありましたので、九原則を前進させる足場としては壞れ方の程度がひどいように考えますので、余程考うべき問題であると思いますが、まずさつき田村委員からお尋ねしました價格差益金の問題ですが、更に先般配工省の方に確めましたところ、どうも大藏省の方がまだ問題があつてもやもやしているというお話のようでありましたので、丁度両大臣がいらつしやいますからお尋ねするわけですが、價格差益金の納付金の問題ですが、今年度の予算には前年度の繰越の分だけが繰込まれているとのことでありますが、若し物價改訂がありましたときには、やはりもくもく起きてきて、又取られるのではないかというような業界は非常に恐怖しているのでありますが、安本政務次官の中川さんが整日本会議で解決するように、正常なあり方にするために考究中であるというお話でありましたけれども、從來の例で見ますと、考究中ということで又一年経つてしますというのが始終慣例のようでありますので、この考究中ということは、まあ司令部の方面で異議があれば別でありますが、安本長官の政治的責任においてこの惡性納付金はこの辺でお切上げになるということをはつきり言つて頂きたい。これが第一のお願いであります。  第二に先程の物價審議会の問題ですけれども、この問題も只今安本長官は少し曖昧なお答えをなさいましたけれども、先般の本会議ではつきり中川さんから今の爲替審議会が解消した後には物價審議会のごときものを作るべく考究中であるというはつきりした御答弁を伺つたわけであります。私共はそれを信じて、待望しているわけですが、今の物價決定程独善的なものはないわけでありまして、産業の魂に関するこの重要な問題が、官廳だけの決定で行われておりまして……詳細はいろいろな欠陷はすでに今行政管理部の方で観察いたしておりますから、その結果は政府当局の方にはお分りでありましようけれども、私共は審議会の外に更に不当なマル公に対して抗弁し得る機会を與えて頂きたい、これはアメリカあたりではもう必ず抗弁機関というものはつきものでありますから、司令部の了解を得られることも私は確実であると思いますし、又憲法にも不当な損害を政府によつて與えられたときは、國民はこれに対島て請願することができるということも規定してあるくらいでありますから、審議機関と、それから抗弁機関と二つ設置して頂きたい。これも研究中というようなことでなくして、至急研究して、そして近く実行する、こういう答弁をはつきりして頂きたいと思います。  それから第三に只今の價格の形成につきましては、物價審議会ができますれば、我々も言いたいことは山程ありますから、その節申述べますが、取敢ずとしまして、この労賃が大体三千六本円ベースのときの労賃で、マル公ができているものが多いと思いますると、又中には六千円ベースくらいでちやんと組まれているものもある、というようなわけでありまして、まちまちでありまして、こういう点もどういうふうにお考えになつておりますか。將來直して頂きたい、更に一番重要な問題は、只今田村委員の指摘されましたように、企業の自立ということが今後一番やはり重要な問題だらうと思います。そうしますると、今は過渡期でありますから、まあ困難でありますけれども、御承知のように減價償却が殆んどできていない、ように税金がどんどん課かつて來るという状況でありますので、この問題につきましては、昨日木村委員からも、安本長官にお尋ねしたのでありまするけれども、まあこの問題の一番の責任の大臣はむしろ大藏大臣であられますので、どうも我々の納得の行く御答弁が安本長官から得られなかつたわけでありますけれども、これは先般税制審議会で案ができまして、その後二、三の御答弁も新聞その他で承わりましたけれども、この問題を解決いたしません限り、企業の自立ということは全く不可能であります。少くとも償却率が五割以上に達した企業におきましては、減價償却もし、若干の蓄積はできるということを國策として認めて頂かなければ、企業の自立ということは、到低不可能なことであります。從いまして、いずれ税の使節がアメリカから参りまして、檢討されますときに、この問題は直ちに日程に上ることであろうとは存じますけれども、この問題を眞劍におとり上げになる御準備をしてあられるかどうか、最近の大藏大臣のお考え、今日のお考えを承わりたいと思います。只今の四つの良につきまして……
  94. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。第一の差益懲收の問題でありますが、この差益懲收規則に対して、我々特に再檢討を加えまして、少くともこの正常在庫に関しましては、合理的な特段な措置を講ずるということにいたしたいと思うのであります。  それから第二番目の物價審議会の問題でありますが、これも極めて結構な構想だと自分も信じます。從いまして、その点も至急に研究をいたしまして、それを守るかどうかということを決定いたしたいと思います。
  95. 帆足計

    ○帆足計君 抗弁機関の方はどうですか。
  96. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) その抗弁機関も勿論審議会を設けるということに関連して一緒に考えて行きたいと存じます。
  97. 池田勇人

    ○國務大臣(池田勇人君) 價格差納付金につきまして帆足委員からお話があつたのであります。私も今までの價格差納付金、殊にああいうインフレのときにおきましては、あの考え方には私は賛成いたしておりません。今後改訂の問題が起りましたならば、今までのああいう納付金については賛成していない立場として審議したいと思つております。それから最後の御質問の資産評價替の問題でございまするが、先般大藏省におきます税制審議会につきまして、いろいろ檢討なすつたようでございます。当初の考え方と最後の考え方とは、又変つて参りました。近くこの問題は税の問題だけから私は考えるのでなく、外の方面から考えて見なければならん要素が沢山あると思います。税の軽減或いは減價償却を沢山見ると申しましても、どの程度の……現在の再生産價格に対して、どの程度まで評價替するかという問題もございます。それから又評價替をいたしました場合につきまして、調整勘定を実際に記張いたします場合に、課税するかしないかという問題も起つて來ると思う。課税するとすればどの程度課税するか、そうしてそうした場合に、その利益を誰が受けるかという問題も起きて來ると思うのであります。いろんな点がありますので、税制改革のときに間に合わすように考慮中でございましたが、今回は税制改正案を出さない関係上、次の最も早い機会までに案を拵えたいと思うのであります。ただこの評價替の問題につきまして、一般民間では非常に急いでおる点もありますし、又そういうことは好まないというのもございまして、あれこれ今考慮いたしておるのであります。併し結論といたしましては、何としても外資導入その他の点から考えまして、やはり早く適正な案を作りたいと思つて努力いたしております。
  98. 帆足計

    ○帆足計君 大臣十分御承知でありましようけれども、評價替が若しできるませんときは、評價替と別問題でも結構ですが、減價償却について格段の一つ措置をして頂きたい、これは税制対策のときにやはり関連いたしますから一つ……民間工業界の輿論でありますから……
  99. 一松政二

    ○一松政二君 ちよつと安本長官と安本の政府委員にお尋ねいたしますが、ちよつと田村さんの質問に関連して承つて置きたいと思うのであります。日本が國際物價水準になり、國際貿易を中心として日本の産業が動くということは、今後の日本の産業の根本の行き方であることは御承知の通りであります。ここで私は廣く触れることを避けまして、ただ関連質問といたしまして、問題を鉄に限つて見たいと思うのであります。今度の計画によりまするというと、鉄鉱石を輸入して日本に製鋼業をかなり復活させると、今の運賃は、僅か五〇%ぐらいな鉄鉱石と銑鉄と、運賃は同じであります。石炭は更に非常に運賃は嵩んで参ります。それらのものを日本に輸入して、そうして今後來るべき鉄の不況――アメリカにおいては今まで足らん足らんといつておつた鉄が、もうすでに余り出して、カイザーフレーザーでは大きく鉄を下げて來ておるのであります。トルーマンが言つておつたことも実現不可能になつて、そうして製鉄が余つて來て、すでに熔鉱炉の火を消したのが三つも四つも最近の雜誌に報告になつておるのであります。そういう時代に日本に鉄を輸入しないで、その原料であるところの、そうして運賃の倍以上嵩む鉄鉱石と石炭を輸入して來て、日本に製鋼業というものが、世界の物價水準によつて成立ち得るものであるかどうか。第一次世界大戰の後で、日本があれ程製鉄業が困つて、最後のどどのつまりは日本製鉄というものに合併した、あの惨憺たる経驗を嘗めた日本が、第二次世界大戰の後で日本に鉄鋼石や石炭を遠隔の地から輸入して來て、製鋼業が成立つとお思いになるかどうか、そうしてすでに世界において鉄は余つて來ておる状態である。船腹も余つて來ておる状態であります。今後恐らくその不況の度はますます深刻を加えても、私はこれがよくなるとは断じて思わんのであります。目先にそういうものが見えておるにも拘わらず、安定本部の計画としては、これを五ケ年計画の初年度とか何とかしてその計画の通りに、仮に日本にそういうことをやつた場合に、私は國家が貿易をするような関係でありまするから、計画を一應実行する。その実行したことによつて國民は不測の損害を蒙むると思うのであります。そういう予算を今我我はここに見ておるのでありまするが、田村さんが先程おつしやいましたように、これを私は今後の情勢と睨合せながら、むしろ大巾に減じて頂きたい、私はこう考えるのであります。殊に資金計画の面におきましても、こういうものを計画するために、又頗る不能率なそうして余計な修復費の掛る熔鉱炉方面に又資金計画が現われておると思うのであります。これらは自立経済と一部反対な方向に向いておると私自身は考えるのであります。でありますから、世界の経済情勢を眺めながらこういう計画は一應しておるけれども、そうして予算にはこういうことを盛つておるけれども、これをその情勢如何によつて大巾に変更し得るのだ、又変更しなければ國民はその損害を受けなければならんのでありますから、國民としてはこの変更を私は要望したいと思うのであります。でありまするから殊に輸出と輸入でありますから、世界の情勢は時々刻々に移つておる。安本で計画しておるときに、計画は定着的に計画しております。その計画の線を実行しておるときに、世界の情勢はその反対の情勢に動いておる場合には、どうしても私は世界の情勢と睨合せて計画をどしどし変更して行くべきものであると思うのでありますが、その点に対して長官及び政府委員、安本の責任者が若し答えるならばどちらでもよろしうございますが、私はそういうことをお考えになつておるかどうかということを関連質問として一應お答え願いたいのであります。
  100. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。いうまでもなく経済は動いておりまするし、生きたものだといわれておる程であります。從つて我々もその情勢の変化に應じて変えて行くということに決して吝さかなものではございません。ただ問題は我が國がいよいよ一本爲替レートを設定して、そうして國際貿易の眞只中に入り込んで行く、こういう時期でありますので、いろいろと國際情勢に即應できない点があることも認めざるを得ません。併しながら我々は、おしつやるような鉄の問題でありまするが、現在の世界的な需給状況から見まして銑鉄の輸入は極めて困難でありまして、二十四年度の輸入計画数量十万トンの実現にも可なり努力を必要といたしておりまするし、これは二十四年度の銑鉄の総所要量である二百万トンに対して問題にならない数字を示しておるのであります。今仮に國内産の石炭と鋼石とを以て銑鉄を作ることにいたしますれば、その生産量は約五十万トンでありまして、これに輸入見込の銑鉄十万トンを加えて見ましても圧延鋼材生産量は約九十万トン程度にしかなりませず、國内の最低需用に対しても遥かに及ばない結果となつておるのでありまして、國内の最低需用に対して遥かに及ばない結果でありますから現在の外資獲得の一大支柱であります鉄の輸出を不可能にするということになりますれば、日本経済の破綻を意味するということにもなりますので、おつしやるように今やつて参つております。この状態を直ちに転換いたしまして、そしてお説のように從うということはどうかと私共考えておる次第でございます。勿論いよいよ國際市場に出て参りますことになれば、一應ともかく我が國の現在の要請であるところの國内の経済安定ということが達成せられることとなり、而もインフレはこれで一應終熄するという考え方から、更にこれらの問題も再檢討を要するということになると存じますが、只今の御質問に対しては一應さように考えておる次第でございます。
  101. 一松政二

    ○一松政二君 大体の傾向は同じ考え方と思いますが、今の鉄が足りなくて鉄の輸入ができなかつたということは、これは昨年の十二月或いは今年の春頃計画すればさようであつたと思います。昨年の十一月の大統領の選挙には、鉄を國営にするということがアメリカの大統領選挙の大問題であつた。それが今日ではもうすでにその必要も何にもなく、熔鉱炉を消す状態にまで変化しておるのであります。でありますから、私は武士の商賣といいますか、計画する場合と、それがいよいよ実現されるときの時期の相異は非常な問題になると思います。商賣人から考えると一葉落ちて天下の秋を知るで、いつも先々、前途を見込んで仕事の計画をする。えてして計画経済は過去の事実に基いて計画を立て、その計画を実行するときには世の中の実情はその反対になつておるということが多いのです。でありますから私が改めてそういうことを説くまでもなく、長官もよく御存じと思いますが、世界の情勢は昨年の秋頃と今年の春頃では大転換をしておるということをよく御観察下さいまして、そして一應こういう計画が上つておるけれども、この計画は情勢の次第によつて大きく変化しなければならんものである。そういうことを考えて計画を実行されるのと、過去の事実に基いてそのまま行くのと非常に私は差が起ると思います。殊に國際情勢、又この不況の度というものは最初考えるよりも却つて深刻になる場合が多いのでありますから、予想と違つた結果が多くの場合出るのでありますから、計画経済の問違を成るべく是正されるように、私は國民としてこれをお願いして置きたい。そうして銑鉄或いは鋼材が輸入し得られないという事実は、昨年の秋頃或いは今年の春の初の考では私は正にそうであつたと思いますが、もう六月以降、或いは七月以降からのアメリカの銑鋼、或いは印度における銑鉄の事情は非常に違つて來ると思います。商賣人は先のものを見ていろいろやりますけれども、今日の日本の置かれておる事情と、それから役所で計画されておる場合は、そういうものの機動性が非常に乏しい。でありますからどうか世界の情勢とこの計画とを成るべく一致させて頂いて、計画経済の誤謬を國民に転嫁する、その禍いを少くして頂きたいということを申述べて私の関連質問だけは一應終つて置きます。
  102. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 お尋ねいたしたいことは、終戰処理費に関連してのことでありまするが、現在政府が計上いたしておる終戰処理費なるものの算定基礎は、諸経費の算定基礎は、どのような状態にあるのか存じませんが、相当進駐車がいろいろ日本の物資、資材或いは用地、建物、あらゆるものを使用いたしておるものにつきましては、もとより價格補給金を出すべき筋合いの産業物件とは違いまするが、國民の負担は、現に終戰処理費に計上いたしておる以上の、莫大なものがあると思いますが、これらに対しましては、政府はどのような考えを持つておられますか、お聞きしたいと思います。
  103. 阪田泰二

    ○政府委員(阪田泰二君) お答申上げます。終戰処理費につきましては、それぞれ非常にこれは労務費、物件費、その他内容が、細かくなつておりまして、あらゆる物資が包含されておる関係になつておりますので、具体的にいちいち申上げることは困難でありますが、大体本年度の終戰処置費の計上に当りましては、司令部方面の協力を得まして相当内容につきましてそれぞれ檢討いたしまして、人件費物件費等計上いたしておるわけであります。それでその中に計上せられております物資の價格の問題でありますが、これは相当、例えば石炭とか、電氣とか、ガスとかそういうものが大きな需要量になつておるのでありますが、そういうものも大体におきまして、何と言いますか、公定價格というもので計上されておるわけであります。それから鉄道の運賃とかそういつた式のものは、一般の運賃によらないで、実費といいますか、実際のコストをベースにして計算したものを支拂つておる、こういうような形でやつております。それでその他、終戰処置の関係におきましては、非常に何と言いますか、雜多な物資があるのでありまして、殊に規格が一般の市場において需要されるものと違う、規格が非常に異なる、從つて公定價格がないという物資も非常に多いのであります。それらはそれぞれ適当にその價格を見積つて考えておるというような形になつております。御質問の趣旨を誤解いたしておるかも知れませんが、やり方としてはそのような形になつておりまして。その間非常に多種目に亘つておりまして、尚日本の政府当局が直接需要者になつておるのではありませんので、中には実体の十分に判明しにくいものもありますが、全体としましてはさような状態になつております。
  104. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 國際的微妙な問題でありますから、深くはお尋ねいたしたくはないのでありますが、ただ國民が終戰処理費として、負担いたしておるものは、千二百何十億あるということが表面に現われておるのでありますが、実際これらの運輸機関、通信機関、土地、建物、こうしたものを使用されておる、その実質的な計上というものを、見方によりますれば莫大な金額に相当し、或いは國民が建物、土地を他に流用し他に活用しますれば、相当な産業振興の上に役立つものがあるし、生活の上にも潤おうものが沢山あると思います。こうしたものを若し國民家庭経済、産業資金の上に計上いたしましたならば、この費用というものは、表面に現われておる千二百何億ではなく、数千億にも達するのではないかという見方が成り立つと思いますが、政府はそういう観点には立つておらないのでありますか、どうかお聞きしたいと思います。
  105. 阪田泰二

    ○政府委員(阪田泰二君) 只今の御質問といたしましてはいろいろお答申上げにくい点もあるわけでありますが、例えば一例として申上げますれば、進駐車用の住宅というような場合に、この住宅が現在決められております公定の標準で計算した家賃によつて計算されておる、その家賃が終戰処理費に計上されておるというような関係に相成りまするならば、若しこれを一般の市場の実際行われておるような家賃で支拂うこととすれば、どの程度になるかというようなことは一應計算といいますか、仮定的な推定をもつてみることは或る程度できるのでありますが、そのような計算は必しも適切なるやり方ではなかろうかと考えられます。それから全体として終戰処理費の金額がそういうような見方で計算しますと、非常に増加するとか、何倍にもなるかというような御意見でありましたが、終戰処理関係の経費の内容はそういうように物件費以外に労賃に労務そのもの、或いは労賃に分割できるものが非常に大きな部門を占めておりまして、その分につきましては市場の労賃で、まあ大体政府職員等の水準より考えますれば、一割程度は高い水準でありますが、とに角そういう水準で計上せられておりまして、そういうものにつきましては実際より以下に、安く見積られておるという面は全くないわけであります。尚先程申上げました特殊の進駐車の需要物件等はそれぞれ公定價格等の問題がありませんので、実際のコストと言いますか、原價等を考慮いたしまして、決めた値段でそれぞれ行われておるというような関係になりますので、お話のようないろいろ有形、無形の損失と言いますか、評價の違いは或る程度あり得ると思いますが、その額は全体としてみれば、只今のところは的確なことは申上げられませんが、お話のように非常に大きな額には上らないであろうと私共は推定いたしております。
  106. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 政府委員は或る程度という御見解でありますが、私たちは或る程度以上に相当莫大なものに達するということが思われるのであります。この点はこれ以上お尋ねいたさないことにいたしまして、この点は將來政府におきましても適当なる場合にこうした算定の基礎なり、あらゆる國家産業、資源の上に相当な影響を與えておるということについての、將來講和会議が結ばれる、その他におきましても或いは見返資金の問題につきましても、援助資金、救済資金の上におきましても、相当考慮さるべき問題であろうかという点を申上げて置きたいと思うわけであります。それから安本長官に……実は私はまだ順番が來ると思つておりませんで、用意した書類を持つて來ておらないのでありますが、一点お尋ねいたしたいのは、元來政府は價格調整金として七百五十億ですか、何ぼか当初計上されて、閣議決定されておるようでありますが、しかもこれが三倍にも達したような價格調整金ということになつたのであります。政府が当初考えられておつたものと三倍にも殖えたといつたような状態に対して、この價格調整金はどつちが本当の政府の意図であるのか、やはりこれだけ殖えなければいけないものであつたのか、その眞意の程を一度聞きたいと思います。
  107. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) お答いたします。当初におきまして輸入補給金というものは考えられておりませんし、それから我々の方としては勿論あの政府の決定いたしました額とは多少違つておつたのであります。正直に申上げて違つておりましたが、こんなふうに多額になるというように考えておつたわけではございません。
  108. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 こんなふうになつたということについて、價格調整金はそれではどういうふうな種別項目、産業振興の上に使われるのか、凡そ当初の政府の計画と二千二十二億になつた計画とにおきましては、非常に狂いが生じて來たと我々は了察いたしますが、その内容を一つ御発表願いたいと思います。
  109. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) お答えいたします。初めの計画におきましては、貿易資金の黒字から輸入補給金を出す計算にしておりました。從いまして價格調整補給金は在來の價格調整補給金という観点で計算をいたしておつたわけであります。そこに問題の第一点があるわけであります。  それから今一つの問題は、その当時の價格の政策の点等から申しまして、先程も大藏大臣がちよつと触れられましたが、價格調整費は成るべく節約する方針でありましたので、基礎産業等の或る程度の價格の引上げはこれを行いまして、そうして價格調整金というものは少くして行く、こういう考え方を採つておつたわけであります。そうして二次、三次においてその値上を吸收さして、そうして全体の水準は同じにして置くというふうな考え方で組んでおりましたので、その当時の物價の当局としましては、八百億前後の補給金で行くくらいな見当をつけておりました。その代りに今度は物價水準を動かさんという方針になりましたので、一本爲替になりました場合には輸入補給金を使いしまして、そうしてそれは貿易資金の黒から出す、その額が大体千二百億見当くらいな計算をいたしておりました。あれこれ総合いたしますというと、総額は補給金的な支出というものが、大体二千億というような計算になつておつたわけであります。今度出ました予算案におきましては、そこの関係が少しく動いておりまして、総額はやはり二千億になりましたが、その割り振りは基礎産業も生産者價格は上げないという方向になつたわけであります。從いましてこの面から補給金が少し殖える計算になつたわけであります。これは國内の價格調整補給金であります。その代り輸入しておつた物資につきましては、食糧その他基礎産業で非常に物價に影響を及ぼすものを限定して出す。千二百億ぐらいを予定しておつたものが大体八百三十三億に削つてあります。総合いたしまして結局約二千億になりましたが、これによつて物價の現在の水準を成るべく動かさない、こういう方針には合致しているわけであります。從いましてさつき申しました通りに、今度予算の面に一般会計から價格調整補給金の外に、輸入補給金というものを計上いたしました関係から、見かけの方では今おつしやるように七百億から二千億に膨らんでおりますけれども、さつき申しました貿易資金の黒をそのまま活用するという前の考え方から申しますならば、総額においては殆んど同じ、こういうことに相成るのであります。
  110. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 総額に上においては殆んど同じだということはちよつと了得できないのですが、見返り資金に対しましての産業復興資金が相当計上されておる。價格調整金におきましても、かように厖大に膨らんであるというような実情から見まして、而も見返り資金は別途でありましようが、價格調整金の方は概ね所得税の増收等によつて、これが充当される筋合のものでありまして、これは全く國民から抽出して、この方へ補給するというようなやり方、こういうことが果して健全なる日本の産業復興なり或いは價格体系を維持しようという問題に良心的に一致するかどうか、非常に我々疑問を持つているわけであります。殊に当初政府が八百億内外に計上されておつたものが、実際面において二千二十二億に膨脹した根拠というものがどうも分りません。物價或いはそれらに伴いまする價格補給の具体的な計画というものを政府は発表されておらないのでありますが、これらを一應承わらないと、この二千二十二億の價格調整金というものを大藏大臣はできるだけ節約するという、そのできるだけなるものの根拠はどこに置いてあるのでありますか。一面政府は通信或いは旅客運賃、主食その他あらゆる物價の引上は当然行われる、これは生活経済の方において非常な脅威を與えるようになつておる。こうしたようなものと考え合せて極めて矛盾を感ずるのでありますが、これらの矛盾をひとつ良心的に一掃するような声明を承わりたい。
  111. 谷口孟

    ○政府委員(谷口孟君) 先程申しました二千億の補給金が当初の計画と大体同じなのだということの御了承がないようでありますが、國内の補給金とそれかに輸入補給金とを合せたならば、当初の計画におきましても大体二千億である、こういうことをはつきりいたしておるのであります。その出し方が輸入補給金は貿易資金の黒から出す、つまり今のカウンター・パート・フアンドから出す、こういうことに計画しておるので、初めは一般会計からの補給金支出は計上してない、こういうことであります。今度はその間の関係をはつきりいたしまして、そういつた隠れたる補給金は一切止めて全部予算の上に計上してはつきりさせる、こういう立て方になりましてカウンター・パート・フアンドは別途になります。そうしてやはり徴税から出るところの補給金として八百三十二億の輸入補給金を計上した。こういうことに相成るのでありますが、この間に矛盾はないと思います。  それから輸入補給金をそういうふうに一般の徴税から支出し、更に國内補給金を又税から支出する、こういうことが果して良心的か、こういう御質問でありました。もともと價格差補給金というものは、これは日本の経済力が脆弱で、そうしてインフレーシヨンが昂進しておりますような場合には、物價と賃金の安定を図つて、そうして経済の水準を平準化する必要があるわけであります。そのために過渡的にそういつた措置が執られるのであります。これは或る程度不快な措置であります。從いましてこの補給金は一般の者から徴收して誰々にやるというようなものではなくして、一般の物價水準を低く抑えるための措置でありまして、消費者保護の措置なのであります。これもこの措置をやらなければ物價が非常に騰るわけであります。消費者の負担は殖えるのであります。税で拂うか、或いは物價を上げて拂うか、どちらかなのであります。それで物價を上げる場合には、果してそれで收まるかといいますと、すでに御承知の通りに賃金が騰るという情勢になりまして、賃金が騰れば又物價の原價が騰つて、更にそれが賃金に撥ね返る、こういう惡循環をいたすわけであります。これを遮断する方法でありまして、今のような過渡期においては或る程度不可避の措置い思います。併しながらこれは飽くまでも過渡期の措置である、日本の経済力が段々と充実するに從いましてこれは減少すべき性質のものであります。適時にこれはなくすべきものであります。今度の方針におきましても同じような方針が採られております。ただたまたま生産数量の関係で補給金の單價は落ちておりますけれども、総額は殖えた、こういう事実はあるのであります。先程もそういうような質問がありましたが、この間の事情は石炭なり鉄なりの生産が非常に今年は多くなるのでありまして、そのために單價は減りましても補給金は殖える、総額が殖える、こういうような関係にあります。今一つそういうふうにしてまで物價を抑えようというのに、鉄道の運賃とか、米とか、値段が上る、こういう御質問でありました。もともと昨年は鉄道の料金等も或る程度低く抑えまして、そうして鉄道会計に生じますところの赤字に対しましては、一般会計から補給しておるわけであります。今年はその点は物價に余り影響のない限度において是正する。從つて貨物運賃は据置きますけれども、旅客運賃は引上げて、そうしてこれは一般の利用者に負担して貰つて独立採算の主義を貫く、こういうことに相成つておるわけであります。基礎産業を全部一度に上げて、物價水準を上げるということになれば、生計費に影響が非常に大きいのであります。余り生計費に影響のないところで、成るべくこういつた補給金的な支出を減らす、こういう方針に則つて、今のような一部の値上げが行われるわけであります。この影響は今日の相当に充実しました実質賃金の状態から考えるならば、九原則現下の國民として堪え得ない程度の大幅のものではない。こういう観点から今のような措置を採つております。大体の水準は現状通りに据置いて、一部は或る程度上るけれども、それは今のような今日の生活の水準と睨合せて考えられる程度において止める、こういう考え方で進んでおるわけであります。
  112. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 成るべく簡單に質問したいと思います。生活惡循環を避けるという議論は成る程御尤もでありますが、今日の日本の経済界、及び國際水準の物價を平進化しようという建前と、貿易振興という建前などから見まして、今のお説の徴税から二千二十二億の物價調整費用を出すというような工合のやり方、而もこれは貿易振興という観点よりは、生活安定ということを主にしたような御計画でありますが、國際水準の物價を調整して行こうという趣旨などから見まして、この間に相当矛盾もありますし、実際面に現われておるところは却つて惡性インフレ的な場面が現われておるところが多く看取されるのでありますが、これらは政府の方と多少意見が相違いたしておりますから、ここで議論はいたしたくありませんが、特に今回のこの二千二十二億の價格調整金につきましてその政府の当初意図せるところ、及び將來貿易振興という建前と、生活安定という建前などとの國際水準物價の平進化というような観点から見まして、物資面事業面におきまして可なりな矛盾なりいろいろの撞着が生じて來るような感が深いのでありまして、大藏大臣は特にこれはできるだけ少くしようということは、少くする分だけはそれでは減税の方に振り向けられる意図があるのか、少くして生じた價格調整金の予定されたものはどういう方法で政府が考えられておるのか、この点を一点お伺いしたい。
  113. 青木孝義

    ○國務大臣(青木孝義君) 今度の予算の性格というものの全体を通じて御覽を頂きますれば、その点が明瞭になると思うのでありますが、もとよりこの價格調整金のみの問題ではございません。その他の行政整理とかいろいろな而がその中に入つて参るのでありますが、全体として経費の節約をする、そういうことから考えましても、又この價格調整金を節約するというような意味からいたしましても、これを今年度においてその節約ができれば、その次の年においてはそれを更に縮めて行く一つの段階ともなりますし、又その年度内にも先程大藏大臣がお話がございましたように、やはり適当な機会に又適当な方法でその節約の成果を他の方面で充当し、その結果をよくして行きたい、こういう考でありまして、これは我々がこの予算を取上げまする場合においてその当初から考えておるところであります。
  114. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 まだ質問したいことがありますが、今日私だけ一人質問しても何ですから、一應これで打切ろうと思います。
  115. 黒川武雄

    ○委員長(黒川武雄君) それではこれを以て散会いたします。    午後四時五十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     黒川 武雄君    理事            内村 清次君            飯田精太郎君            島村 軍次君            田村 文吉君            東浦 庄治君            中西  功君            木村禧八郎君            岩男 仁藏君    委員            森下 政一君            山下 義信君            西川 昌夫君            西川甚五郎君            一松 政二君            平岡 市三君            深水 六郎君            岩木 哲夫君            高橋  啓君            深川タマヱ君            西郷吉之助君            高橋龍太郎君            伊達源一郎君            玉置吉之丞君            久松 定武君            帆足  計君            堀越 儀郎君            松村眞一郎君   國務大臣    大 藏 大 臣 池田 勇人君    農 林 大 臣 森 幸太郎君    労 働 大 臣 鈴木 正文君    國 務 大 臣 青木 孝義君   政府委員    経済安定政務次    官       中川 以良君    総理廳事務官    (経済安定財政    金融局長)   内田 常雄君    経済安定本部物    價局長     谷口  孟君    大藏政務次官  田口政五郎君    大藏事務官    (主計局次長) 阪田 泰二君    林野局長官   三浦 辰男君