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1949-05-21 第5回国会 参議院 法務委員会 18号 公式Web版

  1. 昭和二十四年五月二十一日(土曜日)    午前十一時四十八分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件弁護士法案(衆議院提出) ○法務局及び地方法務局設置に伴う関  係法律の整理等に関する法律案(内  閣提出) ○裁判所法等の一部を改正する法律案  (内閣提出、衆議院送付) ○司法試驗法案内閣提出、衆議院送  付)   ―――――――――――――
  2. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) これより法務委員会を開きます。本日は弁護士法案を議題に供します。前会に引続いて継続いたします。この際、大藏省主税局長の発言を求められておりますから、これを許可いたします。
  3. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) 只今御審査願つておりまする弁護士法の第三條第二項でございますが、この問題につきまして当局の見解を申述べさして頂きたいと存じます。衆議院で意見を申述る機会を得ませんでしたので、この際意見を申上げまして、御審査の参考にいたしたいと考える次第であります。  新らしい弁護士法の第三條の第二項によりますると、弁護士は、当然、税務代理士の事務を行うことができる、かような規定に相成つておりますが、この点につきまして、実は税務代理士法との関係で、この規定を設けたことは、大藏省といたしましては適当ではなからうという見解を持つておる次第でございます。と申しまするのは、現在の税務代理士法によりますると、弁護士は税務代理士の資格があるものといたされておりまするが、弁護士の中におきましても、全部当然税務代理士の資格を持つということにはなつておりませんのでございまして、一定の審査をいたしました者の中から、大藏大臣許可をいたしまして税務代理士の資格を与えるということに相成つておるのでございます。これはひとり弁護士のみならず、例えば新らしく設けられました公認会計士の場合も同樣でございまして、やはり公認会計士の中から大藏大臣認可を経て税務代理士になれるということに相成つているのでございます。從いまして私共この税務代理士法の適正な運用並びに立案ということからいたしますと、当然やはりこの趣旨を生かして頂くのが筋じやないかというふうに考うる次第でございますので、第三條の第二項の「及び税務代理士」という字句は、できましたならば削除方をお願いいたしたいと考うる次第でございます。実際問題といたしまして、どういう点が問題になるかと申しますと、税務代理士は納税者の税務に関する書類の作成、審査の請求及び訴願等の代理、並びに納税相談に応ずる等、相当複雜な税務の運営について、專門的な知識経驗によりまして、納税者の正当な利益を擁護し、適正な納税をなさしめるという、そういう公益的な職責を持つているのでございます。從いまして、相当專門化し、技術化しております会計経理、及びこれを基礎とする技術的な税務の理解には專門的な知識を有することが目的なのでありまして、ただ弁護士たる資格を有するということだけで、当然税務代理士の業務を営み得るということはどうも少し行き過ぎではなかろうか。勿論弁護士の方々の中には、そういう方々が多いので、税務代理士法の中におきましても、眞先に認可のし得る資格要件としては弁護士を掲げたのでございますが、当然なれるということは少し行き過ぎではなかろうかと考える次第であります。若しかようなことに相成りますと、実は現在税務代理士法におきましては、税務代理士会というものを組織いたしまして、税務代理業の改善進歩を図ると共に、業務の運用並びに業務に関し受くべき報酬の適正等につきましても適当な方針を定めまして、それによつて、税務代理士の本來の業務が、公益的な業務がうまく完遂されるようにということに相成つておるのでございまして、そういう適用を受けなくなるということに相成るかと存ずるのでございます。それから今一つ税務代理士法におきましては、税務の相談に当りまして、不当な行爲がある場合におきましては処分するといつたような規定もございますが、さような規定も全然適用を受けなくなるといつたようなことにも相成りまするし、当然に税務代理士の事務を行うことができるという規定は規定といたしまして、少し行き過ぎではなかろうかと感ずるのであります。本案につきましては今申上げましたような趣旨からいたしまして、参議院におきましても愼重御審議をお願い申上げる次第でございます。
  4. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 只今主税局長の御説明に御質問ありますか。
  5. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 その只今の御意見は、衆議院において本案審議中にすでに発言されたのでありますか。
  6. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) 実は発言の機会を得ませんで、参議院に回付されましてから、初めて発言しまして御意見を申上げた次第であります。
  7. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 今のお話は、弁護士を当然税務代理士にするということに対して異議があるのですか。大臣許可を得なくてすぐ税務代理士になつていいじやないかという点と、いろいろな税務代理士として会に属するとか、平生大藏大臣の監督に属するというような問題とは全然違うことなんです。大藏大臣認可を要せずして、当然直ちに税務代理士になつちやいかんという点か、明瞭にお話願いたいと思います。弁護士であつた場合にどういうものが否認されるか、その点を伺いたいのです。
  8. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) 御指摘の通り二点あろうかと思います。当然なるということが適当であるかどうか。なつた場合におきまして、あとで税務代理士法に基く監督規定の適用を全然受けなくなる。この二点が都合惡いというので今申上げたわけであります。前段につきましては、先程申上げましたように、弁護士なるが故に直ちに税務の相談を応ずるだけの十分な知識経驗があるというようなことには、現在のところ判定いたし兼ねておる次第でございまして、認可に当りましては、弁護士として一定の業務の経驗があるということを基にいたしまして、若干の内容を審査いたしまして、弁護士でございますから、極力優先的に許可いたすということにいたしておりますが、それも当然になり得るということは少し行過ぎではなかろうかと思います。ただ問題は、その方よりも私共はむしろ後段の税務代理士法に規定しました各種の監督規定に全然服しなくなりまして、專ら弁護士法だけの適用を受けることになり、その点が更に一段と私共不適当ではなかろうかというふうに考えておる次第であります。
  9. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 これは二つ区別して御覽願わないといけないと思います。弁護士であるという者が当然なれるということが惡いということになりますと、いろいろの規定が要るだろうと思います。凡そ税務代理士にはかくかくの知識、経驗がなければならない、それを明確にする必要があると思います。弁護士というようないろいろな教養のある者が当然なれるということが惡いかどうかという問題と、なつてからその税務代理士としての統制を受ける問題とは全然違うのでありますから、重点を置くという問題でなくて別々に考えなければならんと思います。私は第一段にはよいと思つている。第二段が問題であるというのが要点でありますけれども、若し第一段に非常に重点を置かれるとすれば、税務代理士となるにはかくかくの資格が要るということをはつきりお書きにならんと、今日のようないろいろな規則のある場合においては困ると思います。どういうわけでそれを要求されるのか。若し私共税法に関する知識がなければいかんということであれば、弁護士たるだけではいかないのでありますから、初めからそういうことを書かなければならないと私は思う。それは明瞭に区別されてお考えになる必要があるのであつて、私は両方区別している。第一段はいいじやないか。第二段はいけないという私の頭です。その点についてもう少し御答弁願いたい。
  10. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) 今御指摘の前段につきましては、いろいろ実際問題としまして簡單に法律化は困難でございますので、認可に当りまして、認可基準といたしまして一定の審査の條件を附しまして認可することに現在の税務代理士法はなつております。これはひとり弁護士だけではございませんで、公認会計士法についても同樣でございます。ただ弁護士として一定の期間業務に從事されるという事実が第一に必要ではないかというので、現在は少くとも一年以上は弁護士として業務に從事しておられたということを必要な條件にいたしております。その外あとは絶対の要件ではございませんのでございますが、やはり税法に関しまして、全然知識、経驗がないというような対象があるような場合におきましては、これは認可をいたさないというようなことにいたしておりまして、その辺のところを法律で余り細かく規定しますのは困難でございますので、認可に当りまして委員会にかけまして、適切な処理をするということに相成つておる次第でございます。
  11. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 私は現在の制度がいいということは承認するわけではございません。もう少し批判を要すると私は考えます。殊に何年間やつていなければならん、税法の知識がなければならないということでありますけれども、今日最後の段階に至つて訴願から訴訟になることは弁護士として当然できることでありまして、どうも税務代理士でなくても訴訟ということになると当然できる。その方は当然できるのに、弁護士としてはできない。税務代理士として一年の経驗がなければならないというのは矛盾していると思います。弁護士になつた当座から税務に関する訴訟ができるわけです。そういうようなお考えであるということを、第一段においてもまだ我々としては檢討を要するものが残つていると思いますから、もう少し檢討しなければならんということは考えますけれども、現在の制度にはちよつと賛成できないということだけ申上げて置きます。
  12. 大野幸一

    ○大野幸一君 税務代理士の選考の委員会弁護士も入つておりますか。
  13. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) 現在は弁護士の方は入つて貰つていたしておりませんが、法務廳の関係の局長さんに委員になつて頂いております。
  14. 大野幸一

    ○大野幸一君 今松村委員からおつしやつた通りで、訴訟はできるが税務代理士はできない。以來大藏省側の役人が税務代理士になるその弊害は、弁護士が税務代理士になる弊害よりは事実問題として相当多いじやないか、例えばその官廳に勤めていた税務官吏が税務代理士になる。そうして談合的の行爲が行われるということは多いように思う。そこでむしろ弁護士もそこに入つて、そうして大いに権利の伸張という意味でやることが、あながち今の税務の取り方を見れば、税制ばかりでないようです。事実問題について、こういう意味でどうも自分の職域の侵されることを恐れておるようなものは決してないということは言えないと私は思うのですが、この点についてはどうですか。
  15. 平田敬一郎

    政府委員(平田敬一郎君) 今の点は一つの問題でございまして、税務代理士法ができました法の趣旨は、そういう弊害を除去しようということにあつたのでございます。即ち税務官廳におきまして、税務の仕事をいたしておりますものの資格といたしましては経驗があるのでございますけれども、ただ辞めて直ちに税務代理士業を開きまして、それによつていろいろな業務を行うということは適当でございませんので、税務代理士法の第二條に、職を退いた後一年間はなれないという規定を設けたのでございまして、税務代理士法のできる前におきましては、確かに御指摘のようなことがございましたけれども、こういう規定を設けまして、さようなことのないようにいたしておる次第でございます。それから弁護士の方は先程申上げましたが、一般の法律知識は十分おありになるのでございますので、税法につきましても比較的直ぐ御修得願えるのが原則と考えますから、一定の期間弁護士に從事しておる場合におきましては、余程特別の反証がない限りにおいては、原則としては認可するという方針を持つておりますことを附加えて申上げて置きます。
  16. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) ではこの際、商工省特許局長官から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
  17. 久保敬二郎

    政府委員(久保敬二郎君) この度の弁護士法の第三條第二項にございます「弁護士は、当然、弁理士及び税務代理士の事務を行うことができる。」ということの点につきまして、商工省特許局といたしまして一応意見をお聞取り願いたいと存ずるのであります。これが弁護士弁理士の関係になるわけでありますが、大体私の申上げたいと存じます点は、刷り物にいたしましてお手許にお届けいたしてあると思います。現行の制度におきましては、弁護士弁理士となり得る資格をすでに認められておるのでありますが、弁理士の業務を行うためには弁護士も先ず弁理士の登録を受けまして、弁理士会に入会する必要がある規定になつております。このことは弁護士は当然弁理士資格を得られるのでありまして、一応極めて形式的な制限に過ぎないように思われるのでありますが、現実の問題といたしましては、弁理士の取扱います仕事は特許実用新案意匠商標というようなものでありまして、非常に大きな部分を占めております。発明、考案というものが技術を対象といたしております関係上、單に法律知識だけでは十分なる成果を挙げられないという点がございますので、弁護士において弁理士の業務をいたさせますためには、こういうような少くも形式的の手続を取つて頂きまして、これによつて特許法、その他に基きまして、発明、考案というものを的確に取扱うということにいたしまして、相当の熱意を持つて頂き、又大いに研究もして頂かなければならないというような事情に基くのであります。こういうことによりまして、法的並びに科学技術的の專門の知識を研磨するというような重要な契機を持つております。こういう制限があるということは、現在においては大きな意義を持つておると考えるのでございます。これが弁護士は弁理人の登録を受けずに直ちにできるということになりますると、只今申上げましたのと全く反対の点におきまして、不測の困惑が起るのではないかと考えるのであります。代理人としていろいろ書類をお作りになります際に、発明、考案というものの要旨を的確に表示するということは極めてむずかしい問題でございまして、これが十分に表されておらない限りは、特許局といたしましても審査に対して非常なる不便を感じます。又これを依頼される発明者に取りましても、自分の発明したところが正確に書類の上に現われておらないというようなことになりますと、特許になるべきものも特許にならんということになりますと、依頼者は依頼した点を果して貰い得ると思つておるのに、実際はそうでなかつたというような非常にデリケートな点につきまして、不測の困惑が起つて來る虞が多分にあるのでございます。又出願書類も完全にできておりませんということは、特許局といたしましては審査に非常に手間がかかりまして、その点につきまして、殊に最近のように能率を増進させようという努力をいたしておりますときに、そのことが非常に審査の能率に影響して参りますので、この点につきましては、是非十分なる習熟をせられた上で代理をして頂きたいという希望があるわけでございます。尚弁理士に対しまする罰則でありますが、これは大体発明、考案というものは有体財産と違いまして、頭脳的産物でありますので、特殊の事情がありまして、その発明、考案を盗み使うというような虞れもあるという意味から、弁理士法におきまする罰則規定は單に弁理士が業務上知り得たる秘密の漏泄をしてはいかんということばかりでなしに、發明、考案を窃用してもいかんというような規定があるわけでありまして、これは弁護士弁理士義務が全く同じでありますのに、この刑罰について差が生じておるというような結果が、又これ新憲法の趣旨にも反する点ではないかと恐れておる次第でございます。尚弁護士法自体の問題でございますが、弁理士の業務というものは、科学技術的の知識が必要不可欠のものでありますので、現在の弁理士資格というものは、甚だ不十分であるということが段々指摘して來られておるのでありまして、弁護士法におきまするように、弁理士資格試驗の場合に、当然その必須科目として物理、化学というようなものを加えまして、現在弁理士法の第三條の第一号、二号等にありまするような、弁護士法によりまして弁護士たる資格を有する者及び高等試驗の行政科試驗又は司法科試驗に合格したる者は当然弁理士たる資格を有するというような点を削除して欲しいというような一般要望が強く主張せられるに至つておりまするので、弁理士法も近き將來において当然そういうように改正せられるのではないかと考えられておるのでありますが、そういう暁には根本の弁護士法第三條二項の規定を改めて削除しなければならんというようなことにもなりますので、そういうような事情をもお考えを願いまして、この條項はこの際削除して置いて頂いてはどうかという意見でございます。
  18. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 只今の特許局長官の御発言に対して御質問はありませんか。
  19. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 只今の御議論だというと、弁護士たる資格を有しておつても、弁理士たる資格を有しないことにしようということも今考えておる、こういうことになりますか。
  20. 久保敬二郎

    政府委員(久保敬二郎君) それは現在の問題ではございませんが、將來そういう方向に進まなければならないのではないかということを考えておるわけでございます。それにつきましては、すでに諸外國では特許局に対する手続きということをいたします弁理士というものは、特別の科学技術知識を要するという方向にすべて行つておる関係上、日本におきましても、そういうことになつた方が実際上においても非常によろしいと考えておる次第でございます。
  21. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 現在では弁護士なればすぐに登録されるわけですね、私はそうでなくてはならんと思う。先き大藏省当局の言われたように、資格じやなく、資格に更に一年間のものを要求しておるということは私は法律違反と思います。弁理士の方ではそういう考えでやつておられないのですか。
  22. 久保敬二郎

    政府委員(久保敬二郎君) これは全くすぐ当然に資格があるわけでございます。
  23. 大野幸一

    ○大野幸一君 この前弁理士法がこの法務委員会にかかつて、弁理士特許權についての訴訟において、裁判所において訴訟代理人になることができるという法案が提出されたことがありますが、そのときにはあなたは出席されて意見を述べられたのか、述べられなかつたのか、そのときに無関心でおいでになつたのか、その点、もう一つあなたの今の御議論はとても弁理士に対して都合よくならなければならない、弁理士技術的の習識はあるかも知らんけれども、一旦法廷に立つて訴訟となつた以上は、弁護士の智識も要るのです。こういう場合と権衡が失しやしないかと思うのですが、こういう点についてどうか。
  24. 久保敬二郎

    政府委員(久保敬二郎君) この前の弁理士法の改正のときには、私も終始列席いたしておりまして、その経過はよく存じております。それから弁理士科学技術を必要とするというために、当然特許に対する代理弁理士であると言いますことと、訴訟に対しましては弁理士が一部仕事をなし得るということとは、これは相関連して必要なことではないかと考えておるのでありますが、それは先般の弁理士法の改正のときには、出願とかそういうようなものにつきまして、弁理士特許局においていたしました手続きの、それが裁判所において続行されるというものに対して必要であるという点でございますが、これは弁理士科学技術に通じておるということが、やはりその訴訟等にいたしましても当然必要になつて來るという考えから、やはりその訴訟もできるということは、発明というものの性格を明確に示す上において、極めてよいことであると私は望んでおる次第でございます。
  25. 大野幸一

    ○大野幸一君 どうもあなたは弁理士の方に対して甚だ好意的であるけれども、実際訴訟としての御経驗があるかどうかは知りませんが、弁理士訴訟代理人として弁護士と同じことができると、又そういう場合でも恐らくは弁護士と一緒にやるからという意味でも言われたようですが、然らは特許局に対しても弁護士特許局の事件についてやる場合においても、弁理士と一緒にやる場合がある。こういうことが必要だろうと思う。併し私達が今までいろいろ特許事件についての範例を見ましても、相当弁護士から特許事件に対する審判例なんか見ましても、優秀なる論文があるように思います。こういう意味において、恐らく少数な特異な事件に対して、弁理士資格において弁護士がやる場合、そういつも弁護士が出るわけじやない。極く少数の場合、それは丁度恰も弁理士裁判所弁護士と同じ、同等の待遇を受けて、訴訟する場合の訴訟の場合と同じだと思います。こういう意味で今までにおいて弁護士がですね、弁護士である弁理士が、一体弁理士の何パーセントぐらいが実務として特許局に出ておるかということが分りますか。弁理士の何パーセントぐらいが弁護士資格があるか、その人が特許局に出ていたか。
  26. 久保敬二郎

    政府委員(久保敬二郎君) 今の弁護士の何パーセントが弁理士資格を受けておりますか、ちよつと私の方で調査したことがないのでございますが、その点の数はちよつと今じきに分ると思いますが、この弁理士弁護士協力して事件を進めるということは、これは非常に望ましいことと考えるのであります。と申しますのは、特許法におきましても、民事訴訟精神を多分に取入れておるのでありまして、その手続の上におきましては殆んど民訴法に從つておると考えますので、そういうふうな進歩をいたしますためには、当然その両者の協力があつたということは極めて大切なことだと考えております。又この特許事件につきましても、損害賠償とか、そういうものは純然たる裁判所の問題でありまして、これは弁護士が又おやり下さることになるわけでありますから、そういう場合にも特許法弁理士の方が習熟して頂いておるということは、これは極めて望ましいことである。各國の例におきましても弁護士特許法には非常に精通しておられるように私は聞いております。ただこの特許局におきまして出す手続きの問題につきましては、これは最初の権利の設定というようなものは、これは純然たる技術的の問題でありまするので、その点につきまして、仮に極めて少数でありましても、その少数の人が不測の迷惑を依頼者に及ぼしておるというようなことになりますと、これははつきりと表面上に現われんことだけに、それを愼重に考えたいと思う次第であります。
  27. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 本日大藏省と特許局の方から申出られたことに対して、参議院法務委員といたしましては、何だかどこかに執務上の欠陷があるのじやないか、こう思います。衆議院で発案せられたこの案は決して急遽に成つたものじやないのです。相当愼重審議せられておつたものと思う。両官廳においてもかような問題が起つたことを氣が付かずにおつて、衆議院を通過して來て、今期も迫つたときに参議院に向つて修正せよというようなことの意見を述べられることは、両院の間におきましても、成るべく円満に國務を進めて行くという方針の下に立つておりますものが、特に衆議院の発案したものに対して修正を加えるということは、成るべくその数を減らした方がいいと思つて、本院においても松村委員がすでに御希望のような修正案を提出になつております。でありますから、尚私共はよく考究したいと思いますが、今後かようなことで、参議院に向つて非常な苦痛を忍ばなければ審議のできないような状態に陷れない、何かもう少し大勢の吏員もおられることでありまするから、情報を取つて、その情報に從つて衆議院の方へ発言せられ、衆議院の方でこういう問題は発案のときからよく檢討して貰うことを切に望むものであります。その点について何か欠陷があつたのでありますか、経過を伺つて置きとうございます。
  28. 久保敬二郎

    政府委員(久保敬二郎君) こういう案が審議せられておりまするということは、数年前から私共時に触れて聞いておりましたのでございますが、その機会ごとに私共から、今申上げましたような意見は申し述べておつたのでございますが、今度この衆議院にでましたことにつきましては、甚だ不注意でございましたが、全然氣が付きませんでしたので、その点誠に申譯ない次第と存じます。
  29. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 他に御質疑はありませんですか、では本案につきましてはこの程度にいたしまして、午後において懇談会において各修正の意見の御協議を申上たいと思います。尚午後には重要な事項につきまして是非御協議申上げたいと存じまするから、是非とも御出席願いたいと思います。それでは午後一時半まで休憩いたします。    午後零時二十五分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十三分開会
  30. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 午前に引続き会議を開きます。  先ず、法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案を議題に供します。この法案は先に質疑は終局しておりますから、本日は討論に入る段階になつております。この法案につきまして委員会修正案といたしまして、お手許に差上げてありますが、「第十八條の規定によつて新設される非訟事件手續法第百五十六條ノ二の規定を次のように改める。  第百五十六條の二、第百四十三條第一項及第百五十條の五第一項ノ手数料ノ額ハ物價ノ情況登記簿ノ謄本ノ交付等ニ要スル実費其他一切ノ事情ヲ考慮シ政令ヲ以テ之ヲ定ム  第十九條の規定によつて新設される不動産登記法第二十一條第三項の規定を次のように改める。  第一項ノ手数料ノ額ハ物價ノ情況登記簿ノ謄本ノ交付等ニ要スル実費其他一切ノ事情ヲ考慮シ政令ヲ以テ之ヲ定ム」  この修正の理由は、御承知の通り、本法の第五條の戸籍手数料に関しまして、これと同樣に表現方法が用いられておりますから、この手数料に関するところの規定の表現方は同一にした方がよいと、かような見解に基きまして、委員会の案としてこういう修正案を出すことにいたしたいのでございますが、御異議ありませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) ではこの修正案を議題に供します。では討論を省略いたしまして、直ちに採決することに御異議ありませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) では先ず当委員会修正案をお諮りいたします。修正案の御賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  33. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 全会一致、修正案通り決定いたします。
  34. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 次に、修正案を除く原案についてお諮りいたします。原案全部を問題に供します。原案に御賛成の方は御起立を願います。    〔総員起立〕
  35. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 原案通り可決すべきものと決定いたします。  尚本会議におけるところの委員長の口頭報告の内容につきましては、予め御了承願つて置きます。御賛成の方の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名      齋  武雄  大野 幸一      宮城タマヨ  深川タマヱ      來馬 琢道  岡部  常      松井 道夫  遠山 丙市      松村眞一郎 大野木秀次郎   ―――――――――――――
  36. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 次に、裁判所法等の一部を改正する法律案を議題に供します。本案につきましても、質疑は終局いたしておりますから、討論の段階に入つております。これは松村さん御意見がありましたね。
  37. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 私の修正案は第六十六條の規定であります。それは第六十六條の規定の中で、第一項の「司法修習生は、」の次に「別に法律で定められた司法試驗」というような改めるのであります。そうして第二項を削るのであります。その理由は、司法試驗というものは、元來裁判官それから檢察官、弁護士になる基礎知識を持つておる者を司法修習生として採用することが、現に行われる司法試驗でありますが、その司法試驗というものは、決して司法修習生になるための試驗というのではないのであります。司法試驗に合格した者から司法修習生を採る、こういうことの建前でなければならんと思います。そういうわけでありますから、司法試驗というものは、國家として法律に定める必要な試驗が行われるものでありますから、司法修習生を採る。それが司法修習生として最高裁判所の方で現在行われておるのでありますけれども、それは最高裁判所で命ずるから、その命ずる裁判所の方の修習のために試驗をするのであるという意味にならないような用意で第二項を削ろう、こういうのであります。「前項の試驗に関する事項は、別に法律でこれを定める」と言わないで、「別に法律で定められた司法試驗に合格した者」、この方が明瞭だというのであります。これは試驗令と関連しておる修正でありますから、これだけで御覽願つて御判断になることは如何かと存じますが、便宜裁判所法等の一部を改正する法律案だけがここに審議されておりますから、離して御説明を申上げた次第であります。
  38. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 松村さんにお尋ねいたしますが、若しこれを修正いたしますと、檢察庁法の方との釣合はよろしいですか。
  39. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 檢察庁法も変えなきやいけませんな。それは專門員の方で何か御注意がありましたね。專門員の方で調べておられるのじやないですか。
  40. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 專門員の意見といたしましては、やはり檢察庁法の方も改めなきやならんではないかというような意見を漏らしております。
  41. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 それは併せてやつて頂いてもいいですね。檢察庁法の一部を改正する法律案がありますから、一緒に……。
  42. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) それは審議が終了しております。速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  43. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 速記を始めて下さい。只今松村委員よりの提出にかかるところの修正案について、政府より一つ御意見を……。
  44. 遠山丙市

    政府委員(遠山丙市君) 只今松村委員より、いろいろ御質疑がありまして、御尤もな点だと考えているのであります。適当な時期において御趣旨に副うように政府では心懸けたいと思いますから御了承願いたいと思います。
  45. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 只今政府より発言がありました通りの次第でありますが、松村さんの修正意見は御撤回願えますかどうですか。
  46. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 事實をお認めになつたのでありますから、この際は提案することを撤回いたしましよう。
  47. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) それでは討論を終結することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) それでは討論はこれを以て終局いたしまして、直ちに採決に入ります。本案全部を問題に供します。本案全部に御賛成の方の御起立を請います。    〔総員起立〕
  49. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 全会一致原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚、本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては、予め御了承を願いたいと思います。御賛成の方の御署名を願います。  多数意見者署名      齋  武雄  大野 幸一      宮城タマヨ  松村眞一郎      深川タマヱ  來馬 琢道      岡部  常  遠山 丙市      松井 道夫 大野木秀次郎   ―――――――――――――
  50. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 次に、司法試驗法案を議題に供します。  本案につきましても質疑を終局いたしております。本日は討論の段階に入ります。
  51. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 私は修正案を出して置いたのでありますが、法律專門家としてという意味は甚だ漠然としておりますので、その文字は改めた方がいいと思います。この司法試驗なるものは、裁判官と檢察官と弁護士になろうとする者に必要な基礎的の試驗をするわけでありますから、むしろ明瞭にそういうことを書きたいと思います。これは高等裁判所の方の御意見も、法律專門家というような言葉はその意味が漠然としておるということの意路もありますし、尚法務庁の方の政府委員の説明も、実は実質は裁判官、檢察官、弁護士のことであるという御答弁もあり、そうではないという御答弁もあり、非常に曖昧になつておるので、むしろこの際明瞭になさつた方がいいと思うのです。  それから第二項を削る関係は、裁判所法律と同じでありますので、この点は裁判所法を改めるときに改めて頂いてもいいかと思います。
  52. 松井道夫

    松井道夫君 松村委員に御質問申上げますが、要するに修正案中「第二項を削る」という部分は削除いたされて、その他の部分を修正案として出される趣旨になりますね。
  53. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 この際は裁判所法の第二項がありますから、暫く二項を削ることは見合せたいと思います。それで裁判所法修正政府がされるときに併せて御考慮願いたいと思います。
  54. 松井道夫

    松井道夫君 只今の松村委員の修正案につきまして意見を申上げます。松村委員の御意見は全く当を得ておると思います。私としても賛成したいと思います。
  55. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 松井さんの修正意見はないのですか。
  56. 松井道夫

    松井道夫君 この際修正の動議を提出いたします。
  57. 岡部常

    ○岡部常君 松井君の動議に賛成いたします。
  58. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 松井委員の修正動議が立いたしました。
  59. 松井道夫

    松井道夫君 内容の御説明を申上げたいと思います。お手許に配付してありまする司法試驗法案の一部修正案というものを御覽下さいますれば分るわけでありますが、一応読み上げて見たいと思います。   第十二條中「法務総裁」を「最高裁判所」に改める。   第十三條第二項を次のように改め、同條第四項中「法務総裁」を「最高裁判所長官」に改める。  2 委員のうち二人は、最高裁判所事務総長及び法務総裁断房長をもつて充て、他の委員の一人は、最高裁判所弁護士のうちから日本弁護士連合会の推薦に基き任命する。   第十四條第一項、第十五條第一項中「法務総裁」を「最高裁判所」に改める。   第十五條第三項中「法務総裁」を「最高裁判所長官」に改める。   第十六條中「法務総裁官房」を「最高裁判所事務総局」に改める。   附則に次の一項を加える。  5 第十三條第二項中「日本弁護士連合会」とあるのは、弁護士法昭和二十四年法律第  号)施行の日まで「日本弁護士会連合会」と読み替えるものとする。  これから理由を申上げます。本法におきまして問題となつておりまする点に、この司法試驗の所轄を法務廳にいたすか、或いは最高裁判所にいたすかということが論議せられたのであります。最高裁判所側、弁護士会連合会側の意見は最高裁判所の所轄によるのがよろしいということであり、法務廳側の御意見は、法務廳の所轄にするのがよろしいということになつております。よつてその双方の理由を檢討いたしまするに、私はどうも最高裁判所の所轄にするのは正しいと思われる。又それが明白のことのようの存ぜられるのであります。先程松村委員から、裁判所法第六十六條の試驗、これはまあ修正案が提出されたのでございまするが、その趣旨といたしまするところは、その御説明にありました通りでありまするが、要するに司法試驗というものは、これは國家の試驗である。國家の人材を選定する試驗であるという意味であつたかと存ぜられるのであります。ただその司法試驗を一体國家のどの機関の所轄にしたらよろしいかということが問題となつておるのであります。御承知の通り現在國家の人材を選びまする試驗は、國家公務員法によりまして、人事院施行するところとなつておるのであります。法務廳はこの試驗については何らの権限を有しておらないのであります。而して今の司法試驗により選別せられる者は、將來裁判官、檢察官、弁護士となる者でありまして、その選別の試驗をどこに置くか、これを法務廳に置くという何らの根拠はないのであります。法務廳は現在政府の一行政機関でありまして、司法の系統にありまする試驗をここに置くという必然的な理由は何もない。檢察官を選定いたすのは或いは法務廳に帰属するということは考えられるのでありまするが、これに加えまして弁護士裁判官を選別いたすという試驗を法務廳に置くという理由はないと存ずるのであります。その檢察官も又これを司法の範囲に置くか、行政の範囲に置くかと言いますことは相当問題がありまして、根本的の問題がありまして、確か弁画士会においては、以前からこの檢察というものは一般行政の方に置かないで司法の方に置くべきだという議論であつたと聞いておりますし、又現在法務廳の下にありまするが、これとても國家公務員法の附則十三條によりまして、その特異の性格を認められて、一般の公務員と別個の取扱をすることが認められておるのであります。要するに現在この司法試驗をどこに附属せしめるかということを考えて参りますると、司法の畑でありまする最高裁判所の所轄にいたすということが最も必然であるのであります。更にこういうことも考えて見なければならないのであります。國家公務員法の改正によりまして將來裁判所職員は、將來と申しましても、これはもうちやんと規定されてありまして、昭和二十六年一杯で一般職から除かれることになつておるのであります。一般職から除かれるということは、要するに人事院権限がないということでありまして、その際これらの職員の試驗をどこで行うかということを考えて見ますると、どうしても裁判所職員であり、書記官であるのでありまするから、これを裁判所の所轄にいたすというより外方法ないのであります。さよう考えて参りますると、裁判所に関して何らの司法行政も行なつていないところの、そういう権限のないところの法務廳に、ただ一つこの司法試驗が残ると言いますことは非常な矛盾であります。この司法試驗を裁判所に置くことにつきましてはいろいろ反対の御意見もございまするが、その一つは、これは行政事務であるからして、これは裁判所に置いてはならん。裁判所裁判だけをやるところだからという趣旨の御意見があるのでありまするが、御承知の通り憲法七十七條によりまして、司法行政権限最高裁判所に賦せられたということになつておるのでありまして、それ故にこそ例の司法研習所も裁判所の所轄となつておるのであります。繰返して申しますが、法務廳は法務行政はやりまするが、戸籍とか、登記とか、裁判所に関しまする司法行政は一切新刑法によりまして、これを行わないことになつておるのであります。でありまするから、これが行政事務地方行政の性質を持つておるからいけない、裁判所にこれを置くのはいけないという議論は理由がないと存ずるのであります。又先程も言いましたが、これは試驗とは純然たる行政事務と区別するべきものでございましよう。職員の研修でありますとか、又試驗でありますとかいうものは、これは國家の一つの作用でありまして、それも純然たる行政事務とは区別すべきものであるかも知れませんが、少なくとも行政事務に準ずべきものであると存ずるのであります。人事行政と言いますものは、行政の中で最も重要なものであるのでありまして、その基幹となりまする研修所、更にその又基礎となり基幹となつておりまする試驗というものは、これは觀念は別個でありまおるが、密接不可分な関係がそこに認められるのではないかと存ずるのであります。さような関係で、行政事務であるから裁判所に設置するのはいけないという議論は理由がないと存ずるのであります。又最高裁判所は非常に忙しいので、更に司法試驗を所轄したら、裁判官会議ということも兼ねて、本來の裁判事務に專念することができないのではないかという御懸念の方もあるのでございまするが、併しながらこれは最高裁判所の方からこの席で御答弁がありましたように、司法試驗は司法試驗管理委員会というものがありまして、これが管理いたすのでありまして、個々の裁判所がこれにタツチする機会というものは殆んどない。このために裁判官会議が特に忙しくなるというようなことは想像できないということを述べたのでありまするが、私もこの司法試験法案を拜見いたしまして、司法試驗管理委員会があり、又司法試驗考査委員会というようなものを置いて運営をして行くのでありまするから、最高裁判所の言われたことは本当だと存ずるのであります。  次に、いろいろ御意見がありまして、どうも裁判所に試驗をやらす、……裁判所というものはどうも陰氣臭くていけないということもあるのでありまするが、私も同感であります。どうも裁判所ということになりますと、もともと被告人のような者が出入りをいたしまするので陰氣臭い、從つてそれに関与いたしまするすべての人が陰氣臭くなるのは、又帰趨の免がれんところかも知れませんが、どうも陰氣臭いところがある。これは全くその通りでありますが、將來の裁判所は國民の基本権を擁護いたすということに最善を盡されまして、朗かに國民から皆親しまれて、朗かに温く指導される裁判所の空氣も、是非そういう工合になることを切望しておるのであります。どうか純理から申しまして、最高裁判所の所轄とするのが正しいと信ずるのでありますから、この法務委員会の昔からの美しい傳統で、純理によりまして解決するという大方針に則られまして、どうか私の修正案に御賛成を得たいと存ずるのであります。
  60. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 私が先程第一條中と申上げましたが、第五條にもその字があるのでありますから、第一條及び第五條中「法律專門家として」を「裁判官、檢察官又は弁護士となろうとする者に」、こういうことに修正案を変更いたします。
  61. 大野幸一

    ○大野幸一君 私は本案に対して一部修正案を提出いたします。修正案の全文を読みます。   附側第三項の次に次の一項を加え、第四項を第五項に改める。  4 高等試驗の行政科試驗に合格した者(昭和十六年勅令第一号附則第二項の規定により行政科の本試驗に合格した者とみなされた者を含む。)で司法試驗を受けようとする者に対しては、第六條の規定にかかわらず、憲法、並びに民法及び刑法のうち一科目民事訴訟法及び刑事訴訟法のうち一科目について試驗を行い、その他の科目についての試驗は免除する。  これが修正案の全文であります。  次に、その修正案提出の理由を申上げます。本問題については質疑応答のうちにすでに明らかになつたので、これを簡單に申上げたいと思うのであります。原案によりますると、「高等試驗司法科試驗に合格した者は、この法律による司法試驗に合格した者とみなす。」とありまして、特に司法関係のみに限りました。併し行政科及び外交科に合格したる者は、他の数科目について試驗を受ければ、司法科試驗に合格したるものと見られていたことは、今までの法律であります。言わばその球試驗に合格した者は、他の科目二三科目について試驗を受ければよいという既得権を持つていたのであります。その既得権を今この司法試驗法が実施されるに当つて、これを剥奪する何らの理由はありません。又いわゆる帝大法律科を出た人が未だ以て司法試驗に合格したる者とみなされるとの権衡上においても、私は高等試驗行政科及び外交科を出た人を救済せんと欲するものであります。「行政科試驗に合格した者」の下に括孤を以て念を入れましたのは、これは先程も私が申上げました外交科の試驗の人もこれに含みたいという趣旨と、その前の高等文官試驗については、以前からもこれを救済されていなかつたという両方の意味を含むものであります。  以上を以て私の提案理由を終ります。
  62. 齋武雄

    ○齋武雄君 大野さんの修正案に賛成するものあります。
  63. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  64. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 速記を始めて。他に御意見もなければ、討論はこれを以て終結することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) それでは討論は終結いたします。採決に入ります。修正案は三つ出ております。御承知の通り松村さん及び大野さん並びに松井さんの三件で出ております、先ず松村さんの修正案から採決を諮ります。いずれも成規の手続を経ておりますから、修正案は成立しております。松村さんの提出にかかるところの修正案に賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  66. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 全会一致、松村さんの修正案は決定いたしました。  次に、大野君の提出にかかるところの修正案を問題に供します。修正案に賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  67. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 全会一致、修正案通り決定いたしました。  次に、松井君提出にかかる修正案を問題に供します。松井君提出の修正案に御賛成の方の御起立を願います。    〔起立者少数〕
  68. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 起立者少数、少数を以て否決されました。  次に、修正箇所を除く原案について採決をいたします。原案全部を問題に供します。原案全部に御賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  69. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 全会一致を以て原案通り可決するものと決定いたします。尚、本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長に御一任願います。多数意見者の御署名を願います。  多数意見者署名      齋  武雄  大野 幸一      宮城タマヨ 大野木秀次郎      松村眞一郎  深川タマヱ      來馬 琢道  岡部  常      松井 道夫  遠山 丙市      鬼丸 義齊
  70. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後三時二十分散会  出席者は左の通り。    委員長     伊藤  修君    理事            鬼丸 義齊君            岡部  常君            宮城タマヨ君    委員            大野 幸一君            齋  武雄君           大野木秀次郎君            遠山 丙市君            深川タマヱ君            來馬 琢道君            松井 道夫君            松村眞一郎君   政府委員    大藏事務官    (主税局長)  平田敬一郎君    法務政務次官  遠山 丙市君    特許局長官   久保敬二郎君