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1949-05-25 第5回国会 参議院 内閣委員会 19号 公式Web版

  1. 昭和二十四年五月二十五日(水曜日)    午前十時五十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○行政機関職員定員法案(内閣提出・  衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。行政機関職員定員法案を議題といたします。この際討論を終了しておりますので、直ちに採決に入る順序になつておりまするが、堀委員から、重要な点について政府に対して一点質疑したいということがありますから、これをお許しいたします。
  3. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 労働基準法の九十九條第四項によりまするというと、「労働基準監督官を罷免するには、命令で定める労働基準監督官分限委員会同意を必要とする。」、こういうことになつておるのであります。ところが只今議題となつておりまする行政機関職員定員法によりまするというと、労働基準監督官についてもやはり外の職員と同じように整理の対象となつておるのでありまして、この「分限委員会同意」云々という字句には何ら触れるところがないのであります。この点について、國務大臣の御答弁をお願いしたいと存じます。
  4. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 基準法に定められた所要の同意を得て、必要なる整理は実行する方針であります。
  5. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 そうしますと、本多國務大臣の御答弁のように、この労働基準法に規定されたところの條項は依然として生きるものだと、こういう工合に了解してよろしうございますか。
  6. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) さように承知いたしております。    〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
  7. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 これは実は一應私ここへ來るまでにいろいろ考えたのでございますが、皆様も御承知の通り、私達の見解と、それから與党の考え方との間に、昨日來の本会議が成立しておるか成立していないかという点で、昨日は本会議はああいう工合に行われたのでありますが、我々といたしましては、やはり飽くまでも当初の方針通りに、本会議はあれは一應問題にならんのだという形で実は出て参つておるのです。ところで本日委員会があると、併しながらこれは重要な法案でございますし、それでそれを認めないからといつて委員会に出ないということも、一應これは重要な審議を勝手にやられることも問題であろうということで、実はまあそういう考えでありますから、予めその点だけはお含みを願つて置いて頂きたいとこう思いますから、一つ……。
  8. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) それでは採決に入ります。行政機関職員定員法案の原案、これを……。
  9. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 採決をやる前に一應討論を……。(「討論は済んでおる」と呼ぶ者あり)この前の討論は速記に載つておるのでしようか。
  10. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  11. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) それでは速記を始めて。前回に続きまして討論を簡單にお続け願います。
  12. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 私はこの政府提案の原案に対しまして反対の意思を表明するのであります。この行政整理を主とするところの定員法の主たる目的は、多過ぎる人員の整理、それから財政上の負担を軽減する。この二大眼目の下に提出されているのでありまするが、果して官公吏の人数が外過ぎるかということが先ず第一に問題だと思うのです。詳しいことは私質疑の時間にお話申し上げましたから、それを羅列することは避けますが、併し何に対して多過ぎるかということが問われなければならないと思うのです。ただ單に、昭和六、七年頃にこれだけの官公吏があつたのに、現在はこれだけの官公吏になつたから多過ぎるというのでは極めて杜撰な考え方だと思わざるを得ないのであります。結局多過ぎるということは、総人口乃至は有業人口に対して多過ぎる、それを基準にして考えるか、或いは仕事の量に対して考えるか、こういうことでなければ合理的なものとは考えることができないのであります。そういう意味から申しますというと、先ず第一に、有業人口に対する比率から申しますというと、日本の官公吏の職員は必ずしも多いとは申せないのであります。私はその点につきましては、前にアメリカやイギリスやその他の國々の行政職員の数を挙げましてお話申上げましたから、ここでは省きます。それから仕事のことにつきましても、これも質疑のときに私申上げましたから省きます。要するに今日の仕事の量が戰前に比較しまして非常に多くなつているのであります。例えば戰爭によつて生じた統制事務、そういうような事務が新たに加わつて参つているのでありまして、單に量的に増加したというばかりでなく、質的にも仕事は増加している、変化していると、こう申上げなければなりません。從つてその仕事の量なり質なりを基本にして人員というものを考えなければ、合理的な人員の整理ということはできないということを考えるのであります。勿論今日の労働の生産性と申しますか、そういう点から申しますというと、私は今日は戰前に比較して落ちていると思います。恐らく労働の生産性ということを嚴密に計算して参つたならば、戰前に比較して三分の一以上の低下になつている。併しこれは、例えば施設が荒廃した、或いは仕事の量並びに質的な変化に伴うところの事務が増大したということと、それから労働側の、例えば住居の不便であるとか、食糧事情とかいうようないろいろの事情が加わつて來て、労働の生産性が落ちている。日本では、この労働の生産性の低下を実は人員の数によつてカバーしておる、こういうような面は私も認めざるを得ない。併しながら労働の生産性が落たということだけで以て人員を減らすということは、これ又経済学の原則から申しまして私は間違いだと思う、労働力の分析はここでは私はいたしません。時間を取りますから……併しただ一つ、とにかく生産量の低下に伴つて労働力を低下させなければならんということは、これは間違いなんであります。労働力は不変の労働力と可変の労働力とあります。近代工業のような巨大な人員を持つときにおきましては、不変の労働力というものが非常に大きな分を占めておるのであります。從つてよしんば生産性が落ちたからと言つても、そのために不変の労働力を切るということはできないのであります。ですから可変の労働力はともかくとして、不変の労働力が切り下ることができないと、かくなれば、單なる生産量の低下を以て労働者の過剩ということを結論することは間違いだということを一言申上げなければならんのであります。今度の官吏が多過ぎるという論拠は、從つて極めて合理的なものではなく、科学的な基礎を持つものではないと、こう申しても差支えないのであります。結局機械的な、何ら合理的基礎に基かんところの整理であるということを先ず第一点に申上げなければならんのであります。而も財政上の負担の軽減について見ましても、これ又同様でありまして、退職金につきましては、先程本多國務大臣から御発表になりました從來の退職金に比較しまして、約六分の一低下しておるという事情であります。これは整理される対象としての官公吏から訴願権を一應剥奪する、或いは公共企業体の苦情処理の権限を剥奪する、つまり労働者として本來的に認められた権限を一方において剥奪しながら、退職金を通常の場合に比較して六分の一少い額だけ支給するということは極めて不合理である、のみならば一般の企業におけるところの退職金と比較しましても、非常に低い率なんであります。行政機構審議会の答申案の失業対策の第一項にも、退職金については一般企業との均衡を保つということを要請しておるのであります。その点から申しましても、退職金は極めて不合理であるということを……。
  13. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) ちよつと委員諸君に申上げますが、今議長から命令と言いますか、通知が來まして、本会議で何か不信任か何かにつきまして記名投票があるから、一時議場へ集まれということが來ましたから、それまで休憩いたします。    午前十一時十八分休憩    ―――――・―――――    午後一時十九分開会
  14. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) これより引続いて内閣委員会を開会いたします。堀君の御発言中に休憩にいたしましたから、堀君に続いて御発言を願います。
  15. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 休憩前に財政上の負担の軽減に関する二、三の論点を申上げたと思うのでありますが、それに引続いて尚一、二申上げまして私の討論を終ることにしますが、休憩前には確か退職金の問題でお話を申上げておつたと思いますが、退職金が從來の一般官公吏職員に対する退職金と比較しまして、非常に今度は、率が低く、それから一般民間企業との釣合から見て、その釣合が取れていない、この点につきましては、行政機構刷新審議会の失業対策の第一の要綱にも見られる企業との均衡を保つということが要請されておるのでありまするが、その点につきましても相反しておるものと認めなければならないと思うのであります。而も財政上の負担の実際額を申しますというと、二十五年度において二百二億、本年度は退職金その他の関係で七十億ということになつておるのであります。これを総歳出の中で見ますというと、パーセンテージは非常に低いわけであります。むしろ價格調整金といつたような相当多額の費目が歳出の中に見込まれておるのでありまするが、これの節約によつて歳出の軽減を図つた方が合理的ではないかという工合に私は考えるのであります。以上のような点から申しまして、財政上の負担の軽減には大して貢献するところがない、これは第二点であります。それから失業対策の問題でありまするが、十七万の行政職員を整理する、而もこれに対する対策ができておるかと申しまするというと、これ又極めて不完全なものであり、到底失業対策と申すことができないと思うのでうります。御承知のように、予算の面におきましては、失業対策費として八億数千万円、外に失業保險費として二十億から費目があるのでありまするが、僅か二十八、九億の金で以て果してこの失業者を救済することができるか。單に官公廳の職員が整理されるばからでなく、官公廳の職員が整理されれば、一般企業もこれに倣つて企業整理で失業者を沢山出すということは当然予想されるのでありまして、現に労働大臣も言明されておりますように、相当多数の失業者が本年は出るだろう。併し労働大臣のお話によりますというと、本年度が失業者の山であるというお話でありまするが、本多國務大臣は、第二次、第三次の整理を予想しておられる。從つと官公廳職員についても、尚第二次、第三次の失業者が出て來るということは必至と見なければならん。それから又一般企業におきましても、本年度が山だと申すことは誤まりでありまして、この点につきまして詳しく申上げることはここでは省きます。私はすでに質疑の時間にこの点について幾度か繰返しておるのであります。ともかく民間企業の整理に伴つて民間においての失業者が相当多数出て來る。而も今年が山ではなくと、尚今後続々これが出て來る。こういうことを予想しなければならん。それから更に又失業者と申してよいかどうか、これは問題でありまするが、中小企業が崩壞するということであります。これも詳しいことを申上げますと時間をとりますから、極く簡單に申上げますが、今日のような資本主義の段階におきましては、中小企業というものは、もはやその存在の意味を失いつつあるということを私は申上げなければならんと思う。つまり今日の段階において、中小企業が倒産するということは、これは避けられない事実だと思うのであります。而も経済九原則、その他によつて一應の枠が嵌められるのでありますからして、ますます中小企業の倒産というものが拍車をかけられて行く、その上に中小企業ばかりではなくて、九原則の枠の外に置かている大企業ですら、やはり倒産の止むなきに至るものではないかという工合に考えられるのであります。現に職業安定局失業対策課において発表しております失業対策速報の五月十五日号を見ますというと、電氣通信産業、それから石炭業、それから亞炭業、セメント業というような諸業種について、今後大企業においても相当の失業ばかりではなくて、企業そのものが倒産の憂き目乃至は相当の不況を予想しているのでありまして、こういう面からしても失業対策と睨み合して、十分に対策を講じなければならんと思うのでありまするが、今度の定員法の中には、こういうような失業対策について極めて不十分であるということを指摘しなければならんのであります。以上のような三点であります。即ち合理的な基礎がこの定員法にはないということ、而も人権を無視して多量の整理を行うということ、それから財政の負担についても極めて理論的な基礎を欠いているということ、それから失業対策についても不十分であるということ、こういうような観点から申しまして、私はこの行政機関職員定員法には反対を表明するものであります。
  16. 三好始

    ○三好始君 私は行政整理そのものに対して、特定の立場から絶対に反対する、こういうものではありません。日本の行政機構が主として統制経済との関係上、近年著しく厖大化いたしまして、各行政機関相互間の関係も複雜化しているのでありまして、それに伴う人員の増加していることも爭われない事実だと思うのであります。從つて科学的の基礎の上に立つて、行政機構の合理化が行われ、必然的に無理なく人員が縮小される結果になることは好ましいことだと考えられるのであります。併しながら人員整理に先行すべきものとして、先ず行政機構の合理的な改革が行われなければならないし、行政機構合理化の前提として、或いはこれを並行して、行政事務そのものの合理化が行われなければならないと思うのであります。ところが今回の定員法に現われている行政整理は、政府の説明を聞いて見ましても、合理的な基礎の上に立つたものとは認められないのでありまして、行政事務の能率的な運営の前提をなす事務の合理化そのものが後廻しにされ、人員整理が先行するという逆の順序になつておることが、一應明らかとなつたと思われるのであります。そこで部分的には事務の実情に基いて、一般会計三割、特別会計二割という原則的な整理率の、例外は認められておりますけれども、詳細に檢討いたして見ますと、随所に相当の無理を生じている部分があると思われるのであります。例えば食糧事務所、営林署、中小企業廳、氣象台その他に予想される支障或いは國鉄の人員整理が、運輸上危險性を招來するなどが先ず考えられるのであります。又人員整理に伴う失業対策その他の措置が適切でない場合、國民経済全般の立場からは、人員整理による表面的な経費の節減は、必ずしもそのままプラスにはならないと考えられるのであります。今回の整理は、この方面から見ましても不安なきを得ないわけであります。而も今回の整理が人事院との連絡を欠いておつたことを考え併せまして、私はむしろ定員法は、これに伴う措置と併せて十分に練り直しまして、次期國会に提案するのが妥当であると信ずるのであります。併しながら、すでに討論終結の段階に入りましたので、私は遺憾ながら原案に反対いたすものであります。尚私は訂正條件附きでこの前の委員会で提出いたしておりました修正案は、訂正條件附きでありましたけれども、委員会で否決になつておりましたので、これをもう一度改めて出すということも、技術的な問題の点もあるかと思いますので、そういう意見を私は持つておりまして、或いは本会議で提案いたすことになるかも存じませんので、そのことだけを一言附加えて私の発言を終ります。
  17. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 私は只今提案されました行政機関職員定員法案に対しまして、反対の意思を表明したいと思います。  今回政府は、行政機関の簡素化を図るという美しい名前の下に、この機会こそ絶対のチヤンスとして行政整理を断行せんといたしておるのでございますが、その目途としておるところは、一般会計三割減、特別会計二割減、整知実員約十七万名を目標としておるのでございますが、この二割減の基礎におきましても、三割減の基礎におきましても、当然どこの役所はどれだけ機構の改革をなし、從つてどれだけの人員を整理するかという科学的な合理的な基礎の下に立つて作られたものでなければならないというにも拘わらず、政府は一体何の基礎でやつたか、我々にはちんぷんかんぷん分らないのであります。我々はこの数十日來、口を酢つぱくする程いろいろなことを要求しておるのでございますが、これだけ沢山の大臣が毎日出ましても、何らの、誰一人として我々に満足できるような回答を得ておらないのであります。強いて要求すると、各省大臣政府から押付けられたから止むを得ずやつたのだ、首切りの総元締であるところの本多國務相に聞けば、それぞれの所管大臣からそれは説明申上げますと言い、我々は今日まで到頭その本体を掴むことができずに参つたのであります。要するに今回の整理の基準数というものは、何らさような意味におきまして科学的な根拠によつたものでなく、それかと言つて仕事の量からもこれを決めたものでもない、全くの憎むべき天下り天引行政整理でありまして、我々國民生活を全面的に破綻に導くところの反動政策の一還として行われたものである。而も憲法に規定されておるところの基本的人権を無視しまして、強引に断行せられたところの暴力的な首切りのための首切りでありまして、我々はこのような行政整理には断乎反対するものであります。  さて、然らば我が國の官吏の数は、諸外國に比して非常に多いと言われておるのでありますが、この実態はどうでしようか。これは時間もございませんから省略いたしまして、とにかく総人口に対する、又有業人口に対4る我が國の官吏が決して多くないということは、これはもうしばしば堀君からも説明があつたと思いますから、この点は省きまして、とにかく我が國の官吏というものは、そう多いものでないということだけをここで申上げて置きたいのでございます。  次に、戰後我が國の官吏が急激に増加したことは我々の認めるところではありますが、併し現在の我が國の状況よりいたしまして、官吏を減らすことにおいて我が國の再建ができ得るとは私は考えておらないのであります。現在の各官廳現場の実情は、働く者が足りなくて、或いは労働強化となり、胸部疾患その他の病氣で倒れる者が増加の一途を現在辿つておる状態であります。又婦人の労働者に対しましても、十分な休養を與えることになつておるにも拘わらず、休暇をとることもできず、而もこれらの人々は予算の関係ということでオーヴアー労働に対するところの賃金も実は十分に貰つていない現状でございます。我が國の官吏が終戰後増加した原因はいろいろございますが、官僚統制の強化、渉外事務の複雜化、民主的改革、或いは現業の諸施設の老朽等によるものでありまして、官僚統制の強化は戰後における経済再編成の過程において、政策的に強行されたので、経済安定部、物價廳、経済調査廳等はそのために新設されたものでございます。その他の各省廳共に人員の増加、或いは機構の拡充を招いたのでありまして、地方出先機関の増加もこの理由によるものがあろうかと思います。又渉外事務の複雜化は占領下におけるところの特殊的事情に基くものでありまして、政府の政策次第によつてはその節減は可能と思われますが、自主性と責任性を失なつておるところの現政府の下では、ますますこの渉外事務が殖えるばかりでありまして、戰後において民主的改革が行われた一例として、各種の行政委員会、或いは審議会、調査会等の設置、並びに調査統計部門の拡充、各種の社会保障制度に應ずるところの機構の強化新設等はすべてその現われでありまして、戰後におけるところの急激なる官吏の増加は、仕事の量はともかく飛躍的に増加したことに原因しておるのでございます。ここに從來の定員が二割乃至三割減ぜられるといたしますれば、大体どうなるかについて、二、三の現場について申上げますが、先ず郵政、電信関係の現場におきまして、事業量が逐年増加するに反しまして、從業員は必ずしもこれに追いついておりません。例えば保險年金業務におきましては、昭和九年に比べまして年金契約数は四倍に達しておるのに対しまして、人員は僅かに三倍に達せず、而も労働力の構成は、労働の強化と待遇の劣惡から非常に不安定であり、熟練者は年々減少し來る現状でございます。のみならず、戰災施設復興及び保全は極めて不良で、例えば戰災の局舍の復旧せるものは郵便局でも半数、電信局で三分の一に過ぎません。加入電話のごときも四〇%が罹災し、これの三・九%が僅かに復旧したのみという状態でございまして、保全について一例を言いますと六五%に過ぎません。又電比しまして六五%に過ぎません。又電話故障率におきましても、昭和十二年の八・一%に比しまして、二十三年度は二七・四%に達し、事業施設が如何に荒廃しておるかということを立証しておるのでございます。かくして事業量の絶対的増加、施設の能率低下が從業員の上に労働強化として蔽いかぶさつて來ており、このため逓信事業における結核罹病率は他産業に比して最も高率を示し、東京三中央局では療養を要する者一三%にも達しておるのでございます。又曾て昭和五年には二十五都市平均の電報の所要時間は僅かに五十七分でありましたが、現在では約七時間を要しておる現状でございます。從つて逓信現場從業員の労働條件を安定せしめ、人員を増加する措置を講ずる以外に、この荒廃した現場を救済することは不可能と信ずるのでございます。然るに本予算節減のために、十名に一名の割合で整理されるならば、事業の完全に麻痺し、恐るべき亡國への道を辿るに過ぎないことは明らかでございます。更に國鉄におきまして言うなれば、二十三年度の予算定員、いわゆる六十二万七千五百名を、五十万六千七百名に、約十二万名を整理しようというので、この場合現業は平均一七%に止まるが、管理部門は実に五〇%の整理ということになるのでございます。又現業中最も重要な部門である機関区、電車区は実に三三%の減員となることになつております。然るに一方國鉄の從業員諸君は、驚くなかれ年間を通じて八万名分の超過勤務を余儀なくされておるのでございます。而も十分な超過勤務手当は未だに受取つておらない実情でございます。然るにも拘わらず、十二万名を整理せんとしておることは、五月十四日、我が社会党政調会主催の定員法案説明会では、加賀山長官は婉曲に、今回の首切り政策は失敗であるということを事前に認めておりまして、若しこれを強行するごときこととなれば、電車区において送電事務に重大な支障を來し、或いは通過列車監視の削減、中間駅、信号係の減員、巡察員の廃止、外勤運轉係の廃止等を結果し、今日すでに路線の荒廃はその極に達し、國鉄の現状を熟知せるところのいわゆる專門家は、安心して汽車に乘れないということまでも言つておる危險状態で、更にこれに拍車をかけ、交通事故は更に増加することになるでございましよう。更に又小駅の廃止、駅裏口の閉鎖、出札窓口及び改札窓口の一部閉鎖、手荷物、小荷物取扱機関の制限等が行われる結果となりまして、國鉄サービスは著るしく低下することとなるのでございます。又測候所、氣象台の減員の問題であります。現在六千四百余名の職員の、その三分の一の二千数百名を減らそうというのでありますが、現在の数においてすらその所掌事項を遂行することが困難であるのに、三分の一の減員となれば、農業、漁業、海運業の発展のために科学的の資料は殆んど提供不可能の状態となることは疑いなきところでございます。一端を述べましただけでもかかる状態であります。必要欠くべからざる民主主義の徹底に資すべき方面は遠慮なく整理いたし、その反面海上保安廳とか、或いは法務廳とかの警察関係の官吏は首切るどころか、却つて人員を増加しなければならんというのが今回の整理の実情でございます。政府の言い分によりますと、官吏が多過ぎると言つて、まるで怠慢な官吏が役所でうようよしておるように聞えますが、現在におきましては四十八時間制と、そうして六・三ベースの鎖に繋がれておる、極度の労働強化になつておることは前にも申した通りでございます。  さて次に、今を機会に行政機構の簡素化をやると政府は言つておるのでございますが、皆さま方も各省設置法で御承知のように、今回の行政機構は事務の徹底的簡素化を図つたとは言つておりますが、片鱗だにその跡は見受けられんのでございます。ただ現在の機構を総花的に二割、三割の圧縮を行なつただけであつて、却つてそれがために不自然な形をなしておるのでございます。行政機関の徹底的簡素化は、でき得る限り二重三重の行政事務を一体にして、そうして窓口を一つに纒め、二重行政、判こ行政の弊を排除すると共に、各省廳の共管事務を徹底的に整理統合しなければならないのでございます。然るに依然として官僚の繩張り行政が行われておるのでございます。一例を申しますというと、建設業務にいたしましても、何ら建設省に一貫されておらず、敗戰後におけるところの機構や、設置、優秀なる技術者を各省に分散しまして、港湾は運輸省、河川は建設省に、港湾は農林省に、電源開発工事は通産省に、その他限りなく、同じ土建業務がそれぞれに分散されており。これによる國家の損失は莫大なものと言えましよう。又我々労働者の保險行政にいたしましても、簡易生命保險は郵政省に、國民健康保險は厚生省に、健康保險、厚生年金保險、失業保險、労災保險、船員保險、農業保險、山林保險、漁船再保險等々が、それぞれ運輸省に、或いは労働省に、或いは農林省にばらばらでありまして、官僚繩張り行章をやる政府は一向にお構いございませんが、やられる方の労働者側、農民は全く迷惑千万な話でございます。又その他生産業務を担当する糸や織物を農林省がやつて見たり、又上屋、倉庫等の埠頭施設の管理の権限にいたしましても、大藏省、運輸省等におきまして繩張りをやり、貿易関係の爲替管理にしましても、大藏省、通商産業省の間に権限の爭いがあり、公共事業費の査定につきましても経済安定本部と大藏省に重複する面があり、又観光行政にいたしましても、一部は運輸省でやり、一部は厚生省でやり、一部は建設省でやる。労働行政におきましても労働省がやつたり、海運局がやり、輸送機関の政策に当りましては、造船は運輸省がやり、自動車は通産省でやり、その他限りない矛盾が重複し、そうしてこれを露呈されておるのでございます。かような意味からいたしましても、今回の行政機構改革は國家の利するところは蚊の涙程もございません。  次に、今回の行政整理によつて、一体どれだけの國家財源が節約されるかと言いますと、整理人員十七万一千三百人に対するところの一般会計、特別会計の本年度の予算節減額は、政府の言明によりますと、七十億である。本年度予算の一般会計、特別会計の支出から見ますと、この節約比率は〇・三%に過ぎません。我が國の総支出から見ますと余りに僅少でございます。これを政府は緊急非常時突破の唯一の手段と言つておるのでございますが、私はかような節約は我が國の経済から見ましても、どこからでも搾り出せると確信を以て申上げたいのでございます。例えば物價廳におきまして、物價調整補給金の本年度の歳出は二千二十二億円、同じく價格差益金の歳入が二十三年度決定額におきまして二百五十四億六千万円、これらの歳出、歳入の合計二千二百七十六億六千万円、これら取立或いは拂渡の業務に從業している者は僅か七百四十五人で、皆過重労働の結果、勢い歳出歳入の業務の疎漏を來している現状でございます。それに所要人員の二百人を増加し、完全にこれを実施しようとしたなれば、そのことによつて一割の節減をいたすなれば、このことだけでも二百二十七億円に相成り、今回の行政整理による節減額の三倍となるのでございます。かような点から見まして、政府は國民の基本的人権を奪い取りまして、そうして國家公務員法に保障されているところの公務員の訴願権を剥奪し、十七万人の首を切り、その家族の生活権をも奪い取りまして塗炭の苦しみに追い込んで、敢てやらねばならないというところの、これが國家再建の最大にして唯一の方針だと言つているのでございます。かような点より見まして、政府は國民の基本的人権を奪い、國家公務員法に保障されているところの公務員の訴願権を剥奪し、十七万名余りの首を切りまして、その家族の生活権まで奪い取り、塗炭の苦しみに追い込んでまで敢てやらねばならんのか、これが私は國家再建の政府の最大唯一の方策なのかということに対しましては、今度の政府のこのやり方に対しましては、一体人間としての一片の良心、一滴の血潮が流れているのかということを疑わざるを得ないのであります。我々はお互いに敗戰によりまして塗炭の苦しみにあるときに、かかる措置が妥当であるかどうかガかようなことをいたすことにおいて今後の國の利益よりもマイナスが非常に多いということを憂えている次第であります。私は全國民のこの考えからいたしましても、こういつたようないわゆる暴力的な、暴力團的なこういつたいわゆる一方的なる行政整理には断乎反対をするものでございます。
  18. 三好始

    ○三好始君 先程の私の発言の一部を訂正させて頂きます。先程私は、訂正條件附きで提出した修正案が、先日の本委員会で否決されたというような意味のことを申上げたかと思いますが、これは正式には委員会ではなくして、懇談会の形式であつたそうですから、從つて正式の否決でなかつたわけで、この点訂正いたして置きます。
  19. 岩本月洲

    ○岩本月洲君 本法律案は國家行政機関の定員を定める基本法でございまして、極めて重要な意義を持つものであります。委員会におきましては各行政機関設置法案と関連いたしまして愼重に檢討した結果、我々といたしましては修正することを適当と認める点があるのでございます。併し諸般の事情からこれを修正することに困難のあることが明かになつたのであります。よつて我々といたしましては、政府がしばしば言明いたしました通り、定員法案によつて行政事務が十分に運行し得るという言明を一應信頼いたしまして、本案に賛成の意を表します。併し政府は本委員会において各委員が述べられた意見でそれは十分に御承知のことと存じますので、その意のあるところを勘案せられて、本法案施行に当つて行政の運行に苟くも支障を來さないようにという万全の処置を講ぜられるよう強く希望いたしまして、賛成の意を表するものであります。
  20. 中川幸平

    中川幸平君 私は原案に賛成の意を表するものであります。過去いろいろの内閣において行政整理を政策の一端に掲げられた歴史が多いのであります。その多くは龍頭蛇尾に終つたというのが通例である。或いは行政整理を断行されましても、数年ならずしてその跡形もないという実例であつたという例が多いのであります。現内閣は政策の一端として行政の簡素化、行政整理、而して國民の負担軽減に当てんという下にやつておるのであります。そこにおいて各省廳の責任において幾割かの人員を整理し、各省廳の定員をそこに決めまして、而してその実現の後、その枠内においての事務の澁滯を洞察して、或いは配置轉換、その他の方法によつて國政の完璧を期したいというこの定員法に対しまして、賛成の意を表する次第であります。
  21. 藤森眞治

    ○藤森眞治君 私は民主党代表いたしまして修正意見を述べたいと思います。本案の附則のうち、5から10に亘ります間における苦情処理を否定してある事項、並に11の終りに「政令で定める。」と書いてありますのを、これを「法律で定める。」と、こういうふうに修正したいという修正意見を申上げます。
  22. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  23. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。
  24. 藤森眞治

    ○藤森眞治君 それでは只今の私の言葉を少し訂正いたします。そういう修正意見を持つておるということに御了承願いたいと思います。そういう強い修正意見を持つておりますが、今日の事情に鑑みまして本案に賛成いたします。
  25. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 議事進行に関して……。只今、これは私は別にこのことを取上げてどういうというわけではございませんが、肝腎のこの退職金の決定が、政府の原案は、これは聞かして頂きましたが、何ら決定していないということを今本多國務大臣から承わりましたから、それだけ、そういうことであるという事実だけを速記に留めて置いて頂いたらいいと思います。
  26. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) では行政機関職員定員法につきまして、討論は盡きたものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) 御異議ないものと認めます。つきましては、これから本案の採決をいたします。本案の衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  28. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) 多数であります、よつて本案は可決せられました。例によりまして報告書に御署名を願います。    多数意見者署名     城  義臣   一松 政二     中川 幸平   藤森 眞治     佐々木鹿藏   岩本 月洲     新谷寅三郎   鈴木 直人
  29. 河井彌八

    ○委員長(河井彌八君) それではこれを以て散会いたします。誠に連日御苦労でありました。    午後二時一分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            カニエ邦彦君            中川 幸平君            藤森 眞治君    委員            河崎 ナツ君            城  義臣君            一松 政二君            佐々木鹿藏君            岩本 月洲君            下條 康麿君            新谷寅三郎君            鈴木 直人君            堀  眞琴君            三好  始君   國務大臣    國 務 大 臣 本多 市郎君