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1949-05-14 第5回国会 参議院 大蔵委員会 27号 公式Web版

  1. 昭和二十四年五月十四日(土曜日)   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○日本銀行法の一部を改正する法律  案(内閣送付)   ―――――――――――――    午後一時二十五分開会
  2. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) これより大藏公聽会を開会いたします。  開会に先立ちまして、公述人として御出席を願いまする皆樣方に、委員会を代表して御礼を申上げたいと存じます。本日は御多忙のところを当大藏委員会のために時間をお割き下さいまして、御公述を願いますことを厚く御礼を申上げます。大体御一方二十分という時間でお願いをいたしたいとこう考えます。そして後から質疑がありましたらば、その質疑にお答えを願いたいと存じます。  では公聽会の案件は日本銀行法の一部を改正する法律案についてであります。始めに慶應大学経済学部長、金原賢之助君にお願いいたしたいと存じます。
  3. 金原賢之助

    ○公述人(金原賢之助君) 突然のお招きで十分なことは勿論申上げることができませんが、私の感じましたところを簡單に申上げて責任を果させて頂きたいと思います。  御承知のように政府と中央銀行との関係につきまして、從來の経驗に現れたところを見ますると、二つの形があつたと思います。一つは中央銀行を政府からできるだけ切離して行くというやり方であります。もう一つは中央銀行と政府との関係を密接に保つて行くという形であります。前の方の中央銀行を政府から切離して行く方は、英蘭銀行が長年やつて來たところであります。後の方の中央銀行と政府との関係を密接にして行くというやり方は、第一次大戰後新たに中央銀行の設けられた國々において多く見た傾向であつたと思います。大体そういうような二つの傾向がありまして、その二つの傾向について理論的にはいろいろの議論がございましたが、その後の世界経済の動きが自然のうちに経済統制の方向に向つて参りましたので、中央銀行と政府との関係もそれに從つて漸次密接を加えるに至つて來ておつたと思います。  これを我が國の場合について見ますると、日本銀行は從來英蘭銀行を模倣して、お手本としてやつて來ておつたと思います。從つてできるだけ政府とは関係を結ばないという方向を取つておつたと思いますが、第一次大戰後の不況期に際しまして、景氣政策的な経済統制が必然行われることになりましたので、その関係から日本銀行と政府との関係も前よりも密接を加えるに至つたと思います。その後更に景氣政策的な統制経済が戰時的な形を持つに至りましたので、全く日本銀行は政府の支配の下に立つと申しますか、そういう形を取つて参つたとこう思います。ところがこの終戰後におきましても、御承知ようにインフレが非常に進展して参りましたので、どうしてもこのインフレの中心原因が政府の財政にあります以上、中央銀行の政策というものも政府の財政の重圧の下に置かれるということになつて來ておつたのであります。勿論財政が非常に膨張し、赤字的な資金の増出が行われる以上、中央銀行の政策がその政府財政の蔭に隠されるということは止むを得ないことであつたと思います。  ところが今回九原則を実施することになり、財政に或る程度の枠がはめられることになつた。そうしてデイス・インフレと申しますかそういう方向をとることになりましたので、ここで今まで政府から、或いは財政から非常な重圧を受けておつた中央銀行が轉換して独自の立場を、体系をとり得るような態勢に向つて來ていると思います。そういう点から、そういう動きの、大雜把な動きでございますが、その動きの上から考えて見ますると、今度日本銀行法の一部を改正して、日銀に或る権威を與えようとすることは当然の進み方であるかと思います。そうしてその日本銀行に権威を與える形が、今回提案されたところによりますと、日本銀行に最高の決定機関としての政策委員会を置くことにありますが、その狙いがどこにあるか、勿論私共には分りませんが、察しますところ、日本銀行の政策に或る程度の独立性と、それからよれ多くの公共性、それを與えようとするところにあるのじやないかと推察いたしておるのであります。若し狙いがそういうところにあるとしますならば、今日の経済情勢の動きと睨み合せまして、先ず狙いとしましては至当なところであろうかと考える次第であります。併しそれならば、日本銀行を全く政府と関係を切離すといつた昔のイングランド銀行式の方向へ持つて行くことができるかと申しますと、当面はそう簡單にはできないのじやないかと思います。というのは申上げるまでもありませんが、財政は健全化の方向をとりましたけれども、財政そのものの規模は依然として非常に大きくて、全体の國民経済を動かす地位に立つておりますし、それからもう一つは、経済の統制も或る程度今後も存続して行かなければならんだろうと思われますことと、更に今一つは一定の爲替レートが與えられているということ、そういう事情に鑑みますと、今直ぐノーマルな状態に戻るというようなことはできないのじやないかと思います。從つて今ここで日本銀行を政府から或る程度切離すやり方をとりましても、昔のように完全なところまでノーマルな状態まで戻り得るというわけではなくて、從つて日本銀行というものが、國家的な要請と、それから國民経済的な要請との間に挾まつて、板挾みになるような立場に立つこともありはしないかと考えているのであります。今度の改正案の提案の理由の中にありまする、この條文の中にもありますような、國民経済の要請に適合するように政策を決めて行くということになつておりますが、その場合國民経済の要請とは果して何であるか、或いは何が國民経済の要請であるかということを決めることが非常にむずかしい問題になりはしないかと、こんなふうに考えて参りますと、今度の改正案につきましても一、二の問題点が考えられるのであります。  その一つの点は、この政策委員会の構成の問題であります。構成がどうなつておるかということでありますが、改正案によりますと、職務委員の他に四名の委員が出ることになつております。金融方面の方が二人、商工業方面と農業方面の方が一名ずつということでありますが、勿論この委員会は余り委員の数が多くない方がいいと思います。余り多数であることは、却つて船頭多くして舟山に上る虞れもありますから、委員の数は余り多くない方がいいと思いますが、又その委員は各方面のあらゆる利益代表という意味でなく、その方面の事情に通曉している、こういう意味だろうと思いますが、成るベく各方面を代表した方が入つて、最も力を持つた機関を動かして行く方がいいのじやないかと思います。そんなふうに考えて見ますると、現在の改正案に出ております委員の構成は大体世界各國でやつているところに通じていると思いますけれども、尚或いは労働方面の事情に通じた者、在いは学識経驗者等の中から若干名の委員の候補者を出して、その中の二名ぐらいを任意に加えることが、或いは各方面を代表する者という意味においていいのではないかというふうにも考えられるのであります。  それからもう一つの点は、政策委員会を日本銀行の内に置くか、或いは外に置くかという問題があるかと思います。外に置いた方が独立性を確保する意味においていいという意見も成り立つかと思います。又例えばアメリカの制度におきまして、連邦準備制度の理事会が外に置かれてあるというのもその一つの例であるかと思いますが、併しアメリカの場合には日本の場合と違いまして、沢山の連邦準備銀行がありますので、そういう形にならざるを得なかつたのだろうと思います。日本の場合は一つの中央銀行でありますから、必ずしも外に置かなければならんとは私は考えないのであります。外に置いて、政策委員会が浮いてしまつたのでは何もならないという虞れもありますので、要するにその委員会は構成と、その運営に如何にあるわけでありますから、内に置いても差支えないのじやないかと、こんなふうに私は考えます。それからもう一つは、政策の立て方の問題でありまして、これはむしろ今後の問題になるかと思いまするが、現在は御承知のように非常な金詰りであります。非常な金詰りで産業界が困つておりますが、今後におきましてもインフレが抑えられてデフレになるのか、或いはデイスインフレであるかはとにかくといたしまして、とにかくインフレが抑制されて行こうとしますれば、どうしても或る程度の金詰りは免れ難いと思うのでありまして、今後もこれは続いて行くだろうと思います。又続いて行くのは止むを得ないと思うのでありますが、併しこれは非常に極度になつてしまうということになつて、それがために産業が非常に萎靡をするということになりますれば、却つて元も子もなくしてしまう虞れがあると思います。それだけにこの委員会が決定します今後の通貨信用政策というものは、非常に重要性を持つて來ると思います。勿論今度の予算案におきましても、対日援助見返資金勘定というようなものがこれを緩和する役割を持つことにはなつておりますけれども、この勘定と、その勘定に対する実際的な要請との間に時間的なずれが起るということも勿論考えられますし、又この勘定を、運営の仕方如何によつては金詰りを緩和するどころか却つて強化する、という虞れも勿論あります。それから又財政は健全化して來たと思いますが、この財政を運営して行く上におきましても、歳入と歳出との間に時間的なずれというようなことが、時間的な、或いは金額的な喰い違いというものが相当起る可能性もあると思います。そういう点が非常に強くなりますれば、金融面が非常に窮屈になつて産業を縛りつけてしまうという虞れが十分にあると思います。勿論財政と金融とを区別するという点から申しますれば、金融面でそのギヤツプを埋めて行くというようなことは、或いは好ましくないということが言えるかも知れませんけれども、併し只今申しましたように、それがために産業が非常に窮屈を極めるということになりますれば、却つて元も子もなくなす虞れがあるわけでありますから、この政策委員会が政策を決定するに当りましては、即刻にそのギヤツプを緩和して行くような方策を講じて行く必要があると思います。殊に申上げるまでもありませんが、基礎産業、輸出産業、中小産業方面への資金の疏通というところに万全を期するような狙いを持つということが必要であると思います。そういう方向に動かし得るような構成を持たせることがこの委員会にとつては必要であろうとこう考える次第であります。尚もう一つ今後の問題になると思いますが、今日の経済の情勢では直ぐノーマルな状態は起つて参りませんけれども、段々に仮に経済がいわゆるノーマルな方向に向つて行くものといたしますれば、そういう方向に向えば向う程、この政策委員会の決定が重要性を持つて來ることになることは申上げるまでもありません。極めて卑近な例を一つ取上げますれば、例えば金利を変更したということになりますれば、今日一般に相当普及して來ております株の値段というものにも直ぐ響くといういろいろな影響を持つて來ることと思います。そこで私はそういうような金利の調整であるとか、或いは公開市場操作の方針の決定であるとか、或いは金融機関の支拂準備金の割合の決定調整であるとか、そういうような根限がこの政策委員会に與えられて來ますので、そういう点につきましては若しできるならばこの政策委員会に例えば諮問機関としての專門委員会といようなものを設置してまして、常時その專門委員会に研究させ、その意見を聽取しつつやつて行くというようなことが、或いは政策委員会の政策をできるだけ合理的に、科学的な根拠に基けさせ得るのじやないかと、こんなふうに考える次第であります。  以上極めて簡單でありましたが、私の氣が付きましたことの一、二を申上げさして頂きまして、私の責任を果さして頂きたいと思います。
  4. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 次は日本製鉄の常務取締役、永野重雄君の御公述をお願いしたいと思います。
  5. 永野重雄

    ○公述人(永野重雄君) 日本の経済を再建する方向というものが、経済九原則というものが立てられ、又近くはドツジ公使が來朝されて、これ亦確立されたという以上、今日の日本の経済の在り方はデイス・インフレの方向に向つておるということに考えてよろしいかと思います。このデイス・インフレのラインがいろいろな各般の事情の下に総合して、勘案して成り立つものと存じますが、特に金融金の方針操作というものが大きな役割を從來以上に持つということが言えるかと存ずるのでありまするが、これに関連いたしまして、今回政府で御提案になりました日本銀行法の改正というものに対しては構想について賛意を表します。各方面の、金融方面或いは商工業、農業方面の関係者をメンバーに入れられて、尚その外に特に関係の深い政府の当局が入られることと拜聽しておりますが、そういう構成を以ちまして大きな政策の決定ということをやつて、金融上の運営に操作の過りなきを期せられると解釈いたしまして、賛意を表するのであります。ただこの政策委員会の構成につきまして、私の思いつきで多少どうかと思います点は、官界の委員は別といたしまして、金融或いは商工業、農業方面から委員を選任されるという構想の考え方の元をなすものは、こういう仕事をやりつつ、その産業の角度から見たその産業に及す影響等を勘案しつつ政策を決定し、方針を決定し、誤りなきを期せられるというなれば、その産業等に從事しておられる人の感覚というものに重点を置いておられるのではないかと考えます。そうだといたしますなれば、何と申しましても人間のことでございますから、最初のうちこそその業界におつた経驗、感覚というものが続いておつて、ものを言うかと存じますが、この案を拜見いたしますのに、長いのは四年間ということになつて参りますと、このテンポの早い現在の経済界の実情から勘案いたしますと、それは人によつて違いましようが、二年、三年にもなりますれば、その業界のそのときの事情に應ずる感覚というものは薄れて行つてしまつて、本案で御期待のようなラインに果して沿えるかということを案ずるものであります。從いまして今の專門的の見地、経驗からの感覚に重点を置いての委員構成なれば、むしろ專任して他の業務と兼任させない、商業取引の仕事までさせない、況んや止めた場合に二ケ年でございましたか、何にも付けないというのでなしに、その感覚、経驗を活すためにむしろ兼任をお許しになつたらどうかと感じた次第であります。狙いは飽くまで業界の経驗、感覚なれば、一方に仕事を鞅掌しつつ、その立場から意見を出し、構想を立てるということになれば、本法で御期待の点はその方が遥にいいのではないかということを考えるものであります。或いは金融機関が直接の契約の当事者になり、特に関係が深い点がありますなれば、せめて商工業或いは農業、産業に関係のある方面のものについて、特にそういうことが必要があるのではないか。これはたまたま揆を同じくして國有鉄道法案に織込まれております案を洩れ伺いますと、産業界その他の業界に現在、現職のままで兼任して行けるようになつておるやに承つております。これは間接には利害関係が全然ないとは言えない、國鉄のことでございますから、嚴格に言えばこの場合でも專任ということになるわけでありましようが、各方面の活きた感覚を活用するという建前から、そうなつておると私はこう想像、解釈いたしますが、そうだとすれば、この委員会の場合でも、そういう留意で御檢討をせらるべきではないかと考えるわけであります。とにかくいろいろな内部的の諸事情が仮にあつたといたしまして、どうしてもこれができないということになれば、只今申上げましたように專任者ということになつてしまうわけでありまして、さようなれば先程申上げましたように、活きた感覚、経驗というものが段々薄らいで來るという点を御留意頂きまして、先程金原先生がちよつとお触れになつたと思いますが、專門委員がいいか惡いか、私はむしろ各方面、その他の事業に從事しておりますものを適当の人数、一種の諮問委員的な立場をお作りになつて、そういう人達の活きた経驗、感覚を活用しつつ、政策委員会で方針を御決定になり或いは操作をされたら如何がと存ずるものであります。全体の構想につきましては、私は賛意を表するものであります。ただ一つ構成の点につきまして、感じたことを申上げて御参考にしたいと思います。
  6. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 次は永野先生ちよつとお急ぎになるようでありますから永野先生に対して御質疑がありましたら、この際にお願いいたします。
  7. 小川友三

    ○小川友三君 永野先生の御意見ですと、いわゆるテンポの早い経済界だから活きた感覚を持つたもので兼任で行つた方がいい、これは非常に御尤もな御意見だと思うのでありますが、委員会の方がそうした活きた感覚を持つた、いわゆる経驗者ですがなかなか出て來ないじやないでしようか、忙がしくて……、こういう点が一つ御答弁願いたい。
  8. 永野重雄

    ○公述人(永野重雄君) 只今の仰せ御尤もでございまするが、こういう重大な職責について限りは産業界に從事いたしておりますものも、恐らくどなたがお出になつても、その重要性に鑑みて、仕事を割いてでもそちらへ出られるものではないかと私は想像いたします。仮に毎日出れない、或いは各終日出れないということが、現在考えられております政策委員会の構成よりも不便な点があると思いますが、活きた感覚は、半分そちらへ暫く時間を割いて出るということが生きた感覚を生むわけでありますから、時間的な問題につきましては、その方がいいと思います。
  9. 小川友三

    ○小川友三君 関連して一つ、そこでちよつとですから……、この委員会の構成が永野先生は数は少い方がいいのだということでありますが、余り数が少くて出席率が惡くてしまいには二人か三人しか來ないで、二人か三人で決めちやつて、金融界が梗塞されて非常に金詰りが強化されちやつたということになると困ると思いますので、この委員会に対して政府原案を大分支持していらつしやるようですが、これで大体間に合うというような感じがいたしましようかしら、あなたに一つお伺いいたします。
  10. 永野重雄

    ○公述人(永野重雄君) 私は理想を言えば、理論的には多いに越したことはないと思います。各方面の知識を総合するのには多いに越したことはないと思いますが、実際の只今の原案で参りますと、ただこれが断片的に意見を吐き合う討論会の色彩等を持つて参りますし、意思の決定ということはおのずから数の少い方が迅速にものが決りますし、又当を得る場合も多いと思われます。ただ多いだけでいいとは私は考えません。多くと言つてもいわゆる数人という原則が一番いいじやないかと私は考えます。
  11. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか、ございませんければ、次は日本興業銀行中小工業部長の佐藤泉明君に御公述を願います。
  12. 佐藤泉明

    ○公述人(佐藤泉明君) 私は平生中小企業の金融問題に実際携わつております立場から、日本銀行法の改正につきまして、若干私見を申上げてお聞き取りを頂きたいと思います。中小企業の重要性というものにつきましては、私から今更申上げるまでもございませんように、その経営数におきましては全企業九九・九%と言つてもいいくらい多く、又生産額におきましては、過半を占めておる実状であります。その從業員の数から言いましてもやはり半ば以上を占めております。殊にこれから大いに振興されなければならない輸出産業におきましては、やはり輸出目標の過半を中小工業で担当しなければならないという実状だと思われます。  そこで中小企業の存在形態と申しますか、この特徴はどういう点であるかというふうに考えて見まするならば、簡單に申しまして、やはり何と申しましても大企業への從属性、或いは関連性、更に商業資本への從属性という点にあると思われます。これは逆に申上げますれば、大企業は廣汎な中小企業の生産品の上に存立しております。又多くの産業資本はやはり厖大な中小企業の製品の流通を担当いたしておると思われます。私の言う從属性というのはこういう考え方であります。つまり支配的とか、或いは搾取するとか、そういう考え方でなく、社会最な分業において從属関係にあると、そういう意味でございます。さて九原則下デイス・インフレーシヨンの線に副いまして、我が國経済の急速なる安定を図ると共に、輸出振興によりまして、又國民経済の自立化を図らなければならないこのときに、何はさて措いても現在すでに存する経済力を完全に活用するというのが先決だと思われますが、そういう見地に立ちまして、中小企業の現に有する経済力、或いは勤勉なる労働力、又能率的なる運営力、こういうものをできるだけ萎靡沈滯させることなく、活用するのが最も賢明かと思われます。然るに中小企業界の今日の実情はどうであろうかと振り返りまするに、その金融難は極度に達しておりまして、中小企業の現状は今や崩壊の一路を辿らんとしておる状態と思われます。これは如何なる原因によるかと考えまするに、先ず第一に大企業に比し、税金を過重に徴税されておるということ、第二番目には大企業乃至は商業資本の金詰りが、その從属関係にありまする中小企業へ皺寄せになつておるということ、この実情は経済の原則が公正なる自由競爭にあると思われまするに拘わらず、今や弱肉強食の修羅場を呈しておるのではないかとすら思われるまでに中小企業は圧迫を受けておるように見受けられます。三番目にはかねて九原則の実行によりますデフレーシヨンを予定して参りました金融界が、過度に金融を引緊めて参つたという点が挙げられます。併しながら根本的に中小企業をここまで追い詰めたというのは、やはり中小企業存在の意義をよく考えなかつた結果、從つて金融政策におきましても、中小企業の重要性を認識したる一貫的な金融政策が欠けておつたということが今日の状態を招いたのではないかというふうに考えられます。そこで今や現実の問題となりましたデイス・インフレ下の中小企業問題をどう考えるか、これは申上げるまでもなく昨日までのインフレ下の中小企業の金融問題とは全くその姿を異にしておるわけであります。そこで私はかかる今後の金融を三つの型に分けて考えて見まするに、言葉が非常にまだ生なのでありますが、振興金融と、維持金融、それから組合金融と申しますが、團体金融と申しますか、この三つの種類に類別して考えますと、第一の振興金融に属するものといたしましては、申上げるまでもなく、輸出産業が最重点となり、輸出産業の関連産業を初め、輸出関係の振興のために設備の改善資金、或いは拡張資金を大いに援助すべきであろうと思われます、又一方原材料の十分なる入手なくしては輸出産業はうまく行きませんので、この十分なる原材料を入手するための長期の運轉資金を補給する必要があると思われます。又一方重点産業の下請、乃至は関連産業、更に民生安定のための生活必需品産業、又農村経済力を維持、培養するための農村工業等の中にも、輸出産業同樣に振興を図らなければならん金融が必要かと思われます。かかる振興金融の目的を達成するために、対日援助資金の一部を是非共中小金融の方に廻すべきではないか、又更に大衆の蓄積した預金部資金のごときも、できるだけ大衆の中小企業に還元すべきではないか。又現に行われております日本銀行の中小企業に対する別枠資金というものがございますが、現在は十億円でございますが、これももつと増額されることが望ましいと思います。  その次、第二番目の維持金融と申しますか、これは経済力の不当な崩壞或いは混乱を防ぎ、現有経済力をともかく現状に維持させる底の金融でありまして、從いまして設備の拡張とか、そういつた設備資金はこの際援助の必要はなく、短期の運轉資金をみてやる程度でいいのではないかと思われるものであります。併しながらかかる短期の金融をいたしますにいたしましても、現在大企業の未拂いが非常に多く、或いは政府の支拂いが遅延しているための圧迫、こういういろいろな金融上の圧迫をこの際一應清製してしまわなければ、短期の金融すら現在の金融界を以てしては賄い得ない状態になつていると思うのであります。  最後に組合金融、或いは團体金融という考え方でございますが、これは前の二つの振興金融、維持金融というものが、企業体一個々々考えてみましても、いわゆる金融のベースに乘るというような場合でありますが、團体金融の場合は一個々々の企業体を考えては、金融のベースに乘れない場合をどうするかという問題であります。これは結局協同化、組織化を図りまして、相互扶助の方式によりまして、その團体に対して團体的に金融をし、経済界、延いては社会全体の無用なる混乱を防がんとする金融であると思われます。これに対しましても預金部資金、或いは日銀の別枠の資金のごときものが援助されるのが適当であると思われます。  以上のような考え方に立ちまして、恐らく既存の金融機関は挙げて生産企業金融に全力を注ごうといたしている状態と思われますが、一方金融のベースと申しましてもいろいろな情勢の変化が絶えず予想されますので、情勢の変化に対應できるように、信用保証制度の拡充等が呼ばれております、又金融機関を以て新らしい保証機関を創設しようというような考え方も、具体化されようといたしている状態であります。  最後に一言いたしたいと思いますことは、金融統制上の問題でございますが、私は中小企業の維持培養を図るために、商業資本の力をつけることが、この際最も大事なことではないかと思われます。そのためにでき得ますれば、商業資金の貸出しは全面的に統制を撤廃するのがいいのではないか。もとより現在の融資順位による甲乙丙の金融統制は、生産面におきましてはまだ全廃するのは早いかと思われます。御承知のようにこういう逼迫した情勢において、ライターとかボールペンのごときものをどんどん造るということは、まだまだその時期ではないという意味から、生産面の統制は或る程度止むを得ないと思いますが、流通面におきましては是非とも撤廃するのがいいのではないか。由來我が國におきましては、戰時経済の惰性とでも申しましようか、いろいろなものの考え方が生産中心主義になつておりまして、殊に官廳を中心とする考え方は、流通面のことを全然没却しているような状態と思われまするが、経済釈序を円滑に維持し或いは発展させるためには、流通面のスムースな流れがなければどうにもならないと思われます。殊に金融面に関しましては、経済の流通面が活溌化しなければ、安全なる金融をなし得ないのは当然であろうと思われます。  以上概略申上げました中小金融の実情から結論といたしまして、日本銀行法の改正につきまして次の三つの点を申上げたいと思います。第一は、政策委員会の今後の動きといたしまして、中小企業金融の重要性とその特殊性を強く認識して頂いて、ここで中小金融の確乎不動の大方針を確立して頂きたいというふうに思います。第二番目には、委員会の委員に中小企業の問題、或いは中小企業の金融問題につきまして、眞にこれを認識し、又この問題に情勢を打込むというような人を是非入れて頂きたい。必ずしも中小企業の利益代表というような意味でなく、もつと廣汎な立場に立つた人士を入れるのがいいのではないかと思います。第三番目に、日本銀行の機構の中に中小企業金融問題を專門に考える部局を設けるのがいいのではないか。これは現在の日本銀行におきましては、御承知のごとく中小金融問題につきましても、眞劍にお考え頂いておりまする状態でありますが、それが営業局、或いは融資斡旋部、或いは考査局、或いは調査局、さては総務部というようにばらばらになつておりまして、私共から見ますれば、眞劍にお考えになつておられまするが、何か片手間のお仕事のように見受けられるのであります。これを專門の部局を置くことによつて、本格的に中小企業の金融問題を考え、又は立案し、政策委員会もこの事務機構を十分に駆使して、中小金融の確乎不動の方針を確立するというふうにいたして頂きたいような考えでございます。簡單でございますが、私の所見を終ります。
  13. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がありましたら、この際お願いいたしたいと存じます。
  14. 玉屋喜章

    ○玉屋喜章君 只今のお話で、金融をする上について保証制度というようなものをお考えになつておるというその構想があれば、ちよつとお聞かせを願いたい。
  15. 佐藤泉明

    ○佐藤公述人 信用保証制度でございます。これにつきましては、例えば東京都その他各地方府縣に信用保証協会というのがございまして、各銀行の貸出に対しまして、或る期限までに返済がなければ保証協会が肩替をするという制度がございます。これをもつと拡充すると申しますか、信用保証協会の信用を強化するというような線が考えられております。又もう一つの信用保証協会だけでは不十分なので、これは今までの銀行がお互いに金を出し合つて募金を作つて、新らしい金融機関だけの保証制度を作ろうじやないかというような動きが具体化されようといたしております。
  16. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 外に……。
  17. 小川友三

    ○小川友三君 佐藤さんは中小企業の專門家でいらつしやいますから、今非常に中小企業を重点とする御意見がありまして、敬意を表する次第であります。そこでこの別枠資金というものが日銀には十億しかないというわけですが、大体どのくらいありましたら、日本であなた一番の專門家ですから、どのくらいあつたらよろしいですか。別枠資金、いわゆる中小企業工業に廻す方ですね、これを一つあなたは統計的に持つていらつしやると思うのですが、何か御資料がありましたら……。
  18. 佐藤泉明

    ○佐藤公述人 それは私は中小企業の金融というものは、日銀の別枠資金だけでやつているのではなくて、あらゆる既存の金融機関が殆んど中小企業金融をやつておるわけです。現在の統計でも御承知のように全國銀行の貸出の二割二分が、小企業金融であるという実情でありますが、私共の理想としては、中小企業は、その生産額が約半分以上でありますから、金融の面でも全國銀行貸出の半分は中小企業が使うべきだというのが理論立つた筋だと思いますが、まあその中にですね、日本銀行が、なかなか銀行が金がないというようなことで貸しにくいだろうから、少し補給をしてやろうという意味でできたのが別枠資金でございまして、從いましてこの別枠資金がどれだけ要るかという見通しは、全國的にはなかなか立たないのであります。ただ私共の勘では二十億か三十億ございますれば、一應事が足りるのではないか。と申しますのは、回轉いたしまして、貸出資金が環流いたします。それを又貸出に使いますから、一口に十億と申しましても、二十億、三十億働くわけでございます。だから結論として二十億か三十億ございますれば、百億くらいの働きができるというふうに思うわけでございます。
  19. 小宮山常吉

    ○小宮山常吉君 ちよつとお伺いいたしますが、只今あなたからいろいろお話を伺いまして、日本銀行の改正が成りまして、中小企業の金融、併せて今一般が輸出産業の振興という今日の時に、こういうような法案が出まして、これが通過しましたといたしましたならば、全体の中小企業の金融は如何でしようか。中小企業にもつと金融は窮屈になりますか。
  20. 佐藤泉明

    ○佐藤公述人 それは委員会の政策の取り方次第と私は思いますので、委員会の政策が間違えば、中小企業の金融はもつと圧迫されるであろうと思いますが、そういうことのないように、委員会に中小企業金融について本当に理解を持つておる人を入れて頂きたい。又その事務機構である日本銀行に中小企業專門の部局を設けて、委員会と中小企業金融のために万全を期して頂きたい。こう思つております。
  21. 小宮山常吉

    ○小宮山常吉君 日本銀行に中小企業の專門の部ができるということも、これは殆んど分つておるのでございますか。
  22. 佐藤泉明

    ○佐藤公述人 それは現在日本銀行の中には、営業局、融資斡旋部、或いは調査部、或いは考査局、そういつた所がいわばばらばらに中小企業問題を考えておられるわけでありますが、それでは力が弱いのでありますので、一つの部局を設けて一貫して考えて行くというふうに持つて行くのがよいのじやないかと思います。
  23. 小宮山常吉

    ○小宮山常吉君 あなた方はこういうような法案が出まして、これに賛成の御意向ですか、こういうものはあつても別に差支えない、こういうものがあつても何にもならない、どちらのお考えですか。
  24. 佐藤泉明

    ○佐藤公述人 それは中央銀行といたしまして、やはり委員会というものができまして、金融全般、或いは経済界の実情を反映したような政策を取つて頂く、そういう中央銀行になつて頂くという意味でこの改正法案には私共としては非常に賛成であります。
  25. 小宮山常吉

    ○小宮山常吉君 日本銀行は私から申すまでもなく、長い間のああいうような旧式な習慣がありましたので、こういうようなものができたらもつと窮屈になつて、一般銀行にも影響するようなことはないですか。
  26. 佐藤泉明

    ○佐藤公述人 それは最近の実情ではそういうような虞れはないと思います。
  27. 小宮山常吉

    ○小宮山常吉君 ないですか。有難うございました。
  28. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 千代田銀行頭取、全國銀行協会連合会の会長をしておられます千金良宗三郎君の御公述を願います。
  29. 千金良宗三郎

    ○公述人(千金良宗三郎君) それでは今度の日本銀行法の一部を改正する法律案、この内容は結局政策委員会に関するものであるのでありますが、從つてこれからその政策委員会の任務とか、或いは権限、又構成等につきまして、この法案に妥当に現わされておるかどうかということにつきまして私の考えを述べたいと思います。大藏省の当局は、この法案のいわゆる委員会というのは、昨年の確か八月でありましたが、司令部の方からの書簡によりまする新立法による金融制度の全面的改正というような手紙が出ておりました。それによつて考えられましたその当時のいわゆるバンキング・ボート、これとは全く関係がないということを言われておるのでありますが、これはもとより前に考えられた金融業法というものは一應今は棚上げとなつておる。今度のは全く新らしい外の示唆によつてでき上つておるという点から見て関係のないということも言えますが、併し根本を流れまする委員会の性格というような点から見ますると、もとより相通ずるものがありますので、結局同一な系統の観念がこれに流れておるということは疑いないと思います。もとより前のものはその当時の今の手紙によりますると、大藏省から独立した委員会であつて、委員長は閣僚級のものであるとか、そういうことが書いてあります。從つて大分その当時のいわゆる大藏当局は恐らく驚かれたと思うのでありますが、今度はさようなものでなく、大藏省の下にある日本銀行、その一部を構成する委員会でありまするからして、もとより法律の性格としては違つております。それで法案に現れました形から言いますと、この政策委員会は前のバンキング・ボード、それから尚前の金融業法に考えられました日本銀行のボード・オヴ・デイレクター、この二つを一緒にしたようなものでありますが、法文にも表われております通り、政策的には大藏大臣の持つ或る種の権限を事実上委讓を受けて金融業法に考えられたバンキング・ボードのやるようなことを今度の日本銀行の政策委員会がやるということになるのであります。尤もこの権限の委讓を受けると言いましても、今度の法案には日銀法の二十一條とか二十八條というような、いわゆる大藏大臣の認可権がなくなるというような改正はありませんから、從つて命令系統の方ではやはり権限の委譲はないと考えられます。バンキング・ボードにつきましては、國家の通貨政策、特にその当時問題となりました資金配分の計画、これについては非常に強く参画するということを主張しておつたのであります。それはその当時の事情が今とは全く変つておりまして、当時としては財政資金の調達のために金融機関が産業に向ける資金を奪われるという心配があつた。然るに今度は財政が全く均衡予算の建前になりましたので、その心配はなくなつた。併し今度は逆に財政の運用によつて産業資金が極度に吸收されてしまう、こういう面が顯著になつて來たのであります。このデフレ面を調整する働きが今度の政策委員会に深く要求される点であります。即ち前のは財政の産業に対するプラス的は圧迫ということが言われるとすれば、今度は財政が産業方面に対するマイナス的な圧迫、いずれにしてもそういう圧迫では結局経済再建のために惡い影響をもたらす。從つてこの点は是非防止しなければならない。これが当面の問題としては今度の政策委員会に要望されるところであります。併しこの目的のためにはいわゆる対日援助資金の見返勘定、こういうふうなものが、まだこのオペレーシヨンがはつきりしておりません。この管理運用がどういうふうになされるだろうかということが最も大切な鍵でありまして、この政策委員会とこのいわゆる援助資金見返勘定の管理機関としての連絡が付いたときに、このボードの本当に期待されておる権限も発揮せられるかと思います。  ボードの構成でありますけれども、國家の通貨金融政策を事実上一丸として執行するためには内閣との連絡を密接にするという必要上、大藏省の代表であるとか、或いは大藏大臣の代表であるとか、又経済安定本部長官の代表であるとかいうものが日銀の総裁と一緒に委員として出席するということは、これは適当だと思います。任命委員の方もやはりアメリカ等の例によりましても、これ以上のことはできないだろうと思います。ただ任命委員が在任中に自己の意に反して罷免される場合の中に、これは今度の改正法案の十三條の六の三、四とありますが、これに「心身ノ故障ニ因リ職務ノ遂行ニ堪ヘザルモノト内閣ニ於テ認メタルトキ」。それから「職務上ノ義務ニ違反シ委員ニ適セザルモノト内閣ニ於テ認メタルトキ」こう二つありますが、これは前者は專門的な認定方法があります。後者は認定が頗る廣汎でありまして、或いは任命委員の身分保障という点で疑問を生じはしないかという虞れがあるかと思います。從つてこの規定は適当に修正さるべきものじやないかと考えられます。さような例を見ますと、公正取引委員会の場合は、心身の故障のために職務を執ることができないと、これが公正取引委員会によつて決定されたときに、内閣総理大臣は罷免しなければならない、こういうような規定になつておるようであります。又人事委員会に場合は、内閣総理大臣の訴追に基き公開の彈効手続を取つて罷免すべきものとする、こういうふうにあります。ただ証券取引委員会の場合が非常に廣汎な総理大臣の認定権を認めておるようでありまして、丁度この政策委員会と同様になつておりますが、これは私の考えでは今のように考えております。ただアメリカの例を見ますと、アメリカでは馬鹿に廣汎であつて、これは大統領が随時、随意に解任することができる。併し事実上は事例が全然ないと思いますが、アメリカの場合は、恐らく大統領に対する法的批判というものを頗る自由に行われまするからして、又皆常識に基いてやるからして、こういうふうな極く荒つぽい規定でも弊害がないというのであろうと思いますが、それでも実際においては前例を見まして、エツクルスが辞めたときでも任期の満了を待つて辞めておる。いろいろその前に問題があつたと思いますが、やはりちやんと任期の満了までということになつておりますから、大統領の権限を極端までこれを用ひるということはないように思います。  その次はここでは日本銀行の総裁が表決権を持つことになつております。外の職務上の地位におる委員は表決権がない。併し同様な立場にあつても日本銀行の総裁は表決権を持つことになつております。この点はどうかというような問題もあるようでありますが、これもこの委員会というのは一つの重役会である。この重役会は國家の最高金融政策を決定するという面と、又日本銀行という一つの企業体、この企業体を経営する面においても相当な雜務もあるでしようが、事実上の即決は理事会というものがあつてやるのでありましようが、併しやはりこの決定権は重役会にある。そういたしますと、このいわゆる外面的なものと内面的なものと両方あるというような考えが成り立ちますので、内面的な方面ではやはり最も内面の事情に通ずる総裁が表決権を持つているということが私は実際の運用上には必要であろうと思います。それからしてもう一つ問題となりまするところは、日銀の総裁は表決権を持つておる委員であつて、而も議長を兼ねることができるというふうになつておりますが、これは即ち意思決定の機関と政策を執行する機関との両方のヘツドを一人の人がやることがどうかということの疑問があるようであります。從つてこれは総裁に被選資格があることがおかしいというような議論があるようでありますが、併し成る程これは総裁は総裁を辞めて一委員という資格で以て委員会に入り、それが議長となるというようなことも考えられるのでありますから、純理的には成り立つ議論でありますが、併し実際面から考えて見ますと、議長の決定は飽くまで互選である、互選ということを建前にしております。從つて互選であるとすれば、総裁が委員長になることもあるし、ならないこともある、なるとすればこれは両方に適当と認められるからなるのでありまして、むしろ運用上はその両方の面を活かして、議長の選択の範囲も廣くして置く方が便宜だう、少くとも当面の方法としては便ろ宜だろう、かように考えるのであります。大体私の今度の政策委員会に関する日銀法の改正に対する考えは以上であります。
  30. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がございましたらこの際お願いいたします。
  31. 小川友三

    ○小川友三君 千金良先生は銀行家ですからちよつと伺います。バンキング・ボードの話も出たのでありますが、金融業方面からの代表が過半数を占めてしまうということになると、工業、商業を代表する委員は一人しかおりませんから、鉱工業者、商業者に対する金融面の入口が非常に狹くなりまして、銀行の集中した資本力というものが猛威を逞しうするという場面が随処に現れるのじやないかという観方があるように思われますが、併しこの問題については鉱工業者、商業者の金融面が非常にせばまつておるということは現実の事実であると思います。如何なものでありますか、御所見をお洩らし願います。
  32. 千金良宗三郎

    ○千金良公述人 私が銀行に関係しておりまして、その説明をいたしますと、むしろ金融機関の方を弁護するようで甚だ信憑力が薄いような慮があります。併しこれはやはり日本銀行の運営という、即ち金融機関の運営でありますから、どうしても金融機関の事情に通じておる者がいないと困るのです。勿論商工業その他の貿易一般の今のお話もありましたが、中小工業等の内容もよく分つておることが必要なんであります。併しこれは金融業者としても大体自分の仕事の上でこういうことは分つておるのが普通であります。で金融業者を代表して出ておるのではなくて、仮に金融業者が出るとしても、自分の仕事は捨てて向うへ專門で入るのでありまして、全くボードに出るときは委員として不即不離といいますが、本当に公平な、日本産業の再建とかという立場から物を考えて参ります。これが若しも兼任が許されるならば、或いはお説のようなことがありはしないかと思いますが、今のようなわけでありますから、仕事は分つておるが、併し自分の立場は全く白紙であるというような面から、御心配の点は全くないのではないかと思うのであります。
  33. 米倉龍也

    ○米倉龍也君 今のお話で日本銀行の総裁が議長になることの問題でありますが、建前は互選であるからそういう場合もあり得るということだが、併し又一面から見れば日本銀行の総裁は内部のことをよく知つておる、そういう内部の問題を考えての政策委員会の運営が望ましいという建前から見れば、業者を兼ねてもよいだろう、そういうようなお話を承つたのですが、それならば日本銀行の総裁を議長、委員長にするということを初めから決めておいてもよいじやないかと思うのです。委員会というものはやはり日本銀行と別の立場で考えて行くべきものじやないかと思うのです。日本銀行の総裁は、日本銀行の総裁としう職務の立場で委員になるのであつて、これは政府の委員と同じようにその職務につけばなるのですから、むしろそういう面の人は委員長にならないということの方がこの委員会の性格を明かにし、運用を公正にするゆえんじやないかと思うのです。  尚又お尋ねいたしたいのは、日本銀行にお存じの通りの理事会がある、この理事会の存在とこの委員会との関係等、銀行に御堪能の千金良さんでありますので、そういう点のお考えなども承れば結構であります。
  34. 千金良宗三郎

    ○千金良公述人 今の御質問でありますが、純理的には勿論あなたのおつしやるようなことも成り立つわけであります。併し実際面を考えて見ますと、日銀総裁が全然推薦資格を奪われてしまつたという場合で、そうすると本当のいわゆる任命委員だけで以て委員長を勤めるという場合には、非常に委員長選択の範囲が拡まる、或る場合には任命委員よりもむしろ総裁の方が委員長として適する場合もあるし、又それよりも偉い人が出て來た、適当な人が出て來た場合には総裁以外の人から委員長が出るという方が、実際の運用においてよかないかということが、私達実際の仕事をしておる者の感じてあります。  次に理事会の点でありますが、今度のこの法案が成立すれば、今の理事というものは普通の執行委員に過ぎなくなる。実際仕事は勿論先程申上げたように日本銀行の一つの経営体としての仕事が沢山ありますから、重役のような仕事もしなければならないでありましよう。少くとも建前の上ではこれは執行機関である、ただ日本銀行総裁というプレジデントの下にあるオフイサーに過ぎない。それで内部の方の政策の決定、例えばよく地方にありまする労働組合といいますか、職員組合との折衝であるとか、その他待遇上の問題であるとか、これは全く最高政策とは関係ないでありましようが、併しこれは重役会で決めなければならん。こういう面を実際扱こうのが理事会で、これを決定するのが政策委員会だろうと思います。
  35. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 この政策委員会は非常に重要な委員会でありますが、勿論あらゆる方面のエキスパートを集めなければならんと思いますが、その場合において身分の保障という先程のお話がありましたが、実際この委員会に專念して果してそれだけの身分保障ができるかどうか。又例えば銀行業の代表といたしまして、銀行の方を辞めて若しこの委員会に專念するとすれば、立派な人物と言つては或いは語弊があるかも知れませんが、エキスパートが出て行かれるかどうかということはちよつと懸念されるのですが、その点については千金良さんはどんな工合にお考えになるのでしようか。
  36. 千金良宗三郎

    ○千金良公述人 それはエキスパートは勿論出て行くと思います。身分保障があれば尚更出て行くのじやないかと思います。
  37. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それでこの規定の退職後二年間というものが金融機関に戻ることができないというような條項がありますが、これまでしてもやはり政策委員会の方に出ておいでになる方があるかどうかということをちよつと懸念されるのですが、如何でしようか。
  38. 千金良宗三郎

    ○千金良公述人 つまり四年間、勤め上げるというとおかしいですが、勤め上げなければ、辞めた場合に又元の所へ帰れないというわけですね。從つてその四年以前で辞めた場合は、委員会が監督する金融機関に帰れない。こういうのでありまして、その外には勿論自由であります。そう非常に大きな掣肘ではない、こう思います。
  39. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 ちよつとお伺いしたいのですが、今度の改正案によります任命委員の給與その他政策委員会の経費は日本銀行の負担になつておる。こういう場合総裁が議長になつて、それから総裁に表決権があつたとする場合、日本銀行から給與が出て、それから又委員会の費用が日本銀行の負担になつておるという場合、その運用に支障があるのでしようか、ないでしようか。日本銀行が給與を負担したり経費を負担する。この点はどういうふうにお考えになりますか。
  40. 千金良宗三郎

    ○千金良公述人 これはもう元々はつまり全く日本銀行の外に政策委員会がある。初めのバンキング・ボードの考です。あの方が当然なのじやないかと思います。併しこういうふうな日銀の改正法の一部にこれを盛り入れて中でやる以上は、外に経費の出ようがないのですから、從つて日銀の負担、日銀はこの外にもいろいろなものを負担しておると思います。つまり日銀の運用以外のものを負担しておるのじやないか。やはり一部としてこういうものが出て來ております。納付金の変形じやないかと思うのであります。
  41. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 次は、日東証券社長、東京証券業協会常務理事土屋陽三郎君の御公述を願います。
  42. 土屋陽三郎

    ○公述人(土屋陽三郎君) 今回の日本銀行法の一部を改正する法律案に対しましては賛成であります。但し私としましては、この法案がもつと理想的に日本銀行の外に置かるべき政策委員会という方向に行つたらいいのではないかと考えておつたのでありますが、これは漸次將來改正いたしまして、先行きはそうなつて欲しいと思います。この法案を読みまして、我々証券業者として感じましたことは、先ず政策委員会は委員七人を以て組織されておりますが、これには日本銀行総裁、大藏省を代表する者一人、経済安定本部を代表する者一人、それ以外に民間から出ております人数が、金融界から二名、商工業界から一名、農業界から一名に過ぎないのであります。実は前の三者は当然この委員会に入るべき委員でありますからこれを除いて、民間から出る委員をもつと殖やしてはよろしいではないか。特に証券業方面に関する委員がございませんが、今後の金融政策と申しますものは証券業と非常に密接な関連がありまして、御存じの通り本日総司令部の命令によりまして、東京証券取引所なみに大阪名古屋におきまして新らしい取引所が開かれましたが、これは日本の証券界にとつて画期的なことでありまして、特にアメリカ式の取引方法が用いられまして、今後は証券と金融というものが密接に結び付いて來るのであろうと存じます。それから見ましても、將來は是非共証券の方面からも委員を御採用願いたいと思います。尚この委員会の政策を見ますと、七に「銀行(日本銀行ヲ除ク)、信託会社、保險会社、無盡会社、農林中央金庫、商工組合中央金庫其ノ他貯金ノ受入ヲ爲ス組合の証券業者(証券取引法第二條第九項ニ規定スル証券業者ヲ請フ)ニ対スル貸付及投資並ニ貸付ノ担保ノ種類、條件及價額ノ限度ニ関スル統制の決定及変更」ということがございます。特に金融機関が証券業者に対する貸付の規定のみを謳つてございまして、その他の貸付に対する統制は、何ら見えないように思います。この第十三條の二によりますと、この委員会の任務としまして、甚だ十三條の二がよく分らないのでありますが、「日本銀行ニ政策委員会ヲ置ク政策委員会ハ第十三條ノ三第一号ニ規定スル日本銀行ノ業務ノ運営、中央銀行トシテノ日本銀行ノ機能及他ノ金融機関トノ契約関係ニ関スル基本的ナル通貨信用ノ調節其ノ他ノ金融政策ヲ國民経済ノ要請ニ適合スル如ク作成シ指示シ又ハ監督スルコトヲ任務トス」とありまして、これは飜訳句調でありまして、私はこの意味がよく分りかねますが、これから見ましても、ただ証券業者のみの貸付を決めるということがありますが、もつとこの政策委員会が廣範囲に將來は亘つていいのではないかと思われます。特に証券取引法第四十九條にございます。  「証券業者が有價証券の賣買その他の取引についてその顧客に供與することができる信用の額は、当該取引に係る有價証券の時價に証券取引委員会の申出により大藏大臣の定める率を乘じた額を超えてはならない。  前項の規定により大藏大臣の定める率は百分の五十五を超えてはならない。  前二項に規定するものの外信用の供與に関して必要な事項は、証券取引委員会規則で、これを定める」  とありますけれども、アメリカにおきましては、信用供與に関する規定は、全部連邦準備制度理事会でいたしております。日本におきましては、証券取引法に、証券委員会で決め大藏大臣が決めるとありますから、これにはお載せにならなかつたかと思いますけれども、將來金融政策全般がこの委員会によつてお決めになるとすれば、特に証券業者の顧客に対する信用の供與という問題は、重要なものでありまして、非常にその他の金融と関連性があると思います。その点がこれに載つておりませんが、將來は載せた方がいいのではないかと思つております。それから尚これは日本銀行法の一部の改正で、この委員会が日本銀行の中に置かれますから、先程來の問題、例えば日本銀行の総裁が議長になる問題、或いは事務局が日本銀行に置かれる関係から費用が一切賄われる、いろいろの問題が出ただろうと思います。私が最初に申上げました通り、理想としましては、この金融政策委員会というものは、日本銀行の外にあつて、そうして一切の金融政策を諮り、尚その下に事務局を持つという方がむしろ理想ではないかと考えられます。簡單でありますが、私の所見を述べて置きます。
  43. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がありましたら、この際にお願いいたしたいと存じます。
  44. 小川友三

    ○小川友三君 只今土屋さんの証券業者を中心とする御高説を拜聽いたしまして、感謝いたしております。この中に証券業者がいないというわけでありますが、証券業者はこれは商業の中へ入りますか。
  45. 土屋陽三郎

    ○土屋公述人 廣く言えば商業の中に入りますけれども、証券業者は特に証券取引法によつて規定されております。
  46. 小川友三

    ○小川友三君 それじやこの中に入るのでしようね。入ると固く信じておりますが、併しあなたの御高説は御尤もでありまして、今のあなたのお説のごとく、非常にはげてしまつたのですよ、去年はこのバンキング・ボートというものは外にできることになつておつたのですが、十二指腸みたいに委員会が中に入つてしまつたのですね。そこに欠陷があると思いますが、これは証券業者と力というものが非常に大きいと思いますけれども……、特に今日からは大きいと思いますけれども、この中へ入つて貰つた方が……、こういう場合に日銀の中に委員会があつてもいいのですか。いいでしようか、入つても入らんでも同じようなものですな。これはどうです。
  47. 土屋陽三郎

    ○土屋公述人 実際はですね。外にできれば一番理想的ですけれども、中にありましても、入れれば入つた方がいいと思います。
  48. 小川友三

    ○小川友三君 ああそうですか。
  49. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。――では日本経済新聞論設委員村の友光正昭君の御公述を願います。
  50. 友光正昭

    ○公述人(友光正昭君) 日本銀行に政策委員会と置いて、通貨信用政策の最高決定機関とするという今度の改正につきましては、その趣旨は尤もであると思うのでありますが、実際の運用に当つて、いろいろ実際上から見て疑問が多いと思うのであります。若しもこの運用がうまく行きません場合には、むしろ現在の方がいい、或いは現在に多少の行き方を変えてやつた方がいいというような結果になるのではないかと考えるのであります。さて政策委員会はこの規定にもありますように、政府から独立して、通貨信用政策を決定することになつております。中央銀行と政府との関係がどうあるべきかということについては、先程金原さんからもお話がありましたが、理論的にはとにかくとして、過去の経驗、或いは実際から見ますると、日本銀行が政府と一緒になるということは、とかく面白くない経驗の方が多いのであります。これは必ずしも日本銀行に限らず、或いはこの間までの復金がそうでありまして、余り日本銀行に息がかかり過ぎますと、中央銀行としての機能と言いますか、本來の役割が果せなくなるというような点が多いことは否定し得ないと思うのであります、從つて今度の改正において、政策委員会を政府から独立した機関とする。委員に大藏省或いは安定本部を代表する人が出ても、それには議決権を與えないというようなところから、政府と日本銀行を切り離すということはこれは当然であると考えるのであります。そうして政府と切り離された日本銀行の運営を日本銀行、狭い意味の日本銀行の、いわば独善的な政策決定を排して、それに廣く、いわゆる各界の何と申しますか、代表者というのじやないですけれども、智識経驗のある人を入れる。國民経済全体の立場から見た政策決定を行うということは、いわゆる民主的なあり方としてこれは一應趣旨としては尤もでありますが、その場合この政策委員となる人は、ここには條文によりますと、経驗と識見を有するというようなことになつておりまして、先程から利益代表かどうかというような点についてもいろいろありましたが、政府と日本銀行との関係と同じことが、中央銀行としての日本銀行と、産業界とか、金融界とか或いは中小商工業者とか、農業会とか、そういう各界と日本銀行との関係においても、そのまま当嵌まるのでありまして、日本銀行が産業界と、狭い意味の産業界と余り一緒になつても困る。又農業界と一緒になつても困る。そこにやはり中央銀行は中中銀行として独自の立場がなくてはならないだろうと考えるのであります。戰爭中我々は日本銀行が恰かも大藏省日本銀行局のごとくなつてしまつた苦い経驗はまだ忘れることはできないのでありますが、昨年あたりから日本銀行に対してはいろいろの評判がありまして、ローマ法王廳というような言葉も現われておりますが、日本銀行をローマ法王廳と評するその意味はいろいろでありましようが、或る意味では日本銀行がローマ法王廳であるくらいの権威を持つことは、これは中央銀行として当然であると考えます。そういう意味で政策委員会が政府と独立の立場から通貨信用政策を決定し、而もそれが狭い意味の日本銀行の独善的な政策決定でなくして、各界から有能の人を集めて、その政策委員とするということは趣旨において尤もであります。併し実際においてこれを見ますと、ここで七人の委員を以て組織することになつておりますが、この中に銀行、大藏省、経済安定本部以外に、金融業界の代表、商業及び工業に関する代表、代表といつてはまずいかも知れませんけれども、簡單に……、農業方面の代表者と、こういろいろの方面の人々を集めて、ここで最高の政策を決定するとなりますと、先程からもいろいろ中小企業の代表者を加えるとか、或いは証券業界の代表者を加えるとか、いろいろ御希望が出でおるようでありますが、そういうふうに、簡單に言えば無論その人によつて同じ金融業会に人でありながら、金融業界の利益から一歩一段高いところから政策委員会に入るということもあり得るでしようが、とかく各業界の利益を代表するようになり勝ちなのは、これは止むを得ないことであると思います。そうしますと、各界、金融業界からの人は金融業界の利益を代表し、産業界は産業界、農業界は農業界というふうになりますと、而も政策委員会の決定を多数決でやるというようなことになりますと、その各界の意見が生で出るというようなことになつて、そこに中央銀行としての日本銀行の独自の立場というものが非常に影が薄くなるというふうな危險が多分にあるのではないかと思います。中央銀行としての日本銀行の立場というものは、むしろその金融界とか、産業界とか、或いは農業会その他あらゆるものを國民経済全体の利害を総合して、その上に全体の立場から判断するというところに、中央銀行としての日本銀行の立場がなければならないと考えるのでありますが、この政策委員会によつて、果してそういう國民経済全体の立場から政策を決定するということがよく可能であるかどうか。若し可能でなかつたならば、この政策委員会というものは非常に妙なものになつてしますのであります。それに関連しまして通貨信用政策というものは、通貨信用政策に限らず、すべての政策がそうでありますが、特に通貨信用政策というもについては政策の一貫性というものが大事でありますが、そういうふうな今申上げましたような政策委員会の決定が、果して通貨信用政策の一貫性を保ち得るかどうかという点についても非常に疑問があると思うのであります。たとえますれば、昨年当りから日銀は金融引緊め政策を取つております。これについては各方面に非常に反対がありまして、まあローマ法王廳というふうな評判が出たのも、そういうところから來ておるのでありましようが、これが若しそういう各界の利害によつてぐらぐらしたとしまするならば、今日どんな結果が現れて來たかということは、やや結果論になるかも知れませんが、通貨信用政策が一貫性を欠くということの弊害は容易に想像できるところだろうと思います。更に第三にこれも先程からいろいろ御意見が出ましたが、今回の政策委員会の性格がどういうものであるかという点が、この改正案を見ますと「日本銀行ニ政策委員会ヲ置ク」と、從つて日本銀行の中にあるようでありながら、必ずしもそうでない、殊にこれを沿革的に金融業法案として傳えられたところのバンキング・ボードの構想などから見て必ずしも明確でないのでありますが、その結果通貨信用政策に対する責任の所在が極めて不明確になる虞れがあるのであります。條文の規定の上からいいますれば、政策委員会は最高の決定機関でありまするから、一應その点ははつきりしておるようではありまするが、実際問題として見まして、政策委員会が弱体である場合には、日本銀行と政策委員会との間に対立とか、対立とまで行かないにしても、とにかく責任の所在が非常に不明確になつて、現在大藏省と日本銀行との間に通貨信用政策の決定の上において可成り入り組んだところがありますが、單にそれがこの政策委員会の設置によつて、大藏省と日本銀行との間の曖昧な関係が政策委員会と日本銀行との関係に振り替つただけに過ぎないので、もつと惡い場合と想像しますと、大藏省と政策委員会と日銀と三つがこんがらかる危險もないではないと考えるのであります。殊に先程からお話も出ましたように、政策委員会が日本銀行の外にあるものか、中にあるものかということについて尚はつきりしていないというようなことになりますと、その危險は非常に多いであろうと思います。從つて私の考えまするのには、この第十三條の二にありますように「日本銀行ニ政策委員会ヲ置ク」と、政策委員会が日本銀行の機関であるということが最も必要でありまして、若しもその点において曖昧になりまするならば、むしろ現在の制度の方がベターであるというような結果になるのではないかと考えます。
  51. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がございましたら……。
  52. 小川友三

    ○小川友三君 特に新聞社の方ですから、こういう点を時間が短かかつたからお話がなかつたと思いますけれども、この政策委員会の問題ですが、これは新聞社側としては一流新聞社から政策委員会に一人ぐらい参加したいというような御希望はなかつたですか。今あるでしようか、それを一つお伺いします。
  53. 友光正昭

    ○友光公述人 今日は実は個人のあれで出て來たので、新聞社からということはちよつと、あるかどうかということはちよつとお答えしかねるのであります。
  54. 小川友三

    ○小川友三君 あなた個人のお考えでは如何でありますか。
  55. 友光正昭

    ○友光公述人 僕は新聞界であるからどうとかいう必要はないと思います。新聞界にそういう人があつたら、それはもうこの規定は、新聞界という何か外に引つかかりがないと出られないかも知れませんが、そういう点は問題としてはどこから入れても差支えないでありましよう。
  56. 小川友三

    ○小川友三君 それから新聞社側の鋭い批判から言つて、この政策委員会というのは、これは龍頭蛇尾というか、幽霊的な存在というか、骨拔き型というか、こうした條件で、天下第一流のエキスパートがこの政策委員会に入つて來るだろうという想像は付かないであろう、これは予備、後備の販残兵型のエキスパートというやつが出て來て、それで結局問題はいわゆるローマ法王型の紙幣大王というか、金融ファッシヨ天皇というか、日銀総裁に牛耳られて、それで何ら意見が通らなくて、あつてもなくてもいいような盲膓みたいな存在になつてしまうような、鋭い触角というか、感覚というか、眼というか、ぱつと記者が……。この政策委員会は有名無実だと思います。如何でしよう。
  57. 友光正昭

    ○友光公述人 僕もその点については多分に御同感であります。とかくこういうあれは、出て貰いたい人は出なくて、出て貰いたくない人が出るというのが、どうも過去の実例じやないかと思うのであります。それでこの点、私達非常に疑問に考えております。
  58. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。次は前商大講師の川崎巳三郎君の御公述を願います。
  59. 川崎巳三郎

    ○公述人(川崎巳三郎君) 私はこの日本銀行法の一部を改正する法律案に対しましては、全面的に反対の意見を持つておるものでございます。この條文そのものにつきましては、後で時間があつたら簡單に触れたいと思いますが、実は読んで見てさつぱり、私の頭の惡いせいですか、全然わけの分らんところが沢山あるのであります。その点は後にいたしましても、この日本銀行法を改正する法律案は、今日のこの日本銀行が置かれておりますところの非常に大きな改革の問題、つまり日本銀行が長い間日本の経済の上に持つて参りましたところの歴史的の性格と申しますか、國家と密接に結びついて、そうして産業界及び金融界に君臨するというこういう制度、これを根本的に改革して民主化することが、現在の最も重要な改革のポイントであると思うのであります。ところがそういうような点につきましては、この改正案は何ら触れるところがない。根本的に言つて何ら触れるところがないということが第一点であります。  もう一つは現在の金融界がこの我々が当面しておりますところの非当に深刻な経済危機を突破するために重要な挺子にならなければならない、その意味においても非常に大きな根本的の改革が必要であるにも拘わらず、そういう点については何らこの改革案は触れておらない。この二点を以ちまして、私はこの法律案に対して反対の意見を持つておる者でございます。  第一の点はもはや皆樣お氣付きのように、日本銀行の民主化という問題であります、これは非常に長い歴史を持つ問題でありまするけれども、この日本銀行が政府の出先機関として官僚勢力というものと結托をいたしまして、金融界及び産業界に君臨するという態勢は前からあつたのでありまするけれども、昭和十七年の日本銀行法の制定によりまして、これが極端にまで高められたわけであります。今日本銀行法を改正するというときになつて、その点に対するところの何らの改正が企図されておらないということは、どうしたことであろうかと私は思うのであります。あの東條軍閥の下において戰爭経済を遂行する一つの重要な武器としての金融統制をやるために作られた日本銀行というものが、その日本銀行法の第一條及び第二條がこの改正法律案においては問題になつておらないのであります。御参考のためにそれを読んで見ますと、こういうことであります。第一條は「日本銀行ハ國家経済総力ノ適切ナル発揮ヲ図ル爲國家ノ政策ニ即シ通貨ノ調節、金融ノ調整及信用制度ノ保持育成ニ任ズルヲ以テ目的トス」ということが書かれておる。第二條におきましては「日本銀行ハ專ヲ國家目的ノ達成ヲ使命トシテ運営セラルベシ」こういうような規定がそのままになつておりまする以上、その中にこのような政策委員会を設けてそれに若干の民間の人達を入れて來るということになつて参りましても、決して根本的な性格を変えて行くことはできないというように私は考えるのであります。  第二の現在の経済危機の問題でありまするが、これを私は今までいろいろ申されました方々のように、銀行の立場或いは金融家の立場という点からではなくて、むしろ逆に野に在る者として、労働者や、農民や、中小企業者や、或いは又いわゆる民族産業と我々言つておりまするが、外國資本と結び附かないところの産業資本の立場から考えて参りますると、今日においては結局この金融問題というものが非常な重大問題になつておりまして、労働者諸君は金融の梗塞のために賃金の遅配ということで非常に悩まされ、或いは又そのために首切りが行われるというような状態、又中小商工業者の方々は殆んど金融の途がつかないで倒れて行く。更にもう少し規模の大きな産業資本家にいたしましても、金詰まりのためにどんどんと破壞されて行く、破滅して行くというような状態、中には、私の知つているそういう方もありまするが、バランスシートは合つておりながら金がないために、資金が得られないために、賃金も拂えない、工場閉鎖もやらなければならないというものが非常に沢山出て來ておるのであります。その原因というものを私達が辿つてみますと、決してそれは單に資金が引締められておるからという、單なる金詰りの問題ではないということに氣が付くのであります。つまりよく財政と金融とが分離されたというようなことを申しますけれども、実はこの総合予算の均衡を取るというその取り方が、民族産業以下の人達のために、その人達本位に予算の均衡が取られておるのではありませんで、極めて少数の大きな独占資本、そういう独占資本本位に中小民族産業以下の人達の犠牲において予算の均衡が取られたというところから、産業の破壞、中小企業の崩壞、農業の減退、生産力の減退、或いは又労働者や農民の人達の非常な苦難となつて現われて來ておるのであります。でありますから、本当の意味で我々がこの金融問題というものを考えまするならば、銀行の立場、或いは金融資本の立場ではなくて、むしろそういう民族産業以下の大衆の立場に立つて考えなければならないと思うのであります。そういたしますると、どういう点が問題になつて來るかというと、結局この金融制度の改革というものも、このような少数の大きな独占資本本位の金融政策ではなくして、民族産業を破壞から讓り、中小企業、労働者、農民の生活の安定を確保するというような観点から、大きな金融制度の改革というものが行なわれなければならんと思う。然るにこの改正法律案は、そういう点におきましては、殆んど何の取り上げて言うベき点を持たないという点で、私は現に我々が当面しておるところの最も重大な経済危機突破のためには、こういうような制度の改革を以てしては不十分であるというよりも、殆んど何らそれには役立たないということが断定できるのではないかと思うのであります。というのは、よく財政と金融の分離ということが言われますけれども、私の考えでは、結局において分離できるものではないと考えるのであります。形式的に財政の分野と金融の分野とは分けることはできまするけれども、併し現在の金詰りが何故起つておるかということの一つを考えてみても、それは二十三年度において租税收入は三百億円も余計に取上げた、一方において六百億円も政府が支拂を遅延しておるというような、そういうところからいたしまして、それが一つの大きな原因になりまして、現在の金詰りが起つておるのであります。そういたしますと、そういう財政政策というものを一方でそのままにしておいて、その尻拭いを金融面においてするというても、これはできない相談であります。でありまするから、先程申上げましたように、今日の危機を突破するためには、やはり財政も産業政策もそうして又貿易政計も、そういうものとの総合的な関連において金融政策が立てられなければならない。そういう金融政策を立てるような何らかの機関がここに私は作られなければならないと考えるのであります。ところがこの法律に出されておりますところの政策委員会というものは、実は金融政策の中での極めて限られた部分しかその権限には属しておらないのであります。つまり金利の調節及びオープン・マーケツト・オペレーシヨンを通じての信用の調節という、大体この二つの事項だけでありまして、大きな意味での金融政策というものは全くこの政策委員会の権限外に置かれておるわけであります。例えば今日我々が当面しておる問題でも、例えば長期資金をどうするかというような問題、或いは融資準則、これをどこでどういうふうに運営するかというような問題、或いは又例の見返資金の運用の問題、或いは又やがて外債の募集というようなことができるというようになるということも傳えられておりまするが、こういうふうにして入つて來る外資の運用をどこでどうするか、或いは又外國の銀行や外國の生命保險会社が、日本の國内において仕事をすでに始めて來るわけでありまするが、こういうものに対して日本としてどういうふうな金融政策を持つか、そういう問題に関しましては、この政策委員会は殆んど触れるところがない。そういうことはこの政策委員会の権限の外に置かれておるわけであります。そういう意味で、この改正法律案は金融政策の極めて少部分、つまり日本銀行に委任されたと申しますか、委任された政策、或いは日本銀行の本來持つておるところの権限、それが或いは大藏大臣の認可事項であつたり、或いは又総裁の單独の決定事項であつたりしたものを、この新しくできる政策委員会に移すというだけのことになつておるように思うのであります。  次に金融機関の民主化の問題でありまするが、この点におきましても、ここに掲げられておりますように、民間の人々を委員に挙げて來ますと、それによつて金融機関の民主化ができるように形式上見えるのでありますけれども、併し実際はそうではないと思うのであります。先程申上げましたように、財政政策や一般経済政策や貿易政策によりまして、すでに大きな枠が與えられておる。その枠自体が現在民族産業を破壞し、中小企業を滅亡させ、労働者を失業と賃金遅配の苦しみの中に陥れ、農村を窮乏に追いやつておるのでありまして、そういう意味で、その枠自体がすでに非常に民主的ではない。反人民的である。そういう枠の中におきましてこういう委員会を設けたところが、これは決して本当の意味での民主的な委員会にはならないと思うのであります。特にすでに今朝の新聞紙などに傳えられておりますように、この委員になる人の下馬評がすでに出ておるのであります。これなども、余計な話でありますが、実に國会の審議権を無視した怪しからんことであると思うのでありますが、下馬評に上つておる人々を見ましても、結局以前に官僚としての経緯を持つ人とか、或いは又金融界及び財界のいわゆる独占資本、金融資本を代表する人々、こういう人々しか出て來ないわけであります。そうしますと、この改正法律案が通りましたときはどういうことになるかというと、結局いわゆる総合予算の均衡というようなことによりまして、実は資金は非常に窮屈にされておる。從つてその中に占める銀行資本の地位というものは、ひとりでに強化されるような客観的な條件ができて來ておるわけであります。その中において、先程も申上げましたような今下馬評に上つておるような人々が出て來るということでありますと、これは結局金融資本と申しますか、独占資本と申しますか、そういうものの経済支配力をますます強化するという一つの委員会に結果的にはなつて來るのではないかと思うのであります。先程中小企業の問題に関連しまして、一体これができて中小企業の金融はよくなるのか、惡くなるのかという御質問があつたようでありまするが、私は中小企業の金融というものは、これによつてよくなるとはとても考えられない、むしろこれは逆であるというふうに考えるものであります。そういう点で私は本当に金融の民主化を実行し、又現在の経済危機を突破ししようとするならば、單に金融制度を少しいじくるということではなくして、もつと財政の面におきましても、産業の面においても、貿易の面においても、もつと拔本的な大きな変革が必要であるというふうに考えるものであります。それは今日一番大きな問題は、やはりもうすでに非常に社会的に大きな意味を持つて來ておるところの産業や金融というものが実際には独占的な資本家の利潤追求のために運営されるというところにその矛盾があるわけでありますから、これを根本的になくすということ、即ち重要産業や金融機関及び貿易を國営にして、その國営にされたものを民族産業、中小商工業、労働者や農民やそういう人達の組織から出たところの代表による委員会で管理するというような根本的な政策を取つて、そういう管理機構の中枢として最高経済会議というものを設け、これを國会に対して責任を負うだけで、内閣に対しては独立の地位を持つような非常に権威のあるものに高めて行かなければならない。そういう大きな構想の上においてこの金融制度の改革というものを考えなければならない。そうでなかつたならば、現在の危機を突破して行くというようなことは到底できるものではないと考えるのであります。  最後に條文について若干申上げますと、実は一番重要な條文であるところの第十三條ノ二が、これは意味が不明であります。その一番最後の方に「國民経済ノ要請ニ適合スル如ク作成シ指示シ又ハ監督スルコトヲ任務トス」となつておりますが、誰が監督されるのかちつとも分らないので、而もこの中におきましては「通貨信用ノ調節」となつておりますが、通貨の調節ということこれは根本をなすものはやはり銀行券の発行限度の決定でありますが、この権限は政策委員会にはないわけであります。そうして通貨発行審議会の議を経て大藏大臣がこれを決定することになつておりまして、こういう根本的な通貨調節の機能というものが政策委員会の権限から奪われて、依然として大藏大臣の手に残されておるということが言えるわけであります。それからこの政策委員会の性格というものは、この十三條ノ二では分りません。これはもう先程からこの政策委員会を日銀の中に置くか、外に置くかという問題がいろいろ出たようでありますが、これを條文通りに読んで行きますと、これは政策委員会は日本銀行の意思決定の最高機関ということになるようでありますが、そうであるとすると、私は先程ちよつと申上げました指示し監督するということが一体誰を指示し監督するというのか、これはますます不明になつて來るわけであります。それから條文で非常に意味の不明なところは十三條の三の第九号もそうでありますが「前各号ニ掲グルモノノ外他ノ法律又ハ契約関係ニ依リ政策委員会ニ委任セラレタル信用ノ調整ニ関スル政策事項及金融機関ノ檢査」となつておりまするが、この「政策事項」というのは政策事項の決定ということなのか、すでに政策は決められておつて、それを指示し又監督するという意味であるのか。この点も非常に不明で何だかわけが分らんのであります。次のその十号につきましては「國会ニ対スル毎年ノ報告」ということが書いてありますが、その中でのロに「必要ナル法律ノ改正」ということがありますが、こういうようなことも文章としては非常に私はおかしいのじやないかというふうに思います。「必要ナル法律ノ改正」を國会に対して報告するということは何か意味が取れないように考えるのであります。委員会の機構については余り詳しく申上げませんが、これはすでにもう問題になりましたが、日本銀行の総裁がこの委員の中に加わつておるということ、或いはそして又日本銀行の総裁が委員会の議長になる可能性が残されておるということ、これも私法律はよく分りませんが、法律的に見ても非常におかしなことではないか。この委員会は先程の最初の條文がよく分りませんけれども、指示又は監督するというものが日本銀行であるならば、或いは日本銀行のいわゆる職員であるならば、日本銀行の総裁は監督される立場に立つと同時に勧告する立場に立つということであつて、非常におかしなことになるように思うのであります。尚これが委員がすべて内閣の任命である、一方的に内閣の任命であるということ、それから十三條の六におきまして、これが内閣において認定罷免が幾らでもできるというようになつておるというようなこと、こういうような点につきましては、もうすでに問題が出たのでありまするから、詳しくは申上げませんが、この委員会が形式的な意味においても民主的ではないということが言えると思うのであります。それから第十二條の九の、つまり禁止行爲でありまするけれども、これは私は全面的に削除……若し何であつたら削除すべきではないかと考えるのであります。こう私は全体としてこの日本銀行の改正法律案が大した意味がないということ、これはこのまま通るならば、結局それは現に行われておるところのいわゆる民族産業以下をすべて犠牲にするところの少数の独占資本の政策というものを遂行する一つの機関になるに過ぎないということ、そういう点からこの法律案に対しては全面的に反対するものであります。でありますから、後で申上げましたいろいろな細かい事柄は、そういうことを修正したらそれじやよろしいのかということにはならんのでありまして、私の意見としては全面的にむしろこの法律案には反対されるのが至当ではないかということであります。
  60. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がありましたらこの際御質疑をお願いしたいと存じます。御質疑はございませんか。……ございませんければ、公聽会はこれを以て散会いたします。    午後三時三十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            木内 四郎君            油井賢太郎君            小林米三郎君            小宮山常吉君            中西  功君            川上  嘉君            木村禧八郎君            米倉 龍也君            小川 友三君   公述人    全國銀行協会連    合会会長   千金良宗三郎君    日本製鉄株式会    社常務取締役  永野 重雄君    慶應義塾大学経    済学部長    金原賢之助君    東京証券業協会    常務理事    土屋陽三郎君    日本興業銀行中    小工業部長   佐藤 泉明君    日本経済新聞論    説委員長    友光 正昭君    前東京商科大学    講師      川崎巳三郎君