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1949-07-05 第5回国会 参議院 大蔵委員会 閉5号 公式Web版

  1. 昭和二十四年七月五日(火曜日)    午前十時三十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件租税制度に関する調査の件   ―――――――――――――
  2. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。租税制度に関する調査の件でありますが、本日の午前中は東京商大教授で税制審議会の委員をしておられまする井藤半彌先生と、日本経済新聞編集局長であつて同じく税制審議会の委員をしておられまする圓城寺次郎先生からお話を伺うことにいたします。最初に井藤先輩のお話を伺います。
  3. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) ちよつとお尋ねいたしますが、どのくらいでどういう話をするのですか。私実は今日ですね、何か話をしなければならんというようなこともちよつとお聞きしておつたんですが、どうも見当がつきませんので……
  4. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 租税制度に関するこの制度の改革問題で、過般來委員会で実は調査研究いたしておりますので、それに関する先生の御意見をお伺いいたしますれば結構です。
  5. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) 何分ぐらいでございますか。
  6. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 午前中におニ方のお話を伺いたいとこう考えますので然るべく……
  7. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) そうすると何か座談的に皆さんから御意見をお伺いするというのでもないのですか。公聴会見たいなあれ式にやつて……
  8. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) お話をして頂いて、それから若し質疑があればちよつとそれに対してお答え願いましたら……
  9. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) 何か意見を述べさせて頂くということは……。時間は二、三十分ですか。
  10. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) そうですね。十二時ちよつと過ぎ頃までお二方のお話を願いますように……
  11. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) 私ちよつとお断りしておきますけれども、実は私今申上けさせて頂くことは井藤個人の意見でございますので、井藤個人の意見というとややこしくなりますけれども、全然よそとは関係がございませんので、もつとはつきりしたことを申しますと、シャゥプ先生の関係で何か向う側の意見が入つておるんじやないかというような、何とかかんとかいうようなことは全然ございません。これは速記を止めて頂いた方がいいかも知れませんが……
  12. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  13. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
  14. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) 國の政治経済、社会全体に関係のあることでございますので、それで税金の問題だけ切り離して話をするとなりますと、実際これを実行する場合に、その通り実行できないというようなことがありますので、併しそんなことを申しますと、まるで学校教科書のようなことになりますので、それで皆さんに対してそういうことを申上げますと、失礼かと存じますので、問題を非常に狭く限定いたしまして、租税技術の問題と申しますか、狭い意味の租税技術の問題を中心に卑見を申述べさせて頂きたいと思います。勿論その背後には政治経済全体の問題があるということは申すまでもないことであります。極く大げさな言い方で申しますと、共産党の立場からものを言う場、それから民自党の立場からものを言う場合というようにみずから小さな問題でもやはり立場の相違があるわけであります。私も〇〇党だとかかくかく党かは別といたしまして、やはり何かの立場がございますので、やはりそういう立場を背後においてものを言つておると思いますけれども、併し勿論それとの関連は直接申上けないことにいたします。  そこで租税の問題でありますが、これは皆さん御案内の通り問題は二つございまして、一つは租税の数量の問題と租税の種類の問題であります。数量の問題というのは、一年に日本なら日本で二千億とか三千億とか四千億の税金というものが、日本の國民の層から見て果して当を得たものであるかどうかということは数量の問題であります。それからもう一つの内容の問題で数量が全体として当を得たものであつても、税金の種類内容が果していいか悪いかによつて國民経済に及ぼす影響はみずから違つて來る。そこで数量と内容というこの二つについて問題になるわけでありますが、この数量の問題それから内容の問題これについて実はこれまで多くの方々が議論しておりますので、これも私申上げる必要もないのじやないかと思います。  併し数量の問題でありますが、数量と内容、この丙の数量の問題ですが、現在日本で税金が非常に重い、これは一体國民経済がら見て果して当を得たものであるかどうか、こういう問題でありますが、これを計る方法といたしまして、一番普通に行われておりますのは、租税の國民所得に対する割合を求める方法である。これによると我が國では租税の國民所得に対する割合は二六%、去年はどうでしたか、アメリカと比べてこういうことが大きな問題になつております。これについても私意見はありますが……  結論から申上げますと、少し重いじやないか、但し租税の國民所得に対する割合の二六%という数字のみ大きな意味を持たしてはいかないというようなことは実は一昨年でありましたか、参議院の当時は財政委員会という名前でありましたが、そのとき公聴会をお願いしまして、その席上で申上げましたが、その当時の考えとは少しも変えておりません。それで、二六%というのは重いか軽いかという問題は、一應重いという立場で見ようと思います。但しこれはいろいろ不正確な要素があるということは申すまでもないことであります。今日は誰もが減税が必要だということは輿論でありまして、殆んどすべての立場の人が言つております。  そこで減税をするとなると、それでは國家経費を減らさなくちやならない、どういう経費を減らさなければならないかという問題になりますが、これはもうとにかく税金が重過ぎるということは、これは申すまでもないことであります。皆さん御案内の通り、今年の予算が、昭和二十四年度予算が決まるときに、この減税措置をやることはシヤウプ使節團が來るまでは延すことになつておりました。だから当然本当は三月に減税措置をやるべきであつたのが、実は延期されたことになつております。延期されたが減税するのには経費を減らさなければならん、それにはどういう経費を減らすか、そこで内容の問題で、総額が少し重いので減らさなければならない。それで今度は租税の種類及び内容の問題であります。  そこで租税の種類並びに内容を問題にいたしますについて、直接税と間接税の比率によつて、現在日本では税金が重いとか軽いとかいうことが問題になつておりますが、先程木村さんからもちよつとお話がありましたが、現在日本では直接税と間接税の比率によつて、この間接税が多いとか何とかいうことは意味がなくなつてしまつた。というのは御案内の通り、直接税は普通は金持が負担する。それから間接税はいわゆる消費税というものであるから消費者が負担するものであると言われております。  そこで終戦前、直接税が割合に重かつたが、終戦後段々と間接税が殖えて参りました。そのために大衆課税が殖えたということは一應は言えるのでございますが、日本の現在の状態から見ますと、直接税と言われておるものでも、いわゆる昔の意味の大衆課税が多いのであります。というのは直接税の代表的なものは所得税でありますが、所得税と申しましても、その大部分がいわゆる大衆と言われている人が負担しておるものである。例えば昭和二十二年度の申告納税者について申しますと、一年七万円以下のものが人数から申しまして九〇%を占めております。昭和二十二年度と申しましても、実は去年でありまして、今で申しますと一昨年でありますけれども、大体は一年か一年半ほど前に七万円でありますので、大したものではございません。それが全体の九〇%を占めておるということは、日本の直接税が、いわゆる大衆課税的のものになつておる、従つて直接税は金持が負担し、間接税は大衆が負担するのだということは、少なくとも現在の日本のように、國を挙げて貧乏になつております社会におきましては、割合にその意味が少くなつております。これから出て來る結論はどういうことになるかと申しますと、従つて税金を取る場合に、昔でしたら直接税を重くし、間接税を軽くしようということも言えるのでありますが、この頃は少々間接税を重くしても、直接税を重くしても、結果から言うと余り変らんような状態になつておると思うのであります。ですが一般論といたしましては、勿論直接税を重くするようにしなければならないということは言うまでもないことであります。そこで一般的なことはそのくらいにいたしまして、個々の租税の内容につきまして卑見を申上げたいと思います。  そこで日本租税制度につきまして問題になるのは、結局大掴みにいたしますと二つの点でありまして、一つは租税体系の整備であります。租税の体系を整備すること。もう一つはこれも結局今申しましたことと関連があるのでございますが、インフレーションによりまして、日本租税制度に歪みができたのであります。インフレーションによりまして日本租税制度が曲つておりました。その曲つたのを直すということ、これは或る意味において租税体系の整備と同じことになるのであります。この二つが問題になる。それがどういうことになるかというと、税法の改革ということになるのであります。そこで先ず所得税について申上げます。この所得税につきましては、これはもう確かに減税すべきであるということは言うまでもないことでありまして、現在は所得税は確かに重いのであります。殊にインフレーションが進みまして、そうして租税制度が昔のままであるといたしますと、所得の名目價額が自動的に高まりますので、税率が自動的に重くなる。だから当然これは形式的に減税の措置を講じなければならんということは言うまでもございません。勿論これは形式的の減税でありまして、実質的に申しますと減税でないこともあるのであります。併し形の上から申しますと、どうしても減税的措置をとらなければならんのでないかと思うのであります。それは基礎控除の引上げであるとか、その他税率の引き下げであるとか、いろいろの形をとるであろうと思うのであります。現在の税金が如何に重いかということは、これは皆さん御案内のことだと思うのでありますが、例えば昭和十一年頃、支那事変の前年の頃の日本租税制度を見ますと、第三種所得の免税点が千二百円でございました。当時の千二百円というと、今の貨幣價値に直しますと、大体二十四万円であります。そうすると機械的に二百倍いたしますと二十四万円、そうしますと二十四万円までは昭和二十一年までは免税であつた。現在は二十四万円なんと言うと、二十万円を超える金額には五〇%の税金がかかることになつておりますので、現在とにかく相当な重税であるということは申すまでもないことであります。そこでどうしても基礎控除の引上げ、それから税率の引下げという形式的な減税措置を講じなくちやならんと思います。それではどの程度でよいかという程度の問題でありますが、これは実は抽象的に問題にすることはできませんので、経費の引下げの問題、それから外の税金の関係もございますから、プリンシプルとしてはいろいろでございますが、具体的に幾らかということは申上げることはできません。  それからその次に問題にしたいのは合算制度であります。日本では家族の所得を合算いたしております。そのためにいろいろ税金を増しております。これも日本の財政収入全体と関連がございますので、合算制度は必ずしも望ましいことではございませんが、併しながら何とかこれは緩和する必要があるのではないかと思うのであります。そこで我が國におきましても、小さな商工業方面、それから農業方面から合算制度を止めよとか、或いは商工業や農業というものは勤労所得者に準ずるものであるからして、勤労所得に準ずるような扱いをしたらどうかというような提案があるようであります。私は大体その趣旨は賛成でありますけれども、併しながら勤労者と全然同じようにせよ、勤労生活者と、賃金生活者と全然同じようにせよということは私は反対であります。それはやはり商工業者といつても、農業者といつても、労働所得だけでなくて、資金所得的の方面もあるのでございますので、勤労者と同じような扱いをするということは、これは問題があると思うのであります。殊に勤労所得者につきましては、源泉課税が行われております。商工業や農業につきましては源泉課税でなくて賦課課税であります。勤労者の方はとかく早く税金を取られるということ、もう一つは所得の把握率の問題であります。つまり脱税の問題であります。勤労所得税は脱税は非常に困難であります。だから最近においても國税廳が大いに頑張つて、できるだけ脱税のないように努力すると申しましても、どんなに努力いたしましても、これは商工業や農業の把握率を高めるということは困難でありまして、勤労所得の場合でありますと、九〇%までは把握できて、脱税するといつても一〇%内外ではないかと思います。それに次いで脱税の困難なのは農業であります。農業は不動産というものが表面に現われておるので脱税は困難であります。一般の商工業というものはやはり脱税が多い、これは殊にいい加減な当てずつぼうであります。勤労所得税は九割までは把握できる、例えば農業は八割とか、商工業では七割ぐらいしか把握できないじやないかと思うのであります。それでそういう事実を考えますと、勤労者所得と、小さな農業者とか、小さな商工業者とを同じ扱いにするというのはどうかと思うのであります。殊に勤労所得の場合は二割五分の控除がございますが、併しながら経費を引いておらないのであります。若しそういうことであるならば、勤労所得者については経費を引かなくちやならんじやないか、現に外國の例を申しますと、ドイツなんかでは勤労所得については通勤費を引いております。フランスにおいて本來所得税、これは最近変つたらしいのでありますが、少くとも一両年前まではフランスの勤労所得税につきましては、基礎毎控除があります外に、次のような経費を勤労所得かち引いておるのであります。それは恩給め納金であるとか、社会保険の掛金であるとか、その外職業上の経費を引いております。商工業や農業についてやはり経費の控除を認めております。日本では勤労所得についてはこれらの控除を認めておりません。その代り二五%の控除というものがありますが、そういうことを考えますと、一概に勤労所得と、小さな農業や小さな商工業と同じようにするということは、これは勤労所得者の側から言うと、少し負担が重くなるんじやないかと思うのであります。とにかく併しながら小さな商工業や農業について、合算制度やその他について特別の考慮が必要であるということは問題がない、これもどの程度までかというと、國家の收入に関係があるのでありまして、具体的に数字を私は挙げることはできないのであります。  その次に所得税について問題になつておりますのは申告納税制度であります。この申告納税制度というものは、皆さん御案内の通りアメリカで発達して、非常に民主主義的であり、又進歩的な制度でありますが、これが実施されるときにも大分問題になつたのでありますが、これはどうも少なくとも日本の現在の國情から申しますと、余りに進歩的過ぎるんじやないかと考えております。それで申告納税制度につきましては、実は私はずつと前からこういうような案を考えておつたのであります。その案は大したことじやなしいのでありますが、この申告納税制度で面倒なものは何かというと、年に三回申告するという点が非常に面倒くさいのであります。年に三回申告する、それも過去半箇年とか五箇月の実績を見て、そうしてそれを基礎にして一年分の税金を計算して、そのうち三分の一を納めるということは、これは学校の試験問題のようでありまして、実際なかなかこれは実施するとなるとやりにくいのであります。私はこういうふうにしたらどうか。これは結局申告納税と同じことであります。これはどういうことをするかというと、前年度の実績を基礎にするという場合に、前年度拂いました税額を基礎にするという場合と、前年度の所得高を基礎にするという場合とニつの場合があり得ますが、これは又いろいろ問題があろうと思いますが、とにかく前年度の実績を基礎にして、そうして年三回納めるのでございますから、第一期と第二期は前年度の実績を基礎として三分の一ずつ納めるのです。これは前年度の実績によつて納めるのでこれは税務署が通知さえ出せばいい、そうして翌年の月に今まで、現在で申しますと確定申告をする時に、過去年間の実績を計算いたしまして、そうして確定申告をやる。そうしてこの過不足を、多い場合には返して貰う、足りない場合は更に拂う、こうすれば一月になりましたら、確定申告をする階段に達しますと、結局今の予定申告納税制度と全然同じになるのではないかこう考えております。この制度の便宜なことは何かというと、年一回の申告で済むということであります。それでこれに対して出て来る反対論は、インフレーションの場合はどうだろうか。インフレーションの場合ですと、前年度の実績を基礎として計算いたしますと、初めの二回は税金が少くてしようがない。それでインフレーションの場合はどうするかというと、原價倍数を、原價倍数と申しますと、價値が減少する。原價倍数をいたしますと、價額が倍くらいになつて來る、物價が倍になる、國民の所得が倍になるだろうと思う。これはやはり國会でその倍数を決めて、前年度の実績に倍数したものを、〇・五倍を前年度の実績とみなす。そういう原價倍数を設けたらどうかと思うのであります。又極端なるデフレーションの場合は逆に前年度の八割を以て本年度の金額とみなす。そういうようなこともできるのであります。私はそういうふうに予定申告納税制度を止めて、趣旨は結局同じでありますが、二年三回に分けて納めるのであるが、最初の二期は前年度の実績を基礎として納税し、第三期のときに年分の総実績を計算して過不足を調整する。そうするとこれは昭和二十年度から行いました前年度実績主義、昭和二十二年度から実施されました確定申告納税制度の折衷案でありまして、結果から言うと、今の制度と同じことになるのであります。こうなると完全であります。これに対するもうつの反対論は、前年度の実績と申しましてもやはり控え目に税金を取る、第一期、第二期はどうしても控え目に取る、そうするとやはり第三期が即ち確定申告をやるときにうんと多い税金を取られることになるので、やはり國家財政というような点から申しますと困るという反対論がありますが、確かに私はそういう反対論はあり得ると思います。併し現在の予定申告納税制度におきましても、そういうこともあるのであります。私は前から言つているのですが、どうも賛成者が少いのであります。それで私は又妥協いたしまして、こうしたらどうか、現在の制度と、それから今の前年度実績によるものと併用したらどうか、予定申告納税制度を生産業者に対して前年度の実績課税をやる。殊に今日のようにデフレーションの傾向がありまして不景氣になる傾向があると、前年度の実績によつて課税されると一般納税者の立場から申しますと、やはり税金は安い方がいいのでありまして、金額は安い方がいいのであります。その場合にデフレーションになりますと、前年度の実績によつて課税されると、税金が重くなり困る。だから算盤を彈いてやると、予定申告納税制度の方が得なのであります。それで私は前年度実績納税制度というものと、それから予定申告納税制度と併用して、そうして予定申告書を出さない者に対しては前年度実績によつて一應課税する。私の言いましたようなやり方をやればいいのじやないかと思います。これは賛成論者が少いのであります。でも私はそういう論でおります。それが申告納税制度の問題であります。併しながら申告納税制度というものは確かに進歩的なものでございますので、段々とこれを國民が慣れるように税務当局においても指導する必要があるということは言うまでもないことであります。そのために帳簿制度を、簿記制度を普及する、その他いろいろ指導の必要があるのであります。これまで私が申しました方法でやつたらどうかと思います。それから所得税につきましてもう一つ問題になりますのは、所得税に補完税がないということであります。と申しますのは、所得税というものは大体あらゆる所得を同じ扱いにいたしまして纏めて課税いたしますので、所得の種類別によつた課税ができない。それからもう一つは、現在のように闇所得が多い場合所得税の脱税が多い。所得税の脱税はそれを把握する途が困難であります。どうしても所得税には補完税が要るのじやないかと思います。それで現在の日本の問題といたしましては、経常財産税が補完税として必要じやないかと思います。税率はそう高いものでございません。併しながら経常財産税というものはこれは非常に手数が掛かります。それからもう一つは、今デフレーションの時期に入つたとは言いますけれども、尚貨幣の價値に対する信頼感というものは國民の間にございませんので、現在経常財産税を実施するのは妙に換物運動を助長するというような……相当困難を起しますので、直ぐ実施はできないのであります。補完税は経常財産税をかける必要があるのじやないかと思います。所得税の問題はそれだけでございます。  今度は法人税の問題であります。法人税は、私は次の二つが問題になります。それは法人の資産再評價の問題、それからもうつは超過所得税をどうするか。この二つの問題になつて來るのであります。この資産再評價の問題でございますが、これはもう多くの方方が大いに賛成しておるのでありますが、私の結論を申上げますと、この前の税制審議会の中間報告の案ぐらいでいいのじやないかと私は考えております。その内容については皆さん御案内の通りだと思います。ここで私はもう一つ申上げたいのは、私はあらゆる意味から考えるのでありますが、あの場合にはとかく資産再評價と関連して起るのは、固定資産の評價替えをする、そうして帳面ずらで、帳面の上で評價益が出る、確かこれに対して二割取れというの税税制審議会の案でありますが、二割の税金を取るというのは、帳面ずらの利益で本当の利益じやないのであります。そういう名目的架空の利益に対して税金を課けるのは怪しからんという主張がどちらかと言うと企業家側かち出ておるのでありますが、私はやはり課税の必要はあると考えております。但し二〇%の課税がいいかどうかということについて、税率につきましては自信はないのでありますけれども、やはり課税は必要である。その理由は次のニつであります。それはどういうことかと申しますと、これはこの名目利益に対して課税するということは、これは本当の実質利益じやないのであります。從つてこれは所得税とか、收益税と考えたらいけないのでありまして、一種の財産税であります。それでインフレーションの時代になりますと、要するに物が足らないからインフレーションが起る。インフレーションの時代になりますと、國民全体が何かの意味で筍生活をやるのであります。というのは、勤労者はどうかというと賃金が少いので、そこで言葉が極端な、大げさになりますけれども、栄養不良というような形で筍生活をやります。預金は、私は一生縣命稼いでおりまして一万円貯金いたしまして、預金者は実質價値の下落ということで元本を自然に失つたと同じであります。そういうふうに國民全体が筍生活をやつておるその場合に、企業家が実質價値を維持するという立場から、インフレーションの犠牲の一部を分担しないということは、私はインフレーションに伴う社会的犠牲を國民全体が合理的に負担するという立場から言つてどうかと思うのであります。そういう意味におきまして、名目利得、実質利得でなくてもやはりインフレの社会的犠牲を分担するという立場から言つて、法人と雖もやはり評價金に対して僅かでもいいからやはり税金を拂う必要があるのじやないか、それが一つであります。  それからもう一つの根拠は例の企業再建整備、金融機関再建整備に関係するところであります。というのは、皆さん御案内の通り企業再建整備のときには企業の損失の計算、損益計算をするときに帳簿價格によつて計算をしたのであります。そうしてややこしいことをやつて結局どうしたかというと、債権者が結局損をしました。債権者はいろいろありますが、一例を申しますと、第二封鎖を持つておつたものが切られたのであります。それであれば確かに企業再建整備によつて第二封鎖を持つている預金者は切られる、これは確かにインフレーションに伴う損をしたということであります。ということはどうであるかというと、当時帳簿價格によりまして企業の当時の決済をしたからでありますが、ところが多くの出資者、株主とかその他出資者の側から見ますと、あとから未拂込金を拂い込んだ人もありますが、拂わん連中はどうかというと、帳面づらで金額が減つただけでありまして、損はなかつたのでありますが、今度は企業の再評價をやつてぐうつと利益を出します。そうると何かの意味において企業家、出資者側が利益を得る、そうすると結局清算して一番馬鹿を見るのは何か、債権者であります。即ち第二封鎖を切られた人が損をしている、それとの関係から申しますと、企業の再評價の利益の一部というものは、企業再建整備によつて損をした債権者に返してやる、折角落着いているのに又第二封鎖で損をした人に返してやるとか、債権者に補償をするということは面倒くさい、そこで済んだことは済んだこと、打切られる代りに國民の代表としての國家が、それを税金という形でとる必要があるのではないか、これが、私の再評價益に対して課税すべしという第二の根拠であります。併し金額は勿論問題であります。それからもう一つ念のために申して置きますが、企業再評價益に課税するということは前から言つておるのでありますが、併し日本経済の再建の邪魔になるようなことをやつていいかというと、そういうことは言えない、この点はどうか誤解しませんようにお願いいたします。勿論日本経済の再建の邪魔にならないようにするということは必要であります。それから超過所得税の問題であります。そこで資産の再評價をやりますと、これは確かに法人課税というものは合理化されます。その場合に一体超過所得税を置いておく方がいいかどうかという問題であります。これについて近頃超過所得税をやめたらいいじやないかという議論が有力でありますが、どうも私端的に急にやめるのはどうかという感じがするのであります。それはどういう点かと申しますと、超過所得税をやめたらどうかという議論は、一方は税金が重いから困るのだ、これは勿論税金は皆が困るのであります。  もう一つは外資導入であります。外資導入という立場から超過所得税は外國から入つて來ない、外國から資本が入つて來ないじやないか、例えばアメリカなんかで申しますと、普通所得税はアメリカでは五万ドルを超えた場合は二四%の比例税が課かつております。それ以下は税金が安くなつて、五万ドルを超えた場合は二四%、それに附加税といたしまして一四%課かつております。合計いたしますと、三八%という比例税が課かつているのであります。日本では御案内の通り超過所得税が課かつでおるので、外資導入という点から申しますと、どうも困るのではないかという問題であります。これは大きな問題でありますが、その点だけを比較いたしますと、日本に投資するよりアメリカへ投資する方が得だということであります。併しながら結局これは、私これに対しては結論を申上げかねるのでありますが、外資導入という点から言つて今申上げた点から申しますると、超過所得税はない方がいい、あつても非常に軽いものにしなければならんということになるのでありますが、併しながら今日本へ外國から資本が入つて來ない、いろいろな税金がありますけれども、これは日本の経済が不安定であるからです。それからもう一つ問題になるのは、アメリカの立場から申しますと、日本の税金とフイリピンの税金とか或いはその他アメリカの勢力圏内の諸國の税金との比較、そういうことによつても決まるのでありまして、外資導入という点から申しますと確かに税金が安い方がいいと言えるのであります。併し外資導入と申しましても導入の方法が株を買うとか、直接投資する形式をとることもございます。或いは社債、金を貸すという社債のような形をとることもございます。これによつておのずからこれも違つて来ると思いますが、外資導入という点から申しますと、税金が安い方が望ましい。特にアメリカにおきましては比例税が課かるという事実から比べますと、この点からいうと、超過所得税は全廃するか軽くする方がよいと思います。併し私急に全廃するのはどうか、これは所得税の関係でありますが、超過所得税は皆さん御案内の通り結局は累進税、普通所得税に比例税をかけて純益が資本に対して三割五分を超えた場合超過所得として課税する累進税であります。簡単に申しますと、超過所得税と普通所得税を合計した所得に結局は累進税が課かつでおるということであります。そこで法人に一体累進税を課けるのがよいか悪いかという問題ですが、これは個人でも企業でもそういう点から言うと、税金は安い方がよいのでありますが、結局税金の問題は要するに負担の均衡であります。私は個人所得税の均衡という点から考えて、個人所得税に対して今のような最高八五%というような重い税金が課かつておるのであつたら、やはり法人に対しても累進税を課けるということは極めて月並みの議論でありますが、私は必要と思います。やはり個人と法人は性質が違いますから、個人と法人を同じ扱いをするのではできないと思いますが、併しながら個人に対する累進税をそのままにして置けば、今のような程度であるから、法人の或る程度の累進税は止むを得ないのではないか、そういう考えで私は超過所得税は存置する方がいいのじやないか、外資導入の関係から言われると、もう少しまける方はいいのじやないか、そういうようなことを考えてこの問題が決める必要があるのではないかと思います。これは法人税です。相続税の問題でございますが、相続税につきましてもやはり免税点の基礎控除でありますが、基礎控除五万円は余りに安過ぎるのでありまして、昭和二十二年に税制改革をやつたときに五万円、所得税につきましては絶えず基礎控除の引上げ、税の改正があつたのであります。相続税贈與税につきましてはそれがないのであります。これが何とか引上げる必要があるのではないかと思います。ただ相続税は金額から言つて非常に少いのでありますが、個人的にはなかなか重い税金でありまして、國家收入という点から行くと何ですが、併しながらこれも今申上げましたような基礎控除の引上げが必要と思います。  それから問題の取引高税であります。取引高税については先程木村さんからお話がございましたのですが、私は取引税は昔から余り賛成はしておりませんが、併し去年の夏これを実施される案が出ましたときに私賛成いたしました。というのは私は取引高税は租税の性質から言つて余りよい税じやありませんが、併しながら今日の財政状態から言つて新たに新税を起すことには賛成しておりますが、現在は取引高税は廃止するといつてもこれも廃止できない税金でありますので、これに代る代り財源がございませんので、やはり取引高税は止めることはできないと考えております。ただこれについて考えなくちやならんのは、この取引高税に対する反対論ということが、とかく業者から出ました反対論は租税負担が多いのじやない。百分の一が多けりじやなくて、印紙で納めると所得が分つて脱税ができぬからと、人様の前で大きく言うことができない理窟が主な理由であつたのではないかと思います。その証拠には近頃はどうしたのか取引高税反対論を余り聞かないのでありますが、これはどうもそういう事情が主となつたのはでないか。そこで今は申告制度になりました。申告制度になりましたので、取引高税の反対も少い。その代り近頃は物品税が重過ぎるという声が非常に高いようであります。そこで私これは学校教員の空論を言うのでございますけれども、物品税というものは租税の性質からいうとよいのです。奢侈品に課かつておる。ところが取引高税というものは、奢侈品であるものも奢侈品でないものも均一に比例税的に課かるのでありますので、学校教員の立場から言いますと、取引高税は悪税なんです。ところが物品税というものは案外一概に悪税とは言えない。多少整備を要とますけれども……、だから一部の方面では物品税というものを減らして、その代り財源として取引高税の税率を殖やしたらどうかという声があるのでありますが、私は一般的な理論から申しますと、これは悪い傾向ではないかと思つております。ただこれについて問題にしなくてはならないことは、取引高税が課かり物品税が課かる、これは大体同じであります。酒の消費税が課かつて來る、カルタ税が課かつて来る、それから砂糖の消費税が課かる。何とかかとかで物品税がある。そかられいろいろ各種の消費税、取引高税が雑然に課かつておりますが、これはもう少し制度としては整理する必要があるのではないかと考えておるのであります。併しながら一般の問題としましては、私はそういうふうに考えております。  今度は地方税の問題であります。これは一番大きな問題でありまして、なかなか地方税の問題などは、國家と地方團体との利害関係、それから同じ地方團体などでも都道府縣と市町村、都会の府縣と田舎の府縣と利害関係はいろいろありましてばらばらで一致いたしませんので、いろいろ面倒な問題が起るのでありますが、併しながら一般的に言えることは、地方團体が非常に困つておるものが多い。困つておる地方團体に対して何とか財源を與えなければならんということは、これは問題ないと思います。そこで國税と地方税の関係をどう調整するか、これはやはり経費の問題にも関係します。地方團体の負担する経費と國家が負担するとか何とかいろいろ問題はありますが、税金だけの問題といたしまして、どうも地方團体の收入が少いということ。それからもう一つは雑税が多いということ。これは確かに現在の地方税制度の欠陷と言えるのではないかと思います。ただもう一つ雑税が多いという問題でございますが、これはどうも少し誇張されて傳わつておるのではないか、というのは、例えば蜂蜜の箱に税が課かつて來るとか、わんわんに税が課かるとか、何のかのと細かい税金がありますが、全國的にあらゆる府縣、市町村にそういういわゆる悪税が課かつておるというような印象を受けるのでありますが、なかなか悪税は、これは一つか二つしかないのでありまして、一つ二つは言い過ぎでありますが、全國に皆どこでもあの税金があるわけではありません。これは困るのでありますが、それを取つております市町村の立場を見ますと、どうもその税金を取らなければやつて行けない、現在の制度から申しまして……。そのために止むを得ず悪税と知りながらああいう税金の課かつておる点も随分ありますので、一概に悪いとは言えないのでありますが、併しながらとにかく悪税であることは言うまでもないのでありまして、こんな悪税でないようなものを制度として勿論考える必要がありはしないかと思います。そこでどういう税金を國税として課けたらよいか、こういう税金を地方税として課けたらよいか。結局結論を申しますと、私は所得税のようなものは、これは國税がよいだろう、というのは所得というのは個人所得は市町村に拂わなければならない。方々の地方がらそういう所得税を所得税で取ると困るから、そういう人税は、これは國税としてやる方がよいだろう。それからもう一つ直接、それから間接消費税であります。物品税であるとか、それから輸入税、関税であるとかいうようなものは、やはり全國統一して課ける必要がありますので、これは私は國税として取る方がよいのではないかと思います。それで地方の財源としてはどういうものが要るかと申しますと、収益税とか直接税、消費税、即ちどちらかと申しますと、利益主義をも加味して課ける税金、地租、家屋税、営業税、こういうものは利益主義を加味して課ける税金である。それからもう一つの税源は動かないのであります。家屋やその他はもの税源は動きません。安いから逃げて行くわけでにありませんけれども、税源が地方に固定しておる。こういうようなことを具体的に申しますと、物税、収益税でありますが、こういうものは地方團体の財源にするのがよいじやないか。それから現在行われておる直接消費税、これは入場税と遊興飲食税、これも直接消費税で、これは物品税とは違いますので、これ亦やはり地方に全然固定性がないというわけではありませんけれども、物品税に比べて固定性が少いので、これを地方財源にしてよいだろうと思います。  それからもう一つ問題になつておる所得税附加税、若しこれを課けるのでございますれば、これはどうしても府縣で課けなければならない。市町村で所得税附加税を課けることになりますと、所得税は二つの市町村から取ればいい、ところが方々の市町村に跨つておるという場合は税金の配分というようなことが問題になりますから、これは府縣のような廣いところで附加税を課ける方がいいじやないか、それでは市町村ではどうしたらいいかというと、それに当る住民税を強化したらどうかと思います。住民税は御案内のように均等割で一部は資産状態、一部は所得を標準として課けておる。人頭税の部分は一割とか二割とかで、大体所得税、財産税の変形であります。若し小さな地方團体で所得税、財産税の中から課けるというときには住民税という形で、住民税を強化するという方向を取ればどうかと思います。ただ住民税というものは非常に評判が悪いのであります。現在の住民税は税金は大して重くないのでありますが、この評判の悪い理由はどうも住民税の課税標準が住民に徹底しておらない。というのは住民税の課税標準は御案内のように資産それから所得の状態であるとか、家屋の賃貸價格によつて課けておりますことが、住民には徹底しておりません。だから住民の立場から見ますと、所得税を見まして、俺の家より隣の家の方がうんと金が入つておるのに、俺の方が税金が重いと感ずる。住民税に対する反対論というものは金額が重いということでなくして、むしろ負担の不均衡という点が問題になつておるのではないだろうかと思います。これは住民税の内容が住民に徹底しておらないからでありまして、これは私は隣組の掲示板なんかに住民税の課税標準なんかをうんと書いてよく徹底すれば、そういうことはなくなるだろうと思います。これはやはり住民税を強化する必要があると思います。  それから問題は煙草、酒の消費税であります。現在酒の消費税は課つております。煙草の消費税を地方團体に課けさせてはどうかという声が強いのであります。私は煙草や酒の消費税は地方税には適しない、これは國税に適する。現在酒については販売價格の一割かに限定して課つておりますが、地方團体が自由に税率を上げ下げはできません。むしろ地方税として課けるのだつたら、地方團体が一定の範囲内において税率を自由に上げ下げできるものでなければ地方税たる特徴がない。にも拘らずどうしてもあれを固定せしめて、そうして地方團体に上げ下げさせないということは別のことで、そういう税金は地方税としては適しないということであります。それで私は現在のような形で酒や煙草の消費税を地方團体に取らせるということは意味をなさないと思う。それで若しこれを地方團体の財源とするのだつたら、これは配付税の税源がいいだろうと思います。配付税という税源にするのだつたら、これは形式上は國税であつて一部は地方團体に配付する。これは結局は現在のような税源といたしまして、所得税、法人税の関係をどうするか、これはいろいろ問題が出て來ると思います。これは地方團体の財政事情そのものを考えまして、國家の財政事情を考えて、そして煙草、酒の消費税、法人税、所得税を配付税の財源として、又分配の割合をそのときの財政状態を見て適当に分ければうまく行くのじやないかと、こう考えるのであります。  それから最後にもう一つ申上げたいのは、どうも市町村関係から申しますと、市町村は財政が苦しくてたまらん、この頃は実に困つている。市町村の立場では、もう俺は税金は取りたくない、だからして村税、町税など取らないで、国家が全部取つて、その代り困らんようにして欲しい、こういうような氣持が非常に強いのでありますが、これは現在の状態では御尤もなことと思います。併しながら終戦後民主主義の立場から申しますと、やはりこの地方團体の税務機構を強化いたしまして、地方團体がやはり地方團体の独立税を取るように努力して頂くということは、これは必要じやないかと考えておるのであります。そういう意味において、どうも地方團体関係は住民税を強化しようというような考えは歓迎されないのでありますが、私はその前提といたしまして、やはりどうしても市町村の税制の民主化という立場から言うて、地方市町村の税務機構というものを何とか強化する必要があるのじやないかと考えます。  甚だどうも纏まらないことを申しましたが、私の意見はこれだけであります。
  15. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がありましたらば、この際願いたいと思います。
  16. 黒田英雄

    ○黒田英雄君 お二方のお話を伺つてから質疑をしたらどうですか。
  17. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) それでは圓城寺さんお願いします。
  18. 圓城寺次郎

    ○説明員(圓城寺次郎君) 時間がありませんから、租税制度全般について私が触れますこともできませんし、又井藤先生のような専門家の後で生意氣に租税制度全般についての意見を申上げましても、恥さらしになると存じますので、私は実はこういうことをお話しようと考えて参りましたことを変更しまして、短かい時間で経済復興と税との関係、こういつた観点から少し私の考えを申上げてみたいと思います。この問題は非常にむずかしい問題でありますと同時に、租税制度全般について考えます場合には、どうしても経済全般との関連を考えなければなりませんのでありますが、これを又正面から取組んで行きますと、非常な時間を要とますし、又むずかしい問題でもありますので、問題になつております二、三の点について私の考えを申上げてみたいと思います。  現在の税制改革ということは、これは実は税金をまけて欲しいということであることは、間違いないわけであります。租税制度全般について、技術的な点をいろいろな方面から検討して改正しなければならんことは勿論でありますが、先ず以て租税制度改正ということは、現在我々國民の立場から言えば、税金をまけて欲しいということになるわけであります。而も税金の問題は今非常にやかましく議論されておりますが、大体今年が山であつて、来年度になりますれば、歳出の減少と見合つて税金も減つて行くことは、これは間違いないことでありますから、本年度において税金をまけて貰わなければ、これは実は何にもならんということにもなるわけであります。そういつた点になりますと、昭和二十四年度においては予算が決まつておるし、歳出が決まつておる現在において、税金をまけて貰うことができるかどうかということになるわけであります。而も昭和二十四年度予算はいわゆるドッヂ・ラインによつて固められた予算でありまして、シヤウプ博士と雖もこれを全面的に変更するということは不可能だろうと私は想像しておりますので、なかなかこの点が重大なわけであります。税金が高いことについて申上げますれば、先程井藤先生がおつしやられたように、我々はこれまでいわゆる國民所得に対する税負担の割合が日本はアメリカ、英國に対して低過ぎるから、まだまだ税金を取る余地があるという、いわば説教と申しますか、そういうことを聞かされて來たのでありまするが、こういつた考え方が間違いであるということは、ここで繰返して申上げることもありません。ただ先般我々税制審議会の一部の人がシヤウプ博士に会いましたときに、私はこの点について尋ねましたところ、シヤウプ博士も國民所得に対する税負担の割合でその國の國民の税が高いか低いかを決めることは間違いだということを申されたので、それは非常に安心したということを私は申上げたのでありまするが、とにかく税金をまけろということになつた場合、先程申上げましたように、ドッヂ・ラインによつて固められておる本年度の予算で歳出を切ることができるかどうかという問題であります。そういつた点を考えて見ますと、どこで歳出を切るかということになりますと、これは大蔵大臣がしばしば言われておりますように、補給金を切ることであります。そうして補給金を切ることは、これはドッヂ・ラインに対して反対するものではなしに、むしろドッヂ・ラインに副つた線でありますので、補給金を切ると、こういつたことが当然誰が考えても考えつく線となつて現われて来るのであります。そうして私は申上げて置きますが、私もこの補給金を切るということには大賛成であります。一本爲替を作ると言いながら、二千億も補給金を出して置いて一本爲替を作るということは極めて滑稽な話でありますし、この点につきましては、爲替相場設定に関するいろいろな問題がくつ付いておりますから、なかなかむずかしい問題になつておりまするが、ただ一本爲替設定ということだけを考えて見ても、二千億というようなべらぼうな補給金を出して置くというようなことは間違いであるし、私もこれまでしばしば補給金を切ることを主張して参つたのであります。ただ問題は、今年度において急激に補給金を切ることができるかどうか、これがつまり日本の経済復興に関する問題となつて来るわけであります。というのは、皆さんも御承知のように、最近はいわゆる九原則デフレというものが日本の財界において深刻な問題を投げて來ております。実は先般或る十人ばかりの会合でありましたが、その中には名前を挙げれば皆さんも全部御存じの財界人、銀行家、のみならず労働運動の関係者のいわゆる大物と申しますか、そういつた人達が入つていたのでありますが、現在のいわゆる九原則デフレ問題ついていろいろ雑談をしましたときに、全部が、と申しますのは、私は多少考えが違つていたのでありますが、全部が又インフレに帰して貰わなければならんということを言つております。少くともいわゆるドツジ政策の修正と申しますか、とにかく又インフレに帰して呉れなければ困るというのが、私を除く全部の人の意見であつたと申上げて差支えない程、そういつた意見が支配的であつたのであります。こういつた点を考えて見ましても、いわゆるこれまでの昭和二十四年度の予算編成に伴ういろいろな経済政策の方針が行過ぎであるというような考え方を持つておる人は最近非常に多くなつて來ておるわけでありまして、これは単に日本だけの意見ではないというような宣傳を飛ばしておるような人もあるわけであります。そういつたときに補給金を切ることができるかどうか、而もこれを大幅に切ることができるかどうかということは、これは我我が筋途を立てて補給金を切ることを主張しても、実際問題として非常に困難だということは極めて明白であります。補給金もいろいろありますが、先ず第一に補給金を切ることについて考えなければなりませんことは、補給金がいわゆる産業助成費に変つて來たという点が考えられるわけであります。御承知のように銅の補給金を切ることは、これを十月か十一月から切ることに決定したということをいわれておりますが、銅の補給金を切ることが如何に経済界に大きな問題を投げたかということは皆さんも御承知の通りでありまして、銅の値段は今消費者價格が大体十万円、生産者價格が十八万円、ところが実際の闇の値段はどうかと申しますと、一トン七、八万円であります。でありますから消費者價格を割つている。銅について補給金を出すということはこれは間違いだということは、價格政策という点から見れば極めて明瞭であります。ただその銅の補給金を切ることが、現在まだ銅はストックが千七百万トンぐらいある。そうして月々五千万トンくらい出していながら消費は三千万トンくらいしかないという目先の状態を考えて見、又今申しましたように、闇が公定を下廻つているというような状況のときに、一年に二十八億円というような厖大な補給金を出すことはでたらめだということは数字だけから見れば明瞭であります。ただ將來の経済復興に必要な銅を而も外國から原料を仰がないで、國内で需給ができるということと、銅の副産物とする硫化鉄ができて、それが肥料の増産に欠くべからざるものだというようなことを考えて見ますと簡単に銅の、補給金を切るということは、切つた方がいいということはなかなか言えないわけであります。そこでいろいろ皆さんも御承知のような問題を起して、結局十月から切ることになつたというようなことが言われておりますが、この銅の補給金を見ても分りますように、補給金が價格調整費というよりはむしろ産業助成費に変つて来ているということは極めて明白であります。ところでいわゆる九原則デフレというものは、どういうところから起つたかと申しますと、これが軍に補給金を切ることからばかりではなしに、いわゆる國家資金の産業界への放出を止めたとか、何かいろいろそういつた点がありますが、九原則デフレのときに補給金を切るということは、これがなかなか困難な問題を提起しておるわけであります。それからもう一つ問題になりますのは、爲替相場との関連において補給金がなかなか問題だと申しますのは、私は今度のような爲替相場の決め方は実は反対であります。これについてはいろいろ申上げたいこともありますが、時間がないから申上げませんが、とにかく爲替相場と補給金の関連について申上げて見ますと、こういうふうに言えると思うのであります。これから申上げますことは、これは我々の知り得る範囲内じやなしに、或いは嘘かも知りませんが、最近噂によりますと、三百六十円の爲替相場というものは、日本銀行が内密に調べておりましたところの全國の千五百の会社の実際の資材の買入れから割出した実効價格、つまり全國の千五百の会社で資材を或いは公定でどのくらい買える、或いは闇でどのくらい買える、そういうことを調査して出したいわゆる実効價格というものがあると言われております。その実効價格が大体公定のニ割高というふうに言われておりますが、若しこういつた指数を基礎にして三百六十円というような相場を出したということになりますと、いろいろ調べて見ますと、その実効價格指数の作成に当つて、石炭については補給金を考慮しておりませんが、他の物資については補給金を考慮した値段で取つているということであります。そういうことになつて見ますと、そういつた補給金を考慮した指数で三百六十円の爲替相場を決定して置きながら今度補給金を急に切つて行くということになりますと。これは財界相当大きな影響を與えるわけであります。現に最近のいわゆる九原則デフレの一つの大きな理由は爲替相場決定の無理から來ているということははつきり言えるわけであります。勿論この三百六十円の根拠が日本銀行が内密に作つているところの実効價格指数、勿論日本銀行では世間に発表しております実効價格もありますが、それとは別に作つているようでありますが、若し仮にそういつたものを基礎として作るということになりますれば、補給金を急に切つて行くということが爲替相場との関連から見ても相当大きな問題だということははつきり言えると思います。勿論補給金はいわゆる産業の合理化によつて吸収して行けばよいわけでありますが、何でもかんでも産業の合理化によつて吸収する、いわゆる補給金を除いたいわゆる二十四年度予算編成その外いろいろな経済政策によつて起きる困難な問題も産業合理化によつて埋め合せなければならん。ところが昭和二十四年度において今認められているところの補給金を切ることも企業の合理化によつて埋め合せて行かなければならんということになりまして、財界の立場から言えば、補給金を切るということは極めて困難な大きな問題となるわけであります。それから補給金に関連して申上げて行きますと、補給金を切つて行けば、どうしても統制を外して行くということは必然的であります。ところが皆さん今日御承知の通りに現在の財界人は、この中に財界の方面の方もおられるかも知れませんが、実は資本家と申してみても、まあいわば資本家的訓練を受けていない人も多いわけでありますから、統制を外して行くことに非常に現在の日本の財界は困惑を感じております。これは非常に滑稽な話でありますが、これに関連して思い出されるのは昭和十五年頃と思いますが、これは私の記憶違いかも知れませんが、総動員法がこの議会に提案されたときに、統制は困るという主張に対して、当時の商工大臣藤原さんが今は統制は困るかも分らないけれども、将来物資が豊富になつて行くというような場合は、むしろ財界を保護する役目をなすことを考えなければいかんというような答弁をしております。ところが実際問題として最近のようにいわゆる需要が少くなつて物資の消化もできないというような状態と睨み合せて、補給金廃止が問題になり、統制が外されて行くということになりますと、今までのような企業家が物を作れば右から左へ國家が買つて呉れるというようなことはなくなるわけでありまして、こういつた点に非常に困難を感じております。勿論これは統制を外すのは悪いという意味ではなくて、実際問題として統制廃止に現在の財界はいろいろな点から困難な部面を感じているということを申上げたわけであります。そうしますと、私は最初申上げましたように、補給金を切るということは非常に賛成なんでありますが、ただ軍に補給金を切るというだけでは余り経済全般の立場から見て藝当がなさすぎると思うのであります。補給金を切ると同時に今申上げましたように、いわゆる九原則デフレを、ドッヂ・ラインを破壊しないで回避し得るというような方策を同時に講ずる必要がある。補給金を切るべきだから單に切り放しでよいということは実際問題としていけないのであつて、いわゆる九原則デフレを回避するというような方法も同時に実行して欲しい。その一つの手段としてこれは実はドッヂ政策にも反するので、実現は困難とも思われますが、例えば復金債のごときものを、あの償還を一年延ばして、そうして見返資金によつて、日本銀行の復金債を百何十億殖やすことになつておりますが、そういうことを止めて、やはり直接投資を殖やす。こういつたような方法は同時に取つて欲しいという考えを持つております。勿論この直接投資を殖やすことにつきましては、いわゆる第二の復金になるということを恐れて、反対論も非常に強いし、ドツジ政策との関連もありますので、実現は困難とは思いますが、とにかくそういつた方法を取つて、やはり急激な九原則デフレというものを回避する、その條件の下に補給金を切つて行こうという政策を取つて欲しいと思います。  それから経済復興と税の問題について申上げて見ますと、これは当然資産の再評價問題に触れなければならんと思います。そうして資産の再評價問題については、実は井藤先生のお話等に食い違う点があるわけでありますが、現在大体あらゆる方面で議論されておることを総合して見ますと、この前の税制審議会の中間報告の線というものが大体において余り反対のない状態であるということをはつきり申上げることができると思うのでありますが、ただこの点について申上げて見ますと、私は全部ああいつた方法で賛成なのではありません。そこで問題点について申上げて見ますと、いわゆる償却を物價騰貴だけを全部七割に止めて置くということが、第一問題になると思います。併しこれをその物償騰貴だけ全部評價換を認めるということは、財界方面に非常に強いわけでありますが、ただ物價が今後或る程度下るということは当然考えなければなりませんので、やはり物價の騰貴だけ評價換を認めるということには私は反対であります。ただ七割がいいか、どうかという点になりますと、これは問題であります。それから評價益を調整勘定に置いて行くということになつておりますが、この評價益に対する課税の問題は、井藤先生とは私は多少考えが異つておりまして、評價益というものは、当然株主に帰属すべき利益であるという私は解釈を取つておりませんそうして若しこれを法人に対する財産税というような考え方をして行きますと、一方において法人税を負けるということと相反することにもなりますし、実際問題として先程申上げましたように、いわゆる日本の財界というものは、九原則デフレで相当に参つて來ております。でありますから、架空的に利益が出ても、税金を取られるということになりますと、相当痛いわけであります。ですからこの評價金に対する課税を法人の経理の負担とするということは、これは私ははつきり誤りだというふうに考えております。ただ評價金を株主に呉れた場合は課税しないで済むかどうか。株主の立場から言いましても、評價金を株式に変えて行つても果してそれが利益になるかどうかということは、今後の経済情勢の推移と睨み合わせて愼重に考えなければならんわけでありますが、ただここで株式に振替えて、株主に呉れるというような場合は、これは実際問題としてイノフレに対する名目課税は、ちやんと所得によつて税金を課せられておるわけでありますが、或る程度課けるのは止むを得ないのじやないかと思うのであります。併しただ問題なのは、ここで評價益に対して評價益を株主に呉れる場合にも課けるということにして、若しこの間の中間報告のような案で、調整勘定を株式に換えて株主に呉れた場合、税金を取つたと仮定した場合、デノミネーションがあつたらどうなるかという問題は、やはり私は愼重に考えなければならんと思うのであります。    〔委員長退席、理事九鬼紋十郎君委員長席に着く〕  勿論デノミネーションを行えばこういつた評價益というものは、すつ飛んでしまうことは極めて明白なのであります。でありますから、ここでああいうような調整勘定を株式に換えて株主に與えた場合、税金を取つた。ところが三年なら三年の調整期間を設けて置いて初年度に税金を取つてしまつた。今度二年目三年目になつたらデノミネーションが起きて税金を納めなくてすむようになつたということになりますと、これはやはり非常なまあ自由にして置きますからいいようなものの、非常な不公平にもなるわけであります。でありますから、私はこの評價益はやはり調整勘定にして置いてその帰属を決定しないという方法がいいというふうに考えております。こういうことをすると、株式が暴騰するというようなことを大蔵省の中でも心配しておりますが、実は財界人の本当の考えはどこにあるかと言いますと、割合に軽度の税金を取つて早くこの調整勘定をなくしてしまつて欲しい、税金は少しぐらい早く拂つてもいいから、この調整勘定はなくして欲しい。それで政治情勢の変化があつて、うんと取られるか分らんから、早く税金を納めて調整勘定をなくしてしまつて貰いたいというのが、実は財界人の本当の私は肚だというふうに聞いております。併しこの評價益の帰属を早く決定することは、デノミネーションとの関連においても問題になりますし、又他の財産に生ずるところの名目的のインフレ利益との関連もありますので、これはいわゆるインフレーションの最終処理のときにそういつたインフレの名目利益の処置を考えればいいのだから、この際は調整勘定に立てて、その帰属を決定して置かないことが、私は理論的にも実際的にも正しいというふうに考えております。  もう一つ問題と思いますのは、この評價換をした後で株式が非常に殖えるということになりますと、産業資金の調達に非常な障害を來す、現在の会社の資本金の七八百億というものが、中間報告の案によつても四千億ぐらいになるということになると、勿論積立金にして置いた場合は別でありますが、株式に換えるということになりますと、株式の数が非常に殖えて、普通の増資によつて資本を超過するということが非常に困難になりますから、そういつた点を考えて見ても、評價益を調整勘定に立てて置いて、その帰属を決定しないということが正しいというふうに考えております。ただ問題なのは最近これは非常に有力な意見となつて出ているのではありますが、評價益を株式に換えた場合と積立金に残して置いた場合の課税について、普通の考をして株式に換えた場合は軽度の税金を課ける、積立金にして置いた場合には無税にするということが主張されております。これはフランスでもこの評價換を最近行なつておりますが、このフランスの評價換はシャゥプ博士指導したということが噂に傳つているらしく、それによればフランスは積立金にした場合は無税、株式に換えた場合は六%の税金を取るというようなことになつておりまして、こういつた点を考えて見て、株式に換えた場合と積立金に残して置いた場合は、この税金問題を別にして考えたらいいというふうな意見が強くなつております。実はこういつた積立金にする場合と株式に換えた場合の税金の問題を別にしますと、今中間報告案に対していろいろな点から問題が出されておりますが、その非難が全部消えるということは私は確かにあると思います。例えば、この評價益に対する課税を法人に対する課税と見ないで、株主に対して帰属する利益に対する課税というような私の考えをとつて見ますと、会社が、評價益を積立金なり、株式に振替えた場合には、税金は株式を処分して納めればいいわけであります。例えば、中小の会社では増資の株式を賣却しようとしてもこれは賣却できませんから、一方において物納を認めないということになりますと、どうしても会社自体が税金を納めて行かなければならんということになつて、会社の経理に非常な圧迫を加えることになるわけであります。ところが積立金に対しては課税しないということになれば、税金を納めるのが嫌なら積立金に残して置けばいいということになりますので、こういつた中小法人に対する評價換の困難な問題も取除くことになりますので、一應この積立金に対しては課税をしない。或いは課税しないで株式に換えた場合に軽度の税金を課けるというようなことにすれば、大体あらゆる場合の非難を予想してもそれに対する回答はできるというふうに考えるのでありますが、とにかくこのインフレの名目利益に対する問題は單にこの企業資産の再評價に対して生ずる利益だけの問題ではないので、これはデノミネーションも非常に関連するので、私としては調整勘定に立つてその規則は決定しないことがどうしても正しいと考えております。実は最近インフレーションが非常におさまつて來たのでありますが、これがもう少し國際貸借が改善されてそしてインフレがおさまつて來たのであれば、困難な企業資産の再評價などというつまらんことをやらないで、一方にデノミネーションをやつて換えることが良いと思います。それは國際収支が非常にアメリカの巨額な援助によつて辛うじて均衡を保つておる状態でありますので、このデノミネーションをこれを実行しようというような主張は私としてもありますので、繰返して申上げなすように、評價益を調整勘定に立てておいて、その帰属を決定しないということは正しいと思うのであります。それからもう一つ先程井藤先生の言われた企業再建整備との関係でありますが、いろいろそれは戰時補償打切りというようなでたらめな政策によつてこういつた不公平が出て來るのであつて、まあああいう問題によつて実は抗議が起きても我々は損をした者は道を歩いておつて車にぶつつけられて怪我をしたようなものでありまして、今これをむし返して、例えばここでそういうことを理由として税金を取つても又この一年後或いは二年後にデノミネーションが出て來ると、又不公平という問題が起きるので、まああの問題はそれはその方に埋める方法はあるわけでありますが、強いてこの際私はあの問題は取上げる必要はないのではないかというふうに考えるのであります。とにかくこの際税金を取るということは私としては反対なのであります。企業再建整備との関係についてむし返すこともよくその理由は納得できるのでございますが、実際問題としてそれは又むし返さないでもいいんじやないかというふうに考えるのであります。大体経済復興と税との関係の一番大きな点は以上の二つであると思います。まあこの経済復興のために大いに税金を安くして貰わなければならんのでありますが、こういうことになりますと、租税全般について言わなければならんので、私の意見はこの程度に止めておきたいと思います。
  19. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) それではこの際御趣旨に対して御質問があればお願いします。
  20. 森下政一

    ○森下政一君  さつき所得税の補完税として経常財ということが考えられるとおつしやいましたが、それはどういう形になつて参りますか。例えばピアノとか何とかいうものは毎年評價して毎年税金を課けるわけですか。
  21. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) 経常財産税でもいろいろ実は形態がありまして、大掴みな分け方をいたしますと、一般的な経常財産税と個別的な経常財産税で、経常財産税は一昨々年日本で課けたのは一回限りの臨時財産税で、経常財産税は毎年々々課ける。それですから税率はこの前のように最高九〇%くらいに課けることはできないので、千分の一とか、千分の二とか小さなことになります。それで先刻私の申しましたのは、総合的経常財産税で、今のお話のピアノに課けるとか何とかいうようなことは、これは若しピアノのようなものに課けると切りがないので、こういうようなものに若し課けるとすれば、個別的財産税、日本で個別的財産税はないかというと、実はあつて、地租や家屋税にある。これらは自分の家に住んでおつても税金がかかるので、地租や家屋税、これは個別的財産税と言つていいじやないかと思います。私が今日補完税と申上げましたのは、この原則……。事実はそういうことはむつかしいと思いますが、原則として或る時点を取る、例えば昭和二十四年四月一日現在、井藤なら井藤という男が持つておるあらゆる財産を総合して、それに対して千分の一とか何と課かける。その場合にあらゆる財産を総合すると一口に言つても事実動産は非常に困難なことであります。それですから、この前の財産税のときには、動産は妙な推定によつてやつた。経常財産税を課ける場合には現金はどうするか、預金はどうするか、つまり流動資産の評價や、捕捉ということは非常に問題があります。それから今申上げましたのは、そういうような、原則としてあらゆるこの財産を纏めて、そうしてそれに対して累進税を課ける。そういうピアノ等のばらばらに課けるものは財産税として課ける場合と、それから現在日本ではピアノ等でも課かつておる所があるが、大概直接消費税に課けておる。例えば犬の税金、ラジオの税金と同じようなことであります。今財産税がどうか分りませんが、ラジオは或る意味において財産税に見るので、財産税ではないかと思います。考え方としては直接消費税と考えております。ピアノ……
  22. 森下政一

    ○森下政一君 それは何ですか、財産所有者の申告によるか、或いは誰かこの人の財産は幾らあるかというような評價するような人ができて、その人がこれを査定して決めることになりますが、現在そういうことを行なつておるのはどういうようになつておりますか。
  23. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) それは結局財産の評價のことでありますが、日本でも昭和二十一年でありましたか、財産税を課けたあのときと同じような方法によるのです。その場合には毎年々々評價するというのも一つの方法です。課税標準の一部だけを変えるというのも一つの方法、一つの課税標準は一両年間動かさないというのも一つの方法です。だからそれは評價人という第三者があるのではなくて、一應税法に評債の方法を決めてそれでやる。大体財産税のあれでやることは毎年課けるというものでございますから、もう少し簡便にしてそういうことを……
  24. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 おニ人の中で誰でもいいんですが、税制審議会で資産再評價によるところの差益ですが、これに対して大体二割の課税をしたいという空氣であつたというような発表がちよいちよい出たのですが、そういう空氣が多いですか。
  25. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) 初めにですね、中間報告を第一回に出しました時には、二割又は三割とそういうことになつております。評價の最高限は五割でございましたか。それが中間報告の第一回に出ております。それから第二回の案はちよつと変つて、五割までというのを七割まで認めよう、その代りというわけじやありませんが、まあ税率は二割に下げよう。これは空気じやなくて一應審議会として決つたのです。
  26. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それは全会一致で決つたりですか、それとも採決かなんかで決つたのですか。
  27. 圓城寺次郎

    ○説明員(圓城寺次郎君) 反対の人も仕方がないということで、大体の空氣です。
  28. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それから先程井藤先生のお話の中で所得税の合算制度の緩和ということがありましたが、これは私は非常にいいお話だと思つて聞いておつたのですが、この農村の経営において、現在合算制度によるために農村というのが非常に税負租が重いということは皆さん御承知の通りですが、そこで合算制度め緩和はどの程度にな実るか、或いはそういつたような形態によつてもいろいろ考慮されておるのですか、その点で……
  29. 井藤半彌

    ○説明員(井藤半彌君) 私も個人的の意見はございますが、税制審議会ではそういう形態までできておりません。現在は行つておりませんですが、ただこの点は僕は現在の制度でもちよつと農民に氣の毒でないか。今から二年程前ですが、財政委員会の公聽会にお呼び願つたときに、農業にどういうように税金課けようかといつて、大分賛否の議論を受けたんですが、その当時と今とは農村の事情は違います。私は昭和二十二年十一月二十四日、参議院の公聽会で申したときは、國民所得の内部における農業所得の増加率が非常に多かつた。だから、そこに非常に納税力があるから、重い税を課けろということを言つた。ところが、その後に大分情勢が変つて來ました。それでも私は農民は都会の勤労者より樂だと思つております。そこで、現在の制度は私次の点は少し農民諸君にお氣の毒でないかと思う。基礎控除の一万五千円。これは勤労者であれば全部から引きます。一人一万五千円ずつ。商工業者の場合一人分だけ引く。農民の場合はそれを引かない。その点は、農民の場合でもいろいろありますけれども、勤労者に準ずるような方もあるのですから、その点は現在の制度でもちよつと氣の毒でないか。商工業者との関係において……。事実商工業者は把握力からいつて脱税が多い。累進所得税と地方の事業税を合計すると何十パーセント、こんなに税金を拂えないと言いながらも、商費を皆やつておる。やつておるというこは、よろしくやつておるからで、私は商工業者はいかんというわけでないけれども、脱税は容易でないかと思う。農村はそれに比べて、外部に土地という形で現われておりますので、脱税困難という事情も私は税制を作る上において考慮すべきでないか。理窟としてはそんなことはできないので、百パーセメト掴むということで行かなければならんけれども、その点もやはり考慮して、商工業者より農民を割よくしなければいかんのでないか。そういう点からすると、勤労者はもつと余計にしなければならんのではないかと思うのであります。けれども、私は現在の制度からいつて少しどうかというのであります。
  30. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) 外に御質問はございませんか――それでは午前中の会議はこの点で打切りまして、午後に廻しまして、休憩に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) それでは午後一時まで休憩いたします。    午後零時十六分休憩    ―――――・―――――    午後一時五十分開会
  32. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) それでは只今から委員会を開くことにいたします。  最初に全財労委員の徳島半三郎さんのお説を承りたいと思います。
  33. 徳島半三郎

    ○説明員(徳島半三郎君) それでは全財のこの前の大会で立てた対策に基きまして、組合として現在の税制改革の問題をどういうふうに考えて行くかということを中心にしてお話申上げたいと思います。  先ず第一に組合として、現在の税制の非常に不合理な点について、仕事の面から非常な苦しみを受けておる。そうして納税者の方からは最も毛嫌いされる人間として、人間的にも非常に悩みを受けておるということを、國会議員の皆さんに御理解願いたいと思うのであります。  この前に、先月の十六日に、全財の組合並びに関東財務職員労働組合の両者がシヤウプ使節團と会見いたしまして、大体組合の考えておる点について概略申上げたのであります。その会見記録につきましては、その要旨を今お手許に差上げましたので、それを御覧願いたいと思います。  先ず第一に我々は國会議員の人には非常に失礼なことを申上げておるのでありますが、現在の税法というものが非常にむずかしくて、殆んど専門家、それも実際税務署でも本当に税法を理解しているのは、やはり一年なり二年なり実際に仕事の中に苦労した者でなければ本当の税法の精神というものは理解できない。こういうふうに非常にむずかしい税法である。これは一面において大藏官僚の頭のいい点か、或いは逆に悪い点か、我々判断に苦しむのでありますが、ともかく非常にむずかしい税法である。そうして誰が考えても、常識で以て考えたら、当然この税法自体に大きな矛盾があるということが了解されるのでありますが、それが今日まで放任されておるというところに、こういう非常に矛盾した税法を現実に執行しなければならない税務官吏の苦しい立場があるのであります。これは軍に全財が從來から大衆課税反対運動、或いは財政民主化運動というものを唱えて街頭にまで進出し、非常に誤解を受けたのでありまするけれども、我々としてはこういう不可解な税法を現実に執行して、そうして一番攻撃の矢表に立つておるのが我々の組合員であるという立場から、どうしてもこういう運動を起さざるを得なかつたのであります。この点については、最近では老練の税務の経験の深い署長、これは勿論表面にはつきりと言うだけの勇氣のある人は少いのでありますし、又税務関係に非常に経験の少い大学出の署長あたりでも今まではそんなに愼劍に考えていなかつたが、最近では外部の非常に大きな税に対する国事によりまして、当然この税務執行の一番中心問題に若い大学出の署長でも真劔になつて考えざるを得ないような状況になつております。  最近大学出の署長が、これは大阪の國税局が発行しておる「大阪國税時報」という官聽側の新聞でありますが、これに堺の税務署長がこういうふうな表現で書いております。これは税法についての批評なんですが、この署長はこういう批評を下しております。超理論的、現在の税法が理論を超えた超理論的なものであるということを言つておる。そうして、或る種の政治性を加味して制定されておるのではなかろうかと、これがこの人の感想なんです。それにも拘わらず税務職員は非営利性、非政治性でなければならない。ここに幾多の弊害が生ずる。これは税務官吏の不正、腐敗の問題と非常に関連する問題でありまするが、理論で割切れないような税法を、実際は現務職員が多分に手心を加えて行政をやつておる。而も税務官吏は金儲けではない、そうして又余り政治家になつてもいけない、そういう非常に矛盾した面を持つおるために、いろいろな世上に論議されるような不正も、或る程度そういう外部の條件によりまして出ざるを得ないような環境に置かれておる。これが税務行政の非常に最近特に顕著になつた問題であります。我々としてはこの根本原因がどこにあるかという点を前々から探究しておるのでありますけれども、これについては日本の税務機構というものが昔からこういう合理性というもの非常に欠いておつた。これが根本原因でないかと思います。それはただ單に基礎控除が現実と離れている何とかということでなしに、実際は税務署の所得の調査ともうものが昔から非常に科学的に合理性を欠いた決定しがされておらなかつた。昔のような所得税の免税点がかなり高かつた時分でも常識外れの決定がかなりあつたということが指摘されるのであります。このいい例は昭和十二年頃までの所得税の納税人員とそれから所得税の課からないで営業税のかかる、つまり四百円以上千二百円までの所得者の数というものを比較して見たときに、千二百円以下の営業者が非常に厖大な数に上つている反面において、千二百円以上の営業所得者が非常に少なかつたということを調べて見てもはつきりするように、昔から所得の完全な捕捉という面には余り注意が向けられていなかつたということが指摘できるのであります。それは一面において税務機構が非常に弱体であつたということであります。この問題は或る程度徴税費の問題にも関連して來るのであります。この点は日本の学者じやなしに、アメリカのモールトンという経済学者が、日本の財政経済について書いた本のうちにもはつきりと、日本の徴税費の非常に少な過ぎるということを指摘しておりまして、そういう面からも現在一番表面化して來たこの税務行政の欠点が昔からそういう原因を持つておつたということを指摘したいのであります。  税務問題について考える場合に特に御注意願いたいと思うことは、現在あらゆる税務関係の資料というものがこういう非常に不可解な税務行政をやつているために、信用のできるような資料が殆んどないということであります。たとえて申しますと、所得税の大体税收入見積書を作る場合に、所得階層別の納税者数、或いは所得金額というものを主税局の方では算出しておりますが、その基礎になるものは何かというと、こういう不完全な捕捉を基礎にしたものを中心にして見込みを立てているのであります。ところが実際その見込みを立てる人に聞いて見たところではこれは非常に実際に合つていない数字である。なぜかというと、実際よりもうんとこの少額所得者の方に重点がかけられている、という意味は大きな所得は勿論小さな所得においても税務能力の弱体化のために捕捉できないか、或いは仮に捕捉できたとしても実際は徴税できないために十分に課税していないか、そのどちらかの理由によつてこれは真実の所得ではない。つまり実際十捕捉できるものであつても担税能力という点を考えて六ぐらいしか決定していないものが殆んど大部分でおる。そうするとそういうものを集計した統計表というものは実際十が正しいものとすれば六ぐらいの眞実性しか持つていない。そういうものを基礎としていろいろな議論が今行われている。このもう一つの例は法人税の見込みでもこれは非常に杜撰なものであります。大藏省の方では、二十四年の法人税收が大体この前決つた予算面の大方倍ぐらいは取れるという予想を立てております。なぜ法人税というものがこういうふうに少い見込しか立てていないか。いろいろ原因があるだろうと思いますが、その基礎になる國民所得の中の法人所得というものは非常に低いものである。二十四年度はかなり増加したようでありますけれども、全体として非常に低い見積りしかない。この法人所得税の基礎になるものは何かと言えば、これは税務関係で作つております会社表、それから税務関係以外の企業実態調査というものが元になつて、この國民所得の中の法人所得というものが計算されているわけでありますけれども、その会社表をどうして作るかというと、大体税務署の法人係の方で調査して更正決定した場合はその更正決定によるし、それの間に合わないものは会社の申告によつてやつておる。会社の申告によつてでないものは税務職員の見込みでやつておる。その見込みも何も元なしに殆んど勘で作つておる。そういう実際税務署が実地調査せずに作つておるものが大体会社表の半分以上あるだろう、こういうふうに私経験から考えるのであります。だから現在の会社の実際申告所得というものが非常に低いということは、最近査察部その他において摘発されておる大口の脱税というものが殆んど全部と言つていい程大企業、大会社、こういうものに集中されておる。三菱化成の方では大体十五、六億の脱税が摘発されそうだと申しますし、東洋紡績においても大体十五億程度の脱税が今調査されて表面に出ようとしております。その他何億という脱税が非常に沢山出て來ております。これは実際そういう査察部の担当の人に聞いて見ても、これはもう殆々ど全部と言つていい程どの会社もこういう脱税をやつておるだろう、ただその手懸りが掴めないだけである、こういうふうに言つております。その原因としては、この前の三菱化成の脱税について会社側の経理部長談として朝日新聞に出たその言葉のうちにも、即ちこういう脱税を自衛上の手段だというふうに言つておるように、結局こういう大きな会社で脱税するというとになれば、同業の会社は全部同じような脱税をやらなければ競争できない。だから一つの所がやれば殆んどどの会社もやるということは容易に想像されるわけであります。現在資産の再評價ということが、やかましく叫ばれておりますけれども、この問題についても実際よく考えて見れば、そう今資本家の方でやかましく叫ぶ程実態資本の減耗というものは放任されていない。実質においてはかなりあらゆる面で実態資本を維持するための工作が行われておる。これは経済安定本部が出した「経済現況の分析と解説」という本にもはつきり書いておりまして、ここにはこういうことが書いてあります。勿論企業においてもかかる実態資本の減耗を放置しているわけでなく、帳簿上の各種の操作などによつて或る程度の資本維持対策を取つているものと想像されるのであるが、それらはいずれも正当ならざる方策によらなければならないところに問題が存するというわけで、実質的には帳簿上のいろいろな手を使つて非合法的な、税の面から言えば脱税という形によつて家態資本を維持しておるというのが現状でありまして、こういうものを本当に表面に出して來るならば、現在税法上認められておるところの企業所得というものは、非常に莫大な数になつて統計上に現われて來るに違いないと考えるのであります。従つてこういうものを基礎にして、現在の税収というものが含まれておりますために、実際まともなものを出せば、如何にこの税法の面で今非常に不合理になつておるものがもつと合理化されるか、言葉を換えて申上げますと、皆が正直になれば今のような常識外れな税法を作らなくても、もつと明るい税務行政ができるのではないかということが想像されるのであります。これは直接税の問題でありましたが、間接税においてもやはり同じようなことが言えるのであります。現在間接税は、いろいろ問題になつておる入場税の十五割の課税が非常に大きな問題になつておりますが、そういうような矛盾した税率があらゆるものに物品税その他の形で課かつておる、酒の税金はもうすでに限界を超えてしまつて、非常に税収としては、税率を上げても税政入は上がらない、こうした矛盾した面を表面に出しておるわけであります。現在酒の税については一番よく賣れるのが一番安い焼酎である。併しその焼酎よりも現在ではやはり密造酒の方が大体一升百円ぐらい安くて競争すればやはりその方が勝つのではないかという予想すら立てられております。又、こういう物品税にしても或いはその他の税金にしても、現在の調査能力に非常にでこぼこがありまして、そうして調査の厳しいところには非常に商品が移動しておる。つまり普通に物品税を拂つていたのではなかなか競争に負けてしまう、從つて調査の緩やかなところえ調査のきついところから商品が移動しておる、こういうことがはつきりと表面に出ておるようであります。又取引高税の問題にいたしましても、これは流通税として、成る程度消費者が負担することを予想された税金でありますけれども、実際に中小企業の取扱つておる商品、そうして小賣業者の取扱つておる品物については、実質的に業者負担の形になつております。その実情を大体聞いて見ますと、取引高税の税率が仮に一割を超えた場合には或る程度消費者負担の形になるかも知れませんけれども、今のような一%とか、或いは今度改正されるかも知れないと新聞に発表されましたようなニ%程度であるならば、どうしても現在の低下し購買力の下においては業者負担の形にならざるを得ない。こういうようなことを言つております。從つてこういう取引高税、或いは物品税にしても同じでありますが、現在の徴收方法は殆んど直接税と変りはないような徴収方法を取つておる。物品税についても反則を上げるというよりは、或る程度所得税について更正決定したと同じような式でやられておる、つまり業者の團体にお前の方はこれくらい物品税を納めて貰えないかということを交渉して、実際予算額を徴収するような計画を立てておる、こういうわけで、現在直接税ではもう税率の面で限度が来ておるから、間接税に重点を移すということが叫ばれておりますけれども、現在のこの税務の能力において、又税務のやり方においてこのままで行くならば、間接税としてももうすでに現在限度に来ておるということが考えられるのであります。一番問題になりますこの税務行政のやり方でありますが、この点についても非常に労力を無駄にするようなやり方が取られておる。これは予算目標額達成のためというふうな名の下に強行されておるのでありますが、非常に納税者を無視した一方的な官僚独特の無責任なやり方で、徴税を実施されておる、そのために無用の摩擦を起こしておるということが指摘されるのであります。で、この点についてはお手許にお配りした全財新聞の大会特輯号の第四頁にもそういう論議が出まして、現在の税金の取り方は非常に無責任であり、税務の威信を傷つけたやり方であるから、その責任者である主税局長を考査委員会にかけろというような議論が大会に出たのであります。これは御承知のように何回も更正決定をやつておる。そうしてその更正決定というものが実際税務署でも自信のあるような更正決定ではない。で、これについてもつと効果的なやり方を考えろというのが趣旨でありますが、この最も悪い例は取引高税に現れておると思います。どの地方を歩いて見ましても、どの税務署員でも大概どこの税務署でも取引高税について寄附金のつもりで税金を収めて呉れというふうなことを言つておるところがあるようであります。で、何故こういうことしか言えないかというと、結局厖大な数の更正決定をやらなければならない。而も調査する人もおらないし、日数もない。こういうところへ無理やりに何回もの更正決定をやつたのであります。で、実際これでもやり方を改善すればもつと合理的にできる。その一つの実例を申しますと大阪の南税務署、これは道頓堀或いは心斎橋そういうところを控えた大阪でも一番繁華街でありますが、ここでは大体今の國税局の方針と違つたやり方をやつた。そこの間税課長は全財の大阪地連の執行委員をやつておりまして、かなり信念のある人であつたために自分の考えた方針をやられた。それによつて殆んど摩擦もなしにもう月標額の二割四分も増加して実際成績を挙げることができた。併しその方法をやるためにその人は二回も辞表を書いてそうして局と交渉をした。ところが局の方ではどういうことを言つておるかというと、余り苦労せずに辞表さえ出せばいいようなつもりでおつて貰つては困る。こういうようなことを局の方では言つたそうであります。つまりそういうようなもう自分の腹を切るつもりでなければなかなかやれないような今の官廳組織になつておる。こういう点を十分理解して頂きたいと考えるのであります。で、どういう方法をやつたかというと、取引高税は第一回の更正決定を大体二月の二十五日頃までにやつたのであります。ところがそれに引続いて第二回の更正決定を三月中にやることになつておりました。で南税務署では第二回の更正決定をいわゆる全國でやつたような一般的な方法で全然やらなかつた。こういうのであります。どういうやり方をやつたかというと、大体取引高税の納税者が一万ありました。で、その一万の営業者に対して係員が四人しかおらないのであります。一人当りにすると大体二千五百の分担を持つて、それを僅か一月に足りない間にやつてしまえというわけであります。実際これでは調査して納得の行くような課税をすることは実際上、困難でありまして、このために非常に大きな無理があるのですが、この結果四千五百件、一万の中で四割五分に相当する更正決定が出されたのであります。これは更正決定するまでに非常に申告に努力したのでありますけれども、そういう結果になつた。でこの四千五百件出た更正決定の、更に今度は大体六〇%、二千五百件というものが審査請求となつて税務署に出て來たのであります。一万の納税者の中で四千五百件更正決定して、そうして更にその六割の二千五百というものが審査請求として出て來た。この審査請求をやりつつ第二回の更正決定をやるか、それともこの二千五百件の審査を片ずけてからやるか、ところがこのときの局の方針では、審査請求を片ずけつつやるような余裕がなかつたのであります。何故ならば三月中にもうすでに第二回目の更正決定をやらなければならん、こういう事務上の順番になつていたのであります。で南税務署ではどういうやり方をやつたかというと、全然二回目の更正決定ということを考えずに、全力を集中してこの審査請求を片ずけるような手配をしたのであります。そのためにはあらゆる仕事を放擲した。酒の係の者も、物品税の係の者も、或いは統計事務に使われる者も全部その仕事をやめてこの審査請求を片ずけるために従事したのであります。その結果審査請求を片ずけつつ第二回目の追加決定をやるようにした。その結果は先程申上げましたように、実際目標額の二割四分を摩擦なしに徴収できたという結果であります。これは実際外の税務署ではどういうやり方をやつたかというと、審査請求には殆んど手を付けずに第二回目の更正決定をやつて、又更にそれの審査請求が非常に沢山出て來たということで、非常に仕事の手達いから、二重にも三重にも苦しめられているのであります。ですからやはりこういうやり方については、もつと税務官吏が納税者に対して責任を取れるような方法でやることを、官廳組織としてもできるようなものを作らなければならないということに結論付けられると考えるのであります。でそういうふうに一方においては非常に少い人数で、そうして厖大なる事務分量を抱えておつて、そうして仕事のやり方においては非常に無駄な、何回も同じことを繰返してやつておるというふうなことを今でもやつておるわけであります。二十三年度の税金問題が非常に世間の非難を招きまして、この課税目標額については、特に衆議院の予算委員会の方では特別の小委員会までできたようでありますが、現在政府はどういうことを考えておるかというと、今申告指導ということをやかましく言つております。どういうやり方をやつておるかというと、おうすでに御承知と思いますが、二十三年度の確定更正決定の大体十五割から二十割程度で申告をしなさいということを通知しておる。つまり去年の五割或いは倍程度の申告をしなければ更正決定をしますという通知を出しております。そうしてそれによつて申告が出て來ればよし、出て來なければ更正決定をやるかも知れないということを申しております。それで第一回の予定申告に対して更正決定をやるかどうかはまだ確定的には決まつておりません。けれどもそういう何を基準にして昨年度の五割増し或いは二倍にするというようなことを決めたかと申しますと、非常に少い数の実額調査というものによつてこの五割増、或いは十割増ということを決めたのでありますが、その基礎になつたものは何かと申しますとこれは大体一月から四月までの今年の営業成績であります。ところが今年の大体一月以後最近までの状況を見て見ますと、一月から四月まではまだ比較的営業成績はよかつたのでありますが、五月以後は非常に成績が悪くなつて來た、これはもう大体経済界の状況によつて、当然そういう判断ができるわけでありますが、そういうことを今のこの更正決定においては無視してやろうとしておる。これは又そういう無視したもので申告指導をやろうとしておる。ここに世間の考える考え方と、税務署が考える考え方に非常に開きがある原因であります。こういう点について責任者に突つ込んで行きますと、併しそういう五割増しとか或いは十割増しの更正決定……更正決定というよりも、そういう申告指導がいいか悪いかということは、実際にそれだけの所得があるかないかで判断すべきである、こういうふうに言つております。併しそれは非常に無責任な考え方でありまして、昨年の基礎が不確かであるから、一般的に五割増、或いは十割増が決定されるということは、理窟の上からもあり得ないことでありまして、そういう昨年の所得の決定が非常に低い、若し仮りに仮定するならば、それは税法上の不合理さを税務行政がカバーして手心を加えてやつておるということを考えるならば、どうしてもこの際世間の人の納得の行くようなものを拵えて、そうして申告を指導しなければ決して正しい申告は生れて來ないと思います。そういうふうな非常に成績のいい面だけを見て、今申告指導をやつておる、これは非常に危険なやり方だと思います。こういうやり方を続けて行くならば、決して納税者は税務に協力するようなことはないと思います。どうしても世間の人の納得の行くようなやり方をやらなければいけない、こういうふうに組合としては考えておるのであります。又私シャウプ博士にも申上げたのでありますが、そういう申告指導の基礎になつておる実額調査は、実際各税務署を歩いて聞いて見ると、やはり非常に偏つたやり方がありまして、成績のいいものは報告するけれども、余り成績のよくないものは局の方へ報告しない、こういう傾向がどの税務署へ行つて聞いて見ても多分に窺われるのでありまして、そういう一方的な基準を基にして全般を推すということは非常に危険であります。こういうともかくも税収を挙げればいいという主義じやなしに、もつと税務行政を合理的なもりにしなければ、本当に納税思想をよくすることも、亦帳簿組織の確立というような問題にしても、到底所期の成績を挙げることはできない、こういうふうに考えられるのであります。  それから最後に法人税の軽減の問題として特にやかましく言われておる資産再評價の問題について簡單に意見を申上げたいのでありますが、これについては現金の面だけでこの問題を片ずけるということは非常に危険である。と申しますのは、当然この問題は物價の引上げ、或いはその物價の引上げができない場合においては労働者の低賃金ということが予想されるのでありまして、労働組合としてはこれに反対せざるを得ない、又実際政府の考えとしては、強制的なものでなしに、任意にこの資産再評價をやらすというのでありますけれども、そうするならばこれによつて恩恵を受けるのは、非常に厖大な独占利潤を挙げておる独占企業だけがこの恩典を受ける。例えば紡績業にいたしましても、五大紡といわれる独占資本だけが現在非常に厖大な利潤を挙げておる。それは原價計算上の非常に大きな独占利潤というものが許されている、從つてある程度こういうところでは資産再評價をやりても実際上経済的にまあ困らずにやつて行ける、ところが小さな紡績業者或いはその他の企業、中小企業等におきましては、実際上こういうものをやつたところで價格の面でたちまち行詰つてしまう、そういうところは現在の價格政策の犠牲になつて非常に今後ますます苦しめられるに違いないから、税金の問題よりも、そういう價格の面をもつと考える必要がある。又この資産再評價の問題について中小企業と大法人では現在までの負担の状況が非常に変つておる、現在盛んに新設会社と古い会社の不均衡ということが言われておりますけれども、実質的には中小企業の方が非常に今まで負担が掛つておつた、一例を申しますと、個人企業から新しく会社を作つたときには、御承知のように譲渡所得税というものが非常に沢山課かつておつた。それから又そういう会社でなしに、昔からあつた中小企業はどうかというと、二十万円以下の資本金の会社においては、株式に対して大体生産價格を基準にして株の評價が行われて、実質的には財産税が課かつておつたと同様であります。ところが相場のある株式におきましては、これが非常に低い價格で評價されておる、その当時の株式評價と最近の株の評價と考えれば分るように、まあ戰後一番低い價格が、あの財産税評價に当つたときの評價であります。そういう意味からいうと、中小企業或いは新設会社と今の大法人或いは古い法人との間には実質的に大きな不均衡があつた、そういう不均衡を無視して、今一律にこういう資産再評價をやつた場合に、そうして又價格政策の上から言つても、一番その恩典を受けるのは大資本大企業だけであるということを考えるときに、やはりこういうものはもつと慎重に考える必要がある、こういうふうに考えるわけであります。  大体特に申上げたいことは以上の通りでありまして、尚最後に当りましては御質問に應じてお答え申上げたいと思います。
  34. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) それでは続いて一つ室さんの御意見も承つてそれから質問したいと思います。そういうふうに進めて行きたいと思います。
  35. 室佐太郎

    ○説明員(室佐太郎君) 日財労の室です。今全財の徳島さんの方から、大体税務行政の欠陷と言いますか、そういう点につきまして細かい御説明がありましたので、私の方としても当然我々の考える点は徳島さんが十分言われておりますので、我々組合として現在の税法をどういうふうにして行こうかという点で一應お話したいと思います。  我々としましては、現在税法の基準という点は今徳島さんの方から重々お説があつた通りでありまして、とにかく法律通り実行できない税法を法律通り実行できる税法にしたい。もう一つほ國民の租税負担を公平にやつて行きたいという二点が我々として大きく考えられる点であります。大体現在の負担状況を考えますときに、個人営業者で……負担表を御覧になるとよく分るのですが、百万円の所得のあつた場合大体七七%の租税負担になつております。國税と地方税とを込めまして大体七七%、これが当然地方税の場合は事業税のみです。その他の独立税とか地祖家屋税、そういうものは全然含んでおりません。この状態を見ますときに、我々はどうして百万円の所得のある者を百万円に決めるかという点になるのですが、その点徳島さんが十分言われたので省略しまして、所得税としては私も組合としてはどういうふうに改正したいかということを逐條的に申上げたいと思います。  一に所得税の改正要則として現在の基礎控除を引上げる、それから所得税においては大体その三つを大きく分けまして改正したならば、大体現在関係の法律で行けるという見方に立つた次第であけます。基礎控除は現行の一万五千円を大体四方円程度に引上げる。この四万円程度という数字は大体六千三百七円の地域給を加味たしものです。それから夫は家族労賃分を基礎控除してみる。これは農家とか、事業に家族の者の從事する場合、例えば主人と伜が一緒に営業をやつておる場合に、伜さんの分も俸給並に四万円というものを基礎控除するという見方であります。それから勤労控除の総額は現行の二五一%を妥当としておりまして、最高を三万七千五百円から五万円程度に引上げる。それから第二点の扶養親族の控除の点であります。これは一人につき大体三千八百円を所得税額から控除する。三番目の税表は現在の二万円以下り二〇%を最低一〇%として累進的に組んで行く、これは附録の第二にございます。それで見ますと、大体百万円の所得の方が大体負担割合が四一%、これは國税のみです。ですから地税方の入つた場合には大体六一%という数字が出るわけです。それから四番目は給與所得者の年末調整による不足額を一時徴収をしないで二回程度の分納を認めるという点です。三番目が金融機関の調査権を拡大する。これは大口所得者の把握です。現在調査権は或る程度あるのですが、あの程度の調査権では第一線の税務担当者としては、当然十分な大口所得者の把握ができないという見方から、一應この点を載つけたわけです。六番目に各税務署ごとの紛争処理機関を設置する。これは大体現在の審査事務所の状態を各税務署ごとに一つの機関を設けて、そこでやる。いわゆる事業形以外のものは全部ここで解決をするという一應の含みを持つておるわけです。第二の法人税の改正はこれは今徳島さんから言われました資産の再評價の問額なんですが、一應これを読み上げます。(イ)範囲は固定資産に限る。(口)評價基準は固定資産に関係のある指数平均による、(ハ)実施期日、基準日は昭和二十四年六月三十日、(ニ)再評價の差益については課税をする。これは大体二五%を見込んでおるのですが、これは大体先程徳島さんからお話がありましたように、中小商工業者が今まで苦労しておる点で多少カバーをしたいというので、二五%程度をとつたわけです。それから(ホ)再評價後の減債償却については物價改訂の問題と勘案してこれを実施する。二、プレミアム課税を廃止する。これは或る程度の資本の蓄積という見方から申上げたわけです。三、その他の件は現行通りとする。それから四番目に大口脱税者を徹底的に捕捉する、(イ)査察部制度を拡大強化する。(口)金融機関の調査権限の強化。五番目も事業年度を原則として二回とする、但し特例を設ける。現在の申告納税制度におきましては大体六ヶ月ごとに一應決算をやることになつております。この面で考えますと、法律的にも大体事業決算期を二回にしたい。要すれば決算期の期間を法律で以て一月から六月まで、或いは六月から十二月までとはつきり規定して頂きたいという点であります。  それから次は相続税の改正要綱、基礎控除を現行の大体倍にする。現在五万円であります。これが実情を考えますときに、普通七、八反の農家でもそれに附随する家屋、地所、宅地などを持つておる場合は普通二十万円ぐらいの評價價額が出るのです。そこにおいて五万円控除して税率を適用するという点は無理だという見方に立つたわけです。  次に間接國税の改正案、通行税、これは大体急行料金、寝台料金、準急行料金それ以外を除く一般の乗客者の通行税は全部廃止する。酒税、織物消費税の税率を下げる。物品税の場合は税率を引下げると共に、将来は取引高税の方向に移行すべきだ。それで物品税の課税品目の配列の状態なんですが、あの状態も研究してはつきり一種、二種、三種の形態を分けなければならないと考えております。  それから取引高税です。これは現在取引高税の廃止ということが重点的に言われておるのですが、日財といたしましては、負担の公平という面から考えまして、一應今まで述べました通りの改正案が通りましたならば、取引高税はむしろ現行の税率を五としておいて行つた方が負担の公平という面から見て有効ではないかという見方に立つておるわけです。  それから次は大体臨時的措置といたしまして、第二次財産税の設置、これはこの前の第一次財産税をやりました当時から見まして、比率の状態が相当の変化を見ておる。現実において大口の闇所得者を押えていないという点を勘案しまして、大体財産増加税の形態において第二次財産税を実施したいという意向を持つております。これについて恐らく評價基準等において随分問題があると思うのです。この点は別個研究したいと思つております。現在の申告納税制度の点であります。我々担当者といたしましては、申告納税制度としては原則として賛成するのですが、大体前年の実績課税で年一回更正決定をやりたい。現在のように年に二回も三回もやることでなく、これは大体前年の実績において所得額を申告して頂いて、最後の点において一月なり三月なりに一回の更正決定をやりたい。そうすることによつて事務の繁忙も防げます。調査能力という点も或る程度現在の人的資源の不足のときにおいてもカバーできるのではないかという見方を持つております。それからもう一つ考えなければいけない点は、現在の加算税と追徴税、延滞利息であります。現在の加算税は十銭、延滞利息は二十銭、追徴税は百分の二十という形態で実行されております。この問題は多少なり下げて頂きたい。この面を若しこのままで置くといたしましたならば、政府の過ちによるところのものは納税者に還付する制度を適用して頂きたい。それによつて納税者の意識水準というものも相当出て來ると思います。大体税方面としては以上の通りであります。結局税法がどう改正されようとも、それを扱う人間によつて決まると思います。  結論としましては、現在の税務官吏の教育を頻繁にやつて貰うこと。徴税費を引上げて頂きたいという点。それから帳簿書類の簡素化、現在一番下から見て、受附で判を捺し、調査で一つ捺し、署長まで行くのに六つも七つも判を捺さなければならないという形態の事務様式では恐らく税の民主化という点はなし遂げられない。納税者に対する迅速な審査の処理もそういう面で多分に不可能になつて来るので、この面を成るべく簡素化して頂きたい。大体日財といたしまして、税方面についての改正意見としましては以上の通りであります。
  36. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) 御質問ございましたら願います。
  37. 小川友三

    小川友三君 日財の室さんに伺います。第二財産税を取るということは非常に私はいいと思いますので、これで全財の方の見通しで何億ぐらい上りますか、御見当で結構ですが。
  38. 室佐太郎

    ○説明員(室佐太郎君) これは先程徳島さんが言われた通り、主税局においても安本においてもはつきりした統計資料はございません。現実の問題として大体どのくらいあるかということをはつきり言明できません。とにかく一千億ぐらいはあると思います。
  39. 小川友三

    小川友三君 更正決定の年一回というのは非常にいいと思いますが、実情は更正決定を年二回も三回もやるので人手が要るが、年一回になると、政府の行政整理の対象になつてしまつて、首を切られるのではないかと思いますので、やはり年二回の方がいいと思いますが、この点どんなものでしようか。
  40. 室佐太郎

    ○説明員(室佐太郎君) 大体現在の一人当りの負担分量は多いところと少いところとあり、アンバランであります。私は高崎税務署の所属ですが、高崎当りでは大体更正決定を一人千件ぐらい持ちます。そうなりますと、年に三回更正決定をやると三千件持つことになり、これに絡んで審査が四割から五割出る。現在の状態ではそういう問題を見ますと、徹夜状態であります。それを今度は年に一回にしたならば大体一人千件できると思います。その場合調査という点が、今までの例えば百人の業者團体があれば、そのうち八十なり五十なり二十なりとブロックを分けまして、そのうち抽出検査を三件ぐらいやつて、ぱつとパーセンテージで行くという見方よりむしろ本当に三ケ月なり四ヶ月なりの調査期間があつて、調査をやつた方がむしろ納税者としても喜びますし、私なんかもそういう行き方がいいのじやないかという考え方であります。ですからそういう面でいつでも人員的に行政整理という点が起きないと思います。
  41. 小川友三

    小川友三君 税務方面では川上先生が大先輩ですが、ちよつと室さんにお伺いしますが、この税務署員の教育という問題を質問いたしますが、教育を大いに望むのですが、教育問題は特にこの税務に対する教育機関として、どういうような組織で、今やつていらつしやいますか。又改善するにはどういう点を改善したらいいですか。教育問題をあなたから出されましたので、お伺い申上げます。
  42. 徳島半三郎

    ○説明員(徳島半三郎君) 教育問題は私の方でシャウプと会つたときに大体今の制度で特にやり方の悪い点なんか指摘したのですが、教育機関としては高等財務講習所、これは今度改正されまして、全部税務講習所というのに統一されたわけです。中央に大きなのが一つ、各財務局、今の國税局ごとに地方の税務講習所というのがあるわけです。ところがこれの収容人員というものも非常に制限されているし、そういう面に対しては通信教育ということは考えているようですが、ところが一番大きな欠点は何かと申しますと、やはり今の高文官僚の考え方といいますか、非常に法律の面が中心になるわけです。そうして実際税務官吏として一番必要な調査能力というものに対する教育が附けたり見たいな恰好でしかなされていない、こういう点が一番大きな欠点ではないかと、こういうふうに考えます。つまりダイヤモンドを読むと、大体経済界の動きが非常によく分るわけです。ところが経済原論式のむずかしいものをやつても、素養の関係もありますが、今直接役に立たないわけです。そういう点の教育が、特に直ぐ間に合うような教育が必要だ、こういうことが指摘できると思います。
  43. 小川友三

    小川友三君 それから徴税費の引上げという問題の中に税務官吏が、調査に行くのに旅費が百円かかるところを五十円、三十円しか出ない。五百円かかるところ二百円しか出ないということで税務官吏が立替えて出張しているということを聞いておりますが、出張したあと、なかなか呉れない。だから自分のサテリーを割いてまで調査して國家に奉仕しているということをよく聞いておりますが、徴税費の引上げの中に旅費実費、この旅費はこれはやはり引上げなければならんと固く信じておりますが、この点について実際の上ではどのくらい引上げたらいいかということになりますが、徴税費の一部の引上げになりますが、この点についてちよつとお伺いします。
  44. 室佐太郎

    ○説明員(室佐太郎君) 徴税費という面は大体旅費或いは日当、超過勤務手当、現在のところ大体そんな形態ですが、高崎の場合なんかを申上げますと、今度の四半期において大体一人当り見当一月千二三百円じやなかつたかと思います。その場合現在全員が出ているという場合においてもう出張は相当やるのです。ところが絶対額がないためにいわゆる十日出たところを八日きり貰えないという状態、超過勤務の場合なんかも、現実にやつているのですが、自分の責任においてどうしてもやらなければいけないというやり方でやつております。ところが署長としては判を捺されい。捺した以上超過勤務を出さなければならないが、これは自分の責任で自由にやつているのだからという点を強調するのです。その点も実に不合理だと思うのですが、とにかく判こを捺さないのです。で、その点は能率の低いという点も多少はあるかも知れません、全面的にそういう面はないと思うのです。それから現在大体月、恐らく十分な調査をするならば、一人頭三千円以上なければできないです。暇な所と忙がしい所を混ぜて平均三千円以上なければとてもできません。
  45. 徳島半三郎

    ○説明員(徳島半三郎君) 私の方で、税務署の方から出された資料によりますと、山口縣の防府という税務署、ここで四月、五月分の実績調査をやつた。そうすると、四月分の旅費の実績、つまり要求額が十三万四千九百二十八円、これだけ署全体で必要になつたわけですが、これに対してこの中で実際配付額の分つているのは関税官の方ではその中で四万八百二十四円の実際の実績に対して配付額が三万円しかなかつた。それから先程申上げました大阪の南税務署の例なんですが、ここでは超過勤務手当がニヶ月分で大体一万二三千円出たと思つているのです。ところがこれに対して、これは一人当りですが、これに対して実際の予算として配付されたのが二千円ぐらいしかなかつた。あとはもう全然出ない。予算がないから出さないというような状態です。
  46. 小川友三

    小川友三君 旅費問題で非常に徴税能力が下つているということをたまたま、又非常に多く開いておりますが、特に市内廻りの場合、どこの税務署へ行つてもボロ自轉車が少しあるくらいで、すぐパンクしてしまうような自轉車を並べて置く。そこで國家は自轉車のいいものを自轉車の壽命は一年ですから、十年も八年も経つた自轉車があるという状態ですが、大体全財の御調査では、一つの税務署に新らしい自轉車、つまり作つて一年以内の自轉車は平均何台ぐらいおありでしようか。
  47. 室佐太郎

    ○説明員(室佐太郎君) 現在大体自轉車の配給数量は五台から十四五台です。役所によつて違いますが、小さい役所で三台程度、大きくなつて十二三台です。それは前に組合の方から再三再四申上げまして、去年当りから着々当局側としても整備したわけです。
  48. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) ちよつと室さんに伺いますが、調査権の問題ですが、実は今相当脱税で調べられているのがあるのですが、相当ひどい、家宅捜査をして個人の入権を侵害するようなことをやられているらしいのですが、勿論その調査権がなければなかなか十分な調査ができないにしても、それでどうも調査権を濫用されるといいますか、人物にもよるが、その人物によつては非常に弊害も出て來ると思う。そういつた点は余程愼重に考えないと、実際その効力がないようになるというようなことがあるのではないかと思います。
  49. 室佐太郎

    ○説明員(室佐太郎君) これは現在でも或る程度の調査権はあるわけです。それは大体局長の許可を得て、そのあれを持つて行つた場合は、大体銀行としても見せて呉れます。これは特定の人だけです。併しそれを或る程度拡大したいという氣持があるのです。それは銀行の預金面ですか、あれを大体或る特定の人のみでなく総体的なもので誰が幾ら誰が幾らという面まで掴みたいというわけで、この点は多分の支障がありますが、そこまで行かないと、我々としては負担の公平という意味からまずいわけです。
  50. 徳島半三郎

    ○説明員(徳島半三郎君) まあ物凄い調査をするというのは、これは國税査察部じやないかと思います。これは査察官には大体檢事と同じような権限があるわけです。押収、捜索という権限がある、普通の税務官吏にはそこまでの権限はないのです。ですから査察官になつたときには誓いの言葉をたてるわけです。即ち良心に從つてやる。ですから一般の税務官吏と査察官とは権限の上で大きな違いがある。査察官の方には或る程度経験のある人、そういう意味で愼重な人を或る程度選んで査察官に命じているわけですね。併し実際問題として税務署ではそういう権限があるなしに拘わらずかなりまあ実際税務官吏に言わすと、課税の公平という正義感からやるときもあるわけです。それから又銀行の調査権限の話をされたんですが、実際銀行の調査権があると言つても一般的なものでなくして、本当に大体確実な基礎があつて、この人の預金通帳を見せて呉れと言つた場合にはその人の口座が見られるわけです。ところが、その名前を指定せずに営業者の名前でなくして、変つた人の名前を使つた場合には全然手が及ばない。これは財産税のときも同じなんですが、銀行の知つた人に聞くと、あの財産税のときには、或る銀行では、これは東京の支店ですが、東海道線の各駅の名前を使つた人がある。僕が直接聞いた話でも、大体京都では四十幾通りの名前を使つて預金の分割をやつたわけです。そういうものは税務署では手が出ないわけです。それから又現在脱税というやつは、非常に形が変つて、脱税された利益は、何に使われているかと言いますと、先ず第一にそういう別口預金、これは会社の名前を使うというより課長とかそういう非常に変つた名前で預金しておる。そういう預金で、実際担保に入つて銀行から金を借りて、そういう借金の面だけ帳簿上に出でおる、こういう意味で脱税所得が隠蔽されておる。それから又片一方のものは、独占禁止法なんかの関係で会社は株を持てない、社長名儀或いは課長名議で株を取得しておる、そういう資金は全部脱税所得だと見ておる、或いはそういう傍系会社に対する貸付金、そういうものも名前が変つておる。そういうふうに非常に現在いろいろな統制法規の関係で、それをくぐるためにあらゆる面で脱税が考えられておる。ですから非常に大きな調査権を持たなければ、普通のやり方ではなかなか掴めない、こういうような実状なんです。
  51. 九鬼紋十郎

    ○理事(九鬼紋十郎君) 他に何か御質問はございませんか。御質問がなければ本日はこれで以て散会いたしたいと存じます。    午後三時四分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            波多野 鼎君            黒出 英雄君            九鬼紋十郎君    委員            森下 政一君            玉屋 喜章君            油井賢太郎君            小宮山常吉君            川上  嘉君            小川 友三君   説明員    東京商大教授  井藤 半彌君    日本経済新聞編    集局長     圓城寺次郎君    全國財務労働組    合執行委員   徳島半三郎君    日本財務労働組    合連絡協議会委    員       室 佐太郎君