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1949-06-21 第5回国会 参議院 大蔵委員会 閉3号 公式Web版

  1. 昭和二十四年六月二十一日(火曜日)    午前十時三十六分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○租税制度に関する調査の件   ―――――――――――――
  2. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。租税制度に関する調査の件でありますが、本日は中小企業廳の長官がお見えになつておりますので、中小企業の立場から御覧になつた税制改正に対する御意見をお伺いいたしたいと考えます
  3. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 中小企業廳の蜷川でございます。中小企業廳といたしましては、今日中小企業者が非常に税の重圧に苦しんでおるという訴えが多いものでございますし、又事実私共が調査いたして見ますると、中小企業者における税負担というものが非常に過重なことが明らかでございましたので、中小企業よりの立場から今日の税問題というものについて一應檢討いたしたわけでございます。それにつきまして、本日極く簡單に御報告申上げたいと存じます。  先ず中小企業問題というのは今日非常にやかましい問題になつておりますが、一番問題にいたされますのは、第一が税の過重の問題であります。次に金詰りであります。中小企業に関する資金融通が非常に困難である。第三は資材の割当その他が不適正であるという問題であります。第四番目には、最近しばしば唱えられております集中生産に対する中小企業が非常に除外されて企業整備を受けるんではないかという惧れと、事実又そういうような傾向が現はれて來ておる問題、第五には中小企業経営において今日行われている労働基準法そのものについて非常に経営がやりにくいというような点が訴えられておる。結局これらの問題を通じて見ますことは、中小企業そのものの本來の性質から見まして、常に資本の圧力下に経営しなければならないという状態から、その圧力そのものに悩んでおる。もう一つは圧力に耐えられるだけの鞏固な経営体を作り得ないというような点に、問題があると存ずるのであります。言い換えますと、圧力そのものの強さが中小企業本來の弱さと伴い競合いたしまして、次第に烈しくなつて來ておる。そこで中小企業廳といたしましては、そういう圧力をできるだけ軽減、緩和するという問題と、他方におきましては、その圧力に或る程度耐えられるような強固な経営体を作らせるという両面の問題を取上げまして、これを中小企業の振興育成の方針といたしておるわけであります。それで税問題を取上げましたのも、そういう意味におきまして、圧力を軽減、緩和するときに、この税から來る圧迫というものを幾分でも緩和するのでなければ、今日の中小企業の経営は維持できないのではないか、そういうような角度からこの問題を取上げたわけでございます。  次に税問題が非常にやかましくなりまして、税が過重であるという点を檢討して見ますると、二面あると存じております。一つは税そのものにおける問題と、もう一つは今日中小企業が当面いたしております先程來申上げたような五つの問題がこの税に皺寄せて來ておるいう点でございます。例えば経営の面から申上げますと、一方では切符の現物化が非常に遅れておる、そのために資金が寝ます。資材が整わないために生産期間が従來の三倍以上になるというような、或いは賣上げ代金の回収がどうも三ケ月以上に及ぶというような、こういうような点から資金が長く寝ますために、而もその寝ます資金に対して融通の途がございませんために、いざ税金を拂うというような時に手許に金がないというようなことが税の負担を一層深刻ならしめておるという実情がございます。従いまして中小企業に対する対策といたしましては、一方において中小企業にとつて不適当な、或いは過重な税そのものを税減、緩和するという問題と、もう一つはそういう普通の税が課せられても苦しいようないろいろの諸事情を排除してやるという二面の方策を取らないと、この税問題は片付かないと考えております。ここで取上げましたのは、その中の一方的な一面の税そのものに関する問題でございます。  そこで税だけに関して考えますと、今日御承知のように工場数におきましても、約九十六万七千七百工場程あるのでございますが、その中の九割九分と申すものは、即ち九九%は中小企業と言わるべきものである。言い換えますと、従業員について見ましても、百人以下の従業員を使つておるという工場が殆んど九割九分を占めております。尚その中の八割というものは五人以下のいわゆる零細企業ともいうべきものであります。これはむしろ企業というよりも、働くところの一つのオルガニゼーシヨンだと言つても言い過ぎではないと考えられるものであります。從いまして、例えばこの八割近くのものにつきまして、事業所得税を掛けるというようなことが第一問題になつて來るのでありまして、むしろそれは事業所得と言うよりも勤労所得に当るようなものである。從いましてこういうような中小企業の実情から申しまして、今の税そのものが不適当であるというような点がいろいろ考えられておるわけであります。この点につきまして、ここに極く簡單な刷物がございますが、こういうような形で一應私共の調査結果を整えて見たわけであります。細かい点につきましては、担当の課長が参つておりますので、この刷物について一應御説明申上げて尚御意見を伺いたいと思つております。
  4. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) では三輪金融課長
  5. 三輪學俊

    ○説明員(三輪學俊君) 税の問題の中で中小企業に特別な問題と申しますか、中小企業の税問題であるにも拘わらず一般の税問題と特別に違つた理由、こういうふうなものを考えて見ますと、この税改正の意見の中の各部に出ておるのでございますが、それを要約して申して見ますと、大体四つの点があるのではないかと調査の結果考えられるのであります。  その第一点は先程長官から御説明申上げましたように、日本の中小企業の中の大体八〇%がいわゆる從業員四人以下を使用しているものでありまして、これは資本の活動組織、言い換えますならば、資本主義的な経営企業と申しますよりは、労働の組織であるとむしろ考えた方が実態に近い性質のものである。こういつたものに対して、いわゆる企業という形で以ていろいろ税制が立てられる、運用されておるという点が第一点であろうと考えております。  第二の点はいわゆる更正決定なるものが実際問題といたしまして、税務官吏個人の判断によつて行われておるわけでありますが、これが数において八〇%を占めますこの零細企業、いわば前資本主義的な形態を持つております企業に対して、税務官吏個人の判断といつたようなものに基きます更正決定が行われるというところに、中小企業税問題の困難さと申しますか、特殊の事情が第二点として考えられるわけであります。  第三点といたしましては、中小企業は大部分のものが殆んど正確に帳簿をつけておらない実情でありますが、この記帳能力たるや、なかなか急速に向上でき難い。從いましてそれに伴う税の申告といつたふうなものが、どうしても不正確になる。これはこの改正意見の中に、或いはその別表の二、三あたりに、申告とその結果の更正決定が、どういうふうになつたかというふうな数字が入つておるわけでございますが、恰かも取引……税務署と業者の取引であるといつたふうな感じを持たしておるわけであります。この点が一つの大きな原因ではないかと考える。  第四の点はよく言われます税務官吏の未熟と経験不足と申しますか、こういつたことのために、納税者は困るわけでありますが、特に中小企業はその数が正に無数と言うに近く、且つ非常に小さくて弱くして、非常に数が多くて、而も小さくて弱い者に対して、余り経験のない税務官吏が査定をして参るということになりますと、どうしても非常に難問題が起るわけであります。  以上申しました四つの点が中小企業に特有の税問題を発生させる原因ではなかろうかということが、私共の行いました調査の結果一應推定されるわけであります。でその調査の報告は、中小企業の税負担がどういう状況にあるか、中小企業の税問題はどういうところに根本の問題があるかということに引続きまして、そうすれば税制は如何にあるべきかということについて、各界、各業界、その他の各方面からの意見なぞも徴して、研究いたしたわけでありますが、その結論と申しますか、各方面から出ました意見及び実情に基きまして、一應これを取纏めて見まするに、その意見は大体税法自体の改正の問題と、現在の税務行政の改善の問題と、この二つになるようでございます。  最初に各税法について、これがどういうように改められるべきであるかというふうな意見の、いわば結論と申すものだけを簡單に申上げますと、やはり問題は所得税に集中いたしておるわけでございます。九頁以下に大体主なる調査の内容が出ておるわけでございまするが、これから結論的に言い得ますることは、昨年度の消費物價調査によりますると、大体四・七人の標準家族におきまして、生計費か十一万七千幾ら、約十二万円になるわけでございますが、こういつた所得十二万円程度の階級のものは、所得税の引下げ、税率の引下げ、或いは基礎控除及び扶養家族控除の引上げ、こういつた方法によつて、所得税の課税から除外される必要が出て來るのではないか。御承知のように、税の負担によりまして、家計及び経営が今破壊され始められておるという事実から考えて、この十二万円という線は、一應所得税がかかるか、かからないかの境になるというふうに考えることが正しいのではないかと考えられるわけでございます。  次に所得税につきましては、例えば從業員四人以下の工業、或いは從業員二名以下の商業、こういつたものは、いわゆる零細な企業以前の事業形態でありますために、こういつたものにつきましては、勤労所得と同様の基礎控除が、特別の控除が必要になるのではないか。これは企業組織というよりは、労働の組織であると考える方が実態に近いのではないかと考えられるわけであります。  それから第三番目は、中小企業に特有の家族從業者の問題でありますが、こういつた家族從業者につきましても、一人当り少なくとも、現金から年三千六百円程度の控除があることが、全体として合理的であるのではないかと考えられるわけであります。  尚いわゆる家事関連費といつたふうなものは、それが合理的なものである限り、普通の大企業或いは法人税におきますると同様に、やはり事業の必要経費と認められることが適当であるのではないかという結論になつて参るわけであります。それから資産の再評價の問題でありますが、この問題は中小企業におきましても、大企業におきますると同様に、それ以上に必要になつて來るのでありまするので、是非行われる必要があるのではないか。又再評價に伴います減價償却、こういつたものが大企業に劣らず、或いはそれ以上に必要になつて参るように考えられます。尚最近の地方財政事情なぞからいたしまして、いわゆる税金以外の寄附金というものが、事実上税金に近い恰好で賦課されるような恰好に相成つておりまするが、こういつたものは法人税におきましては大体二%程度に相成りまするが、その程度のものは必要経費と認めなければならないのでありますから、中小企業につきましても、所得の大体一%くらいのものはいわゆる必要経費に認めなければ、企業そのものがやつて行けない実情でありまするので、こういつた点を考慮される必要があるのではないかと考えられます。  それから同居親族に対しまする、いわゆる合算課税というものがあるのでありますが、これは新らしい憲法で謳われておる考え方、新らしい家という考え方、こういつた点から見れば、現在の住宅事情からたまたま同居しておるといつたものについて合算課税をすることは、どうしても筋の通らない次第でありまして、特にこの合算課税の故に、家族労働者或いは家族の中でいろいろな形で勤労所得について、或いは事業所得を持つておりますものが、結果において累進的課税を受けておるという結果になつております。こういつた点は是非改められる必要がある、各所得者に対して各々別個に課税せられるように考える必要があるのではないかと調査の結果考えられるわけでございます。  次は法人税の問題でありますが、先程申しましたように、資産の再評價は是非必要であると考えられます。ただ資産の再評價益に対して課税いたすという意見が一部あるようでございまするが、中小企業の立場からいたしますると、特に評價金に対する課税は面白くない、適当の措置とは考えられないのでありまして、將來の経済変動は相当なものが現に予想されのでありまするが、この経済変動が収まりまするまでの間、この評價益なるものは企業の中に留保されておる必要がある、かように考えられるわけでございます。  次は事業税でございますが、事業税は、御承知のように、比例税率によつて課せられておるわけでありますが、この比例税率によりまして、事業税の賦課ということが少額所得者に取りましては、結果において非常に大きな負担になるということは当然なんでありまして、調査の結果、この点が非常に強く現われておるわけであります。中には時間のズレの関係もありまして、課税決定のスレがありました結果、前年度所得に対する事業税を合算いたしますと、その年度の所得をオーバーした税額を拂わなければいけないという実例も出ております。これは時間のズレが一時そういうことになつたのでありますが、インフレの終束期において、これが如何に企業の金繰りを圧迫するかという点に思いをいたしますならば、單に時間のズレというだけの説明では、中小企業者は納得いたしかねる状況でございます。そういうわけで、この事業税につきましては、やはり一定の基礎控除、例えば三万円といつたふうな基礎控除の制度を設けると同時に、これを超過累進税率に改めることが中小企業の立場からいたしますると必要である。こういう調査の結果になつて参るわけでございます。尚各地方及び地方の業界からの要望によりますると、所得税と事業税は是非できるならば一本課税にして欲しい。それによつて税制を簡素化し、又納税者が納め易い結果になつて來る、こういう意見が強いようでありまして、地方自治の問題とも根本的に関係いたす問題でありまするが、中小企業者の立場といたしてはこれが望ましいという一應の結論になつて参るようでございます。  取引高税の問題でございますが、これはやはり廃止が中小企業の立場といたしては望ましい、中小企業は御承知のように大企業のように一つの企業の中で一貫作業を、從いまして各企業の手を経てこれは原料の生産者から問屋問屋から中間の者、それから商業者の手を経て次々と出て参るわけであります。この過程において一々取引高税が課せられるということは、中小企業の立場からいたしますると誠に工合の惡い状況なんであります。やはり取引高税は撤廃されることが望ましいというのが一般の意見、及び調査の結果でございます。併しながらその他の関係からどうしても取引高税が撤廃できないということであるならば、税率を少くとも現在のままに据置くと同時に、例えば石鹸であるとか、マッチであるとか、或いはゴム履物であるとか、こういつたものについては非課税にする必要があるのではないか。又協同組合と協同組合組合員の間の取引、こういつたものは組合理論の本質上当然非課税のものであるべきではないか。又輸出品量生産いたしますための原材料の取引は、これ又非課税にいたすことが輸出振興の立場から見ましても必要なことではないか。このためにはそういつたルートのはつきりいたしたものについての資材の割当証明書にその旨を別に表示すればさして困難ではないのではないかと考えられるわけでございます。  それから次は物品税の問題でありますが、御承知のようにインフレがデフレに向いましたときにおいて、從來の通りの物品税を考えていることは理論的に非常に問題のある点ではないかと考えられるのでありまして、要はこの経済変動、特に購買力の変動いたしますときにおきましてはこの税金及び税率を再調整いたしまして、或いは一分くらいのものについても引下げることによりまして、無理をしない、或いはこの一線で似て最大の税収を挙げるように持つて参る。いわば物品税のごときものについては経済法則の波にそのまま乗せるという考慮が是非佛われなければ、國が幾ら徴税費をかけましても税金は決して集まつて來ない。これが中小企業の立場から見ました僞わらざる実情でありまして、如何に脱税が多く行われておるかということが、その観念の切換えが必要になつて参つておるということを私共に感じさせられるわけであります。例えばライターであるとか、家具であるとか、或いは和傘、洋傘、或いは楽器、こういつた物について今少しく経済ベースに乗せた税率が行わけますならば、大して手数をかけないでより容易に、より多くの税収が確保されるのではないか。中小企業の実態を調査いたしておりますとかように考えられて参るわけでございます。  尚これは倉出課税になつておりまするが、只今の取引状況、企業の金詰り状況、購買力の状況から見ましては倉出を三ヶ月程度の期間を求めることが結果において最も、全体的に見ましても円滑に徴税ができる方法ではなかろうか、こういう結論になつて参るわけでございます。  これで税法それ自体につきましての結果得られました結論の御説明を終りまして、次は税務行政の運営につきましての各部各界からの、或いは実態調査の結果出て参りますいろいろな意見を総合して、その結論的な部分だけを簡單に申上げますと、先程も申上げましたように中小企業は帳簿をつけておらない関係上、いろいろな問題を起すわけであります。從いまして、中小企業については是非簡易帳簿制度というふうなものを設ける必要があるのではないかという実態調査の結果の結論でございます。この簡易帳簿制度と申しますのは、例えば先程からも申しまする從業員四人以下というふうな本当に零細な、企業と言わんよりは、労働の組織であるようなものにつきましては、一覧表のようなものを持たせまして、それに仕入れと賣上げと必要経費だけを書き込む極めて單純な單式簿記であります。こういつたものを適用して、これに基いて課税をし、申告をする、或いは査定をする。こういうふうに持つて参る必要があるのではないかというのが実態調査の一應の結果でございます。  それから今申しました五人未満以上のもの、即ち五人から二十九人までくらいのものにつきましては、毎日の日日の取引の結果、單式簿記の考え方で記録を取りまして、月末にそれを自動的に記入して参りますれば、自然に結果において複式簿記のバランスシートになる。こういつたような簡易帳簿制度を是非採上げたい。そしてこの二つの制度を確立いたしますると同時に、政府においてこれを正式に認める。そういう措置に出る必要があるのではないかと思われます。こういつた簡易帳簿制度を樹立し、且つ公認いたしますると同時に、政府におきましては、関係官廳で以て中小企業者に正確な帳簿をつけるように、又申告を正確にいたすように指導いたすわけでありまするが、その際におきましても、かような帳簿及びそれに基きまする正直なる申告につきましては、当局においてこれを十分に尊重して、この納税者の利益のためにこれを尊重する。こういう立場をはつきりいたさなければ、この税のむずかしい問題は解決できないのではないかというのが我々の調査の過程においてしみじみ感じたことでございます。從いまして、こういうふうなことは租税立法の中で明文化いたすことがいろいろな観点から望ましいと考えられる次等であります。尚更正決定につきましては、これは、惡質な脱税者に対する場合を除いて廃止いたすべきものである。かように考えられて参るわけであります。從いまして例えば所得税法の六十四條の辺りのところで、更正決定などに関連いたしまして、業者の團体は若しも政府から税に関する質問であるとか、或いは諮問を受けた場合には、これに対して正直に答えなければならない、又この答えは税務官廳において尊重されなければならない、こういうふう一つの明文を置くことが、立法技術としては或いは議論もあろうかと思いますが、現在の中小企業の実態及び中小企業税務問題の実態から見ましても、適当な措置ではないかというふうに考えられて参るわけでございます。  尚これに関連いたしまして、紛争処理機関の問題でありまするが、先に更正決定におきます業者の團体に対する諮問などと同様に、民間をしてこのむずかしいインフレ収束期の敗戰國の税の問題を役所協力して完遂するという態勢を確立させまするためには、各税務署にいわば税務の簡易裁判所というような制度を附設いたしまして、これに中小企業者の代表者を参加させるということが最も適当な措置ではないかと考えられるわけでございます。尚いろいろな異議の申立の決定、そういつたようなものは、できれば一ヶ月というふうな期間を切つて、その間に必ずしなくちやいけない。勿論これは原則でございまして、惡質な脱税者などについては例外でございますが、原則として一ヶ月ぐらいの間に必ず決定しなくちやいけないというふうな態勢に持つて参ることが、今の中小企業の現状から見て必要なことではないかというふうな調査の結論に相成るわけでございます。  尚最後に中小企業の状況を調査して参りますと、先程から何度も申しましたように、非常に零細な所得者に対する課税というものがクローズアップされて來るわけでございますが、こういつたようないわば無智文盲な人にも課すような、零細所得者に対する申告制度を実際に日本において可能ならしめるためには、現在各税務署において実施いたしております標準所得率実施調査、この結果を公表いたすことが必要であると考える次第であります。これはそういつた零細所得者が尚且納税しなければならない状況でありますから、そういつた零細所得者の納税をより便宜にする参考の資料として、これを公開いたすことが適当な措置ではないか、こういうふうな態実調査の結果になつて参るわけでございます。  以上を以ちまして、この調査の結果、一應自然と出て参ります結論的なものをそのまま申上げたわけであります。
  6. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 今申上げました次第でございますが、中小企業から見ました多くの税の問題について申上げたので、尚先程も申上げましたように、税そのものが苦しいというよりも、その税にも堪えられない経営の苦しさというものが相当あるわけなのでございまして、これは別途私共といたしまして、中小企業の保持育成のためにいろいろの施策を講ずるために、税それ自体の改善が伴わない限り、今の中小企業の悩みつつある過重税の問題等が解決しないように考えます。いろいろ御質問も御意見もございましようし、これらについていろいろ承りたいと思います。
  7. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 今日は中小企業長官は十二時からGHQの方へ行かれるそうであります。十三時までで質疑を終りたいと、こう考えますから、その心組で御質問を願いたいと思います。
  8. 小川友三

    ○小川友三君 幸い長官がおいでですから、今の経営の苦しさということで、ちよつとお伺いしたいのですが、中小企業者は八〇%で、日本は背負い切れずというふうな実態で、簿記も不完全であるし、又税金も非常に高い、そこへ持つて來て経営資金が足りないわけですが、企業廳で沢山の借入の申込があるのですが、一体この経営の苦しさを押切つてやるには、一年間に何十億程度借したらば、大体中小企業者が樂になるかという御見当を少しお洩らし願いたいと思います。
  9. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 非常にこれはむずかしい問題でございまするが、今私共がこの半年ばかりの期間で調べ上げた結果、算定いたしました結果は、大体中小企業に今年一年間に要する設備資金が約八十億、それから長期運轉資金が大体二百億、その二百八十億が長期資金として是非とも必要だと考えておるのであります。
  10. 小川友三

    ○小川友三君 そこで長官としての政府側並びにその筋の御交渉は二百八十億を主張して頂きたいのでありますが、主張したことはたびたびおありと思いますけれども、どういう工合に行つておりますか、お洩らし願いたいのであります。
  11. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 只今のところ先ず私共といたしましては、八十億を是非とも見返資金の中から供給して頂きたいと思つております。それからあと長期運轉資金の二百億のうち百五十億を預金部の資金を廻して欲しい、それで五十億近くのものが市中銀行に頼れるのではないかというふうに考えておるのでありますが、なかなか見返資金の方も私共が中小企業が必要とするだけ頂けそうもありませんので、現在のところではそのうち特に輸出産業及びその関連産業に要する設備資金が大体十五億程度になりまして、百億乃至百五十億の範囲で預金部資金というものを融通できるようにならないとこの調達はできないように思つております。
  12. 小川友三

    ○小川友三君 関連しますから……。そこでその点はよく分りましたが、この中小企業者は高利貸というか、闇金貸というか、借りておる額は五十億以上であると思うのでありますが、中小企業廳ではお調べになつてどのくらい中小企業者が高利貸から借りておりますか、御見当で結構でございますが……
  13. 三輪學俊

    ○説明員(三輪學俊君) 昨年未におきまして、全國の中小企業者について実態調査をいたしました結果によりますと、大体実態調査でありますから、高利貸から借りておるという報告は出て來ないのでありますが、いろいろな状態から判断いたしまして、資本の中で二三%乃至二十五%は闇に準ずる資金を使つておるのではないかという結論は十分あります。これは昨年の十二月でありまして、未だ更正決定が行われる以前でありまして、現在ではこのパーセンテージは更に上つておるものと思います。尚それにつきまして、輸出産業を中心にいたしまして、只今実態調査を続行中でありますが、その結果まだ判明いたしておりません。
  14. 小川友三

    ○小川友三君 そういうふうになると思いますが、そうすると全体の企業者の八〇%中小企業者である、その金を動かしておるのは約五百億ぐらいありますか。
  15. 三輪學俊

    ○説明員(三輪學俊君) 全國の銀行のバランスシートの中で、貸出の残額の中で百万未満のものを中小企業に対する貸出と見れば一應五百億ぐらいの線が出て参るわけでありますが、これは銀行から直接借りた金が大体五百億ぐらいだということでございまして、間接に銀行から出ておる金或いは、その他の銀行から出ておる金はこの程度ではないかと考えております。
  16. 小川友三

    ○小川友三君 五百億を中小企業者が資本を動かすとすれば、その中の二十五%は月二割ぐらい拂つておるということになると、これは年間二十五億ぐらいの利息を拂つたということになるわけですね、非常にこれは大きな問題でありますので、特に企業廳におかれましては、今長官の申されました八十億を見返資金の中から、百五十億を預金部の資金の中から出すということに御盡力を願いたいと思うのであります。物品税問題でありますが、非常な名論を承わりまして、金融課長さんから物品税は余り高いので、脱税を当然にやつておるということは間違いない事実であります。ラジオ屋さんのモーター巻が八〇%かかつておる、実際は拂つていないのですね。拂えば賣れない、賣れないと値切られる、値切られるから安くする、安くするために税金を拂つていない、税金をほんの少し拂つて勘弁して貰つている、税務当局と示談してとにかくこういうわけなんだから、賣るのがこう安いのだからというわけでまけて貰ておるわけですから、物品税を……相当に納められる範囲内においてやらなければ中小企業者はやつて行かれないという現実は紛れもない事実でありますので、この点について中小企業廳の方の統計では大体物品税は三分の一ぐらいか、或いは何パーセントか、御統計おありでしたらば、参考に聞かして頂きたいと思います。
  17. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) それは実態調査を今続けておりますので、それができましたら分ると思いますが、今のところどのくらいになつておるものか分りません。
  18. 小川友三

    ○小川友三君 分りました。
  19. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
  20. 川上嘉

    ○川上嘉君 この中小企業者と申告納税制度とは特に緊密な関係にあると思うのですが、現在の申告納税制度に対してどういうお考をお持ちでしようか。
  21. 三輪學俊

    ○説明員(三輪學俊君) 申告納税制度が今の日本の中小企業の現状にそのまま乘るかどうか、いろいろ考えるべき点があるように思うのでありまするが、この線をとるといたしまするならば、この申告納税制度日本の中小企業の実態に合つて円滑に動くように持つて参る必要があるのではないかと、我々としては考えておるわけでございます。従いまして、先程から申上げましたように帳簿制度なるものを中小企業者がマスターできるような簡易なものにすると同時に、これを政府において公に認めるということが先ず第一番の点であろうかと思います。それでこういつた帳簿に基きます正直な申告は極くケアレスな小さな付け落ちがありましても、これは大きい目から呑むという態度を國においてとる必要があるのではないか。従いまして、人手の少い中小企業者が夜遅くなつて、眠い目をこすりながらつけた帳面、これに基いて、或いは少しうけ落ちがあるかも知れませんが、一應その結果に基いて出した申告というものは惡質脱税者の場合を除いては更正決定をしない、疑問があれば納税者のいわば利益のために解釈してやるというふうな大きい線を政府においてはつきりし、同時に中小企業者の側においては個別的に或いは又いろんな團体、協同組合などありまするが、こういう系統を通しまして、関係の役所などもこれに参加いたしまして、正しく帳面をつけ、正しく申告をし、正しく納税する。言い換えまするならば、納税意識の昂揚ということが第二の点として是非必要になつて参ると、かように考えております。尚これに伴いまして、或る程度は更正決定であるとか、異議の申立てであるとか、こういつたことが当然起つて参ると思うのでありますが、こういつたものにつきまして、團体交渉というふうなものがその性質上認められるかどうかにつきましては、非常に大きな疑問があるのでありまするが、中小企業者が非常に沢山あつて、又その内容が掴みにくいという現状は、これは如何ともしがたいものでありまするから、中小企業者が團体で調査をし、團体的に納税に協力するという立場に國において正式に認めることが必要であろうかと、かように考えるのであります。
  22. 川上嘉

    ○川上嘉君 なかなか御尤もな説でありまして、現在税務署では非常に活溌にこの申告の指導を全國的に現在行なつているようでありますが、それがおつしやる通り果して今までそうしたことに慣れていなかつた納税者が短時日にあなた達のおつしやるところまで行くかどうかという問題ですね。それで本年度におきましても、大体少額のものは申告を認めるといつたような方針を取つて行くんじやないかと思うのですがね。それが果して円滑に行くかどうかという問題は、大体本年度、当面の問題ということを考えて行けば、これは二段構えで行くべきじやないかと思うのです。本年度の五千百億円、これからよしんば價格調整費等あたりから或いは一千億減つても去年の大体四割増の税なんです。そうして税務の体制というものはちつとも変つていない。これを如何に適正に調整して行くかということに重点が置かるべきじやないかと思うのです。ところが政府の案ではこういつた問題は考えていないようなんです。で事実かどうか分らないですが、新聞の発表によりますというと、シヤウプ博士そのものも少くともここニ、三年修正を要せないような、どつちかと言えば恒久的な対策を税制については講ずる。そういつたことで当面の問題は軽視しているような感がするのです。そこでどうしてもあなた達のおつしやつているこの税務行政の改善、現在の税務の欠陷、又運用による欠陷を補うためには、外部からの團体の協力態勢が是非とも必要だと思うのです。これを補充して行くためには内部における欠陷、税法或いは又機構の欠陷、或いは納税者の足りないところを補つて行くためにはどうしても外部の團体の協力態勢、昔の調査員制度、向うからこんなのはボス的な存在だという指示があつたようですが、もつと民主的なものを作つて行くという考えを積極的に持つて頂きたいのです。この点については大藏省の当局においては非常に消極的なんです。申告納税が理想的に行けば、その精神から行けば、こんなのは要らないという行き方をやつているのです。ところが申告納税制度なるものは非常に時期尚早である。現在の日本の実情には即していないのです。だからそれを補うためにはどうしても外部の團体との協力態勢というものを積極的にあなた達が押し出して行かなくちやいけないと思うのです。そのことについてはこの前にも大蔵省の主税局長が来たとき話を聞いたのですが、この面に対して非常に消極的なんです。だからこの面は是非とも押して行きたいということを希望して、更に二段構えで是非とも臨んで貰いたい。來年度分と本年の五千百億の税金をどうして徴収するかといつたような問題。だから二段構えで是非やつて頂きたいということを特に希望して置きます。
  23. 九鬼紋十郎

    ○九鬼紋十郎君 私の伺いたいことは、今寄附金はニ%をお認めになると、こういうお話だつたのですが、実際問題として公共的なものとか、なんとかいつたような、そういうはつきりした寄附金については市町村長とか、そういつた者の証明によつて全部経費として落せるように、そういうような何か立法措置をして貰うとか、そういうふうにして貰うと非常に結構だと思うのです。そうしてその中小企業が非常に行詰つた状態になつているというのは、すでに給料とか、賃金といつたものさえも非常に遅延しているというような状態になつている。その上に税金なんかがありますと、急激にこれを取られるということになりますと、その面において徐々に税金を出して行くということなら、月々これが出せるのに、急にそれを取られるということになると、その企業が一時ストップしてしまう。從つて税金を取られることによつて整理状態に陷らなければならないというような会社が相当実際問題としてあるのでありますから、そういつた点をなんか税法の方でうまい方法で、こう事情によつては分割して拂うというような方法でも取られれば非常に結構だと思います。  それから寄附金も寄附金でありますが、実際いろいろな関係方面との接触する関係上退職金というようなことも相当あるのですが、そういつた方面に使われる費用が厖大な費用になつておるのでありまして、そういつたものを一々説明することも実際問題としてはできない。それだからといつてそういつた費用も稼がなければならないというような状態になつておるので、言うに言えない苦しい状態になつておるものも相当あるだろうと思うのです、そういつたものは非常に今の状態から見ると相当の費用が掛るので、そういつた費用は自然に企業に加算して行かなければならん。収益に何かして稼ぎ出さなければならない。そうすれば自然に脱税のような方法を以てしないと実際は中小企業というものは出せないのですね。そういつたものに相当の経費が掛るということは、実際に証明はできるが実際問題はなかなかできない。こういうような矛盾した現状になつておる。そういうことを税務署の方で考慮されてやつて頂かなければならないという、実際の理窟では通らないような費用が掛つておるということはこれは一般に認められておることと思うのですが、そういつた矛盾を余程税務署の方で研究して頂き、又中小企業廳の方で考慮に入れて頂く必要があると思うのです。
  24. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 中小企業廳の方の御調査が大変詳しいので敬意を表しますが、この調査の中で現金が高くて店を閉めようという業者が沢山あるというお話ですが、実は私も全國各地を廻つて業者に聞いた場合、こういう声も確かに事実であります。併しながらこの表を見ますと、東京都におきましてはひどいものになりますと、八五%も廃業をしておるというようなのが出ております。これはお調べになつた業者が、ここに挙げられておる五種類についてでありますか。或いは沢山お調べになつた中から特にひどいものをお載せになつたかどうかということが第一点であります。それからこの表に現れておりまする希望するような廃業者は実際出ておるのかどうかという点、又更にそういう廃業者は果して然らば税金が耐えられないというのでどういう方向に轉向しておるか。又この業種から轉向してこつちの業種に移れば結局又税金が高くて同じような苦しみに陷ると思うが、その点はどういうふうになつておりますか。又今までこういう営業について新たに開業者はどのくらいの程度あるかどうかという点についてお聞かせ願いたいということです。それから更にこれは意見になりますが、今までの営業というのは免許制が探られていない。統制品外には事実ありますが、そうしますと結局行商みたいな人は非常に多いと思うのです。この人々が取扱う品物というものは物品税とか消費税というようなものを正当に納めていない商品を扱つておるのが相当の部分を占めるものと思います。そういう場合においていわゆる正当な業者、或いは税金をまともに納めておる業者というものは、その人々の営業によつて非常に阻害される。競争にならないという点がありますと、自然にやはり脱税品の取扱い或いは税金をごまかさなければならないという結果が生ずると思うのです。こういう点について中小企業廳としてはどんな対策を考えておられるか、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
  25. 三輪學俊

    ○説明員(三輪學俊君) 御質問の三点についてお答え申上げます。この調査は特にひどいであろうと一應推定された五業種だけについてここに出したのでありますので、廃業の比率も……現実に廃業いたしかどうかという点でございますが、我々が今まで知りましたのでは、まだこの数字までに廃業はいたしておりません。それから新規開業がどのくらいあるかという御質問でございますが、これは東京都の商工指導所或いは私共のところでもいろいろ相談に與つておるのでございますが、そのうちで大体自分は今、金が十万か十五万ぐらいある。これで家族三、四人が何とか食つて行ける商賣はないかというお話をよく受けます。只今のところは全体の相談件数の数パーセント程度でありますが、今後益々この割合は殖えるのではないかと考えております。
  26. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 只今の行商その他税金の掛らない店舗を持たない営業というものが段々増加して参つておることは事実でございます。併し一方闇物資というものが抑えられて、抑えられ方が激しくなつたのと、もう一つは統制がどんどん解かれておるというような関係上、税金を逃れるためにそういう営業をしておるかも知れませんけれども、それらの扱つておるものは全部闇物資というわけには行かないと思います。ただそういう点が統制の解除とともに少くなつて行きつつあることは事実だと思います。ただ今のところ中小企業の内部で店を閉じ、或いは工場を閉じるという姿はどうも最近行われております農村における土地放棄と同じ性質を持つように思います。この点は非常に大きな社会問題である、経済問題じやなく社会問題だと私は考えております。そこで中小企業に從來從事しておられた方が轉廃業するという内部的の問題とそれから外部で言いますと、從來俸給或いは賃金の生活者であつたものがその職からあぶれたために、そういう外部から中小企業都内に入つて來るものと、中小企業から賃労働者として出て行く問題、轉廃業の問題、こういう三つの問題が絡んでおるのでありまして、今年はその点で非常に問題だと思いますので、今まで商工省にございました調査統計局とタイ・アップしまして、その方面の調査をいたしておるのであります。それがどういう形になつておるのか、今のところ一向判明いたしません。ただ地方から頻々と傳えられるのは、税金の圧迫のために工場を閉じるものが非常に多い。これは結局都道府縣の労政部あたりに來る報告を纏めたら幾分分るのではないかと考えております。その数字的なものは一向分つておりません。ただ今お話のような昔の背負呉服商のような行商或いは露店的のものが段々殖えて参りまして、それはどちらもまじめにやつておるのでしようが、店舗を持たないで税金を免れておるような業者がまじめな業者をひどく圧迫する危険が非常に多いと思います。そこで私考えておりますのは、中小企業者の間に経営的の組織のないことが、これを防ぎ得ない原因だと思いますので、今度第五國会で御審議を願つた中小企業等協同組合法が七月一日から施行され、この組合の組織というとうなものによつて、そういう点が或る程度防げるのではないかと考えるのであります。
  27. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 そこで先程私が意見を申述べました免許制、これは中小企業廳と税務当局とタイ・アップして、すべて営業というものは免許制度であるというふうにして、品物の動き、或いは税金の納め方というものについてあらゆる角度から検討を加える方式を取られる御意思はあるかないか、この点でございます。
  28. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 免許制というものになりますと、これから段々企業経営の自由というような立場から、免許制ということはむしろ問題じやないかと思うのでございます。私共が考えておりますのは、昨年あたり政府で問題にいたしました國民登録、ああいう國民登録のような非常に各方面の経費を余計要するというので、結局行なわれなかつたのでありますが、國民登録制を採り、そうして税籍というようなものを設けたら、そこで税を免かれるというものがなくなるのじやないか、防ぎ得るのじやないかというふうに考えております。これは免許制よりもむしろ一般的なただ経費さえ許すなら、この方が実情に合つているのではなかろうかと私個人としては考えております。できれば税籍を設けたいというふうに考えております。この報告の十二頁にもそれが謳つてございます。
  29. 小川友三

    ○小川友三君 今油井先生ので私がお伺いするのは大体お聞きしたのですが、失業して行くというのはこれは廃業して行くという形態がある。税収面に大きな影響を來しまして、残つておるものはその税金分がぶつかかつて來るというような形態になりやしないかと思つて心配しておるのですが、これを見ますと、平均五十%強が廃業して行くような形態に進みつつある、いわゆる轉落しつつあるというわけですが、中小企業者が死んで行く、自然に首切られて行くという形態ですが、この首切られて行くという形態が今の税金問題のために中心になつて来るが、これは又不足して倒れて行くというような見方をして差支ないでしようか。
  30. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 大体中小企業者が店を閉じて行くというような形になると、自然賃労働者の形に落ちて行くのかと思つております。これは結局先程申上げました工場で申しますと、九十六万七千七百工場の中の八割までが五人以下の工場である。そこでは殆んど家族労働というようなものを使つておるのでありまして、これが又税の圧迫から店を閉め工場を閉めるということになりますと、どうしても今後は生の労働力を得るというような形に変つて行く。別にそれで死んでしまうというふうには参らない。
  31. 小川友三

    ○小川友三君 企業として死んでるわけですね。
  32. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) はあ経営として死んで行くわけですが、そうして盛り返して來るわけなんですね。
  33. 小川友三

    ○小川友三君 まあ何%か……
  34. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) ええ時間を得まして結局その間に始終出入りがあるわけです。ですから非常に景氣がようございますと、賃労働者としてのあれも機械も殖える。今度は賃労働者として落ちて行く場合に……落ちて行くという言葉が惡いかと思いますが賃労働者に変つて行きました場合に、今度は口がないというのが問題なんで、結局これはどうしても今日の中小企業対策というようなものは、経済対策であると同時にどうしても一面社会政策的な裏付がないとやつて行けないわけであると思うのです。むしろ資金の経済的な金融の問題ではなしに、更生資金的な部面が問題ではないかと思うのであります。
  35. 小川友三

    ○小川友三君 誠に長官のおつしやる通りでございまして、どんどん更生資金が足らなくて倒れて行く中小企業が、企業廳に今どのくらい……三、四十億借入申込みが行つてる筈ですが、その中から三割くらいしか貸してないと思いますけれども、もう少し何とかして貸して頂く方法がないでしようか。
  36. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 企業廳といたしましては、物も金も権力も何もない役所で、各方面にお願いいたしまして、投入する資金をお願いしておるわけなんでありますから、これは一つ大藏委員会あたりに御援助を願いまして、資金供給の面を開いて頂きたいと思います。特に問題なのは、中小企業というものは雑草のようなもので放つとけばいいというお考えが從來強いのでございます。併しながら資金を供給する面から考えましても、中小企業だからそのために貸倒れになる危険が他の企業より多いということは事実ございません。もう少し日本における中小企業地位だの役割を各方面の御認識を願つて、資金の供給を仰ぎたいと私共お願いしている次第でございます。
  37. 森下政一

    ○森下政一君 今政府が税制改革について中小企業全般に相当期待をつないで、政府みずから減税措置を講じかければならぬというようなことに努力しているようですが、中小企業廳から大藏省当局に中小企業の立場から税制改革の方向はこうあるべきだというような意見具申をしておいでになりますか。
  38. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) こういう調査に基ずきまして、中小企業廳は、その権限において國会並びに政府に意見を出せることになつております。大蔵省の方へもこれは連絡しております。それから又連合軍の方にもこれを提出いたしまして、そうしてシヤウプ・ミッションの方でも考えて頂くというようにしているわけです。又一般にこれを公表いたしまして、今後中小企業者自身がこの問題を考えて貰いたいと考えております。
  39. 森下政一

    ○森下政一君 今私共が手許に頂戴いたしましたこの意見書ですね、こういつたことが大蔵当局にも具申されているわけですね。
  40. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) これからするわけであります。
  41. 森下政一

    ○森下政一君 これからですか、それを一つ……
  42. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 個別的には連絡しておるのであります。例えば物品税が困る業者があるという訴えがありますと、それについて例えばお茶ならお茶の物品税で非常にお茶の生産並びに販賣に困る、その場合に今まで從價税であつたもので從量税にすることが望ましいというような問題につきましては、やはり大藏省と連絡をしているわけであります。個別的にはやつておるのでありますが、今度のように全体的にはこれから一つの意見を出したい。
  43. 森下政一

    ○森下政一君 中小企業廳が開廳されてから後まだ日が浅いのですが、そういつたような個別的な意見具申をされ、希望を述べられた、それが探り入れられて具体化した事実がありますか。
  44. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 個別的にはいろいろございます。資金の面でも、資金に困つているというような面について復金の代理貸しをやる。
  45. 森下政一

    ○森下政一君 私の方は税の問題……
  46. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 税の問題では、今物品税ぐらいなものです。そういうお茶の税ですとか。
  47. 森下政一

    ○森下政一君 それは具体化しましたか。
  48. 蜷川虎三

    ○説明員(蜷川虎三君) 具体化しまして、六月一日から実施されておるわけです。ただ抹茶が一つ残つているだけです。
  49. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑がありませんければ、午前中の会議はこれで止めまして、午後一時から徴税の第一線である税務署の税制関係の人に來て貰うことにしてありますから、さよう御了承願います。それではこれにて休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩    ―――――・―――――    午後一時三十五分開会
  50. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 只今より午前に引続き開会いたします。速記を止めて。    午後一時三十六分速記中止    ―――――・―――――    午後四時四分速記開始
  51. 櫻内辰郎

    ○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。では本日はこれで散会いたします。    午後四時五分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            黒田 英雄君            九鬼紋十郎君    委員            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            木内 四郎君            油井賢太郎君            小宮山常吉君            高橋龍太郎君            川上  嘉君            小川 友三君   説明員    中小企業廳長官 蜷川 虎三君    通商産業事務官    (中小企業廳振   興局金融課長)  三輪 學俊君