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1949-05-14 第5回国会 参議院 商工委員会 16号 公式Web版

  1. 昭和二十四年五月十四日(木曜日)    午前十時三十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○鉱山保安法案(内閣提出、衆議院送  付) ○臨時鉄くず資源回收法案(内閣送  付)   ―――――――――――――
  2. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) これより商工委員会を開きます。鉱山保安法を議題にいたします。昨日質疑を打切りましたので、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 御異議ないと認め討論に入ります。御発言の方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  4. 島清

    ○島清君 本法案は、法案自体の名称からいたしましても、亦内容的にも疑いもなく鉱山労働者の保安を第一義的に規定して、それを目的としておるのであります。然るにそれの所管事項は保安を担任する労働者に非らずして、商工省の所管と相成つておるのでございます。そのことは御多分に洩れず官僚の縄張り爭いの結果、商工省側に軍配が挙つてかくなつてものと想像されまするけれども、併し從來商工省の所管の下にございました保安が頗る軽視されておつたことも、又保安関係の法規が空文化されておつたことも事実でございます。從來のこの事実に徴しまして、本法案がよしんば成立したといたしましても、それが商工省の所管の下に運営する限りにおきましては、この法の目的を達成することは頗る困難ではなかろうかと私はこう思うのでございます。又法案の随所にも保安目的を弱めるような点が見受けられるのでございまして、私はかような見解に立ちまして、本法案に対しましてはどうも賛意を表するわけには参りません。以上であります。
  5. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は本法案に反対であります。鉱山労働者を保護するために鉱山の保安確立のための法案を用意せられることについては、全く同感でありますけれども、その目的を達成するために、本法案の中には不十分な個所が多分にあると認めるのでありまして、その点から反対せざるを得ないのであります。  第一点は只今島委員がお述べになりました点と全く同感であります。  それから第二点は第二十條の、保安委員の選任の仕方でありますが、非常に鉱山保安の運営につきまして重要なポストを占めます保安委員の選任が、最終的には鉱業権者の意思によつて決定されるような虞れが多分にあるのでありまして、ややもいたしますると、保安委員の全部が鉱業権者の利益代表の形で選ばれる鉱山が多いのであります。私共が終戰後の各労働部面に持つておりました好ましくないいろいろの状況を脱却するためには、労働ボスの排除ということを強く力説して参りましたし、又関係筋においてもこの点については非常に強い要請をせられておつたのでありますが、依然として鉱山等におきましては、労働ボスの暗躍が絶えていないのであります。從つてこういうような段階にありますときに保安委員を選びますためには、余程はつきりとした條文を設けまして、保安委員というものが、本当に労働者の味方たり得るようなものにしなければならないと思えのでありますが、この点においてこの法案はまだ不十分である。政府の説明によりますると、一應表面的にはその目的が達成されるようになつておりますけれども、日本の遅れた鉱山の労働情勢を承知しておりまする私共としては、極めて不十分であると申さなければならないのであります。又同じく保安協議会におきましても、その協議会の学識経驗者というような人々を選ぶ場合にいたしましても、ひう少し廣く各層の利益代表の人々を入れなければなりませんが、そういう点についての明記が欠けております。又保安委員会、或いは保安協議会全部を通じまして單なる諮問機関に終つておりますが、これに対して相当強い拘束力を與えて置きませんと、先程申上げましたような事情によりまして、十分に保安の実効を期することができないのではないかと考えるのであります。  それから第三点は、労働省との関係であります。労働省との関係は、本法案の五十四條によりまして勧告制度を採りまして若干明らかにされておりまするけれども、この鉱山保安法案が労働省の所管になるか、或いは商工省の所管になるかの論爭において、非常に激しい対立がありました事実がそのまま示してありまするように、今後の運営に極めて影響するところが大であると思うのでありますが、この点も反対理由の第一項と共に、もう少しはつきりした形において運営が円滑に進められるような、法的な措置を明らかにして置くべきではないかと思うのであります。  それから第四点は、政府の説明によりますと、この鉱山保安法によりまして、労働爭議が発生いたしましたような場合には、この鉱山保安法の規定によつて一般労働運動を規制するようなことは考えていない。飽くまでも労組法関係諸法規が優先法である。この優先法の枠の中において処理せらるるものであるということが述べられたのでありますけれども、近く改正を予定されておりますところの労働法規におきましても、不当労働行爲というものの解釈が極めて不明瞭であるということは、衆議院における各証人の発言にも非常に明瞭に指摘されておるところでありまして、若し一歩を誤りますると、こういうような法案ができまして、そうして優先法である労働諸法規に相当大きな圧迫を加えるような点が出て來るのではないかという点を疑議するのでありまして、この点につきましても、もう少し明瞭にそういうような点について、取り上げて置かなければならないのではないかと思うのであります。  要するに以上挙げました四点の反対理由は、結局この鉱山保安法の不備な点を指摘いたしたのでありまして、そういう点を更に研究、檢討しまして、そうして眞に日本の鉱山の封建制を打破しつつ鉱山の保安を全ういたしまするようにしなければならないと思うのであります。以上挙げまして反対の理由といたします。
  6. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 本員は政府提案の鉱山保安法案に対して賛成の意思を表したいと思います。その理由といたしましては今日のこの鉱山労働者に対する危害というものを考えるときは、一日も速かに本法の成立の必要であることを痛感いたします。尚且つ鉱物資源等の開発につきましても、今日程急を要するときはないと思いますからこの法案を成立せしめることの必要を痛感するものであります。尚この法案の中に織込まれたる民主的の考え方等におきましても、山々の労働者なり技術人なりの意見を取上げられる機関が設置せられておるということは、やや前進したかのごとき観が見られるのであります。さような意味におきまして私は原案に賛成いたします。
  7. 山田佐一

    ○山田佐一君 本員は玉置委員の言われたごとく原案に賛成いたしものであります。反対の諸君の御説を承つて見ますと結局所管が商工省ではいかんのだ、労働省へ移すべきものだ。こういうことはいわゆる私から虚心坦懷に承つておりますと、或る種のイデオロギーに捉われ過ぎていないか。保安という意味は商工省へ行こうと、労働省へ行こうと、いずれへ行つても、保安という趣旨には私は決して所管を云々すべきものではないと思う。まして鉱山保安というものは労働條件だけではいかん問題であります。鉱業主の眞の責任を持つてやらなければならんと思います。そう意味におきましては商工省へ行くのが本当ではないかと思う。いずれへ行きましてもその爭いは別といたしまして、保安の意味におきまして、私は一日も早く玉置委員の言われたごとく本案の施行せられることを望みます。又保安委員会及び保安協議会の委員の選出及びメンバーにつきましては学識経驗者、私はそれで結構だと思います。労働條件の向上とか或いはそういう方の面におきましては、労働省所管において十分にその方の意見の開陳もあり、実施もできることであろうと思いますので、本案の一日も早く通過ずることを希望いたしまして原案に賛成いたしますものであります。
  8. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 私は本案に反対するものであります。その理由は本案は鉱山労働者の保安を確保するように述べられておりますけれども、実際は保安についての責任は、鉱業権者にあるのは勿論であるけれども、鉱山内外における安全についての勤労者側の意向というものは、十分に取上げられるように保障ができておらん。それでこの案全体を見ますというと、結局名は美しいが、勤労者の労働強化になるというより外ないのであります。先程から保安事務がどの省に監督されるかというような問題については議論でありますけれども、それは大したことでなしに、むしろ労働者の保安が現実にどう確保されておるかという点にあると思うのであります。それを確保されていないから反対するものであります。その他の理由については私ここで述べません。以上であります。
  9. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 他に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。鉱山保安法案を原案通り可決することに御賛成の方の御挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  10. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 多数を認めます。よつて本案は可決決定いたしました。  尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、これは委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 御異議なしと認めます。委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名     玉置吉之丞  佐伯卯四郎     小杉 繁安  境野 清雄     平岡 市三  阿竹齋次郎     駒井 藤平  廣瀬與兵衞     山田 佐一
  12. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 署名漏れはございませんか。署名漏れなしと認めます。   ―――――――――――――
  13. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 次に臨時鉄くず資源回收法案、予備審査のための議案、これを議題といたします。  前回政府側から提案理由の説明は聞いたのでありますが、尚当局として敷衍して説明を要することがありましたら、この際にお話し願います。
  14. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 鉄くず回收をどんなふうにやるかという問題につきまして簡單に御説明を申上げたいと存じます。その前に現在の日本の各地に屑にしてよろしいようないわゆるくず化物件というふうに私共申しております。これがどの程度あるかという問題でございますが、この問題につきましては、実は昨年の八月十五日現在で調査をいたしまして、精細な調査がございまして、どういう地点にどういうふうな形で……。くず化物件と申しますのは、戰災で燒けました建物、艦艇、沈沒いたしました艦艇、商船など、老朽の機械、器具というような分類になるのでございますが、どういうような形でどこに幾らあるか、その所在者は誰であるかというような精細な調査ができ上つておりますので、これを基礎にいたしまして、くず化物件の回收をいたしたいと思つておる次第であります。  尚二十四年度の鉄の生産計画は、御承知のように、鋼材で百八十万トンでございますが、このためにいわゆるスチールのスクラツプが百八十万トンばかり、その外に全部で約二百万トンの銑鉄と百八十万トンのスクラツプを原料といたしまして、鋼材百八十万トン計画をやる、鋼材の百八十万トンの外、特殊鋼は十一万トンというふうにいろいろ細かい計画がございますが、大体そういうふうな計画を完遂いたしますために、スクラツプについて申上げますと、百八十万トンの中で約四十万トンのものを、ここにいうくず化物件を解体いたしまして、ここから出ます鉄くずを充当して参りたい、かように存じておる次第でございます。そこで大体調査ができ上つておりますので、この法律にございますようにどういうものがいわゆるくず化物件であるかということは、商工大臣が指定をいたします。これは先程申上げましたように具体的に分つておりますので、一應その調査を基礎にいたしまして指定をいたします。一方このスクラツプを所在いたします各方面の業者、大きいところは日鉄、鋼管その他いろいろの段階の業者がございます。それから小さい方では、いわゆる伸鉄業者或いは特殊鋼業者というようなものに、この特殊くず化物件を受取るために必要な切符を渡すことにいたします。そういたしましてこの切符を渡す際には、勿論会社別の生産計画を基礎にいたしまして、例えば日鉄で申しますと、現在のそれぞれの工場にいろいろスクラツプが幾らあるかということを勘案いたしまして、余計あるところは少なくして、非常になくて困つておるところは余計やるという操作を加えまして、一方においてくず化物件としてこういうものをやる、一方におきましてこれこれの業者はそのくず化物件を受取る資格あるということにいたしまして、そうしてこの両者の間で自由な協議をいたしまして、話のまとまつたところで、今のくず化物件が解体されて屑になる、こういうようなやり方をいたしたいと存じております。從いまして戰時中にいわゆる金属回收というものがございましたのですが、その場合のやり方とい番大きく違います点は回收機関というものを、あの当時で申しますと金属回收統制会社というものがございましたのですが、そういう一元的な回收機関は使いませんで、只今申しましたように、くず化物件を受取るための切符を貰つたものがそれと自由に交渉する。只今鉄くずの公定價格がございまして、熔鉱用が二千百円でございますが、その他上物もございまして、平均トン当り二千五百円ぐらいの場合が多いようでございますが、その場合におきまして解体の費用が仮に千円ということにいたしますと、くず化物件の所有者は千五百円の解体費用が掛ります。千五百でありますれば所有者で以て受取るべき金は千円である。大体そんなようなことになりまして、相互の間で協議をしてやつております。なお御承知のようにくずの中にはいろいろな種類がございまして、熔鉱用が一番いい。伸鉄用でありますとか、或いは直接農器具に使いますとか、或いは簡單な車を作るとか、そういうような用途に廻す場合はそれぞれ高い價格になるわけでございます。そのために從いまして、或るくず化物件のAという業者は二千五百円で買うといたしますと、Bという業者は三千円で買うという場合があると思うのであります。そういう関係で持主みずから一番有利な態勢でそれぞれ処分できる。同時に國家的に申しますと一番経済的な方法でそのくず化物件が処理される。そういう点を狙いまして只今申上げました法方において、自由クーポンという思想のやり方でやつて参りたい、かように存じておる次第でございます。  なお戰時中の場合と違いますもう一つは、戰時中におきましては不用不急品というような観念を設定いたしまして、不用不急のものは只今申しましたように、一元的な回收機関に強制的に出させられたのであります。不用不急という非常に曖昧な回收の範囲のはつきりしない言い方でございましたが、今度は現在において、すでにその用途に供しておらない、將來においてもそういう本來の用途に供し得る見込がなく、それから経済的に見まして、くず化した方が一番國家的に見て有効であろうというような諸点を考えまして、具体的にどこにあるものを指定するというようなやり方をいたしておる次第でありまして、そういう点が戰爭中のいわゆる総動員法によりますくず化の回收と非常に違う点であると存じております。それから財産権の保護という点が議論になると思うのでありますが、この点につきましては、指定の場合におきまして異議の申立という手続を認めまして、例えば戰災で燒けて鉄骨だけの建物になつておるのを、商工大臣が一應くず化物件と指定したのであるが、実はそこに屋根を作り、そのうちにいろいろな物を入れて活用しておる場合は、異議の申立の機会を與えるというふうにいたしたい。なお先程申上げましたように当面の問題といたしまして、できるだけ所有者に有利な対價が所有者に入りますような方法を構じております。かような点でありまして、できるだけ持主の保護ということを考えて参りたいと存ずる次第でございます。一應この程度を申上げて、御審議頂きたいと思います。
  15. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 御質疑を願います。
  16. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 只今のは、現にくず化の対象になる工作物なり、艦船なりをどうするかということが問題になつておるようですが、終戰後、特殊物件の金属、非鋲金属を回收して、それを適当なところに配当せられたわけでありまして、その間において不明朗な事件も持ち上つて衆議院の問題になつたことがありますが、その結果、現在私の承知しておるところでは企業の合理化或いは工場閉鎖その他によつて、各工場で現在くず化しておる物件、いわゆる鉄くずが殆んど使用の見込もなく、そのままで各工場に放置されておる。或いはそこの工場の生産計画とマツチしないような厖大な量が、貯藏されておる。そういうものを沢山見受けるのであります。併しそういうものを鉄鋼の需給計画確立の上において、この本案の趣旨に則つて、なんとか処理しなければならんと思いますが、その点はどういう工合になつておりますか。そういうような数量がどのくらいあるか、こういつたことをお調べになつて数字があつたら伺いたい。
  17. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) このいわゆるくず化すべき物件の他に、鉄くずそのものの全般を統制した方がいいかどうかという問題につきましては、いろいろ御意見がございまして、是非統制して呉れという向きもあるのでございますが、御承知のようにくずの統制という問題につきましては、有効な統制を実施し得る手段方法が非常にむずかしいのでありまして、そこで全般的な問題といたしまして、この屑そのものを統制するということは、この法案におきましては考えておりませんのでございます。お尋ねの屑がどの程度あるかという問題でございますが、昨年の八月、この資料は多分お配りしてあると存じますが、昨年の八月十五日現在で、三百三十万トンの屑並びにくず化物件がございまして、これは先程申上げましたように、それぞれ具体的に調査をいたしました結果、そういう数量が出たのであります。そのうちでいわゆるくず化物件と申しますのは、九十万トンでございます。從いまして八月の当初におきましては、二百四十万トンの屑があつたという勘定になるわけです。そのうち二十三年度におきまして、大体五十五万トン程度が、八月十五日以降二十三年度におきまして、五十五万トン程度の消費をいたしております。尚その外にその二百四十万トンのうちには銑の屑でありますとか、或いは特殊鋼の屑でありますとか、そういうものでございますので、そういうものを差引きますと、本年度に持越されます分は大体百万トンということになるわけでございます。但しそのうち四十万トン程度は、いわゆるランニング・ストックとそういうことにして行くということになりますので、本年度において鉄鋼業者が使い得る屑で、すでに屑の形になつておりますものは、一應六十万トン程度、この外に、御承知のように毎年ずつと出て來るもの、製鉄工場なり、或いは外の工場なりで発生いたします屑、これは又今後毎年ずつと出てくるわけでございますが、これが大体二十四年度におきましては、八十万トン程度ある。この八十万トンと六十万トンを足しまして、これが百四十万トンになるわけでございますが、先程申しましたように、本年度の生産計画にマツチいたしまする鋼くずの必要量は百八十万トンでございますから、大体四十万トン程度のものが、今年度新たに必要なくず化によつて供給をいたさなければならない。計数的にはこういう関係になるかと存じます。で只今工場等によりましては非常に余計に持つておる、それから或いは要らない所にある、或いは不要で使わないような状態で、放置されておるというような点を御指摘になつたのでございますが、そのうちで使い得る工場、その他使うべき工場に少し余計にやり過ぎるという点につきましては、今度はくず化物件の配分の際に、これを調整して参りたいと存じております。それから元平炉を持つておつたけれども、その平炉が働いておらない、又近い將來に働く見込もないというような所にくず鉄が相当にあるというような事実もございますが、これは過剰在庫活用規則というものがございまして、先程申しましたように全般的な屑の統制はございませんけれども、そういう特殊なものにつきましては、大体そこにありますものは、そのうちで不要なものは産業復興公團に讓渡させまして、そこから必要な方面に適当に配分をさせる、こういうことに相成つております。  それからもう一つ只今の御指摘の中にあつたと思うのでありますが、例えば戰災で燒けました亞鉛鉄板の屑でありますとか、或いはダライ粉のようなものでありますとか、何か、ちよつとうつちやつて置くとそのまま腐つてしまうというような感じのするものもございますが、そういうものの有効利用につきましては、只今のプレスの設備等を極力活用いたしまして、これも腐らさずに極力有効に使うということに指導をいたしたいのでありまして、だんだん効果を上げて行くというふうに考えております。
  18. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私さつきいろいろなことを申上げたので、ちよつとピントが外れたかも知れませんが、一番お聽きしたい点は、このくず化回收をやるために法律の力を以て、対象になつた所有者が不本意である場合には、一應異議の申立てができるようになつておりますけれども、これはやはり審議会にかかる結果で、本人の意思が完全にいつまでも通るとは限らない。相当曲げられる点もあると思うのであります。そういう強行的な措置を百八十万トン計画挙行のためにやらなければならない。又遊休物資を集めるという意味は分りますけれども、その前にやはり一番やらなければならないのは、終戰後のあのどさくさに紛れに相当多量のくず鉄を所有しておる工場が相当あるわけでございます。而もそのストックを持つてするならば、相当長い間、現在の場産を息けて行くのに支障のないような材料を持つておるところも私はあると思うのでありますが、そういう場件に、今政府の説明では、そういう所には今後の割当において調整すると言われましたが、暫く割計をやる必要がない所もあります。而もその外しくらい回收しても十分やつて行かれるというような所もある。而もそういう所は非常に安い單價の材料を持つておるわけでありまして、これは製品の原價計算から言つても、今後不当な利益を占めて行かせるということになる、材料関係ではこういうことにもなると言えるわけであります。ですから片方で國の法律の力を以てくず化の回收を強行するならば、それと同時に並行して、今非常にアンバランスの状態で、鉄くずが各方面に散在しておるならば、それもやはり或い一定の基準の下に整理すべきでないかというのが私の意見なんです。
  19. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 先程申上げましたように、この特定の工場につきまして、非常にあり過ぎるという点に関して、適当な是正の方法を講ずべきであるという御意見につきましては全く同感でございまして、先程申上げましたように、過剰在庫活用規則というものがございまして、これは物資需給調整法に基く省令でございますが、これによりまして、先程申上げましたように、復興公團に讓渡命令を出しましたものが相当ございまして、今日までにそういう方法によりまして、この数量が余計にあり過ぎる所から、或いは不要に持つておる所から、外に廻したという数量につきましては、大体五万トンということに相成つております。今後におきましてもそういう事実がございますれば、鉄くず全体の統制ということでなしに、そういうような別の方法によりまして、局部的に不均衡な点を是正いたすということにやつて参りたいと存じております。
  20. 山田佐一

    ○山田佐一君 今の問題に関連するわけですけれども、いわゆる物資需給調整法によつて過剰在庫の処分をなさる。物資需給調整法では、一ヶ月の所要量の三ヶ月分以上を所在することを得ずとか何とかしてあつたような氣がいたします。実情においては三ヶ月分ぐらいの保育ではとても廻つていかんと思います。今度の活用せられる指定工場が、本当に規則通りに行くというと、この上回收を貰う権利が殆んどないだろう。そういたしますと、臨時物資給需調整法の根本を変える意思であるかどうか。法律を勝手にやつては、業者は又貰つた屑を物資需給調整法で、過剰ストックではないかと言われて吐き出さなければならん。法律を余り幾つも出されておるから、業者はいろいろ迷惑をするのですが、御当局の見解はどうでしようか。その辺のところを……
  21. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) どの程度以上を過剰とみなすべきかという問題につきましては、これは商品によつて何ヶ月分以上というのは違うようでございまして、鉄くずにつきましては、大体半ヶ年分ということにいたしております。まあ御指摘のような心配は実際上は余りないのではないかと思います。
  22. 山田佐一

    ○山田佐一君 それはないとおつしやるのは屁理屈でおつしやるだけで、現在の今の需要では一ヶ年百八十万トン、そしてこの寄せたものが八十万トンに六十万トンで百四十万トン、半ヶ年なら九十万トンで結構です。現在今のあなたのおつしやるうちにでも、百四十万トンの回收をしようではないかと言われるのだから、私はくず鉄は半年分くらいでは本当は当業者は不安に感ずると思います。特に余計見て半ヶケ年分で、大体のものは三ヶ月であるのですから、こういうふうなものを根本的にもう少し変えて、或いは一ヶ年分にするとか、今の御計画になるのが一ヶ年ですから、一ヶ年分くらいのくず鉄の保有を認めることにしなければなけないと思いますが……
  23. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 御指摘の点につきましては御尤もな次第と存じますが、ただこの規則が動き出しまして、段々各工場でくず鉄が具体的に手に入るという時期におきましては、原則としてそう多量の過剰在庫とみなすべきようなくず鉄はないように……。時期が段々ずれて消費して参りますので、そのように存じておりますが、尚半年で、まあ法律を嚴格に施行いたしますというと、半年では不適当だということがございますればよく研究いたしまして、適当な処置を取りたいと思います。
  24. 山田佐一

    ○山田佐一君 まあ大体はその辺で了承いたしましたけれども、もう一つ今日の新聞で見ると賠償撤去が中止になつて、中國に出すのが止めになつたようなことが新聞に出ておつたのですが、今まで賠償撤去として指定せられておつた工場なり何なりというものは、賠償撤去されるというと、不必要なものになるというのが原則であつたけれども、賠償撤去は中止せられて、そのままに保有を許されるとすると、このものは不用物資でなくなると思いますが、その辺に対する御見解はどうですか。一遍承つて見たいと思います。  それともう一つ、この際商工省として或いは外務省の関係かも知れませんが、政務次官もお見えになつておるますから、あの賠償撤去というものは確実に――確実ということはまだ言えませんけれども、新聞によつては決めたというのがあるし、まだ決らんというのもあります。その辺の見通しを何ぞ聞かして頂きたいと思います。係が違うかも知れませんが……
  25. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 只今の御質問はくず化の問題に関係していると思うのですが、賠償が撤去になりましても、不用とみなすかどうかという問題には、実はそれ程関係がなかろうかというふうに存じております。と申しますのは、指定工場といたしましても日本の立場から見まして、動かさなけれどならんようなものは大体において動いておりまして、鉄工場、製鉄工場につきましては、廣幡工場などが問題になつておるだけでありまして、賠償解縄の問題と不用、無用の意味でのものとは、それ程直接の関係はなかろうかと一應存じております。
  26. 山田佐一

    ○山田佐一君 直接はないかも知れませんが、この商工委員会としてはあの問題とは非常に関係があるので、幸いにその辺に対して今御見解があれば一つ伺つて置きたい、こう思つております。
  27. 小林英三

    ○政府委員(小林英三君) 賠償の指定解除の問題につきましては、本日の新聞、昨日のラジオ等によりまして報道されましたが、いずれ商工省といたしまして、はつきりしたこちにつきましては、近いうちに本委員会において御説明申上げたいと思います。
  28. 山田佐一

    ○山田佐一君 成るだけ早い時期に一つお願いしたいと思います。
  29. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これはちよつと政府の方でお答えになるのは困難かも知れませんが、お分りになつておる程度でお答え願いたい。くず鉄が海外に相当去年などは輸出されておりますが、ああいうものを今後もやはり必要があるかどうか。それから日本のスクラツプを輸出しなくとも、相当多量に海外にもあるように私共は見えるのですが、実際に海外に余りないのか、その辺の実情ですね、そういうものを一つ伺つて置きたいと思います。
  30. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 只今御指摘のように若干のスクラツプを海外に出しましたが、これは特殊鋼関係のスクラツプでございまして、國内では使用ができないというような認定をいたしましたものについて、若干のものが今日まで輸出いたされました。今後の見込といたしましては普通鋼、簡單に申しますと、國内で使用の余地のあるスクラツプを海外に出すということは政府といたしましては考えておりません。それからG・H・Qがどういう方針を持つかということが、この際重要な関係がございますが、G・H・Qにおきましても、國内のスクラツプを極力活用するように、尚でき得れば、鉄鉱石や、原料炭の輸入を止めてもスクラツプの活用で補つた方がよいというような、非公式のメモをこちらに寄越しておるような次第もございまして、G・H・Qの方針といたしましても、國内で使い得るスクラツプを外國へ持つて行くということは考えていないように了承いたしております。尚最近アメリカ方面でも御承知のように、大分スクラツプの値段をどんどん下げて來ております。そういううような関係から考えても、日本で使い得るスクラツプを向うにスクラツプの形で持つて行くというようなことはないように考えております。それからスクラツプの國際的なと申しますか、需給の関係の問題でございますが、要するに戰爭によりまして鉄材の厖大な量が海底に沈むとか、要するに回收不能になりましたので、非常に不足だということに從來言われておりましたのでございますが、御承知のように二月なり、三月なり前からそれ程でもないということになりまして、特にアメリカにおきましては段々相場が下りつつあるというようなことを考えて、私共実は余り眞相をよく掴んでおりませんのでございますが、ただ今日までの状況といたしまして、アメリカのスクラツプを日本に持つて來れるという状況が、そう間近には來ようとは思われないというような程度に只今認識しておるような次第でございます。
  31. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それからもう一つ最近企業合理化によつて、各所に工場閉鎖がどんどん起きておりますが、例えば只今企業合同で以て数工場、十数工場持つておる場合は、そのうちの過半数は工場閉鎖になる。こういうのが各所に現われておりまして、而もその工場閉鎖したものは、どんどん他の産業に賣却して、そうして業種轉換をやるというようなことが起きておる。從つてその工場の建物なり、設備なり、或いは工場のスクラツプのようなものが、どんどん業種轉換のために整理の運命にあるわけですが、そういうような整理処分と、この鉄くず資源回收法との関係はどうなるのですか。完全に向うの工場閉鎖、或いは整理処分の自由裁量に任しておるのか、或いはこの資源回收法を適用して回收するのですか、その点を伺いたいと思います。
  32. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 只今くず化物件として指定いたすように考えておりますのは、戰災のもの、或いは破損いたしましたもの、老朽いたしました機械、そういうように一應考えております。從いまして只今のお話の企業整備で止めた工場そのものをくず化するというような問題につきましては、これはそういう必要が段々起つて参るかと思つておりますが、一應対象外に置きまして、今後どんどんくず化物件もなくなるような関連もありますので、それにつれましてそういうような問題も檢討いたして参りたいと存じております。尚そこに若干のスクラツプがあつたといたしまして、それをどこに賣るかというような問題につきましては、統制をいたしておりませんし、今後も統制をいたす意思は現在のところ持つておりません次第であります。
  33. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうすると私が先程から申上げておるように、或る鉄鋼があつて、コンストラクションがあつて、それを何らかの用途に活用をしたいというような事業主があつた。その人がたまたまこの回收法にかけられて、異議の申立をした。ところが、これはなかなか実際問題としてその撤回は私はむずかしいと思う。そういうふうな工合にせつかくその企業をもくろみ、そうしてその建物を鉄鋼を利用してやろうというような、積極的な企業者があるにも拘わらず、それが曲げられて抑えられて行く。そうして一方にそういうものの代り資源として、今申上げたような工場閉鎖が行なわれて業種轉換がなされて、実際上にも不必要になる。そういうような屑資源が自由にどこかへ流れて行くということになれば、國の鉄鋼生産計画遂行の上において、最も安易に資源を取り得るところを逃がして、そうしてむずかしいところから強行して取るということになるので、やはり私は好ましくないので、そういうものはこの資源回收法に入れて、やはり現実にスクラツプがあつて簡單に回收できるものならば、そういうものを対象にしなければならないのじやないかと思いますが、その点如何ですか。
  34. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 現にスクツプの形であるものと、くず化すべきものと二つあると思いますが、要するにどこに行くを問わず、一應有効な方面、つまり製鉄業、或いは機械器具というような方面に流れると思うのであります。殊に只今のところでは非常に價格が低位に抑えられておりますので、スクラツプの回轉という点から申しますと若干問題があるのでございますが、將來はこれらの点が若干是正されるようなことにならざるを得ないと思いますので、そういたしますと、くず鉄の有効な利用という点から申しますと、必らずしもどこどこにある、百トンのものをどこにやるということを考える必要はなかろうというふうに存じております。  それから不要になつた建物その他をくず化すべきかどうかという問題ももう一つあると思うのでありますが、その点につきましては、一應この四十トンに該当いたしますもので、調査のできておりますものがございますので、それを先きにやるというふうに考えておる次第でございまして、今後そういつたような方向で全く不用になつたものがございますれば、そういうようなものも、だんだん考慮に上して参らなければならんということは、当然考え得ると思うのであります。ただ順序といたしまして少し後廻しに考えて参りたい、かように存じておる次第でございます。
  35. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと、十二條に必要な命令を商工大臣はすることができる、となつておりますが、その中で割当讓渡命令が一旦出たものに対しては異議の申立てができないことになつております。これは第四條で一應異議の申立てができるような形になつておりますけれども、私が先程から問題にしておりますように、異議申立てをしたならば、どういうような状態のときにはそれが採り上げられて指定が取消しになるのか、その辺の凡そのめやすはつけておられるのですか。
  36. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 具体的にいろいろの場合があるとは存じますが、一番問題になります点は、先程から御指摘になつておりますように、くず化すべきか、或いは他の用途にそのまま使うべきかという点が一番問題になると思うのであります。只今スクラツプの價格が安いという点もございますが、大体の空氣といたしましては、当面何に使うという当てはないのだけれども、成るべく取つておきたいというような氣分が相当にあるかと思うのであります。そういう点がこの法律の必要な一つの理由になつておるのでございますが、要するに近い將來に何かの轉換の見込みがはつきりしておる、最初政府が指定いたしましたときには、余り使えなかろうと思いましたものが、近い將來には何らかそれに轉換して活用する方途があるのだということがはつきりいたしますれば、そうして同時にそうすることが大局的に見て有利であるということになりますれば、指定は取消すというようなことに考えておる次第でありまして、指定の取消しという場合を想定して考えて見ますると、そういう場合が一番多かろうと考えております。
  37. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 この法案が通りますと、処理して收回をして行くのですが、その場合國有になつておるものを先にするのですか、又民間の物件から先にして行くのですか、その方針が決まつておるのですか。
  38. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 國有物件の中に、相当に大きい量のくず化したらよいのじやないかと思われるような量がございます。私共の方の見解では、大体十五六万トン乃至二十万トン程度のものがあるのじやなかろうかというふうに存じております。大藏省ともいろいろ話をいたしまして、そういうものをくず化資源として活用するのであるという國の態勢の整備と相俟つて、いろいろ國有物件の中でくず化すべきものを相当積極的にやろうというような話になつておりまして、殊に最近閣議決定になりました不要の國有財産を、全般的に拂下げたらよいじやないかというような話もございまして、それが眞先にくず化に入るべきものと思います。そういうつもりで大藏省もおりますし、私共もおのでございますが、どこを先にということは実はございませんので、両方併行してやつて行きたいと思います。
  39. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 現内閣の方針としては、政府の持つておる不要の物要はできるだけ金に替えるというような閣議決定になつておるようですが、私は政府の持つておる物を先にすべきであるということを考えておりますが、この点をどう考えておられますか。
  40. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) お話のように、國有物件について相当積極的にやろうということは、そうじやないと困ると思うのでありまして、大体國有財産の場合もそういうつもりでおります。ただ今度のやつは全般的に申しまして、工場なり持主から見ましても、持つておつて困る、生産もできない、たまたまこういうことであればやつてもいいというような、先程から御指摘がございましたようにくず化すべきかどうかということについて、論議のやかましくなる問題もあるかと思いますが、くず化した方が株主にとりましても、それ程損じやない、却つてよいというような場合もあると思われますので、國有物件について相当積極的にやると同時に、この民間の物件につきましてもやつて参りたい。殊に只今調査のできております四十万トンは、これは持主が見ましても、これは大体くず化すべきものであるという認定をいたしましたものが主でございます。両方を併行いたしまして、同時に國有財産の方も積極的にやるというようなつもりでやつております。
  41. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 これはくず鉄の價格というものは大体決まつておりますか。
  42. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) くず鉄になりましたものの價格は決まつております。物によつて違いますが、溶解用のものはトン当り二千百円、それからそのままで伸鉄材料にいたしましたり、或いは場合によりましては農機具の材料にいたすというようなものもございまして、五千円から九千円というように、いろいろの段階がございます。平均いたしましてトン当りにいたしまして、二千五百円から三千円という工合になつております。
  43. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 実例を申上げるのですが、大きな塊まつたもので、非常に運ぶために、建物の組立てたものであるとか、或いは大きな塊まつたもので、これを解体しなければならんという、嵩の大きなもの、そういうものはそれを解体するために、非常に費用が要るということになつて來ると、くず鉄の値段と見合せたら解体料が高くなるというようなのはどこが負担するのですか。
  44. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 只今御指摘になりましたようなものが相当あるのでございます。嵩が大きいとか、解体しにくいというようなものの例といたしましては、沈沒いたしております艦艇、これはくず鉄の量は二十八万トン程度の調査のできたものがあるわけでございますが、そういう特に金のかかるものにつきましては或る程度までは價格の引上げで行く。或る程度以上のものにつきましては國庫の補助というようなことが問題になつて來ると思います。差当りは現在の價格で、且つ國庫補助なしに行き得るものが四十万トンの中で二十四、五万トンぐらいは、そういうものがあるだろうということを考えまして、一應スタートいたしましたわけでございます。大体むずかしいものをやりますると、價格の引上で行くか、或いは消費者負担で行くか、或いは一種の補給金のような形で行くかというようなことをもう一遍よく考えて決めなければならない。こういうことになつておるわけでございます。
  45. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 そうすると、損失を補償するということになれば、政府が直ちに金を出さなければならんわけですが、その予算はどうなつておりますか。
  46. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 内幕を申しますと、日本側といたしましては、只今お話のございましたいわゆる補償、價格補償に充当するような予算を若干認めて貰つたのでございますが、これがG・H・Qの方に参りまして、どうしても向うがうんと言わない。その考え方はむしろ價格の引上げで行くべきだと、こういう見解のようでございます。從いまして現状におきましては、そういう予算は事務費を除きましてはないわけでございますが、先程から申上げておりますように、二十四、五万トン、四十万トンのうち六割ぐらいの数量は、現在の價格で特別の補償なしでやつて行けるだろう。こういう見通しでおりますので、まあ半年なり十ケ月やつて見ましたときに、もう一遍價格の引下げで行くべきか。或いは國庫補償のやり方で、價格の据置で行くべきかという問題をもう一遍改めてよく考えて方策を決めなければならないと考えるのであります。
  47. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 一体政府の支拂いというものは遅れがちになつて、皆困つておるのですが、こういうものを仮に予算がないのに艦船を引上げるというような仕事を民間の人間がやつておる。予算もない。金も呉れんものをちよつと誰もそれをやるということはできないだろうと思います。値段もそのときの状況によつて引上げるというようなことを言つても、それを目当てにこんな仕事をする呑氣な男もいないと思う。こういう法案を出して沈んでおる艦船などを引上げる。これは勿体ないから引上げる。こういうものを腐らして置くのは引上げた方がいい。それには積極的に損失を補償する金を、これだけあるのだからやれというのでなければ、この法律があつても空文に終るのではないか。その点一つ……。
  48. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 只今申上げましたように四十万トンのうち政府の補償なり、或いは特別價格を認めるということでないと、どうにも動きの付かんものがございます。でございますからそういうようなものにつきましては、只今申上げましたようなそういう特別に処置が決まるまでは、実際問題として手が着かないということになるわけであります。但しそれ以外のもので、くず化が促進されるものが相当ございますので、そういうものからだんだん手を着けて行くと、こういうふうに考えております。
  49. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 この第十四條に罰則の規定がございますが、第三條、並びに第十二條に違反した者は十年以下の懲役又は十万円以下の罰金と、相当苛酷な罰が書いてあるが、これはどこから割り出して來たものか。外の制裁から見ると相当重いように思う。余り例のないような重刑だと思う。
  50. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) この罰則の程度につきましては、実は物資需給調整法その他いろいろの先例がございまして、それと大体調子を併せてやつておると、こういうことになつております。
  51. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 そうすると、この法案が通りますと、政府が何か審議会の議を経て此処の建物、此処の不要物と、民間の物を指示するわけですか。
  52. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 政府が指示をいたすわけでございますが、審議会に附議いたしますのは、それに対して異議の申立があつた場合に、この審議会に附議して取消すかどうか決める、こういう逆のやり方に参るわけであります。
  53. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 そうすると、屑であるということを認めるのは、やはり政府の係り官がやるわけですか。前刻栗山君から御意見が出ておつたようですが、くず化せんで、そのまま使つたのがいいじやないかというような問題が起れば、これは審議会にかけるが、それでなければ政府の係り官がこれとこれはくず化せいというふうなことを命令を発するのですか。
  54. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 当面にやりますものは、すでにもう持主が自分でこれはくず化すべきものだというふうに申告いたしました調査がございますわけでございますから、それを基礎にいたしましてやつて参ります。こういうふうに考えております。
  55. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 くず鉄に指定されて異議を申立てますね。そのときに申立てた者が審議会にかかると、そのとき出席して主張するが、その場合自分の主張が枉げられないというような場合どうなりますかね。
  56. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) この審議会に附議をいたしまして、そこで却下になるという場合におきましては、一般の司法の手続によりまして裁判所に出訴できるような形になるわけです。
  57. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 そうすると、所有者というものは余程煩雜な手続もやらなくちやならんし、大分所有権というものは侵害されるということになりますね。  それから又指定だけをする。この値段のことなんか問題にならないですね。
  58. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 價格が、先程申しましたようにくず化いたしましたものの價格が決つておりまして、それで從來この法律が施行されます前に若干、ほんのぽつぽつでございますが、いわゆるくず化物件の解体が行われております。その場合、普通の場合は解体の費用を差引きまして、大体この所有者の手取になりますものが七、八百円からまあ千円くらいというふうなことになる場合が非常に多いようでございます。
  59. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 そうすると、値段は誰が決めておるのか。その値段が押付けられるようなことになりはしませんか。
  60. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 値段は先程もちよつと御説明申上げましたのですが、そのくず化物件を買い取る者と、それからその所有者とが相談して決める。その場合に持主の手取がいくらになるかということは、つまり工作費が非常に余計にかかるかどうかということにも関連いたして参りますでしようし、それからできたスクラツプをどういう用途に使うかという点によりましても違つて参ります。例えば五人なら五人の買手があるといたしまして、それぞれの買手がスケールによつて皆違うと思うのであります。その中で一番有利なところへ持ち主としては賣つてよろしい。場合によりましては非常に解体の手数が少なくて済むというようなことで、使用者が自分で解体して屑にして賣りたいというような場合におきましては、所有者が自分で解体をするということも認める、こういうふうな構想になつております。
  61. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 もう一つ伺いたいのですが、先程くず鉄の輸出というものは余り行なわれないというような話であつたが、さて、くず鉄を使つて鋼を造るでしよう。それの輸出というものは相当大部分出るらしいが、それはどうなんですか。
  62. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 昨年度におきましては、大体六十五、六万トン程度の鋼材なり或いはくず鉄なりというものが輸出されました。本年度におきましては、六十万トン程度、その中で鋼材のままで輸出いたしますものが半分、それからいろいろな機械、或いは船舶、車輛というような製品にして輸出いたしますものが後の半分、こんな計画になつております。
  63. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 それは大体どこの國へ輸出する予定なんですか。
  64. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 輸出先はどこということは計画上決定はいたしておりませんが、やはり一番有利に買うところへ賣るという方針でございます。從來輸出いたしました先といたしましては、フィリッピン、マライ、それから香港方面、それから南米等にも若干出ましたのでございますが、インドその他あの辺に輸出してございました。相当な廣汎な地域に出ております。
  65. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 先程の細川委員の質問に関連して、その賣り手と買い手の話が纒まらないときに、商工大臣はどういう処置をするというわけでございますか。
  66. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) できるだけ当事者間の話合いでやらすということを眼目にいたしておる次第でございますが一番最後にどうしても賣らないという場合におきましては、これは滅多にやらないつもりでございますが、強制的に賣渡さなければならないというような命令を出し得ることになつております。
  67. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 罰則が伴なうことになるのですね。
  68. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) そうであります。
  69. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 大体この法案を審議いたしました結果明らかになつたことは、價格が非常に不合理な決め方をされる虞れがあるということ、それから回收するのにその回收費がいろいろな段階が出て來る。而も國家補償が決まつていない、價格にどれだけを折り込むかも決まつていない。それから終戰後の状況からいつて、回收するにしても戰中時のようなああいう強権発動でなくて、やはり異議の申立も認める。しかし最後の段階になれば、裁判沙汰にも持つて行けるというようなことになつておりますが、これも実際上不可能である。審議会は中央にしかない。まあどつちにしましても普通の外の法律のような工合にこの運用は私はうまく行かないと大体予想がつくわけですが、そういう法案に対して先つき玉置委員からも話がありました十四條以下の罰則というものは、相当嚴しいように思うのですが、こいいう罰則をこの法律に設けることは大体不穏当じやないかと私は考えますが、その点如何ですか。
  70. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 法律の適用がうまく行かんだろうというお話でございますが、一應筋道が通つておりまして、私共といたしましては、こういうことで一つのくず化物件として活用するのだという國家意思がはつきりなりますと同時に、一つの秩序が確立いたしまして相当に時を置いても使い道がない物を有効に活用する、それにより鉄の生産の昂揚というような意味合におきまして、相当これは役に立つていうように考えております。
  71. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それでも私は要らないものであるならば、國民も恐らく適当な値段と回收方法だけ決めれば、そう無理をしなくて出せるだろうと思う。そう大した数でもないので、そちらの方で出し得るようないろいろな前提條件が抑えられておれば、こういう罰則に問われるような事態が起きてこないと思うので、この資源回收の目標としておるところから見るならば、この罰則を若しなければならぬというようなことは、恐らくその前提條件から價格なり回收方法なりに、無理のあつた場合に相当大きな分野を占めるのではないかと私は思います。從つてこれを罰則でおどうして資源回收を促進するようなやり方ではなくて、もう少し出し易いように無理のないような工合に今質疑になつたような点をもう少し明らかにして、そうして罰則を設けるにしても、うんと軽くするというような措置を取るべきではないかと私も考えます。その点を一つ。
  72. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 罰則の問題につきましては、先程御説明申上げましたように、これは類似の他の法律の例にならつておりますので、大体この程度でやつて参つたがかいいのではなかろうかということになつております。
  73. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今法案の罰則を他の例にならつてやるとおつしやつたのですが、これは実に飛んでもない話だと私は思うのです。というのは、この前労働法規のときに問題があつたのですが、労働ボス排除というものが若しうまく行かなかつたならば、罰則を適用する、その罰則が極めて軽いので、それで連合軍の方の労働ボス排除のお考えから言つても、もつと強い罰則を行なうべきだ、こういう工合に主張いたしましたときに、当時の政府当局は他の法案との横の関連があるので、実際は重くすべきであるけれどもできない、こういうことを言われた。そういうことになると、法の本当の趣旨なんというものはどこかへ吹き飛んでしまつて、罰則という一つの横の均衡を取るために、全然無関係の刑罰が課せられる、これは飛んでもない話だと私は思うのですが、その点は如何ですか。
  74. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 実は罰則の問題につきましては、商工省とし申しますよりも、むしろ法務廳の問題に関連することが多いと思いますが、ここにございますこの決定は、法務廳の檢務局と相談いたしました結果出ている次第でございまして、一應適当ではないかというふうに考えておる次第であります。
  75. 廣瀬與兵衞

    ○廣瀬與兵衞君 実際問題としてどういう場合に起り得るのですか、そういうことは私は想像できませんが。そういう十万円の罰金とか十年以上の懲役というのは、実際の問題としてどういう場合が起り得るのです。
  76. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) どういう場合に適用するかということは、ここに書いてあるわけでございますが……
  77. 廣瀬與兵衞

    ○廣瀬與兵衞君 実際問題として、実際にそれを行なつた場合に、我々がその法律を守つて行かなければならんのですが、そうした場合に、どういう場合にそういうことが起り得るのでありますか。
  78. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) くず化物件として指定を受けたときに、切符を持つていない場合には勝手に賣れないという形になるわけでありますが、それを勝手にブローカーに渡すとか、それを勝手に流してしまうというような場合に、適用があるわけであります。
  79. 廣瀬與兵衞

    ○廣瀬與兵衞君 そうしたならば、それだけの價格があるものならば、自由に高く賣らした方がいいじやありませんか。
  80. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) その点は、一体この法律が何のために必要であるかという問題になると思うのでありますが、第一の必要性は、これは有利ならば賣るということもございますが、持主といたしましては、こういう方面に出したがらんという点もございますので、こういうような態勢を整えまして、くず化して有効に使つて行くのだということになるのでありまして、この点が第一点であります。  第二の点といたしましては、その場合に途中のブローカーの手に入るということを防ぐ点から、先程から御説明申上げておりますように、全般的な層の統制はいたしませんが、極力不均衡をならしながら、つまり有効なところに入つて行く、こういうふうなところが、第二点でございます。それから誰が見てもくず化すべきものであるということが明らかであるにも拘わらず、のみならず適当な対價を出してもどうしても讓渡に肯んじないというような場合には、讓渡の命令を出せると、この三つが目的でございます。
  81. 廣瀬與兵衞

    ○廣瀬與兵衞君 ブローカーの手に移つてはいけない程安く買うのですか。ブローカーの手に移つても、結局そのくず鉄が政府に行けばよいじやないか。
  82. 始関伊平

    ○政府委員(始関伊平君) 一番有効な用途に供し得る場所に成るべく直接に行かしたいと、こういう考えでございます。但し製鉄用その他非常に屑の需要がでございますので、そういう場合には信用のある鉄くず問屋を使うということも考えております。
  83. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今の御発言でロジックが合わないのですが、私は先程から何回も申上げておるように、現在工場で、その工場が閉鎖して要らなくなる、業種轉換をして要らなくなる、その工場の中には現にくず化しなくても相当なくず鉄があると、それを計画に載せるべきではないか。そういうものはどうせ國の用に立つのだから手を着けないと、こう言われたのですが、そういう工合に言われると、今の廣瀬委員の言われたことも尤もなことで、出さないということ田、経済條件が合わないのか、何かあるので、それを無理に強行するところが少し了解しにくいというわけなんです。この点はもう少し納得の行くように説明を願いたいと思うのであります。
  84. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  85. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて。お諮りいたします。本日はこの程度で本委員会は散会したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 小畑哲夫

    ○委員長(小畑哲夫君) それではこれにて散会いたします。    午後零時五分散会  出席者は左の通り    委員長     小畑 哲夫君    理事            山田 佐一君            島   清君            玉置吉之丞君            栗山 良夫君    委員            平岡 市三君            廣瀬與兵衞君            小杉 繁安君            境野 清雄君            佐伯卯四郎君            阿竹齋次郎君            細川 嘉六君            駒井 藤平君   政府委員    商工政務次官  小林 英三君    商工事務官    (鉄鋼局長)  始関 伊平君