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1949-09-09 第5回国会 参議院 建設委員会 閉5号 公式Web版

  1. 昭和二十四年九月九日(金曜日)    午前十時三十一分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○建設事業一般並びに國土その他諸計  画に関する調査の件  (災害対策並びに住宅問題に関する  件)   ―――――――――――――
  2. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは只今より建設委員会を開会いたします。  今日の案件は非常に重大な問題が多多ありますので、第一に災害対策、次に住宅問題、それからいろいろな問題を考えておつたのですけれども、政府からの出席の都合もありまするし、順序を変えまして、只今お見えになつておりますキテイ台風に対する氣象台の御説明を先ず伺いたいと思いますが、そういうことにしては如何でございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  3. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それではどうぞ。
  4. 和達清夫

    ○説明員(和達清夫君) キテイ台風の御説明を申上げます。御承知のようにキテイ台風は八月三十一日の夜東京附近を通りました相当に強い台風でありまして、而もその通つた路が京浜に近く少し西側、つまり台風といたしましては京浜に対して非常に條件の悪いところを通りましたので、相当の被害を生じたのであります。このように東京附近を通りますことは珍らしいのでありまして、過去三、四回しかなかつたものであります。この台風は、過去の例におきまして相当高潮、浸水等のものは起きるものでありまするが、今回は人力で防げないところはともかくといたしまして、非常に警報その他の傳達のよろしかつたように思います。そのために防ぎ得べきところは相当に防ぎ得たのではないかと思つております。この台風のことにつきましては、お手許に資料として差上げましたキテイ台風概況というこのものを見て頂きますと、これには氣象学上から見たこの台風、又その雨量とか、洪水とか、そのときの簡單な被害の有様、氣象台としまして出しましたところの警報その他の発表の状況、尚高潮の度合とかいうようなものがここに挙げられております。若しもう少しこの台風につきまして詳しく御説明を要しますならば、本日予報部長が見えておりますので、そちらからいたしたいと思います。
  5. 土佐林忠夫

    ○説明員(土佐林忠夫君) 私が中央氣象台の予報部長であります。今年は台風の襲來が非常に多かつたのでございまして、氣象台といたしましては十分注意をしておつたのであります。それでこの台風は二十七日マーカス島の東方に発生したものであります。台風の発生の位置といたしましては、普通の台風よりずつと北に寄つておるのでありまして、非常に珍しい台風であります。発生してから段々進路を西北にとつて來たのでありますが、二十八日の九時頃には、初めは非常に熱帶性低氣圧の程度のものであつたのでございますが、それが二十八日の九時頃には本格的の台風となりまして、そうしてキテイという名前がついたわけでございます。その頃からその径路が日本の東海道、関東方面を通る惧れがあるというようなことが、大体過去の台風の径路その他から推定いたしましてそういう見当を立てたのでありまして、氣象台といたしましては、警戒を嚴重にいたしまして、非常編成をとり、そうして時々刻々の台風の径路というものを注意して参つたのであります。それでラジオ、それから新聞に発表いたしましたのは二十九日の夕刻だと思つておりますが、この表が後に付いておりますから、御覽下さると分るのでありますが、大体八丈島附近を通りまして関東地方に上陸するだろうという見当を立てたのであります。それで三十一日には、朝刊にもはつきりと東京附近を通るという報道が間に合うようになりまして、それから各方面への警報その他も午前中のうちに十分に徹底したと思つておるのでございます。それから台風が段々八丈島方面から近付いて参つたのでございますが、一時間ごとの位置というものを細かに調べて発表して來たのでございます。  その径路を見ますと、これは後でお廻ししてもよろしうございますが、午後の四時、五時頃は大体伊豆半島の南方にあつたのでございますが、その進路が予想よりもずつと西の方に行つておりまして、その方向が伊豆半島をかすめて駿河湾の方に眞直ぐ向いて、なかなか轉向しなかつたのでございまして、私達といたしましてはもう少し早く轉向すると思つたのでありますけれども轉向しない。そのために駿河湾方面に上陸の惧れがあるということも午後六時のラジオで発表したのでございますが、これは四時、五時あたりの進路から見まして、曲るだろうだろうと思つたのがなかなか曲らなかつた。それで万一のことを考えましてそういう発表をしたのでございますけれども、午後六時になりますと急に北北東の方に轉向いたしまして、はつきりとこれが相模湾の方にやつて來るということが見極めがつきまして、これからは大体予想通りの径路を通つて、大体伊豆半島の東海岸に沿いまして北上をいたし、午後の九時頃にはまあ東京に一番近いところを通つたことになつておるのですが、それから北上して午前の零時頃には前橋附近、午後の一時頃にはもう非常に速度が速くなりまして、柏崎附近から日本海に出て、今度日本海の沿岸沿いにずつと北の方へ行きまして、北海道東端を通つてオホーツク海に入るというような経過を通つて行つたのでございます。  それで台風の径路に應じて刻々放送その他に情報を出して行つたのでございますけれども、ラジオが午後の六時頃からあちこち停電のために聽こえなくなつた、その対策といたしましては消防廳それから警察というところに情報を流しましてそちらの方の組織で末端の方に情報が行くように手配をいたしました。その前にラジオで停電の場合は消防署の方にお聞き下さいというようなことを注意をいたしましてそういう措置をとつたのでございますが、その後消防廳辺りには非常に電話の問合せが多かつたということも聞いておるのでございます。それから雨量に対する予想は大体径路が予想がついたものでございますから、割合に正確な予報が出せたと考えております。それで西部山岳方面の降水量が一番洪水に大影響を来すのでございまして、そちらの予報はやはりその都度建設省関東地方建設局の方に通知をいたしまして、建設局の方ではその雨量の予想に基きまして洪水の予報を出して行つたわけ、でございますが、これは予想が割合にうまく行きましたために洪水の方の予想も割にうまくいつたように聞いております。ただ私達といたしましてはラジオというものが非常な報道機関になるのでございますけれども、停電等のために一般に周知ができなくなつたということが非常に困るのでございまして、將來は周知方法といつたようなことも十分に檢討し、組織化して行かなければいけないと思つておるのでございます。簡單でございますけれども……。
  6. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 一問一答の形で聞きたいのですがね。こまかな技術上の問題だから、ちよつと一問一答の形で聞きたいのだが、その前に一体この台風予報の責任者は建設大臣ですか、運輸大臣ですか、それを一つ聞いて置きたいのですがね。
  7. 和達清夫

    ○説明員(和達清夫君) 氣象に関することは運輸大臣です。
  8. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 建設省はどういう責任を持つていますか、この予報について。
  9. 土佐林忠夫

    ○説明員(土佐林忠夫君) 台風そのものについては建設省の方は責任はないと思います。
  10. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつと建設次官に答えて貰いましよう。
  11. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) 台風の責任はないと思いますが。
  12. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 台風の責任は誰も持たんでしよう、地球が持つているのだから。そういうことでなくて社会的な意味の、台風の研究は氣象台が、つまり技術官廳として研究していますね。研究して得たところの結果を国民に知らせて、いろんな種類の國民に、農民にも、市民にも、大衆にも、それから土木の堤防を守つている部分的な人にも、そういつた國民全体に早く知らせて、それの防護の措置を十分講ずるということに対して誰が責任も持つているか、政府の何大臣がその責任を持つているのかということを聞いて置いてから、今から僕の質問をしたいと思うのです。手つとり早く言うと運輸大臣なのか建設大臣なのかということなんです。
  13. 和達清夫

    ○説明員(和達清夫君) 運輸大臣だと思つております。
  14. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 運輸大臣ですか。そうすると建設大臣はどういう責任を持ちますか。このことについては水防法その他からいつてどういう……。
  15. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) お答えします。台風に対して生じました被害に対して緊急にこれを防護しなくちやならないというふうな責任だけは建設大臣はあると思います。併しながら國家の予算から考えましてそれが完全に行われない。又台風がいつ何時どういう形で來るか、これはもう予想ができないのでありまして、甚だどうもお答えに苦しむようなわけでありますが、もう少しでも余計この被害も少くするというふうな立場において建設省も責任があると思います。
  16. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どうもはつきりしないのだが、これはもう少しあとで最後にはつきりさせることにして、質問を進めて行きたいと思うのですが、方法と内容と両方なんですが、内容の方を先にしたいのですが、これを氣象台の方では一体國民の誰に、どういう程度に、八千万國民の中のどういうところに何を知らせようといてあれを放送しておられるのかということですね。これを裏返しするというと、何ミリバールとか、何ミリだとか、そういい専門的のことは無論知らせなければいけないけれども、それで一体十分だかどうかということ。学問的なことを國民に知らせることの外にもう少しくだれた分り易い形で國民大衆に知らせるという努力を拂つておられるかどうか。三十一日のやつを私はずつと調べて見たんだがたつた一回の放送に、ややガラス窓がどうとか屋根がどうとかいうふうなことにほんの少し論及しておられるけれども、そういつた平易な大衆化した形で殆んど放送しておられないのはどういうわけか。  それからもう一つ内容について、これは或いは建設省側の僕は怠慢じやないかと思うのだけれども、そういうふうな台風の強さが分つたときに、各住宅、工場とか、商店とか、堤防というようなものがどういうふうにこれを事前措置を講ずるかというようなことの保護の仕方、護り方について一体これを國民に廣く知らせようと努力を拂つておられるか。この二つをそれぞれ説明して欲しいのです。氣象台関係と建設省関係両方から國民大衆に知らせる努力をどういうふうに拂われたかという……。
  17. 和達清夫

    ○説明員(和達清夫君) 氣象台としましては、氣象の情報を必要方面に提供するのが任務でありますが、その情報が役に立たなければ何にもならないのでありますから、努めて必要方面に必要な情報を出すべくあらゆる努力を拂つております。必要方面にはそれぞれのルートを以て知らせる。而も最も大衆的なラジオを通じては一般大衆並びにその必要方面、専門の方にも役に立つように、この点はできるだけの努力をしているつもりであります。ただ私共として多少そこに問題と思いますのは、氣象台の任務は氣象情報の提供でありまして、國の保安に任ずるということは明確に規定されてはおらない。併しそういうことを杓子定規に取りまして、我々がだからといつて何ミリバールだけで済ますということは、我々としても面白くないと思いまして、できるだけ今のところは一般にも役立つように言つておるつもりでありますけれども、併し指図がましく、役所を止めて帰つた方がよかろうとか交通が止まるからどうしたらよかろうということは分つておりましても、これはその都度運輸大臣の許可を得て申してはおりますけれども、私共としてはもつと明確にその責任区分があればいいと日頃願つております。
  18. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) 建設省の方は、今あなたの仰せられました点でございますが、それは報道に関する限りは氣象台がこれをいろいろな機関によつて國民に知らしめる。その知つた実情によりまして、受けた事態によりまして建設省は或いは水防に対する準備をし、又はそれぞれ所管の各方面に対して万全を期するような措置に指令をしておるわけであります。
  19. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 建設省は住宅とか工場とか商店とかいう國民の建築物その他の造設物を防護するために、氣象台とどういう連絡をとつて技術的に例えばいろいろな風を防ぐことについて國民に指示されたか、指示されるよう努力されたか。
  20. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 今のところ建設省としてやつておりますのは河川の水防関係だけであります。建築物とかその他に関してはまだそこまで準備は整つておりません実施もされておりません。從つて水防に関する限りは決めて頂いた水防法に則つてやつておりますが、その中に一番我々が関心を持たなければならんし、それから相当やつて行かなければならんと思われるのは洪水の予報を徹底せしめるということで、それをどうしてやるかということを今研究中なんですが、中央氣象台とはいろいろ連絡しておりまして、大きな河川に対して水害予防組織を一應確立はしておりますが、大体その本当にできるだろうかと思われるのは今のところ利根川と淀川と木曾川程度はできるのであります。北川川も或る程度できるのではないかと思いますが、これは非常に辺鄙なところでありまして、まだはつきりした自信が持てないというところであります。ところが一番完全であるべき利根川の予防組織をお話しますると、一應の組織はでき上つております。中央氣象台との連繋、或いは電通省との連繋という一應の組織はでき上つておりますし、平常において打合その他についての活動ができておるのでありますが、昨年或いは今度のキテイ台風の例を見ましても最後に行つてこれが活動不能に陥るというのが現実であります。大きな原因は結局通信機関が杜絶するという問題であります。それでこれは最初から我々が分つておることで、何とかして無電装置をやらなければ、すべての場合通信が杜絶した場合措置ができない。そういうようなものが最も大事であるということを主張して各方面に連絡をとつておるのですが、関係方面ではなかなか無電装置を許してくれない。併し今度のキテイ台風がありましたし、現実にも無電がなければ洪水予報なんといても見ても、言うだけで何にもならないということを発見されたのであります。それで強く主張しまして今度何とかして貰いたいということを今掛合つております。そこで中央氣象台との関係は結局予報が出まして、我々は予報をすることは軽卒であります。我々は降つた現実から上流の水位を測定してこれを下流に流すという確実な方法をとる以外にはないと考えておりますので、現実に雨が降りましてから後が我々の活動に移るわけであります。御承知のように利根川のような川でありますと上流から下流までの洪水波の傳播は一日か一日半掛るということで、こういうように相当時間が掛ります場合においてはこの予報は完全に行い得るのであります。そういう河川でなく雨が降つてすぐ洪水が出るというような急流河川や流の短い河川におきましては、予報の効果というものはどの程度まで確実であるかということにつきましては相当疑問があります。そういうものまで洪水予報をするかということは今後相当研究を要する問題ではないか。單に雨量によつて覚悟を決めさせ、或いは準備を整えさせるということはできますが、どのくらいの洪水波が來るということまで行くことは行き過ぎではないかと思う。統計資料でもまとまりますればそれもできるかも知れませんが、今のところはそこまで行く考え方は持つておりません。或る程度の洪水波の傳播に時間が掛る余裕のある河川を取上げて上流において観測した結果を下流に流すということにしたいと考えております。
  21. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 建築局長にお尋ねしたい。住宅保護について予報と関連してどういう活動をされたか、局長がおられなければ代理の方でも結構です。
  22. 前田光嘉

    ○説明員(前田光嘉君) 建設省といたしましては、今度の災害につきましては殆んど中央から指令をしたことはございません。併し神奈川縣及び東京都におきましては区役所その他を通じて一應屋根の瓦が飛ぶとか或いはガラスが飛ぶといつた程度のことは言いましたが、その点が周知していなかつた事実はございますが、一方には雨戸を疊で押えたというような例もありますが、十分ではなかつたと思います。
  23. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 氣象台と連繋を取つて全國的に住宅や建築物に対する保護に対するまとまつた努力はなされなかつたということですね。
  24. 前田光嘉

    ○説明員(前田光嘉君) そうでございます。
  25. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから今度氣象台にお尋ねしたいのは、キテイ台風の來る数日前のあなた方の活動は非常なものがありますが、又我々として欠陷だと思われるものが三つ四つあります。その例を挙げると二十九日の長期予報では、暴風の三日前即ち二十九日に二百十日、九月一日は無事であろうという長期予報を出しておる。それから二、三日経つて三十一日の夜、ああいうものが來ておる。これは外部から見ると余りに不見識に見える。一体それはあなた方の科学的の力が劣つておるのか、答弁は簡單でいいですから伺いたい。  それからもう一つは、当日の十六時即ち四時に東京通過の危險がなくなつたということを放送しておられる。然るに六時から七時にはあの通り東京に近いところまで來ておる。國民は東京通過の危險はなくなつたと言われるともう安心してしまう。放送の技術か知らんが、こういうようなことを一つ承わりたい。  それから第三には関東北部、前橋、熊谷、宇都宮方面では有線が切断のために殆んど杜絶しているが、これは首切と関連していると思うが、一体そういう欠陷が相当露呈されているように思うがどうか。  第四にデラのときもすでに日本海の高氣圧の評價を誤まられて、青葉丸が瀬戸内海で沈没した、こういう欠陷が露呈して來ているが、今度は横浜港で夥しい三十三隻という船が被害を受けている。これは予報に関連しているのか、予報以外の事情にあるのか、こういうことを一つ聞きたい。  それから総じて最後に二千人からの首切をやられ、最も我々の期待している予報活動のために働いておられる氣象台がそういう大量な首切を敢てしたり、さつきも言つたように、有線無線の関係を單一にする機械的な整理をされてその欠陷を暴露しておられる。それから労働強化で相当補つておられるのじやないかという点も各方面の私たちの報告によるとある。そういうようなことによつて今回キテイに対してあちらこちらで欠陷を見せておりはしないか。これは四、五は技術方の質問ですが、これを簡潔に答えて頂きたい。
  26. 土佐林忠夫

    ○説明員(土佐林忠夫君) 第一番目の数日前の長期予報につきましては、長期予報というものが現在においては相当発達の途上にあるものでありまして、それが可なり前に出しました発表があの当時新聞に二百十日ということと関連して印象を強くして、この頃は安心だろうというふうに出たのが非常に遺憾だと思います。勿論これは中央氣象台部内の連絡の不十分から來まして、短期の予報ではもうそういう台風の危險があることは分つておつたのでありますから、これは誠に申訳ありませんが、我々の長期予報と短期予報との連絡の不十分であるということでお詫びしたいと思います。  第二の四時の発表につきましては、この進路を御覽になると分りますように、午後四時頃になりますと、我々はこちらに來ると初から思つておつたのでありますが、万一この進路が眞直にこちらに行つて駿河湾の方に行きますと、駿河湾の方も非常に被害が多いのじやないかと考慮しまして、この点に言及してそちらも油断してくれるな、東京都民は安心だというのではなくして、引続き東京都民は今後とも注意して下さいということを申し上げたのでありますが、お聞きになる方が或いは西にそれるから大丈夫だという誤解をされたかと思います。今後も表現には氣を付けたいと思います。  それから第三番目の通信線のお話と思いますが、通信線は遺憾ながら電信線は大事なときに切れるのであります。この頃はそれは余程少くなりましたが、併しまだ一番大事な災害の最中に切れることが多いのでありますが、その点はどうしても非常の無線の組織を持たなければならないと我々も痛感している次第であります。  それから第四番目の横浜港のお話でありますが、中央氣象台としては相当に京浜の警戒ということはいたしたと思います。又横浜測候所は最も責任といたすところでありまして、遺憾なく氣象的な通報つまり警報を出したと思つております。又事実出しました。船に対しましては特に船主の方にも会社にも一々氣象状況は報告してあります。然るにこの横浜の方におきまして相当の損害を蒙りましたのは、氣象情報以外のもので、或いは理解の十分でなかつた点にあろうかと思う次第であります。  第五番目の行政整理におきまして、我々の仕事がいかに影響を蒙つているかということでありますが、この台風というようなものは、我々にとりましては最も重大な仕事でありまして、この際は氣象台、氣象官署を挙げてこの仕事を應援いたしまして、氣象官署の職員はこういうことが來ますと非常に人手不足は免れないのでありまして、この点は災害に関して新らしく人員その他を増して頂きたいということを今度の予算に出しております。
  27. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 横浜港の詳細な説明はできませんか。つまり誰がこういうことに対して明快に答えられるのですか。あなたは氣象台長だから答えられないのではないかな。大臣を呼ばなければよく説明できないのではないか、次官できますか。
  28. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) ちよつと所管が違いますな。
  29. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それでは運輸大臣の質問に残しておきましよう。もう一つ最後に……。もう停電でラジオは止まる、有線関係は切断される、五時、六時頃になると……。肝腎のこういうときにNHKの放送自動車、國警、消防署、新聞社が放送自動車を持つているが、これどんどん出てそれらの欠陥を補うというような活動を一体したのですか、しなかつたのですか。
  30. 和達清夫

    ○説明員(和達清夫君) 受信機が停電で止まりましたので処置がなかつたのです。
  31. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 だから放送自動車、拡声機をつけたようなものでずつと市民に知らせるということ、特に高潮を受ける方向に対しての天氣相談所というものはそういうことについてどういう活動をしておられるわけですかね。市民に知らせるということ……。
  32. 和達清夫

    ○説明員(和達清夫君) 私はその方面はよく存じませんが、氣象台は一部の人を江東方面に派しまして高潮その他の注意をする人間が出ております。
  33. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 これは一つ建設次官にお願いしましよう。高潮その他について、その方面に停電その他に無電が駄目になつたならば、拡声機をつけた自動車でも動員してずつと高潮の方面に知らせて警戒したという努力が拂われたかどうか。
  34. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) 建設省といたしましては東京都方面、各方面に連絡をとつてありますから、やはり東京ならば東京都がすべてのことをやつていたと思います。
  35. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 やらなかつたのですか、やつたんですか。
  36. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) 勿論やらなければならないのですから、こちらはそういう連絡をとつてあります。
  37. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 やつたかやらなかつたかという事実、調査して後ほど報告して下さい。僕の調査ではやつていない。あなたの考えだとやつている筈だというわけですか。そういう命令を出されたのですか、本当に。
  38. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) こちらから当然出るわけです。
  39. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 命令を出されましたか。
  40. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) すべてに対しまして、災害に対して確に命令は出したのであります。
  41. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どういう命令を出したのですか。
  42. 土佐林忠夫

    ○説明員(土佐林忠夫君) 具体的にこういう場合にはこうしろ、高潮が來るからどういうふうな周知の方法をとれというような細い点までは我々は指令いたしませんが、高潮の虞れがあるという場合には適当の措置をとれというところまでは我々の方はいたします。それ以上のことは東京都長官の考え方でこの程度の場合にはこういう措置をとるのだ、こういう場合にはこういう措置をとるということは東京都の長官が当然取るべきものと我々は考えておるのであります。
  43. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) 只今局長も申した通りそのときになつてこうというのではなく、仮に東京都の高潮の場合には東京の地盤沈下がどうなつているかというようなことは台風の前からもいろいろな形においてこちらからも注意しておるわけでありまして、対象して甚だ相済まんことでありますけれども、大阪における地盤沈下の問題、東京における地盤沈下の問題で、東京としてはどういうふうな対策をしておるかということを私の知つておる範囲におきましては私自身が東京都の建設局長にも強くその点は申上げておつたわけであります。この点は決して台風があつた高潮が來てからではないのであります。その前にしばしば繰返して申上げておるようなわけであります。又あの朝高潮によつて東京の江東方面か水浸しになつた。そのときも私は朝早くから参りまして、東京都の河川課長から河川課長によくその善後策を早くするように申上げたのであります。現場も見ております。
  44. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 兼岩さん、あなたの御質問を遮ぎるわけではありませんが、実は本日は御承知の通り、災害対策に非常に重大な災害等についての建設省の説明と、それを予算化するための安本のお考え、大藏省のお考えを総合的に聽くことになつておりますから、成るべく簡單に。
  45. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それでは建設大臣に一つ次の機会までに答弁して貰うように注文しておきましよう。今のままの状態で、河川なり住宅なり國民一般に対する予報の具体化、予報の、つまり何ミリバールというだけではなくて、市民なり農民なりに知らせて各戸に防衞を講じさせるというような方法を今後建設省としてやつて行く考えがあるかどうかということをよく相談して返答をして貰いたい。僕はそういうふうにやるべきだと思いますが、各行政全部門に亘つて……。氣象台の方は氣象台の一体所属関係が今後の台風関係の予報に、今の実情その他で適当かどうかという問題を含んでおりますが、要するにこの氣象台そのものは今少し象牙の塔から出て、勿論首切りその他や行政上の機構の欠陷は勿論あつて、これは整理して行かなければならんと思いますが、もう少し予報関係を具体化して各省と連繋を取つて、徹底的に國民に事前に知らせるというような方向に進めるかどうか。これは大臣に質問すべきであり、私は厚生大臣に質問しようと思うのですが、午後に要求してあるから、氣象台は答えられますか。氣象台長は從來のやり方を進めて行くつもりか、今少し大衆化して行くかということについて、そういうことを考えておられないかどうか。
  46. 和達清夫

    ○説明員(和達清夫君) 私は日本の國の災害防止ということに対して、甚だ私の所管と違うことを申上げて恐れ入りますが、もう少し國が全般として考えて、それで氣象台にどれだけの責任と分担があるかということを考えられる必要があるのではないかと思うのであります。今氣象台の與えられておる任務は、氣象情報を如何に必要方面に正確に迅速に円滑に流すかということで、そこで適当な処置を取つて貰うという任務を與えられておるのであります。我々としては実際は十分に行えないということを痛感しておりますので、自分の責任範囲を少し出て人を派して注意を促したり、いろいろなことをいたしましたのは台風だけでなく、農業に関しても、あらゆるものに関してもそうなんです。この点はもつと根本問題が存しておると私は考えております。
  47. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは氣象台の方はよろしゆうございます。
  48. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 私氣象台にお願いがあるのですが、それはこの間のキテイ台風で、余り沢山は聞いておりませんけれども、信濃川の流域が今までにない氣象台と連絡が取れて、非常に河川防禦がうまく行つたということをこの間新潟の土木部長から聞いたのです。この前の國会で通つた水防法案が出た直後であるからなかなかうまく行かないのじやないかと思つておつたのですが、そういう例があるのです。それでさつきのお話の通信網が若し切れた場合には情報ができない。そういうふうな危險が非常に多いと思いますから、無電の設備はもう是非急速して充実して頂きたい、こういうふうに思います。信濃川の沿線の氣象台の方は非常に努力されたそうです。これは非常に結構なことだと思つておりますので、無電のことを、特に私は予算を要求して各省に配布されるように強調しておきます。
  49. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕が今質問したことによつて東京関係が組織としても確立されてないし、各省もそれに関心を拂う点が非常に薄いか、ばらばらになつておる状態だと思うのです。そこで僕は一つ運輸大臣に出て貰つて、責任大臣としてこの点はつきりと御説明願いたいと思いますから、出席方をどうぞ委員長お願いします。   ―――――――――――――
  50. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは今度は本日の日程の第一番に審議して頂きたいと思いまして災害対策に関する件でありますが、これに対して建設大臣は本日閣議でお見えになつておりませんから、幸い政務次官が見えておりますから大体の説明を聞いて、更に河川局長の説明を求めるということにいたしたいと思います。
  51. 鈴木仙八

    ○説明員(鈴木仙八君) この際閣議の関係で大臣が出席されませんので、誠に申訳ありませんが私から只今委員長からお示しのありました昭和二十四年の災害の状況並びに緊急対策につきまして申述べさして頂きたいと思います。  昭和二十四年は六月下旬九州方面に襲來をいたしましたデラ台風に始まりまして、フエイ七月の十八日、ヘスター七月二十九日、ジユデイス八月十六日、キテイ八月三十一日と例年にない早期の台風に始まりまして、台風の襲來連続をし、今日まで公共土木施設の蒙つた損害は四百五十余億円の巨額に上り、更に今後の台風の襲來をも覚悟しなければならない誠に容易ならん状態であります。  次に被害状況につきまして概略を申上げたいと思いますが、過般の委員会におきましてヘスター台風の被害につきましては一應御報告済となつておりますので、その後におきまして発生いたしましたジユデイス及び今次のキテイ台風の状況を申上げたいと思います。八月十六日頃本土に接近いたしましたジユデイス台風は九州東南方において俄かに進路を轉じ、宮崎縣南部地区から上陸をし、九州を横断し、有明湾を通過し、天草を通過して朝鮮海峽に去つたのでありまして、そのために宮崎、鹿兒島、熊本、佐賀、福岡、長崎等の諸縣に著しい被害を惹起いたしました。公共土木施設の被害見込総額は六十八億余万円となり、殊に佐賀縣下の被害は特に甚大であります。又宮崎、鹿兒島等は累次の災害でありまして、被害はますます増大いたしまして、復旧に暇のない状態であります。天災と申しながら誠に遺憾に存じておる次第であります。  又今次関東地方に襲來いたしましたキテイ台風は九百五十ミリバールという強烈なものでありましたが、幸い平地部の降雨が少なかつたために被害も比較的少額に食止められましたと考えられますが、群馬、長野、新潟、福島縣等の山岳部には多量の降雨がありましたために、これら諸縣には相当額の土木被害を生じた次第であります。又台風の本土に上陸いたしました三十一日の二十三時頃、丁度高潮の満潮時に合致いたしましたので、海岸線の風浪による大被害を生じました次第でございます。  本台風による被害は東京都始め二十三都道府縣に及び、総被害見込額は百七十余億円の巨額に達しておる次第であります。政府は打続く台風被害に対しましてデラ、フエイ、ヘスター、ジユデイス台風に対し、これまでに四度に亘りまして融資及び國庫補助の措置を講じ、総額三十億三千百万円の支出をいたしまして被害甚大地方の緊急措置を講じたのであります。又過半発生いたしましたジユデイス台風に対しましても、佐賀縣を始め被害地区十縣に対し六億円の緊急融資をいたしまして復旧の促進をいたしております。更に今度のキテイ台風に対しましては、これまでの各台風被害中最も被害甚大でありますので、相当額の財政援助の必要を認め、目下檢討いたしておりますので、最近において決定をする予定となつております。右御報告申上げます。
  52. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) それでは私から御報告申上げます。キテイ台風の被害の状況を申上げます。各縣別の被害表がありますがそのうちに。それで大体東京都、関東地方、それから北に入りまして新潟、秋田から北海道というような拔け方をしたのでありますが、東京都は先程次官からお話がありましたが、高潮による被害が大部分であります。上流の河川が氾濫して被害を起したというより、海岸堤防を高潮により破壊し、それによつて下町に浸水したというのが被害の大部分であります。それで大体吾嬬町地先の海岸堤防が百メートル決壊と、中川左岸堤防の決壊によつてあの地区が大部分浸水いたしました。それから砂町地先の海岸堤防の越水と決壊とによりまして、この地域も、それから東品川、羽根田附近はこれは風浪による浸水がありましたが大したことはありません。それから中川、荒川の越水により、この地区におきましては多少の氾濫がありましたが、これはそう廣範囲には亘らなかつたのであります。結局これらの問題は海岸堤防の早期の復旧と、それから排水機の活動によつて、水を排除しなければならんという状態でありましたが、その当時にはどうも排水機が電力の関係上送電中止のために活動ができなかつた。デイーゼルエンジンもありますが、これとても数が少いというので排水が不可能に陷り長い期間浸水しておつたという実情であります。  これらに対して土木被害はどうかと言いますと、実際の問題としては、大きいのが中川放水路、或いは綾瀬川の護岸堤防の決壊によりまして、土木の被害よりも実際はこの浸水による他の被害の方が多いと思われるのです。  次に千葉縣ですが、千葉縣も同じように例の浦安南海岸堤防の決壊ということが大きな被害であります。これによりましてあの附近の農地或いは住宅地に浸水をした。神奈川縣の方は風浪及び風の被害が一般に多いようであります。海岸線の浸水、浸蝕或いはあの辺の道路というものがやられて、いわゆる湘南の辺がやられているだろうというふうな推定でございます。被害部分といたしましても神奈川縣はそう多い方ではありません。靜岡に入りますと、これはやはり靜岡縣を外れた関係で、中心が若し駿河湾に入りましたら相当被害があつたのでありまするが、幸いにして相模湾に入つて來たという関係で、靜岡にはそう被害はございません。埼玉縣も、荒川上流が非常に決壊するのではないかという心配もありましたが、幸いにして荒川上流が大きな決壊を免かれた関係上、これも幸いにして被害が少くて済んだ。それから台風の中心はやはり群馬縣から新潟の方に向つて進みました関係上、やはりどういたしましても群馬縣が関東では一番大きいようであります。殊に山間部落が崖崩れのために埋沒するというような、或いは人死にがあるというような、非常に被害が多く起りましたが、桐生の附近には一部堤防が決壊した所もありますし、薄根川、片品川というようなものも一部堤防が決壊しております。その他道路橋梁に至りましては、利根川の上流方面はやはり相当やられているようであります。栃木縣は鬼怒川が相当出水を見ました関係上、鬼怒川の上流が相当荒されております。渡良瀬川は桐生がやられた関係もありまして、足利にはそれほどの被害がなかつたということは、栃木縣としては幸いなことであります。その外に長野縣ですが、長野縣ではやはりキテイ台風の中心を外れましたが、余波を受けた関係で、相当雨が降つたのでありまして、やはり筑摩川の堤防などは相当決壊いたしました。そのために相当これは被害がある見込であります。その他新潟、北海道に至りましてはまだはつきりした報告がございませんが、この程度の被害はあるだろうという報告を受けただけでありまして、詳細はまだ判明いたしません。  そこで、こういうふうな被害がありましたが、今度の台風はどの程度の台風であるかということになりまするが、幸いにして本台風は風が多く雨量が少なかつたということで、被害が少ないようでありますが、それにいたしましても、利根川の例を引いて見ますると、水位はカザリン台風の四メートル十一をすでに突破しております。四メートル二十六という水位になつたのであります。でありまするから、これでは大変だと一應は心配いたしましたが、栗橋において今回は昨年のアイオン台風のときの七メートル六十三よりもちよつと少く、七メートル五十で丁度止まりましたので、これでやれやれと安心したのであります。若しこれが八メートルにでもなりますれば、下流の小貝川は決壊を見ることが明らかであります。明らかであれますというよりは相当危險に曝されるのであります。そういうわけでありますから、これで止まつたということは下流の小貝川が決壊を見ないで非常に少い被害で治まつたということを意味するのであります。併しこういうふうに昨年もあり今日もあるという台風がこう頻発して参りますと利根川は相当危險な状態にあるということを認識しなければならんと思うのであります。一應は水防組織で、水防活動によつて利根川というものを護つたのでありますが、これは小貝川の例でありますが、一日五千人ぐらいの人間が動員といいますか自発的に出たのでありますが、これらが出まして土俵、竹その他の資材を使つて相当な金額となりましたが、これらをやつて、やつと小貝を護つたというのが事実であります。こういうようなことをして利根川の被害を最小限度に止めたのでありますので、もう水防の力によつて利根川は持つておるといつて過言ではないのであります。併しこういう危險なる利根川に毎年このような水があるといたしますれば、余程考え直さなければならんと思われるのであります。この何といいますか、災害がありましても、利根川は大丈夫というふうに一概にお考えになりますが、決して決してそういうふうな安全な利根川ではないのであります。やつと食い止めたというのが事実でありますから、このぐらいの雨が降つても安全だという利根川ではないということを認識して頂きたいと思うのであります。
  53. 西村久之

    ○説明員(西村久之君) 只今建設省の河野関係の災害のことの御説明があつたようでございますが、今度のキテイ台風によりまする災害の総額は実はまだ詳細な災害の報告が全部届いておりませんので、総額はここで明示することは甚だ困難でありますけれども、恐らく三百億を突破するだろうと予定せられる金額に達しておるのであります。この災害を私共といたしましては一日も早く復興いたすのが任務でありますので、大体の金額が各省関係のものがまとまりますればそれを土台といたしまして本年の補正予算なり或いは継続して明年以後の災害復旧というものをやつて行きたいと、実は考えておるわけであります。それだからといつて放つて置けませんので取敢ず應急の措置といたしまして、緊急止むを得ない個所の復旧には著々その工事を進めさせておるようなわけでございます。この点に対する支出等につきましても預金部の融資等を仰ぎまして万遺憾なきを期したいとかように考えておる次第であります。明細なことはお尋ねがありましてからお答いたしたいと思いまするが、大体災害総額は三百億円を突破するであろう、それに対する処置の一端を申上げまして安定本部として御報告申上げておく次第であります。
  54. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 預金部融資の見当はどのくらいですか。
  55. 西村久之

    ○説明員(西村久之君) 御案内の通り三百億を突破するであろうという予定しました金額に対する融資でありますので、私共の建前といたしましては大体國の直轄工事に充てまして五、六億程度を融資いたしております。これは公共事業費の四・四半期の枠の中から一時繰上げて行きたい、かような考えを持つておるのであります。それでその他の國の補助工事に対する分につきましては、大体只今のところ三十億を予定いたしておるのであります。この金高につきましてはその筋との折衝も重ねなければなりませんので、はつきりここで申上げられませんが、私共の考えとしては、その線に沿うて全力を挙げて進みたいとかように考えておるわけであります。
  56. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 安定本部のおやりになつておることは、これは私お伺いするのがちよつと的外れかも知れませんが、結局経済安定本部でおやりになつておることは、日本に災害が起きる、起きたらそれをできるだけ全力を挙げて補修する金を出してやるということを、勿論ま恒も必要でありますから主眼としておやりになつておることであつて、日本にこんなふうに毎年々々災害が來るが、その災害をどうしようかというふうに、將來どんなふうにしようかということを考究なさつておる機関ではないのですね。
  57. 西村久之

    ○説明員(西村久之君) お尋ねの点は御尤もなお尋ねと存じまするが、安定本部といたしましても、年々災害がありますることも認めておるのでございますが、近年非常にその災害が多くなりまして、災害額が激増の一途を辿りました。この結果は一時的に國民の負担を重からしめるというようなことを惹き起し勝ちになつて、財政的に非常に困る結果になりますので、安定本部としては今後災害を成るだけ防止し、できました災害はこれを成るだけ速かに復旧せしめる。こういうふうな観点の下に特別会計でも設置いたしまして、各府縣にもそういうふうな仕組を拵えて頂きまして、そうして今後起り得べき災害の際に、金詰りのことで災害復旧ができなくならないというようなことを考えて、只今立案中でありますので、御意見のような御心配が今後ありますることを未然に防ぐ一つの方途といたしまして、そういうふうな点も実は考慮に入れて進みつつあるようなわけでございます。
  58. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 今の政務次官の御答弁で非常に私嬉しく思うのですが、結局こんなふうに災害がのべつ幕なしに日本はやつて來る。それで各現場の技術官、その他政府並びに國民全体が非常に困つたことだということになつておつて、全力は勿論盡しておるのだけれども結局困つたことだ、どうしたらばいいかということが私は今日の日本の状態でないかと思います。それで私が申上げておるのは、今の眼の前の災害をどうするとか、こうするとかいうことを一足飛びにいたしまして、余り飛躍し過ぎるかも知れませんけれども、結局こんなふうな行き方では、毎年災害が増高して來る、その結果は非常に國民全体が疲弊して來るということになると思いますので、國家総元締いわゆる政府の総元締で本当の根本的な災害対策を考えて頂かなければならんのではないか。我々も勿論これは考えなければならんでしよう。復旧さえすればそれでいいのだというのは、私は駄目じやないか、結局復旧したつて、群馬縣がいい例だと思うのですが、群馬縣は一昨年随分大きな災害が起りました。早急に復旧したところに又やつて來て又壊されてしまつたのでは何にもならない。こういうような箇所が相当に多いのではないかと思われる。未だ現地を見ておりませんので分りませんけれども、結局やり直しては又壊されるというような場所が非常に多いのではないか。そういうような問題は又技術的な問題として技術者が考えるでしようが政府として根本的なもつと膏藥張でなくて、本当に災害を除くような予算が相当にかかつてもやらなければならないのじやないか。そういうふうなお考えがあるかどうかということをお伺いしたのですが、只今の政務次官のお話ではできるなら特別会計でも作つてそういうふうに考えたい、立案中だというお話を承わりまして、私はこの点は是非そういうふうに何らかの方法で一つやつて頂きたいということを強く強調いたします。  それからもう一つ私は河川局長にお伺いするのですが災害復旧には原形復旧でなければ認めないという、やはり根本の行き方でやつておられるのかどうですか。
  59. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 現在ではそういう原形復旧主義はとつておりませんが、ところが災害復旧をどうするかということで実は悩みを持つておるのです。こういうふうに災害が多くなつて参りますと結局國の財政といいますか、國の支出する金が決つておりまして、そのうち災害で食うということになりますと、根本治水対策が何らできないということに追い込まれて來る。こうなりますと原形復旧よりも積極的に災害復旧をやつたとして、それは一部の改修に過ぎないので、やはり計画的な改修はできませんから、やはり別の適当の根本策を持つた方の金で廻したいのでありますけれども、災害復旧費の方に取られて來ると、そこに変な形に追い込まれてしまうと思うのです。そこでやはり災害というものは、原形復旧でできるだけ金を少くしてそれは一時出しても、それは一時抑えである、併し根本策の方はもう少しこれを積極的に進めて参つてそこには絶対に災害が起らんという形を持つた方がいいのではないかという考え方も実は持つておるのですが、この決断が今つかない次第であります。と申上げますのは今年の災害を見ますると河川を改修したところは災害が起らない。災害が起きておりますのは未改修の河川と、或いはその山地の荒廃した附近の山崩れということに起つて來る災害なのでありまして、そこで山地の方は砂防をやれば一應纏りますけれども、砂防をもう少し積極的にやらなければならんと我々は考えるのでありますが、これは根本策としてその方にも進んで参りまするが、さて残された上流の中間の河川をどうするかということになると思うのですが、ところが中間の河川に金をかけるのか、かけない方がいいかということになりますと、これは相当疑問が起きて來るのであります。上流ばかりやつてそうして下流河川が何もできていないことは、そこの町村、地方から言いますとそこに災害が起らないようにして貰いたいという熱情はよく分るのでありますが、やるのが果していいのがどうかということにまで持つて行きますると相当疑問が起きて來るのであります。そこでやはりこれは根本治水対策の線に沿つて災害復旧をやつて行く、或る場合には原形復旧を主張し、或る場合にはその根本治水対策の線に沿えば、思い切つた改修ができるということに参りませんと、どうも災害は原形復旧主義だとか或いはそうでない、もう少し積極性を持たせるのだとか一應に申上げましても、なかなか困難なのではないかと思うのです。実は本当に今のところでは、その方針を如何にすべきかというところに悩んでおるということを申上げる方がはつきりしておると思います。
  60. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 いま河川局長のお話で大体分りましたのですが、併し今までのやつてやられる災害復旧費の支出の方法は大体原形復旧主義が主であろうと思うのであります。原形復旧をしなれれば、少しでも大きくしたり廣くしたりすることは認めない、原形復旧なら認める。こういうやり方が主でありますから、どうしても災害を受けたところで又元通りに復旧する、こういうやり方だと思います。それで災害そのものとしてはどうも仕方がないと思いますけれども、そういうふうなやり方は私は結局考えて見ても又災害を起す源でありまして、そこで災害を起すような形だから起した、それを災害を起さない前の形に持つて行つても又災害を起すのは決つたことじやないか。こういうふうに思うのでそれで先に言われたように改修を行なつた河川には災害が余り起らない、こういうことを河川局長が言われておるのですが、私はこういうことを要望したいのですが、災害復旧の今の法律がどういう法律があるか、或いはどういう大藏省との取決めがあるかわかりませんけれども、そういうものを飛躍いたしまして、私の考えは不可能なことを言つておるのじやないと思いますが、災害復旧はあらゆる日本の河川にできるだけ急速に國なり或いは縣なりにおいて改修計画を一日も早く全部作つて貰いたい。そうして國の管轄される河川は災害があつたならばその改修の線に沿うように災害復旧をする。例えば橋が流される、その橋が百米であるから百米を架けるのでなければ災害復旧を認めないということであれば、そこにはどうしても二百米の橋を架けなければ又災害が起るにも拘わらず、百米の橋を架けるということは私は結局災害を増すことになる。だから百米だけは災害復旧を認めて後の百米は何らかの方法で元の計画の面に沿うようにする。結局私が申上げておることは災害復旧費を根本対策の面に一部の費用に支出するような方向に持つて行くのであるかどうか。堤防が壊れておる、その堤防が壊れた場所において、どうしても元通りに復旧しなければ認めないというのではなくて、そこで作つたものは又壊されるから最初から二、三十米引つ込めて提防を作る。それを認めるというような行き方が私はやられるのではないかと思います。この際こういうような毎年々々災害が起るのだから少しでもそれをなくするために、そういう方面に特に河川局長は、そういうことを全國の河川について、府縣が管理する河川であろうと國の管理する河川であろうと、できるだけ早く全面的の改修計画を立てられて、そうしてその線に沿つて災害の復旧も突込んで行くと、こういうことが私は少しでも今後災害をなくするところの行き方ではないか。こういうふうに最近私は感じておるのですが、これは尚河川局長とよく懇談したいと思いますが、こういうふうな面でもし私が考えておることが、少しでも災害をなくすること役立つ面があれば、我々はそこで努力して、そうして大藏省がこれは殊に大藏省の問題だと思いますが、大藏省が災害復旧をするならば現形復旧でなければ出さないということが昔からの習慣だと思います。この大藏省の何といいますか、固陋な考え方、因習的な考え方を破ることを我々も大いに努力したいと思います。その方面に金を出す方が如何にも妙なことを言うために、技術方面では相当に考えていながらさつぱりその技術を発揮できないと、こういう面が相当あると思いますから、今日の問題とはちよつとかけ離れて恐縮ですが、災害問題については特に私はこういう点を強調したいと思うのです。
  61. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 原口さんに言葉を返して申訳ないですが、実はその点はもう我々の方では過去の大藏省と違いまして、大藏省でも安本でも現形の災害復旧は駄目だということは、それまでに言われておるような形なんです。実は災害助成という項目でありますが、災害助成の項目は改修を加味した災害復旧をやつております。現実に群馬縣など二、三大きな河川をやつておりますが、問題はこういうふうないろいろ今の原口さんのお話のように、先ず一定計画を持つておれば、その線はやつていると思うのですが、全國的に各河川についてかくあるべしというものが今ないのでありまして、そうするとそのときにその河川が荒れたからといつて、それならその河川だけは一定計画によつてうまくできるかも知れませんが、これが下流に及ぼす影響を考えて参りますと、果してよいかどうかという点に相当疑問が生じて來るのであります。例えば今の廣瀬川の例をとつて申上げますと、廣瀬川を改修するということは群馬縣にとつては非常に結構なことであります。災害は再び起らんでしよう。併し利根川に毎秒二千立方米位の洪水量が入つて來るということになりますと利根川はどうなるかということに帰着して來るわけであります。それは勿論利根川改修には廣瀬川というものの改修を考えてはおりまするが、まだその辺の計数的なはつきりした線を実は持つておらないというようなことで、今の上流河川改修ということになりますると、なかなかここにむずかしい問題が起きて來るだろうと我々は考えておるのであります。下流の方は段々洪水が逓減されて参りまして河川改修が進んで参りますと、山の方は山の方で砂防を進めて参りますと土砂崩れも無くなつて來るということで、中流や上流に参りますと、この地方は水を下流に流して行くことがよいかどうか、或いはこの地方は或る程度氾濫させておかなくしやならん箇所が、いわゆる用水においての氾濫の必要なところがあるのではないかというようなことが考えられて参るのでございます。これは河川の改修の根本ということになると思いますが、その辺は一つ原口さんにも御相談したいと思いますが、そういう疑問が最近出て参つたのであります。というのでどうしても無定見な無計画な災害復旧ということをやりますと、とんでもない失敗が起るのはお説の通りでありまして、全体として河川全体の行き方を早く決めなければ、災害復旧の施行も困難であるというところまで追いつめられているような感じがいたしますので、お説に從つてその辺のところをもう少し研究してみたいと考えておるのであります。よろしく一つお願いしたいと思います。
  62. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 今の河川局長のお話はですね、よく分ります。さつき私が河川局長は全國の河川についてですな、早く根本計画を樹てて貰いたいということを言つたのはその点なんです。今のお話の上流を下流のためにどうするかということは、これは昔からの問題で、これはいつになつたつて決まらんのではないかと思う。その人その人の意見によつて随分これは技術的にも違つて來ますから、併し大体今日我々は昭和二十四年に生活しているのだから、二十四年に生活している者が考えて相当な人が考えてよいと思つたことは一遍決めてやつて行くという方法でなければいけない。なぜこういうことを言うかというと、私が若い頃内務省の偉い人が幾にやつても決まらん、決まらんらんと放つて置けば、災害はどんどん増して來る。こういうことになるのではないかと思う。上流、下流を見合せてそれぞれ全國に相当の技術官が府縣でも建設省でもおられるのであるから、いわゆる全知識を進められてやられることならそれで結構だと思う。それをやかましく後世の者が仮に言つたところで、今日はそれ以上に予算の問題もありますから決められないから、とにかく今日のこの社会制度で全智能を集めて決めたらそれで結構と思いますので、非常にむずかしい問題であるけれども、できるだけ早く全國の河川の上流、中流と言わず一應の計画を樹てて貰いたい。そして一應の計画の線に副つて災害復旧をやつて行かれることを希望しておるので、これが私却つて結果が非常にいいのじやないかという感じを持つております。その点特に強調しておきます。
  63. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 大分お話を聞いて結構な方向に向つておることとお伺いします。利根川の問題でも早く根本計画を樹ててくれなくちや困る。幾度か調査会をやつておるようだけれども早く根本策ができないで、それができないから今の復旧工事というものが必ずしも原形復旧ではなく、改修というものを考えた案もやつておるようだけれどもその本質が決まらんからそういうことが起きるので、それは早く根本計画を樹て、それは実際人間がやることだから万全のことはないから、その点は大胆にやつぱり第一にやることはやつて貰わなければ困る。一体今の利根川を僅かに水防の力で持つているという局長のお話であるが、そういう際に、利根川に対して根本的な意味を含めたところの河川改修は一体どのくらいやつて來たかということをお聞きしたい。
  64. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 利根川については御承知の通りに例のカザリン台風のとき利根川が切れましたので應急復旧を一億くらいやつたのであります。その後二年ばかり五億程度ずつやりました。今年やれば十億、二十億くらいは出しております。そこで今年の雨で水防で持つたといいながら実は五億、十億近い金を出したことによつて、やや補強されたのです。と申しますのは金をどういうふうな使い方をしておるかというと根本の計画に副つてこれをやるということは、これは一部きりができないのでありまして、利根川全体を同じような強度において補強する以外には有効に使う途はなかつたので、結局少い金を以て有効に働かせるためには、利根川の全線に亘つて小さな堤防を蒿上げしたということなんです。全線に亘つてやつておりますからまあまあこの程度の台風ならば持ちこたえられるというところまで補強されたのであります。併しこれでは利根川は治水対策として根本に副つておるような仕事ではありません。そこで我我進めたいのは、どうしてもその程度の仕事ではなしに利根川治水調査会で取上げた大利根川の根本治水対策も、今度は実行に移して貰いたいというのが我々の今度の狙いなんです。そういう意味において申上げたので、過去においては利根川に対して何ら措置を施さなかつたというのではなく、有効な措置は施しておつたのでやつと持ちこたえた。そういうことをやらなかつたならば或いは今年も水害に遭つたのではないかという懸念があつたということを申上げたのであります。
  65. 仲子隆

    ○仲子隆君 関連する問題でちよつとお伺いしたいのですが、最近の災害は大体同じ所に起るが、この起る災害の中で家で流れるとか堤防が切れる、或いは水田が流れるという場合に、古い加藤清正時代の河川は非常に遠方に堤防を築いておるにも拘わらず、今のはずつと川の淵まで行つておる。或いは住宅、農地などの殆んど危險地に造る。或いはこれは運輸関係でありますが、港湾にしても前々へと危險地へ出て行く。これはますます危險を多くし何かのことがあつたときの災害を非常に見積額が多くなるわけであります。もう少し大自然に抗しないで後へ下るというような災害防止が必要であろう。例えばこの度のデラ台風のときの宮崎縣の油津のごときは、港が余り前に出ておつたから船を皆壊した。我々は視察のときに後に船溜りを下げたら安全だということを言つたのですが、前へ出よう前へ出ようと危險地帶へ出す。その他の河川等にも川の淵ぎりぎりに家を建てる。これらに対して後ずさりをして余り自然に抗しない、埋立等に対してもそういう指導が必要だと思うのであります。今の災害防止或いは復旧とかいうことについて、何かこれまで安本又は建設の河川関係等においても、それらを制限するという問題がありますか。実は川の中に蔬菜地なんかありまして堤防には曾て野菜を作つておつたのが、危險だつたので、禁止されておる。最近川の中に農地を沢山許しておる。それらが問題になつておるが、それについてお伺いしたい。
  66. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 例の耕作禁止の問題ですが、河川敷の耕作は戰時中の特別な事情で認めて、それが段々惰性になつてなかなか禁止ができないというのであります。併しこれは知事がこの禁止の権限を持つておるのでありますが、我々としては知事を督励するという形で以て督励しております。東京は例のカザリン台風のときの利根川の決壊に目を覚しまして、東京地方は昨年までに大体片付きました。今大阪の方がお見えになつておるのですが、大阪はまだ淀川が耕作禁止ができておらない。そこで今度淀川がそのヘスター台風のときに水が出たのでありますが、すつかり供水敷が壊されたということを聞いておるのであります。これは耕作によることが大きな原因をなしておるわけで、やはりこういう機会をとらまえて大阪府もやはり耕作禁止すすべきだと我々は知事さんにも申上げて参つた次第であります。やはりどうしても耕作は禁止したいと我々は考えております。そこで耕作を單に禁止するだけではどうも職を奪うだけで、何らうまみがないのでありまして、我々としては作物を作ることは禁止いたしまするが、牧場として使う放牧は大いに奬励するという食糧事情から申しましても、肉食の方に轉向させて貰いたいということを主張しておるのであります。話によりますと放牧をやつた方が経済的にもうまく行くということを申しておりまするが、段々こういうふうに導いて参りたいと思うのでありますが、一應耕作権を持つておる各個農民をいかにして適当にこの方に轉向させるかという方法がなかなか困難でうまく行かないと思つております。併し我々としてはできるだけこれを奬励しまして、禁止を遂行させて行きたいと考えております。
  67. 安部定

    ○安部定君 安定本部の政務次官にお尋ねしますが、只今先程來河川局長それから次官から大変な御決意を聞いて心強く思うのですけれども、政務次官は原口さんの質問に答えられまして、大体特別会計を作つてやるという御意思のように承つたのですが、あなたの方が多分主宰をしておられると思いますが、例の経済再建復興計画委員会の一應の結論を得たので、その要約を國民の前に報告するといつて我々が頂いております五箇年計画を見ますと公共事業費の額が決められてある。その中の河川も砂防もそれぞれ各年次の額が決められてある。例えば公共事業費について申しますと昭和二十五年から八百五十一億、九百七十八億、千百七十二億、千三百九十二億最終年度でありますがこういうふうに決められてあり、又一般会計の歳出も、今年度の七千四十六億に始まつて五千五百七十五億、五千百三十億、五千三百二十一各、五千六百二十六億とありまして、それに対する公共事業費の比率は二十四年度七・四%、二十五年度は一五・二%、二十六年度は一九・一%、その次は二二・〇%で最終年次二四・七%となつておるのでありまして、これはなかなか殖えておりますので、只今の御決意と大体方向が同じなのではありますけれども、これは経済安定本部が恐らく主宰しておられるのじやないかと思うのでありますが、それに先程の安定本部の政務次官から特別会計でも作ろうか、或いは災害がかくのごとく年々來たのでは困るから、大いにやろうという御意思の御発表があつたのですが、一体かような計画が一方において発表されておるのに、そのような特別会計を作ろうかなどというような御決意があるということは、これは政務次官の個人の意見なのでありますか、或いはそれともデラに始まる六つの台風がやつて参つたので、ここ四、五日の間に急にさような決意を、話合が安定本部の内部に行われて來たものでありますか、その辺のところの関連をお答えが願いたいと思います。
  68. 西村久之

    ○説明員(西村久之君) お尋ねの今のお読み上げになりました関係は、一通りの目標に計画になつておるのでありますが、これをやつても災害の復旧はできないのであります。年々多くの関係のそれは既往の災害関係の数字がそういうふうに出ておるのであります。今後又予想し得ないような年々数百億の災害に上ることを私共予想して実は心配しておるのであります。これを災害が起る度に過大の災害になつて起つて参ります災害とを一緒に併行してやつて行こうといたしますると、國民の負担が非常に重くなりまするので、成るたけ國民の負担を軽からしめる、安易に災害を防止し、復旧ができますようにと考えまして、実は特別会計制度も設置して災害のない場合にでも積立等の方法をやつて、そうして一應災害が起りましたる際の臨機の措置として特別会計で救済をしよう、こういう建前で進もうとする氣持が安本の中に相当上つておるわけであります。今後その立案につきましても調査研究するように係官には話をしてあるわけであります。ただこれが特別会計になりまするので、安本が立案廳の地位に立つとは存じまするが、大体の関係は、大藏省にあらゆる特別会計が移りますので移るのではないかと存じますけれども、これは特別会計を設置する法律案を拵えまする際に明記いたしたいと、かように実は考えておる次第であります。私個人の意見でありませんので、そういう議がありますることだけをここではつきり申上げてよかろうと思います。
  69. 安部定

    ○安部定君 ちよつと重ねてお伺いいたします。個人意見でなくてという御答弁で非常に心強く感ずるのでありますが、併しこの経済再建五ヶ年計画を読んでみますと非常に細部にまで亘つておるのでありまして、例えば鶏の数は二十八年度に何十億に殖やすと、その鶏一羽に昭和二十二年は九十箇の卵を生ませるが二十八年度は百二十箇の卵を生ませるというようなことまで載つているのでありますが、そのように精密にできていてそうして詳細いろいろな費用を見ましても今お話のようなところがどこにもありそうにもないのであります。更に総予算にいたしましても來年度は五千五百七十五億というのに対しまして、先般來政府が來年度の予算の試案として幾度か発表しているのを見ましても、これは新聞紙上の発表ではありますけれども、ほぼこの五ヶ年計画の線に沿つた数が常に発表になつておるところから見ますと、恐らく私は一應、疑つては相済まないのでありますけれども、キテイを最後といたします六つの重大な災害があつたその直後でありますから、幾分氣休めと申しては本当に失礼でありますけれども、災害があつたからそれに即應するようにというような意味での御答弁でなければ幸いと思いますが、その点は特別会計にもいたして大いにやろうというような御意思のおありのことは間違いないでございましようか。
  70. 西村久之

    ○説明員(西村久之君) 先程も申しましたように間違いはないと御承知置き願いたいと思います。
  71. 仲子隆

    ○仲子隆君 動議を提出いたします。大分時間も過ぎまして午後も続けてあると思いますので、午前は一應会議を閉じられて休憩後にやられたらどうかと思います。その間においてちよつと懇談会に移つて頂くことができればと思います。
  72. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 予め私は午後の大臣に対する質問を保留いたします。その質問に関連して安本の御答弁を得たい、それをお許し願いたいと思います。
  73. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 皆さんにちよつとお諮りいたします。只今仲子君の動議が出て参りましたので、いずれ休憩したいと考えますが、実は今回の災害に関しまして、建設省から参りました資料を見ましても、市町村工事等においても相当額の工事が運ばなければならんのであります。これらに対する財源等のことも我々は一應審議しなければならん。つきましては、総理府の財政部の監理課長が見えておりますから、そう長い時間も要せんと思いますので、一應の説明を聞いてから休憩したいのですが、如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それではどうぞ。
  75. 大林襄治

    ○説明員(大林襄治君) お招きに應じまして地方自治廳の財政部長の代理といたしまして参りました監理課長であります。  この財政復旧費につきまして是非御配慮を願いたのは、地方債の枠の問題であります。即ち現在の災害復旧費は、國の直轄工事を除きまして、建前として府縣なり市町村なりの地方公共團体が施行することとなつております。そうしてその工事費の一件十万円以上のものにつきましては、國は三分の二の工費を負担する、三分の一を公共團体が持つ、こういう建前になつておるわけであります。一件十万円以下のものはこれは公共團体が持つ、こういうことになつております。而も地方團体の負担するものにつきましては、從前の例によりますと、地方債の発行を認めて、その年度の地方民の負担に全部被せないで長期に亘つてこれを償還して行く、こういう財政上の建前をとつております。從いまして、災害が大きくなりますると地方財政の負担は当然加重されるわけであります。然らば本年度のその点がどうなつておるかということを申上げますと、御承知の通り、地方債の発行総額が本年度は二百三十三億円というふうに限定されております。そのうち災害復旧費にどの程度が当てられ又当て得るかと申しますると、公共事業費本年度五百億円のうち災害復旧費として地方團体に百七十億円支出されることになつておりますが、それに伴います地方負担は七十億円という額に達します。その七割程度の五十億円を二百三十三億のうちから出す。その外に先程申上げましたように、十万円以下の工事を我々は單独事業と言つておりますが、その工事費に対しまして地方債額を二十億充当する、計七十億を充当するという計画で進めております。併し、これはすべて二十三年度以前に発生したしました災害の復旧費でございます。と申しますのは、國の公共事業費五十億円の中に含められておりまする災害復旧費というものは、すべて過年度のものでありまして、今年度の復旧費につきましては、今年度の災害の規模に應じまして補正予算で取られるという建前をとつておられますので、地方債の只今申しました七十億円というのは過年度分として用意されておるわけであります。然らば二百三十三億円の中に本年度の災害復旧費が全然含まれておらないかと申しますと、これは他の一般公共事業費に当てる分等を差引きまして、十七億円を用意しておるわけであります。当初の計画といたしまして、この十七億円は、先程申しましたように、國の公共事業費に本年度分が含まれておらないから、この十七億円というのは、國の補助工事ではなく、地方の單独工事分だけに充当するという予定でおりまして、國の補助工事については、國の補助予算が殖えた際に地方債の枠を殖して頂くという考えで進んで参つたわけであります。ところが、本年度はデラ台風初め大きな台風が比較的早く続々参りまして、この額につきましては、先程もお話がありました通りに、これはジユデイス台風までで地方の被害額は五百億以上に達しております。それから今度のキテイ台風が、私共の方に纏つておりますのは三百六億と三百億を突破して計八百億程度の被害となつております。これを單純に計算いたしまして、三分の一を本年度内に施行するとすると三百六十億程度、その三分の二を國が補助するといたしましても三分の一に当ります九十億というものは地方負担になる。これは極めてラフな計算でありますが、その程度の地方債がなければ復旧事業を促進することができないという、こういうふうな構成になつておるわけであります。併しながら、補正予算なり地方債なりを持つておるわけには参りませんので、差当りは先程申上げました單独用に当てております十七億を裏付として預金部の融資を図つておるわけであります。預金部の融資総額は現在までに二十四億円に達しておりますが、その中で地方債で担保いたしました額は十四億をすでに使つております。残りは三億でございますが、これは本年の火災に充当する予定であります。そういたしますと、地方債から担保に使い得る額がすでになくなつておると、こういう状態でありますので、今度のキテイ台風に対する担保をどうするかという問題があるわけでございます。キテイ台風の額はデラ台風の額に匹敵する程大きいのでありまして、どうしてもこの際融資の額を相当見なければいかんわけでございます。その担保を何を以て当てるかという点でありますが、今申しましたように手持は一應ないわけであります。止むを得なければこれは一般全共事業費に充当する予定にいたしております額が百十三億ありまして、これは手続上まだ確定いたしておりませんので、一時これを立替えて担保に供したらどうかと考えております。勿論補正予算の目途がつき次第地方債の枠を殖やしてこの立替分は補充しなければいかんと考えております。本年度の應急措置についてはそういうふうに運んでおるわけでありますが、いずれにしましても一つ補正予算の目途のつき次第地方債の枠を相当程度拡張して頂かなければ、現在の程度では復旧工事が進まないという現状でございます。  尚恒久的な制度の問題として先程安本政務次官から特別会計のお話がございましたが、地方自治廳といたしましては前からこの際災害復旧費に充てるため災害復旧基金というものを、國と地方とが共同に資金を拂い込みまして一つの公法人として設置して災害の都度必要額を出して行つたらどうかという考えを持つております。と申しますのは財政的に見ますと國も地方も毎年度相当額を出すことは分り切つておるのであります。今年度は特に多いようでありますが、復旧費として出るべき金は計数的に見まするに毎年度相当額に上ることは分り切つておるのであります。それを予め予算的措置をしないで、その都度やりますような建前でありますので必要な措置が間に合わない、又急なために財政を混乱させるという状況でありますので、これを相当程度の分を明年度初めに國も地方も予算の上に予定しまして、それをこの復旧基金に拂い込みまして、そうして発生の都度應急に要りますものはすぐ出す、これは特別会計にするといろいろ会計上の手続があつて時間がかかりますから、應急のときにはこの基金からすぐ出す、然る後本格的な復旧費は各省共同の管理委員会でも設けて嚴格に査定して必要分を出して行くということが最も望ましいのであります。我々の計算によりますと來年度これを設置いたしますと國の拂込は三百億、地方拂込は二百億程度で足りるのじやないか、この程度ならば予めしつかり財政的に措置していいではないかと、まあこういうふうな考え方を持つております。それは飽くまで復旧費の大部分を國は三分の二持ち、地方は三分の一持つという現制度を前提にしております。聞くところによりますとシヤウブの税制勧告案におきましては災害復旧費について相当大きな示唆が出ておるということでありますので、我々としましては勧告案の本文の回答を俟ちまして、この制度の適否を判断してでき得べくんばこの線で一つ問題の解決をしたいというふうに考えております。非常に簡單でありますが……。
  76. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 今のお話の中に担保がないから今年度の枠から應用するというお話があつたのですが、若しそうなつたらばそれは還つて來るのですか。
  77. 大林襄治

    ○説明員(大林襄治君) これは枠を越え次第もどすということになるのです。一時立替えて行つて一般事業費の再建に充てるという面から災害復旧に一時立替えて出す……。
  78. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 後はもうすぐ還るわけですね。担保というのはどういう意味ですか。
  79. 大林襄治

    ○説明員(大林襄治君) これは預金部資金といたしましては確定した補助金は地方債のあれがないから、担保なしには公共團体には貸出せないというふうな経済九原則下の建前がありますので、今まで全部担保がつけてあつたわけであります。
  80. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは先程仲子君の御提案もありますし、本日の午前の会はこれで休憩いたします。午後一時半から再開いたします。    午後零時二十三分休憩    ―――――・―――――    午後二時一分開会
  81. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それではこれより午前に引続きまして建設委員会を開会いたします。午前中災害復旧等につきまして建設次官及び河川局長の説明がございましたけれども、極めて大体に止まる政務次官の説明でありまするし、続いて河川局長からの各縣に亘る詳細な説明がありましたけれども、建設省としての御計画及び最後に見通し等については大臣の所見を伺つてないのであります。幸い大臣の出席を得ましたから発言をどうぞ。
  82. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私は今回の水害に鑑みまして、治水政策の方針と申しますか、自分の考えておるところをお話し申し、若しも私の考えが間違つておるならばどこが間違つておるというお教えを頂き、又仮に正しいとするならば特に大臣にお考え願いたい。そういう意味で質問と申しますか懇談と申しますか、とにかく一應述べて見たいと思います。  先ず第一に私考えますのにはこの一両年水害が御承知の通り殖えておる。この水害の災害原因につきましては洪水においておりますが、今朝もちよつと或る委員から御質問がありましたが、やはり文化の進展と申しますか、今までは災害の対象となる余地のなかつた所が今回災害に遭つております。一つの例を申しますならば、大正の終り頃には神奈川縣の鶴見川の沿線のごときは殆んど工場がなかつたのであります。でありますからあそこは水は出ましたけれども災害というような声は起りませんでした。ところが御承知のようにあの沿線には非常に住宅は殖え工場が建ちましてこれが災害の大きな原因となつております。又耕地の開発も今までは余り無理なところに耕地はなかつたのです。併しそれを開墾して参つたためにこれはひとりこの最近の開墾の問題だけでありません、つまり大分無理なところを開墾した。先月も私山形縣に参りましたらやはり藏王山の麓のごとく相当大きな開墾をやつております。それがやはり水害を蒙つております。これのごときも決して以前には水害の水の害のというような声はなかつたのですけれども、開墾をやつたために水害を受けておる。或いはそれにいたしましても從來は殆んど災害の場所でなかつた。昨年一昨年あの一関の災害を見ましても、あの一関の磐井川の下流の方の住宅はむしろ戰爭中に建つたものが多い。これもやはり以前には災害の対象ではなかつた。そういうふうに人爲的に災害となる箇所が多いために、災害の費用も殖え災害の声が多くなつた。これもありますが、又一面におきましては例の戰爭によつて森林を濫伐した、或いは戰爭中河川改修その他治水等に対しても余り考慮を拂わなかつた。これが水害の原因であるといわれております。殊にこの水害の原因として、この治山と申しますか、水害の最大の原因、例えばこの三日の読賣新聞を見ましても、その社説に水害の最大の原因は戰爭中の緊急伐採のために降雨が土砂を伴い川底が隆起したためであるというようなことが書いてあります。つまり戰爭中の森林の濫伐が大きな原因と言われております。これは併し私多少の疑問を持つております。成るほど戰爭によつて森林が濫伐されて、それがために水を支える力がない、從つて雨が降れば一時に水が來ますから、降水量も殖えて一つの原因にはなります。併し本当に大きな水になりますと、又大洪水を來すような豪雨になりますと、森林が雨水を支える力は案外少いのであります。これは方々で聞いておることであります。でありますから世間一般に言われておるように森林が非常に濫伐されて來た、そうして水を與える力が非常に減つた、これは余り過大視されていわせんか、こういう観念が私にはあります。それから戰爭中に河川を余り顧みなかつた、これは確かにその点もありました。では戰爭前には一体水害はどうだつたか。やはり大臣の御承知の通り随分水害がありました。明治四十二、三年の大水害は申すに及ばず、昭和になりましても例えば大臣の御郷里のあの昭和九年の石川縣の手取川の水害、これは石川縣としては今まで恐らくなかつた大水害であります。これも戰爭前に起つた水害であります。又昭和十年の京都の加茂川の水害もやはり戰爭前に起つた水害であります。京都の加茂川にしても立派な河川工事ができておりました。又石川の手取川といたしましても下流の方には大臣御承知の通り相当堤防ができておりました。こういう例を見ますと成る程河川改修の少いことは認めますが、河川改修が非常に不備なために災害が又段々起つて來た。これはこればかりとも言うことはできない。それから考えてみますと、我々は今まで長年政府の取つて來た治水政策に何か欠陷があつたのじやないか、こういうところに勢い事実を以て昨今示しているのです。どうしても事実が私に示すようなものです。では何がこういうふうな災害の原因になつたか、これもすでに大臣は御承知と思いますが、今日新聞紙上で随分朝日、毎日、読賣、いろいろと新聞紙上におきましてこの治水のことを書いております。その論説を見ますと、十が十まで皆治山、治水、こう言つて、治山はいわゆる森林を造れ、伐採した跡に一日も早く植林をせよ、それから治水は一日も早く河川工事をせよ、こういうふうに説いております。これは今日世間の一般治水に対する常識のように考えられます。ところがこういうふうなことは治水観念において非常に間違つてはせんか。つまりこれは砂防、土砂に対する根本観念が一般國民が欠けておりやせんか、例の常願寺川の水害を見ましても、明治十二年にデレーケが來ましてあの下流には二百五十万円の金をかけて全部流路を変えまして立派な河川改修ができた。これは委員長も御承知の通りに今日では川底が両方の耕地よりも数メートルも高くなりまして又新らしく河川改修を今日やつております。こういう例が日本到る所にあります。私の手許に一昨日参りました渡良瀬川水害緊急対策の陳情書を見ましても、今日の災害の原因を思うに、堤防の決壊のうち最も被害を與えたる錦桜橋両岸は川巾特に狭隘にして、所要巾員の半分百五十メートルに過ぎず、且つ流心の水当り箇所に相当するのと、川底が上流よりの流出土砂のため浅くなり、川石の減少せる結果、こういうことをはつきりやつと國民が分るようになつているのです。つまり我々が今もつてかく非常に尊敬しています初代の技官の荻野博士は何とおつしやつたか。我々に教えるのに、一体治水の道は一つだ、川が眞中を通るように掘ればいい、自然の力で掘ればいい、自然の力で掘れなければ掘るのだ、つまり川が低くなる、川さえ低くなればそれほど水害が起らない。これは私は古今に戻らない本当に治水の明らかな言葉だと思います。こういう方針で行くならば堤防も必要でしよう。仮に川底が段し低くなりまして、現在の耕地よりも低くなる、そういうことであるならば、或いは堤防を或る程度までするならば、それ以上にしなくても洪水の氾濫はない。こういうことを認め得ることは当然と思います。要するのに土砂を如何に防ぐか、今河川改修は必要でありますが、河川改修をしましても川底が段々上れば又河川改修をする。又堤防を増築する、こういうことになります。でありますから、今までの河川改修はいわゆる治水でありますが、治水の一つの目的として世間一般にいう治山、それから治水、言い換えれば上流の植林と下流の河川改修、これに最も重要な砂防工事、この点が欠けているのではないか。こういうことをつくづく私は事実を以て認めざるを得ないのであります。こういう関係でありますからして、若しも私が事実に照らしましてこの考えが大臣におかれましても違いないものだというふうなお考えがありますならば、この際治水政策に根本的の考えをして頂きたい、こういう考えを持つております。但し私はここに砂防さえすれば河川改修をやらなくてもいい、そういうことは申しません。だがどこが欠けているか。河川改修は必要です。又植林も必要です。又この新聞にもあるように、植林は川床が降起したためにこれを防止するために治山、即ち植林は最も有効な手段であるがこれは早急の間に合わない、こういうふうに書いております。こういうふうに今日の読賣といわず毎日といわず朝日といわず他の新聞社もいわゆる從來の治山、治水、こういうふうな考を持つて、そこにもう一つ先程からくれぐれも申す砂防工事の重要性が欠けているように私は思わざるを得ない。これは大臣に特に私はお願いするのであります。仮に今私の申しましたことは事実に照して正しいとお考えなさるならば、來年の予算時期もすでに迫つておりますが、この点を特にお考え願いたい。そうして今根本治水政策をお立てにならない以上は、何年たつても日本はいわゆる災害に対して救われることはない、これは我々の子孫に対しても誠に相済まん、この際に根本政策をお立て願いたい。例をもつて申しますならば、或いは昭和十年にあの六甲山の傍の仁川が非常に水害を蒙りまして、そのときに私はあの六甲川全体を調査しました。そうして二十五河川に対して百七十六万五千円の予算を計上した。ところがその当時大藏省はこれを認めないで二十三万円だけ認めた。それで止むを得ず二十三万円で仁川に主に砂防工事をやつたのです。ところがあの十三年の関西の大水害に対してこの仁川は殆んど被害がなかつた。然るに他の河川は御承知のようにああいう酸鼻な大水害を起した。これも河川によつて違いますが、例えて申しますならば、先程申しました神奈川縣の鶴見川、これは水源から見て何も砂防工事をやる必要はありません、併し日本の河川は鶴見川は別としてやはり水源が非常に空いている河川が非常に多いということは事実でありますからして、この際根本計画をお考えあつて、この予算に対しても本当に將來再び水害を起さない、そういうふうな予算上の観点に立つことができないか。私の考を申しまして大臣のお考えを一應承わりたい、こう思います。
  83. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 赤木委員の仰せは至極御尤もであります。近年各地に災害が起りますのは誠に遺憾でありますが、この原因はいろいろ研究しておるのでありまするが、戰爭中の過伐濫伐ということも重大なる原因の一つであります。又戰爭前後を通じての土木工事の空白ということ、いろいろございます。先般の九州の災害につきましても陳情者の言うところによりますと、戰爭中に松の根を起してしまつて松根油を取つたために度を高めていることは間違いないのであります。そこでいろいろの方面、或いは浚渫に力を入れなければならない、又堤防の強化に努めなければならない、一面赤木委員のかねての御主張のごとく砂防に重点を置かなければならぬということも、我々は十分に理解をいたしておるのであります。從つて今回の根本的治水計画を執行するにつきましては、砂防には相当これまで以上に力を注ぎたい、重点的に砂防に努めたいというので、今回の大藏省に要求いたしました予算についても、砂防の面については相当高額を金を要求いたしておるのでありまして、砂防は今日以上に力を注がなければならんという考えを建設省としては持つておる次第であります。
  84. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今大臣から私の考えに御同意下さつて、砂防に十分御考慮願つておる点は過日の二十五年度要求予算に対しても新聞紙上でよく存じて非常にありがたく存じます。ただ今後願いますのは、どうも砂防予算は初めの出鼻は相当大きいのでありますが仕舞になつて來ると幽霊のように消えてしまう、これが殆んどの例であります。今まではどうかいたしますと資材がないから砂防は止むを得ない、こういうことを一両年は言つておりました。併し資材の点も最早大臣御承知の通りにそれほど窮屈でありません。ただ今日は資材よりもやはり金でありますからして、今の大臣の御覚悟の通りにどうかこの予算の実現できるように特にお願いいたします。  それからもう一つこれは別のことでありますが、ついでにこの際お伺いしたいのは、過日この席で例の建設省に土木審議会、或は治水審議会そういうものを設けられます場合に、やはり衆議院なり参議院のこれに関する者が成るべく委員となることができなければ、オブザーヴアーの形で入るようにお考え願いますということをこの席上で申したのでありますが、あれはその後どういうことになつておりますか、若しも承わることができれば非常に結構だと思います。
  85. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 先般もお答え申上げました通り、建設省の官制の方の審議会、調査会、もとより法律によらざる省で決めまする調査会等には、努めて参衆両院の権威者をオブザーヴアーとして迎えることにいたしておる次第でありまして、又今後作る委員会、調査会等にはオブザーヴアーとして加わつて頂きたいということを考えるのであります。
  86. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 私今大臣のオブザーヴアーとして入つて頂きたいという点について私の考えを一應申上げておきたいと思います。建設委員会は今まで約二年半の間、特に憲法六十二條の両議院は國政を調査し云々ということがございますが、その六十二條の発動を建設委員会はしなかつたのでありますが、併しこの前の國会において熊野川流域の人たちから、北山川にダムの建設の絶対反対の請願が出て参りました、この委員会といたしましては何らの知識がない、それでこの委員会ではその請願の採択に当つて一應保留したわけであります。それは委員会として現地を見てからにしようということで現地を見に行きましたところが、地方の人たちに非常な陳情を受けて、甚だしい激昂の余りか何か知りませんが、私共委員会から行つた者がまるで会社の廻し者だというぐらいにまで言われたような次第であります。余りに私共が憲法六十二條の規定があるにも拘わらず、両議院が國政を調査するという條項があるにも拘わらず、政府が調査しておることに全然無関心であるということは、非常に我々の職責を全うする上にも欠くるところがあると、こういうふうに皆が考えまして、一昨日と昨日は初めて本委員会として憲法六十二條により只見川と熊野川を調査問題に取上げまして、そうして福島縣知事と新潟縣知事、又三重縣知事と奈良縣知事、和歌山縣知事の出頭を求めました。それで地元の方でどういうふうに考えられておるかということを聞いたわけであります。これなんかは私考えまするのに、この委員会がもう少し今まで國で調査しておられますことを実際知つておるならば、こんな煩雜な手続をさせんでもいいじやないかというふうな感じが非常に強いのであります。政府の作られるいろいろの調査会に入ることができんということになつておりますが、若し入ることができなければこの委員会にもう少し、建設大臣が所管しておられる諸般の調査事項を知らしめるということが、お互いの時間的の節約でもあり、この委員会の運営上私は非常に都合がいいのではないかというふうに考えております。初めてこの委員会で六十二條の適用で昨日の委員会を開いたのですが、この委員会もどう結末をつけるかということに私共は悩んでおるのであります。これをどういうふうに持つて行つたらいいかということに悩んでおるわけでありますが、そういうふうな問題が起ることも、結局我々委員会の者が政府で調査しておる事柄を全然知らない、そうしてややともすればとんでもない請願、陳情が出て來る、そういう点に私は不備があるのじやないかと思うのです。どうかこういうふうな点をよく大臣は認識せられて、そうして今後政府がやられる事柄と我々が委員会でやつておる事柄との密接な関係をお取り下さることを、私は特に強調いたしたいと思います。
  87. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 御趣旨よく分りました。
  88. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 キテイの損害が土木関係だけで府縣が約百三十五億、直轄十四億、寄せて百四十九億というふうに承知いたしておりますが、これに対する対策は午前僕は席を外しましたが、この数字が正しいかどうか、これに対して建設省は差当りどういう方法を講じられるかということであります。それを聞いてから二三まとめて質問を出したいと思うのであります。
  89. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 各都道府縣から災害の結果を申出て参つております。それによりますると只今大体直轄河川のものを加えて百六十億を突破いたしておるように承知いたしております。さりながらこれは私の方で直接査定をいたしておらんので果してどれだけの数字になるか、今日のところでは明確に申上げることはではないのであります。ただ各地の報告を累算してこれだけになるということを申上げるのであります。このキテイ台風に対する應急の措置といたしまして午前中の閣議において、大体預金部からの融資を加えまして二十一億、即ち十二億は公共事業費の差繰であります、九億は預金部の融資であります、総計二十一億ということで本日の閣議に決定をいたしました。併しながら各地の報告によりますと私の方の土木関係の災害におきましても、デラ台風の災害よりは被害がむしろ多いという計算になつておりますのと、その他農林関係の被害であるとか或いは運輸省関係の被害等をもう少しはつきり調査をいたして、これで足りないという場合には、更にその時に應急処置をとるということで取敢ず急いで決定しなければならんという建前から、今申上げた二十一億の金額を午前中の閣議で決定いたしたのであります。恐らくは近く各地に助成金若くは融資として配付できるという考えを持つております。そうしてこれは一時の急場凌ぎでありますから、來るべき臨時議会におきまして補正予算として相当金額の災害復旧費を計上いたす考えを持つております。
  90. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それじや二、三の根本的な問題を一つ、大臣に御所信を承わりたいと思います。  先程先輩赤木委員からもお話がありましたが、私は明治から大正、昭和を通じて今日のこの水害の状態は、從來の方式が完全な破綻に到達しておるものと見て私は差支ないと思うのです。即ち從來の方式、堤防を高め堤防を廣めるという、山を治めるということ、即ち砂防それからダム等々の根本的の処置を講じないで、そういうことを第二第三にして流量が順に殖えるに應じて堤防を高くする、河底が高くなると堤防を高くし、流量が多くなると堤防を高くし廣くするという、この姑息な明治、大正、昭和の三代に亘る不徹底な、非科学的な河川関係の対策が実質上完全に破綻し、これは戰爭に金を取られてしまつたという根本的な犠牲はありますが、戰爭の悪影響と相俟つて河川に対する根本的な怠慢、誤謬がここに崩壊となつて出て來ておるというふうに私は考えざるを得ないのでありますが、これに対して大臣は今後のこのデラからフエイ、ヘスター、ジユデイス、キテイの一連の約八百億の大水害に対する根本対策として、そういう從來のやつておる治水の方針を相変らで継続して行くつもりかどうかという点が第一点。  それから第二点としては、この災害で壊されたものを直すことさえも不十分な形となつて、年一年に國土を本格的な破壊に導いて行くのでありますが、この際今聽けば近く本格的な予算を出されるそうでありますが、第六回國会で、その内容の問題になりますが、災害を一方防ぐと同時に本格的に、台風の第一点とも関連して來ますが、治水の壊れたものを追いかけて直すそれさえも不十分だという敗北的な崩壊の態度から、本当に建設するという治水の根本策に同時に乘り出して行くという決意、並びに具体的な方針を持つて進んでおられるかどうかということが第二点であります。  それから第三点でありますが、これは午前から大体氣象台を中心にして私が問い質し得ました結論なんでありますが、現在建設省、運輸省方面の所管になつておるこの氣象の調査機関である氣象台と治山、治水それから住宅、これは農林の方にも関係して來ますが、そういつた國民の経済的な関係を掌つている省との間に殆んど氣象台というものが関連がない。氣象台は氣象台で何ミリバールとか何メーターとか一つの学問的な象牙の塔的な形で進んでいる一方、建設省では農林省とも十分な連繋を取り得ないという状態を、私は改めて予報関係を根本的にこの際建設省で考え直して、川についても堤防だけを護るという態度ではなく、山から川から住宅から工場から、あらゆる國民の公共施設のみならず民間の施設に至るまで予報をできるだけ早く捕えて、それを大衆的に知らせて、そうしてこれを防護措置を講ずるところまで指導するという、從來の氣象台の学究的な態度と建設省、農林省の独善的な態度を両方改めて、國民のために廣くあらゆる通信交通機関を使つて事前に國民に知らせる、それに対する防護措置を講じさせる、そういう方向に持つて行くという考えが建設大臣にあるかないか、以上の質問に答弁をお願いいたします。
  91. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 第一、第二の御質問は関連いたしておりますので一括いたしたいと存じます。堤防の蒿上げをする、これまでの間違つたやり方を是正する考えはないかというような御趣旨のように承わつたのであります。もとより洪水が出てこれの原状回復をするということで、建設省といたしましてもこれまでの内務省といたしましても滿足はいたしてなかつたと私は信じております。戰爭直後御承知の通りいろいろの面において非常に苦しかつた。或いは物の点において或いは國の財政の点から見まして思い通りに工事はでは得なかつたのであります。併しこれでは「いたち」ごつこでありますからやはり砂防をいたすとか根本的な水利の計画を樹てて進んで行かなければならんことはもとより当然であります。今回は災害の復旧をでき得る限り急いで緊急地点を回復すると同時に、一面根本的な治水計画を樹立してそして恒久的な治水の仕事をやつて行くという建前から、それぞれ研究に基いた予算の請求をいたしておる次第であります。併しながらおのおの財源の点において相当の拘束を受けますので、我々の希望通りの金額を予算に計上することができるかどうかについて非常に憂慮をいたしておりますが、私といたしまして年々歳々累増の一途を迫る災害は根本的に除きたい、そのためにはできる限り多く恒久的治水の面に予算を使いたいという考えで微力を盡くしておる次第であります。申すまでもなく災害が起つてそれの回復のみに努めておるということになりますと、これは遂に災害亡國というようなことになることは必然のことでありまするから、努めて恒久的治水の計画に力を注いで参りたいと思つております。  第三の氣象台の関係でありまするが、これは今回の台風におきましても、日本の現在の設備又現在の科学水準における最大限度において、國民各位に氣象の予報をいたしておつたことと信じております。私の方は、先般御承知の通り利根川の流域に予報の設備をいたして絶えず連絡を取つて、実際の洪水に処する予報機関を設けておるのであります。これは漸次各河川に及ぼしたいと存じておりますが、今回の災害におきましても通信機関が杜絶いたしましたので、例えば利根川で申しますると、栗橋或いは押付というようなところにおのおの機関がありまするが、通信機関が杜絶したために十分に徹底化されなかつたことを非常に遺憾に存じております。これは台風の際においてはどうかして無電を使用することを許して貰う、無電によつて速かに予報をいたし、例えば栗橋が今水が何メートルに來たというようなことを一刻も速かに下流の方面にこれを知らすというようにいたしたい。それにはどうしても無電を使うということが必要でありまするから、この面に盡力を今いたしておる次第であります。
  92. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 私は各委員の考え方を言つて、そうして大臣にいろいろ要求することは結構だと思いまするけれども、先程赤木委員から今日の根本治水計画が誤りとは言われないけれども、砂防を余り軽く考えておるというお話だつたのですが、これは私共同感であります。併し先程兼岩委員から、今日までの日本の河川改修は根本的に間違つておつたということを断言されたのでありますが、これは又兼岩委員の主観的お考えだから、これに対してとやかく申上げる必要はない。併しその主観的な判断を以て、自分が考えておる通りに大臣は日本の河川行政を変える意思がありや否や、こういうふうなことをお聞きになる以上は、私は建設委員会の一員として私の意見を申上げて置きたいのであります。私は赤木委員、兼岩委員のおつしやつたことの大部分は賛成であります。不賛成を唱えません。併しおよそ河川というものは、決して一言一句で盡き得る河川は世界中どこを歩いても一本もない。河川は時により場所によりおのおの性質を異にしております。一言一句で河川が片付け得られるものなら日本の河川行政は非常に簡單だと思います。例えば山岳地帶へ持つて行きまして砂防を作れば洪水がないのだというようなことが日本の河川全体に若しも適用できるならば、これは非常に簡單だと思います。日本の河川の今までの六十年間の技術者が、何を苦しんで河川と共に星を戴き洪水のときには夜明しをするという非常な苦心を、技術者としての我々の先輩は甞めて來ておりましようか。木曽川にしましても、利根川にしましても、信濃川にしましても、今日はとにかく或る程度の洪水が参りまして、あの大きな蜿々たる堤防で以て洪水は防がれております。不幸にして。一昨年のカザリン台風で栗橋の上流が決壊いたしましたために、そのときには群馬縣のいわゆる山岳地帶の被害は非常に大きかつたにも拘わらず、栗橋の上流の堤防の決壊が東京都までにも及ぼすような平地に被害を及ぼしたのであります。それだから輿論は栗橋の堤防の決壊を如何にするとかということで当時私は沸騰したと思います。今度のキテイ台風におきましても、利根川の下流の方の堤防の決壊がなかつたから群馬縣の被害が大きくクローズアツプしておるのであります。若しも不幸にして利根川の堤防が二、三箇所も決壊いたしておつたならば、この堤防の決壊は上流地帶に持つて行つて砂防を築かないからだと言うような愚かな人はないと思う。河川の工事というものはおのおのその河川によつて性質を異にするものであります。先程赤木委員からお示しになりました富山の常願寺川にいたしましても、六甲の河川にいたしましても非常に急流河川であります。急流河川、緩流河川によつて個々の取扱い方がおのおの違います。でありますから私は私の意見を申上げておるのですが、今日までの日本の河川の改修工事が根本的に間違つておると思つておりません。ですから大臣は、私の考えでは、今までの改修の方策を変えるなどということは、私は賛成申上げかねます。どうか砂防も強化し堤防も強化し今まで通りにして、あらゆる点に強化ができるような予算面の工夫をなさることを私は特に強調いたします。甚だ各委員の意見が異なるようなことを申上げておこがましいかも知れませんが、私も外の赤木委員、兼岩委員と少し意見が異なりますので、この機会に発表して申上げます。
  93. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 赤木委員から先程述べられました砂防、その他のことを大いにこれから考えて頂き、又その他の両委員からも河川の根本改修対策が相当であるということについて大臣は賛成の意見を述べられた。で具体的問題について局長の御答弁でも結構ですが、一体前から言つておつた足尾の砂防はどういうようになつておるか。これは前から言われておることなんで、上流の三川合流の地点は必ずやらなければならんということになつておるのだがさつぱりそういうことをしない。そういうことが今度の桐生あたりのああいう問題になつたと思う。それから又砂防と同時に集積した土砂を早く浚渫しなければいかんということを前からいつでも言つておつて、栗橋附近にも入るのだ入るのだと五月、六月から言つてるのにちつとも入らない。これは一体どういうことですか。一つしつかりした答弁を、又將來どうするかということをお聞きいたしたいと思います。
  94. 目黒清雄

    ○説明員(目黒清雄君) 根本治水対策の実行如何ということでありますが、実は本年度の予算は一應根本治水策の線に、いわゆる五ヶ年計画、実行計画と申しますか、この線に沿つてやるには非常に予算が少いのであります。從つてこの少い予算をどう有効に働かせるかということを相当苦労いたしました結果、午前中に申上げましたように、一應河川として全体的にこれを補強しようではないか、根本策に沿つて局部的にやつておりましたのでは結局その金が死金になるということで、先ず少い金ならば全体として堤防を補強すると申しますか、まあ蒿上げをして一應の水に堪え得るように應急的な措置を沿つて、今年度の予算或いは前年度からの行き方がそうなつておるのであります。從つて今我々の考えております根本治水策の方までは、現在のところはまだ足を踏入れておらなかつたということなんであります。我々としては一應この應急策は講じて参りました結果、午前中も申上げました通りに、利根川の昨年と本年度の太出水に対しては、一應そのために破堤を見なかつたということは大いに買つて頂かなければなりませんが、そういうふうな一應の應急的な措置を講じておりまするので、今後はこういう行き方よりはどうしても計画的な方向にこの際持つて行かなければならんのではないかと、今もう轉換期がいよいよ來たのではないかと、こういうふうな考え方を我々は持つておるのであります。從いまして先程お話の根本策はどうなつておるかと申詰められますと、今のところはまだ根本対策までは進んでおらない、應急策に汲々としておると申上げるより方法がないのであります。併しながらこの應急策は決して捨金ではありませんで、先程申しましたようにこれが重点的に施行されました結果、或る程度の効果を挙げるということは事実であります。
  95. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 局長の話はまあ應急策で蒿上げぐらいのもので水が出ないから何とか間に合つている、併しそれでは困るから今度は一つ、根本策とまで我々は思わんけれども、根本策の入口ぐらいと思つておりますけれども、そういうことをやろうという意見であるが、大臣はそういうことに対してどうです、そのために頑張つてもつと予算を取るという勢いでやつておりますか。
  96. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 先般もここで申上げました通り、閣議では今回は治山、治水に力を注ぐ、それで予算を編成するということを決定いたしたのであります。その他種々の予算標準が決定せられたのでありまするが、そのうち治山、治水を取上げてこれに重点を置いて予算を編成するということを決定いたしております。私といたしましては今日の國の財政上すべての公共事業に予算をばら撤くということは考えなければならんというので、ここ暫くは治水、治水の水面に重点を置いて、この結果或いは他の公共事業の方の一部に犠牲になるかも知れませんが、取敢ずここ当分の間は治山、治水に重点を置いて予算の編成をしなければならんという建前から、これを強く要望いたしておるのであります。そうしてその点についてはできる限りの努力をしております。
  97. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 漠然と治山、治水の予算というのじやなくて今局長が言つたように、今までの方式と根本的とは認められ難いが相当の轉換をして、單なる蒿上げとかそういつたものでなくて一歩踏み込んだ或いは砂防なり浚渫なり河川の根本改修にまで関係のある方の予算を、一体相当考えて取ろうとすることをされるかどうかということを一つ。
  98. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 堤防の蒿上げも、河底が上りますると取敢ず補強工作と申しまするが、補強のために蒿上げをやらなければなりません。又浚渫もいたさなければなりません。そのためには現在におきましても霞ヶ浦等には浚渫船を入れて浚渫に努力いたしておるのであります。現在乏しい予算を割いてそういう方面に努めております。そうして今回の予算においては、堤防の強化も必要でありますし浚渫も必要であります、同時に先程赤木委員の仰せになつた通り、砂防の点にも力を注いで参りたいという考えで、この砂防の点につきましても相当額の予算を請求いたしております。
  99. 石川一衞

    ○石川一衞君 ちよつと大臣にお伺いしたいと思いますが、たびたびのこの水害対策の問題で常に同じようなことばかり承わるのですが、私は根本策としまして、治水植林を前後十年、前期五年後期五年、これで私の調べましたところでは、一千二百億円あればこれはほぼ完成すると思います。次に河川五百億円、この金がなければ、昭和十二年以來全く荒廃に帰しておりますこの河川が、膏藥貼りばかりやつておつたのではいくらやつても間に合いません。これを災害公債のようなものを発行しまして本当の根本策をお立てになる御意思がございますか。ちなみに申上げますが、群馬縣のごときは二十二年、二十三年度の災害におきまして、一万三千ヶ所の災害箇所であります。これを現在のような公共費でやりましたら百年経とうが二百年経とうが荒廃ばかりいたしまして決して元に復しません。そこで私はこういうふうなものを公債を発行しそうして根本的にやらなければ駄目だと、その道程におきましては現在のような方法をとることもこれは結構でしよう、そういうお考えがありましたら一つ。
  100. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 建設公債を募集して治山治水に向けるということの考えを持つておるかどうかということでありまするが、そういう方面についての研究はいたしておりまするが、近くこれが実現するという見通しはついておりません。公共事業費としてここ暫くはでき得る限り、國の財政の許す限り公共事業費として治山治水に盡さなければならないという考えを持つております。
  101. 久松定武

    ○久松定武君 私は先程大臣がお話しになりました中の水防法に関連する問題でありますが、先程大臣が利根川の例を引かれて、上流の増水について下流に無電等を以て通告する設備があつたらよいとこういうお話でありましたが、私はデラ台風のときに本院から視察を命ぜられまして九州四國方面に参つたのでありますが、この水防法が甚だ不徹底であるということを痛切に感じたのであります。一例を申上げますると今度の氣象観測等によりましてそれを速かに通達するということになつておりまするが、実際を見ますると甚だその通信が不完全であるということを本当に感じたのであります。四國に参りましてデラ台風の遭難の大きな原因として、通信が不完全であつたということを言われます。例えば今まで警察は自己の所有の電話を持つておつた、ところが警察の電話は只今はない、一般の電話と同樣な扱いになつてしまつておるのであります。そういう結果からこの天氣予報等における通報が普通の電話と同じような扱いを受ける、何ら速報をするというような手段を講ぜられていない。例えば愛媛縣におきましてあのデラ台風のときの確か六月の十八日でありましたが、あの通報を國家警察の本部が発令したのが午後四時だつた、ところがその末端の町村に行きますと時間が六時間、甚だしいのは七時間以上を要しておる、夜中の十一時頃にやつと村々の役場或いは警察駐在所等が受取つておるというような実情が多いのであります。これは九州方面においてもそれを見受けたのでありますが、こういう急を要する大衆が非常な生命に危險を感じるような通報は、今後電話局と申しますか電氣通信省と申しますか、そういう方面に対して政府当局ももつと密接に一つこの点を御考慮を願いまして、今後はこういう危險な台風に対する警報というようなものは速報する。又ラジオにおきましても甚だ不完全な点を多く見受けたのであります。私は途中でフエイ台風に遭い続いてジユデイス台風にも遭つて來たのでありますが、その都度都度それを非常に痛切に感じたのであります。それと同時に又この末端における樣子を見ますると、すでに二三日前から台風の襲來に対しての正式の予告が出ておるにも拘わらず、その各地方の末端の町村に至りますと役場自体も村役場町役場も台風が來ることを知らない。その役場自身にラジオを持つております。それから正式に縣の方からの通報があるにも拘わらず殆んどそういうことを知らなかつたところがあちらこちらに多い。  それから尚もう一つは運輸省関係になりまするけれども、こういうようなものは、非常に危險を予報する意味からいつても停車場その他にこの天氣予報の暴風雨の警報というようなものも、何か戰前ありましたようなものの一つ掲示を出して頂きたい。然るに今度の視察に行つて見ますとどこにも殆んどない。役場でその台風襲來についての掲示を見たのは僅かに一二ヶ所に過ぎないというような状態でありまして、私はこの点少しでも災害を予防する意味において、是非ともこういう点において実施を早くして頂きたいというのが私の希望であります。  それからもう一つは、氣象台におきましての通報並びに放送局の連絡というものが比較的に密度のようであつて割合に地方においてはその点が欠けておる。又警報に対する予報がニュースがいろいろの関係から特定の時間よりやれないというような関係もありましようけれども、すでに鹿児島のごときは台風が通過した後に初めて警報が、只今鹿児島を通過しておるというような状況を放送しておるような非常な失態を來しております。そんなような点から考慮いたしまして、是非共これは水防法に関係することでありまするから、建設大臣よりも各政府当局にもつとこの点を改良するように一つ御鞭撻を願いたいのであります。  尚もう一つ私が申上げたいことは、今までの戰前に見られなかつた一つの堤防の決壊に当り大きな、戰時中以來戰後特に甚だしくなつて來た一つの原因があると思うのです。それは食糧の増産その他によつて堤防又はその個所に近いところに盛んに農地を作つた、耕地を作つた、甚だしきは水田まで作つておるというような状態でありまするが、これが大きな原因となりまして利根川初め各所に至るところに今度の堤防の決壊を生じた大きな原因を作つておるようなわけでありまするが、承わりましたところによりますと、建設省におきましてはこの堤防の中にある耕作地帶に対しては禁止するようにという告示を各縣に出しておられる、併しその指示は縣知事の権限内にある。これは私としては將來法令としてこれをお出しになる御意志があるか否や、ということを大臣に伺いたいのであります。私共の意思を申し上げますると只今総合開発として各地に大きなダムを建設するためには、場合によつては水没地帶として何百戸という現在先租代々の土地を持つておる者の犠牲を敢てしてまでもそれを遂行して、將來の日本のために開発地帶としたいというような考えを持つておられる。ところがこの何万という河の沿岸におるところの住民の危險を伴う、この堤防に対して考えられておるところの農地に対しては、ただ勧告程度のものが各縣に建設省からいつておる程度に過ぎない。私は今まで戰後におきましての大きな一つの原因としてのこの堤防の中にあるところの農地というものは、もつと大きな見地より一つ禁止されるような法令を設けて頂きたいと思うんです。先程も大阪府会の議長始め淀川の堤防についての陳情にわざわざここにお出で頂きまして、ところが伺つてみるとこの堤防に作つてあるところの耕作地帶については何ら考慮しておらない。大阪府知事自身が禁止しておらないというような状態で、殆んど堤防の中における農地を禁止しておる縣が僅かしかないというふうに私は考えるのでありまして、これは重大な一つの問題でありまするからむしろもつと根本的にお考えになつて、できれば法令を以てそれを禁止するようにして頂く方が將來の百年の計を立てる意味においてはよいものではないかというように考えるのでありますが、大臣の御意見も私は伺いたいのであります。
  102. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 先程の予報のことについては、承わりますと今回は電通省におきましては今度のキテイー台風の際においては優先的に取扱つてくれたそうであります。九州方面のデラ台風などの当時はまだその取扱がございませんでした。今回初めて優先的に取扱をして貰つたので非常に予報も早く実行出來るようになつて喜んでおるのであります。又ラジオその他のことについても今回は非常に氣象台その他と連絡を取つて数回ラジオで東京都或いは附近の府縣に予報をいたしております。ただ御承知の通り停電等のためにやや十分できなかつた恨みがあるのであります。今後とも氣をつけて政府各機関と連絡を取つて御趣旨に副いたいという考えを持つております。  もう一つは堤防周辺の耕作地の件でありまするが、これは建設省といたしましては、各府縣に対して禁止するような手続を都道府縣の知事に対して発しておりまするが、指示をいたしますのは都道府縣の知事がいたすので、これは督励をいたしたいと存じております。ただ法律を制定するかどうかということでありまするが、これは民有地が沢山あるのであります。國の敷地ばかりでなく民有地があるのでありまするから、この点は余程考慮いたさなければなりません。どうしても徹底的に禁止いたしますならば民有地を買上げなければなりませんと、かように考えておりますが、堤防決懷の危險の生ずるような箇所については一日も速かに禁止をいたしたいという考えを持つております。
  103. 原口忠次郎

    ○原口忠次郎君 久松委員の後半の堤防の耕地の問題でございますが、これは誠に重大な問題でございます。私はこの問題について経驗を持つておりますので一應申上げてそれから私の考えも後で申上げたいのでありますが、この堤防の高水敷に耕作をするということは東條内閣の唐澤内務次官のときに始まつたのです。それまでは今の建設省、前の土木局なんですが、土木局の中の河川関係の技術官は堤防に耕作をするなどということは考えても見ない。それで私当時内務省の土木出張所長をしておりましたが、唐澤次官から土木出張所長会議にそういう議題が出たのであります。堤防並びに高水敷に戰爭に勝つために耕作をすることを許してくれという提案があつたのですが、私共土木出張所長は全部決議をいたしまして反対いたしたのであります。これは利根川堤防或いは木曾川、信濃川、こういうふうな大きな堤防は何万町歩の耕地と何十万の生命を保護しておる、僅かばかりの耕作のために若しものことがあつたら大変だと言つて反対したのであります。私覚えておりますが当時の次官官舍の應接間に出張所長が集まりましていろいろ懇談の結果、若しも堤防が切れれば内務次官は腹を切るのだということまで極言されまして、その結果我々土木出張所長は、次官があれ程言うのだからとにかく戰爭中ということで承知した歴史があるのであります。ところが確かはつきり覚えておりませんが堤防の法縁六メートル以内には耕作してはいけない、堤防の天端と小段、その程度の法先から三メートルか二メートルぐらい離して眞中だけ許した、こういうふうな規定で許したと思いますけれども、今日私も方々を歩きまして非常に大事なところの堤防に麦を植えたり或いは芝を全部とつてしまつて南瓜を植えたりいろいろなことをやつておるのも久松委員のおつしやる通りなんです。それで私は一松大臣のときだつたと思いますが、当時の次官にこの堤防並びに堤外の耕地問題を法律を以て禁止したらどうかというお話をしたことを覚えておりますが、やはり大臣の御答弁のように余り法律を以て禁止するということはどうかというお話があつたように記憶しております。そういうようなことを思い合せますと、今日やはりこんなふうに災害がきつくなり食糧増産ということは割合に緩和されて來たときでありますから、私はやはり久松委員の説に賛成いたしまして、でき得るならばこの際法律を制定して少くとも堤防には耕作を絶対許さない、これを犯したものは体刑を以てするくらい一つ意氣込でおやりになつてどうか。今大臣のお話にも堤外に民有地があるから、その耕作を禁止する云々の話がございましたが、荒川の上流あたりに非常に堤外地に民有地がありますが、ああいうところの耕作は禁止する必要はないと思います。大きな河の利根川、木曾川などには河に民有地がある地域が非常に多いのであります。併しそれは流木の邪魔にならない程度で耕作をするということで初から許可になつておる筈でありますから、流水に抵抗を與えないような耕作をやる、そういうようなことで昔はやつておつたのですから、そういうような昔の状態に返して貰つて、私はやはり久松委員のお話のように少しでも洪水を少くするという、やはり何と申しますか、金の掛らない紙一枚出せばよくなるのではないかという感じがしますので、是非法律を出すように御努力をお願いしたいと考えます。
  104. 益谷秀次

    ○國務大臣(益谷秀次君) 尚十分に研究いたして見たいと思います。
  105. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 大臣は三時から所用がありますので……皆さんにお諮りいたします。まだ本日の主要議題である住宅問題等が残つておりますから、災害対策に関してはこの程度に止めたいと思いますが、如何がですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それではさようにいたします。   ―――――――――――――
  107. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 次に住宅問題についてこれまでの経過をお話願いたいと思います。住宅問題は引揚者その他國の戰災復興の遅々たる関係上ますます問題が、社会化して來ておるように考えますから、今日まで建設省のお取りになりました公営住宅の普及、並びに引揚者に対する住宅の給與及び戰災都市計画の進度等について一つ御説明を願いたいと思います。
  108. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) 只今お話の通り住宅問題は我々としましても非常に努力をいたしておりますけれども、一方災害もあり引揚者もあり、又予算の関係で一般國民の要望しますだけの住宅を建てることができませんために、終戰後四年余経つております今日におきましても見ようによりましては終戰後二三年よりは更に住宅問題が深刻な方面に追込まれておるような氣もいたしております。昭和二十四年度におきましては國庫補助の公営の貸家住宅に重点を置きまして、前年度に引続きまして計画を建てたのでありますが、予算の関係で前年度よりも建設戸数が余程減りまして、全國でいろいろの型のものを合せまして二万五千戸しか計画できませんでした。二万五千戸の建設につきましては約半数程のものは、すでに地方に補助指令を出しておりましてその建設の仕事に取りかかつております。引続き予定のものは今年度におきましてはむしろ予定ようも早く完成するのじやないかと考えております。地方の財政の点から申しますと、起債の枠が非常に小さかつたので財政的には地方としても非常に困つておりますが、どのようなことがあつても、この國庫補助として指令されたものだけは各府縣、市皆ぜひとも完成しなければならんという意氣込みでありますので、実際の建設には財政的に非常に困つてはおりますけれども、建設を放棄したり予算を返上するというところは今のところはないような状態であります。又一般の民間の住宅でございますが、これは資材の需給状況が段々改善されて参りましたので、建築許可の基準を上げまして從來十五坪であつたものを三十坪までにいたしました。ただ実際の住宅建築の申請の状況を毎月見ておりますと最近相当に減つて來ております。大体毎年一月から三四月頃までは建築の申請は多いので五六月七月頃はずつと申請は減つて來るときなんでありますが、それにしましても前年度などに比べましてその減り方がひどいのであります。これは全く世間一般の金詰りの結果と申しますか、自分で何とか住宅資金の遣繰できるという人はかなりもう作つちまつた。今取残されております住宅の困窮者というものは何とかして建設資金でも借りるとか或いは貸家の供給を受けるとか、そういうことでないと自分の住宅何が解決できない人が残されている。そういう人たちの住宅問題というものが、段々全体の住宅難に対して割合が大きくなつている、こういうふうに統計の上から考えているわけでございます。  以上が大体住宅建築の状況でありますが、これが対策につきまして申上げます。最近数回の災害によりまして住宅も相当数失われております。全然壞わされたり流されたりしてなくなつたものが七千戸近くございます。この中には貸家もございますし、又人の家に同居しておつた人もありまして、家がなくなりますと全然行き場所がないという人も相当含まれておりますので、そういう人たちに対しましては、地元の市町村などに補助金を出しまして應急のバラツクを建築して頂くようにいたしたい、それに要しまする國庫補助の予算を財政当局に要求をいたしております。これは我々としましてはぜひこれを政府として御決定願つて建設費の中に入れて頂くようにお願いしている次第であります。  來年度の対策でありますが、來年度は國庫補助の庶民住宅の建設も続け且つ建設戸数等は少くとも二十三年度以前にやつたくらいのものをやりたい。つまり終戰後二十三年度くらいまでは大体平均五万戸程度やつておつたのでありますが、大体その程度のものを建設したい。そうしてその内容はできるだけ災害等で簡單に壞れないところの恒久的な構造のものを主にいたしたい、こういうふうに考えております。我々が財政当局に要求いたしておりますのは五万戸であります。五万戸の建設に要します國費が百億でございます。それからもう一つの対策としましては自分で若干の資金を用意しましてあとは長期低利の資金を借りられればささやかな家でも造ろう、こういう意欲が随分ありまして要望も非常に強いのであります。前年も御承知の通りこういつた人達に対する、住宅資金の供給に対する特別の機関を設置する計画を立てまして、財政当局でもこれは眞劍に檢討いたしたようなわけでありましたが、予算の全体の枠の関係で成立を見なかつたのでありますが、來年度もぜひこれを実現いたしたいと考えまして、その後もいろいろ内容に檢討を加えておりますので、この方の関係の予算も要求いたしております。要するに住宅問題が先程お話しましたように結局は勤労者庶民と申しますか、借家階層と申しますか、そういう自力では住宅問題は解決できないという人達の問題になつておりまして、ますます政府としての責任も重くなつて來ているようなわけでありますので、來年度予算は全体の予算につきましては随分苦しい際ではありますけれども、住宅については前年度の数倍の資金を要するわけでありますが、ぜひ実現するように努力いたしたいと思つている次第でございます。
  109. 久松定武

    ○久松定武君 今住宅局長からいろいろ承わりましたが、我が國は戰爭以來非常に住宅を失つているいわゆる庶民階級の方が多いのであります。これに対しての新築の建物というものはなかなか思うように行かないのは残念なことと思いますが、ただ木造建の國庫補助による建物、或いは國家が造る或いは地方廳が造る建物というものは、我が國のような震災の多い國に対してはこういう庶民住宅の建築というものは、今まで対震的に考慮されておるのかどうかをお伺いしたいのです。
  110. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) 庶民住宅と申しましても、終戰直後に應急簡易住宅を相当建てまして昭和二十年二十一年頃やつております。それから二十二年三年と段々改善しておりますが、先ず構造別で申しますと殆んど最初は木造ばかりでございます。漸く合同二万五千戸のうち千八百戸程鉄筋コンクリート造にいたしまして、それから木造につきましてはこれも段々本当のバラツクというものからやや改善しておりまして、最近今年度あたりやつておりますものは相当單價も引上げましたし、構造についても嚴重な基準を設けましてやつておりますので、この耐震耐風というような点については十分、今日の状態としては先ず十分なものではないかと思つております。
  111. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 これは建設省のあなたの方に直接関係しておるかどうか知りませんが、例の衆議院議員会館はあなたの方で監督なさつたのですか。
  112. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) あれは監理局の営業部でやつております。
  113. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 それでは一つ希望を申しておきます。実は私あそこに始終行つておりますが、あの防火壁で一体役に立つかということです。実におもちやのようです。もう一つは月に三四日は必ず断水してしまう、ああいう状態で火が出ればお互いに全部焼けるのを待つより方法がない。これは恐らく参議院の議員会館のみならず、そういうふうな建物が多いのではないかと思いますが、これは誠に危險千万でありますからあなたの方が監督しておられると思いますからその点を特に十分監督願いたいのです。我々はあそこで誠に危くてしようがない。特にお願いいたします。
  114. 安部定

    ○安部定君 これも小さいことでありますがお尋ねいたします。これは東京都内の学校の中におる学校居住者のことでありますが、二十四年二月末現在で一千三百世帯が現在東京都内の学校に入つておりまして九十八の普通教室を使用しております。勿論それ以外のものも使用しておるわけでありますが、これらの居住しておる人は主として疎開学童と共に遠隔の地に行つておつた留守中に自分の家が焼かれ、子供達も両親も共に焼かれて永らく疎開地に止まることを余儀なくされたのが、学童集團疎開終了と共に東京に帰つて参りましたら自分の家がない、止むを得ず学校に入つたというのが大部分であります。その他終戰後早期の引掲者が住む家がないから取敢ず学校にというので住んでおつた者も幾らかあるようでありますが、これらの人が今日非常に肩身の狭い思いをして学校に住んでおるのであります。然るに二十四年二月に公立学校施設轉用に関する政令というのを政府が出されまして、三月末日限り学校を使用しておる者は立退けということになつたのであります。ところが当時この政令の全文を但書まで読みますとそうでもないのでありますけれども、当時この政令は都の当局から各学校の末端に流しましたが、その文章によりますと、一刻も早く出て行け、出て行かんものは何とかだというような大変こわいことで、全文を正しく理解してないものが流れて、それ以來、学校内に居住以外の職員との間に非常に面白くないところの感情を生み出して、現在その感情は尚解けずに、居住者と居住者でない者との間に非常に面白くない氣風を出しておるのであります。まあそのことだけでありますならば敢てここに持出すまでもないのでありますが、然るに一方東京都の建設局で、これら都内の学校居住者の学校教職員に組合によつて優先的に住宅を提供しようといたします氣風が見られた際に、建設省当局から学校職員に対して特に優先的に住宅を提供することは罷りならんというところの何でもきついお達しを出したやに聞いておるのであります。これは一般國民と特に一部の学校職員を区別して優遇する、しないというような区別をしてはならないというような思想に基くものと考えまして、尤もであるとは考えますけれども、併しこれが使用しておりますのは、日常教育に携わり而も被教育者がその住居となつております住居に現実に入つて來るのでありまして、その間に單に面白くないという表現を以てしては表現のできない誠に面白くない、場合によつては由々しい問題もその後起しておる事実があるのでありますので、これらの建設省から東京都に出されました指令でありますか、或いは内命でありますか、内報でありますかは存じませんが、それらを幾分緩和でもいたしまして、何とか別途の方法なり或いは優先的、という言葉が悪ければ何らかの便宜を與える、或いは学校教職員がPTAなりその区の区長なりを以て、何らかの方法で金を借りるという場合にその斡旋をするとか、或いは住居を新たに建築するについては何らかの許された範囲内で斡旋をするとかいうようなことについて、何とか建設省として手を打つて頂けないものかどうかをお伺いしたいのであります。  尚これに幾分説明を加えたくてはなりませんのは、私が今申上げましたような公共のものの中に住んでおる人はひとり学校のみに止まらず、他の官廳には多くあることは私も存じておるのでありますが、他の官廳においては同僚間のみでありますが、学校においては先程申しましたように被教育者が入つておる、その被教育者が、先生が乞食の生活をしておる、学校に行つてみたら先生の破れたズボンが乾してあつたというようなことを生徒が絶えず口にするのだそうであります。又そのことを生徒が家に帰つて家庭で言うものですから、家庭の親達があれでも教育者かというような意味のことを不用意の間に洩らすと、学童はただそれをそのまま学校に持つて來て、平常学校の登校前、登校後にそれに類する言辞を弄して甚だ心中快くない、或いは教育者として誠に情ないということをこぼしておるのが、約千三百世帶の異口同音に唱えるところであります。乏しきに堪える点においては決して我々はそういう耐乏生活の精神がないのではないけれども、教育という点に携わつておるので、何とか許された範囲内において考えて頂きたいという希望を持つているのでありますが、私も尤もと思いますし、この点につきまして何らかの御考慮を拂つて頂く方法はありませんかということについてお尋ねをしたいと思うのであります。
  115. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) 只今のお話はかねて伺つておりまして、いろいろと苦慮しておるわけでありますが、特に学校の今の教育に対して優先的の割当はいかんということを指摘しておるわけではないのでありまして、とかくいろいろな縁故関係とか情実関係で外の住宅を占領するというようなことになりがちであります。ですから一般的にそういう注意をいたしております。原則としましてはそういう学校教員であるから引揚者であるからということを抜きにしまして、本当に住宅に最も困つている人に割当して十分選考の上そういう人に割当てるということが一番望ましいのでありますが、実際問題としましては東京などでは相当申込者が何万とあるのでありますから、これの一々について本当に公平な調査がなかなかやりにくい、從つて或程度の調べをした上でその困窮者が入り得る場合に嚴正な公平な公開抽籤という方法にしてやる、こういう方針は取つております。でその例外としましては引揚者とか今お話のあつたような人達につきまして或程度の枠を別に取りまして、公開抽籤と別にして選考でそういう人に割当てるという方法を認めておりますし、又東京都についても現実にそういう枠を取つております。ただ何分その枠が一般の特別の枠というものが少いのですから、今お話の千何百世帶というものが到底全体の対象にするわけに行きませんのでこれをどういうふうにやつておりますか、尚東京都の方も十分聽きまして何とかできるだけの対策は考えてみたいと思つております。或いは我々が考えておりますように、來年度全國で五万戸も入れられますれば今年度の約二倍になりますから、多少そういう点で特定の方々の枠を別にとりまして割当てるという方法も或いは取り得るかと思います。今年度は何分前年度の半数近くに全体の数が減りましたものですから、できるだけ公開の抽籤の方を多くしようということで、特別の枠はなかなか取りにくいというような事情もありますので、段々にそういう点は改善して行きたいと思つております。
  116. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 住宅組合というのは一度伺つたのですが、これはまあ皆が自主的に自分の家を扱つて行くのが一番結構だと思うのですが、これが融資がなくなつたというので大分最近皆ぺしやんこになつているようですが、この見通しはどうなのでございますか。
  117. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) 見通しと申しましても今年度はその政府出資ができなかつたのです。今住宅資金を貸付けるという方法が殆んどありませんので、預金部とか勧銀とか或いは地方銀行とかいろいろ苦労してやつておりますけれども、結局極く短期の半年か一年という資金なら別としてこれが五年十年の資金となると殆んど出す所がない、從つて政府出資として予算を組む方法がないわけです。今年度はそれをやつておりませんでしたから、來年度は是非それを実現したいと努力しているわけであります。
  118. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 今度の補正予算には入りませんか。
  119. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) 補正予算には考えておりません、來年度の予算です。
  120. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) 金融の方面については住宅資金というようなものを設けられる計画のように聽いております、來年は一つどの程度に設けられるか。
  121. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は住宅問題は災害と同じにとてもひどいと思う。こういうやり方では問題にならぬと思います。それにはやはり建築局長が一つ如何に実状がまずいかというその全貌が明らかにされていないと思うのです。僕は前の國会においても要求しているように、実状を赤裸々一つ住宅白書を出して貰いたい。それで特に今のような庶民住宅の二万五千戸は本年は四五万と言つておられるが、そういうことをしていたらこれは造る速度よりも大衆住宅については減る速度の方がどうしても大きい、どうしてもそういうふうに見られるのだが、そう願えるかどうか明らかにして貰いたいということを重ねて要求します。
  122. 安部定

    ○安部定君 いま兼岩さんそれから赤木さんに関連して私も希望があるのですが、これは希望でございません質問も含みますが、幾ら建てても燒けるということがあるのじやないかと思うのです。それにつきまして建築局でございますか、一つ建設省の中でございますので、水道の方にうまく御連絡を取つて頂いているだろうと思いますが、是非強力に取つて頂きたい。  ここに一例を申上げます。甲府市におきましては給水人口七万人、一人三百リツトルで一日の所要水量は二万一千トンでありますが、現在乙原、温水、湯ノ山三ヶ地点から取りまして尚不足いたしますので、朝見川という川から三千五百トンを揚げまして合計一万九千五百トン、やつと辛うじて送つて給水しておるのでありますが、その間一万トンがどうしても足りませんので減圧給水をやつておる状態であります。これは別府市の流域面積を調べましても亦水量のある川を調べましてもそれ以外に水源はないのでありまして、どうしても他の流域から運ばなくては足らんのに十分その処置を取つているとは思われないのであります。これは勿論別府市だけの問題ではありますけれども、かような都市は他の都市にもあるのではないか。たの儘放つて置けば減圧をやつている時間中に若し火災でも発生するならば、手を拱いて燃えるに委せるという状態を続けなくてはならない。先程の赤木さんのお話にもありましたように、東京でも圧力のない場合がある。幾ら家を建ててもそのうちに火災が発生すれば燃えてしまうというようなことが考えられますので、建てることには一段も二段も御努力が願いたいのですが、一面燃えない程度にいたしまして水の方に対する警戒も十分建築局ではありますがいたして頂いて、建設省でありますから緊密なる連繋の下に各都市に十分なる水が準備できるようにせられたい、かように考えるのであります。これは別府市ばかりでなく他の都市にもあり得るのではないかと考えられますので、是非これは私もお願いいたしたい。又今迄に連絡をどの程度やられておるものか、このお答えが頂ければお教え願いたいと思います。
  123. 八嶋三郎

    ○説明員(八嶋三郎君) 只今の御意見の別府市の問題につきましては法的には十分に措置いたしておりません。水道等の問題につきましていろいろと御意見がございましたが、御意見御尤の点もあるのでございますが、私共といたしましても十分な努力を拂つて行きたいと実は思つておるのでございます。戰災後水道に関しまするところの要望というものは上下水道とも実は非常に多いのでございます。今日漏水率というものが大体戰災都市だけでも五〇%程度行つておるのではなかろうかという数字になつておるのでございます。非戰災都市等は大体二五%程度と承つておるのであります。何を言いましてもことに当時資材も窮屈になつておりました関係上十分全國の御要望に副いかねたということと、実は私共予算の面につきましては厚生省と建設省と共管のような形になつておりまするので、私共としても痛し痒しの点もございますが、從來上下水道に関しまする予算というものは非常に微々たるものであつたことは私共といたしましても非常に遺憾に存じております。衞生面は勿論のこと、先程お話のございましたように防火の点、又工業用水としての点、かような問題につきましてはどうしてもやはり上下水道の予算というものを私は拡大して貰わなければ、とても需要に應じ切れないのではないかということを痛切に感じておる者の一人であります。私共の方で所管をしておりますのは実は上下水道の中でも予算面といたしましては、区画整理に伴つてこれを移設するという場合の予算しか実は私共担当しておらないのであります。併し上下水道の問題は、ことに上水道あたりの問題につきましては、只今御意見のございましたごとくに、これはどうしても取水、水をどこから取入れるかという面につきましては、河川統制の問題が非常に大きな関連を実は持つのであります。それから先程來私も申上げましたように、水道の問題というものは今日は維持管理の問題もさることながら、建設の面が非常に多いのであります。今日は実は統計を持つておりませんですが、これの改良といつたら殆んど全都市といつたような実情だろうと思います。先程別府の例を引いたお話がございましたが、そういういわゆる水源が足らない、水が足らないということのためにどこからそれを持つて來るか、貯水池を作るとか或いはどこどこの川から持つて來るとかというような問題も全國的に非常に多いのであります。そういう場合につきましてはこれは根本は建設面であり而も建設面の重点が取水面である、而もこれを一貫してやつて行くという場合におきましては、建設省が予算から事業実行から、全部一應監督することが一番大事な点じやないかということを実は思つておるのであります。御意見もございましようが、遺憾ながら実はこのまま共管になつておりまする関係上、非常にやりにくいような実情になつております。根本的にその問題も解決しなければならんと思いまして、実は行政審議会にもその問題を出しております。これはもう一つ皆さんのいろいろな政治的なお力も十分拜借してこの問題を解決して行きたいと思つておりまするが、要は今申し上げましたように、もう少しやはり予算を増額するということに持つて行かなければならんと思つております。上水道の方は比較的將來收入が入ります関係上実は起債の面等も相当考えて預けるような実情になつております。併しながら下水道あたりになりますとなかなかこの予算化の問題もむずかしいというような実情におかれております。これはどうしても予算における増額を計つて行かなければならんと考えておるのであります。御意見のありました別府の問題につきましては詳細調査いたしまして何とか措置を図つて行きたいということを考えておる次第であります。
  124. 久松定武

    ○久松定武君 建設局長にお伺いしたいのでありますが、この七月から建築統制が緩和されて三十坪までは自由に建てられるという形になつておりますがその影響はどうなつておりますか。つまりその後に家が建てられておるか殖えておるか、そういう点の影響を一つ伺いたい。  それから都市局長の方に都市計画のことについてお伺いしたいのでありますが、最近農地の問題と都市計画とが非常に齟齬を來しておるというようなことが全國到るところの都市に見えておりますが、これを如何にして緩和して行くかという点で実は悩んでおるのでありますが何か名案がありますか。どうも農地委員で決められたことにつねづね圧倒されて、戰爭後の初期のうちできた都市計画というものは現在狂つてしまつておるという都市が非常に多いのであります。その点について如何にしたらいいかということを局長に一つお伺いしたいと思うのであります。
  125. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) 七月に住宅の制限を緩和しましたが、その後どうかというお尋ねでございますが、実はまだ七月までのしか全國から集まつておりませんからはつきりした数字で御説明いたしかねますが、先程申しましたように段々申請の件数は下がつております。恐らく三十坪以上の住宅というものは全体から見ますと申請はありますけれどもそう大きなものじやありません。ただ他の原因から最近建築の申請が非常に下がつて來ておるということは実情であります。
  126. 久松定武

    ○久松定武君 それらの報告が全國から來ましたら一つその材料を知らして貰いたいと思います。
  127. 伊東五郎

    ○説明員(伊東五郎君) 八月のは十五日で締切りますから参りましたら御報告いたします。
  128. 八嶋三郎

    ○説明員(八嶋三郎君) 農地の問題につきまして殊に自作農創設という問題に関連いたしまして、実は農地と都市計画との問題につきまして地方におきましていろいろと御迷惑を及ぼしておりまする点につきましては、私共といたしましては誠に遺憾に存じておる次第であります。一方におきまして自作農創設という國家の大きな目的に副つて行かなければならないという点もございまするが、一方におきましては都市の復興並びに都市計画に必要といたしまするところの用地の確保という問題を、如何にして調整して参るかということは非常に大きな問題であります。つきましてはあの法律にございますごとくに、これは知事におきまして都市計画として事業を実施するというところは一應除外する、併し計画として決まつてやりまするところにつきましては、從來自作農を創設されました場合には農地委員会だけの一方的な実は措置であつたのであります。併しながら一方におきまして都市計画委員会というものによりましていろいろな計画というものを決定されております。それを農地委員会がということでこれを目茶苦茶にされては困るのであります。両者の意見というものをまとめて一つやらなければならない、それによつていわゆる知事が裁定を下すというふうにして行かなければならないのであります。という意見におきまして実はその除外するにつきましての委員会、混合委員会と申しまするか、都市計画側からも委員を出し農地委員会側からも委員を出し、又縣もそれぞれの立場におきまして権威者を入れるということによりまして、実ははつきりとこれが今直ぐ利用化するというような見込はないが、併しこれは都市計画にはどうしても必要だという場合には一應五箇年保留ということにいたしまして、その委員会において特別の措置を講ずるということになつておる次第であります。この問題につきましてはいろいろと自作農の問題につきましても、関係方面におきましてもいろいろ御畫力もありましたが、こうしたような問題につきましては從つて連合御当局の方面につきましてもいろいろと御配慮を願いまして、そういうような線で除外するものは除外する。それから只今一定の基準を設けましてこういうようなものにつきましては一應こういう五ヶ年間保留をするといつたような形で実は行つております。併しこの五ヶ年間において事業化して行く場合には宅地に持つて行く、五ヶ年間に事業化の見込のないものは農地に解放するというような処置を講じておると思うのでございますので、実は地方的な問題が相当にございまするので、知事の一つ御裁量又農地委員と都市計画委員の混合委員会というものに諮問をして頂きまして、ここらの間におきまして一つ裁定をして頂くというような処置にいたしておるような次第であります。方針といたしましては今申上げたような方針で実はやつております。
  129. 久松定武

    ○久松定武君 併し今の混合委員会なるものは実際に実施しておりますか。
  130. 八嶋三郎

    ○説明員(八嶋三郎君) はい、やつております。
  131. 久松定武

    ○久松定武君 ところがどつちかというと農地委員の方が意見が強い、結局どこの都市を見ても最初の計画通りに行つておる都市は殆んどないということを言えるのではないかと思いますが……。
  132. 八嶋三郎

    ○説明員(八嶋三郎君) 都市計画の計画として決定いたしておりました地域につきましては今申上げましたように、それを農地にするかというような問題につきましてはこれは実は政令でございましたかで混合委員会を設けるということにいたしております。ただ計画の中には入つておらない、殊に未開拓地というような問題になりますというとこれは実は入つておりません。ただこれは初から私共の方といたしましても、未開拓地的なものについては都市計画としては都市に離れておるというようなことによりまして考えておらなかつたのでありますけれども、そういうようなところが將來都市計画として必要であるということになりますければ、仮に農地に自作農に創設されましてもこれは都市計画法によりまして都市計画としての措置をする、これはでき得る形に相成つておる次第であります。只今問題になつておりますのは都市計画として予め決定した地帶が一番問題になりますが、その土地につきましては混合委員会というものを活用いたしましてその処置を計るというようなことにいたしておる次第であります。
  133. 石坂豊一

    ○委員長(石坂豊一君) それでは今日はこれで散会いたします。    午後四時四分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    理事            原口忠次郎君            仲子  隆君    委員            岩崎正三郎君            水久保甚作君            石川 一衞君            赤木 正雄君            安部  定君            久松 定武君            兼岩 傳一君   國務大臣    建 設 大 臣 益谷 秀次君   説明員    経済安定本部政    務次官     西村 久之君    建設政務次官  鈴木 仙八君    建設省河川局長 目黒 清雄君    建設省都市局長 八嶋 三郎君    建設省住宅局長 伊東 五郎君    建設省建築局監    督課長     村井  進君    建設省建築局住    宅企画課長   前田 光嘉君    中央氣象台長  和達 清夫君    中央氣象台予報    部長      土佐林忠夫君    地方財政委員会    監理課長    大林 襄治君