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1948-12-10 第4回国会 参議院 水産委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和二十三年十二月十日(金曜日)   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○水産金融に関する小委員長の報告 ○水産金融に関する決議案に関する件   ―――――――――――――    午後二時二十三分開会
  2. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。水産金融小委員会の委員長から報告を願います。
  3. 江熊哲翁

    ○江熊哲翁君 それでは只今から小委員会の経過、結果を御報告いたします。  水産金融小委員会は十二月三日の水産委員会で設置に決定し、青山、松下、千田、矢野、淺岡、西山、尾形、田中、江熊の九議員を委員に指名されたので、当日委員会散会後直ちに小委員会を開いた結果、江熊が委員長に選任されたのであります。  爾來小委員会並びに打合会を五回開会し、その間政府側から周東農林大臣、北村政務次官、飯山水産廳長官、藤田同次官、その他関係官が出席せられ、種々研究討議を重ねたが、金融問題については第三國会においても同樣な小委員会の構成で研究を重ね、大藏省、経済安定本部、日本銀行、復興金融金庫等の係官を招致して檢討を遂げ、そのまま第四國会に引継いだ形となつておるのは御承知の通りであります。この間各委員と政府委員との間に熱心に質疑應答が行われましたが、その中の主な点は次の通りであります。  從來の復金融資の実情を見るに、七月末現在で八百十七億円の貸出の内、水産業に対しては僅かに三十四億余円で、総額の四・三%に過ぎない、更にこれを沿岸漁業について見るに、水産の三十四億円の内の四%弱という数字になつており非常に惨めなものであるが、これでは日本水産業の九〇%を生産する沿岸漁業は成り立つて行かないではないか、協同組合法が二月一日から施行されるが、金融の裏附がなければ、組合ができても経済行爲が行えない、この点をどうするか。從來の復金の貸出は、水産に対しては設備資金にのみ貸出されておるが、現在は運轉資金に困つている、運轉資金融通の途を講ずる必要があるのではないか。將來の水産金融を確立するために、復金に沿岸を中心とした融資の枠を新たに設置する必要があると思うがどうか。これに対しまして農林大臣から次の答弁がありました。農林水産復興金融金庫を作るのが理想であるが、今の段階ではちよつと困難らしい、この金庫に代るものとして、農村漁業復興融資を農林中央金庫の中に新たに設け、総額四十億、第三・四半期に二十億の枠を作つて、この二十億の内、水産の枠を一應二億六千万円として現在申込を受けておる、併し自分としては何とかして金庫を作ることに努力するつもりであるという答弁があつたわけであります。  次に緊急問題として、以西底曳八億円、「かつを」「まぐろ」三億円、関東北の「いわし」揚繰六億円の緊急借入問題が起りまして、業者の陳情がありまして、それに併せて各委員から融資の方法について質問がありました。これに対し農林大臣からは、これは緊急を要するからシンジケートを作り復金の保証によつて至急処置したいというような答弁がありました。  この外具体的な問題について各委員と政府委員との間に種々質疑應答が行われましたが、小委員会としては協議の結果、次の決議案の本会議に上程し、木下委員長が説明の当ることに決定し、強く政府の善処方を要求することになつた次第であります。今、決議案を朗読いたします。    「水産金融に関する決議案  戰災により甚大な打撃を受けたにもかかわらず眞先に立ちあがつたわが水産業は、政府の金融対策不充分なため、今や深刻なる金融難に直面し、中小漁業の如きは、出漁不能に陷るものが續出する現状にある。  かくては國民の主要なるたん白質給源を不能ならしめ國家再建の基礎を危うする恐れがある。よつて政府は、この際緊急対策として、復興金融金庫の債務の引受又は保証の制度を活用して、即時生産方面に金融の徒を開くと共に、漁業災害補償制度と業界の相互援助機関たる漁業信用保証制度を確立し、その経営を安定せしめ、以て國民保健に遺憾なきを期することを要求する。  なお政府は、本要求に対し一週間以内に具体的案を策定して、本院に報告することを併せて要求する。  右決議する。        発議者 木下 辰雄              外九名」こういうふうになつておる次第であります。  この決議案の具体的内容としては、政府は以西底曳八億円、「かつを」「まぐろ」三億円、沿岸揚繰三億円、定置網三億円、合計十七億円を至急融資の途を講ずること、それと同時に、沿岸漁業を主として水産金融の枠を復金の中に設定すること、漁業災害補償制度並びに漁業信用保証制度を至急に確立せよということを強く要求している次第でありまして、特に前記十七億円の融資について、ちよつと申添えて置きますが、極めて火急を要する問題でありますので、衆議院の方とも御連絡をして頂き、水産委員会において大藏大臣その他と速かに接衝して、適当な措置を講ずるようなお取計いを願いたいことを申添えまして、以上を以て小委員長の報告といたします。
  4. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 小委員長の報告を問題に供します。小委員長の報告通り、本委員会で採択することに、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 御異議ないものと認めて、採択いたします。  只今の決議案につきましては、本日GHQからOKがありましたので、各派提出の形式で明日提案することに、運営委員会で取運ぶことになりましたから、御報告いたします。それから委員長の報告にありました大藏大臣等に対する折衝は、私から昨日泉山大藏大臣に会いまして、その申入れを強くして置きました。大藏大臣は、自分もこれは何とか解決したいと思つておるというような答弁がありましたが、尚水産廳から周東農林大臣に資料を提供することになつておりますから、資料が出ましたら周東農相も十分にこの問題の実現については折衝するという御意見でございましたから、御報告いたします。
  6. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 只今小委員長の報告が本委員会におきまして採択されましたことは、誠に民主自由党の一員といたしまして、感激に堪えないのでありますが、今日の政府の施政方針演説におきまして、この一般質問を同僚の矢野委員があらゆる角度からなされました際に、特にこの水産金融の問題、國民保健上の蛋白源の問題に対しまして強調されたことは、誠に愉快に堪えないのであります。この問題につきまして委員長先程申されましたように、大藏大臣並びに農林大臣に今後強く折衝されると思いまするが、この各党提案の決議案に対しまして、どうしても総理大臣に答弁をして頂きたい。これは決議でありまするから、要求はできないのでありまするけれども、諸般の事情から今後のいろいろ大藏、安本或いは農林大臣との折衝におきましても、政府の確たる表現を望むということが望ましいのでありまして、昨日も小委員会におきましてそういうふうな議が出まして、議院運営委員会にもその要旨が諮られたのでありますが、重ねて議院運営委員会に委員長から、或いは本委員会から強力にこの点を申入れいたしまして、総理のこの各党提案の決議に対しましての決意を述べて頂くような方策を、今後直ちに一つ採つて頂きたいということを私要望いたすのであります。
  7. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 昨日この決議案を運営委員会に諮りました際に、首相それから藏相、農相のこれに対する意見と、それから出席と並びにその意見を求めることに手續してあります。本日又改めて尾形六郎兵衞君が民主党を代表して、首相のそれに対する意見を求めるということを申し出るということも、運営委員会に申し出て、その旨の措置をするようによく頼んで置きましたので、それはできるだろうと思います。
  8. 千田正

    ○千田正君 決議案もできまして誠に結構でありますが、現実の問題として、東北並びに関東の「あぐり」の救済の問題、こういう問題が今日にも明日にも解決をつれなければならない問題でありますが、先般、一昨日でしたか、三好議員の質問に対して、中小企業におけるところの年末資金の貸出に対する方策としまして、泉山大藏大臣がかようなことを申しております。……いや、泉山大藏大臣でありません。大屋商工大臣であります。本年の年末においては非常に中小企業の金融が切迫しておる、從來からの予定としては、五億五千万円をこの年末に復金を通じて中小企業に貸出すべく用意しておつたけれども、現在の情勢下においてはどうしても増さなければならない。それで三億円を増して八億五千万と早急にこの年末の資金として復金を通じて融資させようという計画中である、更にこれのみではなかなかこの切迫した金融情勢を緩和できない、それで地方銀行に対する融資の面として、一億五千万の融資補償を復金を通じてやらせるという予定をしておる、こういう答弁でありました。水産金融において現実に行詰つておるところの以西底曳、或いは「かつを」「まぐろ」、或いは関東北の「あぐり」という問題の、この年末における押し詰つた情勢において、この一億五千万なり或いは八億五千万に対してどれだけの食込ができるか、この現実の問題に対して、私は水産廳において十分に折衝して貰いたいと同時に、本委員会におけるところの金融小委員長、又委員長からも、商工省、或いは復金、或いは大藏省に対しまして、現実の問題として、この一億五千万の利子補償、或いは八億五千万の年末融資に対して、どれだけ水産金融が確保できるかということについて、早急に交渉して貰いたいということについて、特に私はこの点を要求したいと思います。
  9. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 只今千田君の御発言通り、委員長としては直ちにその問題を調査しまして、十分善処したいと思います。外に発言ありませんでしたならば、次に請願に移ります。速記を止めて。    午後二時三十八分速記中止    ―――――・―――――    午後二時四十三分速記開始
  10. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            千田  正君    委員            青山 正一君            淺岡 信夫君            西山 龜七君            江熊 哲翁君            矢野 酉雄君