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1948-12-12 第4回国会 参議院 本会議 10号 公式Web版

  1. 昭和二十三年十二月十二日(月曜日)    午前十時二十九分開議     ―――――――――――――  議事日程 第八号   昭和二十三年十二月十二日    午前十時開議  第一 廃兵器等の処理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第二 刑事訴訟法施行法案(内閣提出)(委員長報告)  第三 裁判所法の一部を改正する等の法律案(内閣提出)(委員長報告)  第四 私学振興のための金融機関設立に関する決議案(左藤義詮君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)  第五 自治体警察費財源附與並びに國家警察経費に関する請願(委員長報告)  第六 資金融通準則丙種該当教育用品の融資限度拡張に関する請願(委員長報告)  第七 清涼飲料税 取引高税の廃止並びにし好飲料の税率引下げに関する請願  第八 特殊鋼に関する請願(委員長報告)  第九 伏古別漁港築設に関する請願(委員長報告)  第一〇 関東、東北地方のいわし旋網漁業の救済に関する請願(委員長報告)  第一一 宮島、堀江間省営連絡航路計画中止に関する請願(委員長報告)  第一二 湊町、亀山並びに四條畷、木津各駅間電化促進に関する請願(委員長報告)  第一三 天王寺、王寺両駅間電化促進に関する請願(委員長報告)  第一四 戸賀湾に標識燈設置の請願(委員長報告)  第一五 單一替相場設定準備対策に関する陳情(委員長報告)     ―――――――――――――
  2. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。   ―――――――――――――
  3. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、廃兵器等の処理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。   ―――――――――――――    〔審査報告書は都合により最終号附録に掲載〕   ―――――――――――――   廃兵器等の処理に関する法律案右の内閣提出案は本院においてこれを可決した。よつて國会法第八十五條により送付する。    昭和二十三年十二月十日一       衆議院議長 松岡 駒吉    参議院議長松平恒雄殿   廃兵器等の処理に関する法律案    廃兵器等の処理に関する法律  第一條 商工省の所管に属する連合國軍から返還された廃兵器及び元陸軍省の所管に属していた廃兵器以外の物資並びに國有鉄道事業特別会計に所属する別表に掲げる物資(経済安定本部総裁が定める保有限度をこえる数量に相当するものに限る。)の管理及び処分に関する業務は、主務大臣が、その定めるところにより、産業復興公團(以下公園という。)に取り扱わせることができる。  第二條前條の場合において、主務大臣は、必要があると認めるときは、公團に対してその業務に必要な経費の前金拂又は概算拂をすることができる。  2 前項の規定により前金拂又は概算拂をしようとするときは、主務大臣は、あらかじめ大藏大臣に協議しなければならない。     附 則   この法律は、公布の旧から施行する。  別 表  一 簿鉄管  二 普通鋼(中間鋼を含む。)  三 鋳鋼二次製品  四 鋼屑  五 非鉄金属及び非鉄金属製品  六 化学製品  七 油脂及び油脂製品  八 ゴム  九 にかわ及びゼラチン   ―――――――――――――    〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
  4. 小畑哲夫

    ○小畑哲夫君 廃兵器等の処理に関する法律案に関する商工委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  先ず法案の内容でありますが、國が保有する廃兵器等の破砕、選別、販費等の処理には、その業務内容が経済行爲であるだけに、これに適慰した特別の機関をして直接その衝に当らしむることを適当とし、政府においては閣議決定に基き、すでに産業復興公團をしてこれを行わしめているのでありますが、現行法の下においては物件の円滑にして且つ迅速なる処理を期待することが困難であるので、今回物件の管理及び処分を産業復興公團に包括的に委任せんとするものであります。両、公團の取扱の範囲は商工省の保管している廃兵器及び運輸省が現に管理し近く商工省に保管轉換をいたす予定になつている一般会計所属の特殊物件並びに國有鉄道事業特別会計所属の物件となつております。当委員会において関係政府委員との間に熱心なる質疑應答がございましたが、その詳細は速記録を御昭覧願うこととして、特に論議の中心となつたところを申上げますと、実施機関である復興公團等の内容或いは主務官職の復興公團に対する監督等に集中せられ、活撥な意見の交換が行われたのであります。次いで一委員より、衆議院の商工委員会において決議せられました事項、即ち廃兵器処理に関し、その管理及び処分については、主務大臣はその処理の状況並びに結果を六ヶ月ごとに國会に報告しなければならないという点に関し、政府としての意向如何との質問があり、これに対し政府側より、その旨を諒とし、必らず実行するとの答弁がありました。その他法案の内容、その運営につき愼重なる檢討の上、討論採決の結果、全会一致を以て可決いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)
  5. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  6. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
  7. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際日程拂第二、刑事訴訟法施行法案、日程第三、裁判所法の一部を改正する等の法律案いずれも内閣提出、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員長伊藤修君。    〔審査報告書は都合により最終号附録に掲載〕   ―――――――――――――  刑事訴訟法施行法案 右 國会に提出する。  昭和二十三年十二月四日   内閣総理大臣 吉田 茂   刑事訴訟法施行法案   刑事訴訟法施行法 第一條 この法律において、「新法」とは、刑事訴訟法を改正する法律昭和二十三年法律第百三十一号)による改正後の刑事訴訟法をいい、「旧法」とは、從前の刑事訴訟法大正十一年法律第七十五号)をいい「應急措置法]とは、日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律昭和二十一二年法律第七十六号)をいう。第二條 新法施行前に控訴の提起があつた事件については、新法施行後も、なお旧法及び懸念措置法による。 第三條 前條の事件については、前條の規定にかかわらず、新法第五十三條の規定を適用する。但し、新法施行前に終結した被告事件訴訟記録については、その保存状態、閲覧のための設備その他の事情によりこれを閲覧させることが著しく困難なときは、新法施行後六箇月間に限り、その閲覧を許さないことができる。 第四條 新法施行の際まだ公訴が提起されていない事件については、新法を適用する。但し、新法施行前に旧法及び懸念措置法によつて生じた効力を妨げない。    〔伊藤修君登壇、拍手〕
  9. 伊藤修

    ○伊藤修君 只今議題となりました両案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報答申上げます。  先ず裁判所法の一部を改正する等の法律案について申上げます。  この法律はお手許に配付されておるところの法案によりまして御承知の通り、非常に内容は複雑に書かれておりまして、一見了承に苦しむような体裁でありますが、要するにこの法案に盛られておるところの改正事項と申しますものは、以下申上げるところの十点にあるのであります。  第一に、最高裁判所の大法廷において取扱うところの事案、即ち憲法違反についての事案につきましては、一度大法廷においてその判例が定まりますれば、爾後、同種の事案についての裁判は小法廷においても取扱い得るという簡易な取扱の手続に改めた次第であります。第二の点は最高裁判所事務局を事務総局と改める。第三点は、最高裁判所図書館を置く。この図書館は勿論国立國会図書館の支部である。而してこの図書館長の任命或いは図書館の又その支部を設ける。こういう規定を設げた次第であります。第四に簡易裁判所の第一審判決は、現在におきましてはこの控訴地方裁判所になされるのでありますが、新刑事訴訟法の施行によりまして、來年一月一日からはこれを高等裁判所控訴審を一括して管轄せしめる。こういうふうに改めたのです。要するに簡易裁判所控訴事件地方裁判所の控訴事件も、共に一局等裁判所においてこれを審理、判決することにいたしたのであります。第五点は、家庭裁判所が新たに設けられることになりました。全國四十九ケ所に現在の地方裁判所と同一資格の裁判所が設置せられるのでありますが、この裁判所に取入れられるものは、現在の家事審判所少年審判所、この二つを家庭裁判所に取入れまして、現在の地方裁判所と同じ資格において構成せられる。こういう改正案であるのであります。從つてこの裁判の構成、権限、それから会議制の例外、こういう点を規定しておるのであります。尚、判事補の職権の制限、裁判所の裁判官の職務の代行、司法行政事務、事務局の支部、少年保護司、こういうような関係事項についても規定しておる次第であります。第六点は、最高裁判所裁判官に秘書官を置く、即ち現在におきましては十四名に祕書官を附する。こういう新らしい規定を設けておるのであります。又高等裁判所の長官にも秘書官を置く。こういう規定が設けられた次第であります。第七点といたしましては、いわゆる廷吏、俗に廷丁と申しておりますが、廷吏中三級官を五十八名設ける。いわゆる廷吏の人格の向上を図るという規定を設けた次第であります。次には裁判所職員の任免、陞叙、懲戒、すべてこれを最高裁判所においてなす。從來は内閣においてなした場合があります。その他の機関においてなした場合がありますが、これを最高裁判所に一律に権限を包容した。こういう点において改められておるのであります。次には満州國の司法官でありまして内地の司法官となつた者につきましては、いわゆる満州國におけるところの在職年限というものが内地の裁判官の在職年限に通算されなかつたのであります。この点につきまして年限を定めまして、三ヶ年といたしまして、これを通算するということに改めたのであります。その他はこの法案の施行によりまして、関係法規の字句の訂正を規定したものであります。  以上十点がこの法律について改正せられたところの主要なる事項であるのであります。  委員会におきましては、これらの事項につきまして第三國会において七八回の委員会を開催して審議をいたしたのですが、不幸にいたしまして衆議院の回付が遅れまして審議未了に経つた次第であります。第四回のこの度の國会におきまして、我々委員会といたしましては禽愼電審議を重ねた結果、この國立國会図書館の支部を裁判所に設けるという趣旨は結構であるのであります。又そうなくてはならんのでありますが、この法案自体の字句の表現からいたしますといわゆる國立國会図書館の支部という表現にはなつていないのであります。単に裁判所の図雲館とこういう表現がせられておるのでありまして、この裁判所の図書館と國立國会図書館とは、恰かも併立するがとく表現上見られるのであります。少くともこの法律を手にいたしまして解釈する場合におきましては、別個の独立図書館として解釈することが当然のように考えられる。又館長の任命形式からいたしましても最高裁判所の長官が任命する。又その図書館の支部を全國に設ける、こういうような規定から類推解釈いたしましても、この図書館というものが國立國会図書館と別個のものであるというふうに我々はどうしても考えられる。政府の答弁によりますと、これは國立國会図書館法の第二十條の規定によつて設立せられておるものであるから、当然國立國会図書館の支部であると、こういう観点においてこれを規定しているのであるからと、こういう説明でありますが、法はその法自体によつて解釈する以外には方法がないのでありまして、立法の精神というものは参考になるのであつて將來この法律を解釈する場合においてはさように解釈ができないと、かように考えておる次第でありまして、この点に対しまして、折角國立國会図書館がすべての図書館を統合して一律にこの目的を達成させようといたすところのその法律の趣旨をここにおいて紊すことになる次第でありますから、我々といたしましては、この点に対しまして、どうしても修正しなくてはならん、政府の説明だけでは満足できない。かような見地からいたしましてこの図書館に関する規定につきましては、いわゆる國立國会図書館の支部といたしまして最高裁判所図書館を置くことができると、こういうふうに先ず改めまして、そうして國立國会図書館法の規定の適用を妨げないと、かように表現いたしまして、必要外の任命規定とか、うものを削除いたして、これが修正をいたした次第であります。尚、満洲國の在職年限三年通算というものを二ケ年に改めました。これは他の修習年限とかいろものと比較いたしまして三年は長きに失するという考えからいたしまして、二ケ年に改めた次第であります。これらの修正案の各項並びに質疑應答につきましては、速記録において十分御了承を願いたいと存じます。  以上の修正によりまして、委員会におきましては、修正案は修正案通りこれを満場一致を以て可決せられました。又修正を除く原案につきましては原案通り可決決定いたした次第であります。以上で裁判所法の一部を改正する等の法律案についての御報告を終ることといたします。  次の刑事訴訟法について御説明申上げます。  本案は御説明申上げるまでもなく、先に成立いたしましたところの新刑事訴訟法が來年一月一日より施行せられるに当りまして、この法律と現行刑事訴訟法との経過措置を定めた法律であるのであります。從つてこの現行刑事訴訟法と新刑事訴訟法の繋がりをどう規定するかということが根本の問題でありまして、先に第三回國会において提案されたところの政府案によりますれば、現在の事案は第一回公判が開かれたものはすべて現行法規によつて手続きを進行する。然らざるものは新法によつて、即ち新刑事訴訟法によつて処理する。こういう原案でありましたのであります。これに対しまして我々大部分の意見といたしましても、又衆議院の意見といたしましても、若し然る場合におきましては、裁判所は殊更に新法の手続きによらしむべき事案に対しまして、公判期日を指定いたしまして、形式的な第一回公判期日を開くという傾きが多く見受けられうのであります。又然る場合におきましては、先の手続によつて、收集せられたところの証拠物はすべてこれを検察庁に返還する、或いは起訴状は書き改めるというような、いろいろな複雑な手続をなさなくてはならぬ。且つ又御承知の通り新刑事訴訟法は必要なるところの手続の一大改革をもたらしているのでありまして、これに対しまするところの現在の検察官裁判官の手を以ていたしましては、なかなか新法によるところの手続きによつて事案を賄うということは非常に困難な実情にある。かような観点からいたしまして、これを改めまして、いわゆる起訴主義、即ち本年十二月末日までに起訴せられた事案はすべて現行刑事訴訟法手続で賄う。來年一月一日以降に起訴せられた事案は新法によつて賄う。こういたしますれば、そこに画然として手続の明確なるところの区分ができるし、且つ又現在のごとき沢山の事案を処理する上におきましても、その間約二ヶ月の時間的余裕を取ることもできる。さようにいたしますれば、現在の多数な事件を処理することと、新法による複雑な手続により処理することとの時間のズレよりまして、相当これが第一線にあるところの司法官の手続においてゆとりを得られる。かように考える。且つ又國民においてもさようにいたすことにおいて多くの利益がもたらされる。こう考えた次第でありまして、第二回國会において、この趣旨に基いて衆議院は第二條を修正して、いわゆる起訴主義に修正して参つたのであります。然るに同法案も審議未了に終りまして、再び第四國会に提案された次第でありますが、これによるところの政、府原案は、先に修正せられましたところの起訴主義に基いて、すべて書き改められて参つたのであります。從つて我々委員会におきましては、原案に対する修正部分は今回の原案にすべて盛られて参つたのでありますから、委員会といたしましては多くの意見なく、これに対しまして原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
  10. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず刑事訴訟法施行法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔起立者多数〕
  11. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
  12. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 次に裁判所法の一部を改正する等の法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。本案は委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  13. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正の通り可決せられました。
  14. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第四、私学振興のための金融機関設立に関する決議案(左藤義詮君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本案は発議者左藤義詮君外十八名より委員会審査省略の要求書が提出せられております。発議者要求の通り委員会審査を省略することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。これより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。左藤義詮君。   ―――――――――――――  私学振興のための金融機関設立に関する決議案  右の議案を國会法第五十六條によつて発議する。  昭和二十三年十二月十日   発議者     左藤 義詮  門屋 盛一     梅原 眞隆  矢野 酉雄     河野 正夫  岩間 正男     鈴木 憲一  高良 とみ     河崎 ナツ  堀越 儀郎     松野 喜内  藤田 芳雄     城  義臣  仲子  隆     星   一  木内 キャウ     藤井 新一  田中耕太郎     中野重治   参議院議長松平恒雄殿   私学振興のための金融機関設立に関する決議  わが國教育の民主化を徹底するためには私学の振興に俟つところが甚だ多い。しかるに最近私学の実情は戦災の打撃に加うるに、インフレ並びに給與ベースの上昇により、又新学制実施に伴う校舎、施設の充実に追られ、甚だしき財政の危機に直面している。政府は明昭和二十四年度より私学振興のための金融機関を設立してこれが救済を図らなければならない。右金融機関は私学の戦災復興並びに新学制実施に伴う施設の拡張に要する資金は長期貸付を行い、私学の経営費資金に対しては短期貸付を行うものとする。  政府は右機関を設立すをために講じた措置に関し、明年三月三十一日までに本院に報告しなければならない。   右決議する。   ―――――――――――――    〔左藤義詮君登壇、拍手〕
  16. 左藤義詮

    ○左藤義詮君 只今上程になりました各派協同提案による私学振興のための金融機関設立に関する決議案について、趣旨の弁明をいたしたいと存じます。  最初に決議案文を朗読いたします。   私学振興のための金融機関設立に関する決議案   わが國教育の民主化を徹底するためには私学の振興に俟つところが甚だ多い。しかるに最近私学の実情は戦災の打撃に加うるに、インフレ並びに給與ベース上昇により、又新学制実施に伴う校舎、施設の充実に迫られ、甚だしき財政の危機に直面している。政府は明昭和二十四年度より私学振興のための金融機関を設立してこれが救済を図らなければならない。右金融機関は私学の戦災復興並びに新学制実施に伴う施設の拡張に要する資金は長期貸付を行い、私学の経常費資金に対しては短期貸付を行うものとする。    政府は右機関を設立するために講じた措置に関し、明年三月三十一日までに本院に報告しなければならない。   右決議する。  以上でございます。  申すまでもなく、我が國の私学は高邁な理想と教育的熱情に燃えた幾多の先輩によつて創立発展せられたものでありまして、その自由清新な学風が文化各方面に特色ある人材を輩出せしめましたことは、遥かに官学を凌ぐものがあります。明治維新の大業は、当時の官学たる聖堂の出身者ではなくして、名もなき一私塾の出身者を中心として燃え上つたのであります。各藩の大名の建てました藩校に対して大衆から盛り上つて來た寺小屋、これが日本文化の生みの親であると申しても過言でないのであります。明治、大正のあの官尊民卑の風潮の中におきましても私学はますます発展をして参つたのでありまするが、これに対して歴代の政府は、授業料を制限する、寄附金募集を禁ずる、而も一方には高度の官僚統制をいたしまして、私学の特色を骨抜きにしようとしたのであります。私学が正しく伸びておりましたら、軍閥に引摺られてこの無謀な戰争を始め、國民を今日のごとく惨めな状態に陥れることはなかつたかと思うのであります。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)新らしい憲法の下に、自由にして民主的な私学の発展は許されるだけでなしに又大いに期待されるのでありまするが、多年の圧迫に次ぐ戰災の脅威を受けました私学の振興は、決して容易ではないのであります。  今簡單に私学の現状を申しますと、現在の私立学校中で、大学ば四十八校専門学校は二百四校、高等学校は九百三十校、これは同種類学校の全体の四四・八%に当たるのでありまして、学生生徒数は実に五二%、即ち高等学校以上の教育においては、私学が國家に対して半分以上の大きな貢献をしておるわけであります。中学校は九百三十校小学校は七十三校、幼稚園は八百二十校、合計三千七校でありまして、学生、生徒、兒童、園兒を合計いたしまして百二万余名に上るりであります。これに從事しておりまする教職員が約三万二千名、我が國教育の最も重要な部面を担当して、自主独立、幾多の経済的、精神的窮乏に堪えながら、敢然と旧して教育復興、民主教育の徹底に努力しておるのであります。一方、戰災学校は中学校以上だけで三百九十七校焼失面積は三十三万三千余坪に上りまして、現在凡そその散文の一がいろいろ苦労をしながら復旧をしておりまするが、最近物價の騰貴に伴いまして、復興費は坪三万円以上に上ります。篤志家及び被教育者の家庭等からの寄附金も減少いたしまして、非常な困難に直面しつつ、あらゆる手段を講じて復旧再建に努力しておりまするが、その努力もすでに極限に達したかの観があるのであります。  又一方新学制の実施に伴いまして、校舎の増築、改善、施設の充実、修理等を早急にしなければならんのでありまして、新制高等学校の仮認可に当りましても、戰災校は五ヶ年、非戰災校は三ヶ年以内に基準にまで充実しなければ認可の取消をするという條件が付いておるのであります。然るにインフレ並びに給與ベースの上昇によりまして、授業料などの徴収費用は、その全額を人件費に充当いたしましても尚新給與ベースに至りません。公立学校の職員に比べまして、中には二分の一以下というような給與に甘んじながら、教育の聖業に歯を喰いしばつておる教職員が多いのであります。殊に給與べースが五千三百円或いはそれ以上になりますれば、いよいよ私立学校の経営はできず、又教職員は餓死する外はない状態なのでありまして、如何に教育の愛に燃えて教職員が堪え忍ぶといたしましても、それが生徒に及ぼす影響を考えますとき、どうしても何らかの処置を講じなければならんと信ずるのであります。、授業料にも限度がございます。又寄附金に対しましても諸種の制限があります。殊に最近の経済事情から次第に減少の傾向にありまして、他面には退学者、不納者が続出いたしましてへそれが社会不安と思想惡化を招くような虞れも少なくないと思うのであります。  昭和二十一年十月四日、第九十議会一におきまして、衆議院において私学振興の決議案が上程せられまして、満場一致これを可決したのでありますが、爾來片山内閣、芦田内閣を通じまして、一向その決議の趣旨が実現を見るに至らないことは甚だ残念なことでございます。本日各派から共同提案をいたしました決議案は、何とかしてこの私学の現状を打開し、我が國文化を推進するために、私学振興のための金融機関を設立したいというのでありまして、從来の復興金庫を初めあらゆる金融機関は、私立学校復興充実に対しては全く融資の途を閉じてしまつております。この際何とか別途金融の方途を講じまして、政府の出資、私学自身の出資、或いは父兄並びに一般よりの出資、並びに債券の引受等によりまして、確乎たる金融機関を設立し、これに基きまして、私学の戰災復興並びに新学制実施に伴う施設の拡張につきましてはその資金を長期貸付をし、私学の経営費資金に対しては短期貸付を行い、以て衆議院においてすでに満場一致決議をせられ、我が國現下の実情から最も急務といたします私学の振興に対して、是非、政府においては明予算年度から責任を以てこれを実施せられまするように、皆様方の満場一致の御賛成をお願いいたしまして、本決議案を提出する次第であります。(「同感々々」と呼ぶ者あり)(拍手)
  17. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  18. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。  只今の決議に対し文部大臣及び大藏大臣より発言を求められました。下條文部大臣。    〔國務大臣下條康麿君登壇、拍手〕
  19. 下條康麿

    ○國務大臣(下條康麿君) 只今御決定になりました決議案に対しましては、いずれ大藏大臣からも所見の開陳がありまするが、文部当局といたしまして一言申述べたいと存じます。  政府は元來私学が我が國教育施設の上におきまして非常に大いなる任務を果しつつあることを深く認識をいたしておるのであります。從來も私学に対しましては十分の援助をいたしたいつもりであつたのでありまするが、諸般の事情からその意を果さなかつたのを誠に遺憾としておるのであります。殊に新憲法第八十九條の規定によりまして、私学に対する財政的の援助といたしましては、僅かに戰災等の復興資金或いは経営費に対する貸付金等のことによりまして少額の援助が出ただけでありまして、誠に申訳ないと思つておるのであります。今の御決議のような金融機関ができましたならば誠に幸いでありまして、これによつて私学が興隆することができましたならば、政府といたしましても勿怪の幸いであると深く祈念いたしておる次第であります。  尚この際申述べて置きたいと思いますのは、私学に対する行政監督が、教育委員会制度の実施に伴いまして、高等学校以下のものにつきましては都道府縣の教育委員会の手にあるかのように解せられたのでありまするが、それは暫定的に都道府縣の知事の手にあることを確認いたしておるのであります。その他各種の規定を盛りまして、解散後の國会に私立学校法を提出いたしまして、私学の振興に十分の努力をいたしたいと思つております。ここに本決議案の趣意に対しましては十分その趣旨を尊重いたすことを言明いたします。(拍手)    〔國務大臣泉山三六君登壇〕
  20. 泉山三六

    ○國務大臣(泉山三六君) 我が國教育の民主化を徹底するためには、私学の振興に俟つところ頗る大なるものありと思うのでございまして、私学の校舎並びに施設の復旧及び充実に要する資金につきましては、その円滑なる供給を図るため万全の措置を用意いたして参る考えでございまするが、私学振興のための特別なる金融機関を設立いたす点につきましても、本決議の御趣意に副いまして、これが成案を得べく今後尚一層の研鑚に努めたい、かようの所存でございます。以上所信を披瀝いたします。(拍手)    ―――――・―――――
  21. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第五の請願を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事鈴木順一君。    〔鈴木順一君登壇、拍手〕
  22. 鈴木順一

    ○鈴木順一君 只今議題となりました請願第二十一号は、北海道町村長会長山田利忠君提出のものでありまして、その要旨は、自治体警察に要する経費は、北海道の町村にありては経営費だけでも一億四千七百万円を要するに拘わらず、入場税付加税の収入見込額は僅か三千百万円程度に過ぎないから、いわゆる特別配布税の配布などにより、必要且つ十分な財源を賦與せられたい。特に混入捜査費については國庫負担とするよう措置を講ぜられたい。又國家地方警察に属する町村においては、警察後援会又は警察協力会の名の下に少からぬ経費を各町村又は住民に分担せしめているが、かかる経費は当然國家が支出すべきであるから速かに処置を議せられたいというのであります。本委員会においてはその趣旨が妥当なものと認めまして、採択の上、内閣へ送付すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)
  23. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。本請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  24. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
  25. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際、日雇の順序を変更し、日程第六、第七の請願及び日程第十五の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員会理事九鬼紋十郎君。    〔九鬼紋干郎君登壇、拍手〕
  27. 九鬼紋十郎

    ○九鬼紋十郎君 委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず請願第八号について申上げます。資金融通準則丙種該当教育用品の融資限度拡張に関する請願、この内容は、文化國家再建上緊要な斯業の資金貸出は丙種であり、生産に支障を來しておるからして、融通限度を三十万円より百万円に拡張せられたいという趣旨でありまするが、これにつきましては、誠に当を得たものと思いまして採択することといたしました。次に請願第十六号、清涼飲料税、取引高税の廃止並びにし好飲料の税率引下に関する請願、その要旨は、アルコール飲料以外の飲食品中、清涼飲料と嗜好飲料の税が他と甚だしくかけ離れておつて、高率を課せられておるのであるが、これは誠に不公平であるのみならず、却つて需要の減退を來し、税収の目的を達しないからして、課税軽減の処置を講ぜられ、尚又取引高税の廃止もせられたいとの趣旨であります。これにつきましても、次回の税制改正の参考とするため採択することといたしました。次に陳情第七号、單一爲替相場設定準備対策に関する陳情でありまするが、この内容とするところは、單一爲替相場の設定は日本経の自立と発展のため基本的要件である。併し現状において直ちに單一爲替相場を設定することは事実上極めて多くの困難が伴うのみならず、その及ぼす影響も深甚なるものを予想せられるから、実施に至る間に万全の準備対策を講ぜられたいという趣旨であります。例えば賃金の安定、信用統制の強化、歳出節減を主軸とする財政の健全化、或いは企業の合理化、それに伴うところの失業対策等であります。尚その時期並びに單一爲替相場について凡そその見当を内定し、でき得れば予告期間を設けられることを要望しておるのでありまするが、誠に当を得たものと考えまして採択することにいたしました。  以上の三件いずれも院議に諮つて内閣に送付する必要があるものとして、採択に決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
  28. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採択いたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  29. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。    ―――――・―――――
  30. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第八の請願を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。    〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
  31. 小畑哲夫

    ○小畑哲夫君 請願第三十三号、特殊、鋼に関する請願について御報告申上げます。この請願は、特殊鋼の産業界において占める位置が普通鋼のそれと大差なきに拘らず、從來の政府の施策が特殊鋼を軽視したため、該生産及び経営は危機に瀕しているから、その打開策とて、價格差補給金の支給、特殊鋼向け石炭價格の是正、資金運用上の特典賦與、生産割当の増加等の措置を講ぜられたいとの趣旨であつて、当委員会におきましては、政府委員の説明を求めましたるところ、各要求事項につき研究の上善処するとの答弁がございましたが、当委員会では愼重審議の結果、諸般の経済情勢より願意の実現は或いは困難なるやも知れざるも、特殊鋼の重要性と今後の需要増大の可能性に鑑み、本件を撰択し、議院の会議に送付すべきものと決定した次第であります。以上報告申上げます。(拍手)
  32. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本請願は委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  33. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。    ―――――・―――――
  34. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際、日程第九、第十の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員会理事尾形六郎兵衞君。    〔尾形六郎兵衞君登壇、拍手〕
  36. 尾形六郎兵衞

    ○尾形六郎兵衞君 只今議題となりました請願第十八号外一件につきまして、水産委員会におきまする審議の経過並びに結果につきまして御報告いたします。  請願第十八号は伏古別漁港築設に関する請願であります。右の請願は、北海道の伏古別河口は自然の港湾を形成し、工事も容易であるばかりでなく登別駅に近接しておるため、輸送上にも経済上にも好條件を具備し、而も太平洋沿岸漁田開発、或いは沿岸一帯の唯一の避難港として重要なる役割を果すので、速かに漁港を築設して欲しいというのであります。  次に請願第三十四号は、関東、東北地方のいわし旋網漁業の救済に関する請願であります。請願の要旨を申上げますと、本年度の「いわし」漁は九州の一部を除き全面的な不漁に遭遇しており、そのため関東、東北、千葉、茨城、福島、宮城、岩手、青森の「いわし」旋網漁業は自滅の一歩手前にまで追込まれ、残る漁期の継続はおろか、漁夫の給料の支拂にさえも事を欠くという窮状に立至つておる。この最大の原因は、漁業において災害ともいうべき海流の異変によるものもありますが、その他当面した問題についても、漁業は確実なところ三年から五年を一期として収支を見なければならないものなのにも拘わらず、一年限りの収支について課税がなされておることや、インフレーションの上昇によりまする経営費等に常に追い立てられておること、又資材、漁業許可の面から、直ちに他の漁業を行うことができ得ないこと等奉原因を成して、一漁期の不漁にも直ちに非常な危機に直面しなければならぬ現状となつておる。この局面打開のために、取敢えず鷹急措置として関東、東北の「いわし」旋網漁業の救済のために総体として六億円の融資を與えて貰いたい。これと同時に、漁業保險、信用保証制度等を含む漁業の安定方策について速かに方途を講ぜられたいというのであります。  以上二件は願意尤もなるによりこれを採択し、会議に付し、意見書を附して内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)
  37. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  38. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合によりこれにて午後二時まで休憩いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。午後二時まで休憩いたします。    午前十一時二十二分休憩    ―――――・―――――    午後二時五十七分開議
  40. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。参事をして報告をいたさせます。    〔宮坂参事朗読〕本日委員長から左の報告書を提出した。  公共企業労働関係法案可決報告書 同日労働委員原虎一君から左の小数意見報告書を提出した。  公共企業労働関係法案に対する小数意見報告書    ―――――・―――――
  41. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際、日程に追加して、公共企業労働関係法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。尚、本案については少数意見の報告書が提出されております。先ず委員長の報告を求めます。労働委員長山田節男君。
  43. 山田節男

    ○山田節男君 只今議題となりました公共企業労働関係法案につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  先ず本法案提案の理由につきまして申上げますが、去る昭和二十三年七月二十二日附マッカーサー元帥の内閣総理大臣宛書簡におきまして、現在特別会計によりて行われておりまする國有鉄道事業及び國家事費事業につきましては、公共企業体への組織替えが示唆されまして、第三國会に日本國有鉄道法案及び日本專賣公社法案が提出せられ、二法案とも過日國会を通過したのでありまするが、この二法案によりますと、これらの公共企業体の職員には、國家公務員法が適用されないことになつておりますので、(「十二時までやれ」と呼ぶ者あり)公共企業体の職員は、國家公務員法の一部を改正する法案が実施せられました後におきましても、当然労働組合法及び労働関係調整法が適用されることになります。併しながら公共企業体はその特異性に鑑みまして、完全國有の法人として國家の嚴重なる管理と監督の下に運営されることになつておりまして、一般民間の企業又は或る程度の國家の管理を受けております企業とは、その性格を異にするものございまして、マッカーサー元帥の書簡にありますように、職員の責任の遂行を怠るごとによつて公共企業体の業務の運営に支障を起すことのないように、公共の利益を擁護する方法を確立する必要があります。このために公共企業体の職員の労働組合及び労働関係につきましては、労働組合法及び労働関係調整法の規定のみにては不十分と考えられるのでありましていこれに対処する必要な措置を講ずるがために本案が提案せられたものでございます。更に又公共企業体の労働関係は、只今申上げ一ましたような公共企業体の性格から共通の特異性を持つものでありますので、日本國有鉄道と日本專賣公社とに別個の労働関係に関する立法措置を講ずることは適当でなく、且つ又公共企業体の労働関係を統一的に把握する見地よりも不適当であると考えられまするので、本法案に統一せられたものでございます。更に又公共企業体の職員には、團体交渉権は労働組合法の定めるところによりまして完全に保有するのでありますが、これが行使の方法につきましては、從來一般の組合においては、ややもすれば混乱を生じ、無用に労働の紛爭議を生ぜしめている傾向がございまするが、かくのごとき混乱は努めて排除されることが望ましいことでございます。殊に公共企業体においては、これら無用な紛爭議を極力排除することによりまして、正常な團体交渉を保障し、これによつて職員の地位の維持向上を図ることによりまして、公共企業体の能率の発揮と正常な運営を確保しようとする立法措置を必要としたのでございます。更に又公共企業体の職員には、國家公務員に認められるその地位に関する特別の保障がありませんので、又これに加えまして、マッカーサー元帥の書簡にも示唆されておりまする完全なる團体交渉と、適正迅速なる調停と、嚴正なる仲裁との制度を確立することによりまして、職員の生活の安定を保障する必要があるのでございまして、これに関する立法措置を講ずることが必要となりて来たのでございます。以上は本法案の提案理由の大体の御説明を申上げたのでございます。  次に本法案の内容を簡単に申上げたいと存じます。本法案第一章におきましては、本法案は公共企業体の職員の苦情と紛爭とを友好的且つ平和的に調整するため、團体交渉の慣行と手続とを確立することによつて、公共企業体の正常な運営を最大限に確保し、以て公共の福祉を増進することを目的とするものなることを明らかにし、更に関係者が公共企業体の重要性に鑑みまして、紛事をできるだけ防止し、主張の不一致を友好的に調整するために最大限の努力を盡すことを義務付けておるのでございます。第二章におきましては、職員の組合の民主性、自立性を保障するための規定を設けると共に、公共企業体の廣く國民に開放されるべき性質よりいたしまして、オープン・シヨップ・システムを規定しております。更に公共企業体の運営を正常に確保する必要からいたしまして、職員の組合に加入し得ない者の範囲を明らかにし、更に職員が組合員であること、又組合の正当な行爲をなしたことを理由といたしまして、如何なる差別待遇をも受けないこととし、万一差別待遇があつたときには、仲裁委員会の命令によつて該行爲の停止を命ぜられることにいたしておるのでございます。第三章におきましては、團体交渉の手続を規定しておりまして、本法案中最も重要なものでございます。第四章におきましては、職員の一切の爭議行爲を禁止しておりまするが、これは公共企業体が完全國有法人でありますので、これに対して爭議行爲をすることは延いては國家に対して脅威を及ぼすことになり、更に公共企業体が再建途上の國家経済と國民の福祉に占める重要性に鑑みまして、その業務運営の停廃は寸時と雖も許されませんから、止むを得ず爭議行爲を禁止することとなつたのであります。第五章におきましては、苦情及び紛爭の調整と調停の方法と、その機関を設けまして、苦情処理の適正なる解決のために苦情処理共同調整会議を公共企業体の交渉単位に設けしめ、職員の日常の不平を迅速に解決をして行くことにいたしまして、これによつて尚解決しないものは労働関係調停委員会の調停に俟つことにいたしております。第六章におきましては、仲裁に関する方法並びに機関を規定しておるのでありまするが、特に本章には強制仲裁の制度が設けられてありますることは、誠に重要視すべきことと存じます。以上が本法案の内容の主要なる要点を極あて簡單ながら御説明申上げたのでございます。  而して本案の目的とするところをここに要約いたしますると、昭和二十二年七月二十二日附の内閣総理大臣宛連合国最高司令官の書簡に基きまして、国有鉄道事業及び國家事費事業を公共企業体の事業とするのに伴いまして、公共企業体とその職員との間の労働関係を規律する制度を確立せしめようとするものでございます。  次に本法案審議の経過の概要を申上げたいと存じます。本委員会は十二月六日から予備審査を行なつたのでございまするが、その間三回の委員会を開催し、極めて慎重に審議を重ねたのでございます。而して昨十二月十一日衆議院から広院に送付されまして、本日、本審査を行なつたのでございます。政府からは労働大臣或いは他の政府委員、関係局長が出席いたしまして、熱心なる説明並びに答弁がございました。尚ここで一言申上げて置きたいことは、(「簡單々々」と呼ぶ者あり)去る第三國会に驚きまして、本法案と全く内容を同じうする公共企業体(「簡單」「十二時までやれ」と呼ぶ者あり)労働関係法案が、予備審査として付託になつておつたのでございまして、十月十六日から同月三十日まで、予備審査として九回の委員会を開催いたしまして、愼重なる審議を重ねたのでありまするが、特に十一月二十六日、二十七日の二日間、当労働委員会におきましては公聽会を開きまして、労働者側、経営者側、学識経驗者側より公述人の出席を求めまして、有益なる公述を聽取し、審議の参考に供した次第でございまする。その間、政府からは労働大臣、運輸大臣、竹下政務次官、労政局長)その他関係の政府委員が出席したのでありまして、第三國会における(「山田先生ゆつくり」「簡單」と呼ぶ者あり)当委員会の熱心なる右の審議が本法案の審査に專ら役立つたということを、特にこ亡に附加えて申上げたいと存じます。  次に本法案の審議における質疑應答について、重要なものを二三概要を申上げたいと存じます。(「簡單」と呼ぶ者あり)第一は、本法案の対象を日本國有鉄道と日本專賣公社との二者に限定したる理由如何との質問に対しまして、政府は、公共性の程度においては二者には多少の相違はあるが、いずれも國家の資本を以て運営され、収入も國家財政の大部分を占めている点では類似しているので、二者を一律に取扱りたのである。專賣事業は、間接税の徴収機関になつているという点で公共性が甚大である。而してこの二つの業業が一般の私企業より公益性が大である。且つ國家機関の一種である。(「何が公益」と呼ぶ者あり)という見地から、この二事業に限定したものである旨の答弁がございました。第二は、本法案の主眼となつておりまする公共企業体の職員の罷業権の禁止は、民間の企業に影響すること甚大であつて、一般國民の納得する理由がなければならないが、罷業権禁止の根本的理由如何との質問に対しまして、政府は、内閣総理大臣宛マッカーサー元帥書簡に基き、公共企業体の事業の運営は公共の利益を侵害されないようにするという根本精神に則つたもので、公共企業体の事業は公益的色彩強く、國家と同一の事業を営んでおるので、羅業権を禁止する旨の答弁がございました。第三は、國有鉄道私鉄の差異を設けた理由如何。又將來私鉄に対して準公共企業体としての取扱をなす意向ありや否やとの質問に対しまして、政府は、日本のすべての幹線は國有鉄道になつているから、國有鉄道公共性が遥かに強いので、日本國有鉄道私鉄と区別した。又國有鉄道私鉄とを別個に取扱うことは実際には不便ではあるが、本法案の趣旨を私鉄にまで及ぼせば、憲法の基本的人権にまで触れて來る慮れがあるから軽々に措置できない旨の答弁がございました。第四には、逓信事業を公共企業体としないで、その從業員を國家公務員法の適用範囲に入れた理由如何という質問に対して、政府は逓信事業を公共企業体とせざるは、その事業の性質上の区別からではなく、マッカーサー元帥の書簡において区別されているから、その書簡の趣旨に則つて立法せられたものである旨の答弁がありました。第五には、公共企業体の職員の組合は他の産業労働組合と同盟して連合体を結成することができるか、又それができるとすれば、その連合体は政治活動をなし得るやとの質問に対しましては、政府は、連合体はこれを結成することができる、又その連合体の政治活動については極東委員会対日労働組合十六原則にあるように、政治活動をすることはできるが、併しそれはどこまでも從だる性質の程度で、連合体の主たる目的としてこれを行うことはできないことは当然であるという趣旨の御答弁がございました。  以上大体本法案に関する重要な質疑應答を申上げたのでございますが、右申上げました質疑應答の外にいろいろな角度から政府側と委員側とに詳細且つ多岐に亘わます質疑應答が交換されましたが、これらは速記録によつて御覧を願いたいと存じます。  かくて質疑を終りまして討論に移りましたところ、一委員より、第十五條、第十七條、第二十四條第五号、第三十四條第五号に関しまして修正を加うべしとの動議が出たのであります。次に修正案の要旨を申上げます。   一、第十五條の交渉委員の会合の回数が少な過ぎるので、第十五條を左の通り改正する。   公共企業体及び組合を代表する交渉委員の会合は、第八條に定める團体交渉を行うために、毎年四回開かなければならない。但し一方の請求があれば臨時に開くことができる。   二、本法案で罷業権を全然禁止することは妥当でないと考えられるので、第十七條を左の通り改正する。   公共企業体及び組合が爭議行爲を行うには、調停委員会に調停の申請がなされた日より二箇月を経た後において、一週間の予告期間をおかなければならない   三、第二十四條第五号の調停の請求権を労働大臣、運輸大臣、大藏大臣の三者に認めておるのは、労働行政の一元化に不適当であるから、第二十四條第五号を左の通り改正する。   労働大臣が、日本國有鉄道労働関係に関しては運輸大臣の意見を聽き、日本專賣公社の労働関係に関しては大藏大臣の意見を聽き、調停委員会に調停の請求をしたとき。   四、第三十四條第五号の仲裁の請求権を労働大臣、運輸大臣、大藏大臣の三者に認めておるのは、労働行政の一元化に不適当であるから、第三十四條第五号を左の通り改正する。   五、労働大臣が、日本國有鉄道労働関係に関しては運輸大臣の意見を聽き、日本專賣公社の労働関係に関しては大藏大臣の意見を聽き、仲裁委員会に仲裁の請求をしたとき。   かような修正案が出たのでございます。先ず修正案の動議の討論に入りまして、採決の結果、少数を以て右修正案は本委員会において否決せられたのでございます。  次いで衆議院送付の本法案全部を採決いたしましたところ、多数を以て可決いたされました。かくて公共企業労働関係法案は衆議院送付通り本委員会において議決せられたのでございます。以上を以て御報告といたします。(拍手)
  44. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 少数意見者から報告することを求められております。報告時間は十分間に制限いたします。原虎一君。    〔原虎一君登壇、拍手〕
  45. 原虎一

    ○原虎一君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今上程になりました法案に対する反対の意思を表明いたすものであります。  御承知の通り、本案は去る七月二十二日、マッカーサー元帥より発せられました書簡による國家公務員法の一部改正に伴い、日本專賣公社並びに日本國有鉄道の職員の労働関係を規定せんとする、現行労働組合法に対する特別法であります。その主眼といたしますところは、公共金業体に從事する職員の事議を禁じ、一定條件の下に、企業体の代表者と職員代表者との團体交渉を認め、経済的紛爭を防止しようとするところにあります。  我々の反対いたしますところの根本理由は、労働者の正当なる爭議権を剥奪し去るということであり、又労働組合組織の弱体化を意図とているところにあります。申すまでもなぐ労働者の團結権、團体交渉権その他国体行動する権利は、憲法第二十八條によつて嚴然ど保障されておるところであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)而して團体交渉の眞價は、労資対等の地位に立つてこそ初めてその眞價を発揮するのであります。然るに爭議を禁じ、その上に認められたところの團体交渉では、労資の力の均衡は破れておるのであります。労働者にとつては魂の拔けたものであり、資本家にとつては至極氣楽な望ましいものであります。でありまするから、一昨年十二月、極東委員会は、日本労働組合に対する十六原則を指示いたしまして、労働組合の組織を奨励し、これを圧迫する一切の法律規則を即時除去すべしと決定いたしました。尚罷業その他の作業停止は、直接占領軍の目的に不利益をもたらす場合にのみ禁止されると明確にされておるのであります。現行労働関係調整法におきま託ては、政府職員中、非現業員の爭議行爲は禁止しました。併し現業員の紛爭に対しましては、調停に付してから三十日を経過し、その後におけるところの爭議の行爲は是認いたしておるのであります。然るに本法におきましては一切の爭議行爲を禁止してしまつたのであります。その理由については、今委員長も報告いたしておりましたが、政府の説明するところによりますれば、國家金業にして公共性が最も強いとういうに過ぎません。併しながら國家企業とはいえ、その職員の仕事は、警察官或いは消防職員とは全然性質を異にいたしております。又行政執行の任務を有する國家公務員とも違い、民間私企業と変りない生産、運輸の一般労務であります。高度の公共性ということは勿論認めるものでありまするが、同程度のものは民間にその類が多くあつて、爭議権の行使について一定の條件を附することによつて、その目的は達するのでありまして、爭議行爲り一切を禁ずることは憲法の精神に反る。憲法の保障するところの勤労者の基本権も労働法の根本精神も無規するものでありまして、我々の断乎としし反対いたすところであります。  労働者の唯一の武器と頼む爭議権を奪い取ることは、資本階級の最も欲するところであります。この罷業権を禁止いたし、この労働者の罷業権を奪い去るということは、成る程社会秩序を確保するに必要かのごとく感ずる方々が多いのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)併しながら、この最も資本階級が要求いたしまするところの罷業権を根本的に奪い去つて、それでその目的を達したでありましようか。世界各国の労働運動史は明らかにこれを否定いたしておるのであります。又先般のタフト・ハートレー法制定と、今回のアメリカにおける大統領選挙におけるところの結果は、事実を以て我々の前に雄弁に示して呉れておるのであります。  我々は以上の理由によりまして修正の意見を提出せんといたしたのでありまするが、現下の情勢はそれをも許ざ仙い状態でありますので以上の根本理由によりまして、原案に反対の意思を表明いたすものであります。以上を以て私の反対説明を終りたいと存じます。(拍手)
  46. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 本案に対しては討論の通告がございます。千葉信君。    〔千葉信君登壇、拍手〕
  47. 千葉信

    ○千葉信君(「賛成討論もやれよ」「よく分るように話してやつて呉れ」と呼ぶ者あり)私は只今議題となりました公共企業労働関係法案に対し、労働者農民党を含む無所属懇談会を代表いたしまして、ここに反対の意見を表明するものでございます。  敗戰以來三年、日本における労働運動は、その國内民主化と併せて、自己階級の福祉は同時に社会公共の中に保障せらるべきであるという確信を以て展開されて來たのでございます。資本階級と、その買弁的立場をとる人々は、殊更に悪意に満ちた歪曲を以て労働運動の行過ぎを宣傳し、公共の福祉を乱るかのごとき言説を流布して來た。労働組合が常にどの如何なる爭議においても労働関係法の枠内に行動しておるに拘わらず、例えば労働委員会の調停に感ずるものが常に組合であり、政府や資本家こそが常に調停に服することを肯んじなかつた事実が枚挙に遑がないことを考えれば、(「その通り」と呼ぶ者あり)行過ぎは常に政府や資本家の側にあつた。正に彼らこそは不逞の輩である。先に國家公務員法を改惡し、今又本法制定を敢てなさんとするのは、実にかくのごとき從來の彼らの行過ぎを、この法案制定によつて合法化せんとするものである。(「よう雄弁大会」と呼ぶ者あり)更に本法案第四條のクローズド・ショップ制否認、このことは、非組合員たることを奨励するかのごとき結果の予想されることは、誠に私は遺憾に存ずるものであります。このことは組合の発達を妨害し、第二組合の分裂化工作に連なるものであり、そうして又このことは、第一條にいう苦情又は紛事の友好的且つ平和的調整を図るという目的に副わない。又第十七條は事議行爲禁止を規定しておる。満州事変を勃発せしめた昭和六年に労働爭議調停法を作り上げて、実質上爭議行爲を禁止し、人権の自由を抑えた旧日本帝國主義看たちの姿を私は改めて思い出さざるを得ない(「そうだ」「うまい」と呼ぶ者あり、拍手)爭議権のない團結権は事実上無償値同様であるばかりでなく、法理論り立場からも爭議権なき覇結権は自己撞着を免れない。從つて極言すすれば、基本人権を確立した日本國憲法は正にこの一角から溺れ去ろうとしているのであります。(「原稿なしで手離しでやれ」「うまいぞ」と呼ぶ者あり)  更に重要なる点は、唯一の團体交渉機関である交渉委員或いは苦情処理共同調整会議代表、調停委員会委員等、一貫してその選考手続の中に潜められておるところの一大欠障は、労働者側代表選出に当つて非組合員の発言が大半を占めて、その発言が強大に左右するということであり、眞の代表者たるの資格を持つておる者を選出することができないという、非常に大きな矛盾がここに潜められておるということでございます。そうして又これは、折角残された國体交渉権そのものさえもが、このことによつて決して正しい問題解決の鍵ではあり得ないということであるのでございます。その他、本法案は(「大演説」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)……黙つて聽け。(「頑張れ頑張れ」と呼ぶ者あり)その他、本法案に調停仲裁開始の條件として関係大臣請求を云々し、何らの前提條件を附さないことは、これ亦一方的、独善的惡法であり、これら一連の弾圧法の羅列のみを以てしては到底根本的な問題の解決は望むべくもないのでございます。資源を失つて今や一切の産業立國が挙げて労働力に俟たなければならない今日、これらの人々の一人残らずが要望る最低生活の確保なくして、最低賃金制の確立なくして、たとえこの壇上から如何に吉田総理大臣労働者の協力を要請しようとも、もはや今日のごとき自覚せる労働者は、ただ一片のこのような懇請によつてどうして協力することができるでございましようか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)このことを考えることなくしては、日本の再建、そうして又その大きな原動力である労働者の協力も到底あり得ないということを、私はこの壇上から皆さんにはつきりと訴えたいのでございます。  以上を以ちまして私の挨拶を終ります。(拍手)(「一人くらい賛成討論をやれよ」と呼ぶ者あり)
  48. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 板野勝次君。    〔板野勝次君登壇、拍手〕
  49. 板野勝次

    ○板野勝次君 本法案に対する賛成演説ができないところに、本法が反動的立法であることを暴露しておると思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)本法案は(「自分だけ喋ればいいんだ」と呼ぶ者あり)客観的情勢の要請であると言われておりますが、眞実の意味で客観的情勢を國際的な情勢と解しますならば、この客観情勢は、決して我が國においてこのような法律の制定を要請していないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)世界の民主主義勢力がこのような法案の通過成立に賛成するでありましまうか。(「しない」と呼ぶ者あり)決して賛成はしないのであります。國際連合に参加しておる諸國は、先日発表された國際人権宣言を採択しておる立場よりいたしましても、これに対して賛成することは断じてできないでありましようし、(「人権宣言を知つているか」と呼ぶ者あり)アメリカにおきましても、トルーマン大統領の再選によつてタフト・ハートレー法廃止必至の情勢下、アメリカ國民の輿論は決してこのような法件には賛成しないと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)むしろ、これは我が國が民心化されていないことを示す國辱的な立法であります。(「そうだ」「その通り」と呼ぶ者あり)ニューヨークの十一月十日発UP電によりますれば、米國外交政策協会機関誌の最近号は、元GHQ民政局勤務のミリアム・フーレー女史の論文を掲げておりますが、フアーレー女史は、日本の政治は依然、民主主義的とは言い得ない思惑を持つ人たちの手に握られており、これに対する最も効果的な反対は労働運動から発生している云々と、労働運動の持つ進歩的な性格を指摘しておるのでありまして、(拍手)労働運動発達を好まない人々の深い反省を要請しておるのではありませんか。(「その通り」と呼ぶ者あり)東欧人民民主主義の諸國におきましては、ナチスより解放された後、共産党によつて提案され実行に移された國民経済復興発展計画は、各國とも成功的に遂行され、その結果(笑声)いずれの國でも工業生産は戰前水準を突破乃至はそれに追つておるのであります。この急速な発展(笑声)を指摘たしまして、ハンガリー労働組合会議書記長は、十月に行われましたハンガリー労働組合大会席上で、イギリス工芸が生産を僅かに九%増加させただけであつたのに対し、ハンガリー工業は一年間に五〇%以上生産を増加したということを言われており、)「強制労働だ」と呼ぶ者あり)ルーマニアの経済復興状態については、最近國國を訪れたカンタベリー僧正ヒューレット・ジョンソンは、若しイギリスでもルーマニア人民共和國におけるような急速なテンポで復興が進むなら、これ程嬉しいことはない、こう言つておるのであります。このような復興は何に原因しておるのでありましよう。日本は何故復興ができないでいるのでありましよう。この原因はどこにあるのでありましようか。又アジアの民主主義勢力は偉大なる成長を遂げておるとき、日本の政策は中國或いはアジア諸属を依然として植民地とみなして、そうしてその前提の下に外資導入を図り、極東の工場たらんことを希つていればこそ、このような惡法が國会を通過せんとするのであります。(「そうだ」「その通り」と呼ぶ者あり)アジアの現実はすでに変貌しつつあるのであります。これ十分省察しなければならないときが参りした。先日私の質問に対して吉田総理自身がよう回答することができなかつた中にこそ、深く我が國の保守勢力が反省しなければならないことを要望しておると思うのであります。(「君の独断だ」と呼ぶ者あり)労働者を圧迫して國民経済を破壊するか、労働者の團結権、罷業権、團体交渉権を何ら妨害を、加えることなしに、この基本権利を伸張して自主的再建の途を歩まなければならないか、私は後者の途を選びたいのであります。公共企業体に從事する者の基本的権利を確保してこそ、自主的再建コースを歩ませることとなるのであります。この観点からいたしますれば、本法案は國家公務員法の姉妹篇でありまして、憲法を無規し、且つ欺瞞に満ちた不完全なる労働三法でさえも蹂躪してしまつた、公共企業体從業員に対する奴隷法であると断ぜざるを得ないのであります。従つて第一に爭議権を禁止し、而も労働大臣の職権を以ての組合干渉の條項が多く、組合の自主的活動を抑圧しておる点。第二に強制仲裁によつて一方的に労働側を抑えておる点。第三に保護規定はなく、露骨に懲罰的である点。第四番目に、公務員法並びに本法案等を挺子といたしまして、今後労働組合法規の全面的な改惡をやり、労働組合運動の圧殺を図ろうととておる点。第五に、從業員の経営参加こそ公共企業体再建の途であるのに、從業局を経営の面から閉め出すことによつて事業の民主化と能率的運営を図ると言つておるのでありまするが、それは正に逆行であり破壊であります。以上五点を挙げて本法案に対する直接的な反対理由とするものであります。  尚これに加うるに給與改善に対しましては、現政府は全く無能力を暴露しておるのでおります。政府案の五千三百円べースは戰前の僅かに十二円である。このような安い状態に置いておきまして、このような惡法を適用して参りますることは断じて承服することができないのでありまするし、政府並びに独占資本家は低賃金労働強化を強要しまして、國有鉄道、專賣公融の独立採算制を強行すべく下地を作り上げようとしているのであります。從つて國鉄專賣従業員のみならず、全勤労大衆は、國家公務員は勿論、本法案に対しても全勤労大衆の生活の安定と向上を妨げるものとして全面的反対を叫んでおるのであります。日本共産党は勤労大衆の生活の破綻と民族の奴隷化を内包しておりまするがかるフアッシズム的惡法に対して断呼反対することを表明するものであります。(「御苦労々々々」「もつとやつて呉れ」と呼ぶ者あり、(拍手)
  50. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これにて討論の通告者は終了いたしました。(「賛成討論はどうした」と呼ぶ者あり)討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  51. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 投票漏れはございませんか。(「ありません」と呼ぶ者あり)投票漏れないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  52. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百三十三票、白色票即ち本案を可とするもの九十八票、(拍手)青色票即ち本案を否とするもの三十五票、(拍手)よつて本案は可決せられました。(拍手)    〔参照〕  賛成者(白色票)氏名  九十八名    岩男 仁藏君  岡村文四郎君    三好  始君  米倉 龍也君    小川 久義君  小川 友三君    田中 信儀君  谷口弥三郎君    油井賢太郎君  石川 準吉君    小畑 哲夫君  鈴木 順一君    高橋  啓君  大隈 信幸君    深川タヌエ君  門屋 盛一君    竹中 七郎君  藤森 眞治君    仲子  隆君  奥 主一郎君    岩木 哲夫君  中井 光次君    鬼丸 義齊君  櫻内 辰郎君    加藤常太郎君  西川 昌夫君    川村 松助君  淺岡 信夫君    池田宇右衞門君  堀  末治君    西川甚五郎君  大島 定吉君    鈴木 安孝君  山田 佐一君    中山 壽彦君  黒田 英雄君    草葉 隆圓君  石坂 豊一君    柴田 政次君 大野木秀次郎君    遠山 丙市君  黒川 武雄君    松嶋 喜作君  一松 政二君    深水 六郎君  平岡 市三君    城  義臣君  田中政五郎君    岡田喜久治君  小野 光洋君    團  伊能君  中川 幸平君    西山 龜七君 橋本萬右衞門君    小串 清一君  赤木 正雄君    安部 定 君  飯田清太郎君    井上なつゑ君  岩本 月洲君    宇都宮 登君  梅原 眞隆君    江熊 哲翁君  大山  安君    岡部 常君   岡本 愛祐君    小野  哲君  加賀  操君    河井 彌八君  木下 辰雄君    九鬼紋十郎君  小宮山常吉君    小林米三郎君  西郷吉之助君    佐伯卯四郎君  小宮山常吉君    島津 忠彦君  島村 軍次君    田中耕太郎君  田村 文吉君    玉置吉之丞君  寺尾  博君    徳川 宗敬君  中川 以良君    野田 俊作君  波多野林一君    堀越 儀郎君  松井 道夫君    竹下 豐次君  高瀬薙太郎君    高橋龍太郎君  伊達源一郎君    早川 愼一君  姫井 伊介君    藤井 丙午君  矢野 酉雄君    山崎  恒君  結城 安次君   ―――――――――――――  反対者(青色票)氏名  三十五名    中平常太郎君  塚本 重藏君    齋  武雄君  村尾 重雄君    中村 正雄君  山下 義信君    山田 節男君  岡田 宗司君    大野 幸一君  原  虎一君    伊藤  修君  赤松 常子君    吉川末次郎君  藤井 新一君    羽生 三七君  河崎 ナッ君    カニエ邦彦君  三木 治朗君    森下 政一君  青山 正一君    松本治一郎君  板野 勝次君    中西  功君  千葉  信君    木村禧八郎君  堀  眞琴君    太田 敏兄君  丹羽 五郎君    千田  正君  羽仁 五郎君    國井 淳一君  岩間 正男君    河野 正夫君  岩間 正男君    佐々木良作君    ―――――・―――――
  53. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 暫時休憩いたします。    午後三時五十一分休憩    ―――――・―――――    午後五時十三分開議
  54. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 休憩前に引続き会議を開きます。参事をして報告をいたさせます。    〔寺光参事朗読〕 本日議員から左の議案及び委員会審査省略の要求書を提出した。  國家公務員法の一部を改正する法律案(中井光次君外十三名発議)    ―――――・―――――
  55. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際、日程に追加して、國家公務員法の一部を改正する法律案(中井光次君外十四名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。本案は発議者中井光次君外十四名より、委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。  これより発議者に対し、趣旨説明のため発言を許します。中井光次君。    〔中井光次君登壇、拍手〕
  58. 中井光次

    ○中井光次君 只今議題となりました國家公務員法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。先ず提案に至りました経過につきまして一言申上げます。御承知のごとく第三回國会におきまして、國家公務員法の第一次改正案が國会を通過いたしたのでありまするが、我々人事委員といたしましては、その審議の際より、すでにこれに対する修正の意見を持ち、宇都宮委員より修正案として提出されたのであります。然るにこの第一次改正案の衆議院からの送付は第三國会の最終日であり、これを十分に審議し、修正を加えることが困難な客観的情勢でありましたので、第四回國会に改めて提出するという條件でその修正意見は一應撤回されだのであります。今回我々人事委員全員の間におきましても、去る三日以來連日打合会を開き、十分な審議を遂げました上で、改めて第二次改正案としてこれを提案いたしました次第であります。  さて本案の内容につきまして御説明申上げますると、先ず改正の第一点は、前回の改正で一般職とせられておりました人事院の指定する公團の職員及びいわゆる進駐軍労務者を特別職といたしました。即ち公團の職員につきましては、その身分官吏その他の職員とすることになつておりまするが、その中には元來民間の企業、例えば食糧肥料及び酒類等の配給に從事しておりました者が、公團の設立によりまして当然公務員たる身分を持つものとされた経緯から考えましても、亦その勤務の内容からいたしましても、これを他の公務員と同様に取扱いますることは適当でないので、人事院の指定した公團職員は特別職とすべきものと考えられるのであります。又いわゆる進駐軍労務者に関しましても、その雇傭関係の特殊性から特別職とすべきものと考えるのであります。  改正の第二点は、人事官の任命についての手続を愼重にいたした点であります。即ち御承知のごとく、現行第五條によりますると、内閣が人事官を任命することについては両議院の同意を要するごとになつておるのでありまするか、この場合、若し衆議院が同意して、参議院が同意しない場合には、憲法第六十七條第二項一の例によりまして、衆議院の同意を以て両議院の同意とすることになつておるのであります。併しながら総理大臣の指名の場合と異なりまして、政治的な要素を含まない問題であり、又人事官は人格が高潔で、民主的な統治組織と、成績本意の原則による能率的な事務の処理に理解があり、且つ人事行政に関し識見を有する者であることを要件といたしておりまするし、人事官の権限の重要さから考えましても、奇くも両議院のうち、いずれかの一院が同意しない者を任命することは妥当ではないと考えられるのであります。(拍手)よつて第五條第二項を削することといたしました。  改正の第三点は、不適当な罰則の削除であります。即ち公務員法第百九條第一号によりますると、先に述べましたような資格を有しない人事官の任命に同意した閣員は、すべて一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処せられることになつておりまするが、人事官の任命につきましては、両議院の同意も必要なことでありまするし、又若しこのような処罰が行われました場合には、そのために内閣が一挙にして消失する結果ともなりますので、本号削除いたしたのであります。  以上が本改正法律案の骨子であり、その理由でありまするが、いずれも最も緊要な最少限度の改正点であります。るので、何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを切望する次第であります。(拍手)
  59. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  60. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)    ―――――・―――――
  61. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際、日程第十一より第十四までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事丹羽五郎君。    〔丹羽五郎君登壇、拍手〕
  63. 丹羽五郎

    ○丹羽五郎君 只今上程になりました請願第十五号、宮島――堀江間省営連絡航路計画中止に関する請願外三件の委員会におきまする審議の軽過並びに結果を御報告申上げます。  実はこの請願四件は、議長並びに事務当局において非常に重要な請願だというように眺めておられまして、午前にかけるのを午後二時にかけるということでありましたが、その又午後二時も今夜分になつたようなことで、非常に重要な請願でありますから、(笑声)さようにお聞き取りを願いたいと思つております。(拍手)  先ず請願第十五号、宮島―堀江間省営連絡航路計画中止に関する請願でありまするが、その要旨は、同計画線は現存民営航路と並行となり、民間業者を圧迫することになるから中正されたいというのでありまして、これに対し政府より、この計画は旅客輸送を現存の堀江―仁方間より、堀江―宮島間に移動するに過ぎないとの説明でありましたが、審議の結果、現在の民営航路には尚余力があるので、民間事業圧迫とならぬよう処置を要するとの理由で、願意を妥当と認め、全会一致これを内閣に送付を要するものと議決をいたしました。次に請願第二十六号、湊町―亀山並びに四條畷―木津各駅間電化促進に関する請願請願第二十八号、天王寺」王寺両駅間電化促進に関する請願でありまするが、これは確かに重要なことであります。(笑声)これに対し政府より、同地方の電化は地方路線の中では優先順位にあるものと考えるか、國鉄の電化は幹線を第一次的に実地する方針であるが、現在においては資材、経費の関係より急速実施困難であるとの説明がありましたが、審議の結果、旅客の混雑甚だしい地方支線にも力を注ぐ必要があるとの理由で、願意を適当と認め、全会一致を以てこれを内閣に送付を要するものと議決をいたしました。次に請願六三十一号、戸賀湾に標識燈設置の請願でありまするが、政府におきましては同湾に明年標識燈設置の計画がありまするし、同湾は東北沿岸避難港として好適であり速かに実施を要するものと認め、全会一致内閣に送付を要するものと議決をいたした次第であります。  これを以ちまして御報告を申上げまして、皆さんのよろしく御審議を得たいと思つております。(拍手)
  64. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  65. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付するごとに決定いたしました。  これにて本日の議事日程は終了いたしました。明日は午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十六分散会    ―――――・――――― ○本日の会議に付した事件  一、日程第一、廃兵器等の処理に関する法律案  一、日程第二、刑事訴訟法施行法案  一、日程第三、裁判所法の一部を改正する等の法律案  一、日程第四、私学振興のための金融機関設立に関する決議案  一、日程第五の請願  一、日程第六、日程第七の請願及び日程第十五の陳情  一、日程第八の請願  一、日程第九及び日程第十の請願  一、公共企業労働関係法案  一、國家公務員法の一部を改定する法律案  一、日程第十一乃至日程第十四の請願