運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-10-06 第2回国会 参議院 決算委員会特殊物件小委員会 閉2号 公式Web版

  1. 昭和二十三年十月六日(水曜日)    午前十時五十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○特殊物件の調査に関する派遣議員の  報告   ―――――――――――――
  2. 千田正

    ○委員長(千田正君) それでは決算委員会の特殊物件小委員会を開催いたします。第二國会の終りにおきまして決算委員会で特殊物件の小委員会を設けることになりまして、この休会中それぞれ特殊物件の調査をして頂くことになりましたのですが、非常に皆さんの御繁忙中のところでありましたけれども、特に関東関西と分ちまして、関東の方は七月の二十六日から三日間、岩崎、中川、北村委員に森專門調査員、吉原、立原の主事が随行しまして埼玉を振出しに調査したわけでありますが、栃木の方は八月の二十三日から三日間、埼玉は七月の二十六日から三日間、非常な成果を挙げて來られたことを、先般の九月の二十日の打合会の席上で概略の御報告を頂いたわけでありますが、関西班の方は七月十九日から二十四日まで約一週間に亙りまして、山下、竹中、吉川、伊達四委員の方々が……伊達先生は事故のために不参のようでございましたけれども、非常にお忙しい中をこの問題について御調査を願いまして、山口縣、廣島縣、この二縣に亙りまして精密な調査をやられて、先般九月の二十日の第一回の打合せ会におきましては吉川委員から簡單な御報告がありまして、詳しいことは山下委員から御報告を頂くということで九月の二十日の第一回打合会は打合せに終つたわけであります。その際にこの関東関西班に参加しなかつたほかの委員の人達も一緒になつて、東京都の特殊物件を調査したらば如何かという吉川委員の提唱がありましたので、そのとき集まりました皆さんの御賛同を得て、第三國会の開く前に東京都を重点的に一應調査しようという申合せをしておつたわけであります。間もなく第三國会が開かれることになりますのですが、日数も余りありませんので、果してこれを実行し得るかどうかという点におきましても皆さんの御協議の上に本日決めて行きたいと思います。今日の豫定といたしましては関東関西の調査を纒めて、尚東京都における調査ができ得ればそれを纒めて第三國会に引継ぐというような点につきまして、各委員の十分なる御意見を伺いまして、結論を付けて第三國会に申送りをしたい、こういうわけでこの会を開いたのであります。どうか皆さんの御意見を伺いたいと思います。
  3. 小川友三

    小川友三君 特殊物件のこの委員会が特に埼玉縣の御調査に当りましたことに対しましては、埼玉縣を中心に出ております不肖小川友三としては深甚の敬意を表するものであります。議事の中で甚だ恐縮でございますが、埼玉縣のこの隱退藏物資、特殊物件というものに対しましては縣下に相当精通しておりますので、この調査に與かりましたこの三人の議員さんのほかに、ほかの專門さんも行つていらつしやいますが、特に生ゴムの点について御調査報告が洩れておるようでございますが、特に埼玉縣下は生ゴムの特殊物件が非常に多かつたのであります。そこで前にも第一回國会のときに生ゴムの処分は政府不当であるという発言を私は求めたことがあります。その証拠ゴム工場が沢山ありまして、そのゴム工場連中が資産が終戰後何百倍、何千倍となつておる工場が三つほどございます。それはいずれもその特殊物件を不当処理したのであろうということが想像でき得るのでありまして、終戰後生ゴムを連合軍に引渡すべきものであつたのを地下に埋藏いたしまして、これを距否した事実があるように思われるのであります。それを不肖は某工場に対しまして隱退藏物資があるということを主張しましたところが、それは遞信省の所有であるという僞造証明らしきものを出されました。それを遞信省の方に問合せますと、埼玉縣に生ゴム存在は遞信省所有としてはないということになりましたのでありまするから、当然これは僞造証明書であろうということが窺われたのでありまして、その後それをその工場におきましては自由に闇の自轉車のチュブタイヤを作りまして、何千万円という巨利を現在得ております。恐らく二千万円ぐらいの大拡張工事を手持資金を持つていなかつた人が、自分の手持資金でやつておる事実がございます。御調査を願いましたことに決して苦情を申上げるわけではありませんが、ここの隱退藏物賢に関する御調査に漏れておりますので、或いは御調査は賜わりましたが御報告が漏れておるのか、この点につきましてお伺を申上げまして、先程委員長の仰しやつた議事に入りたいと思つております。
  4. 千田正

    ○委員長(千田正君) 今小川委員の御質問に対しましては、あいにくその当時参られました岩崎委員と中川委員がまだ出席しておりませんので、詳細な御報告につきましては後程伺つていたします。
  5. 小川友三

    小川友三君 関連しまして生ゴムの話ですが、それは遞信省の所有であつたというのですが、遞信省当事者を調べましたら遞信省の所有ではなかつたのでありまして、それは僞造証明書であるということをこの委員会を通じまして檢察廰からお調べを賜わりたいと思います。当時埼玉縣の警察署に参りましていろいろ打合せ申上げましたが、檢察廰としては何分仕事が多いので、向う半年間はそういうことを調べる暇がない、他に沢山の仕事があるので、実は國会の方で檢事を殖やして貰いたいというようなことを伺いました。まだ警察署の方では調べていないのであります。とにかくそうした不祥事件があつても檢察廰は半年も經たなければ調べられないという状態でおる中に、品物になつて逃げてしまうというような実情に置かれておるのであります。特に埼玉縣は第二戰闘地区でありまして、非常に物資が御調査願いました通り多いのであります。特に知事か取扱つた十数年前の事件に対しまして飛行服を提供しておる。その量は三百五十着と言いますが、その当時飛行服は一着七千円から一万円で賣買された品物でありまして、仮りに最低七千円と見積りましても、十数年前の借金に二百四十五万円の品物を渡しておるような状況であります。これは知事の名前を採つて西村隱退藏物資と言つて喧しく新聞報道されておるのでありまして、特に埼玉縣下の一昨年の知事選挙に当りまして、知事は相当大盤振舞をしたというような状態でありまして、この点につきまして不肖はもう一度詳細な調べをしたらどうかという氣持でおりますが、皆さんのお氣持を拜聽しまして、その陣頭に立つてお調べをやつても宜しいと思います。この点、檢察廰側で遞信省が持つておつたものかどうかということに対して、この委員会を通じてお調べを願います。
  6. 北村一男

    北村一男君 ちよつと小川委員にお尋ねしたいことがありますが、只今ゴムのお話があつたのですが、それは隱退藏物資でありますか、それとも特殊物件ですか、その点隱退藏物資に入るものでありますると我々の調べる範囲外のものと思いますが、その点を一つ詳細にお聽きいたしたいと思います。
  7. 小川友三

    小川友三君 これは御承知の通り軍が埼玉縣の北埼玉郡の志多見村というところに被服廠の秘密倉庫を相当尨大なものを造つたのであります。これは軍が運んで來たものでありますから特殊物件であろうと想像されるのであります。
  8. 千田正

    ○委員長(千田正君) 只今の点については関東班の御報告の中の第二頁に、特殊物件処理に関する不正事件として浦和地方檢察廰の説明が載つておるわけです。それによると、現在檢察廰において調査中であるという報告になつております。尚只今の小川委員の御申出は当然のことと思いますけれども、この小委員会が第三國会において更に拡大して特殊物件の調査委員会を開催するとすれば、当然再調査といような方向に持つて行きたい、こう思いますので、その点御了承を願います。
  9. 小川友三

    小川友三君 関連しましてちよつと……、遞信省の所有物であるという証明書を見せて警察を追つ拂つておりますが、それは遞信省の方では出した覺えがないという答弁でありますので、僞造証書、公文書僞造行使であると思いますので、その点に重点を置いて頂きたいと思います。
  10. 千田正

    ○委員長(千田正君) それでは生憎岩崎、中川議員が見えておられませんので、関東班の方の御報告につきましては、先般から提出されております調査報告にありますので、それを御覽願いたいと思います。  関西班に関しましては、先般吉川委員から、山下委員がお見えになつてから重点的な点について御報告願うようにというお話がありましたので、山下委員の報告を伺います。
  11. 山下義信

    ○山下義信君 中國視察班の報告を申上げます。前回吉川委員から概略の報告がありましたそうでございまして、詳細な報告は別に報告書に纒めまして委員長の手許に提出をいたしますので、詳しくは報告書によつて御了承を仰ぎたいと存ずるのでございます。その重点的なところを取出しましてここで概略申上げたいと存じます。今回視察いたしました山口縣並びに廣島縣、この両縣につきましてはすでに御承知のごとくでございますが、一應何故山口縣、廣島縣を中國班が選定いたしましたかという理由を申上げますと、山口縣は地域的に軍関係の施設が非常に多くございまして、特に岩國、光、徳山、防府をそれぞれ中心といたしました各地には燃料廠或いは工廠などがございまして、陸海軍を通じ大小三百に余る部隊が縣内に点在しておりましたので、これに附属する倉庫施設等に軍需物資が相当多量にありましたことは、容易に想像されるところでございます。中國五縣中廣島縣は、他の三縣とは比較にならない厖大な軍需品がありましたことは、檢察廰調査の特殊物件の総収入見込額の数字から見ましても判明いたす次第でございまして、その計数によりますと、山口縣は二億一千八百万円でございまして、他の三縣は、例えば岡山が六千七百万、鳥取は一千万、島根は僅かに六百万円などに比較いたしまして桁違いでございます程、全國の府縣に比べましても屈指の軍需品の集積地帶であつたのでございます。又廣島縣で申しますと、この縣におきましては、終戰当時陸軍が六十四箇部隊、海軍が四十四箇部隊おりましたので、又日華事變以來の軍の基地といたしまして、軍関係の物資は他の府懸に比較いたしまして著しく多量にありましたことは事実でございます。その所在箇所も全縣下実に七百余箇所に及んでおりました地帶でございまして、同じく檢察廰の調査によりますと、全府縣の特殊物件収入見込額は総額三十八億四千二百余万円でございますが、廣島縣は実にその一割の三億二十九万余円を占めておりまして、全府縣中隨一でございます。かような次第でございますので、全國におきましても、特殊物件に関しまする重点的地帶といたしまして、私共中國班がこの二縣の調査をいたした次第でございます。  両懸とも調査の方法は大体同じでございまして、先ず、縣廰を中心にいたしましてその処理状況を調査いたしました。各縣にありまする関係官廰につきましても、関連いたします事項につきまして調査をいたしたのでございます。更に一、二抽出いたしまして特殊物件の拂下をいたしました民間工場、或いは土地を轉用いたしておりまする同民間工場、これらの実情につきまして調査をいたしました。  大体今回の調査は一言にして申しますれば、縣廰を中心にいたしまして、且つ書類の上におきましてその処理状況を調査いたしますことが中心に相成つたのでございますが、それらに関しまする所見は報告書に讓ることにいたします。尚今回の調査によりまして得ましたる資料その他は同じく相当厖大に上りますが、これも亦、報告書に併せて提出いたしたいと存じます。  今回の調査の結論を申上げますというと、第一は、私共調査に当りました者の調査の態度でございます。これは國会の調査といたしまして十分權威あるように注意をいたしまして、正々堂々と調査をいたしたのでございます。いわゆる檢察廰の摘発的調査とも相違いたしますし、調査の目的によく適いますように、國会の調査らしき調査方法を取りました。即ち豫め調査の要綱通達いたして置きまして、その報告書の提出を命じました。又現地におきましては、その調査の目的を民衆に明らかにいたしまして、新聞記者團とも両縣とも会見をいたしまして、或いは又山口軍政部、廣島軍政部等を訪問いたしまして、緊密なる連絡もいたしました。又先程申上げました関係官廰の調査にいたしましても、或いは經済査察廰の責任者、或いは財務局責任者、或いは檢察廰の責任者それぞれ調査團の調査いたしまする場所に集合させまして、最高責任者がほとんど出席をいたしまして、十二分に我らの質疑に説明答弁をさせたような次第でございます。且又議員團におきましては刻々に打合せをいたしまして、豫め調査のポイント、或いは質疑の点等につきましても、即ち調査のポイントを外れないように各議員が十分注意をいたしまして、終始國会の調査團としての権威を発揮いたしまして、本調査を終了いたしましたのでございます。  第二点といたしまして、今回の調査はいわゆる問題といたしましては、或いは多少時期が遅れているというような感がないでもございませんでした。それはすでに本決算委員会におきまして、我々の承知いたしておつたのでございますが、時期は多少ずれておりましても、敢然として決算委員の職責上この調査を行いましたわけでございますが、或る意味におきまして、時期が遅れておつたということは、これはその通りでございす。例えば廣島軍政部のメイヤー少佐は実にこの調査は國会としてよろしいことであるし、我々も多大の期待をかけているが、遺憾ながら時期が多少遅れておつて、十分なる効果が挙らないのではないかということが心配されるということを申されておりました。併しながら両懸下に亘りまして、我々参議院の調査團の一行が参りましたということは、相当そのそれぞれの地方に大きな衝動を與えまして、官民共我々の調査に非常なる関心を拂い、今更の如く特殊物件の処理ということの正邪ということに対して民衆が改めて記憶を呼び戻し、関係官公吏がそれぞれその処理状況につきまして、反省をいたすという色が非常に濃厚でありまして、いわゆるジヤナリズムの時期は遅れておつたか分りませんが、問題といたしましては、尚決して時期は遅れていなかつたということを看取いたしたのでございます。その時期は決して遅れていないと申します一つの証拠といたしまして、現に檢察方面におきましては、最高檢察廰が指揮命令をいたしまして、全國の檢察廰を動員いたしまして、特殊物件の一齊手入をいたしておりまするのを見ましても、決して時期か遅れていないと思うのでございます。駄弁は省略をいたしますが、本件の如き問題を調査いたしまするのは、むしろこれからが本格的な調査ができるのでありまして、今までは混乱いたしておりましたのでございますから、檢察廰ですらも今著手いたしておりますような次第でありまして、大きな目で見まするというと、決して調査の時期遅れではないというふうに感ずるのでございます。一例を申上げますと、いわゆる連合軍から追放解体を命ぜられましたあの追放團体の財産処理のごときも、漸く昨今から開始されておるという次第でございますから、本件の調査する時期といたしまして、必ずしも不適当ではなかつた。むしろ今後に待つべきものが多々あるということを私共は感ずるのでございます。大体の調査の項目は、すでに本委員会におきまして御決定になつておるのでございますから省略はいたしますが、これを引括めて一言で申しますと、問題の有無につきまして私共調査をいたしたのでございます。問題の有無とは、各種の調査の條項を通じまして、これらの特殊物件の処理が不当、不公平に行われてはいなかつたかという点でございます。又その処理をいたしました関係の公務員の中に、いわゆる貧官汚吏というような者がいはしなかつたか、或は又それらの不当な処理をいたしました公務員が尚平然として今日その職におるというがごときことはないであろうか、而して尚今後も処理さるべき物件、或いはそれが國有財産に編入されておりますものなどにつきまして、如何にあるべきかという問題、それにつきましても私共鋭意調査の重点を置きました次第でございます。  次に関係官廰につきまして我々が調査いたしました結果からしまして、地方経済査察廰が、特殊物件に関連いたしましての非常に関係の多い官廰でございますが、この経済査察廰の前身でございまする地方経済安定局の活動振りというものは遺憾な点が多々ありまして、実に弱体であるという感じを持ちました次第でございます。  尚結論を細かに申上げますと、例えばこの特殊物件に関連いたしまして、如何にして速かに國庫の財源にこれをいたすべきか、又特殊物件の効果的利用方法の実現を如何にすべきか、又特殊物件を繞りましての諸問題を如何にして速かに解決せしめるかというような点につきまして、我々も相当得る所がありました次第でございます。特殊物件は御承知のようにこれを大別いたしますと、第一は、土地建物、同附属設備、機械器具(自動車を含む)等でございまして、第二は軍需物資(衣料、燃料、被服、紙、藥品その他の製品、鉄材、非鉄金属等の各種生産資材及び廃兵器を含む)等で、これらの物件がございますが、我々は前記一の國有財産の処分につきましては、速かに綜合的に國家再建政策、殊に産業開発計画の面にこれをマッチさせまして、例えば國管、乃至半國営の企業を起しまして、或いはこれを教育施設等に轉用いたし、或いは民間企業に轉用助成いたしまして、急速且つ効果的なる処理を図ることが必要であると認めたのでございます。  第二の物件の未処理軍需物資につきましては、その用途に應じまして、これを或いは救済方面、或いは厚生方面等の施構に活用すると共に、一般生産資材に轉用させることが必要である、かように感じました。今後これらの問題につきましては、我が特殊物件小委員会といたしまして、大いに檢討を加えまして、これを問題といたしまして、政治解決を図る必要があるのではないかと信ずる次第でございます。從いまして、我々視察團が考えました今後の採るべき考えといたしまして、特殊物件の轉用活用の面におきまして、政府が如何なる方策を実行しつつあるか、又実施せんとしておるか、政府とよくこの点を協議いたしまして、具体的な方策につきまして我々も盡力いたさねばならんと考える次第でございます。又物資不足の際、或いは埋沒せられてある、或いは海沒せられてありまする軍而物資につきましても、これを速かに生産資材化しまするにつきましての國策を決定する必要がある。要すれば政府は國費を以つて、これが発掘引揚げ事業を遂行する用意をいたさなければならんと考えるものでございます。  次に各物件に対しまして、陸海軍より無償交付しました特殊物件は、府縣によりまして、おのずから厚薄の差はありまするが、各府縣とも特殊物件及び放出物件の処理につきましては、多大の負担を負うておりまする事情もございますので、一概にこれを有償といたして細部までその処理を行こうといたしますことは、事情に照しましてどうであろうかと思われる点もございます。殊に府縣の財政を以ちまして見ますると、有償の限度、実情に添ひまして或る程度緩和いたしまするか、或いは不可能でありまするならば、府懸が負担をいたしました特殊物件の処理費は、これを國庫が負担をいたしますることに轉換する必要があると認めました次第でございます。尚山口縣におきましては、以上申し述べました中に含まれてありまする一二の事項につきまして、地方廰としての希望條項がございました。これは只今の報告の中に織り込んで置きましたが、廣島縣の地元取扱地方廰といたしましては、代金の未納の回収につきましては、これを國税徴収法の第二條に準じました特別法令を作つて、滯納処分ができるようにして貰えば、この未納代金の処理の事務は大いに促進せられることでありますから、どうかそういうふうに盡力願いたい、こういう希望を廣島縣は申出ております。  以上の視察の結果といたしまして、我々種々大いに感ずる点があつた次第でございますが、詳細は同行の藤田專門員が非常な努力を以ちまして、この両懸下に亘る数日間の尨大なる調査事項を取纒めまして逐一詳細にこれが報告書ができ上つておりまして、私共委員一同これに目を通しまして、それぞれの所見を加入いたしまして、全くこの報告書で詳細が盡きておりますので、これを以ちまして御覽を願いたいと存ずるのでございますが、私共参議院の立場におきまして政治的にいろいろ考えました場合に、次の三点を將來の問題といたしまして或いは考慮を拂う必要があるのではないかと感じておるものでございます。  第一点は、この尨大なる特殊物件を得まして、これがその拂下げの趣旨に適い、或いはその拂下げの方途によりまして、すでに救済的な意味で消費せられましたものはともかくでございますが、或いはこの拂下げを得ましたことによりまして非常に利益を得ましたものに対しましては、いわゆる特殊物件によりまする利益の収得という面におきまして、大いにその追徴をなす必要があるのではないかと考えます。例えば公簿の上では約六十億の特殊物件の拂下げでございますが、当時の闇物價とこれを比較し、その得ましたものを例えば横流しをしておる、或いはそれを事業の材料に使つておる、それがために利益を得たという顯著なる事例に対しましては、ただ拂下げ代金の公の徴収というのみではなく、或いは他の面からの、所得税の徴収というような手ぬるいやり方でなくいたしまして、この特殊物件を今日に換算いたしますと数百倍に上るでありましようととろの利益に対しましては、私はこれは追徴いたしますならば、少くとも数十億、否、数百億に上ります徴収もできるのではないかという、新らしい財源の意味からいたしましても研究する必要があると存じておるのでございます。尚生活援護用に主として拂下げたものにつきましての調査が徹底いたしておりません。例えば被服を三万着拂下げたと申します。而も被服の数量というものを合計いたしますと五万着あつたといたしますと、その差の二万着はどういうふうになつたかというような点の調査が不完全でございます。これは只今檢察廰方面が各地でそういう統計的なものを集めまして、その面から不正の事実の突きとめをいたしておる模樣でございますが、これらにつきましては、尚十分調査する必要があると存じます。  最後に、國有財産に編入せられました土地、建物、即ち元の軍需工場というようなものの拂下げというものが今後大きな問題として浮び上つて來ると思うのであります。或いはすでに、これが特例というふうなものが考えられてありますやうなふうで、元の工場の所有主に、元やつておつたような仕事をするならば、原所有主にその当時の價格でいたしますのか。その辺、本員が記憶いたしておりませんが、元の所有主にこれを返還をするというような特例が考えられてありますようなふうであります。本員が新聞で承知いたしたのでございますが、そういうような國有財産と相成つております土地、建物、工場等の拂下げというような事柄が、これが大藏省もなるべく拂いさげるような方針でおるようでございますから、かたがたこれを繞りまして、相当な問題が発生いたすのではないかと存じますので、この点は廣島軍政部におきましても、將來その土地、建物の拂い下げについては、國会の方面において、十分これが適正な、ただ軍に價格の上のみでない。その用途などにつきまして、適正な拂い下げが行われるように、一段の御盡力ありたいというようなサジエツシヨンもありましたような次第でございましたので、これは殊に関係の決算委員会といたしましても、十分注意をする必要があるのではないかと、かように考える次第でございます。  以上、甚だ大要でございますが、一應中國視察班の視察の概要と所見の一端を御報告申上げる次第でございます。
  12. 千田正

    ○委員長(千田正君) この休会中に、各位がおのおの決算委員会のみならず、各委員会のお仕事も相当おありのところ短時日の中を懸命に御調査願いました点につきまして、厚く感謝を申上げます。  御報告につきましては、書類を取纒めまして、決算委員会に正式に報告いたしまして、当初の我々としての任務の引継ぎをしたいと思います。  只今も山下委員の御報告にもありました通り、第三國会の決算委員会に、これを小委員としての今までの調査の結果におけるところの意見を附してこれを提出すべきかどうかという点につきまして、皆さんの御協議を得たいと思います。
  13. 小川友三

    小川友三君 只今山下先生の詳細なるところの調査報告に対しまして、深甚なる敬意を表すると同時に、山下先生の案の中で、放出された物資で顯著なる利益を上げたいわゆる百倍、数百倍の利益を上げた生産業者、或いはそヶした者があるのは終戰後のこれは顯著なる事実でありまして、誠に当を得た御報告でございまして、この顯著なる利益を得たいわゆる不当に近いところの利益を得た者に対しまして、これが利益に対して、追徴をして、新財源を求めるということは誠に名案であると同に賢明な策であつて、唯一の方法であると、敬意を表すると同時に、この委員会におきまして、これをぜひ纒めたいと思つております。不当なる物資のこのいわゆる特殊物件の放出によつて利益を得た、いわゆる戰後の成金という者は、非常にインフレに大きな働きをしておるのでありまして、本委員会におきましては、山下先生のこの案に最も力を入れまして、そうして全國的に利益追徴に対する課税の方法をとつて行きたいと、かように本員は深く信じまして、この先生のさつきのいわゆる数十万の利益を得た者に対して徴税して行く。或いは追徴して行くという案に、満腔の賛成をする者であります。これに対しまして、委員長から採決を願うなり、決議をして頂くようなことをぜひお願いしたいと思つております。
  14. 千田正

    ○委員長(千田正君) 只今の山下委員、或いは小川委員の出された御意見と同じような意見が同時にこの関東班の方からも出ておりますので、これをこの小委員会の調査報告に、更に意見を附して、決算委員会に報告すると同時に、第三國会において、これを有効に運営させる方法を取りたいという意味の意見を附して提出したいと思います。皆さんの御賛成があれば、そうしたいと思いますが。
  15. 小川友三

    小川友三君 意見としないで、採決したらどうです。
  16. 北村一男

    北村一男君 勧告ですね。政府に対する……
  17. 小川友三

    小川友三君 勧告程度でいいですか。
  18. 千田正

    ○委員長(千田正君) 意見を附することにしたら如何ですか。
  19. 北村一男

    北村一男君 意見としてですね。
  20. 小川友三

    小川友三君 如何ですか。決を採つて置いたら……私は決を採りたいと思います。
  21. 千田正

    ○委員長(千田正君) 如何ですか。
  22. 山下義信

    ○山下義信君 小川君の御賛同を得まして、本員は誠に感謝をいたしますが、御意見尤もでありまして、別に異議があるわけでないのでありますが、決議して頂くということになりますと、もつとこの案の具体案を作りませんとどうかと存じますので一應委員長のお手許で、勧告案の程度で報告書を御提出になる程度で御処置願つて、もつと具体案ができました時に、改めて議案として委員会にかけて頂いたらと、こういうことに願つたら如何ですか。
  23. 小川友三

    小川友三君 そうしましよう。
  24. 北村一男

    北村一男君 異議なし。
  25. 千田正

    ○委員長(千田正君) 只今の通り計らいます。時間も大分過ぎましたので、一應これで閉じて……
  26. 山下義信

    ○山下義信君 只今提出いたしました私共の視察團の報告書でございますが、でき得れば、先例にもちよいちよいありますようなふうで、折角視察して、心血を注いで作つた報告書でありますので、印刷に付しまして、全議員に御配布願えるように御努力願いたいと思います。
  27. 小川友三

    小川友三君 賛成。
  28. 千田正

    ○委員長(千田正君) さようお取計らいいたします。  如何でございますか。東京都の視察という問題が残つておりますが、この点につきましては、建設省課長も見えておられますので、十分に懇談しまして、第三國会の開かれるのも間もありませんので、いろいろな都合もあると思いますが、委員の御都合もあると思いますので、懇談に入つて頂きまして、そうして実行するなら実行するということにいたしまして如何ですか。
  29. 山下義信

    ○山下義信君 賛成。
  30. 千田正

    ○委員長(千田正君) それでは、只今までの御調査に関する御報告につきましては、各委員、只今お聞きの通りでありまして、これを十分に取纒めまして、決算委員会に報告することにいたしまして、本日の委員会は閉じます。    午前十一時四十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     千田  正君    委員            北村 一男君            伊達源一郎君            山下 義信君            小川 友三君