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1948-04-02 第2回国会 参議院 財政及び金融委員会 17号 公式Web版

  1. 昭和二十三年四月二日(金曜日)    午後六時三十九分開會   ―――――――――――――   本日の會議に付した事件 ○證券取引法を改正する法律案内閣  送付)   ―――――――――――――
  2. 黒田英雄

    ○委員長(黒田英雄君) それではこれより委員會を開會いたします。本日は先ず證券取引法を改正する法律案を議題といたしまして御審議を願いたいと思いますが、前回政府委員に封ずる御質疑は終了ということに御決議を願つたのですが、大臣に對する質問を御希望の方があればお願いするということになつておつたのであります。從いまして今日大臣がお見えになりましたから、大臣に封ずる御質問がありますれば願いたいと思います。
  3. 松嶋喜作

    ○松嶋喜作君 今回證券取引法が改正されまして、新らたなる法律案が出ました。この内容は我が國にとつては畫期的のことであります。現下の情勢を以てすればいろいろな方面から巨額の證券が民衆化せられるというときに當つて、この法律成立しますことは誠に機宜に適した處置で、一日も早くこれを通して實現に移して頂きたい、誠に結構な立案でありまするが、併し機構だけではうまく行きませんので、我我はこの運営が完全に行くことを望む者であります。どの點が運営について非常に重大な意義を持つかということは、この持株整理委員會、閉鎖機關、或いは日本銀行等において處分するところの株式は二百数十億に達すると思います。更に企業再建整備法、過度の經濟力集中排除法等によつて更に三百億乃至五百億の證券を民衆化せなければならん、結局五百億乃至七百億の證券を急速に民衆化せなければならんということであります。そこで現實にこの經済界を見ますと、持株整理委員會から巨額の株式を入札に付する、これは現實の問題でありまするが、この入札に際しましては、個々の民衆が行つてこれを落札するのではありませんので、先ず相當な有力な證券業者が行つてこれを入札する。そうして落して民衆の希望があるところに配分する、こういうことであります。従いましてその入札するについては、先ず金を支拂つて物を受取つて、そうしてそれを希望の向きに渡す、こういうことであります。「りんご」や「みかん」を商人が賣入れて、そうして市場に捌くのと少しも変りはありません。そこで證券業者はこの額の株式を入札して、そうして引受けてこれを市場に賣渡す、その實際問題としては、相當な資金が要ります。この資金については、有力な株を擔保にして融通を受ける、こういうことになります。これはアメリカのレギユラー・ウエイという理想の方法を實現せんとするにつきましても、アメリカにおきましても株でそういうことをやるというようなことが認められておるわけであります。この證券民主化について一番大事なことは、證券金融ということを圓滑にやつて頂きたい、こう思うのでおります。然るに今の状態は必ずしもそうではありません。非常に窓屈なやり方であります。もとよりこれについては當局の、投機に流れ易いからその弊を除去するというような御心配もあるようでありまするけれども、實情に即してはいません。少し極端に流れておると思います。そこで物を持つて行つて金を借りる、立派な株式を持つて行つて金を借りるということは、投機を助長するものでも何でもありません。この點について大蔵大臣はさような行過ぎをさせないように、又積極的には投機にあらざる眞面目な金融について行過ぎのことのないようにして頂きたいと思うのでありますが、この點について一つ大蔵大臣の御意見を伺いたいと思うのであります。
  4. 北村徳太郎

    ○國務大臣北村徳太郎君) 只今の御質問は極めて御尤もな點であると思います。仰せの睡り日本取引所関係において全く画期的な、従来とは全然違つた案、アメリカ流のものが誕生しようとしておるのでありますが、この際にかような機關が一日も早く生れなければならん點も、お説の通りであります。特に最近少くとも百億乃至二百億というものが急速に消化されなければならない、又只今お話のような更に巨額のものが取引所で消化されなければならん、そういう必然の状態に置かれておる際でもございますので、これがどうして理想通り大衆に消化され、大衆の蓄積が證券投資に理想的に向つて行くかというようなことを考えて参りますると、お説のごとく實際の運用に當りましては、證券金融の問題極めて重大であるということは、全く同感でございます。これにつきましては、苟くもこういうものが生れまして、又生れなければなちん必然を以て生れまして、而もその要求されるところは、もう早速に巨額の證券消化をしなければならんという實情でございますから、これに對しまして及ぶ限り金融の面においてもその適正圓滑を期するということは、私共の心得としてしなければならん、かように考えておる次第であります。精々御希望に副うように十分努力いたしたい、かように考えておる次第であります。
  5. 松嶋喜作

    ○松嶋喜作君 もう一つ大した問題ではありませんが、今證券界が活況をやや呈しておるように見えまするけれども、これは本當に有償證券を尊重するという意味で投資しているかどうかは、甚だ疑わしい點もあります。そこで本當の有償證券投資を民主化して、そうして産業を興し、又或る意味において、預金に投資する、預金をするという意味の資金をも堅實なる事業に投資するという意味において資金を吸収する、又大きく考えて海外投資の外資導入について、この證券を外資導入の對象にする、こういう意味におきまして、今の現状は甚だ税金の點において不當である、分類税を取られ、綜合税を取られ、株を持ちましても、假りに配當がありとしても、その餘すところは微々たるものである、これでは證券の民主化は望みがたい、又大きく考えまして、外賓導入の對象にもならん、この意味におきまして、大藏大臣は有償證券についての税の輕減を考慮されておるかどうかという點をお伺いいたしたいと思います。
  6. 北村徳太郎

    ○國務大臣北村徳太郎君) お説のごとく、これはどうも民間資金導入の對象として株が持つ意義が非常に重大であると考えるのであります。從いましてこの株の適當な市場においての償値を維持するというような點が、結局利潤がありましても、これが再生産活動にうまく同轉して行くような方向へ向けて行かなければならん、只今の状況では、どうも法人税等が少し行過ぎであつて、それがために折角利潤を上げまして、償却竝びに企業再生産活動に向けようとしても、うまく行かないという點があることは、私共認めておるのでございまして、この點につきましては、企業の堅實なる発達において、大衆が株式を所有いたしましても、危険が段々少くなるような方向へ向けると共に、そのことのために法人税等の改正をいたしたい、かように考えておる次第であります。
  7. 黒田英雄

    ○委員長(黒田英雄君) 他に大臣に對する御質問はありませんね。
  8. 松嶋喜作

    ○松嶋喜作君 次に事務的の質問をもう一つ……。
  9. 黒田英雄

    ○委員長(黒田英雄君) よろしうございます。
  10. 松嶋喜作

    ○松嶋喜作君 この法案によりますと、信託會社は有償證券の賣買の代理業務が営めないことになり、業務の範囲が非常に狭められると思います。今後新らたに金融業法等ができると聞いておりますが、その後において信託曾社が銀行業務を兼営することを希望するような場合においては、それが認められるかどうかということを一つ伺つて置きたいと思います。
  11. 愛知揆一

    政府委員(愛知揆一君) 只今の問題につきましては、實は私共率直に考えまして、現在の日本の情勢から申せば、銀行信託等について、從来と同様の業務を當分の間続けて行なつて貰うことが適切だと考えますわけでありますが、一方證券取引法が新らしく時代に即應して、諸外國の、先進國等に倣いまして別途の境地において銀行信託等を離れて、獨自の境地を拓いて行こうというわけでございますので、銀行信託曾社の方におきましても、いろいろの不便或いは不都合等もあろうかと思うのでありますが、それらの點は、その大きな進み方に對して忍んで行かなければならないのではなかろうかと考えておるわけであります。それから将來の問題といたしまして、實は御承知のように新らしい情勢に慮じまして、金融機關につきましても、金融業法というようなものを立案をいたす必要があろと考えまして、只今いろいろ研究中でございます。すでに關係方面等とも相當に接觸を保つておるわけでございますが、そういうような關係から、現在私といたしまして、はつきりとした政府當局或いは事務當局の意見を申上げるのは早計かと思うのでありますが、今日のところ、私といたしましては、金融業法等におきまして、信託業者が銀行業務の兼営をやりたいという希望がありまするときは、これをむしろ認めて行くのが適當ではなかろうかと考えております。現准事務當局の研究案でも、さようなことに考えておるわけであります。若しさような方法が各方面に是認されるということになりますれば、信託會社も、本法案における銀行と同じ立場に立つて、六十五條第一項但書の規定がそのまま適用されることになる、こういうふうに考えておるわけでございます。
  12. 松嶋喜作

    ○松嶋喜作君 揚げ足を取るようですが、私と仰しやるのは、銀行局長と解してよろしいでしようか。
  13. 愛知揆一

    政府委員(愛知揆一君) 銀行局長は今日のところさように考えております。
  14. 黒田英雄

    ○委員長(黒田英雄君) 他に御質問はございませんか。御質問がなければ、證券取引法を改正する法律案につきましては、質疑終了といたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 黒田英雄

    ○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  16. 黒田英雄

    ○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散會いたします。    午後六時五十六分散會  出席者は左の通り。    委員長     黒田 英雄君    理事            森下 政一君            伊藤 保平君    委員            木村禧八郎君            下條 恭兵君            玉屋 喜章君            松嶋 喜作君            山田 佐一君            木内 四郎君            星   一君            石川 準吉君            小林米三郎君            小宮山常吉君            西郷吉之助君            高橋龍太郎君   國務大臣    大 藏 大 臣 北村徳太郎君   政府委員    大藏事務官    (銀行局長)  愛知 揆一君