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1948-06-29 第2回国会 参議院 文化委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和二十三年六月二十九日(火曜日)    午後一時四十五分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○栄典法案(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) それでは只今から委員会を開きます。  本日は栄典法案を議題にしたいと思います。これは前回のときに佐藤法制長官から御説明があつたのでありますが、更に鈴木法務総裁から御説明をしたいという御要求がございましたので、本日は御出席を願いましたわけでございます。それではどうか……
  3. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 栄典法のことは内閣総理大臣の所管でありまするので、総理大臣から御説明申上げるのが順序であります。総理大臣甚だ御多忙でありまするから、私閣内においてこの立案のために五人の委員が選ばれまして、苫米地官房長官、竹田國務大臣、船田國務大臣、森戸國務大臣、私の五人が選ばれて、私がその委員長を仰せ付かりました関係上、栄典法案につきましては私から主として御説明を申上げる、こういうことに相成つておりますので御了承願いたいと思います。御質問に應じてお答えをいたしたいと存じまするが、勳章をどういうふうに定めるかということにつきましては非常に議論が分れたのであります。今までの勳章をどういうふうに扱うかということも可なり議論の紛糾をした点でありまするが、何分にも只今までの勳章というものは何百万と差上げてありまするけれども、大部分が軍功によつて、戰爭の功績で差上げてあるのでありまして、純然たる平和的な理由で差上げてある勳章というものは、官吏などが貰つておりますように極く僅かで、純然たる民間人が貰つておりまするものは更に寥々たるものでありまして、その区別を付けて取換えるとか、引換えをしたらよかろうというようないろいろな議論もございましたけれども、この際一應一つ清算をして、過去のものは一應無効にして、但し折角差上げたものであるから、儀議等の際に佩用することは差支ない、ただ法律上は一應無効のものとして整理をしよう、今後必要があつたならば、その階級、勳功に應じた新らしい勳章を差上げたらよかろう。こういうふうなことに相成つたわけであります。そうして勳章の種類につきましても、或いは三種三階級、五種五階級、いろいろな説が出たのであります。政治に対する功労、産業に対する功労、労働に対する功労、文藝、宗教社会事業に対する功労というようなものをそれぞれ分けて、そうしてそれぞれの勳章を上げるというのも一つのやり方ではないか、そうなりますと、今度は勳章の種類を何十種類も作らなければ、それぞれの功績に分類することが不可能になりまするので、その点もいろいろ議論の末、結局一つの種類の勳章で五階級に分けて置いて、その範囲内でいろいろ功績を分けて行くというのが、実際この局に当る者から見ると一番やり易いのである。こういうようなことになりまして、一種類五階級ということにいたしたわけであります。  階級の分け方もいろいろ議論があつたのでありまするが、多きに過ぎると非常に階級制度が強く見えて參りまするし、少きに過ぎれば非常に高い功績の人と低い功績の人との表彰の区別ができなくなつてしまうというような観点から、先ず五階級ぐらいが適当であろう、こういうことになつたわけであります。ところでこの勳章に階級がありますると、階級があつては誠に困るという種類の功績があるのであります。文藝、美術、学問等に対する功績について、これを表彰するのにあの人は三等で、あの人は二等だというような区別を付けて差上げまするならば、恐らく貰う人は潔よしとしないというようなこともあり、又客観的にそういうふうな價値の区別を付け得ないものである。横山大観に文化勳章を上げる。横山大観は勳一等であるが、竹内栖鳳は勳二等である。すでにその人の絵が何か階級ができてしまうような感じを與えまするので、少くも文化に関するものは無階級の表彰をするということが望ましいのではないか。そういうふうな意味で、文化に関する表彰は無階級の勳章を一つ、今までもうそでありましたが、作るということに相成つたわけであります。  勳章の制度が非常に簡素化されました結果、ここに勳章を差上げるまでではないが、社会事業に功績がある、労働運動に功労があつた、産業の改良発達に功労があつた、農事の改良に功労があつた、いろいろな功労に対して、やはりその市町村において、府縣において、又國家的に表彰を値いするような人を表彰する方法が、今一つ下のところに、そして廣く大衆的にやれるようなものが欲しいということに相成りまして、功労章という制度を設けたわけであります。必ずしも勳章より低いというわけには行かない。又そういう定まりはないのであります。勳章を貰いました人と同じだけの功労があつても、功労章を差上げる場合がありますから、併し大体補充的な意味でこういう表彰があれば、運用の上から言つてうまく行くのではないか、そういうふうにして功労章というものを設けた次第であります。その他善行章は書いてあります通りでありますから説明する必要はないと思います。尚表彰に伴つて賞金のようなものを差上げるということが望ましいのではないか。花より團子ということがありまして、勳章も貰いたいけれども、何か汽車にでも只乘れるパスであるとか、年金というものまで上げることは、或いは憲法に特権を伴わずに書いてありますることに抵触しはせんかという疑もありまするので、疑問でありまするが、或る一回限りの賞金を附與するというようなことは差支なかろう。いろいろそういう附隨的表彰というものも考慮いたしておるわけであります。尚死亡した者に今まで表彰をしておつたのでありまするが、これからは一つ原則として生前に表彰をする。亡くなつてから急いで上げるというようなことは成るたけしないという方針でありまするが、併し数多くの中にはどうしても思い残しがあるというようなことがあり得まするから、そういう場合には止むを得ず生前の日附に遡つて差上げる。こういうことにいたすことにいたしたいと思います。それから外國の勳章を総理大臣の認可を得て佩用することは只今までの通りであります。又返納を望む者は返納をしても差支ない。又刑に処せられ、その他一定の條件に触れました場合には、これを没收する、或いは無効とするというような規定も設けて置くことは必要であろうというようなことで、規定をいたしたわけであります。その他細かいことは御質問に應じて申上げることにいたします。  極めて民主的にやつたつもりでありまして、勳章そのものは民主的な決め方であると共に、これを與える方法は施行令の御で規定いたしたのでありまして、これは確定案ではありませんから、參考までに御覽願つて置くのであります。今までは議定官というものがありまして、天皇陛下の思召で下さるということになつたおつたのでありますから、民間の意思というようなものを端的に表現することはできなかつたのでありますが、今後は一つ原則として、市町村長、各府縣知事、各種の團体の長、いろいろなものに皆推薦権を持たせたらよかろうという説もありましたけれども、これは切りがありませんから、そこで地域團体の長に持たせて置いて、職域團体の長は地域團体の長までお申出願う、それから主管大臣が推薦権を持つておりますから、主管大臣にもあの人は表彰せらるべきであるというふうにお申出があれば、当然審査委員会に付して、そうして差支ない適格者であるということに相成りますれば差上げる、こういうふうにいたそうということであります。與えます方法も極めて民主的な立案を持つておるつもりであります。尚勲章の図案等は、ここに極くあつさりしたものを見本までに準備いたしましたけれども、決してこれは確定案ではないのでありまして、今後法案でも通過いたしましたならば、美術界の権威者に委嘱いたしまして立派なものを作りたい。かように考えておる次第でおりまして、ただ費用その他も睨み合せなければなりませんので、國家の現状から、余り贅沢なものを作るということをちよつとできないの思います。それらの点につきまし前は十分に研究の上、御期待に副うようにいたしたいというように考えておる次第であります。その他は御質問に応じてお答え申上げます。
  4. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 過日來、この法案を拜見いたしますと、日本の現状で勲章を作つて、とやこうするということは似合わしからざることではないかという意見が、相当高い理想を持つた者の間に起りまして、もう少し國が進展して勲章を持つ國らしい頃にまで、この問題は延期する方がいいのではないか、功労章であるとか、文化勲章とかいうものは、当分の間國会の方で何か表彰規程のようなものを考えていわゆる栄典法でやることにして置いたらよかろうという意見がありました。
  5. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) ちよつと來馬さん、御意見ですか、御質問ですか。
  6. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 伺うのです。その意見に対して、第一番に相当の功労者がおつても、その日を待つ中に死ぬかも知れない。だから、たとえ現在の状況であつても、できるだけのことをして、そういう功労者に対して、或いは勲功者に対して表彰をすることがよろしくはないかというような考えを持つておりまして、又法文の案を拜見すると、古い勲章を廃するということについて宣言がまだ今までなかつたのでありますが、この栄典法案によつて初めて明らかにせられるものと思うのであります。そういう二つの理由を持つて、まあ暫定的でも本案を通過した方がいいか知らんと考えもしたり、二、三語り合つていたことでありますが、まだその他において政府においてこの栄典を速かに定めるということの必要があるのでありましようか。私共は國会議員として、現在の政局に処して、そういう問題に賛成するということについては何か余計な行動をしているというような非難を受けるのではないかというような虞れもあります。その辺の信念を固くして置きませんと、何人も非難されても甚だ答弁に困ることがあつてはならんと思う。尚序でに伺つて置きますが、善行章の方には綬の色が違つております。即ち從來たつたものは紺綬褒章、緑綬褒章、紅綬褒章というようなもので種類があつたようでありますが、今後もそういうことになるのでありますか。或いはすべて一色になるものでありますか。よくそこのところがはつきり分らんようですから伺つて置きたいと思います。それから尚多大の金額を共事業に寄附した者に対して與えるという制度は、今円價の低下した時におきまして、どのような標準で行われるものか、若し御都合悪かつたらば速記を止めて貰つてもよろしいが、そこまでお話を伺つて置きたいと思います。質問を終ります。
  7. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 御尤もの御質問であります。先ず栄典のことを会議するに適当であるかということにつきましては、政府としても同一の心配をいたしまして、関係方面と緊密に且つデリケートに交渉をいたしたのであります。それでは憲法附属の法典、憲法で予定しておます法典は殆んど全部を完成をいたしたのであります。ただ一つ残つたのが栄典法だけなんであります。憲法には御承知のように栄典を規定してあります。而も天皇が栄典を授與するということになつておるのでありまするから、そこでこれを、憲法がすでにこういうふうにできた以上は、たとえ日本の國の現状でありましても、この際これさえ完成すれば、全部憲法の予定した制度というものが完備するわけであります。やりたいと思うがどうであろうかということを相談しましたところが、それは御尤もである別に遠慮するには及ばない、ただ内容が民主的であり、與え方が民主的であればよいのであつて、封建制度の復活は面白くないが、それでなければ関係方面としても賛成することであるということでありましたから、これらの案を御覽に入れますと、種々協議いたしました結果、こういうことならよかろうということで御承認を得て提出いたしたようなわけでありますから、又関係方面では、講和会議でも終つた後にということをよく我々が申すのでありますが、それはいつのことか分らん、事実上の講和のできた日本をして或る方面を扱つておるのでありますから、形式的な講和会議というものをそう重要視しなくてもよろしいということすら申しておるのであります。その点も御了承を得たいと思うのであります。そこでこの善行章の綬を異にいたしまするのは、今までの紺綬褒章、藍綬褒章、ああいう褒章を引継いだような気持でありまするから、そこで親孝行をした者には緑綬褒章をやる、金を沢山公共團体のために出した者は紺綬褒章というような建前で、これの施行令の方に書いてありますが、一種の内規を以て、それぞれの善行に應じた違つた綬を用いたところの善行章を贈ると、こういう考え方であります。そう嚴格に区別するというわけじやありません、それから幾らくらい出したものは、どの善行章をやるかという問題も非常にデリケートなむづかしい問題であります。これも法律ができました後に、委員会等において審議をいたしまして内規を決めるべきであると思います。殊に今日のごとく貨幣價値の動きまする時代には、永久の標準を決めることはむずかしいと存じまするが、例えば百万円以上、只今までは一万円出しますると紺綬褒章を上げたのであります。余り沢山ありまするので、もう手持ちの紺綬褒章がある間だけ差上げるということになつておりますので、ほぼ出し盡したのであります。これからは一つ新らしい標準で十万円にするか、五十万円にするか、百万円にするかということは新らしい審査委員会でお決め願いたいと、こう考えております。國会が表彰の主体におなり下さるということも非常にいいことであまして、私もそれもできるなら、そういう制度も採用したいと考えているのでありますが、少くとも憲法の建前は、天皇が栄典授與をするということになつております。主なるものは天皇が與える。小さいものになりましたらば総理大臣、府縣知事等が傳達をする、こういうことに相成るだろうと思いますが、建前は栄典の源泉が天皇でありまする以上、國会にお委せするということがちよつと工合が悪いというので、そういう建前を採らないのでありまして、併し國会に有力な発言をお持ち願うという意味において、參議院、衆議院から代表的な意味で、この審査委員会には加わつて頂きたい。こういうふうに考えております。
  8. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 速記が二十分間でなくなりますので、重要なものが残らないような質問に成るべくして頂きたいと思います。あと御質問は幾らあつてもよろしうございますが……
  9. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 法務総裁が只今の御答弁の中で、私の申したことについて言及されましたが、一言申して置きます。過日の委員会において國会が表彰するということを申したことは、先頃幸田露伴翁が亡くなりまして、文化委員長たる山本勇造君が、議場において國会に関係のない故人に対して追憶の辞を述べられた、ああいう方法によつて表彰するということを意味したものでありまして、勲章を贈るというようなことについては考えはないということを御承知を願いたいと思います。
  10. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 外に御質問はございませんか。
  11. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 今一つ來馬委員の仰せられた中に大切なことがありまして、私お答えを漏らしましたが、この制度は急いで作らなければならんという程ではないのでありますが、あれば非常に工合がいいものは、先程からお話に出て來るように、幸田露半翁が亡くなつたり、中村梅玉が亡くなつた。亡くなつた時ばかりやるというのはこの精神ではないのでありますから、亡くならない中に、これはもう戰爭とは無関係に眞に文化的方面に貢献をした人なんであります。こういう人は戰爭中と戰後とを通じて日本にも相当おるのであります。そういう人の栄典制度がないために、ここで通過しなければ、ここで一年か、二年先に延びると思いまするが、閣議などで始終問題になるのでありまするが、あの人は表彰してもいい人だが制度がない。古い制度は停止になつておるわけであります。新らしい制度がないので表彰のしようがない。残念だなということをよく申すことがあるのであります。学者、文藝家、藝術家、美術家その他いろいろな範疇に属する人がそういう人があり得るのであります。これはたとえ僅かの間でもギヤツプなく、この制度ができたからというので、決して大規模に濫賞するというような場合は考えられないことであります。極めて惜しんでいたすのでありまして、これからそういうのができるということは、非常にいいことである、こう思われまするので、その点も一つできるならば是非御審議を煩わして、この國会を通過させて頂きたいと考えておる一つの理由であります。
  12. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) どなたか御質問は……
  13. 團伊能

    ○團伊能君 これにつきましてちよつとお伺いいたしたいことは、相当の数、これをお出しになるといたしまして、これに対する調査を、賞勲局その他の機構の中に使用される者及び勲章それ自身の費用で、大体どれくらいの予算をお見積りでございますか。
  14. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 実は正式には明年度の予算に組込むつもりでありまして、只今のところ準備的に、來年の一月一日から施行する仮定いたしまして、準備費として五百万円だけ大藏大臣に求めまして、予備費から出して頂くことに相成つておるのであります。
  15. 久松定武

    ○久松定武君 お伺いいたしますが、この栄典法によりまして、勲章が授與されるということになりますと、これは日本の國民に対しての表彰の一つと存じまするけれども、平和会議ができるまでにおける、例えば外國人に対する勲章の授與というような場合にも適用される意思があるのでありますか。その点をお尋ねしたいと思います。
  16. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 勿論外國人に対して贈ります勲章も、この勲章の中に含んで御了承願います。特に外國人向けの勲章を作るということは、却つて貰う人から見てどうかと思いまするが、但し外國の元首に贈呈するというような場合には、この勲章章は不十分であろうと考えられまするので、日本の天皇に國民から贈る勲章と共に、その勲章だけは、他日適当な壮麗なものを立案する、こういうことに閣議で別な了解事項を取つてあるのであります。そういうことは、今ちよつと外國の元首に贈るというような立場におりませんし、又外國人でも、今我々の方から差上げる、占領されておる國が占領しておる國の官吏又は將校に勲章を差上げるのはどうかと思いますので、これらの点は、完全に独立國となつて対等の交際をする時までは、実際問題としては起つて來ないだろう、ただその勲章が、多國人に対して贈呈するものの一つとして予定されておる、かように御承知を願います。
  17. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 栄典法案に記してある各種の勲章に関する法令等を廃せられることになりますが、著しい例は、昭和十五年に授與せられました紀元二千六百年の祝典の記念章というものを所有しておるものも、これを着用することができないことになるのだと思います。その外の勲章又は記念章は、例えば大礼記念章のようなものは、そのまま着用できるか、すでに消滅した國の勲章のようなものを着用することはできないのであるか、例えば韓國に関する勲章とか、記念章とかいうものはどうなりますか、その取り扱い方をお伺いいたします。
  18. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) いろいろな記念章というものも問題になつたのでありますが、遺憾ながら、審議の結果、とにかくこの際一種の革命であるからして、過去のものは一切一掃しようということに相成りまして、廃止することにいたしましたので、保存せられますることは差支ありませんが、取上げるわけじやありません。ただ法律上は佩を許さない、こういうふうに御承知を願います。それから外國の勲章も、すでに廃國になつた國というようなものは、当然許可の範囲から除かれております。法文にもそのことを明示しておりまするが、再に存在する外國として、対等の交際をしておる外國、こういう意味でありまして、そういう勲章は(來馬琢道君「朝鮮、韓國との関係はどうなりますか」と述ぶ)、現在韓國のあれは、その國の栄典として日本で認めておらないのであります。それだから問題がないと申してよろしいと思います。朝鮮は今後の問題として、栄典ができまして、或いは下さるということになれば、総理大臣の許可を受けて着用するということにすると思います。
  19. 金子洋文

    ○金子洋文君 勲章に対する從來の我々の考え方は、大体重んじてなかつた。むしろ僕らは、偉い軍人や大臣が死んで行くときに、寫眞が出るのを見て、重い荷物を持つて死んで行くのかという印象を、特に偉い人程印象付けられておりまするが、第一條の第二項で勲章を五級に分けておりますが、どうも從來の勲章の観念からすると、総理大臣と大臣という人に一級の勲章が行くような感じがするのでありますが、そういうことはそれを定める人によつて決まつて來ると思いますが、やはり結局官僚的に流れる虞れがあるのではないかという杞憂を懷くのでありますが、その点を一つ……
  20. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) そうであつては誠に困るのでありまして、私達の立案の趣旨が死んでしまうのであります。そこでそういう細かいことまで立案してお示しできますれば御納得が行けると思いますが、そこまで我々が決めて、実際の審査その他に当る人に押付けるのもどうか、これは審査委員会ができたならば、自然に発生的に段々基準というものを作つて行つて頂いて、その基準の集積がやがて不文律となつて、段々どういう人にはどういう階級勲章を上げるようになるということを一つ決めて行きたい。少くともこの五階級に分れた勲章の一番上のものは、各界の最高級の人が貰うことになります。実業界でも、労働界でも、農業界でも、水産界でも、從つて若し政治界においての第一級の人が総理大臣であるとするならば、やはり総理大臣のところへは、この中の一番上の級のものが行くようになるだろうと思いますが、決して今までのように、総理大臣だけが貰う、そういう連中だけが貰うということもないようにするのが新らしい制度の狙いでありまして、あらゆる社会の職域のチヤンピオンに差上げる。その基準を一つ將來段々作つて行こう、こういう趣旨であります。
  21. 團伊能

    ○團伊能君 只今金子議員から御発言があつたところが、この勲章問題に関する一つの重要な点であり、又知らして頂きたいことであつて、又でき得べくんば、これをやはり成文化して頂いたらば、この問題は非常に社会としても納得が行くかと思います。先程からの御説明で非常に民主的な形におきまして、地方長官その他の推薦することによつて善行章、或いは功労章のごときが授けられることは分りますが、この平和勲章におきましては等級もございますことを考えますると、主として中央関係が多いかと存じますが、これはこの法文の中になくて、この法文から見ますと、これらの授與は直接陛下の賜わる栄典というふうな工合になりまして、実際上は一種の機関を通して、これを陛下に推薦すると申しますかして、陛下から出ることでございましようが、それはいずれかと言えば、法文の蔭に隠れているように考えますが、ここに法務総裁におかれまして、何かはつきりと、只今の金子君の言われた推薦する委員会という言葉も聽きましたが、この委員会なるものが如何なるものかは、この編成は如何なる方が指名されるのか、又この委員会なるものが、國民意思を代表する國会が何かの関係を持つ得るのかどうか、その辺の点におきまして、まだ決まつておりませんでしようが、定めし、御構想もあることと存じますが、承われたら承わりたいと思います。
  22. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 実は私共が、これを現実に一つやつて行くという任務を負わされることになりますれば、直ちに案を作りましてお示しすることができるのでありまするが、そこまで行けるかどうかについて疑問がありまするために、極く抽象的な基本だけを御提案いたしておるわけであります。その委員会の制度のごときも、できるだけ御主的にいたしまするために、或いは選挙のようなことをやつたらどうかというような説もありましたが、選挙ということも、必ずしも公平に各界の代表を選ぶというゆえんでもないものでもありまするから、内閣総理大臣が責任を持つてあらゆる界の代表者を選ぶ、そうして委嘱する、任期を四年としておりまするから、段々任期の間に或いは辞任する人ができ、或いは欠けるような人もできて、段々委員が一斉に交代するのではなく、徐々に交代して行くということが実現されるようになると考えるのでありまして、それからの人々は或いは実業界の代表、或いは労働界の代表、或いは教育界の代表、学界の代表、いろいろなものを考えておりまするが、少くとも參議院、衆議院からも代表を御委嘱いたしたいと、かように考えておるのであります。そうして本当に全國民の代表の声がここに反映できるようにいたしまして、そうして府縣知事、市町村長も傳達をいたしまする前に、必要ならそれぞれ諮問機関のようなものに掛けてやられて一向差支ないと思うのでありまするが、ただ法律の上にこれを現わさなかつたのは、結局福島縣からやつて來た、群馬縣から傳達をして來た。群馬縣の方は少し甘いというようなことが若し言われるようなことがありますると、中央で別に人を派遣し、その他の法方で調査をするようなことになりまして、結局その諮問委員会なるものは、公式にこちらから認めるわけに行かないというような形に相成ると思いまするので、基準が全國一斉に同一基準で推薦をし、傳達ができれば問題はないのでありまするが、それを望むことは非常にむずかしいからして、これを公の機関にしなかつたのであります。そこで中央における審議委会というものだけの公の機関として立案をいたしておるわけでありまするが、この委員会はそれぞれその栄典局ととでも申しますか、当分賞勳局という言葉を使つておりまするが、その局の職員を利用いたしまして、それぞれ調査をさせまして、そうしてその申請が果して誤まりないかどうかということを定めた上で、審議会と材料と共に提供する、こういうふうなことにいたす予定なのであります。
  23. 三木治朗

    ○三木治朗君 從來の勳章というものに対する私共の考え方は、とかく勳章が正しく本当に人類の福祉に貢献した者に與えられておらなかつたように思うのであります。審議会ができまするが、先程のお話はただ例に過ぎないと思うのでありますが、金を五十万円寄附した者にはやるとかいうようなお話があつたので、それは何もそう決まつておるわけではないと思いますけれども、金を納めた者に勳章をやるというような考え方であれば、こういう制度というものは甚だ面白くないと思います。本当に人類の福祉に十分貢献のあつた者にこれは授けべきものであつて、從來はとかく有力な地方のボスというものですか、そういつたようなのか、主とてて財界においてもそのボスと言われれるような者が貰つた、本当にその者が人類のために役立つてはいないということを考えておるのでありますが、そういう点につきまして、審議会がやるのではありましようが、政府としては再びそういうふうなものになる憂が私は多分にあると思いますが、それに対する御確信があるかどうかお伺いしたいと思います。
  24. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 御質問御尤もであります。衆議院の委員会でも、結局そういう善行章を貰うのは闇屋ばかりじやないかというような御質問もありまして、そういうことでは誠に困るのであるから、それは審議会が設けられる以上は、果してそう寄附をした人が正しい人であるかどうか、金の性質まで追究するわけには行かないかも知れませんが、少くとも動機、目的、いろいろな点、寄附者の人格、そういうものを考慮に入れて考えるべきものである、又今までのように機械的にただ何万円出せば必ず善行章をやるこういうのもどうかと思いますけれども、又本当に浄財を数百万円寄附して数千万円寄附して、一つの大学を建てた高等学校を造つたかというような人に対して、何ら表彰の道がないということも残念であります。これはどうしてもやはり運用の上で適当に、只今仰せのように非難のないような表彰の仕方をして頂く外はない、そういうふうに努力いたすつもりであります。
  25. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) ちよつと今のに関連いたしまして、もう少し根本の問題にも触れたいのでありますけれども、今の三木さんの御質問と関連しまして、どうもこの勳章の授與と、利権のあれが非常に伴いまするので、勳章をお前にやるようにしてやるからというようなことから、さまざまな事件が起つて來はしないかと思いますが、この点が非常に心配の一つでありますが、勿論これは御存じでありましようけれども、要綱を見ますと、委員の任期は四年のように長くなつております。細かい問題は暫く別として、この四年のように長い間委員になつておるというようなことになると、この点もそれて非常に関連が來ると思いますので、これを一年とか、二年とか、そのくらいに縮めるよな御意思はございませんか。
  26. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) それも確かに理由ある御疑問でありまして、若しそういう弊害があると認められれば、公務員として特殊なものであるから、涜職罪を構成して刑罰に処せられることになるわけでありますが、もつと任期を縮めてもよろしいと考えます。併し新らしい制度では質勳問題というようなもので起る余地がないようにできておると思うのであります。今までのように文字通り天皇が與える、そうしてそういう賞勳局総裁というものが、可なりの程度において審査権を持つて選考するということがあつても、名儀上のものであるというような形でありますると、それも賞勳局総裁が勳章を呉れることができるものじやないのでございますが、中には誤解して賄賂を貰つたというような実例もあつたわけであります。そういうようなおかしなことがあつてはいけませんから、この新らしい制度にどこまでも公開主義で以て、市町村長、府縣知事、主管大臣、そうしてそれが推薦したならば、栄典管員が調査をして材料を提供して、或いは申請する人も材料を添えて寄越しましようが、そうしてこの審査委員会の審査に付する、公職適否審査委員会のようなものでありまして、嚴格な公務員でありますから、若し栄典を私するというようなことがありましたならば、嚴重な刑罰に附するということを特に定めてよかろうと思いまするが、或いは任期の点についても、お説のような考慮を払つてもよかろうと考えます。
  27. 松野喜内

    ○松野喜内君 とかく法律は消局的方面のみが多いという世の中に、これは又積極的の面であるから、趣旨には賛成する者であります。一言お尋ねをお願いいたしたいのは、凡そ賞罰は濫発の弊があつてはならん、こういつたことに対して今審議会などができて、そこで審議するでありましようけれども、その中には限度がある。濫発なからしめる上についての御意図をどう考えておりましようか、伺いたいと思います。
  28. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) その点も考慮いたしておりまするが、一つは國家財政から來る制約がありまして、そう濫賞したくてもできない。相等勲章には費用が掛りまするので、十分愼重に嚴選をして、本來から言えば、もつと上げたいのであるが、まあこの程度で我慢をして置くということで自然制約されると考えるのであります。功労章のごときは、暫く表彰をいたしませんから、社会事業の功労者、教育の功労者、いろいろなものを考えますると、全國数万というようなものが候補者になるだろうと思います。それはとても一度に上げることはできないと思うのでありまして、さなきだに今國家は財政難に苦しんでおることでありまするから、実は勲章を上げることができないから、賞状だけで我慢したらどうか、是非勲章の欲しい人には実費で買つて貰つたらどうかというような話まで出たような次第でありまするが、実は造幣局に特殊熱練工がありまして、勲章を今まで作つておつたのでありまするが、久しく作らないので、段々退歩して種が切れてしまう。この法案でも通りますと、又暫く継続してやつて行けるようになりまするので、そういう点でも望ましいと思うのでありまするが、とにかる或る限度を決めて、功労章も今年は例えば一万人だけ上げる。全國を通じてその一万人を嚴選する、十万人の申入れがあつた中から一万人を選ぶということであれば、自然嚴選になると思うのでありまして、とにかく濫賞の幣に陷らないように努力するという気持を持つております。
  29. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 皆さんも御質問があると思いますが、私ちよつと疑問がありますので伺いたいのでありますが、第二條によりますと、勲章が五種に分れることになりますが、第一條と第二條とを見ますと、第一條の勲章の方は、國家公共に対し著しい功労のある者にやる、こういうことになつております。第二條の方の功労章の方を見ますと、國家公共に対し、功労のある者、こういうふうになつておりまして、そこの違いはただ著しいという形容詞があるかないかという違いだと思いますが、勲章の方は著しい功労のある者にやる、功労章の方は、ただ著しい方が拔けた人にやるということになる。ここで一つの段階と申しますか、区切りがあるようでありますが、併しながらそれはどちらも國家公共に功労のあつた者に渡すのでありますが、第一條の著しい功労のある者を特に五級に分ける。ところがただ功労のある者には、これは五級に分けていないようでありますが、功労章の方は段階を分けない著しい。分けるのは、これはどういうわけでありますか。
  30. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 私は実も勲章或いは功労章というものをどういう方針で分けるか、ということになりますと、どうも適当な表現がありません。やはりまあ功労章の方は一般的な功労、それに比して幾らか高い功労は勲章で表彰しよう、こういう原則が決まりましたので、それでこういう表現を用いたのであります。それならいつでもも功章の方は勲章より低いかと言えば、そうも言えないのでありまして、同じような功労に対して、一方は功労章で報ゆることになり、他の場合は勲章で報ゆることがありますけれども、大体言えば、一般的な功労に対しては功労章を差上げる。それからそれに対して、もう少し程度が高くなつたら勲章で報ゆる。勲章も五等から一等まで段々累進して行く形で表彰する、こういう建前でありまして、それをどう現わすかということから、誠に適当な言葉に苦しみまして、まずに表現なんでありますが、特に優れた功労と、ただの功労という言葉を使つたわけであります。これらは一つ本院における皆樣のお智惠を拜借して、もつと適切な表現がありましたならば、御修正願えれば幸いであると考えておる次第であります。
  31. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 僕の質問の趣旨は、著しい功労というものをなぜ五つに分け、そうでない方は別に分けない。こつちはなぜこんなに五級に分ける必要があるか。それが私の質問の要点であります。
  32. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 全体として見ると、勲章の方は功労章よりも一級上なんです。それだから著しい功労、五級に分けた中の一番地でも功労章よりは上だ、こういうふうにお考えになりますればよろしいと思います。
  33. 岩本月洲

    ○岩本月洲君 おのずから関連するのでありますが、卒直に申しますと、勲章の方を功労章、善行章と、こう並べた場合に、功労章及び善行章には余り無理がないようですが、勲章の方にはいろいろ今まで我々の見聞して來たような弊害が伴う非常な濃度が高いと思うのであります。現在の國家の段階において、乃至経済状態において、まあ我々は全面的に反対するわけではないのではないのですけれども、どうかなと首をかしげるような感じがあるのでございますが、卒直にお尋ねしたいのは、お考えになつたことでもあろうと思いますけれども、現在の段階と経済状態においては、まあ功労章、善行章ぐらいなところで、栄典を施行するというようなことはどうであろうかというような問題について御意向を承わりたいと思います。
  34. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 実際問題として、運用して行く上においてそうなるだろうと思う。善行章、功労章等を先ず差上げるようになつて、この新國家が発足してから日も淺いことでもありますし、段々功績を審査して、それは稀には旧憲法時代から表彰されないでおつて、民間に埋もれておつた人で非常に功績のある人がある。この人は余命もそう長くないし、この際表彰しで置きたいという人が見付かるだろうとは思いますが、そう沢山ではなかろうと思います。そうすれば新らしく新憲法発保以後の功労に報ゆるということは、四、五年、それ以上の間があると思いますから、これは段々ゆつくりやつて行つてよろしいと思います。文化勲章なども今まで十年近く実施して、僅か二十名しか差上げていない。これからは文化勲章はもう少し沢山上げてよかろうと思います。余り惜しみ過ぎたと思います。それにしても余り沢山上げるという性質のものでもないので、運用の実際面において、御説の通りになると思います。最も活用されるのは功労章になると思います。
  35. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 もう一点伺つて置きたいことは、勲章及び文化勲章は天皇の栄典であり、功労章及び善行章は賞勲局において取計らうものと承知してよろしいのでありますか。
  36. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) それは大間違いでありまして、全部天皇の栄典であります。栄典はすべて天皇が授與するのでありますが、但し内閣の助言によつてやるのであります。その点は区別なのであります。但し程度の低いものは、委任されるとでも申しましようか、結局天皇がみずからあらゆる勲章を授與されるということは、煩に堪えませんから、極く高いものだけを親しくお渡しになりまして、後は内閣総理大臣が渡すなり、府縣知事が渡すものがある。それは皆天皇の御名が入つて、詔書のようなものですね、それを渡すのです。
  37. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 勲記ですね。
  38. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 勲記はそういうふうになるのです。それも上の方だけだそうです。天皇が親しく書かれるのは……
  39. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 今に関連してちよつと伺いたい。この法案には勲章の返納が認められております。そうすると天皇が授與されるときに、場合によると返納という場合が起つて來はせんかと思つておりますが、それらのことにつきまして、天皇に関係することでありますが、政府のお考えは如何でありますか。
  40. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) その点も議論になつたのでありますが、どうも新憲法下におきましては國民の自由意思を尊重しなければなりませんので、返還を申出る者がありましたならば、これを許すことが当然であらう。これを必ずしも天皇に対する不敬になるというようなことは、考えるべきではなからう。大体受けないという意思を表示することが多いだろうと思うのでありまして、貰つて置いて、それから改めて返すということを稀にはありましようが、大体受けないということであれば、與えないということで足りるわけでありますから、そういう方針で參る。こういうことになるだろうと思います。
  41. 團伊能

    ○團伊能君 ちよつと質問したいことがありますが、その前に質問でございませんが、この勲章の絵を拜見しまして、この鳩の絵だけは除いて頂きたい。と思うのは、これは質問でございませんが、ちよつと申上げて置きます。日本におきましては從來八幡樣の鳩は弓矢の印であります。支那におきましては鳩は害鳥として非常に憎まれておるものであります。又外國におきましては、聖書に、聖霊鳩のごとく飛び來りて、とキリスト教にもありますが、大体フランスでは鳩は戀愛の象徴であり、銀座にございますコロンバンなどという店のは、鳩の戀愛的な感覚における鳩でありまして、一見しまして平和博覽会の記章のような感じがいたしますが、これは參考に申上げて置きます。  次に私が質問いたしたいのは、この勲章は政府の現在の機構の中におられる方で、局長、部長、課長その他の方は、在職年限などや、その地位から当然貰われるものになるのでございますようが、ということを一つ……
  42. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 図案の点は、全くいろいろの批評がございまして、私共恐縮しておるのでありますが、決してこれはいいものとは考えておらないのでありまして、取敢えず、例えばどんなものになるかということを眼で見るようにせんと、うまく説明ができないかも知れんから、と言つて取敢えず作つたものがこれでありますから、どうかこの際何種類も作りまして、本当によいものを作り出す予定であります。その点については是非皆樣の御協力を仰ぎたいと思います。よい美術家等を御指名頂きますれば幸いであります。  それから次の御質問でありまするが、在職年限を計算に入れてとか、  いうことはこれから成るべく、絶対とは言い兼ねるかもしれませんが、しない。つまり決して年限の問題でなくして、眞に功績の問題であり、これはなかなかむずかしいことでありますが、「ところてん」式に何年以上勤めたから何らの勲章をやる、これは今までのやり方であつたのです。それを是非一つ止めようそうして官吏の中でも本当に眞面目にやつているあの人は表彰の値する官吏であるということが言われ得る場合に一つ表彰しよう、幸い今度公務員法等におきましても、能率を本位として職階制等を決めて、その都度試驗をして能力に應じて拔擢をして行くというような制度が樹立されておるのでありますから、この表彰の仕方もやはりそれに倣つたものを用いて行きたいといふことを念願といたしております。
  43. 久松定武

    ○久松定武君 第三條の第三号でありますが、善行章表彰に対しては善行章を曾て貰い、再び善行に対して報ゆる場合には、飾版を用いるということになつております。第二條の功労章に対しては飾版の制限はないということを考えますると、その功労章は、本人がただ功労を重ねても、功労章はただ一回しか一生を通じて貰えないということになるのでありますが、この点或いは功労を重ねた場合には勲章を授與されるということになるかと思いますが、この点はどうですか御伺いしたいと申したと思います。
  44. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 御説の通りでありまして、善行章の方はちよつと勲章まで上げるというわけには行かんが、同じ善行を重ねているならば飾版を授與して行くということで行こう、功労章の方は何個も功労章を上げるのは妙な話でありまして、それ程功労があるならば勲章を上げればよいのでありますから、そこで大体功労章は一個だけを上げて、更に上げるだけの功労があつたならば勲章をやる、こういうつもりなのであります。
  45. 久松定武

    ○久松定武君 そうすると、善行章のときは何回でも表彰されたときは飾版だけですが、それも或る程度まで行つたら功労章になるのであります。
  46. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) それもその善行が著しいものならば功労章をやり、物によつては勲章に進むということも考えられ得ることであります。
  47. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) いろいろまだ質問がございますが、大分政府の方では急いでおりますようでありますが、これを急がなければならん理由、先程梅玉の死ということについておつしやいましたが、あれだけの理由では……この際是非急がなければならん理由を一つお述べ頂きたいと思います。
  48. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) それはあとで……
  49. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) それならあとにいたします。さつき問うた問題、五級に分けるということは、これはどうしても五級に分けなければならんということは、あなたの方は大分堅いのでありますか、どうも分らないのです。
  50. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 階級のない勲章を十種類も十五種類も拵えて置いて、労働勲章とか、産業勲章とか、農業勲章とか、そういうことでやつたらどうかという説もあつたのです。それからどうも階級が面白くないからと言つて、それで一種類で一階級ということで、文化勲章と同じように、平和勲章一つだけとなると、なかなか多少程度の差というか、功労の程度の差があるのに、どれもこれも同じものをやるのは表彰の精神に合わないし、実にやりにくい。運用に任に当つた経驗のある人から見ると、実に困るというような御異議が出まして、三種三階級にしようとか、三種五階級にしようとか、いろいろ説がありましたが、結局ここに落著したのでありまして、これは絶対的ではないのでありまするが、といつて、外に名案もないので、階級のない勲章一つだけでいいのじやないかという説も実はあつたのであります。併しそれは表彰する場合に考えると非常にむずかしいことになつて、低い人も高い人も同じくやらなければならない。こういうようなことになるのが一番難点なんです。
  51. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 併し功労章の方は階級がなくて、文化勲章も階級がない。ところが平和勲章の方だけ階級を付けるというのは、ちよつと分らないのですね。実は仮に文化の方の問題だつて、強いて階級を付ければ、付けていいですが、付けないで行つておるのに、こつちの方だけどうして五つに分けるのか、どうも分らないのですね。
  52. 村田八千穗

    ○政府委員(村田八千穗君) 功労章の授與される範囲は、範囲としては非常に廣いのでありますが、その功労の幅というのは狹いのでございます。要するに廣い範囲ですが、狹い幅の功労に出しまして、それより高ければ勲章になつてしまうのです。ですからこれを二階級、三階級に分ける必要がない、こういうふうに考えております。それから文化勲章の方は、今度高い標準の方でありまして、やはり幅は狹いので、非常に高いところだけだという考えなんです。ですからその功労を更に上下、或いは上中下というように三通りに分ける必要がない。こういう意味で文化勲章も一種類、一階級、功労章は功績の低い所で幅の狹い、功績範囲は狹くて、それより高ければ著しい功労として勲章の方になる。こういう意味で功労章は更に分ける必要がないと考えておるわけであります。
  53. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 シヤム國へ私が参つたときに、伏見宮殿下が御名代でお出でになり、そういうときに宮樣に上げる勲章と隨員の内の中將に呉れる勲章と、少佐に呉れる勲章とは違わなければならん。私は恐らくそういうことが理由となりまして、同じものでは取扱いに困ることがあるだろうと思う。それから皆樣方がおつしやつておる成るべく廣く勲章をやるということになりますと、私の解釈するところでは、低い方があつた方が廣く行くのであります。一種しかありませんと、惜しくてなかなかやることができなくなつて、栄典に浴することが大変少いだろうと思うので、私は五階級に分けたことについてはそういうふうに解釈をしております。
  54. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 併しその五級に分けるのは如何なる基準で、これは一番上、これは眞中と、どこで基準が決められます。例えば今プリンスがお出でになつた、プリンス隨員という場合は付くかも知れませんが、場合によつてはプリンスには差上げる、隨員には差上げないということがあり得るだろうし、今のような隨員という場合だとはつきりするでしようが、日本で或る功労を立てた、その功労の中に、例えば政治の方ならば政治の方で或る相当のことをやられた、併し或る人は第一の問題、或る人は第三の問題というのは、どういうふうにして区別が付けられますか。区別を付けることそのことに疑問があるのと、今度区別を付けたときに如何なる基準でそれを分けるようにするか。
  55. 來馬琢道

    ○來馬琢道君 國会議員を二十五年やれば一等やるとか、十五年やれば三等やるということになるのじやないですか。
  56. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) それでは速記中止。    午後三時零分速記中止    ―――――・―――――    午後四時三分速記開始
  57. 山本勇造

    ○委員長(山本勇造君) 速記を始めて……、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     山本 勇造君    理事            金子 洋文君            久松 定武君    委員            三木 治朗君            團  伊能君            徳川 頼貞君            松野 喜内君            大隈 信幸君            藤森 眞治君            岩本 月洲君            來馬 琢道君            高田  寛君   國務大臣    國 務 大 臣 鈴木 義男君   政府委員    法 制 長 官 佐藤 達夫君    賞勳局事務官    (賞勳局審査課    長)      村田八千穗君