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1948-07-01 第2回国会 参議院 農林委員会 20号 公式Web版

  1. 昭和二十三年七月一日(木曜日)    午後二時十分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○種畜法案(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 只今より委員会を開会いたします。速記を止めて……    午後二時十二分速記中止    ―――――・―――――    午後三時一分速記開始
  3. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。種畜法案を議題にいたしたいと思います。この問題について質疑を願います。
  4. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 農林大臣にお伺いいたすのですが、この種畜法案を率直に眺めますと、この第一條の目的に適するような規定が整つておらないと思います。大臣御覽になりますと直ぐ分りますが、「畜産の振興を図るため、種畜を確保し、」とある確保ということは種畜を持つということと、それを維持して行くということが要点でなければならんと思います。これは大臣もお認めだろうと思います。ところが、この條文を見ますと何が種畜として認められるのであるかというような檢査をやるということと、登録のための團体を作るということが書いてある。種畜を持つことを推進するような規定はちつともない、所有すること、そうしてそれを維持するということについても、何ら助長規定もない。ただ第十二條におきまして、「種畜の確保に関し特に必要があると認めた場合には、家畜の飼養者に対し、地域並びに家畜の種類及び年配を指定し、移動又はと殺の制限に関し必要な命令を発することができる。」ということが書いてある。これは或い意味において種畜を確保しておりましよう。現に種畜になつておるものを屠殺してはいけないというのでありますから、外へ出してはいけないというのですから、種馬がない場合には輸出をしちやいけない。それは日本國に確保できましよう。それはこの國としての確保であつて種畜を持つことに対しての奬励にも何にもなつていない。殊に屠殺するというような場合にいろいろ想像しますると、どうもいろいろな関係から殺した方が利益であり或いは飼料などが足りない。この上自分で持つておることができないからというので屠殺するということが起つて來るだろうと思います。止むを得ない場合に屠殺するというようなことも生ずると思う。それをこの明文で、ただ命令をすれば屠殺することができないということで、それに対して補償も何も付いていない。それで皆さんから何らかこれに対して種畜を持つておる者の損害に対して補償することを考えておるか、ということの質問があつたわけなんです。何らか予備金か何かで支出するかということを言われたのでありますけれども、これは非常に大事な問題であります。殊に畜産の振興であるとか種畜の確保ということは、飼料というものがなくしてできないことであつて、どうしても種畜を確保するということをいうならば、少くとも飼料の配給供給ということについて、こういうことをするのだというくらいなことが明文の中に私はなければならないと思います。從來の種馬統制法というものを見るというと、どういうことを書いてあるかというと、種牡馬はすべて國において所有するものというのでありますから、國で自分で持つておるのだから、これは確保しておる。それでそれを無償で貸付けるという規定になつておりますから國が確保しておる。これは明瞭に確保しておる。今度はそういうことを止めてしまつた。國では持たないという法律のようであります。それははつきりありませんけれども、そうすると先ず持つことについての確保がない。その上に從來の種牡馬統制法の第二十條を見ますと「種牡馬若ハ候補種牡馬ヲ飼養スル者又ハ優良種牝馬若ハ候補優良馬ヲ飼養スル者ニ対シ補助金ヲ交付スルコトヲ得」と書いてある。これは、飼養費を補助するわけでこれは直接種畜というものは飼料が一番大きな問題でありましよう。そういうようなものに対して、補給するということになつておるから、種畜というものは、確保できるわけです。今度は馬についてはこの國有主義を捨てられるという話であります。これはまだ説明を聞きませんけれども、そうして五千頭を持つておる種牡馬の中一千頭は現在國有であり、四千頭は貸付馬になつておる。それを一千頭の方の一割というもの、それから四千頭の方の一割というものを民有にするという、民有にするというのは買わせるつもりであるというようなことのようになつております。そうすると段々種馬に対して、漸次國から手を放すというわけで、民間がこれを持つという場合には有償で買わなければならんということになると思う。元は只で貸しておつたものを、有償で買わなければならんということをそれ自身が、そういう種馬を持つことの資力に対して國が何ら考えていないということになる。それで種牡馬の確保ができるということは私は考えられない、考えていないということになる。それで種牡馬の確保ができるということを私は考えられない。少くとも飼料の配給については何らかの考慮をするというような規定がここにないというとその種牡馬確保の裏付がないと思います。私はそれですから條文として修正意見を持つている。それは種畜法案の第十二條というものがありまして、これに対して何ら補償がないのでありますから、そのことをも考えて十二條の次に一條を加えたいと思う、それは「主務大臣は種畜の確保に関し飼料の配給について適切な處置をしなければならない。」この規定を入れたい。「主務大臣は種畜の確保に関し飼料の配給について適切な處置をしなければならない。」こういう條文を入れて私は差支ないと思います。併し更に大臣にお伺いしたいのはこの種畜に限りません。この畜産の振興には飼料というものが非常に大事なことでありますが、飼料について何か立法をするという考えが大臣の方におありになるかどうか、これは政治的の大臣にお伺いするのじやない、農林大臣として、農林省として事務的に考えて、これは政治の問題じやありません、事務的に考えてどうしても飼料の確保、或いは飼料畑を作るとか、畑は飼料に対して必ず確保する結果、それは食糧を減殺するわけでもない、結局それは家畜の血となり肉となり卵となつて食糧となるのでありますから、やはり結局食糧になるというわけになるのでありますから、廣い目から見て飼料に関する何らかのここに立法をして、殊に種畜に対しての飼料は何らかの補償をするということの法文を置かれる必要があると思います。又御用意がなければ私が申した一ケ條だけここに少くとも早く入れで頂きたいということを考えるのでありますが、飼料というものに対してどのくらい法律的の何か御準備があり、大臣としてはこの議会に間に合わないにしても、次の議会において政治的の問題は別にしましよう。事務的にそういう用意をせしめるというお考えがあるかどうかということを承わりたい。
  5. 永江一夫

    ○國務大臣(永江一夫君) お尋ねの点は大体二点になると存じますが、第一の点につきましては、この法の目的でありまするように、畜産の振興を図り、種畜を確保する方法としては、第十二條だけでは十分ではないじやないか、そういうためにいろいろな保護育成をする具体的な処置が明示してないではないかという御意見でございまして、御尤もなことだと思いますが、私共はこれが行政的処置としてはしばしば説明を行なつておりまするように、諸種の奬励金の支出方法が法律にこれはなくともとり得るのでありまして、そういう方法によつてこの第十二條の精神を活かし、実質上損失の補償の裏附としても、さような方法によつてこれをカヴアーして参りたい、こう考えているわけであります。又同じく確保のための飼料の問題は重要でございまして、この点についてはまだ政府としては発表の段階には至つておりませんが、一應飼料につきましての外食導入の点も或る程度成功しているのであります。その金額、具体的な方法はまだ私共が発表の時機ではありませんが、飼料の輸入は或る程度のものは確保される見通しが付いているのであります。七月以降これが具体的のことが……いずれにいたしましても飼料の確保ということが、やはり種畜の確保になるわけでありまして、この点では合法的処置についてお尋ねがございましたけれども、私は農林大臣といたしまして、飽くまでも飼料の確保につきましては、今申しましたような、外資導入の面からもこれに努力をいたしまして、具体化するために目下鋭意努力中であります。と同時に、その他の方法におきましても、飽くまでも飼料を確保して参ることについては、万全の具体的な処置をいたしたいと、こう考えておりますので、この私が農林大臣として申上げますることについて御了承を願つて置きたいと思うわけであります。尚法的処置につきましては、今関係方面とも折衝いたしておりますので、お示しのような法的処置が、次の機会に國会に提出できるように努力いたしたいと思つております。
  6. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 この第十二條に対しまする罰則として第十三條があります。「これを五千円以下の罰金に処する。」ということになつておる。ところがこの種馬統制法において見ますというと、二十一條にやはりそういう規定があります。「許可ヲ受クル非ザレバコレヲ輸出シ又ハ移出スルコトヲ得ズ」、ところがその罰則は「一年以下ノ懲役又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス」というので体刑が附いておる。体刑が附いておるというのは、どういうわけかということを考えて見なければならんと思います。それは、これは馬というものは軍馬の関係があるということも申されましよう。併しそれは極く皮相的な考えであつて、日本のもと百五十万頭といつた中の百十万頭というものは、これは農耕馬で、軍は僅かの馬しか使つていない。農耕に必要な役畜として殆んど歴代の内閣としても重要性を置いておるわけであります。そういう意味であつて、この輸出ということが、日本の産業の振興上に、農耕の振興に必要であるということも勿論考慮されて罰則があるのでありますが、その体刑を廢めて、今度は罰金刑のみにしておるということそれ自身は、この十二條に対して裏附をしていないという、自分の弱点をここに示しておるのじやないかと思う。十分なことをやり切らんものだから、罰則はえらいことをやるわけにはいかん、こういうことがここに伏在しておることは明瞭であると思う。そういうことを見ましても、もうすでに立法において、自分でもこれは少しやるべきことをやつていないという遠慮の規定であるということは、これは明瞭でありますから、どうしても十二條に対して、この裏附についての御考慮が私は必要と思う。何かそれをもう少し具体的に大臣のお考えをお述べ願わないというと、この委員会は第十二條に対して、非常に政府だけが勝手次第な規定をやつておるという印象を深く與えておるのでありますが、その点をもう少し明瞭に御答弁願いたいと思います。
  7. 永江一夫

    ○國務大臣(永江一夫君) これは一應この法案ができました基盤といたしまして、皆さんすでに御了承願つておりまする通りに、戰時中にできましたところの種馬統制法或いは種牡牛檢査法というような、いわゆる官治行政的な行き方を放擲して、新らしい角度から、今申しましたような種畜の確保をいたしたいという物の考え、アイデアから発足しておる法規でございますから、今までの中央集権的な、官治行政的な感じからいたしますと、非常にこの法案の中には、まあいわば頼りないというような感じを受けられる面が多いと思うのであります。併し法の目的といたしますところは、申すまでもなく罰則ではないのでありまして、この法規によりまして、できるだけ各方面の協力を得て、法の目的を達成いたしたいと、こう考えておりますから、私共はこの中にあります罰則が、これ以上重くなるということは妥当ではないと考えております。先程のお答えいたしました第十二條につきましても、私は國内において飼料を確保いたしますと同時に、外から輸入される面についても、すでに具体的な或る点の成果を得ておるというお答えをいたしましたので、この程度で御了承を願いたいと思うわけであります。
  8. 松村眞一郎

    ○松村眞一郎君 私共申しますのは、今の大体的の御議論としましては、大臣の御趣旨に対して私は結構であると申上げてよろしいと思います。ただこの具体的な問題であります第十二條におきまして、特に屠殺の制限をするということを書いてある。屠殺の制限をする場合において、所有主の事情も余程考えなければいかんと思う。飼料が今日のような事情でありますと、飼料がないから維持できないと言つて屠殺することがあろうと思う。その際屠殺してはいけないということを命令されるわけです。飼料がなくて困りますから、維持ができないのだからという事情があるに拘わらず、それを五千円以下の罰金に処する、そうすれば屠殺はできませんから、持つておる飼料はない、自然に死ぬのを待つということになるのであります。そういう残酷なことは法律の規定ではよくないと思います。今の事情は大臣御承知だろうと思います。今家畜の毎日々々の飼料というものは闇取引で買つておる。とてもこれではいけないということでありますが、殊に種付料がどのくらい取れるかわからない、この案によるというと、非常に寛大に種畜というものの証明書をお出しになるわけでありますが、その種畜それ自身は、全部種付によつて維持できるかどうかということは、私は分らんと思う。そういうようなものについて、無差別的に種類ということがここに書いてありますけれども、家畜の種類が書いてあるので、種畜の種類ということは書いてない。だから或る種畜というものについて全面的に命令を発することができるようになる、今言うたような事情は汲まなければならん。それに対して何らかの処置をしないで、それを殺してはいけないというような命令を出して、罰金で更に強迫しておるというようなことは、殊に新らしい憲法においては私は許されない所有権の制限であると思う。屠殺することは一向差支ないのであります。國の必要において屠殺を制限するならば、それに対してやはり或る程度の賠償を與えなければいけない。今申した事情でよく御了解になるだろうと思います。飼料が買えないということがありましよう。それを無理に買わせるということは、これは余程無理なことを申しておる。それに対して何らかの補償か何かしなければいけないということは、私はこれは明瞭だと思います。何らかこれは具体的の考慮をするのであるということの御答弁を私は要求するのであります。
  9. 永江一夫

    ○國務大臣(永江一夫君) 飼料のないのに屠殺をしてはいけないという、そういう極端な場合におきまして、政府は飽くまでも目の前に見ておつても屠殺を許さないという点で御議論をなされば、今のような御議論になると私は思つておる。仮にここで、飼料をどれくらい政府がお世話できるかという見通しのないのに、法的にこれを規定して置きましても、おのずから飼料確保の量については、そのときの実体に即して決定がされるべきものと私は考えております。そうすれば、法で規定せられなくても、政府は勿論これらの家畜の確保、増産を考えておりまする以上は、飼料については飽くまで國際的にも、國内的にも努力し得るものは努力するということを、私は先程申上げたのでありまして、飽くまで飼料の最優先の確保をやる決意で私はおるのであります。これを法文に明示せよという御議論につきましては御尤もと思いますが、私共が今、日本の置かれておりまする経済的な実情から申しまして、政府の言明し得る限界というものは、おのずから決まつておるのでありますから、從つて政府としては、飽くまでもこの法案の趣旨を貫徹いたしまするための具体的な裏附といたして、飼料の問題が重要であることは十分認識をいたしておりますし、これを最優先的に確保するという必要も十分認めておるのでありまして、その面に向つて私共は全力を挙げて具体的な処置を行いたい、こういうことは私はここで繰返し申上げまして、皆さんの御了解を願いたいと思います。
  10. 寺尾博

    ○寺尾博君 この種畜ということにつきまして、先程松村委員もちよつと触れられてはありまするが、種畜というのは、ここでは傳染性の疾患を有しないもので、それに証明書が交付される。このことはけだしこれは動物方面にしろ植物方面にしろ、種というものは病氣のないというようなことは当り前のことなんです。で種としての血統のいいという事柄がその種の價値であつて、勿論この法律の草案を作られたに対して技術者が関係しておることと思いますが、この状態においては技術者の良心に反する点が非常に高いものと私は思うのであります。で苟くも種畜というのに、單に與染性の疾患がないというだけであつて、その種畜としての証明書を與えるということは、全くこの種畜という観念には思い掛けないことであると思うのであります。この点に関する説明をお願いいたしたいと思います。
  11. 遠藤三郎

    ○政府委員(遠藤三郎君) 只今種畜の檢査の点についてのお尋ねでございましたが、実はお尋ねのように、どういうものを種畜にするかという点につきましては、いろいろ議論をして参つたのであります。私共としましてはもう少し程度の高いものを種畜として檢定をするという方向に持つて行くべきであるという議論も大分あつたのでありますけれども、他面種子の種苗檢査法につきましても種牡馬の統制法にしましても、余りに嚴重なる檢査をし、嚴重なる規確を定めておりまして、その弊害が非常に多かつたというようなことも指摘されまして、今回はもつと民主的な、とにかく所有者が種畜にしたいというならば、どういうものでも傳染性の疾患に罫かつておらざる限りは、すべて種畜にすることができるという、こういう建前を取るようにという関係方面の意向もありまして、こういうふうな建前になつて参つたのであります。ただそれだけでは本当の狙いが達成されませんので、証明書に種畜の血統或いは能力或いは体型等を示すところの等級を付けまして、そうしてこの種畜は一第級の種畜である、或いは第二級の種畜であるというふうにいたしまして、これを必要とする農家の便宜に供しよう。実質的には只今御指摘のような優秀なものと、熱らざるものと分けて参るというような建前でおるので、御了承を願いたいと思います。
  12. 寺尾博

    ○寺尾博君 今の御説明はそれとしては分りましたけれども、それではこの法律の第一條に家畜の改良増殖をする、増産をすることを目的とする結果に到達することは実際上は頗るむずかしいと思う。成る程登録協会というものがありましても、何らか農家が種畜にしたければどれでも傳染病さえなければ種畜にできる。こういうことである。もう少し、勿論この法律の中に具体的な形態なり特殊性なりを列記したものを……こういうものが種畜だということはできません。又この新らしい品種もでき、段々系統が改良されて行くのです。だから具体的な記載はできませんけれども、何らか種畜らしいところの記載の仕方があり得るものだと私は思う。これだけでは第一條の目的を達成することが頗る始難だと思う。本省の御意見を重ねてお願いいたします。
  13. 遠藤三郎

    ○政府委員(遠藤三郎君) 只今お尋ねの点は、この法案の根本に触れておる問題であります。御指摘のように、すべての種牡が、牡馬や牡牛が種畜になつておるという形になりますと、なかなか品種の改良が困難になるというような点は御指摘の通りだと思います。ただ私共としましては、第三條の二項で以て、証明書に血統や能力や体型等によつて等級を定めて置きまして、優秀なものを明瞭にして置く。それによつて技術指導により、或いは一般の行政の指導によりまして、段々それを普及して行くようにして参りたいと思います。法律的な強制を避けまして、事ら技術指導、或いは行政の指導によりまして、これを成し遂げて参りたいというふうに考えております。尚登録協会の事業は、これは民間の事業になつておりますが、登録協会の登録におきましては、いわゆる口頭登録程度のものを登録して参りますので、口頭登録の牛等につきましてはそれが明瞭になつて参りますので、これも品種の改良、改良されておる品種の増殖に非常に役に立つて行くのではないかというふうの期待をしておる次第でございます。
  14. 寺尾博

    ○寺尾博君 もう一言、要するにこの法律の第一條のこの目的は、まあ結構であるが、第二條以上の内容をこれだけで置いてはこの法律の目的を達成することが頗る困難だと思います。先程松村委員が指摘された第十二條の点もそうであります。この法律は只今畜産局長が示されたように、これに伴つて一方充実したところの奬励方面の政策が、これと並立するということの前提において、この法律がその存在の意義を初めて見出すのだと思う。從つてこの法律を我々に審議さすに当つては、奬励方面においてこれだけの処置を、方針を取つておるという点において、初めて了解し得ると思う。
  15. 遠藤三郎

    ○政府委員(遠藤三郎君) 只今お尋ねの点も御尤もだと存じます。私共としましては、先般來機会あるごとに申上げておりましたのですが、一方において五ケ年の計画を立てまして、そうして畜産の増殖を推進しておるのでございます。五ケ年計画をやるにしましても、いずれにしても、畜産の増殖の根本になる飼料問題、或いはその他の種畜の確保に関する諸般の條件の対象の問題等を併せて参りませんなれば、この種畜法の効率をも期待することができないのでありまして、飼料の問題につきましては先程も大臣からも御説明ございしましたが、輸入飼料の確保に努めると同時に、國内の農家の自給飼料につきましても、成るべく早い機会に自給飼料の確保に関する法的な措置を講じて参りたい。でき得れば來議会までに一つの法案を纏めたいというような希望を以ちまして、目下その研究を進めておるような次第でございます。この法案は非常に急ぎましたものですから、これらの全貌をここにお示しすることは、できなかつたことは非常に遺憾に思いますけれども、種牡牛檢査法及び種馬統制法廢止の問題を非常に急いでおりましたために、一應種畜法だけをここでお願いしまして、それに裏打をするような諸般の施策につきましては、漸次成るべく早い機会に実現をして参りたい、こういうふうに考えております。
  16. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 先程松村委員の御質問に対して大臣が、飼料は確保できて、それは七月頃という言明でありましたが、これは五ケ年計画に基く飼料であるかどうか、又飼料が確保できるとなれば、今政府が計画しておるより以上の計画を立てる用意があるかどうか、この点を伺いたいと思います。
  17. 遠藤三郎

    ○政府委員(遠藤三郎君) 先程の大臣の御答弁の中における飼料の問題は、五ケ年計画の一部の飼料問題に該当するのでございます。五ケ年計画を段々進めて参りまして、その遂行のために必要なる飼料というものを、數字的に関係方面に要望しておりまして、最近その具体的な話合いが段々進んで参り、ただ現在といたしましては確定しておりませんので、これをこの際申上げかねるわけでありますけれども、大体進んで参りましたということを大臣から御説明があつたと思います。
  18. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 この五ケ年以上の計画を立てる用意があるかどうかということについて……
  19. 遠藤三郎

    ○政府委員(遠藤三郎君) 飼料事情が非常に改善されて参りまして、今日まで私共が予想しておりました以上に飼料の供給が豊富になつて参りますようでありますれば、五ケ年計画を或る程度拡大して行くことも可能であると考えております。
  20. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 十二條の問題はいろいろ各議員からお話があつて、これに対して大臣からの答弁があつたのでありますが、私は單刀直入に、こういう制限をされたならば、これに対する助成の方法を如何なる程度でやられる予定であるか、二十三年度の計画をお示しをお願いしたいと思うのであります。若し立つていなかつたならば、速かに計画を立てて、その計画をお示し願いたいと思うのであります。
  21. 遠藤三郎

    ○政府委員(遠藤三郎君) 十二條の制限につきましては、昨日もいろいろ御説明申上げましたのでありますが、実はこの規定はよんところない場合に発動することを考えておりまして、而も屠殺の制限をすると言いましても、制限をしつ放しでなくて、ここで屠殺をするのを一つよして頂いて、農村の方へ廻して頂きたいというふうな意味の制限をして参りますので、余り農村の方に損害を掛けるようなこともない、又損害を掛けないように、この規定は発動して参らなければならないというふうに考えておるのであります。発程松村委員からのお尋ねもございましたが、そういう場合に飼料がないために飼育ができないというような事情に追い込まれております者に対しては、勿論優先的に飼料の特配をして、種畜の確保を図りたいという考えでおるのであります。種畜の所有者の負担を成るべく軽減するという考えでおります。從いまして、具体的に只今、どれだけの損害の填補をするという計画は持つておりませんけれども、非常に農民のために困るような事情がありましたときには、やはり考えて参るということにしたい。こういうふうに考えております。
  22. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) ちよつとその点は重要な点なんですが、飼料の確保をしたり、或いは予備金を取つて奨励金をやるというような手段が伴わなければ、この十二條は発動しないと、こう解釈していいですか。
  23. 平野善治郎

    ○政府委員(平野善治郎君) 先程來十二條の問題でいろいろ御意見がございまして、殊に政府が飼育者に対しまして一つて強制的な規定を発動する場合において、それによつて被むるところの飼育者の損害をどういうふうに考えるかということでございます。只今のところは、具体的に予算に金額を入れたり、或いは一つのはつきりした明文を以てその損害の補填を示しておらないのでございまするが、政府の考えといたしましては、これは万止むを得ないときに起るのでございまして、又その起る場合においても、飼育者には損害を掛けないという場合にこの規定を発動したいと、こう考えておるのでございます。從つて只今は、ここには明文等ございませんが、そういうような十二條を発動した場合において、飼育者に迷惑の掛からないような方途につきまして、早速具体的なものを作つて、皆さんの御趣旨に副いたいと、そういうふうに只今考えております。
  24. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) ちよつと今の点は、抽象的ではつきりしないのですがね……
  25. 板野勝次

    ○板野勝次君 今の十二條の問題は、政務次官の答弁では頗る曖昧なんで、考えておる、今政務次官が考えておるけれども、あと誰がそれを担当する人が変つて來た場合には、十二條をどんどん発動されて、これはどこへ抗議を申込んでいいか、行くところもないとうのです。從つてそれは十三條がなくなつて、五千円以下の罰金ということがなくなつてしまえば、これはもう十二條はそれだけでいいんですけれども、あれがある以上は、とうしても十二條には、何らか國家的な補償がなし得る。された場合に、それに違反したら十三條が発動される、こういうようなことでないと、これは立法措置の上からいつて、どんなにして見ても、これは無理だろうと思うのです。その点は政務次官から、曖昧でなくて、はつきり一つ示して貰いたいと思います。
  26. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 附加えて、もう少し私も具体的に質問いたしますと、飼料関係で、どうしても屠殺をしなければならんとか或いは移動しなければならんということで、十二條の種々の目的に反するような事態の起る場合には、飼料は必ず最優先的に確保する。それから金銭的の負担のために、どうしても移動又は屠殺をしなければならんという場合には、これは金銭的の問題ですから、補助金とか或いは奬励金等の予備金の措置によつて講じて、そういう負担をなくする。こういうふうに解釋していいかどうか、こういうことです。
  27. 平野善治郎

    ○政府委員(平野善治郎君) 只今板野委員並びに委員長からお尋ねがございましたが、御趣旨は御尤もでございまして、私共の考えも、基本的な考えとしては一致しておるのでありますが、この法案にこれを明記しておらんのでございますが、先程お話申上げました通り、非常にこの問題を我々には強制的にでき得る限りやるべきではないのでありまして、万止むを得ないときにやるのでございますが、飼料の問題によりまして、こういうことが起る場合には、先程大臣から答弁申上げました通り、最優先的にその飼料を配給いたしまして、かかることの起らないようにすると同時に、又別の理由によりまして、その制限を加えて、そのために飼畜者が損失を被むるという場合におきましては、只今局長から答弁のありましたように、補助金とか、或いはその他の名目を以て予備金等より支出をして、その人には金銭的な損害を掛けない、こういうことに考えております。
  28. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 どうも大事な十二條が非常に問題になつて來ておりますが、実際出に考えさせると、こんなことはないと思う。そこで大事な種畜が食うものがなくなつてしようがなくなつて、用役に堪えない、又馬として價値をなさんというふうになりますが、若し政府の方で、市中の輓馬に飼料を配給するが、種馬に配給せないということはないと思う。そうはつきりと御答弁を願いたい。そういうことでありますが、こんなことを書いても、こんなことができますか。理屈と実体をよく考えねばいかん。一体そんなことをする氣があるのか。ただこれは書くのは、こういうふうに書かないて……どうも大変下手な書き方をするから、こんなことになる。こんなことがあるのですか。
  29. 寺尾博

    ○寺尾博君 十二條の文句に「種畜の確保に関し特に必要があると認めた場合」と書いてあるのは、具体的にはどうてうふうな場合を予測しておるか、それを併わせてお伺いいたします。
  30. 遠藤三郎

    ○政府委員(遠藤三郎君) 只今の御質問でありますが、実はこの規定を発動することはもう殆んどないというふうに考えておるのであります。又これが発動されるようでは畜産の種畜行政というものは全く駄目だ。併し昨日もお話を申上げましたが、例えば非常に優秀な種牡牛が屠殺、又非常に使用に堪えるような優秀な種牡牛が屠殺場に行く、或いは仔牛が、將來優秀なものになる仔牛が屠殺場に行くという場合においては、これは農村の方に一つ廻して欲しいというようなことが言えるように安全弁を作つて置くというような考え方でございます。
  31. 北村一男

    ○北村一男君 どうもこれは私も甚だ不滿なんでございますが、これを農林省としては如何でございますか、やはりはつきりお書きになつたらどうでございますか。今政務次官も、局長もおつしやるのだが、そういう場合は、金銭的補償をするという意味合いのことをお書きになつたらどうですか。このままではなかなか通りませんよ。通らんし、通さない。(笑聲)お書きになる必要があると思う。
  32. 平野善治郎

    ○政府委員(平野善治郎君) 只今十二條に関して私の答弁が至らなかつた点がございまして、更に申上げたいと思います。いろいろこの法律を急いだ等の関係におきまして、十分でない点もあつたことは、先程畜産局長からも御説明申上げた通りであります。十二條の問題につきましては、先程來私共が申上げました通り、決して飼育者に金銭的な迷惑を掛けないということをはつきりいたしまして、そうしてこの條文を適用する場合が若しあつても、そうして行きたいと、こう考えておるのでございまして、只今のところ、その趣旨で御了察を願つて御審議をお願いしたい、こう考えております。
  33. 島村軍次

    ○島村軍次君 ちよつと休憩して……
  34. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  35. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
  36. 平野善治郎

    ○政府委員(平野善治郎君) 第十二條を発動した場合において、飼育者に金銭的な損害を及ばして場合においては、政府はその全額を補償する用意を整えております。
  37. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 大体質疑も皆樣からございましたので、種畜法に関する質疑はこの程度に止めたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) それでは質疑を打切ります。それからこの法案は、今衆議院に掛かつておりますので、まだこちらに正式に参りませんから、時間も要すると思いまするので、採決を明日に延ばしたいと思いますから、明日は直ちに採決に入れたいと思いますから、きよう御了承を願いたいと思います。午後一時からいたしたいと思います。  尚この問題に関連して、或いはそれ以外に、佐々木さんから食品局長に対する質問を昨日留保されておりますので、佐々木さんから御質疑を願いたいと思います。
  39. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 私の提唱しておりまする搗精の改良は是非政府がやるものだと確信を持つておりまするので、食品局長にお尋ねしたいのでありますが、そういう場合においてこの糠油の機械の設備が宗全であること、即ち原油と精製油の機械の見通しが付いているか、この点。それから糠油に対して將來どのようなお考えを持つているか。この二点をお尋ねいたします。
  40. 三堀參郎

    ○政府委員(三堀參郎君) 糠油の問題は現在の我が國の油脂の現状からいたしまして非常に大きな資源だと考えまして、ここ両三年この問題を非常に大きく取上げてやつているわけでありますが、ただ只今御指摘の通りに、これは予算的の措置が十分に伴つておりませんので、まだ勿論十分でございません。年々多少ずつではありますが、予算を増額いたしまして、その設備の増設に努めているわけなのであります。昨年度は全國で僅かに九工場分しか補助金がありませんでしたけれども、今年度は全國で少くとも一個所ずつ、これは中核工場でありますけれども、そういうつもりで予算を計上いたしておるわけなんでありまして、まだこれでは勿論不十分でございまして、我々の計画いたしております通りに、若し糠が集まるということになると、勿論これでは不十分でありますので、勿論今後引続き財政の許す限りにおきましては、逐次増加をいたしまして増設を計画いたして參りたいと思つておるのであります。尚糠の問題といたしましては、第二点といたしましてお問いでありますが、數字的にお話申上げますと、只今のところでは公團で扱つております米から出ます米糠が十二万六千トン、それからその外に最も搗精し易いのが酒米の関係でありますが、これが大体二千トン、それから政府委託搗精の関係が一万一千トン、少くとも大体十四万トン見当のものが、これは若し政府とそれから公團と一緒になつて把握しようという措置さえ講ずれば把握できるものではなかろうかと思うのであります。けれども差当りその全部を対象にいたすわけに参りませんので本年度としては五万四千トン程度のものを集荷の目標にして全府縣に割当をいたしておるのであります。
  41. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 精製設備は今のところ少數であつて、誠に精製上不便を感じておるのでありますが、これは少くとも旧ブロツク地区ごとにその製製工場を促進させるようにやつて行く用意があるか、それとも現在の糠の手渡し方法がうまく行つていない、それから金銭の支拂が非常に遅延をして迷惑をしておるという点があるが。これに対する是正方の方途は考えておるか、そういう点を一つ伺いたい。
  42. 三堀參郎

    ○政府委員(三堀參郎君) 只今御指摘のような点も、從來の搗精上の十分に参つておらなかつて点だと思いまして、そういう点につきましても、今それぞれ各地の実情を調べまして、できる限り迅速に取運ぶように手配をいたしておるわけでありますが、尚その他に、集荷せられました米糠につきましては、それから搾油されました油の半量を府縣に還元いたしております。それから更に割当量を超過いたしました分量から搾油せられますものはその全量を府縣に還元するというような方法で集荷の促進に努めておるような次第であります。
  43. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 ただ金銭の支拂が非常に遅延をして迷惑をしておる点は改良できますか。
  44. 三堀參郎

    ○政府委員(三堀參郎君) そういう点につきましてもできるだけ只今手配をいたしております。
  45. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 本日はこの程度で散会いたします。明日は午後一時から開会いたします。    午後三時五十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            高橋  啓君    委員            門田 定藏君            羽生 三七君            北村 一男君            柴田 政次君            西山 龜七君            平沼彌太郎君            木檜三四郎君            佐々木鹿藏君            石川 準吉君            岡村文四郎君            河井 彌八君            島村 軍次君            寺尾  博君            徳川 宗敬君            藤野 繁雄君            松村眞一郎君            山崎  恒君            板野 勝次君            池田 恒雄君            廣瀬與兵衞君   國務大臣    農 林 大 臣 永江 一夫君   政府委員    農林政務次官  平野善治郎君    農林事務官    (畜産局長)  遠藤 三郎君    農林事務官    (食品局長)  三堀 參郎君