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1948-01-30 第2回国会 参議院 本会議 9号 公式Web版

  1. 昭和二十三年一月三十日(金曜日)    午前十時三十九分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第七号   昭和二十三年一月三十日    午前十時開議  第一 賠償廳臨時設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)  第二 連絡調整局臨時設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。
  4. 岡元義人

    ○岡元義人君 本員は引揚者受入及び厚生対策について緊急質問の動議を提出いたします。
  5. 下條恭兵

    ○下條恭兵君 只今の岡元君の動議に賛成いたします。
  6. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 岡元義人君の緊急質問の動議に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕
  7. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。(拍手)岡元義人君。    〔岡元義人君登壇、拍手〕
  8. 岡元義人

    ○岡元義人君 私は在外同胞特別委員会を代表いたしまして、政府当局に四五点に亘りまして質問いたしたいと思うのであります。  極寒三年目の冬を迎えまして、シベリアに残されております五十八万の同胞と、中國中共地区に残されております十数万の同胞とを除いて、一般引揚者四百万、復員者二百六十万の人たちが、本國にいた同胞の曾て体験したことのない困難と、窮乏と、全財産喪失という貴重な体驗を味いまして、傷心の姿をば日本内地に運んで來たのであります。改めて申すまでもなく、残されておる人たちはひたすら望郷の念にかられながら、敗戦國民の誰かが負担せねばならんところの尊い代償といたしまして労働に服しておるのであります。又帰つて來た者も、祖國の土を踏んだその瞬間から最も悲惨な生活苦と戰わなければならない運命を喫しておるのであります。誠にこれら七百万の犠牲者の姿こそ、最も敗戰の姿を強く描き出しておるものと言わねばならんと思うのであります。併しながら如何なる苦しみにも堪えまして、一切の未練を捨てて立上らんと努力はいたしておるのでありますが、ものには限度がありまして、先に片山総理が述べられました通り、日本の破局一歩手前の経済状況下にありましては、一部の者を除いて、大半の者が精魂盡き果てた姿をば随所に露呈しておるのであります。かかる状態の中から第一回國会は、これら犠牲者たちにとつてあらゆる生きる希望と期待を以て終始見守られたのであります。併しながら僅かに未復員者給與法の解決を見たのみでありまして、在外資産の一部も解決付かず、失業保險法には除外され、全く期待は裏切られて再び失望のどん底に突き落されたりであります。今ここに第二國会の開会に当りまして、片山総理はその施政方針の演説に僅かに引揚促進の問題に軽く触れたのみでありまして、これら七百万の厚生対策につきましては何らの方針をも示されなかつたのであります。道義を説き、宗教を論じ迂遠なる理想を説かれる片山総理の施政に対して私は最も遺憾とするところであります。日本人口の一割を占めるこれら犠牲者と家族たちは如何なる思いにかられらか。あの大臣の施政方針演説を聽いて察するに余りあるものがあるのであります。祖國再建の道が困難であればある程、多年の経驗と優秀なる技術を持つたこれら犠牲者の多数を活用して、以てその成果を期すべきであります。万が一これら犠牲者を正常なる國民生活に復帰せしめることに失敗いたしましたならば、日本は禍根を永久に残すことは必定であります。私はここに第二國会において、政府当局は万難を排してこれら犠牲者たちに希望と力を與え、逞しき建設への協力に参加せしむべきであるということを強く主張したいのであります。(拍手)  先ず厚生大臣にお伺いいたしますが、先に準備されましたソ連地区受入施設は十分にできておりましたけれども、北海道、東北における收容施設は、ソ連よりの送還一時停止によりまして、すでに引揚げて來たところの無縁故者の一万人に轉用当されておるのでありますが、現在では二万人だけとなつております。これは勿論最初の計画より無縁故者の遥かに多かつたりしてかようなけつかになつたのでありますが、解氷期を待つて、引揚再開に対する受入態勢の整備には万全の準備が必要であると思うのでありますが、これに対して政府当局の回答が願いたいのであります。  次は終戰以來三年目を迎えまして、陸海軍二十四万の者が未だに生死不明として今日に及んでおるのでありますが、これらの大半はすでに送還を完了いたしたと発表されたところの、南方関係の者でありまして、これらの帰りを待つておりますところの留守家族の心情に及ぶとき、誠に同情に堪えない次第であります。中には許婚の者或いは再婚の必要のある者、又は財産相続の問題、今後の生活方針計画もあり、この上政府はこれらの処置を曖昧に放置することはでき得ない大きな社会問題となつておるのであります。如何に新らしい時代とはいえ、始末をつけるものははつきり始末をつけてこそ新らしい感覚の政治も生まれて來ると思うのでありますが、政府は急速に処置をする意思があるか伺いたいのであります。  次は生産資金でありますが、先に厚生大臣は佐々木議員の質問に答えられて、一世帯七千円にしたいという旨の説明があつたのでありますが、問題は七千円の引上よりも、一月、二月、三月の生業資金がブランクになつておることであります。すでに本月も終らんといたしておる今日、今尚この融資に対して明確にされずにおることは、誠に不安な氣持であります。万が一、かようなことはさらさらないとは思いますが、大臣は極力この問題に触れないような態度が見えるのであります。勿論この生業資金は復金の一億円とは別個の性質のものでありまして、この際金額と交付期日を明らかにして頂きたいのであります。又戰歿者葬祭料は近く引上げする予定とお漏らしがありましたが、先の関東大水害に殉職した警官には二十万円の金が贈られたと、警視廳で私たちは聞いて帰つております。併しながら現在強制労働に服してそうして帰る人にさえ僅か五百八十円しか與えられておらないのであります。これらの点を十分御考慮願いたいのであります。特に現在引揚復員者は軍属千円、將校五百円、下士官兵二百円持帰り金限度となつておりますが、先に通過いたしました未復員者給與法がこれらの差別待遇をなくしまして、一律に同じ金額が與えられるようになつたのでありますが、新憲法の施行と同時に、速かにこれらの差別待遇をなくすべきは当然であると思うのであります。又物價高と睨み合せまして調整すべきは勿論であり、一般引揚者にいたしましても、持帰り金は今尚一千円で今日に至つておりますが、これらの改正を速急に要望するものであります。又未復員者給與法は軍人軍属と範囲が限定されておりますが、終戰直前應召になつた者は事務手続の欠陷により、又終戦後の強制徴用者の留守家族には何らの手当も國家は支給していないのであります。これ又、速かに何らかの処置を講ずべきであり、今日まで放置してあること自体が合点が行かないのであります。戰爭の犠牲は均等に負担するのが新憲法の精神でもあり、同じ環境にある者が片一方のみ救済されまして他方が救済されないようなことは、最も是正さるべきであると考えるのであります。又未復員者給與法の支給額は國家の情勢よりいたしまして余りにも低額に過ぎるものでありまして、これについて引上げを考慮しありや、併せて厚生大臣にお伺いしたいのであります。  次は外務大臣にお尋ねいたしますが、ソ連地区に残つておりますところの同胞の送還につきましては、総理大臣、外務大臣の御説明にも少しありましたが、勿論、連合軍司令部の絶大なる厚意に私たちは大きな期待を持つておるのでありますけれども、送還中止になりました四ケ月間の二十万の送還は、解氷と同時に一月五万をプラスして頂いて、そうして送還して頂くよう、又是非共本年中には全部の引揚が完了して、四年目の冬を迎えることがないように外務大臣努力をば切望して止まないものであります。(拍手)(「同感」と呼ぶ者あり)中共地区の残留同胞につきましては、今尚相当数の婦女子を含む十数万の者が残されておると聞いておりますが、この際、その数字と帰還取計らいに関して如何ようなる処置が講ぜられておりますか、できるだけ詳細にこの際承わりたいのであります。  次に訓令に基きまして外地出先公館が居留民より借入れましたところの九億二千万円は、第一國会の陳情、請願におきまして、当然処置すべきとして採択されておるのでありますが、これは政府の責任において拂い出すべきものであり、いつ拂い出されるか。この点について明確に承わりたいのであります。とにかく外務大臣は、七百万の引揚者、復員者が思いもよらない敗戰という事実に遭い、内地引揚という事態におきましては、外地より内地の受入態勢に入るまでは杖とも柱とも頼む親柱であります。少くとも所管大臣に引継ぎ更生を見届けるまでの義務があると考えられるのでありますが、内地定着に至るまでの更正対策につき親身の世話が行き届いたかと申しまするのに、それは甚だ残念でありますが、我我は外務大臣の親身の世話は十分に行き届いていないというふうに解釈しておるのであります。七百万の犠牲者の期待は、現在の國情からいたしまして対外的にも折衝の少い現状であり、その揮い所のないお家藝の外交手腕を專ら彼ら犠牲者たちの更生の方に向けて頂きたかつたのであります。第一國会におきます特別委員会におきましても再三の出席要請をいたしましたが、これについても誠意が見せて頂けなかつたのであります。引揚問題につきまして最も責任のある所管大臣ということをば、この際お忘れないようにして頂きたいのであります。  次に大藏大臣にお伺いいたしますが、中國地区におきまして強制留用を受けた技術者の作業賃金五千円の内地拂と、東南アジアの英軍下作業隊は昨年六月以降の作業に対しましてポンド表示のパーズナル・アカウント・カードを携行帰還いたしておりますが、このカードの表示金額は八万四千ポンド、邦貨に換算いたしまして一千七百万円となつておるのでありますが、これらの支拂に対して如何ように処置されか。この際明らかにして頂きたいのであります。又免税の点につきまして、当初帰還者は法的根拠によりまして、一ケ年間の免税特典が與えられたのでありますが、この期間後に帰つて來た者は何らの特典にも浴していないのであります。これらに対しましては公平に免税の特典を與えるべきであり、大臣の所信をお伺いしたいのであります。尚先に厚生大臣に伺いましたるところの生業資金、外務大臣に伺いましたるところの外地公館借入金につきましても、予算等についてお知らせが願いたいのであります。  次は逓信大臣にお伺いいたしますが、軍事郵便貯金通帳は、他の銀行預金通帳と違いまして飽くまで政府の責任において支拂うべきものであることは勿論であります。併し目下のところ一千円までの拂戻しをした上通帳を引上げられておる者が百三十一万八百六十七通に及んでおるのであります。これに対しまして第一國会の特別委員会におきまして、引上に対する根拠につき質問いたしました際に、政府当局は、檢閲の必要があつて引上げたという御回答でありましたけれども、終戰三年にもなりまして未だに檢閲が完了しないということはますます了解に苦しむところでありまして、他の持帰り書類と共に許可範囲に入つておるにも拘わらず、而も何らの指示も與えず、預り証一本で引上げて今日に及んでおることは誠に感心しないものである。私はここに逓信大臣の責任を追及すると共に、この通帳がいつ本人に返済されるやお伺いいたしたいのであります。尚仄聞いたしますに、逓信省におきましては、終戰時の八月十五日以前の分に対しては全額を拂い、その後の貯金は一千円まで拂戻し、残額切捨の省議決定の様子を伺つておるのでありますが、九月二十三日前の貯金は当然全額拂戻しすべきだと思うのであります。この点と前者の解決案を以てするには、三十七億円の一般会計支出は当然支出せねばならんことになりますが、これらの予算について詳細に承わりたいと思うのであります。尚郵便貯金は非常に零細なる金をば丹念に貯金したものである。この貯金通帳を取上げられた家族には実に切実なものがあるということをば附言いたして置きたいのであります。  次に労働大臣にお伺いいたしますが、失業保險法、失業手当法は労働者四百五十万のみを対象とされておりますことは誠に遺憾に堪えない次第でありまして、先程述べました通り、敗戰國民の誰かが拂わねばならないところの代償として労働に服して帰つて來た者は、國家の責任において考えるべきは当然でありまして、これらの者は帰つて來た日から失業者なのであります。勿論これについては第一國会において、大臣はこれに代るべき何らかの処置を講ずる予定であるということを言明されましたが、本國会においてこれを実行する意思ありや、御回答が願いたいのであります。このことについては船員保險法についても同様でありまして、厚生大臣の所信も併せて伺いたいのであります。  次に農林大臣にお尋ねいたしますが、一般引揚者の中で、農地調整法によりまして、たまたま帰國して唯一の生活手段たるべき自分の所有する田地をば頼みの綱として帰つて來て見ますと、土地は不在地主として取上げられて、生活の道を断たれている者が多数に上つておるのであります。これらは速かに解決すべきでありまして、中には夫を失い、多くの子供を抱えて、僅かに自己の田地を頼みの綱としている誠に気の毒な人たちが多数含まれておるのであります。農地委員会にそれぞれ努力を試みましても、なかなか解決は困難でありまして、この際根本的な解決より以外に途なき状態にあるということを強く指摘いたしますと同時に、はつきりしたお考えを伺いたいのであります。  最後に住宅問題でありますが、この問題はひとり引揚者のみではないが、中でも一番困つておるのが引揚者であります。先日東京都四谷の穴居生活者の録音放送にもありました通り、二回までは優先的に抽籤を認めるが、三回目からは又白紙に還つて申込をせねばならないというような事情でありまして、いつになつたら住宅が貰えるのやら、又特に袖の下がものを言うと言つておりましたように、実に切実なものがあるのであります。これらに対して具体的の対策をどのように進めておられるか。その計画をお知らせ願いたいと思うのであります。  以上で私の質問を終りたいと思うのでありますが、最後に一言附言さして頂きますが、引揚者たちは決して特別の取扱を要求しているのではないのでありまして、新憲法の精神に準拠いたしまして、最低生活の保障とその権利を強く主張するものであります。ややもすれば引揚者は特別待遇を要求するかのごとく誤解されていることは誠に残念であります。  以上の私の質問を通じて、政府当局におかれましては、これら七百万及びその親族、家族たちもやはり同じ血を分けた日本人であるということをお忘れなく、又この國会も、政府も、これら戰爭犠牲者の犠牲の上にたつておるのだということをば強く銘記されて、今後の施政につき万遺憾なきよう切望して止まない次第であります。(拍手)    〔國務大臣芦田均君登壇、拍手〕
  9. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 岡元君の御質問にお答えいたします。  海外引揚の同胞を如何にして救援すべきかという問題は、終戰以來歴代の内閣か当面いたしました最も重大な問題の一つでありまして、一昨年の秋から引揚問題の具体的計画がたちました当時、私自身厚生大臣として專ら引揚問題の解決に苦心をいたした経験を持つております関係上、その後の経過についても詳細に承知しておるだけに、私の責任の重大なることを常に感じさせられておるものであります。  只今外務大臣に対する質問の第一点は、ソ連に抑留されておる同胞の引揚促進について政府はどういう処置を採つておるかという点であります。この問題につきましては、第一國会当時にも一二回この席から政府の採り來つた措置を簡単に説明いたしたのでありますが、その後冬期結氷のために三月末日まで一時ソ連地区よりの送還を停止するという決定が、ソ連邦政府において行われたのであります。その前後、連合國司令部がこの問題の最善の解決のために如何に多大の努力を拂われたかということは、当時対日理事会の席上におけるアメリカ側の代表者とソ連代表者との間に交換された熱心なる討議の発表によつてもご承知の通りであります。爾來引続き総司令部はこの問題解決のために絶えず努力をされておること、我々の常に感謝しておるところでありまして、この上とも連合國側の最善の努力によつてこの問題の促進を図る以外に、差当り途はないのであります。日本政府としてはその努力に十分に期待を置いてよろしかろうと考えておる次第であります。  中共地区におります抑留者の数は、政府の得ました数字によれば大体六万人内外ということになつております。無論正確な数字を調査する方法が非常に乏しいのでありますから、正確なる統計等を取ることはむずかしいのでありますが、その中で中共地区に抑留されておる技術者、医師、看護婦、その他の留用者と称せられる人々は、最近比較的公正な待遇を受けておるしいう情報に接しておるのであります。これらの地区からの帰還者を一日も早く内地に送り還し得るように、いろいろの方面に努力しておりますが、國民党政府からの通報によりますと、中共地区を國民軍が奪回するに從つて、その地域からの在留同胞を日本に向つて送還することに努力するということを通知して参つておるのでありますが、何分御存じの通り、中京地区の政情は普通の國際的な法規を以て律することのできない地域に属しております関係上、政府の期待しておるごとく急速にこの問題を促進することができないような状態になつておるのであります。  第三は、在外公館及び居留民國等において、引揚のために必要な資金を民間から借入れた借金が未償還のままに残つておるのが、九億何千万円という額に達しておるのであります。この政府の借金は、理屈から言いましても、当然一日も早く償還すべきが政府の義務であります。それがためにすでに相当久しい以前から関係筋とも話合いをいたし、大藏当局、外務省当局の間にも種々の具体案を以て、今日まで解決に急いで参つたのでありますが、現在のところでは在外公館の借入金と難民救済費の金額及び使途の明細調査をいたしまして、その仕事もほぼ完了いたしております。関係筋との話合いが妥結に達することができれば、一日も早く償還いたしたいというので、目下それぞれ事務当局を督励いたしまして促進中であります。  最後に岡元君の御意見として、引揚者擁護の問題は政府並びに外務大臣の全面的責任であることをよく記憶すべきだという御意見でありまして、まさにその通りであります。この問題については主なる三つの点を考慮しなければならんのが現在政府の立場であります。それは戰爭による海外在留者の引揚げて來た後の擁護の問題は、三木政府のみの独自の判断では必ずしもその通りの施策が行われ得ないという特殊の制約があるという点が一つであります。  第二の点は、御承知の通りに、在外資産の処分、海外に持つておつた動産、不動産、預金、証券、これらの在外資産の処置は、平和條約の規定によつて決定されるのでありまして、それ以前に在外資産の問題を日本政府のみの独自の判断と措置によつて処分することは、可なりの困難があるという点であります。更に日本政府の一般原則の問題といたしましては、戰爭のために海外において失つたる資産の補償を内地に残留しておる同胞の負担において、これを全部償還することが果たして適当なりや否やという問題も解決しなければならん問題として残つておるのでありまして、これらの点が引揚者擁護の上に直接、間接の制約をなしておるということは、岡元君御自身も恐らく御承知のことと思います。重ねてこれらの点について、國会の御了承を得たいと考えておる次第であります。(拍手)    〔國務大臣一松定吉君登壇、拍手〕
  10. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 岡元議員の私に対しまする御質問は、身元不明の在外の同胞に関しての何か緊急処置は考えておるかどうか、それならばその点を明らかにせよ。それから海外同胞の引揚の受入態勢についての考え、並びにそれらの人々に対する更生資金の増額の問題、未復員者家族等に対する給與の引上げ問題等でありました。  第一の御質問の、生死不明者に対して何らか急速な手を打つて、そうしてその残つておる人々の財産上の問題、或いは結婚の問題、或いは生活の問題等に適当な処置を講ずる必要があるのではないか、こういう御質問は、私御尤もだと考えるのであります。自分らの戸主になる人や、その家の主な人が海外に出て、それらの人々の生死がいつまでも不明であるということのために、各種の権利に対して未確定の状態を長く続けしむるということのために、各方面に幾多の支障のありますることは、岡元議員のお考えの通りでありまして、これは是非急速に適当な処置を取らなければなりませんが、只今の実情を申しますると、ソ連地区以外におりまする人々は、丁度でき得べき限り今それらの関係事務当局におきまして調査を急いでおりまして、一々判明しました人々は、それらの家族の人に直ちにこれを通報して、御家族の御心配を幾分でも軽減するというような手続を取つております。又將來も勿論さようなことに取計らつて、少しでもそれらの方をお慰め申上げるということは当然な処置でありますから、そのことについて手落のないようにいたしますが、ただ遺憾な点は、ソ連地区に残つております人々の数が明確には分つておりません。ただ七十万と言い七十五万ということになつておりますが、それらの点は詳細な調査が困難でありまする結果、それらの数字も、それらの人々の氏名等も明らかになつておらんのであります。こういうことが明らかになり、從つてソ連地区外の方面に住んでおりまする人々の消息等も、自然に明らかになるのでありまして、これは相俟つてこれらのことを明らかにしなければなりませんので、只今ソ連地区方面の在留者の氏名とか人数だとかいうことが不明確の結果、他の方面におりまする人々の不明確なことも十分に調査ができないということを甚だ遺憾に思つております。併しながら岡元議員のお話の通りに、私も、これらの人の遺家族の人々の御心情を察しまするときには、本当に何とかして差上げたいと常にかように考えておりまするのみならず、これらの多くの人々から親展状やその他の方法によつて私の所に、何とかしてくれなければ困るじやないか、何とかしてくれなければ、こういうことがあるじやないかと言つて、本当に愬えて來る。その手紙を見る度ごとに、私は断腹の思いがいたしておるのであります。併しそういう点につきましては、今申上げるような諸般の事情のために思う存分にはできませんけれども、でき得べきだけ努力をいたして、そうしてそれらの人々の御家族に対しての御安心を得るように極力究明の処置を取つておるということについてどうか御了承を賜わりたい。  然らば、これらの人に対して何か法律上の処置を取る必要がありはしないかというような御質問であつたように思いまするが、これは私あると思う。長くそれらの人々の行方が不明であるというような場合に、権利関係を不確実にして置くということはよくありませんから、例えば失踪の方法を取るとか何とかしなければならんが、併しそれは又そういう処置を取つたがために、後日に至つて取返しの付かないようなことができるのであります。例えば有夫の婦が、夫が長く帰らない、それがために失踪の宣告をして、そうして、結婚は解消した。それがためにその残つておる寡婦が他の人と結婚をした、子供ができた、後に夫が帰つて來たというようなことのために、非常な悲劇が起るというようなことが、これは勿論実際あることであり、又想像のできることでありまするから、そういう点につきまして、法律上の処置を急に取るということがよいか悪いかというようなことも、政府としては考えて見なければなりませんので、これらの諸点を睨み合せまして、後日に至つて困ることのできない事実を確めた上に処置を取るということが必要であろうと思うのであります。併しながら御質問の趣旨に随いまして、成るたけ取急いでそれらの人の状況不明者の処理をいたすということについて努力をいたすことをお約束申し上げます。  それから次には、受入態勢でありまするが、樺太の引揚無縁故者の收容施設につきましては、昨年十月に約一億円の予算を計上いたしまして、予算ではありません、國庫補助金を出しまして、そうして北海道や東北六縣に三万人の受入態勢を整えるために家屋の建築をいたしたというようなことは、前議会において御報告申上げて置きましたが、その後この引揚が思うように捗らないのみならず、停頓するのを止むなきに至りました外務大臣の御報告のごとき実情のために、この無縁故者以外の縁故者でも、帰つて参りました時に、いろいろな事情のために自分らが入ることができないというようなために、一時無縁故者のために建てた建造物の中に入つて頂いて、そうして暫くの困窮を凌いで頂いておつたのでありまするが、併しながら段々無縁故者が引揚げて來るというその数が多くなりまする結果、それらの人のために建てた家に、縁赦者の人を一時入れておつたということのために支障を來しておる実情でありまするから、成るたけそういうような方のためには別に入る所を見出しまして、そうしてそういう方面に移轉して頂く、いわゆる轉用施設を整備しなければならんということにおいて、目下頻りに計画を進めておりまして、そういうことの支障を成るたけ少くいたしたいと、かように考えております。(「四月に門に合いますか」と呼ぶ者あり)間に合いますまいが、間に合うように努力するということ以外に、今すでに置いておるものをとるというようなことはできませんから、できるだけ努力をいたしまして、成るたけ御希望に副うように努めるということにおいて一つ御了承を賜わりたいのであります。(「言うばかりではし方がないじやないか」と呼ぶ者あり)  次に、生業資金の問題でありまするが、これは尚第二次生業資金の残額が一億六千万円程ありまするから、これを頻りに放出することに努めておりまするが これ以外に私は五千円の現在支給いたしておりまする金額を、少くとも七千円までに殖やしたいということも、前議会で申上げて置いたのでありまするが、なかなかそれが関係方面との折衝がうまく参りません結果、大藏大臣にもお願いをいたしまして、復金の方からこれを一時融通して頂くということにいたしまして、復金の方では一億円ぐらいは何とかしようということで、いろいろな方面において只今折衝いたしておりまするが、(「大臣それは違う」と呼ぶ者あり)それ以外に應急措置といたしまして三月までの繋ぎ資金として、今金額を申上げられませんが、相当多額の金を関係方面に折衝いたしておりまして、それが許されることになりました曉には、三月までの繋ぎ資金というものは、その折衝の結果に基いた金額について、これを支出しようということでありまして、今関係方面に頻りに交渉を続けておりまするから、余りこれの実現も遠くないと考えておるのであります。(「何パーセント行渡りますか」と呼ぶ者あり)それはその金額の確定した上でないと今申上げられませんが、今私交渉しておる金額は持つておりますが、それを今ここで申上げますることは、これらの折衝に支障を來そうと思いますから、その点は一つお許しを賜わりたいのであります。  それから未復員者の給與につきましての御質問でございまするが、これは私は勿論御質問の通りでありますから、これは改正しなければならんと考えております。今までは帰郷旅費が三百円であります。これを引上げて千円程に引上げて見たい。それから扶養手当は扶養者一人について百五十円でありまするが、これを三百円、死没者に対しましては遺族の遺骨受取のための出張旅費二百八十円、埋葬費が三百円ということになつておりますけれども、この遺骨受取の旅費を六百円、埋葬費は五千円に、合計五千六百円に改正いたしたいと思つて今努力中でございまするが、これが未だ実現しない間においてこのことを確答申上げるということは、これは出過ぎるのでありますけれども、私の今考えておつて現に折衝中の金額はこの通りであるということを一應御報告を申上げて置きます。要するにこれらのことは努力をいたしまして、そうして実現をして、それらの皆様のお困りの点を幾分でも軽くして差上げたいというような考えを持つておるのであります。  それから海外残留の同胞者の中に船員も含まれておる実情でありまするが、これに対しましての保險給付はどうするかというような御趣旨の御質問であつたのでありまするが、船員失業保險のこの点は、これは只今私の方の所管であります。十一月一日以降におきまして、船員保險の被保險者である資格を喪失したる人に対してはどうすればよろしいか、こういう点に対しましては法律に決めてありまする條件を具備いたしますれば、失業手当金を支給することができるということになつておりまするし、又その以前に船員保險の被保險者である資格を喪失いたした者でも、同じく一定の條件を具備いたしますれば、脱退手当等の保険給付ということができることになつておりますから、これらによつて処理いたしたいと考えておる次第でございます。(「引揚者の家族手当を増額しろ」と呼ぶ者あり)    〔國務大臣三木武夫君登壇〕
  11. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) 岡元君の私に対する御質問は、軍事郵便貯金通帳の引上げの問題と、軍事郵便貯金の今後の拂戻についての御質問であつたと思います。御指摘のごとく軍事郵便貯金通帳は一千円を拂戻しいたしました後は、これを引上げておるのであります。その理由は御承知のごとく、戰時中の混乱した事態から、現在の軍事郵便貯金の約半数は原簿に登記されてないものがあるのであります。貯金局において原簿に登記されておらないものが、かくのごとく多数でありますがために、その内容を調査いたす必要もございますし、又一千円を支拂つた後の残高の拂戻方法につきましては、これは逓信省の一存には参らないのでありまして、後程申上げたいのでありますが、これに対して拂戻の方法が決定いたしました後は、直ちにその金額を記入いたして預金者にこれを返還をいたすことになつて、その期間中保管をいたしておるのであります。勿論旧郵便貯金法の第十六條、新郵便貯金法の第二十二條に、通帳の提出を求めることは法律的根拠を持つておることであります。併しいずれにいたしましても、できる限り早くこの問題を解決いたす必要がございますので、現在大藏省、厚生省と頻繁に一千円の後の拂戻の方法について檢討をいたしておる次第であります。一千円と最初に決めました理由は、何分にも現地から貯金の資金が到着をいたしておりません。又軍人の貯金は大体一人一千円を以て支拂が完了するのではないか、こういうふうな当時の見解から、かように決めたのでありますが、今後逓信省といたしましては、できる限りこの拂戻の全額を多くしたい。こういう見地から関係各省と相談をいたしておるのであります。岡元議員の御指摘になりました終戰までの軍事郵便貯金は全額を支拂つて、それから以後の軍事郵便貯金は棚上げするというふうに決まつたということは事実かというお話がありましたが、そういう案もあるのであります。第一案、第二案、第三案といろいろな案を立てまして、できる限り多くの金額を支拂いたいという見地から、いろいろな案を立て檢討いたしておりますが、これは逓信省といたしましても、この貯金者の今日のいろいろな状態を考慮いたしまして、できる限りこの問題の解決は速かにいたし、而も諸般の事情の許す限りできるだけ多くの拂戻をいたすように、責任を持つて努力する考えであります。お答えいたします。(拍手)    〔政府委員小坂善太郎君登壇〕
  12. 小坂善太郎

    ○政府委員(小坂善太郎君) 岡元さんからいろいろ御質疑がございましたが、私共平素特別委員会におきましていろいろとお話合いをいたしておりまして、常に御熱心な、非常に深く考えられた御態度に敬意を表しておるのでありますが、この問題につきまして更にこの場からいろいろお答え申上げたいと思います。  第一点は、生業資金の問題がございましたのでありまするが、我々といたしましてこの問題につきましては、只今厚生大臣からもお話がございましたように、いろいろと諸般の困難なる情勢の中におきまして何とかいたしまして、幾らかでも余計に生業資金を差上げることができますように、努力をいたしておるのであります。從來までの経過を改めて申上げますると、昭和二十一年度におきまして、第一次計画といたしまして十億円、二十二年度におきまして、第二次計画といたしまして六億六千万円を計画いたしたのであります。昨年の十月の末までに、すでに通計いたしまして十三億五千万円の貸出を行つたのでございますが、更に十一月中に一億五千万円を貸付けました。更に又十二月中には、特別委員会の非常に御熱心なるお話もございまして、私共も誠にさようであると考えまして、一億六千万円を國庫から又貸付資金として支出して、この支出につきましては、特別な迅速なる措置を以て、都道府縣廳に対しましてこの配付方を通達いたしまして、それぞれ交付済になつておる次第でございます。併しながら只今御指摘のように一月二月三月分が差当り計上されておらないように見受けられるかも知れないのでありまして、この問題につきまして、仰せまでもなく我我としては十分関係方面と話合いをするように考えまして、只今努力中でございます。その金額につきましては、只今厚生大臣からも金額はちよつと言えないというお話がございましたのでありますが、只今折衝の段階にありまして、この金額を申上げますことは却つて如何かと思うのでございます。この点は差控えさして頂きたいと思うのであります。  尚こういつた生業資金を差上げまする外に、又事業体として一つの事業を営むようになつていらつしやる方々についても、今後特別にこれについていろいろと政府といたしまして心配いたさなければならないと考えておるのでありますが、差当りまして、復興金融金庫から、提案の中小企業に対して金融をやつております商工組合中央金庫の活動がやや敏活を欠いておるように見受けられますので、商工中央金庫の機能を拡大強化いたしまして、敏活ならしめることに政府として特別の措置を取りまして、そうしてこれに対して特別の枠を差上げるというように考えておる次第であります。この問題につきましては、更に詳細に亘りまして、特別委員会においていろいろ申上げたい、かように考えておる次第であります。  第二点の、引揚者の持参金の限度の差別撤廃の問題がございましたのでありますが、これもすでにお答えがありましたので、私共としては簡単に申上げまするが、これ亦関係方面の意向を十分に斟酌いたさなければならん事情もございまするので、それぞれ幾らかでもできるだけ御要望に副うように、私共として努力中でございます。  第三点といたしまして、英軍の作業隊、なかんずくビルマ方面からの作業隊の帰還されました方々が、作業報酬として発行されました個人の計算カードに対する支拂の問題がございました。この問題に関しましても、レートの問題もございまするし、又関係方面の意向を十分に酌み入れなければならん現状でございますので、この問題につきましても只今のところ計画に申上げる段階に達しておりませんことを非常に遺憾に思うのでありますが、今後におきまして、できるだけ早い機会に明確に御答弁申上げるような状態を作りたいと考えておる次第であります。  更に第四点は、在外公館借入の問題でございました。これにつきましては、外務大臣からすでにお答えがありましたところでありますが、我々といたしましては、これは当然に政府として支拂うべきものであるというように考えまして、このことを関係方面と折衝いたしております。  第五点といたしまして、一般の引揚者の免税点の引上げの問題がございました。戰災者につきましては、戰時中に戰時災害國税減免法によりまして、租税の減免がなされておつたのでございまするが、この法律は、收戰後廃止になつたのであります。引揚者に関しましては、事情は誠にお氣の毒であると思いまして、何とか特別の措置をもつと考えるのでありまするが、すでにこういつた法律がない以上、引揚者だけにつきまして特別に、引揚者なるが故に免税点の引上げを行うということも、これは諸般の情勢から考えまして、困難な事情であるのであります。この問題に関しましては、そういつた方面からでなくして、むしろ積極的に生業資金その他の問題において考慮をして行くというようにしたら如何かという(「ない者から取れないじやないか」と呼ぶ者あり)……よく聴き取れませんでしたが……(「所得のない者から税金は取られませんじやないですか」と呼ぶ者あり)要するに税金というものは、所得のあつた者について掛かるのでありまして、所得があつた場合にこの免税点を特に引き上げるということは、困難であるという事情を申上げたのであります。以上につきまして、簡單でございますがお答え申上げまして、我々といたしましては極力努力いたします。(拍手)
  13. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 波多野農林大臣、米窪労働大臣、木村國務大臣は、只今出席不可能の由でありまして、後日答弁をせられる趣であります。
  14. 岡元義人

    ○岡元義人君 ここから簡單でございますから、お許し願います。(「壇上へ行け」と呼ぶ者あり)
  15. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 質問でありますか。
  16. 岡元義人

    ○岡元義人君 今の質問に対して……
  17. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) よろしうございます。簡單なら、その席でよろしうございます。
  18. 岡元義人

    ○岡元義人君 それでは申し上げます。生業資金の問題と復金の問題は明らかに別であるということをば指摘しておるのでありますが、厚生大臣にこの点についてお分かりがないのであります。この際もう一回改めて、別個の問題であるということをばはつきりして頂きたいのであります。(拍手)    〔國務大臣一松定吉君登壇〕
  19. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 私のお答え申上げましたのは、いわゆる五千円の生業資金の問題を申上げたのでありまして、その点について、五千円では足りないから、これを二倍にせよとか、三倍にせよというような要求が今ありつつありますから、その点をこの機会に申上げたのでありまするが、そういうふうに二倍、三倍ということはできないから、私の考えとしては七千円程にこれを引上げたい、ついてはそれらの点を関係方面に交渉しつつありますが、なかなか思うように行けないから、大藏大臣に、これに対して、復金の方から一億円程のものを融資して頂くという手筈をして、そういうことについて今(「それは根本的に違うじやないか」と呼ぶ者あり)そういう方面に努力をいたしておると、こういうことを申上げたのでありまして、今あなたの(「厚生大臣、それはしつかり考えなければいかん、根本的に違うよ」と呼ぶ者あり)一月、二月、三月分の生業資金の貸出については、関係方面と鋭意折衝中であると、かように申上げたのであります。      ―――――・―――――
  20. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) これより日程に入ります。日程第一、賠償廳臨時設置法案、日程第二、連絡調整事務局臨時設置法案(内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 御異議なしと認めます。先ず委員長の報告を求めます。決算委員長下條康麿君。    〔下條康麿君登壇、拍手〕
  22. 下條康麿

    ○下條康麿君 連絡調整事務局臨時設置法案外一件につきまして、決算委員会の審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げたいと存じます。  この度の戰爭終結に伴いまして、連合國官憲との連絡のために、終戰連絡事務局が設けられたのでありまするが、爾來二年有余を閲しまして、連絡事務を大体各官廳と直接に取引いたしまして、今後はむしろ連絡調整という方面に重点を置くことが必要となつて参つたのであります。加えまして連絡調整というような統轄的な機関でありますというと、外務省所管よりもむしろ内閣所管に帰しまして、内閣総理大臣の管理の下に置くことが適当であるということに考えられますので、今回連絡調整事務局というものが設けられて、それは内閣総理大臣の管理の下に置くということにいたす案になつております。  それで、この連絡中央事務局は官房の外に三部が設けられまして、尚全國に連絡のための地方事務局並びに出張所が設けられることになつております。又各官廳の今申したような連絡事務のための綜合調整のために、連絡調整委員会というものが設けられまして、その間の連絡を取ることになつております。これに関連しまして、外務省官制中に一部改正を加えまして、特殊財産局と特別資料部というものが設けられることに相成つております。  賠償廳設置法案につきましては、これは今申した終戰連絡事務局の中に賠償部というのがあつたのでありまするが、いよいよ賠償問題も本格的に処理を必要とすることになつて参りましたので、今度は賠償廳というような独立のものを作りまして、そこで賠償実施の基本的事項の企画、立案、賠償実施に関する諸官廳の事務の綜合調整というようなことを取扱わせることに相成つたのであります。その長官は特に賠償事務の重要性に鑑みまして、國務大臣が当ることに相成つております。  この両案は密接な関係がありますので、決算委員会におきましては一括して審議いたしたのでありまするが、第一に問題になりましたのは、今行政整理を差控えております今日、幾分でも行政機構の拡張を図るような処置は適当ではないというような考えがあつたのでありまするが、これに対しましては、政府としては人員は別に増加しない、そして費用につきましてもまだ予算が決まつておらないけれども、極めて少額であつて、決していわゆる拡張というような性質のものではないということでありました。  それから中央機関の出先機関を整理せよということが問題になつておる今日、いわゆる連絡事務の地方事務局というようなものを整理してはどうかというような意見もあつたのでありますが、これにつきましては、むしろ今後におきましては、地方の機関を強化する必要があるということがその筋から要望されておるような現状であつて、このままにして置きたいというような考えでありました。  尚その法文の体裁につきまして二つの問題がありまして、一つは連絡調整事務局というものがあつてその中に地方事務局と中央事務局というふうになつております。官廳としては中央事務局並びに地方事務局が官廳でありまして、連絡調整事務局というものはないのであります。で、形におきまして連絡調整事務局ということが、如何にも法文の体裁上面白くないというような、役所内の名前が出ておるわけでありますから面白くないということが問題になりましたが、併し先例もありますし、一應こういうような書き方を認めたのでありますが、今後につきましては政府におきましても相当注意をして、こういうふうな取扱いを改めるということの言明が法制局長官からありました。  尚この賠償廳の組織の細目は、長官が決めるごとになつておりますけれども、これは部局程度のものではなく、極めて細目即ち課、その以下の程度でありまして、結局賠償廳の組織というものは、長官、次長の下に部局がなくて六つの課が設けられるという程度のものであるということでありました。若し部局を設けるようなことであれば、無論これは法律で決めるわけであります。そういう点につきまして法制局長官から弁明があつたことを申上げて置きます。  かような次第でありまして、決算委員会におきましては、二つの法案とも別に異論なく、適当な措置であると考えまして、可決いたしました次第であります。簡単でありますけれども、委員会の経過の御報告を申上げました。(拍手)
  23. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います    〔総員起立〕
  24. 松平恒雄

    ○議長(松平恒雄君) 統員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。これにて本日の議事日程は終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十六分散会