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1947-11-20 第1回国会 参議院 治安及び地方制度・司法連合委員会 5号 公式Web版

  1. 付託事件 ○警察法案(内閣送付)   ――――――――――――― 昭和二十二年十一月二十日(木曜日)    午後一時三十一分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○警察法案   ―――――――――――――
  2. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) それではこれより治安及び地方制度委員会並びに司法委員会の連合委員会を開会いたします。警察法を議題に供します。前回に引続きまして、第一條乃至第十九條までの質疑を継続いたします。
  3. 岡田喜久治

    岡田喜久治君 前回の会議で、第一條から十九條までの質疑が残つておるはずでありますので、その点についてお伺いいたしたいと思います。前回の会議で、鈴木委員及び小野委員でありましたか、御両君から、警察の根本観念についてのお話があつたに拘わらず、当局の御説明につきまして、どうも腑に落ちない点のみであつて……。
  4. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) お答えいたしますが、その点に対しまして、今内務大臣を呼びにやつておりまして、内務大臣からその点に対する御答弁があるはずであります。今すぐ參るそうであります。
  5. 岡田喜久治

    岡田喜久治君 それでは内務大臣が出席の上にいたしましよう。保留いたします。
  6. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 他の御質問ございますか。
  7. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私は内務大臣の御答弁の後に、必要があつたら質問したいと思つております。
  8. 山下義信

    ○山下義信君 では企画課長が見えておるようですから一つ伺つて置きますが、最近地方に、追放に処せられたような署長などが中心になりまして私立探偵社というようなものを段々設立しておりまして、いろいろそういう方面の仕事をやつておるようなふうでありますが、ああいうものはお許しになります方針でございますか。関聯しておりますので、御当局の御意向を承りたいと思います。
  9. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 只今お尋ねがありました私立探偵社のことでありますが、私も新聞紙上で最近ちらほら廣告が出ておるのを見て、さようなことがあるのかと承知しておるのでありますが、その程度の知識しか持つておりませんが、私の知つております範囲におきましては、ああいうふうなのは一つの営業でと思います。これを禁止するような根拠のある法令は出ておらないのでありまして、あれがどういうふうに活動しておりますか、実際職権を持つておる者でなければできないような活動をしておるのかどうか、若しその間におきまして、本來の警察官の職務の執行に支障でも來すような働きをするような事態がありましたならば、適当に國会の方でもお考えを願うようにしなければならないのじやないかと存じております。簡單ではありますが私の知つております範囲ではそれだけであります。
  10. 山下義信

    ○山下義信君 ああいうものは、私思うのに、放つて置けばこれから沢山出るのではないかと思います。これは長所と欠点と両面あるのじやないかと思うのです。長所とすれば、こういう自治体警察、いわゆる民間警察なるものが、制度の上のものではなくして、民間の協力的なる防犯的なるもの、又犯罪の檢挙に協力するようないろいろな組織というものが、警察自体が段々そういうふうになつて行くから、それに関聯して警察の仕事を助けるという、民間のうういつたものが発達するということも肯かれる面があります。同時に今企画課長の言われたように、それが本來の警察の仕事にタツチして、いろいろと邪魔になる面もあると思う。これらのことは、こういうふうに警察の制度が変つて参りますにつれて当然起る現象で、或いは外國などでは相当発達しておるような所があるのじやないかとも思われまするので、当局においても相当御調査なり御研究になつて將來のことも考えて置かれる必要があるんじやないかと思うのであります。
  11. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 御意見の点は承知いたしましたので、関係の者にも傳えまして、内務省として考えることにいたします。
  12. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 今度の新制度において、公安委員会というものができるのでありますが、この公安委員会というものの委員に対する一つの制限規定がありまするが、元來兼職、兼務は許されないものであるか。國家公安委員会の方並びに自治体の委員会、それらに対しまする政府の御見解は、どういうふうにお持ちになつておるか。全然委員は他の業を兼ねることができないのであるか。若し兼ねることができるとするならば、どの種のものならばよろしいのであるか。それから國家公安委員会の方は、檢事総長と同格の程度の俸給を受けるということになつておることからみますると、恐らく兼務を許さないのじやないかと思いまするが、自治体の方の場合には、非常に警察の管轄その他の点において小さいのでありまするし、又費用負担等につきましても、当然國家公安委員会の場合とは違うと思います。その点に対しまする政府の御所見はどんなものでありまするか承りたい思います。
  13. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 國家公安委員の兼職の点につきましては、第六條におきまして、國家公務員法第三章第七節の規定を準用するということにいたしております。そこで國家公務員法の第百三條乃第百四條の制限を受けるわけでございまして、國家公安委員が営利企業を営なまんとする場合、その他報酬を得て営利企業以外の團体の役員若しくは顧問等となる場合には、その所轄廳の長の許可を受けなければならない、こういうことに相成るのでございます。この場合の所轄廳の長は、この法案の第四條によりまして、内閣総理大臣ということに相成ります。國家公安委員の方は、この第九條にも揚げてあります通り、これを御指摘になりましたが、檢事総長の俸給に準ずる報酬を受けることにいたしておりますのでこれと相関聯いたしまして、原則として兼職は許されないものという方針で進むことに相成つておるのでございます。都道府縣公安委員及び市町村の公安委員につきましては、第二十二條第二項におきまして、都道府縣の公安委員の服務に関する規定は、國家公務員法第三章第七節の規定は順次都道府縣規則でこれを定めるということに相成つておりまして、この第二十二條の規定が第四十四條によりまして、市町村の公安委員の兼職の禁止についても準用せられるということに相成つております。市町村及び都道府縣の公安委員の兼職につきましては、今申述べました國家公務員法第百三條及び第百四條の規定に準じた都道府縣規則市町村規則ができることに相成るのでございますが、この場合におきましては國家公安委員とは異りまして、國家公安委員の方は全國から人を得るわけでありますので、その選考の範囲も廣く、相当適材を得られるのではないかと思うのでございますが、市町村などに至りますと、なかなか選考の範囲が狹められておりまして、むずかしい條件を附けますと、適当な人が得られないことを虞れるのであります。そこで國家公務員法第百三條及び第百四條の規定に準じて作ります都道府縣の規則におきましては、原則として外の事業を営んでもよろしいということの方に重点を置いて、これから規則を作つて貰いたいものだと考えております。どういう種類のどういう範囲の仕事は兼職を許すことが適当でないかということになりますと、これはそれぞれ市町村長、府縣知事が具体的な場合に当りまして判断をいたすことに相成ると思うのでございますが、抽象的に申しますれば、その人の職務、他の仕事を兼ねることによりまして、公安委員としての職務の執行の適正を欠くような虞れのある仕事は、これは恐らく都道府縣知事、市町村長において許可をしないであろうと思うのでありまして、法律自体におきましては、この兼職の範團におきましては、何ら特別に制限は設けておらないのでございます。それぞれ都道府縣知事、市町村長の適当なる判断にお任せすることに相成ることになつております。
  14. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 そういたしますと、政府の方で以て全國同一の一つの方針というものは決まつていないのであるか。又各府縣の規則は各府縣の全然自由に決めるのであるか。尚市町村、都道府縣の委員会の委員となりまする者に対する待遇等については、やはりこの兼務を許すとするならば、全然無報酬であるか。或いは又若干の報酬を與えるのであるか。その点について、例えば弁護士法の規定によりますと、弁護士等は報酬を得る公務を兼ねることができないというような禁止規定がありますので、弁護士などは若し報酬がありとするならば抜けることになる。それらの点を御考慮になつてのことであるかどうか。それらについて伺いたい。
  15. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 都道府縣公安委員及び市町村の公安委員の服務に関する規則の制定につきましては、我々の方からは統一的な支持はできないのでございまして、只今のところ考えておらないのであります。報酬の点につきましては、この法案の第二十五條によりまして、都道府縣は委員に報酬を支給し、委員が職務を行うために要する費用の弁償をしなければならない、こういうことになつておりまして、この二十五條の規定が同じく第四十四條によりまして市町村の公安委員にも準用せられるということになつております。報酬の額等につきましても、只今のところ画一的な方針を指示するつもりはないのでございまして、これらの報酬の額は都道府縣知事、市町村長がその委員の現在の地位、職業、收入の内容をお考えになり、又兼職を許すといたしますならば、その兼職の範囲、どの程度公安委員としての務職に実質的に御関與願えるかというようなこと、あらゆる事情を綜合いたされまして、都道府縣会、市町村会の方に議案を提出になつて、御決定に相成るものと考えております。  尚只今の弁護士と委員との関係でございますが、若しも弁護士法の方で報酬を受ける仕事には許可を得なければならないということになつているのか、或いは全然委員となることができないというような、そういう報酬を受ける職に就くことができないことになつておるのか存じませんので、立入つた御説明ができないのでありまするが、若しも絶対に委員は報酬を受ける職に就くことができないのだということになつておりますと、本法案の二十五條との関係におきましては、弁護士の方が委員になることが少し困難になるのではないかと考えますので、又この点はよく研究をいたしまして、お答えをいたすことにいたしたいと思います。
  16. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 國家公安委員の方でありますると、兼職を許されないということになりますれば、当然職務の執行等につきましても、紛淆は起りませんけれども、都道府縣、市町村の方が以て公安委員が非常な重要な大きな権力を持つのでありまするが、その場合に兼職を許しておつて、その職務の完璧を期することができるというお見込であるか。  尚私はこの際第五條の委員の制限規定に対しまする詳細なる御説明を一つ承りたいと思います。制限規定は極めて狹義に解するのであるか、或いは廣義に解するかという点があろうと思います。尚この際承つて置きたいと思います。
  17. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 只今のお尋ねの兼職を許して、公安委員としての職務が十分にやられるかどうかということでございますが、それは公安委員の仕事のやり方に相当関係するのではないかと考えるのでございます。若し公安委員が適当なる警察長を得られまして、信頼し得る者と認められまするならば、相当程度警察長に仕事をお任せするのではないか、こういうふうに考えるのでございまして、一概に兼職を許すというわけに行かない、或いは兼職を許してもいい程の軽い仕事というふうには判断をしてはならないのでございます。  第五條の委員の欠格規定でございますが、この点につきましては、先般私から一應の御説明をいたしました。その際に……、ちよつと速記をお止め頂きたい。
  18. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) ちよつと速記を止めて    〔速記中止〕
  19. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 速記を始めて。
  20. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) この第五條の官公廳における職業的公務員と申しますのは、政府及び地方公共團体から俸給を得まして、政府又はその地方公共團体の職務に從事しております一切の公務員を含む、こういう解釈でございます。
  21. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) この際前回御質問になりました岡本君、鈴木君、小野君の御質問に対し、内務大臣の御答弁をお伺いすることにいたします。内務大臣
  22. 木村小左衞門

    ○國務大臣(木村小左衞門君) 小野君の御質問に対してお答えいたします。丁度私おりませんで、御質問の要旨を親しく拜聽することができなかつたのでありまするが、政府委員の承つたところ、傳えてくれましたのでお答え申上げます。警察は市町村の固有の事務であるか、本來は國家の事務で、これを市町村に委任しておるものではないかというような御質問のように承りましたのですが、警察の事務の内容は、從來大体観念的に行われて、本來市町村に固有なるべき事務と、國家自体の事務とみなすべきものと、双方二つがあるとこう考えまして、本法案におきましては、この双方を合せまして、一定の市町村においては、これを当該市町村事務といたしたものであります。尚人口の五千以下の町村等におきましては、その町村の状態及び実力が、本來その團体に固有すべき警察事務の執行をも不適当でないと認められまするために、公共の福祉のために、これを國家が本來國家事務とみなすべきものとして、併せてみずからこれを行うことといたすことにおいて、この法令を作りましたものでございます。  尚第二は警察の最終の責任は、何人に帰するか、こういう小野さんの御質疑でありましたが、最終の責任ということは、どういうことでありまするか、ちよつと私ははつきりいたしませんけれども、最終の責任ということの意味が、國家非常事態を布告すべき場合であると考えまするならば、勿論これは最終の責任は内閣総理大臣に帰著すべきものであります。又その法律案の規定するところに從いまして、自治体の警察を持つところの市町村の区域においては当該市町村、その他の地域は、内閣総理子臣の下において、國家公安委員会と都道府縣公安委員とが、それぞれの地区内の責任を持つておるものと考える次第であります。  尚引続きまして、岡本議員の御質問の要旨にお答えいたします。警察は國家事務なるか、市町村の固有事務なるや、地方自治法改正案第百四十六條との関係はどうであるか、こういう御質疑と承りましたのでありますが、警察が國家事務であるかどうであるかという点につきましては、先程小野君に対する答弁で了承いたして頂きたいと思いますが、改正案の第百四十六條との関係は、同條のこの條項の中に規定する。知事、市町村長が行う事務としては、本法案におきましては公安委員の選任、罷免、規則の制定等でありまするが、前述のごとく、市町村の警察に関する事務市町村事務でありまして、國の機関としての市長村長の事務と解することはできないのであります。ただ知事の行う上述の事務は、國の機関たる國家、地方都道府縣警察の運営、管理を行うところの都道府縣公安委員の選任、罷免等でありまするので、これは改正案第百四十六條の、國の機関としての都道府縣知事の権限に属する行政事務となりまして、その事例については同條の適用があるものと思われます。  尚鈴木議員に対しまして御答弁申上げます。この法案の第一條の、公安の維持の中に、從前の高等警察や、特高警察の事務を含んでおらんということを、もつと明白にしてはどうであろうかというお尋ねであつたように承つておりますが、公安の維持ということはこれは御承知のように、抽象的な概念でありまして、警察の任務といたしましては、これを具体的に詳細に規定し盡すことは甚だ困難であります。そこで御質問のごとき疑いが起りますために、特に第一條第二項において、警察の活動が荀くも日本憲法の保障する言論、思想、集会等の自由、及び権利の干渉に亘る等、その権能を濫用することとなつてはならないことを明らかに規定した次第であります。これでその意味は十分に盡されているものと、提案者は考えております次第であります。
  23. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 只今内務大臣から、先日総理大臣に対しまして私がいかしました質問について、お答えを得ました。少し私の質問が徹底しなかつた嫌がございますが、私が質問いたしましたのは、この市町村という自治体に委せられたと申しますか、この自治体警察というものの中で、公共の秩序の維持、その部分が國家警察という國家事務を自治体に委任したものであるかどうか。こういう御質問をしたのでありまして、その他の公共の取締りとか、生命及び財産の保護とか、そういうふうなことは、本來的に自治体の事務、即ち自治体警察の本來の事務としてよいものと存じておりましたが、ただ公共の秩序の維持ということが、これは本來的に國家事務じやなかろうか、それをこの警察法によりまして、自治体に委任したものじやなかろうか、こういうふうに考えたから御質問したのであります。ところが、今のお答えによりますと、それも國家事務の委任じやない、本來的な自治体の事務なんだ、こういう御回答と存じますが、その点を間違いないかどうかもう一度念を押して置きます。  それで東京都を除きまして知事が自分の管轄区域内におきまして、國家地方警察の事務を分担いたしますことはこれはもうよく分つておりますが、百四十六條の方の適用は当然あることと存じておりますが、これはその通りだというお答えをしました。そこで問題は若し今申しました公共の秩序の維持という事務が國家事務なりといたしまして、それを市町村という自治体に委任をしたとすれば、百四十六條が適用があることになつて來るのじやなかろうか。こういうふうに質問をしたのであります。それらは本來的の事務じやない、自治体の本來的の事務であるということになれば、その問題は当然起らないということも了解ができましたが、ただ問題は公共の秩序の維持ということが國家事務で本來的にはあるのじやないかという疑問を持ちましたので質問いたします。その点をお願いいたします。
  24. 木村小左衞門

    ○國務大臣(木村小左衞門君) 岡本委員の御質問誠に論理整然としております。そういうふうに國家公安の維持が市町村に委任せられたようにも考えられますのでありますが、この法案に掲げました理論においては、先程御答弁申上げましたように、これは委任事項でないということの基本観念からこういう案を立てたのであります。
  25. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 自治体警察が國家事務であるか、自治体本來の事務であるかということについて、それは先般私も意見を述べまして、これは自治体本來のものである、それから又それ以外の市町村においても、自治体自身が警察を管理する主体ではあるけれども、自分ではやれないからまあ國家にやつて貰うのだというようなふうに、解釈した方がいいのじやないかという意見を述べたのでありますけれども、これについてはやや異つた御意見でありました。尚法案について考えて見ますというと、私の意見は間違つてやせんかと思われる点もあるわけであります。それでまあ今の質疑應答があつたのでありますが、更に疑問になる点があるのであります。それはこの二十二條において都道府縣規則でこれを定めておるのであります。都道府縣という自治体本來の事務であるならば、都道府縣條例で定めることが適当であるが、これは都道府縣規定で定めておるという点から見ますると、その観念においては国家の委任事務であるというふうに解釈できる。更にこの自治体警察、第三章でありますが、自治体警察第四十四條においてこれも市町村規則と読み替える、こういうふうになつておるのでありまして、元來市町村自治体自身の固有事務であるならば市町村條例でやるのでありますが、これが或いは国家の委任事務であるからして、市町村規則というふうになつておるのかどうか、その点を御説明願いたいと思うのであります。どうして市町村條例でやるのか、それを御説明願いたいと思います。
  26. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 只今お尋ねの先ず都道府縣の方は、先程大臣からも御説明がありました通り、國家地方警察の運営管理に任ずる者の服務規律でございますので、性質的に考えますとこれは國の事務を担当する者である。当然それは今度の警察法案の大きな方針からいたしまして、地方民にやらせるという精神を取入れて、成るべくその地域管轄いたしまするところの地方公共團体である府縣との結着を着けようという意味で知事に所轄をさせ、又その服務に関する規律も國家で決めませんで、都道府縣規則というもので決めさせることにこの法案は考えたのであります。市町村の方に参りますと只今大臣から御説明がありました通り、固有事務と申しますか、委任事務と申しますか、いずれにいたしましても、とにかく市町村事務であるということにおいては、これは間違いないのでございます。市町村事務であるからには條例を以て規定するのが建前であるとおつしやることもよく分ります。ただ併し市町村事務につきましては、規則ではいけないというようなこともございませんものと承知いたしまして、第二十二條を準用いたしました技術上の便宜からいたしまして、第四十四條においては條例と特にいたしませんで、都道府縣の方に歩調を合せまして、市町村規則ということにいたしました次第であります。
  27. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 只今の御説明でありますが、市町村自体が警察を執行する責任がある。これは第四十條にはつきりしておるのでありまするが、そうすれば市町村自体が警察を持つておるのでありまするから、市町村自体の制定するところの條例でこれをするのが本当であろうと思います。單に國の委任事務を執行するところの市町村長が無理な規則を制定して一方的にやるというやり方であつてはならないのであつて若し本当に市町村民自身が警察を執行するのであるというのであるならば、市町村條例でやるのが本当であると思います。又自治体警察は國家の委任事務であるということであるならば、市町村長が市町村規則を制定して行くということになるのであつて、この國の委任事務であるか、市町村自体の事務であるかということとこの規則と條例とが相反するように思われるのでありますが、その点を一つ……。
  28. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 只今のお尋ねの中で、固有事務であるならば條例を以てすることがよろしいし、委任事務であるならば條例でやらない方がよろしいのではないかというような御意見のように承りましたのでありますが、私共は本來それを固有の事務と考えます場合は、勿論法律がこれを市町村事務といたしました場合においても、市町村事務ということになりますれば、これは本來條例を制定することに相成るのが筋であろう。但しまあ例外の場合もありましようけれども、筋であろうと思いますが、今の御質問の中には、規則は團体の長に事務を委任せられた場合というような御趣旨のように承つたのでありますが、これは市町村事務についても市町村長は規則を発し得るものではないか、こう我々は考えたのであります。そこでどちらがよろしいかということになりますと、御意見のところはよく分るのでありまして、私共も毛頭異存はないのであります。ただ先程申上げました通り、二十二條の都道府縣の公安委員の規定を市町村の方にも準用することにいたしましたので、立法上の便宜を考えまして提案はかく相成つておる次第でございます。
  29. 岡田喜久治

    岡田喜久治君 いろいろ大事な問題について只今も應答があつたのでありますが、私は伺つておりましてどうもさつぱり要領を得ない。実際又この規則を見まして、隨分難解な点があります。今問答の重点となつておる点については誠に解釈に苦しむ点が多々ある、いろいろありまするが、ぼつぼつ一つ端的に伺つて見たいと思います。  大体この國家地方警察と自治体警察と二本に分けてあることは明かであります。一体何が國家地方警察であり、何が自治体警察であるか、形式から見ますと、ただ單にこれを所轄区域と申しましようか、所轄区域を基準として特定の自治体に委したものを自治体警察といい、然らざるものを一切國家地方警察ていう、こういう分け方であるように思います。形式からいえばよく分りましたが、一体どういうそこに國家地方警察というむずかしい言葉を使つておるのは私は分らないのであります。そこでいろいろな疑問が起つて参ります。例えば國家地方といわず、國家警察と言つていいように思う。國家警察と地方警察という区分があつて、而も國家地方警察というものは地方の区域に亙つて地方警察の一部をも與かるがために、國家地方警察というのか、こういうふうにも聞こえますが、どうもそれはおかしな言葉であります。用語上から見ても不思義だと思います。そこで第一に國家地方警察というものを、その國家という言葉と地方という言葉を結び附けた用語の使い方のよつて來たる理念を一つ教えて頂きたい。  それから続けて……どうも私は自分の独善的の考え方ですが、どうも一体このアメリカ式のいわゆる警察制度と申しましようか、これを取上げて來たかのごとく思いまするので、この観念から申しますれば、自治体警察というか、自治体に少くも委任専務にせよ、固有事務にせよ委せました根本の考え方は、やはり今も固有事務であると政府は御説明ですが、全く固有事務であるというような理念に出発して、アメリカの警察は行われておるのだろうと思います。つまり地方公共團体の区域内におけるところの普通一般の警察の事務は、一切その自治体が責を負うて自治体が当然固有の事務としてこれを執行しなければならない。言葉を換えていえば明らかに固有の事務という理念から來ておると思います。ところが我々が從來日本において考えておりました警察というものは、警察の事務の性質から見まして、御承知の通り司法警察であるとか、或いは特別高等警察であるとか、國家の組織の基本的に関するようないわゆる國家的秩序を保持せねばならないところの仕事、それから社会公共一般に通ずる秩序の維持に当らねばならん仕事、これらの仕事はいずれも國家本來の仕事と見て、國家警察、國家事務として考えておつたのだと思います。而してこれに反する保安警察であるとか、衞生警察とか、日本が從來警察事務として扱つて來ましたこれらの問題は、これは性質上ややもすれば或るものは地方警察に属し、或るものは國家警察に属するというような理念に基いて來たのが普通の通念であつたと思います。ところが保安及び衞生警察のごときものは別といたしまして、今日警察の事務の内容として挙げられた、いわば司法警察であるとか、その他の警察、これらのものは皆主として國家の基本的秩序維持に関する問題、若しくは社会公共の重大な問題に属するもの、こういうものを警察の職務の範囲内と限定した趣旨において警察制度が生れておりますからどちらかと申せば皆國家事務であるのだろうと思います。それを一部地方警察に向つて委任事務として與えたのではないかと考えるのです。委任事務は、或る特定の市町村に対して、これを自治体警察と称して、これを委任事務たらしめておる。そうでありませんと、例えば村落警察とはどういうものかということの解釈に苦しみます。五千以上の特定の自治体においては固有事務としてやつておる。然るにそれ以外の村落における警察事務は固有事務ではなくして國家地方警察、地方ということが私は分らないのですが、國家警察として費用負担も全部國が持つ。自治体警察に限つて自治体のみが実際の仕事をやる。実に非常に混線しておりまして、理念からいいましても到底分らない。こういうふうにいろいろ迷わざるえ得ない。そこで政府にその間に関するという筋合いを以て、基準を以て事務の本來の性質を区分けし、且つ行政の便宜に從つて、行政措置としていずれを國家警察とし、いずれを自治体警察としたかということについて、もう少しはつきり伺つて、続いて質問したいと思います。私の申上げた趣旨について一つ御斟酌の上明快な御説明を願いたいと思います。
  30. 木村小左衞門

    ○國務大臣(木村小左衞門君) ちよつと速記を……。
  31. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 速記を中止します。    〔速記中止〕
  32. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 速記を始めて。
  33. 阿竹齋次郎

    ○阿竹齋次郎君 私は前回の委員会に欠席をいたしましたので、私の質疑が重複していたら委員長から注意をして頂きたいと思います。第五條でお尋ねをして置きたいのは、第三号でこう書いてある。「日本憲法施行の日以後において、日本憲法又はその下に成立した政府を暴力で」という字があるのですが、暴力はどの程度か、解釈の余地があるかどうか。そこで次に「破壊することを主張する政党その他の團体を結成し」とある。憲法では申上げるまでもなく結社の自由を認めておるが、ここでその結社がどういうふうに動いておるかということは、政党間においてこれは解決すべきものである。これを外部から制限することは憲法に聊か背くのではないかと思います。  それから次に、第七條には「委員の任期は、五年とする。」と書いてある。五年は長いことはないでしようか。私は短くしてたびたび選任の機会を與えるのが進歩的になると思う。大体三年がいいと思います。これも決つておれば仕方がないのですが……。  それから次に第十四條の二行目にこう書いてある。「國家地方警察本部に警察大学校を置く。」これは新らしい御計画で結構だと思うんですけれども、私はこれは余と社会隔離してしまうのじやないかと思う。今日まで例えば師範学校を出て來ると、社会人として掛け離れる傾向があると思うので、だから一般大学から出て來た者を教育をした方がいいと思うんです。その次、続いて第十九條に飛びます。第十九條には「各警察官区本部に管区警察学校を置く。」これがあるからこれでいいのじやないか知らんと思うんです。私は警察官の本当の人物は、学者より社会の動きを現実に認識した人、認識を有する人を求めたいと思つておる。  それからその次、第十五條に戻つて貰いまして、第十五條の三行目にこう書いてある。「前項の職員は、國家公務員法の規定に基き、」と書いてある。そうして「國家地方警察本部長がこれを任命し、」とある。そうすると、御承知の通り憲法第十五條にはこう書いてあります。申すまでもないことですけれども、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」と書いてある。そこでそう書いてあるのに公務員法の規定に基くということは又憲法に触れやしませんか。公務員にこう書いてあるからいいというが、そういう癖を付けてはいけない。それならば憲法から除かれることになると思いますが、この点いかがでしようか。
  34. 加藤陽三

    ○説明員(加藤陽三君) 只今お尋ねの第一点の、第五條の第四項の第三号でございますが、この規定は、國家公務員法の第三十八條の第五号に同樣な規定があるのでございまして、この点の御疑問のような事項は、我々といたしましてはこの法案の審議の際に一應解決を見たのではないか、こういうふうに実は考えておつたような次第でございます。ここで「暴力を以て破壞することを主張する政党その他の團体」と申しますのは、先般御説明申上げたと思いますが、昭和二十年勅令第百一号第五條によりまして届出を必要といたします團体の中で、これらのものがこの勅令の規定によりまして解散を命ぜられるというふうな場合に、政府は暴力で破壞することを主張する政党その他の團体員である、こういうような認定を受けるという解釈を取つておるのでございます。これは團体の結成の自由を制限するものでも何でもないのでございまして、そういうふうな團体を結成しました團体が、法規の命ずるところによりまして存在を許されなくなるような場合のことをこれは謳つておるのでございます。  第七條の委員の任期の点、これはいろいろと御意見はあることと思います。で、三年がいいか五年がいいか、五年は少し長過ぎはしないかということも考えられますが、一つの考え方といたしましては、この委員は五人を以て成立つておりますから、若し委員の新陳代謝を適正に保持するという見地からいたしまして、一人ずつ一年ごとに替えて行くというふうなことも考えますれば、五年ということは或いは便宜であるというふうなことにも相成るのであります。只今のところ私共といたしましては、この五年でよろしいのではあるまいかというふうに考えております。  それから警察大学校及び管区警察学校のことでございますが、警察大学校は警察に関する專門的な知識を特に研究させる、学者のような者を作るという趣旨では毛頭ないのでございまして、都道府縣の警察学校におきましては、先ず初任者の訓練及び警察官の再訓練を実施させ、管区警察学校におきましては、中級の幹部級の訓練をやる。警察大学校におきましては、將來各地方におきまして警察を背負つて立つ、最高幹部教育訓練をやりたい、こういうふうに考えておるのでございます。勿論お話がありました通り、大学を卒業いたしました者も、今後警察の職務に就きます者は、一度管区警察学校なり警察大学校に入れまして、必ず基礎的な訓練はいたすようにしたいと思つておりますが、学者のような者を養成するという趣旨では毛頭ございません。  それから第十五條の第二項の規定に関するお尋ねでございますが、憲法の十五條と申しますと、選挙についての規定でございます。この公務員法の方は、國家地方警察の職員の選任を誰がやるか、こういうことでありまして、一般に公務員の選任、罷免、勤務等につきましては、先般國会において御制定になりました國家公務員法に歴然と決められておるのでございます。ただここにこういう規定を置きましたのは、この公務員法の中におきまして、いろいろの公務員の任免権者を誰にするかということは、法律を以ていろいろに決められるということが書いてございますので、この場合におきましては、任免権者は國家地方警察本部長官であるということを明らかにするために、特に第十五條に第二項の規定を設けたような次第でございます。
  35. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) この程度で一つ終了させて頂きまして、明日午後一時から質疑を継続いたしたいと思います。連合委員会はこれを以て散会いたします。    午後二時四十一分散会  出席者は左の通り。   治安及び地方制度委員    理事            中井 光次君            鈴木 直人君    委員            羽生 三七君            大隅 憲二君            黒川 武雄君            岡田喜久治君            鬼丸 義齊君            青山 正一君            岡本 愛祐君            小野  哲君            柏木 庫治君            阿竹齋次郎君   司法委員    委員長     伊藤  修君    理事            松井 道夫君    委員            大野 幸一君            齋  武雄君            中村 正雄君           池田七郎兵衞君            鬼丸 義齊君           前之園喜一郎君            山下 義信君            阿竹齋次郎君   國務大臣   内 務 大 臣 木村小左衞門君   説明員    内務事務官    (警保局企画    課長)     加藤 陽三君