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1947-10-06 第1回国会 参議院 商業委員会 11号 公式Web版

  1. 付託事件 ○貿易組合法を廢止する法律案(内閣  送付) ○中小商工業の再建に關する陳情(第  百六十四號) ○マッチ産業公團制の實施反對に關す  る陳情(第二百八十九號) ○財團法人理化學研究所に關する措置  に關する法律案(内閣提出) ○板ガラスの配給機構及び取扱いに關  する陳情(第三百四號) ○百貨店法を廢止する法律案(内閣送  付) ○昭和二十二年法律第五十四號私的獨  占の禁止及び公正取引の確保に關す  る法律の適用除外等に關する法律案  (内閣送付) ○石綿輸入促進に關する請願(第二百  六十五號)   ――――――――――――― 昭和二十二年十月六日(月曜日)    午前十一時二十四分開會   ―――――――――――――   本日の會議に付した事件 ○貿易組合法を廢止する法律案   ―――――――――――――
  2. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) それでは只今から先日に引續きまして貿易組合法を廢止する法律案を上程いたします。一昨々日安本の貿易局長と物價局長がここへ來られたのですけれども、時間が非常に遅くなつて來られましたので、十分に質疑を盡すことができなかつたので、今日繼續することにしておつたのでありますけれども、今日まだ二人ともこちらに出席がありませんので、その問題は先ず留保しまして、幸いに長官がお見えでありまするから、その點につきまして御質疑のある方はどうぞ繼續して願いたいと存じます。  それでは私がちよつと長官に伺いたいと存じますのは、輸入品の價格であります。輸入品の價格は、統局國内の公定價格によつて、或いは食料品のごときは、特に他の主食との見合いによつてそういう値段を假に決めてやつておるという話でありまするけれども、今後鹽とか石炭とか或いは鐵、肥料その他の物を輸入して來る値段は、結局ドルで決まつておる筈だと思ます。そのドルで決まつておる物を内地の公定價格で販賣する場合に起つて來るところの爲替の問題が必ずあると思うのです。今までの政府貿易におけるドルの換算率は一體どういう變化を來しておりますものでありまするか。昨年から最近までの變化につきまして伺いたいと存じます。
  3. 永井幸太郎

    ○政府委員(永井幸太郎君) お答えいたします。只今のお尋ねの主食その他の原材料の輸入品を貿易廳より賣り渡します値段は、内地の公定値段であります。大體この四月頃から消費者價格でなしに生産者價格で讓り渡しておることになつておりますので、外國の値段とそれから爲替のレートの關係は一つもありません。ドルはドルで買い、それに關係なく圓の公定價格で賣つておることになります。昨年の輸入品の總平均の輸入のレートは十五乃至二十くらいに當つております。併しこういうことではやはり貿易特別資金がいつまでも赤字になつて行きますので、これを改正すべく、今日本の關係官廳及び關係先と研究しておりまして、大體商品別の複數爲替レートといいますか、そういうレートが決まりますと同時に、多分一般の普通のゼネラル・レートというものも決まると思いますので、それが決まりましたらそのレートで輸入品の賣渡しをいたしまして、主食などは農林省といいますか、どこか他の窓口で、内地の消費者へ渡します價格との調整を他の窓口でやるということを今研究であります。
  4. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 貿易組合法の廢止は、固より私的獨占禁止の公正取引の法案ができた以上これを廢止するのは當然でありますが、併し貿易組合法の制定は、相當基礎のある者が寄つてこの組合を組織しておりますので、割合その點においては確實な者が入つておつたと思うのでありますが、最近聞くところによりますと、極めて不純な、實際におきましては闇ブローカーに類する者が多數入り込んで來て、私的獨占禁止法のできたのを幸いに、何人でもやれるということになつたので、一つの商品を、賣込むために幾つものブローカーを使つて暗躍しておるような商人もあると聞いております。又それが重なり重なりまして出所が何處やら、誰がその根柢をなしておるのか、サンプルだけ持つてうろつくという者までできて來て、日本の貿易を不純ならしめ、又信用を低下しておるような情勢が巷間傳えられておるのですが、これらに對しまして貿易廳はどういう考えを持つておられるか。どの程度のものをどう認めるか、このままに委しておつたならば雜草のごとく生えて來て、むしろ貿易面を汚す處れがあり、信用を阻害することが夥しいものがあると思いますが、この點につきまして長官の御説明を伺いたいと思います。
  5. 永井幸太郎

    ○政府委員(永井幸太郎君) 只今の中平委員の御心配は私共も共に同じく心配しておるのであります。私共としましてはできるだけ責任感のある眞面目な業者を選定いたしまして、それ以外は先ず遠慮して貰う、今のところ日本は貿易によりまして立つことが必要でありますとすれば、第一に海外の信用を高め、世界の國際平和、經濟社會に立入りまして、さすが日本は戰に敗れたりと雖も、誠に信用が置ける良い品物を積んで期日通り間違いなくやつて呉れると、世界の信用を得ることが第一義だと考えておるので、そういうふうに副いたいと思いまして、輸出品等品質檢査の法案を迫つて審議を願うことにいたしておりますのと、又不信用なる輸出業者がありましたならば、その後はそれらの輸出商を排除するとかいうようなことも考えて見たいと思つております。  ただアンチ・トラストの方におきましてなかなかやかましい、これまでの指定制度というものを排除して、できるだけみんなに機會を與えよというようなことがあります。併し我々の方も誰でも相手にするというわけには行きませんから、いろいろな基準を拵えまして、こういう人にやつて貰うというように大低入札式にいたしておりますが、その入札に加入する人はこういう條件を備えた人というような定規を拵えておるのであります。ところが、これについては投書が盛んに來るのでありまして、こういう立派な人を除外しておるじやないかということが始終あつて非常に困つておるのでありますが、只今の御注意に從いまして、責任感の強い、能力のある、經驗のある方に貿易の方に携わつて貰いたい、携わらせるという方針は堅持するつもりであります。ただ、こちらが許しておらんけれども中に割込もうとしましていろいろな暗躍があろうと思いますけれども、それはまあ一々止めるわけに行きませんので、契約の當事者はできるだけ選別するつもりであります。國際信用をどうしても保つて行かなければならんということは深く念頭に皆思つておりますので、そういう方針を堅持したいと思つております。
  6. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 大體御注意なさつておることは了承いたしますが、今日自由に貿易廳の方に出て來ることができるような途が拓けられておりますために、大變その選別にはお困りであろうと思います。これにつきましては十分なる信用を置ける基礎を持つておるかいないかというお調べが大事であつて、但し又ブローカーの中におきましても正當なブローカーは、或る意味においては許すべきであると思うのであります。メーカーとの間に十分なる連絡をとつておるところの信用のあるブローカーは認めるべきであると思うのです。その調べには大變御難儀であろうと思うのですけれども、その基礎付けられるところの裏付けられるところの産業の基礎があるかないかということをお調べになることが第一番と思うのであります。  これにつきましては、恐らく長官など口車に乘せられることもあるまいけれども、なかなか今日の場合油斷がなりません。だからして十分産業が裏付けられておるかどうか、基礎のある産業に裏付けられてあるかどうかということを、いつでも審査の條件として深く御探求になつた上で話を進められるように、仲間に入れるか入れないというような問題を嚴重なお考えを持つて頂きたいと思うのであります。但し民主的な今日でありますから、門戸を閉鎖するようなことのないように、その點におきましては、いかなる所でどういう希望を持つておる者があるかも知れないから、そのやつて來るところの人人を悉く何か不純なものと考えられて、官僚的な一見直ちに批判的な不快な、二度と行くことを好まないというような感じを持せないように、十分立派な商店の番頭さんとして極めて心置きなく話せる體制を整えて貰つて、一般の者が親しみを持つ程度までに貿易廳は商賣人になつて頂きたいということを私は先に申し上げましたが、そのお考えを以て極めて困難なことでありますけれども、どうかブローカーに對しましては十分御注意あらんことを希望して置きます。
  7. 佐伯卯四郎

    ○佐伯卯四郎君 一般貿易のことについて御質問していいでしようか。
  8. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 結構です。
  9. 佐伯卯四郎

    ○佐伯卯四郎君 この度向うからバイヤーが來まして私感じましたことをちよつと申述べてみたいと思います。  今度、バイヤーが參りましたが、私の方から見ますと、來る人は非常に興味を持つた人だけで、つまり古い關係の人が殆ど來るだけです。私の方の商賣に關する瀬戸物に關しましてはそういうふうであります。  そこで御承知のように戰前は日本の商社が向うにあり、銀行關係も船關係も日本のものであつたという關係から、非常にこちらから積極的に商賣ができたわけでありますが、只今のようにあちらから來ましてほんの好きな物だけを買つて頂いておるようなことでは到底盛んな商賣はできるとは思えない。アメリカの趣味が違つて來ておる關係から、前以て註文をするということが困難であります。そういうようなことで、承りますところによれば、見込買いした物を相當まだ殘しておるというよう状況だということを承つておるのでありますが、これはこの間お話しのありましたように、銘賣りで以てこれからやるという方法も無論ございましようけれども、日本から進んで賣手の代表と申しますか、そういう人間を早く向うにやりまして、或いは買いたいけれども、こつちまで來る程熱心でないというようなお客さんもありますので、どうしてもこれから積極的にこちらから押掛けて行かなければ到底いい商賣はできるとは思わない。殊に今度歸つた人だちは、從來の人たちですから大體經驗がありましようけれども、一軒の人が來て買つて行つて、果して非常に滿足するかというと、餘り滿足して歸らないのではないか。御承知のように、餘りこんなことを言つていいかどうか分らんけれども、一般的に値を少し高く付け過ぎておるということはよく言います。商賣人のよく言うところでありますけれども、このままじや到底いけない。何とか一つ積極的に人を出すことをお願いしたいのであります。  それから一つお願いしたいのは、アメリカよりも東洋の方が商品が變つておりませんので、製造家が手配いたしまして、直ちに出せるような状況に置くには非常に危險がないのであります。又戰後における日本の商品の品質というものがアメリカに行くような極めていい物を造るのはむづしかいのであります。大體今のところ東洋市場に向くような品質のものが非常にやり易い。よつて東洋方面なり、アメリカ以外の方面に一つ是非御盡力を頂きまして、例のバウンド・ステアリングのブロツクに對しても、或いはもう御交渉濟み、或いはして頂いておるかも知れませんが、そちらの方面が非常に活溌な商賣のできるように一つお取計らい願いたい。アメリカもそうでありますけれども、先ず樂にできる方は東洋方面だ、それができ上つた上でアメリカへ行く、こういうふうに考えております。  それから第三が輸出のコンバーシヨン・レート、爲替レートと申しますか、それについてよく見てみますのに、私の感ずるところ、内地の材料で以て造りました物が非常に原價が高くなる、圓コストが高くなるということ、只今外國から輸入した棉花なんかは今どういうふうにマル公を定めておいでになりますか、それは私は分らないのでありますが、世界的に今價格のインフレートしてないものと考えますのは、棉花なんかそれだと思いますが、それが入つて來ます。内地で決めますマル公の基準は、棉のごときものはどういうふうにしてお決めになりますか。それが極めて低く採算されておる。今の闇と比較するわけではありませんが、假に闇と比較したならば非常に安い。そういうことになりますと、その物のつまりコンバーシヨン・レートの圓が非常に安く出る。そこで一生懸命内地の材料を持つて行くという方が、甚だ以て雪だるま式になりまして、高いという現象が出ますことに對しまして、どういうお考えを持つておられますか。私共としての希望は、少くとも闇とマル公兩方を買つておるような原材料を、全部輸出に限つてマル公で買うようにして頂きたい、そうして只今申しましたような、マル公それ自體もいろいろなマル公もありましよう。今言つた棉とかそういつたようなものを檢討して頂きまして、輸出品に用いますマル公も極めて安い値で出して行くようにしなければならん。こういうふうに考えますことが三であります。  第四が今度あちらから各地方にバイヤーが參りますというと、各地方でいろいろ陳列場を拵えまして物を列べておつたのであります。相當皆錢をかけまして期待しておつたのでありますが、バイヤーが來ましても、そこにドルの値段が……私は名古屋について言いますけれども、大阪もそうだらうと思います。ドルの値段がはつきりしないものですから、メーカーが皆東京まで來なくちやならん、こういうのは甚だ期待に反しまして、皆が實はがつかりしておるわけであります。又僅かな小さな雜貨みたいな物を持つて東京へ來て、そこでいろいろ値段を附けて頂くということは算盤上極めて合わない。そこで今後は是非とも一つダラー・プライスが東京だけでなく、各地方に速かに分るようにして頂きたい。又しなくちやならんと考えます。  第五には、只今までダラーの値段で附いて來るのだから日本の圓價は無關係である。無關係であるということは言つていいのかどうか分りませんが、ともかく値段のことは別だ、ダラーで決まるから、こういつたようなインプレツシヨンを非常にメーカーに與えておると私は思うのであります。即ち安くて良い物を出さなければならんという觀念が非常に缺けて、いわゆる安くて良い物でなければ出ないのだという觀念が非常にどうもないような工合に置かれたように私は思うのであります。この點なんか非常な間違いだとかねがね感じておるのでありますが、こういう點は、輸出には良い物で、非常に勉強しなくちやならんという觀念をお與え願わなければならんと私は思います。  それから輸出々々といいますけれども、その根本はどうしても製造にあると私は考えております。輸出の商人がいろいろうまく立ち廻ることは勿論結構なことでありますけれども、その根本はやはり製造にあると思うのであります。その製造の方を盛んにしなければならんということにつきまして、只今商工協同組合というものがありますけれども、それはやがて改定されるということの豫告を受けておるようなわけでありますが、こういうふうな協同組合がなくては將來の雜貨、中小工業の製品というものは到底やつて行けない。各個々々では駄目で、協同組合を早くいいように持つて行くような御努力もして頂かなければならん。それは輸出の點からしてどうしても速かに協同組合をはつきりして貰いたい。  それからその次は、この間からいろいろ問題になつております資金及び資材の點でありますが、これなんか我が國の國策として、貿易をせねば日本は起ち上らないというのに拘わらず、最量點を置いておるのに拘わらず、いろいろの問題が起きておるというようなことは、これは甚だ以て行屆いていないのでありまして、こういう點なんかも無論うまく行くようにして頂きたい。  それからこういうことを皆感じます。外來のお客が來ておりますのに、これは本當に、三週間でありますから非常に時間が惜しいにも拘わらず、いろいろの手續が極めて面倒である、これは止むを得ない點もありましようけれども、もつと非常にうまくやつてやれば時間をセーブできるというようなことで相當面倒なことばかりをやつておるように思うのでありまして、こういう點をどうしてももつと簡易に行くようにお願いしたい。それで又外國のお客が來るのだから、いろいろの不便のないようにしてやることが必要でありますけれども、例えばまあこれは今まで經驗なかつたわけですけれども、ホテルなんか非常にいろいろ用意いたしまして、相當皆出費したのでありますけれども、お客さんは一人か二人しか來てないというようなことを、何とか速かに經濟的に動くような方向に一つやつて頂きない。  それからこれは非常に根本的な問題になるのでありますが、只今までの日本の輸出品として考えられておりますものは、從來あつた物ばかりしかないのでありますが、根本的に、日本として輸出を盛んにするのに、今までの商品だけを繰返してやつておることでいいかどうか。これは口では非常にやさしいのでありますけれども、何とかこういうラインに向つて今後日本の新らしき商品を作らなければならんということについて、まだどうも貿易廳あたりでも……御研究になつておるかも知れませんけれども、發表がないのでありますが、若しも發表がありますならば、そういう點を極めて科學的に頷かれるように皆に發表して頂きたいと思います。  それから似たようなことでありますけれども、外國貿易が日本の經濟復興に極めて必要なものであるということにつきまして、隨分新聞紙その他でいわれておりますが、實際日本人の頭に貿易が本當に必要であるかどうかという點については、十分インプレスされてないと私は考えますので、貿易がいかに必要であるかということについて、もつともつと國としてよく宣傳をして頂きたい。例えばイギリスの方での只今瀬戸物なんかの状況を見ますと、國内では貿易品を輸出するために白生地ばかりしか使わせない、恰好も又決まつた恰好で、白生地ばかりしか使わせないで、繪のついたものを一切使わせない。そういう繪のついたものは全部輸出と、こういう點まで徹底しておるのである。さような點までどうしてもこれは徹底させないと、貿易が日本を立直らせることにならんと思いますので、そういうような點も一つよく善處して貰いたい。  こういうようなことを考えております。
  10. 永井幸太郎

    ○政府委員(永井幸太郎君) 只今佐伯委員の御質疑及び御趣旨の點は非常に廣範圍な、最も我々の留意せねばならんことを御指摘頂きまして、よく留意いたしましてその方向に向いたいと思います。  御質疑の點につきましてお答えをいたしますが、初めのお話の、限られたバイヤーが來て買うて歸るだけ、坐して店頭に待つておるというだけではいかんので、できるだけ海外に人を出して、こちらから積極的に賣れるようにせよということでありまして、その點は最も肝要なことと思つて絶えず折衝をいたしております。御了解を願いたいと思います。  それから東洋向き陶器のみらなず、すべての物でありまするが、そちらの方へも輸出いたしますように頻りに盡力いたしておるのでありまするけれども、御承知のようにドルのフアンドが持合せが少い、蘭印のごときはこれまでは多少持つていたのでありますけれども、それにも限りがありましよう。どうしても東亞地域内でポンドの區域及びギルダーの區域等から物を持つて來まして、必要缺くべからざる物を日本へ輸入しまして、それに對して、こちらからできるだけ雜貨品、消耗品というような物を出したいと思うておりまして、その方向へ向つて進んでおります。現に印度から、この間問題になりました棉花をポンドで買いまして、その金額に相當するまでこちらから物を輸出するというようなことに進んでおります。その他の方面、マニラのごときも、そういうことになつております。フイリツピンのごときも、その他濠洲等に對してそういうことが幾分進んでおりまするので、できるだけ戰前の日本輸出品の向いました地域へ物を出すために、そういつた地域とバーターに進めて行くというような方向へ漸次進めておる、その點も御承知を願いたい。  それから輸入品を材料にした輸出工業と、その他のものとの間に、物價水準において凸凹がありはしないかというような點が三番目の御質問だつたと思いますが、そういう點がなきにしも非ずであります。例えば綿のごときは八割以上を加工して出しまして、あとの二割は内地へ配給しておりまするけれども、それは特に鑛山用だとか魚網用だとかということに使われまして、他の輸出産業と物價が不公平であるために相剋を起すというような點は見られんようであります。ただここに考えればなりませんのは、或る輸出産業の原料で、他の國民生活にもつと緊密な關係の多い主食とかいう物の公定値段が抑え付けられる程度よりも、他の輸出産業に向けられる原料の公定値段が國民生活に非常に緊密なる關係を持つていない關係上、幾分割高にあるというような凸凹がある。或る産業つまり凸になつたところの原料を以て輸出産業をやつておられるという向に對しましては、多少輸出産業、そういつた面の輸出産業の上に多少の障害を起しておるような種類もあるかと思いますが、これはよく研究いたしまして、そういう部面がありましたならば、凸凹の凸を平準化するということが必要かと考えます。  その次に陳列館にドルの値段を附けねば駄目だということは、御尤もでありますので奬めたいと思うのであります。このドルの値を決めましたのは、いろいろの經緯で、バイヤーが來て契約を始めますその九月の初め頃に漸く決めたりいたしまして、その後向うでドルの値を決めますことになりますと、又一々點檢せんければならんということにもなつております。けれども、あそこで圓の値段を出して、アメリカの相手に見せることは本當に無意味なことでありまして、是非やらなければならんと思つております。できるだけ名古屋なら名古屋、京都なら京都、大阪なら大阪というように、契約の完結するようにいたしたいと思うのでありますが、いろいろ原材料の關係、GHQとの關係等がありまして、なかなか思うように行つておりませんが、できるだけ地方限りで契約ができて、纒つた商賣ならいいのでありますけれども、僅かの商賣でわざわざ東京に來んければならんというようなことのないようにいたしたいと考えております。  その次に、どうしても業者に本當の國際相場を頭に入れさして、そうして安くて良いものでなければ輸出には向かんぞ、ということをはつきり頭に入れさせるということは勿論必要があるのであります。今いろいろ報道せられておりまする爲替を決めまして、業者にドルの値段を彈き出して折衝して貰うということになりますれば、段々そういうことが頭に早く適切に入るだろう、爲替が決まるということもそういうことに役立つのであります。  それから輸出を促進いたしますのは、勿論生産が根本であるということは尤もでありまして、やはりこの中小輸出産業におきましては、何かこうばらばらでは力も薄いのでありまして、どうしても協同的に調査研究をし、或いは技術の向上を圖るというような、協同組合的の仕組をいたしまして、中小以下の業者に力を與えるということがどうしても必要かと考えまして、それらの點もよく關係方面に協議いたしまして、この反トラスト法に牴觸しないような仕組におきまして、そういつたものが最も必要かと思つておるのであります。  その次に資金、資材の問題でありますが、輸出産業を奬勵するとか、輸出をして非常に奬勵するということで、一向金融の方は圓滑に行つていない、事實相當御懸念の點があるようであります。中にはあれですね、平時でも資金難を當然愬える人がある、やつぱり制度が惡いからだという愬えもあるのであります。それはまあ別といたしまして、非常に資格のある人で、資金の廻りの遅いということを愬えられておる人が随分あります。これらも是非是正したいと思つております。只今の借入限度の増額のことも、七月頃には御審議が願えると思つておつたのが、十月になつて審議をお願いするというよなことになつた、それらの點から貿易廳から貿易公團に金を拂います上において非常に遅れておるのであります。できるだけこういう點を是正したいと思つております。  それから物價廳における物價の決定が非常に遅れる。加工賃にしても二月も三月も半年も遅れておるというようなわけで、持つておつて、改正せられたる高い加工賃で品物を渡した方がいいからというので、品物を抱えておるから金が貰えんでおるというので、そういう點も資金難をかこたれておる方もある。これは御了承願いたいと思います。  それから輸出手續を簡單にせいということは、實にその通りであると我々は考えます。何でこんなに書類が餘計要るか、契約書類でこんなに十通も出さなければならんか、困つたものだと調べて見ますと、それも尤もでありまして、例えば一つ計畫をしまして、先ず原材料をやる方へ出さなければならん、それから輸出の係にも出さなければならん、それから經理局の方にも置いて置かなければならんというようなことで、貿易廳だけでも三通や四通要る、そういうものがやはりGHQの方にも要る、公團にも要る、爲替銀行にも出さなければならん、やはりどうしても十通位要る。これは仕様がないというようなことになりまして、何とかそれが役所の方に手がありますれば、役所へは一通で、あとは役所の方で拵えるということになればいいけれども、困つておるのでありますが、何とかこの手續を簡易化したいと思つております。  その次に新らしい輸出品、從來の在り來りの輸出品ばかりをやつておつてはどうしてもいかんので、非常に戰爭以後變りました海外市場に向いまして、新構想のものを創造した輸出品を拵えなければならん、そういう指導もしなければならんということになつておりまして、我々も始終その方面に氣をつけておるのでありまするけれども、又來ましたバイヤーにつきましてもいろいろそういう質問も出したり、調べもしておるのであります。もう餘程前から新らしい見本を向うへやろう、又新らしい見本を取寄せて貰えんかということを米國商事會社へGHQから頼んでおるのでありますけれども、どうも十分の手應えがないのでありまして、どうしてもそういつた方面で研究をする必要があると思うのであります。今のところ支拂能力のあるのは、今申したような、アメリカのドル及びドル・フアンドを持つておる國々でありまして、その他の國々はやはり支拂能力がないものですから、どうしても新規輸出品を拵えるときには、多少見越生産ということをやらせなければならん。そういうことになりますと、先方の支拂態力等を勘案してやります上において、新らしいものの見込生産させるということも多少の困難がありまして、非常に困つた問題でありますけれども、是非この方面も研究せねばならんと思います。私は今業者にはこういうことを言うておるのです。役所でどうも見本を集めたり、向うの市場を調べよというてもむつかしいから、商業通信が自由になつておるのだから、思い思いに一つ向うの事情を調べるなり、見本を送るなりということをどんどんやつて貰いたいということを言つておるのであります。これは役所だけではいかんことで、官民協力してやるということが必要かと考えております。  それから貿易は非常に我が國に對して必要なことで、これなくしては日本が立つていかんというような意識を與えて、宣傳もし、國民全體がそういう決心になつて貰うように導かねばいかんというお話、及び英國では殆ど内地の消費を極力約めて輸出に充てておるというお話でありますが、至極御尤もなことでありまして、どうしても官民共にこの貿易によつて國を立てて行くことの方へ努力をいたす、それにはどうしても先ず國際信用を昂める、輸出のために働いておる者は、戰時中に白襷を掛けて働いたと同じような氣持で、國民全體の食糧を自分らの手で稼いでおるのだというような氣持にさせまして、どうしても貿易で生きて行かねばならんということを心から考えまして、輸出促進について國民全體がそういうふうに考えるように、一つの國民運動とでもいうようなものでこれを導く必要があろうかと考えます。そういつた方面へ努力いたしたいと思います。尤も大分この貿易ということに皆さんが關心を持つて頂いて、國民全體が持つて頂くというふうに向いておりますので、ますますこれを續けたいと思つております。いろいろ有益なることを伺いまして有難うございました。
  11. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) まだ澤山質問も殘つておると思うのです。それに今もまださつきの繼續の質問もありますので、皆さんの御發言のあつた後に、私もまだ數點確めたいと思うことがありますが、もう十二時も過ぎておりますから午後にこれを繼續したいと思います。それでは午前中はこれで止めまして、午後一時半からシヤープに始めることにいたします。    午後零時十四分休憩    ―――――・―――――    午後一時五十二分開會
  12. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) それでは午前に取續きまして貿易組合を廢止する法律案の審議を繼續いたします。  只今物價廳の第一部長がお見えになりましたから、先ず他の政府委員のお見えになるまで、主として輸出物價の問題について御質疑あらんことを希望いたします。  第一部長にお尋ねいたしますが、公定價格制度と自由貿易、自由貿易というのは結局外國貿易を指して自由貿易といつたわけだが、いかに國家と國家の貿易であつても、外國における價格は全然自由なんであるから、どうしてもその間に食い違いが起つて來て、外國の物價は何ら日本で指圖することもできない、何らどうすることもできない。國内物價、いわゆる價格體系の中に貿易品を織り込んで行くということそれ自身が非常に困難な政策になるし、若しその間に價格差を政府が國内物價を操作する上において何らか考慮せねばならんということであれば、そこにいわゆる價格差の平衡資金というような考えまで起つて來なければならないのであるが、今すでに民間貿易も再開されて、爲替も頻りに論議されておるわけであるが、輸入品と輸出品のドルの爲替も、これも又まちまちになつてしまうということであれば、日本の物價の根本が全然基礎のない上に産業が組立てられるということになつて、日本の貿易を振興する上においても、或いは日本の産業を再建する上においても、丸で砂上に樓閣を建てるかのような甚だ架空な一つの經濟現象をここに現出して行くということになろうかと思われるのでありまするが、その點に對して、今どういうように配慮をしておるか、その點をちよつと伺いたい。
  13. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 非常にむずかしい問題と考える次第でございますが、現在の日本の國内の經濟情勢は戰後のいわゆる非常に變態的な條件の下にありまして、就中企業、殊に工業方面におきましては、全體的に變態的であるのみならず、各種産業の間に實に條件がアブノーマルな状態になつております。操業度を調べて見ましても、例えばケミカル・インダストリーの一部のごときは五、六%で動いておるというものもございますが、電氣のごときは大分足りない、實際の出力は戰前よりも遥かにオーバーしておる、こういうものもございまして、各産業の現在の條件というものは、實に變態的な條件の下にございます。國内の物價につきましては、この變態的な條件の上に一應立たざるを得ない現状でございまして、これに相當な企業整備、或いは何といいますか、産業の合理化が行われまして、その上で價格體系を作るということになりますと、その邊は非常に調整されるのでございますが、現状におきましては遺憾ながらそこまで至つていない。從いまして國内物價は大體各企業の現在の現状を認めまして、その上で原價計算をやりまして、それで價格をつけておる、こういう次第でございます。そこで今御指摘の通り、ここに國際貿易の關係が開かれて來まして、その方面と直接商品の流通が行われるということになりますると、まあ相當その間に大きな調整を要するという問題が出て來ると思うのでございます。で、假に今一本のレートを設けまして、相當自由な交易を認めるということになりますると、恐らく日本の産業は相當徹底的な影響を受けるというくらいな状態にまで變態的な條件があると思うのであります。從いまして私どもはやはりそういうことを一擧にこの際やるということは、これはどうも適當でない、この問題につきましては、やはり段階的に考えるべきじやなかろうか。結局終局の目標は、一つの換算率によりまして、それによつて相當自由に交易した場合におきましても、均衡のとれた經濟、そこまで行くのを豫定しまして、そこに成るべく早い機會に持つて行くというのが一番大事だと思いますけれども、そのためには國内の生産條件、企業の操業條件、能率の條件を相當今後改善をしなければ、なかなか一擧にそう行くわけにはいかんだろうと思う。從いまして、そういう理想形態というものはやはり或る程度先になるということで考えざるを得ない。差當り現在は御承知の通り管理貿易でございまして、全く政府の會計において買入れ、賣渡しておるというような状況でございますので、その價格は現在の非常にこのアブノーマルなことによつてでき上つておりまする國内の価格體系によつております關係上、その間に相當な自然に調整作用が營まれておる、まあ現在におきましては、根本的といいますか、原則的にはその行き方を暫く續けなければ、この産業に及ぼす影響が大きくて、簡單な調整は困難ぢやなかろうか。ただそれじや今のままでいいのかということになりますと、これはいろいろ問題でございまして、將來理想的の姿に持つて行くにつきましても、段階的に徐々に直して行くということは、考え方をそういう見地から考えますと、この間もちよつと申上げましたように、輸出品等につきましては大體原價主義に基きまして、それによつて政府が買入れて、とにかく外國で賣れる値段で賣つて行く、こういう態度でございますから、そういう方式につきまして若干ずつ例外と申しますか修正を加えまして、或る種の物につきましては、この一定の換算率等を設けまして、それによりまして取引した場合における價格を原則として認めて行くといつたような考え方も、必要に應じてはとつて行く必要がありはしないかというわけでございます。で、現在の段階におきましても、コストが比較的低くて、ドルに對する圓の價格が割合に低い、反對につまり圓の價格に對しましてドル價格が高く賣れる、こういう物につきましては、原價主義によつて計算した國内價格に對して若干のプラスをしてやる、こういうことが差當り必要ぢやないか。反對にドルで非常に安くしか賣れない。逆に申しますと、一ドル當りの圓價格の換算率が非常に高く出て來る、こういうことにつきましては、原價の査定を利潤等の見方を少し辛くするということに行かざるを得ない。場合によりましては、そういうものは貿易政策上、資材の配給、生産の指導等の見地から行きまして、いろいろの有利な輸出産業に轉換を圖る、こういうことも必要だろうと思いますが、そういうことを或る程度考慮に加えつつ徐々にアジヤストするという方向に持つて行くより外はないのぢやないかと思います。もう少し次の段階になりますと、或いはもう少し更に進めまして、例えば一つのレートを設けることにいたしまするが、さつき御指摘のごとく、國内的に輸出品に相當大きな價格調整を行いまして、それによつて動かして行くという方法と、それからいま一つは商品ベースと申しますか、物によりまして一種の計算の換算レートを複數的な建て方にいたしまして、それによつて取引をやるようにする、こういつたような行き方を考えるのも一つの見方だろうと思いまするが、いずれにいたしましても、そういう適當な數段階を經まして、一定のときには御指摘のような最も合理的な取引ができるような段階に進む、こういう考え方でこの問題に對處して行くというより外にないのぢやないか。非常に漠然としたことでございますが、まあそういう考え方で國内經濟は徐々に國際經濟にアジヤストして、アジヤスとしつつ、それによりまして國際取引もそう變態的な方法によらずして、圓滑に取引されるようにして行くというのが、考え方としましては妥當な考え方ぢやなかろうか。  非常に抽象的な議論でございますから、具體的にいろいろむつかしい問題があろうかと思いますが、方向としましては概ねそういう方向で問題を片付けて行くべきものじやなかろうかというふうに私は考える次第でございます。
  14. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 尚その點につきましては、今は管理貿易であり、占領上の獨立國でない、つまり我々としては聯合國最高司令官の下でただ我々は自治的にそういうことを許されてやつておるだけで、すべては命令でやつておるから差支えございませんが、これはどうなるか分りませんが、半年先にはいわゆる條約も結ばれよう、こういうことになつておりますると、少くともこの國際貿易のごとくになりますると、半年、一年先のことを見越して、物を生産し、物の方針を立てて行かなければ全然それは追い著きませんよ。今までのように國内産業がその時その時の場當りで行くならば、それは國内産業における限り、それは國民は闇をやり何をやろうと、政府の命令がどうあろうと、お互いに生きて行くことを考えるからいいけれども、一歩國際貿易になりますれば、すべては半年先或いは一年先或いは一年半先の輸出入を考えて、物事を處して行くのが各國間の慣習であり、從來の日本人の貿易業、生産業者も皆そうであつたのだし、又今後もそうでなければならん。その他例えば複數制の爲替の問題に對しましても、輸入の物は今國内の物價が非常に高いし、外國の物はアメリカは非常に高くなつておるといつても日本に持つて來れば安い。從つて安い爲替でこれる考えるということは、今の場合はそれは考えられても、苟しくも日本が獨立國家となつた場合には僕は運用できないと思う。それは言い換えれば非常に高い關税を課すると同じことになる。日本の輸出物品は二百圓、三百圓の爲替で換算しながら、輸入物價だけを五十ドルも百ドルも日本の輸出爲替の半分、或いはそれ以下で換算しなければ日本に輸入を許さんというようなことは私は當然考えられないことで、そういうことに對處するために、私はいわゆる物價廳なり貿易局がいかなる對策を持合せて、それに對する考え方を今日すでになしておるか否か、私はなしていないであろうことを恐るるが故にそれを特に聽くのであります。それは繰り返すまでもなく半年、一年先のことをどんどん押し進めて行かなければならん、場當りの今日の先の場當りのことだけでは許されないという心配があるから、更にその點についてもう一應説明を頂きたいのです。
  15. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 先程申し上げましたように、輸入品は現在大體同種物品の國内における生産者價格を基準にして決めという建前にいたしております。輸出品も同樣に原價計算で計算しました引合う價格ということにいたしておるのでございますが、御指摘の通り輸出品のような、加工を加えまする工業製品になりますと、繰業状況において能率が落ちておるというようなことを反映しまして相當高くなつておる。これに反しまして纒つた輸入品原料とか食糧とかいうことになりますと、まあそれ程騰貴していないといつたような關係がありまして、兩者の間に相當な開きが出て來ておる。これは事實だろうと思います。で例へば輸出品だけの換算率を計算し、輸入品だけの換算率を計算すると、その間現在相當の開きがあるようであります。併しこれは今申しましたように國内の經濟條件が現在のように形態的な條件の下において動いておる場合におきまして、一應そういうことでやるのは止むを得ないだろうという考え方で臨んで來ておるわけでありますが、併し今後それをそのままいつもしていいわけじやないのでありまして、今後におきましては、極力兩者の開きを接近せしめるという方向に問題を考えて行かなくちやならんだろう、具體的にそれをどういう方法によつて處理するかという問題がございますが、その點は考えとしては一つの基準的な換算率を設けて置きまして、それによつて一應計算して出て來るものを基礎にいたしまして、それから特に國内的に安くする必要のあるものは補給金を附加する意味において安くする、反對に相當高くしていいようなものは逆に高くする、その間調整金の財源にするといつたような、そういうような操作を合わせ考えまして接近せしめるようなことにいたしませんと、一擧に一本にしまして問題を片附けるということはなかなかむつかしいのじやなかろうか。將來におきましてはそういう方向に徐々に持つて行くように、私どもも適當なやり方を考えなければならないということにおきましては御指摘の通りでございますので、相當大々的に貿易が開けるような時期になりますと、そういうことにつきましても更に具體的に案を作りまして進めて行くべきものじやなかろうか。ただ現在は、今も申上げましたが、いずれも一つの考え方でございまして、やろうということに決めておるわけでもございませんので、そういうことだけを申上げまして御理解を得たいと思います。
  16. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 最近佐伯委員からも述べられておつたのでありますけれども、輸入品が輸出品と同じ爲替で換算すれば著しく安いものになつて來る、それから日本の生産品が非常に原價が高くついておるから、これを高いレートで出さなければ出ないというのが、現状であるのでありまするが、安い外國から輸入した原料を輸出品に廻さなければ、ドルとの換算率だけをこのままで押進めて行つておると、三百圓にも五百圓にもなつて、或いは國内事情の如何によつては千圓でも輸出ができないということになるかも知れない。私はそれを日本で一番チエツクするものは結局安い輸入品が澤山に來るより外ない。それは今の事情として直ちに實現は困難である。だから過渡的に今の政府委員の考てることは、それは了承いたします、いたしますけれども、例えば自轉車に例をとつても、車體にしても塗料にしても、現に國内で生産されておる粗惡な原料では輸出の太刀打ちができないということを業業者が言つている。それの今までの例からいうと、國内の生産費を大體基礎にして買上げて輸出しておる。その爲替がその自轉車については幾らになつておるのか私は今まで聞いておりませんけれども、恐らく相當高い爲替率に考えなければ輸出ができないであろうと存ずるのであります。併しながらそういうことをやつておつて、國内のものだけで輸出をしようとしたところで、今の場合はもう殆ど原料的にも品質的にももう伸びないということが業者の言つてるところでありますから、これに優良な資材を輸入してやらなければならん。そうしてそれが外國に行つて競爭し、今後それを繼續せしめるためには、安い原料を供給してやらなければならんのであります。輸入された原料を業者に供給する場合にやはり公定價格でやるということになると、今度は輸入原價の差額と業者に賣る差額というものができて來て、そうしてそれが商品にいろいろ違つて來る形になるというといろいろな惡弊もその間に起きて來るであろうし、經濟を人爲的に非常に攪亂して行くことになる懸念があるわけであります。今後は輸出についても、輸入についても、何というか、貿易の對象となる物價については、できるだけ早くこれを原價主義とか何とかいういわゆる人爲的方法によらずに、國際事情の成行きに委せる、そうしてできるだけ日本のコストを安くして行く。これを今のような日本のインフレで、そうして粗惡なる原料と粗惡な作り方、殊にこのだらけ切つた内地の産業で輸出産業を振興しようと思つてもなかなか不可能だと思います。だから、どうしても或る場合には相當思い切つて政策をとつて、安い品物を一應入れて見て、そうして目を覺ます必要があると思う。外國ではこんな品物がこの程度で日本に來るのだ、これを原料として我々はこの品物に對抗するような品物を外國に出さなければならんのだという以上は、私は成るべく早く來た方がいいと思うのであります。占領治下にありますから、そうこちらが希望するようには參りませんけれども、而も講和會議が半年か或いはその程度で目先きに來ておるといとことであれば、成るべくそういうことに早く近付けて行くということが、今日の貿易政策としては當然とらなければならんものであると私は信ずるのでありまして、その價格を自由にする、少くとも輸出の對象となるものは自由にするということについては、今物價廳なり或いは政府の方においてどういう考えを以て臨んでおるか、その點についてもう一應伺いたいと思うのであります。
  17. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 價格を自由にする問題につきましては、大體今ではこういうふうに考えておるのでございますが、重要な生産資材でもない、それから重要な生活必需物資でもないといつたようなものでありまして、公定價格を決めて見ても實際において實行はなかなかむずかしいだろうといつたようなもの、或いは物によつては相當すでに供給量が殖えておりまして必ずしも非常に不足はしていないというような種類のものについては、むしろ外した方がより妥當な價格が決まる可能性がある、こういうふうに考えられますので、そういう見地から雜品等については、これは雜多なものでありますが、目下外すことを研究中でございます。ただ輸出品について、それではどういうような考え方で外したらどうかという御議論も相當御尤もな點もあると思います。併し、例えば鐵維製品等になりますと、國内で非常に不足しておるものの一つで、これを外すとえらいことになりますし、こういうものはやはり原則としてマル公を附けておいて、特に規格輸出品或いは加工等で手が掛かつておつて餘計に原價が掛かるといつた物については、例外的に價格を高くするということは吝かでないのでありますが、フリーにしてしまうということについては、國内の物價政策全體の關係から見ましても、どうもまだ賛成するわけには參らないのじやなかろうかと存ずる次第であります。ただ輸出品においても、日用機械品類或いは雜品類等については、先程申上げたようなラインに大體合致する限りにおいてはこの際或る程度外すという方面に持つて行つた方がより良い物ができまして、而もその値段もそう高くならないというような效果を發揮し得るのじやなかろうかと考えられますので、そういうものについては合せて外すことについて今研究中であります。ただそういうことになると、貿易廳が今買入れておりますが、買入値段を幾らにするかということになりますが、結局買入値段をやかましく吟味するとなりますと、現在の段階ではやはり原價を計算して、それで適正な値段で買入れるということにならざるを得ないので、まあ結果においては大差ないという結果になるかも知れませんが、先程も申し上げたように一定の換算率等を設けまして、その率によつてバイヤーと國内の業者との間に直接取引させるということになると、その邊の妙味が餘程はつきりしてくるというふうに考えますが、併し輸出品全體についてそういう方式でやつて行くというのには少し例外的なものに止まりはしないが、從つて原則として、今の段階においてはやはり公定價格主義の上に立つて輸出品の値段を決めて行く。例外的に今申したような種類のものについては自由價格によつて動かしていく。こういう途を段々開いていく。こういう方向でこれも徐々に一定の方向に持つて行くというより外ないのじやなかろうかというふうに現在のところ考えておる次第であります。
  18. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 この貿易に對する根本方針等についてはまだ互いに檢討すべき問題があるとは存じますが、これは急ぐようでも、又日を變えて新らたにそういう方面を檢討する機會を作つてもよいと思いますが、議事の進行上段々議案もありますから、付議されておる貿易組合法を廢止する法律案に對する討論乃至討論の終結をするなり、採決するなり、そういうふうに進行されんことを希望いたします。
  19. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 皆さんの御要求があれば大藏大臣に來て頂きますが、その必要はありませんか、お諮りいたします。
  20. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 今のお話は材料が提供されていないので我々研究を十分に盡していないと思いますから、材料を至急提供されて、その材料によつて檢討の上にして頂いた方がよいと思います。
  21. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) その點については、今の油井さんのお話は特に特別會計の五十億圓の問題だろうと存ずるのでありますが、それとは全然別個でありまして、この間中から特にあなたが永井長官その他に對しまして、資金の不圓滑ということについて二三御質問になつておつたから、私はただその意味で申上げておるのでありまして、あの特別會計の問題をここで採り上げようという考えはないのですから、その點は御了承願いたいと存じます。  尚中平さんに申上げますが、今日はできるだけ御質疑を重ねた後に、この組合法の廢止に關する法律案だけは採決に入りたいと考えております。どうぞその意味で……。
  22. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 あとはどうです。百貨店の方は……。
  23. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) あとは今日はやりません。百貨店の方は、これは衆議院が先議でありまして、こちらは豫備審査になつておりますから……。それから理研の問題につきましては、更に愼重に審議をやらなければならんところがあるようでありますから、今日はこの案だけで、採決に入り、終りたいと考えておりますから、その意味におきまして、再びこの貿易問題に關係のある法律案が出て來るかどうか私只今承知しておりませんので、成るべく審議すべき關係のある場合に、關係のある問題を審議された方が便宜だろうと思うのでありまして、特に入念にやつた次第であります。
  24. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 御尤もであります。これ一つだけでありましたら時間は大分ありましよう。
  25. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 今のことについて部長に申上げますが、衆議院でもこれは附帶決議になつているのです。價格の點については……。私先刻價格を自由にと申したのは、國内の物價を何も彼も自由にやつて行くということを言うておるのではないのです。例えば繊維とか特殊な物件については、國内の物價といろいろ關係のあるものについて、それを直ちに同一レベルに置いて、これを論議するということを私は言つているのではないのです。良い物を安く、手のこんだ物を安くやるためには、國内の粗製濫造、私は敢えて粗製濫造ということを申しますが、公定價格制度では碌な物が出る筈がない。品質の點においては殆ど無力である。物價の決め方において、これは公定價格あるが故にただ量さえあればよい、質のことは殆ど問題にならんのです。實際問題としては國民經濟上もあらゆる損失を被つている。良い物を安く消費者が買えれば勿論結構、高くても良い物が澤山あるのだけれども、公定價格があるためにその點良い物が出せない。これは公定價格制度の根本的の缺陥です。
  26. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 今の問題に關聯いたしまして、例えば時計の問題でありますが、これはお話の通り大分できたのですけれども、正確な時間を示すような時計は極く少ししかできなかつた、非常に面白くない結果になつておるようでございます。これは技術が落ちていたり、いろいろ事情がありましようけれども、公定價格があるために、それに縛られているというような考え方もあるように思います。相當できるようになりましたし、これは必需品ではないので、こういう物は外してみようかという方向で今研究をいたしているのであります。外してみたら恐らくこういう物は少しでも質が良くなつて數は少しぐらい減つても良い物が出來るようになつたらむしろ國民經濟的にプラスになるのではないかと思います。御指摘のような若干の雜品類になりますと、御趣旨のような方向において相當現在研究中でございます。これは又私共のところだけで決定できない問題でございますが、大體に御趣旨のような點も相當實現できるような方向について考えているということを申上げて置きます。
  27. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 尚日本の輸出品の中で、戰前でもそうでありましたが、今度でも玩具というものは雜品の中で一應の取扱い商品になろうかと思うのでありますが、玩具の公定價格は前はあつたのでありますが、新物價體系になつてから玩具に對する價格をどうされたか。或いは玩具に對しては全然外そうとされておるか、その點いかがですか。
  28. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) それは發表はまだいたしませんけれども、外すということに今進行中でございます。
  29. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 今まで全然勵行いたしていない。玩具というものはおもちやの店へ行けば勝手な値段が附けてある。無論輸出品につきましては別なのであるますけれども、あんなものはやはり公定價格などがありますと、それと輸出品とはどういうカテゴリーによつてこれを整理するかという點がありますので、それで私は直接生活必需品でないものはできるだけ廣汎に外した方がいいと思う。それで輸出品については或る特殊なものは無論でありますけれども、つまり輸出しても引合う良いものをやつて採算が取れるということが、私は一番の眼點でなければならんと思うのです。輸出品を作つても儲からないというのが今の常識なんです。だから闇をやつてその間を補つて行く……。
  30. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 折角作つたものが引合わないで賣れないという問題でございますが、そういうものはさつき御指摘の通り非常に能率が惡くて變態的な條件にあり、就中資材等がなかなか適正な價格で入らないという種類のものが比較的多いようでございまして、こういう種類のものをそのままで引合うようにずるずるやつて行きますと、さつき御指摘のような理想的形體になつた場合においては一遍に詰つてしまう。こういうような種類のものは、そういうものには比較的多いのじやないかと思いますので、その點を一つ御了承置き願いたいと思うのです。ですから基礎條件をできるだけ早い機會によくしてやつて、低いコストで引合うようにして、それをどんどん輸出するという態勢に持つて行かなければ、一般の雜品等のものは殆ど大部分出ないという結果に陷るのじやなかろうかということも考えられますので、そういう面も併せて御考慮を願いまして、適當な方向に持つて行くということにいたしたいというふうに存じております。
  31. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 この規格品に對して嚴重な査定の下に輸出すべきものであるために、それを惡用して規格に適わないようなものを作つて、これを内地へばらすというような氣持が、私は一般メーカーの方にもありはしないかということを時々事實において聞くことがあるのであります。それは羽二重にいたしましても、その外一切の衣料品にいたしましても、規格外のものの方が内地へ廻して大變いい利益を得ておるのであります。それでこれはもう廣汎に互つて、極めて惡い思想でありますが、潜在意識として殆どそれのないものはない程度にメーカーにあるのです。それは私は指摘してよろしいと思うのでありますが、そのために嚴重にすればする程、或る意味におきまして不適品が儲かるという建前になると思う。これは貿易の方ではありませんが、一つの例といたしましても、東京の魚市場の状態を見ましても、鮮魚で出すべきものが古くなつたので、肥料に廻した方が鮮魚の公定よりも大分高く賣れる。それでこれをむしろ肥料廻しにして、市場の損失をカバーしようという所がある。それと同時に各メーカーにおきましても、そういうことのできることを却つて歓迎する氣分があるのであります。それが内地の原料を使つておるのならばよろしいが、輸入品を使つて、こういうことが萬一あつた場合にはどうしますか、極めて憂うるのであります。それでこれに對しましては將來メーカーに或る制裁を加えて、返金さすとか、乃至は後のものに對して制裁を加えるとか、とにかく輸入した原料は一切それに對する効果を十分發揮するように裏付けがなければならん。ただ口だけでいかんと云つたようなことでは、自轉車のように不合格品ができれば何ぼでも内地で賣つてしまう、内地で賣つた方が何ぼ儲かるか分らないということでは、痛くも痒くもなく、二等品のできることを喜ぶ傾向を持つております。これは極めて通俗な問題でありますが、極めて大きい問題であるのであります。この輸入原料を使つて拵えた物の二等品に對しては、どういう制裁を加えておりますか、ちよつとお伺いしたいと思います。
  32. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 非常に御尤もなお尋ねでございまして、私共その點は相當實は問題にいたしておるのでございます。お話の通り重要資材、就中輸入品の資材の割當を受けましてできた物を、まあ無理にというわけでもございませんでしようが、進んで不合格品にして、それを國内に流すということによつて儲かる。そういう傾向が相當あるということはお話の通りでございますので、今申しましたように貴重資材を政府から配給を受けて、それによつてできた物につきましては、不合格になつた物は国内の公定價格で、輸出品については今申しましたように、品質がよければ國内の公定價格より高い價格で買上げる。そういう品物につきましては、國内の公定價格で實際上公團等が買上げてしまう。こういういうやり方をやりますれば幾分防げるのじやないか、非常にひどいことを繼續してやつておる場合には、その次の資材の配給、その他においても手心を加えるということも考えられましようし、極力そういたしましてお話になつたような弊害がないように、就中輸入原料資材につきましては、それが輸出品の原料として割當てた以上、できた物は輸出品になるように、どうしても止むを得ない事情で、不合格になつた物は、今申しましたように公團等で國内公定價格を本にして、品質が惡ければそれよりリベートして買上げるなり、その他の方法を採りまして御趣意に副うようにやるべきじやなかろうか。大體そういう考えで進んでおります。
  33. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 只今の續きでありますが、同感の意を表されておりますから結構でありますが、これは同感だけでなくて直ちに實行じて貰いたい。そうしてそのメーカーに對してはやはり何かの機會に嚴重に布達して貰つて、そういうことが實際あり得ないように十分國策に副わしめるように傳達し、又改革を加える。これは不適品であるからということで、貿易廳の方で二等品だと云つて、公定價格で出しておられるというか、出すようなお考えがありましても、その二等品は逃げ易い、工場から少くとも何割かは流れてしまうのです。これはもう非常に深く考えて、實績をお調べにならんというと、瓢箪鯰ということになつてしまう。どうぞその點はよくお考えになつて機徴に觸れたところをやつて頂きたいと思います。
  34. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 只今の件に關聯いたしまして、實は別な方面から物價廳の方にお伺いしたい。只今中平委員からお話がありましたのは、輸出品のベケ品が横流しによつて相當利益を得ているというその半面、先般御發表になりました價格表を見ますと、價格査定委員會によつて査定されないものは九割引、つまり殆ど禁止價格によつて處理されるということははつきりと謳われております。併し輸出品に限りまして若しあの條項が正確に實施されるとすれば、あの表にある規格品以外の、創意工夫によつてこういうものを作つてアメリカに出してやろうというようなものが作られた場合、何によつて當嵌めるか、その點をお聞かせ願いたいと思います。
  35. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) お尋ねの趣旨がよく呑み込めていないかも知れませんが、輸出品につきまして不合格品が出た場合におけるその價格のことでございましようか。それとも國内の公定價格になる規格の輸出品ができた場合、その規格をどうするかというお考えでございましようか。その點をちよつと……。
  36. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 つまりあの規格表によつて第一號から第何號とか、各種類別に載つております。併しあの規格によつてできる規格品以外のものを創意工夫によつて作つたという場合です。
  37. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) その問題がこの間からも……先程も申上げましたように、正に國内の公定價格で豫定しているような規格品質よりも違つた規格品質のものができました場合は、これに對する例外價格によつて處理すべき一番好い適例でございまして、そういう特別な規格品質等の品物を作るために、特に原價が高くなつている、手間も餘計に掛かる、場合によりましては歩どまりも惡い、こういつたような種類のものでございますと、その點は十分考慮に入れまして、例外價格で適當な價格を決めて行くということにいたしたいというふうに考えております。實際問題としましても、そういうことで処理することになつておりますので、御了解願いたいと思います。
  38. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 只今の場合に、今までの例から申しますと、非常に價格設定が暇がとれまして、或いは三ケ月も四ケ月も掛かるということになつて商機を逸すると思うのです。そういうことについては、どういうお考ですか。
  39. 平田敬一郎

    ○政府委員(平田敬一郎君) 實はこの過去一ケ年くらいの問物價政策が非常に難航でございまして、據るべき基準がなくて、實は物價廳としましても、個々の問題を處理するについて非常に頭を惱ました次第でございます。それで或るものはそのときの實情に應じて相當高く決まつたものもあり、或るものはそれ程緊要でないために昔の値段がそのままになつているものもあり、非常に歩調が合わない、そういう個々の問題が出て來ましたが、その場合においも調査するのになかなか手間が掛かつて遅れました。ただその點はあらゆるものにつきまして一遍再檢討いたしまして、一應ここで新らしい公定價格ができ上りましたので、それに對して、今お話のような點につきましてどういう例外を設ければよいかという問題として處理すればよいということになりますから、今後は努力するという次第でございますから、成るべく努力いたしまして、商機を逸するようなことがないように、適当なものは早く認めて處理するというようにして行く、そのためには一つは輸出物品價格審査委員會というものを作りまして、そこに専門家の方々も多数入つて頂いて、委員會で成るべく即決主義、非常に例外的なむずかしい場合におきましてはそうは參りませんが、即決主義で行つて、その委員會で決めたものは、大體これは諮問機關でございまするが、成るべく尊重して、早い機會に例外價格として認可をして行く、こういう方針で動かすことになつておりますので、いま誓く成績を御覧願うようにお願いいたして置く次第でございます。
  40. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 只今大藏大臣がお見えになりました。輸出貿易の金融問題について皆さんに御質疑があろうかと思つて御出席を願つて、今お見えになつたのでありますが、お忙しいと聞いておりますので、成るべく御意見のあるところをどしどしお尋ねになつて頂きたいと考える次第であります。  尚申上げて置きまするが、財政金融の委員會に付託されている貿易資金の特別會計法案が商業委員會と聯合審査になつておりますが、資料不足のために今審議中止の形になつておりまして、その資料を持つておるのであります。まだ資料が配付されて來ておりませんから、その特別會計に對する資金の問題は、ここでは一應棚上して置きまして、一般の貿易に對する資金の考え方について御質疑を願うのが一番適當じやないかと考えるので、併せて申上げて置きます
  41. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 大臣にお尋ねしたいのですが、實際貿易商品の生産者といたしまして、最近一番困つているのは資材の面よりむしろ資金の面ということになつておるのです。一般市中銀行に對しまして大藏省方面からの指令といたして、やはり貿易資金といいますか、貿易商品に對するところの貸出しということについては相當緩和されておるのでしようか。或いはやはり今までの通りに非常なる嚴格なる審査を要するものでしようか。具體的に御説明を願つて置きたいと思います。
  42. 栗栖赳夫

    ○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えいたします。大藏省といたしましては、輸出貿易に必要なる資金は長期資金であると或いは短期資金であるとを問わず十分疎通をいたしたい。こういうように考えておるのでございます。そこで短期資金即ち運轉資金につきましては、先ず第一に貿易スタンプ手形の制度を拵えたのでございます。これは御案内の通りでございますが、實際これがどれくらい行き亙つているかというようなことも私は知る必要がございますので、この點におきましては、毎月一囘の東京の銀行及び地方銀行の集まりにも私出席し、先月は先方から私のところに來て貰いましていろいろ話をいたしたのであります。それから大阪には先月の初め參りまして、金融機關と貿易業者とに一つ所に集まつて貰いまして、そうして談墾會をしたような次第でございます。そうしますと、このスタンプ手形がまだ十分利用されるに至つておらんような事實があります。それは單に非常に資金の需要があつて、そうしてそれが運轉運用されんというのでなしに、まだ貿易品につきましても、資材その他の面においても、業者の方でどつちにしようかという足踏みもあります。そうして豫備的の話合いが非常に多いのでございます。そこで實際に資金の需要が出て、どんどん來るようになれば、もつと運用されて來ると思うのでございますが、まだ話が今日にも借りる、明日にも借りるというところまで行つておらん點が非常にあるのでございます。ただ私考えて見ますと、大阪の墾談會で聞いたところによると、スタンプで日銀がスタンプされる。併しこれはスタンプであつて保證できない。そこで尚心配があるということを言われた銀行家もあつたのであります。そこでそういうことはない、これは從來もこのスタンプ手形というものはしばしばあつたのです。それを若し資金の必要があつた場合に日銀へ持つておいでになれば必ず支拂いをいたしますということを申したのであります。尚その點が十分滲み渡つておらんところがあるのじやないかと思いまして、東京に歸つて日銀總裁にお話し、更に各支店長にもそのことを言つて貰つて、趣意を徹底して貰うようにいたした次第でございます。いま一つは成るべく貸したいけれども資金がない、そのために貸されない、これは大阪でありますが、やはりこういうような話が出たのであります。一方では貸して貰いたいけれども、業者としては日本銀行から直接借りることはできない、そこでこの邊の隘路をどうかして貰えないかという話が出たのであります。これは尤もな話でございます。そこでまあ貯蓄増強をいたしておりますので、うんと貯蓄を増強して貰いたい、それと同時に政府資金の滞りはできるだけ一掃する意味において支拂いをいたしますと言つた次第であります。八月は百四十一億の貯蓄實績を擧げております。九月はまだ集計しておりませんが、相當大きい實続を擧げておるような次第であります。そこで、そういう場合にこの貿易手形で割引いて、民間でも資金がないということを言われるようなことは薄くなつておるとは思うのでありますが、併し萬一の場合がありますので、實は歸りまして直ぐ日銀總裁に更に話したことは、そういう場合にいかにするかということでありました。そういう場合には特銀を使うとか、或いは必要があると認められるならば、普通の銀行でも日銀資金を貸出して、又割引くものは割引かせる。日銀總裁と話して、私もそうして貰いたいという話をした次第であります。そこで資金がないから貸されないというような話がありますならば、一つ大藏省でも日本銀行の支店長のところへでも話をして頂きますれば直ぐ措置をする、必要な金は出すということに措置すると思うのであります。  それから設備資金の方でございます。これも相當の大きな金が要るのであります。これは貿易スタンプ手形では實行できないのでございまして、これは各銀行におきましても手許資金によつて金融をされるわけでございますが、併しどうも鈍り勝ちな點があるのでございますから、これは必要があれば復興金融金庫の方で融通をするということにいたしまして、そうして手續をいたしたような次第でございます。例を擧げますと、例えば先日の水害で桐生、伊勢崎、足利、これら貿易向け企業地の企業設備がすつかり壊されてしまいまして、私も前橋、足利に日を變えて參りまして、そうして金融機關を集めてその融資の點をも話をいたしたのでありますが、ここでは復興金融金庫の保障があるならば地元銀行が復興に要する資金を共同貸付をしようということまで話ができておるのであります。そういう次第でございまして、若しその外輸出向けの設備をしたい、そのために資金が必要だということがありまして、大きなものでございますれば、最寄りの今までの取引先の銀行でできない場合には必ず復興金融金庫でいたします。それから中小のものでございますれば、これは單獨に中小としてできない場合には或いは組合を作つて、そうして商工組合中央金庫か復興金融金庫の代理店として代理貸しをするという途を開いておりますので、そういう面からしてもできると思うのであります。それで融資の順序は貿易向けでありますならば、特に順序が少々低いものでも繰上げをしましても融通をいたしたい、こういうように考えておる次第でございます。私共は囘轉基金を五億ドル以上のものを貰つておるわけでございますが、これを何にも使わないでしまうということになりまするならば、貿易の再開を呼び水にしての産業恢復ができんわけでございますので、それを費用に更に内地の長期短期の金融は十分いたしますから貿易を振興して頂きたい、かように考えておる次第でございます。私も實際こういうことに當つて私もみますというと、むしろ業者の方においても具体的な話を持つて來て貰つて、日銀とか大藏省に相談して頂きたい、かように考えております。
  43. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 只今大臣より極めて親心のある輸出奬勵についての金融關係の御説明を聞いて感謝に堪えない次第でございます。實に繊維關係等におきましては、原料の買入れというものは一年間大體四半期に分れて、その買入れの資金というものは一時に拂う、そういう場合において、原料資金というものは、只今大臣がおつしやたように、或いは復興金融金庫等を通じて借入れをすることができる。扨てそのできた製品を輸出方面の企業者に出す場合になかなか契約の圓滑なる締結ができない。そのために企業家としましては相當多量の品物を自分のところにストツクして置かなければならないという状況が出て來る。そういう際におきまして、その契約書の締結までの間が銀行等において貸出しをすることがなかなか困難になつておる。それにつきまして、大藏省方面或いは日銀等におきまして、なぜ商品擔保に、いわゆる輸出商品を擔保に貸出制度を設けてなさらないかという不審があるのですが、これにつきまして御意見を伺いたいのであります。
  44. 栗栖赳夫

    ○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えいたします。いまの繊維關係でございますが、私もぶつかりましたのは、殊に生絲關係のものが大分あるのでございますが、これにつきましては契約その他がうまくできないというのもありましようし、又内地に向けるとか、賣捌きというようなことのために、殊に値上りその他のために、賣り控えのためにストツクになつておるというものもあるように思われるのでありまして、そういう場合には擔保がどうありましても金融いたし兼ねるのであります。併しそういう意味でない場合におきましては、擔保の有無というよりも、むしろこの事業にどれだけの資金が要るか、殊に貿易のために要るかというようなところを考えまして、この資金の融通をいたしたいと思つておりますので、若し止むに止まれんためにストツクが多くなつて換價ができない、そのために資金の不通があつたというような場合におきましては、別途の方法で運轉資金の貸出しもできるわけでございます。殊に復興金融金庫ではその種のものもいたした例もあるのでございます。
  45. 椎井康雄

    ○椎井康雄君 只今大藏大臣は非常に簡單に金が貸出せるようにお話になりますが、末端に行きますと、なかなかそう簡單に行かないのであります。それで産業の設備資金というようなことになりますと、特にそういう點が非常に多いのであります。貿易手形が取れる段になりますと、非常に融通ということが樂になるのでありますが、併し産業の設備とか、そういうことになりますと、いろいろ地方銀行とか、そういう所が今のお話のように簡單に行かない。それで十三日かに全國の銀行大會があるそうでありますが、そういう場合に地方銀行にもそういう話を是非して頂きたい。同時に地方銀行で非常に金に困つておるところがあるというようなことで、私は宮崎縣でありますが、宮崎縣の場合は非常に資金が不足しております。そういうような所では、銀行に對して何らかの融資というようなことをば考えて頂くというようなことができるなら、そういうことをして、少し向うの産業の開發というようなことに特に輸出産業ということになりますが、今まで宮崎縣のごときは殆ど三井方面から椎茸なんかの場合、資金の融通を受けました。そうして三井が皆それを買取つて輸出しておつたというようなことで、貿易に對して皆初めての經驗者ばかりであります。それをば生産者から買集めるのにも資金が要る、そういう場合に非常に困難しているというようなことを聞くのでありますが、そういう場合のことを一つ御考慮願いたいと思うのであります。
  46. 栗栖赳夫

    ○國務大臣(栗栖赳夫君) 今日は金融の健全化ということをいたしておりますから、資金殊に運轉資金を、今お話のように産業資金つまり設備資金を長期に借出すということは非常に骨の折れることだというのは私十分存じておるわけであります。  それから地方銀行につきましては、今お話のように、實は十三日會と申しまして、十三日に毎月集つて話をしておりますが、私が先先月は向うへ行く、先月は私の方へ來て貰う、又今月は向うへ行く番になるかも知れませんが、十分お傳えいたしますでございます。併し今のお話のようなことは恐らく……八月の十五日前頃はそういうような状態が非常に強かつたのでございますが、昨今はもう相當資金が潤澤になつております。尚土建その他につきましても、政府支拂いを相當促進をいたしておるような次第でございますので、資金が潤澤に廻るようになると思います。  それから宮崎縣は今お話がございましたが、大分縣の方は相當貯蓄が進んでおるのでございます。それでそういう點もありますが、一つ地元銀行に大いに貯蓄の勸誘をして貰つて資金を殖やす。そうしてどうしても必要な資金は貸出す。それがために資金が必要だということになれば、或いは復興金融金庫の支所を經て、福岡にございます、そこへ一應お話込みを願う、或いは門司にあります日本銀行の方にもお話を願う、その場合どうしても地元銀行が貸されない、又貸す資金がないという場合には、その方から資金を廻すというようなこともいたしておるような次第でございますから、一つ具體的な問題についてそういうようなお話を願つて廻して頂いたらばいいのじやないか、かように考えますのでございます。  十三日會においては今の御要望にお傳えをいたします。
  47. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 尚ちよつと今物價廳の第一部長が外に廻らんならんと言つておりますが、もう廻つて差支えございませんか。物價に關する關係はもうよろしうございますか。皆さんの御意見次第で、今どこかへ廻りたいと言つておりますから、お諮りいたしたいと思います。
  48. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) それじや差支えないそうでございますからどうぞ……。
  49. 深川榮左エ門

    ○深川榮左エ門君 先般商業委員會のときに、商工大臣に對し、貿易に關する中小工業の重要性から、今後貿易の中小工業に對する金融機關を具體的にどういつたふうに取扱われるかということをお伺いしたのであります。その際中小工業に關しては別に特別に金融機關を作るという考えを持つておるというようなことをお答えがあつたのでありますが、只今大藏大臣からのお話によりますと、復興金融金庫から中央商工金庫ですか、に裏付けをさして、それで融通をする。大藏大臣におきましては、中小工業に關する金融機關を特別にお作りになる意思があるかどうかということをお尋ねしたいのですが……。
  50. 栗栖赳夫

    ○國務大臣(栗栖赳夫君) この中小工業の振興につきましては、私も年來大藏省に參ります前からも意見を持つておる者でございまして、私はこれは貿易を主としてする場合が第一に起つて來まするけれども、併し今後日本の經濟再建ということになりますと、貿易のみならずその次に展開するのは一般的の中小工業の振興でなければならんと思うのであります。中小工業の振興につきましては、私金融の面から少し深入りしてまでいろいろの經驗をしておるのであります。技術的な指導とか或いは經營的な指導ということを相當やらないというと、これはなかなかうまく行かんと思うのであります。  それから金融の制度につきましては、その資金供給というようなことが、私共長い經驗によりますと、非常に口數が多くて手數の多く掛かるものであります。併しながらもう三十年近い經驗を持つておりますけれども、バランスを取つてみますと、この中小工業でそう大きな缺損を受けるというようなことはないのでございます。  そこでそういう趣意から――今丁度商工組合中央金庫の方と、いま一つは復興金融金庫の方にその經驗が移つて、それは今活用してやつておるような次第でございます。そこで中央組合金庫の方は組合金融でございます。それから復興金融金庫の方は單に組合金融のみならず、個人々々の金融もしておるわけでございます。で、金融を更に疏通するということは、商工大臣もいろいろ意見があるかも知れませんが、私も大藏大臣として一つの意見を持つておるのであります。一つはいろいろ金融制度を確立する、それは多く中小の金融の場合にはどうも取る擔保がないからいかんというようなことをよく言われます。それはキヤラクター、人柄を主にするのが一番いい擔保と思いますが、物的擔保もなければいかんのでありますが、只今の工場抵當法による單純な工場抵當だけではどうもうまくいかんと思います。更にもつと簡單にした、一種の工業動産信用法というような、丁度農業動産信用法に類するような簡便な擔保も考えたらどうかと考えるのであります。  それからこれを貸出しする金融機關でありますが、これも市中銀行、地方銀行その他の銀行でやらすと同時に、やはり特設の一つの金融機關を持つていいと思うのであります。只今そういうものとしては、日本勸業銀行、日本興業銀行、それからこの商工組合中央金庫、復興金融金庫、こういうものが特設の機關としてあるわけであります。こういう特設の機關は今度は金融制度全體の整備によりまして、非常に整備をされるのじやないかと思うのであります。そこで中小工業の金融はどういうように整備されるかということは、今のところまだはつきりいたしておりませんので、私は商工組合中央金庫を中心に一つ整備してみる。そうして商工組合中央金庫は今までは組合だけに貸金をしておるわけであります。或いは組合員個人にも貸金をするかということも一つ考究をして見なければならん。組合及び組合員に貸出しをするということも一つ考究してみる必要がある。これも一つの課題であります。それと同時に商工組合中央金庫はいつも資金がないのでありまして、そこで非常に困つたのでございます。それで只今のところではその資金がないのを補うために、復興金融金庫の代理貸しの形式で以て、つまり復興金融金庫の資金を使つて、貸出しをしておるような次第でございます。これはむしろ損失を國庫が負うという建前と同時に、商工組合中央金庫が資金が足らないのを補うという意味でございます。  それで整備の結果どうなるかということはまだ分りませんけれども、今申上げましたような缺點をいろいろ矯めて、商工組合中央金庫を中心に一つの整備された特設機關ができるのじやないか、かように考えるのであります。  商工大臣の考え方はどういう考え方か知りませんけれども、恐らく私と同じような考え方じやないか、かように思つておる次第であります。
  51. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 尚他に御質問がありませんければ、私はこれにちよつと關聯しまして、幸いに大臣がおいでですから伺つて置きたいのですが、たしかまだあの經理統制會が今日全部生きておると思うのであります。圓の價値が當時とは格段の開きがあつて、そうして假に貿易のために設備をするという場合にも、たしか今日でも五萬圓以上は何か許可を受けなければならないことになつておると思うのであります。それで實際の場合に五萬圓や十萬圓は修繕の場合でも各工場では必ず要るのでありまして、それは無許可でやるか、或いは適當にやつておるか、いずれにしても本格的に何か審理をして貰うということになると非常に厄介になるから、恐らく小さなものはまあ適當にやつておるということが一番當るであろうと思うのであります。それが例の二十萬圓以上の問題になつてから、十九萬五千圓なり、十九萬二千圓なり、十八萬圓なりという會社が非常に流行した。而も今日の貨幣價値からいえば、もう殆ど言うに足らない程度のものになつておる。それがまだ今日そのまま生きておつて、そうして何かすれば、それが全部引掛かつて、手續きをやらなければ結局脱税行爲になる。假にやるとすれば各省の會議に掛かつてなかなか捗が行かないし、やるとすれば、逐一それに運動が要つて、何か復興金融金庫でも大口の金が借りられれば、その中の五分とか一割は手數料や何とかでいろいろと資金がかかる。つまり經理統制令なり、何か事があれば、それを各關係各省の當事者が持寄つて會議をしておる、その會議を一々パスしなければ、これが正當な所に取次がれない仕組になつておるのであります。そこで私が聞きたいと思うことは、今日のこの物價を大體六十五倍の基準に考えておるような世の中に、當時の金額のままの法律がそのまま適用されるということについては、甚だ不合理じやないかと思うのでありますが、これに對して大藏大臣は何とかこれを改正する必要を認められるかどうか。認められるとすれば、いつ頃そういうことを改めたいとお考えになるか、その點につきまして、序でながら一つ伺いたいと思うのであります。
  52. 栗栖赳夫

    ○國務大臣(栗栖赳夫君) 只今一松さんのお話、尤もでございます。近頃のこの物價の變動によつて、そういうような金額の制限がどうも意味をなさんような問題が多々起きておるのであります。これはあの罰金その他の點も同樣であろうと思うのであります。他の問題は別としまして、今の經理統制とか、或いはその他の會社の經理、金融に關する面においては、この片山内閣の政策が大體浸透しまして或る程度の安定を見るならば、私は成るべく速かな機會において變えたいと考えておる次第でございます。それでないと意味のない點が多々あるのでございます。まあ追加豫算その他の問題も濟み、大體の推移を見て、成るべく速かな、而も適當な機會において、こういうものも一應檢討を加えて、然るべく時勢に合うようにいたしたい、こう考えております。
  53. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 先程大臣からのお話では、値上りを待つておるものに對しての金融ということは考えておらないということですが、値上りを待つておるんじやなしに、價格の改訂が發表にならないで延び延びになつておるために、つい品物が金に變らないという場合を私は申上げたんです。  尚これにつきまして申上げたいことは、只今委府の方面において、事業家というものは昔の資本金……恐らく戰前においては今の百分の一位の資本金であると思います。そういう資本金を以て事業經營をして今日まで參つておる場合に、その間に利益があつた場合には、殆ど税金を以て取られてしまう。その殘りというものは結局元の資本金と大差ないものになつて行く。こういう場合におきまして、それが繰り返されて今日に至つてあらゆる事業というものは、殆ど我々の想像し得ないような厖大なる借入金によつて賄つておることと思います。その場合におきまして、政府が利潤を認めない、或いは資本金の自然的に膨脹することを認めないというような制度、こういう制度を持續した場合に、若しインフレがこのまま増進しておるときは、次から次とやり繰りをしながらその事業が或いは囘轉しておるかも知れないが、一朝デフレに際會した場合には、厖大なる借入金だけが殘つて、あらゆる事業は倒壞に瀕するというような懸念がされはしないかと思うのでありますが、大藏大臣の所信をお伺いいたしたいと思ます。
  54. 栗栖赳夫

    ○國務大臣(栗栖赳夫君) 今の御質問も誠に大きな問題であります。私共永年企業などにも關係をし、又それを監査もいたして參つた者であります。大體事業が自己資本と借入資本との間に均衡を得さすということは、これは事業經營の中で最もサウンド・プリンシプルでなければならん、こういう考えでおるのであります。ところが、戰時中いろいろな事情によりまして、借入資本が確かに或る程度膨脹をいたしております。殊に終戰後物價の昂騰によつて、最近設備などをいたしておりますものは大部分借入資本によつておるために、借入資本が非常に大きな數字であつて、そうして古いよい會社ほど自己資本は少いというような立場になつたのであります。これを改めるということはこのリ・キヤピタリゼーシヨンといいますか、資本の再檢討をしてやるべきであると思うのでありますが、それは只今のところでは企業再建整備法によつて一應再建整備をブツク・バリユーでいたしておりますし、それから今度或いは經濟力集中排除の指定をうけるものについては、更に會社などを作ります場合には、この現在の金、現物拂込ならば、どういうようなものになるか未定でありますけれども、併し今の再建整備とか集中排除だけの點等においてはリ・キヤピタリゼーシヨンというものは行われないと思うのであります。そうして經濟が相當安定を見た上においては、各種の企業はこのリ・キヤピタリゼーシヨン、そうして自己資本と他人資本との間に均衡を得さすということをいたすようにいたさなければならんと考えるのであります。昭和四、五年のパニツクのときもそのアン・バランスの非常に各種の企業に深刻な打撃を與えた例もありますので、是非日本の健全な産業の發達を考えるときはそういうふうにいたしたいと思うのでありますが、今のところまだそこまで參らんという點を一つ御了承願いたいと思うのであります。  それから先程のお話の物價改訂がまちまちになる。相當遅れておる。こういうものに對してストツクの點の金融というお話もあつたのでありますが、それは實は復興金融委員會におきましても、私も出まして、そういうものについては、相當申出があつたものについては面倒を見ておるような次第でございますが、尚中小のものについて面倒を見られんというようなものがあろうかと思います。そういう場合には一つ最寄りの日銀の支店長か、或いは復興金融金庫の支所へ申出て貰つて、金融を話されるということが一番簡便じやないか、かように考えております。
  55. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 他に御質問がございませんければ、大藏大臣お急ぎのようでありますから……。  ちよつと伺いたいのですが、本年の九月までの貿易状況と、それから年度末までの……貿易年度はやはり四月から三月となつておりますね、そうすると大體上半期が過ぎておるわけですが、上半期の貿易の實績と、それから今後の見通しについて何か具體的な計畫と、過去に分つておる分だけを今御説明が願えれば結構ですが、數字を頂きたいと思うのです。大體八月までのやつは分つておるだろうと思うのでありますが……説明員からお答えがあるそうですが、許可することに御異議ありませんか。
  56. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) どうぞ……。
  57. 勝部俊男

    ○説明員(勝部俊男君) 八月までの分が今日貿易廳から發表になつております。
  58. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) あの發表になつたことを甚だ遺憾に思つておる。何故に國會でその貿易のことを主宰しておる商業委員會に話さないのか。新聞に發表になつて、我々が新聞で見るような、そういう資料の取扱い方というものはないものだと思うのです。今日のは私はさつきタイムスで見たのでありますけれども、あれは八月だけを發表しておるようですね。
  59. 勝部俊男

    ○説明員(勝部俊男君) そうです。それまでは毎月別々に發表しておりますから……。
  60. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 今後の計畫についてはあなたの方でやつておるのじやありませんか。
  61. 勝部俊男

    ○説明員(勝部俊男君) 計畫はやつております。現在やつております計畫は……。
  62. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 今の計畫を私は承りたい。ということは、リボルビング・フアンドができても、大體決まりかけたものは僅かに六千萬ドルの棉だけであつて、あとの五億ドルも利用ができるというのに、もうリボルビング・フアンドを發表せられて相當日が經つのに、まだ殆ど目鼻がついていない、それを利用して、そうして加工をして輸出しようというのに、それの相手も金額も積出し期日も、何もかも全然分つていないということになれば、全然日本の産業の建設の役に立たんわけですが、それがどの點まで進捗し、いつ頃になつたらできるお見込ですか。
  63. 勝部俊男

    ○説明員(勝部俊男君) ちよつと速記を止めて頂きたい。
  64. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 速記を止めて。
  65. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 速記を始めて。私がリボルビング・フアンドと言つたのは、リボルビング・フアンドを旱天に慈雨を望むがごとく、首相が議會に來ていかにも喜び勇んで言われ、國民も或いは最近のラジオでも、口を開けば五億ドルの借款、五億ドルの借款というて、いかにもそれだけのものが今にも國民に來るかのごとく振れ廻つておるわけであります。ところが、綿花は今まで向うに棚上げの綿花があつたから簡單に出て來たのであろうと思うけれども、それもなくなつてしまえば、今度リボルビング・フアンドを使わなければ、日本の金融もそう簡單に行かないので、リボルビング・フアンドを使うようになつたと私は想像するのでありますが、後の大體一年以内にそれを囘轉して行くという考えになつておるのであるけれども、それだけは少くとも今言つたように餘計にできるわけだと思つて國民は樂んだわけであります。その樂んでおるのが、今あなたのおつしやるように、いろいろな經緯で遲くなつておる。遲くなつておるということは、それだけ日本の輸出も結局遲くなるということであつて、食糧の輸入のために非常に外のものの輸入が阻害されてしまつておるわけだから、外の材料は輸入するのに一番當てになるということだろうと思うのです。でありまするから、我々としてはそれが一日も早く動き出さんことを希望しておるのであつて、それのみが輸入の資金であるとは勿論考えていないわけであります。それで大體本年の食糧の輸入も九、十の放出で一段落をするだろうと思うのですが、今後はこの下半期の半年は相當工業原料が輸入される見通しがついておりますかどうでしようか。その邊若し分つておれば成るべく具體的に我々に示して貰いたいと思うのであります。
  66. 勝部俊男

    ○説明員(勝部俊男君) 棉花は新聞にも出ておりましたように、大體三十五萬俵ぐらいが近い中に入つて來るのじやないかと思うのでありますが、羊毛は餘り今のところ見込がありません。囘轉基金によつて入る見込みができておるという話は聞いておりまするけれども、まだ確定的ではありません。御承知のいろいろ品物からいいますと、大體において非常に苦んでおるのでありますが、鹽なんかも非常に困つております。それで要するに、只今委員長は、輸出入囘轉基金ができたらそれだけ餘分にできると考えていたとおつしやいましたが、輸出入囘轉基金ができたらそれだけ餘分にできるというよりも、本當ならば赤字で何にも輸入できないで、非常に必需産業が苦しむ羽目に陷るべきところを、輸出入囘轉基金という妙案を以て何とか輸入する途を開いて呉れたと我々は解釋しておるわけであります。御承知のように非常に赤字で、食糧その他の輸入が多いのと、生絲その他の輸出が非常に小さいものですから、本當ならば何にも輸入できないはずであつた、それに一つの途を開いて、少くとも輸出用の原材料だけは何とかしてやるという考えで設定して呉れたのであります。そこにおいて我々は喜んでいたわけであります。
  67. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 私は大體昨年度が一億八千萬圓ドルであり、今年の上半期において約一億ドル近くの輸入超過になつておるということは、數字は多少の違いはあるかも知れませんが、さように承つておるのでありまして、五億ドルの囘轉基金が設定される、五億じやありません、大體一億三千七百萬ドルと加工賃の合計で約二億圓を基準にしてやるというので、最少限度五億ドルというように了解しておるのでありまするが、そのときに私は、それは日本を自前にするために設けたのであつて、從來よりは苦しくなるのじやないかということを、現に私は本會議の參議院の感謝決議案に對する賛成演説の中にそれは述べてあるのであります。ところが、永井長官からは、食糧その他はそれとは大體別だというふうに私は御囘答を得ておるように思うのであります。それでまあ今は時間も差迫つておりますから、その邊のことは、永井長官はどうであるとか或いは次長はどうであるとかいうようなことをここで改めて詮議立てて言え考えはないのであります。ただ今後の貿易の見通しは、輸入原材料によるより外、殆んどもう天然自然の農産物か特産品以外に餘り大した見込みがないということになれば、どうしても輸入先になるわけであります。だからその輸入の見通しを、國民に或る程度まで可能な範圍内において實際を詳しく知らして心構え持たしてやる、それでないと、今までの政府のやり方は無暗に喜んでおると思うのであります。民間貿易が再開された、或いは貿易再開だ、クレジツトは五億も許されておるというので、非常に一般の人は樂觀的な見通しを持つておると思うのであります。私はさようには考えませんのでありまするけれども、それで特にリボルビング・フアンドの問題でなくて、全體を綜合した見通しの上で、どのくらいの輸入を見越しておるかということを知りたいのであります。若し只今數字を以て即答をすることができませんならば、これは他日でもよろしうございますから、詳しい表を、本年度の六ケ月間の實績と、それから今後の見通しについて、成るべく事實に近いところを本委員會に提出されるように要望をいたしまして、私の質問は打切りたいと思うのであります。  それでは他に御發言がございませんならば、この貿易組合法を廢止する法律案の採決に入りたいと思うのであります。  その採決に入るに先立ちまして、實は貿易廳に詮文があるのであります。今日の新聞で、八月分の貿易の實績を發表されておるのでありまするが、新聞紙に發表するまでの手續或いは數字が纏まつたならば、新聞紙に發表する以前に、國會の開會中ならばその常任委員會、衆議院も私は多分そうだろうと思いますが、若し開會中でありません場合は、少くとも常任委員長の手許まで、そういう數字の纏まり次第御提出あらんことを要望いたします。新聞で我々がそういう結果を知るようでは、いわゆる議員の職責を盡す上において甚だ遺憾な點があると考える次第であります。
  68. 永井幸太郎

    ○政府委員(永井幸太郎君) 拜承いたしました。國會の權威を十分重んじまして、開會中は新聞に發表する以前若しくは同時に常任委員會へ御報告することにいたします。
  69. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 尚その點については必ず數字が纏まつて發表されるのでありますから、成るべくその以前ということを嚴守されんことを重ねて御詮文申上げます。  それでは貿易組合法を廢止する法律案、これにつきまして他に御質疑がないようでありまするならば、討論に入りたいと思うのでありまするが、御異議はございませんか。
  70. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ることにいたします。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいのであります。他に御意見はございませんか。  御發言がなければ採決に入ります。貿易組合法を廢止する法律案を可と決する方の御起立を願います。
  71. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 全會一致でございます。よつて法案は可決いたされました。  尚本會議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつて豫め多數意見者の承認を經なければならんことになつておりまするが、これは委員長において本法案の内容、本委員會における質疑應答の要旨及び票決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
  72. 一松政二

    ○委員長(一松政二君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に多數意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。  それではこれにて散會いたします。    午後三時四十七分散會  出席者は左の通り。    委員長     一松 政二君    理事      鎌田 逸郎君    委員            椎井 康雄君            中平常太郎君            松下松治郎君           大野木秀次郎君            黒川 武雄君           深川榮左エ門君            油井賢太郎君            小林米三郎君            佐伯卯四郎君            波田野林一君            結城 安次君            廣瀬與兵衞君   國務大臣    大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君   政府委員    貿易廳長官   永井幸太郎君    總理廳事務官    (物價廳第一部    長)      平田敬一郎君   説明員    經濟安定本部貿    易局次長    勝部 俊男君