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1947-10-10 第1回国会 参議院 司法委員会 34号 公式Web版

  1. 附託事件岐阜地方裁判所多治見支部を設置す  ることに關する請願(第十一號) ○帶廣地方裁判所設置に關する陳情  (第四十九號) ○刑事訴訟法を改正する等に關する陳  情(第六十號) ○民法の一部を改正する法律案(内閣  送付) ○家事審判法案(内閣提出、衆議院送  付) ○函館市に札幌高等檢察廳支部設置に  關する陳情(第百四十號) ○法曹一元制度の實現に關する陳情  (第百四十五號) ○農業資産相續特例法案(内閣提出) ○經濟査察官の臨檢檢査等に關する法  律案(内閣送付) ○裁判官彈劾法案(衆議院提出) ○裁判所法の一部を改正する等の法律  案(内閣提出、衆議院送付) ○札幌高等裁判所竝びに高等檢察廳帶  廣支部設置に關する陳情(第三百二  十四號) ○最高裁判所裁判官國民審査法案(衆  議院提出) ○廣島高等裁判所岡山支部設置に關す  る請願(第二百八十一號)   ――――――――――――― 昭和二十二年十月十日(金曜日)    午前十時三十七分開會   ―――――――――――――   本日の會議に付した事件裁判所法の一部を改正する等の法律  案   ―――――――――――――
  2. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) これより委員會を開會いたします。本日は裁判所法の一部を改正する等の法律案につきまして、衆議院において修正可決されました議案につきまして、これを議題といたしまして質疑に入りたいと思います。質疑の前において、先ず政府委員の本案に對する内容の御説明を願うことにいたします。
  3. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) それでは本法案についての内容を御説明申上げます。  第一點は一條關係でございますが、裁判所調査官の身分に關する裁判所法の規定につきまして、從來調査官はすべて二級官ということになつておりましたのを、今囘一定の員數を限り、一級ともなし得るということに改めました。これによつて裁判所調査官に一層の適材を得る道を開こう、こういう趣旨でございます。  第二點は第二條關係でございまして、下級裁判所の裁判官の任命のため、最高裁判所がその指名をする期間の延長でございます。裁判所法施行法におきましては、裁判所法施行後六ケ月以内、即ち本年十一月二日までにその指名をしますことになつておりますのですが、裁判所法施行後、最高裁判所判事の任命がいろいろな事情から豫想以上に遲れまして、そのためこの期間ではやや危いと思いますので、期間を延長いたしまして十二月三十一日までにする、こういう案件であります。  第三點は三條關係でございまして、裁判所の職員の定員の關係でございます。この定員は裁判所職員の定員に關する法律によつて定めてあるのでございますが、その後私的獨占の禁止、及び公正取引の確保に關する法律の施行、竝びに經濟統制違反の取締りの強化に伴う措置によりまして、裁判官その他の職員の増員を必要といたします外に、最高裁判所の事務局の機構を整備充實いたしますために、必要な裁判所事務官の増員をいたす趣旨の規定でございます。  最後の第四點、第四條關係でございますが、簡易裁判所の判事の俸給につきまして、從來簡易裁判所の判事はすべて二級待遇ということになつておりましたのを、一級及び二級ということにいたし、一級になし得る餘地をここに作りましてその範圍を擴張し、簡易裁判所判事に一層の適材を得ようとする趣旨でございます。  政府から提出いたしました法案は、以上四點だけでございますが、衆議院におきまして、國會の方から修正案がございました。それは第四條に、「昭和二十二年法律案六十五號の一部を次のように改正する。」ということで、『第三條第二項中「及び二級」を削り、同條』という文句を加える、こういう條正案でございます。これは結局、判事補は別といたしまして、判事はすべて一級待遇にする、從來は一級若しくは二級の範圍内ということになつておりましたのを、判事につきましてはすべて一級待遇にする、こういう司法省に對しましては甚だ有難い御修正がございまして、これが委員會も滿場一致で御可決になりまして、本會議もそのまま可決された次第でございます。  以上極めて簡單ではございますが、本法案の御説明を申上げました。何卒愼重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いたす次第であります。
  4. 松井道夫

    ○松井道夫君 第一條の三項にございまする。「但し、別に法律で定める員數を限り、一級とすることができる。」というのは、どういう法律で、何人くらいのものを御豫定になつておるのか、教えて頂きたいと思います。  それから衆議院修正でございまするが、これは頗る時宜に適した、裁判官の新らしい憲法下の地位からいいまして適切な修正であつたと、衆議院の諸公に滿腔の敬意を拂う次第でございますが、相當の財政上の考慮乃至今の豫算の關係の、こういうものはどういうことになつておりましようか、心配でございまするから伺つて置きたいと思います。それからそれに關聯しまして、大藏省のこれに對する意見はどんな工合なものであるかということを伺いたいと思います。
  5. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) お答えいたします。第一點の、第一條に、「別に法律で定める員數を限り、一級とすることができる。」これを何人一級とする豫定かというお話のように承わりましたが、これはこの法案の第三條に規定してございます「裁判法第五十七條第二項但書の規定により一級とすることのできる員數は、十人とする」、こういう規定をここに入れまして、調査官中一級となし得るのは大體十人を限る、こういに趣旨でございます。この法案は、單一な法律でなくて、いろいろな法律の改正を一纏めにいたしました法案なので、こういうちよつとややこしいことになつておりますが。只今申しました規法は、第一條を受けた規定になつております。  それから判事を全部一級としました場合に、豫算上の關係はどうなるかと、こういうお尋ねだと承わりましたが、豫算上現在二級ということになつておるのが六百十四人おりまして、豫算單價は現在一萬五千六百圓ということになつております。これを一級ということにいたしますと、豫算單價が一萬八千圓ということになりまして、一人當り二千四百圓の差額がここに出て参ります、それで合計いたしまして、年額で百四十七萬三千六百圓ということになります。これを假りに本年九月から實施するといたしますと、八十五萬九千六百圓、これが十月乃至十一月から施行するということになりますと、尚この額が減つて参ることになるわけであります。尚この點につきましては、實は衆議院の方から修正案をお出し下すつたわけで、司法省といたしましては、大藏省にその豫算上の處置について豫めの了解がございません。ただ衆議院の方では、承わりますと、司法委員長が豫算委員長にお話になつて、豫算委員長の方から更に大藏省に御照會があつて、結局その間に了解があつたものだと承つております。ただこれは議會の御修正なので、私共の直接關與すべき筋でございませんので、はつきりしたことは分りませんが、大體そういうふうに承つております。
  6. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 ちよつと一點伺いたいと思います。この簡易裁判所の判事は、任用資格について書記の方からも判事に採ることができることになつておりまするが、檢察官の方では、檢事補の場合においては、高等官三年以上を務めたる者でなければでき得ない。その點が裁判所の場合とは非常に均衡を失しておりまするばかりでなく、若し書記から簡易裁判所の判事に任官がすぐできることになりまするというと、簡易裁判所の判事という者の他位が著しく一般に輕く扱われまするようなふうな嫌いがありますので、政府の方でその點についての均衡と影響について、どういうようなお考えを持つておりまするかを一應お尋ねいたします。
  7. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 只今の點についてお答え申上げます。簡易裁判所の判事につきましては、只今お話のように簡易裁判所判事の職務に必要な學識經驗がある者は、四十四條第一項に掲げました者で、そういう資格がない者でも簡易裁判所判事選考委員會の選考を經て簡易裁判所判事に任命されることができるということになつておりまするし、檢察廳の検事については、これ又只今お話しのように三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職に在つた者と、こういうことになつておりまするので、規程の上にやや均衡を失する點があるように思われますが、裁判所書記の中には、これは二級官の書記も相當おるのでございまして、而も選考委員會で選考いたしますので、三年はおろか五年、六年という相當長期に亙つて二級の裁判所書記の經驗のある人が大體候補に上つておるのでございまして、この選考委員會の運用をうまくいたしますと、必らずしも大した不均衡は起らないかと思つております。
  8. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 運營委員會の運營よろしきを得るならば均衡を失しないということでありまするが、併し制度の上においてそういうような不均衡なことになつておりまするならば、たださへ簡易裁判所の判事の任用について、その人を得るために非常に苦慮されておりますることに聞いておりまするが、すでに簡易裁判所の判事の中でも一級官を設けるというくらいに、大いに魅力を與えて、そうしてこの人を得るということでなければならんと思いますが、規程の上において書記から直ちに判事になるというようなことになりますると、なんだか簡易裁判所の判事という者の地位が著しく世間から輕く見られますような感がある。從つてこれを志しまする者に對する心的影響というものが非常に多いと思います。規程の上からその均衡を正して行くことは、極めて私は必要なことではないかと思います。成る程書記の職務に在られまして、二級官三年以上の者から大部分採るのでありましようが、すでに地方によりましては判任官の書記からも採用するようなふうな豫報が新聞に傳わつておりまするために、著しくそうした方面を刺戟いたしておりまする事實もございます。この點について政府の方で以て確乎たる一つの基準を示されまして、選考委員會の方の選考に上すべき者は、やはり檢事の方と同樣、二級官三年以上した者にあらざれば書記の中からでも採用するものでないということを、この際はつきりする必要がありはしないか。すでに二級官でなくして、その資格を持たざる者でありましても、豫告をいたしておりますることは、新聞等に一部發表されておりまするので、それらは非常な失望をいうことになりまするが、成る程堪能なる書記の人は、仕事をいたしまする上におきましては、直ちに當面の支障はありますまいけれども、ともかく一つの官職でありまするから、これに對しまする社會的價値、いわゆる信望ということに對しまして大きな影響のあることと思います。この際只今政府の御説明のごとくに、檢事同樣に二級官三年以上という經歴を經たる者にあらざれば採用しないということを、規則を改正すればそれに越したことはありませんが、然らざれば何かの方法によつて、それをはつきりいたして置きますることが非常に大切なことでないかと思います。その點につきまして政府の確乎たる御意見を拜聽したいと思います。
  9. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 只今のお話は誠に御尤もなお話でございます。この簡易裁判所判事の特別任用と申しますのは、實は私共の豫想しておりましたのが、むしろ判事なり檢事なりをおやりになつて停年限職され、第一線を退かれた方に、更に又二度のお務めを願うといつたようなこと、乃至は書記の中でも、この規程にございますように、多年司法事務に携り、而も簡易裁判所判事選考委員會で、簡易裁判所判事たるに必要な學識經驗ある者と認定された者、こういうふうにしまして書記の中でもこの資格に該當する人が必ずしもないわけではないので、こういう人をも任用する餘地を作つて、そうしてその選考の範圍を成るべく擴げまして適材を得よう、こういう趣旨で特にその制限は設けなかつた次第であります。  現在簡易裁判所判事の選考につきましては、只今お話のように相當人選に困難いたしております。その理由は主として停年が一般の判事と同樣に六十五歳ということになつておりまして、第一線を退かれた人をお迎えするについては停年が少し低すぎるという點と、それから更に待遇が全部二級待遇ということになつておりまして、地位が比較的低い、そこでそういう人たちを迎えるのに支障がある。こういうことでこの法案におきまして、先ず地位の向上を圖るという意味で一級官にできる、こういう意味でこの法案を提出したわけであります。これと竝行しまして、或いは停年制を七十歳ぐらいに引上げるのがいいのかと存じまして、この點は只今考慮中でございます。  尚簡易裁判所の判事の選考について、副檢事同樣三年以上二級官の職に在つた者、こういう制限を規定上設けるか、假りにそうでないとするとはつきりしたその方針を示せ、こういうお話でございますが、事實上簡易裁判所の判事選考委員會の運營ではその要件があつてもなくても實際の結果には大した相違はないと思いますが、尚十分考慮いたしたいと思つております。
  10. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 司法裁判所の判事は十年以上の經驗を經なければならなんことになつておりますけれども、十年未滿の現職判事の中で、相當前途有望なる人が澤山ございます。洋々たる前途を持たれておる判事諸公で以て、席を竝べておりました書記と同格なる地位に進むという事は、いかにも快しとしないという氣風が實際の裁判所内においては相當に大きな影響を與えておりますことは、政府におかれましても定めて御承知であらうと思います。そこでこれまでのいかに堪能な人でありましても、やはり過去の經歴が、副檢事のごとき程度の閲歴を持つておるということを確乎として定めますことが、前途有望なる判事諸公を快くその職に就かしめるに必要なことじやないかと私は痛切に感じておるのでございます。すでに先程も一言いたしましたが、何某書記は新らしく簡易裁判所の判事に任用されるということが新聞に報ぜられますと、現職の十年未滿の判事諸公の方に非常な動搖を與えると思います。私は若しそうしたような堪能なる人材でありまするならば、今度は司法行政の方も裁判所で若干扱うことになるのでありますから、そういうふうな方を事務官方面に使いますのは、非常に結構だと思います。進路は確かに認めて上げなければならんと思います。併し苟くも一つの判事ということになりますると、この點は私は任用資格ということを確立することが頗る重大なることじやないかと思います。重ねてその點についての政府の御再考を私はお願いいたしたいと思います。若しも本日即答ができ得なかつたならば、よく一つ廟議で以て御協議の上で、適切なる一つ方針を確立して頂きたいということを、この際お願いして置きます。
  11. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 只今の點につきましては尚十分考慮いたしたいと思いますが、書記の中にも相當の人材がないわけではありません。ただ高等試驗を取つていないというだけで、何十年この司法事務に携つても判事に昇進する途がない、こういつたようなわけで、その進路を閉すということは、書記に希望を失わしむるような結果になる虞れもございまして、その選考を非常に嚴重にして、書記の中でも本當に有爲な人材で判事としての適格に缺けるところがないという人物はともかく登庸する途を認められたらどうかということで、この規定を設けた次第でございます。この任用につきましては相當嚴格にやらなければならんと思いますが、何らかの形で書記にもこういう昇進の途を拓いた方がいいのではないかと只今のところでは考えております。
  12. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 私も政府の方針には同感であります。全くあらゆる官吏の中で以て、裁判所の書記のこれまでの制度では昇進の途が非常に塞がれておりまして、相當な人材もありますので、同時にその進路を拓いて、そうして大いに活動をして貰いたいとは勿論思つておりまするが、それを事務官方面に採用せられるということに私はいたしたことの方が非常にいいのではないか。成る程高等試驗に及第しておりまする者が、實務の上において必ずしもいいとは限らないこともよく承知しておりますが、やはり現職に在りまする判事を失いますることは、これは非常に國家のためにも損でありまして、そういうことも考慮いたしまして、この點は一つ特に愼重なる御研究を願いたいと思います。
  13. 中村正雄

    ○中村正雄君 司法官の待遇が他の省に比較して惡いということにつきまして、今資料を頂いて大體分つたのでありますが、そういう關係もありまして、一般の給料以外に、大體消費組合とか、厚生施設とか、官舍、こういう點についてどういう現状か一度お伺いしたい。それから最近生活難のために判事が相當辭める人があるというわけですが、これもただ待隅が惡いというだけで辭められるのか、或いはその他の事情があるのか、その點につきましてもお伺いしたいと思てます。  第二點は判事の定員でありますが、大體判事の定員が相當不足しておるということを聞くのですが、どの程度判事なり、或いは書記、これを擴充すれば圓滿にやつていけるか、又現在の判事の一人當りの擔當事件と申しますか、大體大都市と田舍と比較いたしまして、どの程度の量になつておるかということを聽きたい。  第三は代行判事の指名でありますが、これが今年末日までに延期されておりますが、これはどういう意味で延期にないたのか。或いは又今年中に確實に指名出來る見込みがあるかどうかという點についてお伺いしたいと思います。
  14. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 司法部の厚生施設は誠に貧弱なものでございまして、厚生部とか或いは厚生會とかいつたような極く小規模なものでございますが、それも各廳、まちまちになつておりまして、到底十分その目的を達していない現状でございます。いろいろ苦心して何とかこれを擴充強化したいといろいろ考えておるわけではありますが、いろいろな關係でまだ實現していない現状でございます。官舍は地方の高等裁判所長なり或いは所長などには大體のところなりますが、併し戰災に罹つてまだ復舊しないとかいうような所も相當あります。その他の裁判官につきましては、會で豫審のありました時代には豫審判事に官舍のあつた時代がありますが、現在は大體においてないと申していいかと思います。詳しい事情は只今ちよつと資料を持合わせませんので、はつきりした數字は申上げ兼ねますが、大體においてそういうことになつていると思います。  それから判事の定員につきましては、現在非常に缺員がございますので、尚更支障を來しておりますが、定員としてどのくらい、本當に理想的にいえばどのくらいが必要かという點については、又判事一人の擔當件數、これについても極く詳細に調査の上後刻申上げたいと思います。
  15. 中村正雄

    ○中村正雄君 もう一點、第三點の説明が殘つているわけなんですが、代行判事の指名が今年末まで延期になつておる。それから第一の點で不足していましたのは、判事が辭めるという傾向にあるのですが、それは生活苦だけかどうかということを聞くわけであります。
  16. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 判事若しくは檢事で相當退職者が出ていることは事實でございまして、甚だ憂うべき傾向にございます。理由は各人いろいろの理由があると思いますが、概して申しますと、やはり現在の待隅では生活に支障を來すということに大體あるように見受けられるわけでございます。一面におきまして辯護士に轉向する途がございますので、辯護士の收入というものが、世間の噂さでは遙かに判檢事の上にあるというような點で、而も一面判檢事をやつておつたのではもう非常に生活が苦しいというような關係がございまして、辭める者が多いのだろうかと思われれますが、原因についてはそれぞれ各人に又それぞれの理由がございますので、一概には申し兼ねると存します。  それから判事の任命の指名が遲れましたのは、最高裁判所の構成につきまして、憲法施行前に吉田内閣時代におきまして一應銓衡委員會というものができまして、そして候補者が擧がりましたのですが、これは一旦御破算にいたしまして、そうして改めてやるということになつておりましたところに政變がございまして、片山内閣になりまして銓衡委員會の構想をすつかり新らたにしましてやり直したことになるのであります。而もその構成は諮問委員には選擧による者が相當できましたので、豫想外に手間取りまして、最初の豫定では六ケ月もあれば十分だと思つておりましたのですが、そういう事情で豫想外に遲れまして、現在のところは高等裁判所の長官は東京を殘して全部正式に任命されましたが、その他の判事についてはまだ正式に任命になつておりません。これが十一月二日までにやらなきやならんということになりますと、非常に忙しいとになりますので、せめて今年暮くらいまでは延長して頂きたい、こういうつもりでございます。本年一杯あればこれは十分間に合うと思います。
  17. 齋武雄

    ○齋武雄君 第一點は調査官の職務をお伺いするのであります。第一條の調査官というものは裁判に必要な學説とか、判例とか、或いはそういう關係法令を調べることが職務であつて、主たる目的であつて、具體的事件の記録を調査したり、或いは裁判に對して意見を發表したり、そういうことはないと私は考えておるのでありますが、そうであるかどうか。そういう關係から若い人でも澤山である、こういうので最初は二級官ということにしたのであります。今度は一級官ということに半分なつたのでありますが、どういう理由で一級官にしたのでありますか。二級官ではいけないのであるかどうか。その點をお伺いしたいのであります。  第二はさつき中村委員から質問されたことに似たことでありますが、専任の判事を殖やしておりますが、これで澤山であるかどうか。八百十四人を八百六十七人に改めるということになつておりますが、私はこれでは足りないのじやないか。現在判事が仕事が過重であつて、裁判が相當遲れておる。未決拘留の日數が長いということは、基本的人權の尊重から考慮しなければならんのでありまして、それは法局裁判官が足りないからであるというふうに我々は考えるのであります。私自身の考えからいえば倍に殖やしてもいいのじやないか、こういうふうに考えておるのでありまするが、政府はこれだけの増員で迅速に裁判ができるという御確信があつてこの提案をされたのであるか、この點をお伺いしたいのであります。  第三點は、これも中村議員と同一の質問でありますが、十二月一杯までに判事を任命する、下級裁判所の判事を任命するということでありますが、六ケ月ということは十一月二日である。大體において今全部代行判事でありますが、判事の地位を不安定にして置くということは惡いことでありまして、一日も早く地位を安定しなければいけないのであります。それでありますから最高裁判所の構成が遲れたためにこういうふうになつた、止むを得ないといえばそれまででありますが、今年一杯でなく、例えば十一月一杯とかいうことができないものであるかどうか。その後のものならばいたし方ありませんが、どんなことをしてもできないというので十二月一杯にしたのであるかどうか、その點を改めてお伺いしたいのであります。
  18. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 第一點でございますが、裁判所調査官は裁判官の命を受けまして、事件の審理及び裁判に關して必要な調査をいたします。そこで判例を調べたりすることは勿論でありますが、或る程度事件についての豫備的の調査はやはり調査官がやることになるわけであります。この調査官というものを、從來二級でありましたのを一級にいたしましたのは、何分にも最高裁判所の判事は全部で十五人、而も民事、刑事行政訴訟全部を扱う。而も行政訴訟に至つては從來の限定的の出訴事項と違いまして、苟しくも違法は行政處分ならば何でも行政訴訟ができるということになりまして、非常にこの最高裁判所の判事というものの負擔が重くなるわけであります。そういたしますと、その助手と申してはなんですが、その補助役といたしまして、相當經驗を積んだ調査官を採用して、成るべく最高裁判所の判事の調査的な準備的な負擔を軽減するということが必要でございます。それには若い人必ずしもいけないというわけではございませんが、或る程度老練な人も加えて置く必要があるのではないかということで提案したわけであります。併し勿論調査官が裁判それ自身には關與いたしません。その準備的の調査に止まります。それから判事の定員、これで十分かというお話でございますが、理想的に申しますと無論これ以上必要でございまして、只今お話のように倍ぐらいは少くも必要かと存じますが、豫算などの關係で現在のところはこういうことになつております。ただ現在これでも尚定員に滿たない、缺員が非常に澤山ございますので、判事の負擔というものは益々過重になるわけであります。取敢えずこの缺員の補充ということが最も急務かと存ぜられます。この缺員さへ補充されれば、これで十分とは申せないといたしましても、相當緩和されるのではないかと思つております。  それから下級裁判所の判事の任命を本年一杯では長過ぎる、現在の判事の地位が不安定で困る、こういうお話、誠に御尤もでございますが、大體最高裁判所も軌道に乘つて參りましたので、これからは相當急速に行くのではないかと思つております。それで十一月一杯でも恐らく十分だと思いますのですが、尚萬一これでもまだ不足したという場合には、又もう一度この法案の改正を願つて決定しなければなりませんので、そこで多少の裕りを見た上で本年一杯という案にしたわけでございます。
  19. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) この際大藏省の福田政府委員の御發言がありますからこれを許可いたします。
  20. 福田赳夫

    ○政府委員(福田赳夫君) 衆議院から廻付されました法案によりますると、衆議院において改正がありまして、その改正の點は地方裁判所におきまする判事をすべて一級官にするというふうに相成つておるように承知しておるのであります。これに對する大蔵省といたしましての見解を申上げて見たいと存ずるのであります。  新憲法下におきまして、判事の地位というものがあらゆる角度から非常に重要なものになつて來ておるということは、これは誠に同感に存じておるのであります。併しながら判事の職階上の地位というものをどういうふうに扱いまするかということは、その判事の地位が尊重さるべきであるという見地からばかり觀察するべきものではない、この判事の官吏法上の地位というものは行政官吏、司法官吏その他すべての官吏地位というものから考えて見なければならんというふうに考えておるのであります。而してこの地方裁判所におきまするところの判事というものは、これを地方におきまする他の官吏等に比べますると、例えば大藏省で申しますれば專賣局長、專賣局長の中には大きな專賣局、例えば東京でありまするとか或いは大阪というようなところの專賣局長は勅任官、いわゆる一級官であります。併しながらその他の小さい地域におきまするところのものは二級官を以て充當しておる。それから例えば税務署にいたしましても、警察にいたしましても、皆そういう大きな所につきましては一級官にいたしたいというような希望もあるのであります。あるのでありまするが、併しながらすべてそういうものを特殊の事情に基いて一級官にいたすというふうにいたしますると、これは一級官の數というものは非常に莫大なものになるのであります。地方裁判所におきまするところの判事を一級官にするというようなことに相成りますと、その權衡上いろいろな問題を派生いたしまするので、只今私共が考えておるのは、他の官吏との權衡上から見まして、どういたしましても二級官というふうに止めるべきものではないかというふうに考えておるのであります。只今追加豫算を政府としては編成中なのであります。これが抛つて置きますると非常な厖大な數にもなるのであります。非常に細かい角度からもいろいろな經費の節約をいたしまして、そうして歳出をできる限り少くして參りたい。結局歳出というものは國民の租税の負擔に相成るのでありますから、あらゆる角度からできる限りの節約を圖つて行きたいということを考えておるのであります。さような大きな財務行政という見地からいたしましても、他の官吏との權衡を非常に破つて、而も權衡を破ることによりまして他の官吏を一級官に釣上げ、そうして國費の増嵩を來すというようなことは成るべく避けて參りたいというふうな感じを持つております。衆議院におきましては私共迂闊で、そういう意見を述べる機會がなかつたのでありますが、後で修正になつておるということを聞きまして、實は今日駈け付けて參りまして、私共がその修正案には反對であるということを言明いたす次第であります。
  21. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 只今の點につきまして主務省側の見解を申上げます。判事を一級待遇とするということは、只今お話のように一級官にするという意味ではございません。判事には一級官、二級官という區別がございませんで、地位の問題ではなくただ俸給だけの問題なのであります。從つて地位の權衡ということは問題にならないかと思います。尚地位の點につきましても、これは判事には裁判所法の規定におきまして、司法修習生が二年、判事補が十年、結局十二年かかることになつておりますが、十二年で必ずなれるという意味ではないので、最少限度十二年は必要だ、こういうことで、判事たるに必要な最少限度の年限が十二年、中には十五年かかる人も二十年かかる人もあるわけであります。これを行政官と對比して見ますと、官吏任用敍級令によりますと、これも法律上のことだけでしようけれども、一級官にするには八年で足りる、法律上の要件では八年で足りるということになつておるわけです。而も大藏省の發表されました官廳職員給與制度實施要綱という大體の内規、その内規による昇進の割合から申しましても、大體十四年餘りで一級官になれるような案になつております。從つて必ずしも權衡を失するものではない、こう存ずる次第であります。尚裁判官については從來から停年制があるから、つまり身分の保障があるから、身分の保障のない行政官に比較して安いのは當然ではないか、こういう理由が相當強く主張されて來たのであります。併しながら今度の裁判所法によりますと、判事には十年の任期がございまして、ただ再任されることを妨げないということになつておりますけれども、それは法律上の保障のあるものではないので、法律上は十年しか任期がない。從つて從來のように、六十三歳まで身分の保障があるから安くてもいいじやないかということは成り立たない。ただ俸給は官吏につきましてはこれが生活の資料になるわけなので、從つて一生涯通じて受ける俸給の全額を比較すれば、或いは長く在職するだけ多くなるかも知れませんけれども、問題は一生涯受ける全額をいうのではなくて、俸給は日々要るものなんですから、從つてこの日々要る報酬については、身分の保障があると否とによつて影響を受けるべきものではないと存じます。
  22. 中村正雄

    ○中村正雄君 大藏省の政府委員が見えておるので一應お尋ねしたいのであります。細かい問題ですが、判事の定員の關係でいわゆる増員の問題、今まで司法者の關係を見て參りまするというと、同一事件の自然増に對しては、いわゆる業務量の増加に對しましても定員の増加ということを認められておらなかつたという方針に聞いておりますのですが、新らしい別の種類の事件につきましては増加が認められますが、同一の事件の數量の増加については、定員の増加が認められない方針であつたという點について、今もそういう方針であろうかどうかという點についてお聞きしたい。
  23. 福田赳夫

    ○政府委員(福田赳夫君) 只今お尋ねの點實は私詳しく存じないのでございますが、大體官吏の全體のことを申上げて見ますると、滿洲事變前の官吏の數というものは六萬程度のものであつたと思うのであります。只今官吏の定員は相當増加いたしまして三十萬近くになつておるというような状況であります。それにつきましては、國家事務が非常に殖えて參つたというようなことも多々あるのでありまするが、一面におきまして、現在の状況を見ますと、相當能率が低下しておる、一人當りの仕事の量というものが當時に比べますと、非常に減つておるということもまた事實なのであります。判事定員全體として見まする場合におきましては、この觀點から極力その増加を抑制するのみならず、今後はこれを更に減少する方向に持つて行たいというふうに考えておるのであります。只今お尋ねの裁判所の仕事の自然増によりましてどういうようになつておるかという點につきましては、私詳しいことは存じておりませんですが、大體大きな趨勢といたしましてはそういうふうになつております。
  24. 鬼丸義齊

    ○鬼丸義齊君 丁度大藏省の主計局長がおいででありまするからこの際お伺いしたい。戰爭から續きまして戰後、道義の頽廢によりまして著しく犯罪事件が増加して參つたのであります。恐らくは他官廳もさることでありましようが、殊に著しいのは裁判事務の激増であります。私共辯護士として常に事件に接觸いたしておりまするが、毎日やつておりまする裁判の模樣から見ますると、一人の判事が十數件の事件を持つております。而も一件數十人に及びまする事件もございます。それを極めて短時間の間に處理いたしておりまするが、裁判は豫審を廢止いたしまして直接審理主義になつております。而も御承知の通り裁判官は全然他に副收入はないのであります。事件は激増し、而も治安は重大なる國家の問題となつておりますに拘わらず、裁判官は今日の食事情のために中堅になる判事の諸公が段々と辭職いたしておりまするのみならず、恐らくは現在のような状況でありましたならば、今年一杯いたしましたらば、本當に裁判所は崩壞するのではなかろうかと私共心配しております。  實は一昨日も當委員會において、裁判、檢察竝びに刑務官の待遇改善に對しまする決議案を全會一致を以て決議いたしたのであります。尚又衆議院の方におきましても、司法官竝びに檢察官、刑務官の待遇改善について聲を大にして叫んでおります。これはただ簡單なる問題ではなくして、戰後の國内秩序の治安の維持ということは、今日何を措きましても焦眉の急だと思います。ところが先程局長の御説明によりますると、從來の型のごとくに、他官廳との比較であるとか、こういうことを常に考えておりますることから、段々追い込まれて參りまして、司法の現状というものは、私は先般來しばしば申しておりまするが、本當に崩壞寸前にあると私は思つております。政府の方で以てこのままの状態に放つて置きまして、治安の維持に對しまする大藏省の責任は負えるかと思います。只今事件の激増について中村委員から局長に御見解を伺えば、御存じないという、事情を知らずしてただ徒らに帳簿だけのことを考えておりまするから、そういうことになると思います。  裁判官の補充ということは容易ならんことであります。特別なる技術を必要とするのでありまして、若しも今堪能なる裁判官を一人失いましたら、この補充につきましては恐らく容易なことではないのであります。例えば辯護士會といたしましても、人材を辯護士から得るということは今日の場合は到底できないのであります。何としても練達堪能なる人をして職に留まつて貰わなければならんという必要に迫られております。  この際大藏省におかれましては、特に裁判、檢察事務の現状につき、竝びに今後の社會情勢から御覧を願いまして、日を逐うて増加しておりまするのみならず、その増加振りたるや、驚くべき數字に上つております。現在の警察の活動は、憲法の改正によりまして強制力を用いることができませんために、捜査が非常に鈍つております。併しながら段々と落著いたようでありまするが、若しも警察が一段と活動をいたしましたならば、事件の數におきましては驚くべきことになると私は思います。全國津々浦々に至りまするまで、戰後恐らく強窃盜の被害に遭わない人は殆んどないくらいであります。從つて犯罪の檢擧數というものはそれに隨伴していない。殊に警察に屆けておりまする被害の程度でも、今日の警察は殆んど頼むに足らない、こういうようなところから實際の被害に遭いましても屆け出ないものが殆どその大部分であります。でありますから被害檢擧數なんという政府の統計といものは全く事實に即せざるものでありまして、恐らくは一般社會の全部の人が、白晝安心して旅行もできないというような治安の状態になつておるのであります。私は私共の人間の住まう場所は、何といたしましても治安だけは本當に保つて安心して居らなければならんだろうと思います。ただ他の官吏との比較だとかいうことに囚われまして、從來のごとき態度を以て副收入なき裁判、檢察、刑務官のの待遇に對しましては私はこの際破格の待遇をして、何としてでもこの治安の維持だけはして貰わなければならんと思います。  頻々として起りまする各所の刑務所の逃走事件設備の不完全、待遇の惡いこと、殊に刑務官の員數が足りないがために、既決囚人を刑務官補助に使つておりまするところから、過般の静岡刑務所事件も起り、又すでに新聞に報じられておりまする某所の事件のごときも、皆いずれもこの刑務官補助に既決の囚人を使つておりますることによつて生じておりまするのであります。これはいずれも各刑務所共に過剩拘禁の上に看守の増員がない。警察の方からは段々と事件を送つて來る。適當なる裁判をしていかなければならん。そうして裁判をして入れる場所は設備がない。扱うものは増員しない。先般も司法大臣がこの席において申されましてごとく、全く裁判官というものは聖なる仕事であります。私共は平素よく申しておるのでありますが、仕事は非常に過重であつて而も待遇は全く薄い。殆んど裁判官は霧を吸うて生きておらなければならんというような現在の状況でありましては、人間として耐え得るものではない。  私は大藏省の方は特にこの際活眼を開かれまして、この恐るべき現状を直視して格段なる施設に對する御協力を願いたい。今一級官の待遇がどうとかいうような區々たる問題ではありません。敢えて驚いて馳せ參ずる必要はない。むしろ私はこの司法の現状を見て、その方にこそ私は一段と御關心を持つて頂きたいということもこの際主計局長に申上げまして、尚この點に對しまする局長の御所見を伺いたいと思います。
  25. 福田赳夫

    ○政府委員(福田赳夫君) 司法の現状につきましていろいろお話を承りましたのでありますが、その點につきましては私も全く枝葉なことでないというふうに考えておるのであります。ただ司法官は副收入がないというようなお話でありまするが、これは外の官吏にいたしましても別にその副收入があるというわけではないのでありまして、さようなことが前提でこの議論を進めるというわけにはどうもいかないように思うのであります。司法の現状を見ましても、なかなか治安關係のことは容易ならざる事態であり、私共日常にそういうことを體驗いたし、又痛感いたしておるところでありますから、さような點につきはしては十分これは國家の弱點の一つとしてこれを防禦して行かなければいかんということは考えております。
  26. 小川友三

    ○小川友三君 今日の委員會には圖らずも大蔵省と司法省の對立になつておりますが、今鬼丸委員の申された通り、一級官待遇をすることに對しましては大贊成をする議員であります。大藏省で今馳せ參じて、いろいろ姑がましい感のするお説がありましたが、大藏省は終戰直後のどさくさに。七百九十二萬圓という滿錢その他無効に近い只みたいな株券を買つておる金錢出納の大責任者でありまするが、又戰終後二億五千六百萬圓という歳入が未確定になつておるような状態の大藏省であります。その大藏省が又火事を出して、それが原因不明で、防火が何か全然分らないという状態の大藏省でありまして、全くその點においては殘念に堪えない大藏省でありますが、今裁判官が實際やつて行けないで、この統計にありました通りどんどん辭職しておる、どんどん辭職をしておつて、どうすることもできない。裁判所、刑務所を視察すれば、鬼丸議員のおつしやつた通り超滿員であつて、脱走者が續出しておる。治安は全く確立をしていない状態で、掏摸、窃盜に遭わざる者殆んど日本國中なしというように治安が紊れておるときに、非常に増大としておるところの裁判官の待遇を上昇さすということは、當然でありまして、事實その上昇の希望總額も極めて貧弱なものでありまして、この總合計が三百五十二万五千四百八十圓という、本當に貧弱なる要求をしておるのに、主計當局はわざわざ頻せ參じて、恰も地震があつた時、どこかの城におつ取刀で加藤清正飛び込んだような氣がするのであります。それは當らざるも甚だしきものでありまして、終戰の直後八月の二十日に、滿鐵及びぼろつ株を金融局長……大藏省においては七百九十二萬圓、現在の金の價値にしまして一億以上の金に近い株を買つて、會計檢査院の方からお目玉を頂戴し、決算委員のお目玉を頂戴して、その決算が未だにつかないという體たらくの大藏省であります。それが司法省に對して監督がましいことをいう資格がないのではないかと私は斷ぜざるを得ないとであります。我々議員は、特に本議員は、この豫算額に対しまして、むしろ三百五十二萬なんという程度のこんな金で、この難事を切抜けることができるかどうかということを、質問しようと思いましたら、主計局長がお見えになりましたから……。この司法當局の豫算は非常に貧弱なものであります。このくらいの豫算を支出できないで、日本の治安を確立するということはできないのであります。剩つさえ司法當局においては五百八十四萬三千六十圓という節約をやつております。この節約をやつておる費用のその七五%くらいの要求をしておるのでありまして、何らこの増加額に対しては我々議員は反対するものでありません。この點に當りまして、衆議院の方に飛び込んでそれを防止したよようなお話もありましたが、聞き違いかも知れませんが、我々司法委員、殊に本員は絶對これの一級待遇を支持するものであります。そうしてむしろこれ以上の支出を大藏省においては贊成をして貰いたい、こう思いますから、希望意見として申上げます。
  27. 松井道夫

    ○松井道夫君 私も一言大藏當局にお願いをいたしたいのでありますが、その前にお尋ねしたいのは、只今地方裁判所の判事を全部一級官にいたしますると、外の一般行政官との釣合いがとれない、かよう仰せられたのでありますが、何を標準として釣合いがとれない、かように仰せられるのでありますか、先ずその點を伺いたと思います。
  28. 福田赳夫

    ○政府委員(福田赳夫君) 何を標準といたしましてといわれましても、確乎たるこれこれということはないのでありますが、要するに今まで大體二級官であつた者が一級官になつたというこになると。これが他に非常な影響を及ぼす虞れがあるというふうに考えております。例えば先程申上げました專賣局の問題にいたしましても、或は大藏省でありまれば税務署の問題にも段々そういう問題が波及して來るのであります。今税務の關係から申しまして非常に税が取れないで困る。それは税務官吏というものの待遇が非常に惡くて、十分に能力を發揮できないというようなことから、この待遇を改善すべしという聲が非常に多いのであります。さような問題をすべて綜合的に考えるべきものであつて、この問題一つだけを採り上げて行くというのはいささか權衡を失しはしないかという考えであります。
  29. 水久保甚作

    ○水久保甚作君 私は議事の進行についてちよつと申上げたいのであります。この問題は誠に重大な問題であるようであります。大藏省においても直ちにこの追加豫算に上程するかということも困難であるのであります。又司法省といたしましても、この問題をこの議會において修正されたら贊成するというような現状であるのであります。それで私はこの際主計局長にのみ申して責むることは同情に堪えません。どうか大藏大臣を呼んで、そうしてこの委員會において最善を盡して審議されんことを申上げたいのであります。
  30. 阿竹齋次郎

    ○阿竹齋次郎君 局長の答辯一應御尤もだと思うのですが、質問に對して只今のようなあなたの御答辯では、私共はそうですかといつて默つておれないと思うのです。でありますから質問に對してはもつと意義のある御答辯を願いたい。そうせんと質問に對しても意味をなさんと思います。故にこの質問の意見に對して局長は、それに副うべく考慮する。又大體の時期はいつ頃であるということの御答辯を願うか、但しは反對であるか、できんか、どつちかはつきり聽かして頂きたい。そうしないと、それに對して續いて次の考えを申上げることができない。
  31. 福田赳夫

    ○政府委員(福田赳夫君) 先程申上げました通り、地方裁判所における判事を一級官待遇にすることは反對であります。
  32. 松井道夫

    ○松井道夫君 引續き質問するつもりで質問いたしまして、最後にお願いするつもりでありましたが、只今水久保委員の言われますように、この問題はやはり大藏大臣主計局長と一緒に來て頂いて、十分こちらのお願いも聽いてもらい、國家財政の上からいつて十分御注文があると思いますから、さように御取計いになることをお願いいたします。    〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
  33. 阿竹齋次郎

    ○阿竹齋次郎君 一級待遇することは反對だということははつきり分りましたが、それではあなたは別に何とか考えようというお考えは持たないか。これも念のために聽いておきます。
  34. 福田赳夫

    ○政府委員(福田赳夫君) いろいろ御意見を承りましたそのラインに副いまして、司法當局ともいろいろ相談してみたい、かように存じております。
  35. 阿竹齋次郎

    ○阿竹齋次郎君 然らばあなたの大體の考えしお洩しを願いたい。ただ考えて置くだけでは、ただ在再日を延ばすことになる。
  36. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) その問題については、あとで取り計いさせて頂きます。
  37. 赤木曉

    ○政府委員(赤木曉君) 大藏省側からの權衡論でありますが、これは先程申上げましたように、判事になるまでには最短十年はかかるのでありまして、これは法律上最短十年でありまして、實際十年になるかは別問題であります。行政官につきましては、法律上では八年でなることになつているのであります。大藏省の給與の方針から見ましても、十年餘りになることになつておりますので、必らずしも權衡を失することはないと思います。尚裁判官につきましては、これは特に特遇を考慮して頂かなければならないのは、裁判は威信ということを最も重んずるものでありまして、或る學者は、裁判はよい裁判をするということよりも、むしろよい裁判をするんだというふうに國民に信用せしめるということが大事なんだ、こういうことを言つておりますが誠に至言でありまして、とにかく裁判官が裁判所に出れば公正な裁判をしてくれるのだという、こういう信念を國民に與えるということが最も大事なことであります。その裁判をする裁判官が俗事にあくせくして何かいいところがあれば裁判官を辭めて飛び出すといつたような中腰で裁判をした場合にどういう裁判ができるか、推して知るべきものがあろうと思うのです。いわゆる威武に屈せず。富貴に淫せざる毅然たる態度で、裁判をする。それについては體面を保持すべき相當の報酬を裁判官に與えるのはむしろ當然ではないかと思います。これは司法部におります我々としては甚だ不愉快な記事ですが、九月二十七日の朝日新聞の「天聲人語」というところに、裁判官の報酬についての論評が極く簡單に出しておりますからちよつと簡單に讀んで見ます。「給料だけではとても食えぬと、判事も檢事もどんどん退職しつつある。大部分は辯護士に轉業するらしい。司法省の調べによると、判事で辭めた者は昨年十月から今年七月までに七十三名、八月十五名、九月は二十日までに九名ある。檢事の退職者は昨年十月から今年六月までに三十名、その後毎月六、七名ずつ辭めている。裁判所始まつて以來のことである。檢事の收入は本官初任給で諸手當を入れ千九百五十圓、檢事長級で家族三人として四千二百圓くらいのもの。判事は十年の判事は十年の判事補を勤め上げても、家族三人の税込みで三千六百圓に過ぎない。職業柄副收入もない。食えないところからつい被疑者の食卓に侍つて酒をくんだり、法廷で被告に微笑を送つたりする不心得も出てくる。司法權切賣の危險である。」こういう誠に我々として不愉快な記事が載つている。現在の裁判官にかような不心得者があるとは斷じて思つておりません。併しながらかような者が萬々一出るというような事態が發生しては日本の司法權の一大事であります。假りに出ないといたしましても、裁判官は待遇が惡いからこういうような不心得も起るのじやないかといつたような疑いを國民に與えることは、これ又由々しい重大事ではないかと思います。我々といたしましても、行政官の方をお上げになることは一向異議はない。裁判官が本當に裁判官らしい裁判をするには、少くともこの程度の報酬を頂くのはむしろ當然ではないかというので、こういう案を實は私の方も出したかつたわけなのです。これは衆議院の方からこの案を出すのを便々として待つておつたわけではないのですが、併し大藏省との事務的な折衝ではかようなことは望みがないということは分り切つているのです。無用な手續をやるよりもまあこの際は締めて、かような案は出したかつたのですが、出さなかつた次第であります。決してこういう點に司法省としては無關心であつたわけではないのです。
  38. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 本問題は重要なると事案と考えられまするから、只今永久保委員より御發言の通り、本問題に對しまして、改めて大藏大臣の御出席を求めまして、これに對する御見解と御責任ある御答辯を得て審議を繼續したいと思います。    〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
  39. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) 本日はこの程度において質疑を打切りまして爾餘は明日本會議後に開きたいと思います。尚明日本會議におきまして刑法の一部改正案が上程せられますが、この法案に對しまして修正案が松村委員より提出せられる筈になつておりますが、この修正案に對して贊否兩論の討論者を委員會から選定せられることになるわけでありますが、御希望の方は申出でを願いたいと思います。尚議事部の注文は贊否各一名ずつという御注文でその發言時間は十五分という申出でありますが、この點に對しまして委員長に御一任を願えれば、後程御懇談申上げるという方法をとつたら如何でしようか、    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 伊藤修

    ○委員長(伊藤修君) それではさよう決定さして頂きます。それでは本日はこれを以て散會いたします。    午後零時二分散會  出席者は左の通り。    委員長     伊藤  修君    理事            鈴木 安孝君            松井 道夫君    委員            大野 幸一君            齋  武雄君            中村 正雄君           大野木秀次郎君            奧 主一郎君            水久保甚作君           池田七郎兵衞君            鬼丸 義齊君            小川 友三君            來馬 琢道君            松村眞一郎君            宮城タマヨ君            阿竹齋次郎君            西田 天香君   政府委員    大藏政務次官  小坂善太郎君    大藏事務官    (主計局長)  福田 赳夫君    司法事務官    (官房企畫部    長)      赤木  曉君