運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1947-10-14 第1回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 9号 公式Web版

  1. 付託事件 ○在外同胞引揚促進及び引揚者の援護  更正に関する請願(第五号) ○ビルマ残留同胞引揚促進に関する陳  情(第三号) ○樺太残留同胞引揚促進に関する陳情  (第五号) ○南方残留同胞引揚促進に関する陳情  (第六号) ○南方残留同胞引揚促進に関する陳情  (第八号) ○引揚者復員者及び留守遺族の救済緊  急対策に関する陳情(第十八号) ○在外残留同胞引揚促進に関する陳情  (第三十号) ○在外残留同胞引揚促進に関する陳情  (第三十一号) ○海外引揚者に対する生業資金貸出に  関する陳情(第三十二号) ○海外引揚者所有の農地に関する陳情  (第三十三号) ○ソ連軍管下の未復員軍人帰還促進に  関する請願(第七号) ○旧満鉄社員の会社に対する諸請求権  に関する應急措置等に関する請願  (第九号) ○海外残留同胞引揚促進に関する陳情  (第四十八号) ○海外残留同胞引揚促進に関する陳情  (第五十三号) ○在外同胞の引揚促進に関する陳情  (第七十五号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  八十一号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百四号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百十号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百二十一号) ○満洲における同胞救済金の償還に関  する請願(第五十五号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百二十四号) ○旧満鉄社員の対会社請求権確保に関  する陳情(第百三十九号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百四十二号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百五十一号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百五十九号) ○在外同胞引揚促進に関する請願(第  八十三号) ○海外引揚者生存権保証等の問題に関  する請願(第八十四号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百八十二号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  百八十四号) ○海外引揚者の更生に関する陳情(第  百九十八号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  二百号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  二百十四号) ○海外引揚者の更生対策に関する請願  (第百四号) ○海外引揚者の住宅問題に関する請願  (第百五号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  二百四十一号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  二百五十五号) ○在外同胞引揚促進に関する請願(第  百六十三号) ○海外引揚者の住宅問題に関する陳情  (第二百六十三号) ○海外残留同胞所有農地に関する陳情  (第二百六十五号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  二百八十五号) ○戰争犠牲の公平負担に関する陳情  (第二百八十七号) ○海外引揚者更生対策に関する陳情  (第二百九十一号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  三百一号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  三百五号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  三百十四号) ○在外個人資産の補償に関する陳情  (第三百二十六号) ○同胞救済金の償還に関する陳情(第  三百二十七号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  三百四十八号) ○海外引揚者に対する庶民金庫生業資  金貸出に関する請願(第二百三十  号) ○青島における居留民立替金の返還に  関する請願(第二百三十一号) ○海外引揚者の送金爲替支拂に関する  請願(第二百三十二号) ○中國東北地区における戰犯者救護に  関する請願(第二百三十四号) ○海外引揚者所有の農地に関する請願  (第二百四十四号) ○北鮮における不法抑留者等の釈放に  関する請願(第二百六十九号) ○朝鮮における同胞救済資金の返還に  関する請願(第二百七十号) ○海外引揚者の営業衣料品登録店舗特  例に関する請願(第二百七十二号) ○海外引揚者所有の農地に関する陳情  (第三百六十八号) ○海外引揚者に対する開拓資金増額に  関する陳情(第三百六十九号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  三百七十七号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  四百二号) ○海外引揚者の在外勤労資金等の問題  に関する陳情(第四百八号) ○在外同胞引揚促進に関する陳情(第  四百十号) ○海外引揚者の在外勤労資産等の問題  に関する陳情(第四百十六号) ○東印度における戰犯容疑者釈放に関  する陳情(第四百三十二号) ―――――――――――――――― 昭和二十二年十月十四日(火曜日)    午前十時二分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○引揚促進と應急援護に関する件   ―――――――――――――
  2. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 只今から委員会を開催いたします。シベリヤから帰つた兄弟達が、もうすでに雪が頻りに降つておる。あちらの経驗のある私達は、その氣持が骨に滲むものがあります。段々日本も秋冷を肌に感ずるようになつたこの際であります。委員会といたしましては、随分盡したつもりでありますけれども、尚又中共地区、ソ聯地区の実情を見ますときに、我々の祷りと、我々の努力の足らざるのをしみじみと感ずるものであります。私達は一層これらの同胞のあることを身に泌みまして、重点的に一つ一つ問題を解決していくように、この委員会を運営していきたいと思います。本日は各省の大臣の出席を要望しておりましたが、臨時閣議のために、或いはその時間までに出席ができない大臣もあるかと思いますが、それぞれ責任ある政府委員が御出席になつておりますので、是非最も有効に、建設的な御質問をして頂きまして、そして本委員会有終の美を発揮いたしたいと思います。  只今厚生省の医務局次長心得をしておられます久下事務官が御出席でありますが、特別の会議を持つておられますので、この久下事務官について特別に御質問のある方は時間の関係上御発言を願いたいと思います。
  3. 北條秀一

    ○北條秀一君 私は只今の委員長のお言葉によりまして質問をしたいのでありますが、その前に委員長に一言お願いしたいのであります。それは今まで第一小委員会、第二小委員会におきまして、種々研究しました結果に基きまして、本日の特別委員会が開かれておりますので、從つて委員長の手許にそれぞれ質問その他の発言通告がいつておりますので、委員長の方でそれを適宜御採択願つて、発言の機会を與えて頂けば最も能率的じやないか、こういうふうに考えております。左様お取計いを願いたいのであります。就きまして私は最初に久下事務官がお見えになつておりますので、政府の緊急措置を採つて頂きたい項目につきまして、質問したいと考えております。それは樺太におきまして歯科医を開業しておりました者が、敗戰によりまして本國に帰つて参りましたところが、法律上本國における歯科医の開業ができないという建前になつておるのでありまして、この点を非常に遺憾と存じまして、これについての政府の善処を要望したいのであります。言うまでもなく樺太は領有期間は四十年に及んでおりまして、その間に彼の地において正当に歯科医を開業しておりました者で、終戰によつて本國に帰つて参りました者が約二十数名現在あるのであります。而もこれらは本國におきまして開業許可せられないで、便々として徒食をしておる有様であります。数十年來の歯科医開業者達は、日本に帰りまして職場を轉換しようといたしましても、そのときには老齢に達しておりまして、今更職業の轉換ということは全く不可能であります。從つてこれらの歯科医諸君に対して、國家が敗戰という事実に鑑みまして、特別な法的な措置を講ずる必要があると考えるのでありますが、行政的措置によつてこれらに何らかの緊急打開策があるのかないのかについて私は政府に質問したいのであります。先に第一回國会において満洲國の弁護士数名の人に対しまして、本國においての開業許可の法的措置を採つたのでありまするが、日本の領域でありました樺太における歯科医の開業免許については更に特段の措置を講ずる必要があると信ずるのであります。そこで次の二つの点について政府の所見を明らかにして頂きたい。第一は何故開業を許可せられないのか、又それについて特殊な事情があるかどうか。それから第二は樺太の歯科医は本國において開業できないということについての能力の判定について特別な考慮をされておるのかどうか。若しこの二つの問題について政府の御意見を聽くと同時に、そこに行政的な措置によつてこの歯科医を開業することを是非やつて貰いたいと考えるのですが、それに関する政府の見解を聽きたい。以上であります。
  4. 久下勝次

    ○説明員(久下勝次君) 只今御質問になりました樺太の歯科医師の取扱いにつきましてのお答を申上げます。お答をいたしますのに、直接御質問と関係ないかも知れませんけれども、御関係のことでもございまするので、廣く一般問題に関連して御説明を申上げたいと思うのでございます。  終戰後樺太のみならず、朝鮮、台湾、満洲、或いは中國、南方諸地域に各種の医師制度がございまして、この方面から帰つて参りまする医師、歯科医師につきまして、如何なる取扱をすべきかということにつきましては、私共といたしましても、愼重に考慮をいたした積りでございます。申すまでもなく、医師、歯科医師は人の生命に関する仕事をいたすものでありまするので、この免許につきましても、極めて愼重に考える必要があると思うのでございます。樺太、朝鮮、台湾というような外地につきましては、実は終戰時までは内地の医師制度と異つた特別な医師制度が行われておりましたのでございます。その理由は、主として内地の医師、歯科医師の免許を持ちました者は、外地におきまして医療に從事するということが余り行われませんので、それぞれの外地におきましては、内地における医師、歯科医師よりも程度を下げました医師、歯科医師の制度を設けまして、そうしてその地の住民の医療を担当さしておりましたのでございます。朝鮮、台湾におきましては、これが段々人も殖えて、医師、歯科医師が殖えて参りまして、最近におきましては逐次にその資質の向上を図つておりましたのであります。樺太につきましては、全然内地と同じような医師制度が一方において布かれますと同時に、今申したようないわゆる現地開業医、開業の土地を限りまして、或いは開業の期限を限りまして医師、歯科医師の免許を與えておりましたのであります。これらの以上申上げましたような外地或いは満洲その他の各地におきますその土地々々の医師制度につきましては、終戰後できる限りの調査もいたしまして、先ず第一にこの人々に対しまして、内地の医師免許を與える資格があるかどうかということにつきまして、十分愼重な考慮をいたしたつもりであります。そういたしまして、結局私共として制度として取上げましたものは、先ず全般的に申しました場合は、いずれも先程から申したような趣旨でもあります関係上、内地の医師に比較いたしましては、全般的にその能力が低いということは爭われない事実でございましたが、併しながら朝鮮、台湾及び満洲の開業の地域、或いは期間を限られない、いわゆる私共では現地開業と申しておりますが、現地開業にあらざる医師、歯科医師につきましては、特別な措置を以ちまして、簡便に内地の医師、歯科医師の免許を與え得る道を開きましたのであります。残つておりますのは、御質問になりました樺太の現地開業医、朝鮮、台湾、満洲、更に南方方面でやつておりました医師、歯科医師であります。これらはいずれも今申上げました一應簡易な方法で免許を與えますようにいたしました者と比較いたしまして、更にその程度が低いと考えられます。これにつきましては、現在の医師、歯科医師の制度から申しますると、どうしてもこのまま免許を與えるということにできない事情にあるのでございます。尚この点につきましては、余談でございますが皆さんにお聞き願いたいと思いますることは、昨年の九月以降関係方面の意向もございまして、内地の医師、歯科医師の制度を非常に向上をいたしましたのでございます。即ち医師、歯科医師につきましては、その教育機関をすべて大学の程度に上げなければならん。更に又学校を卒業いたしました者につきましても、医師につきましては更に一年間病院で実地修練を行い、その後に一律に國家試驗に合格しなければならない。その後でなければ免許を與えないという制度に変りましたと共に、歯科医師につきましても、学校卒業後更に國家試驗を受けて、そうしてその上でなければ内地の医師免許を與えないという、根本的な制度の改善が行われておるのであります。さような関係で、從来の制度のままでさへも内地の医師、歯科医師の免許の扱いにつきましては、以上申上げたような事情がありまする上に、更に今申上げるような関係で、内地の医師、歯科医師制度そのものが、非常に程度を高くすることになりました関係で、益々以てこの問題につきましては、極めて困難な事情があるのでございます。尚私共といたしましては、この点につきましては、関係方面と十分連絡をいたし、そういう特別なお話のような事情も十分承知をいたしておるつもりでございまするので、なんとか便宜な方法を採りたいと思いまして、種々昨年の、一昨年と申してもよろしいのでございますが、主として昨年の秋以來、たびたび折衝をいたして見ておるのでございまするが、只今までの状況といたしましては、これ以上に外地引揚の医師、歯科医師に対しまして、免許の範囲を拡げるということは、先ず不可能と申してよろしいような実情に相成つております次第であります。併しながら折角彼の地でそれぞれ医療に從事しておりました人々で、衛生方面に対しましては相当な知識なり、技能なり持つておられる方々でありますので、なんとか内地におきましても、この技能を活かして行きたいということを考えまして、本年春以來、全國的に約六百七十ケ所程ございます保健所にいろいろな衛生指導の職員を増置することに相成りましたので、この方面に外地の医師、歯科医師で、内地に免許を與えられないような人につきましては、優先的に採用して、そうしてその持つております衛生上の知識、技能を十分生かして頂く、同時に又このことが、この人々の生活の一助にもなるというような意味合で、本年の春に、地方廳に対して厚生省から通牒を出して、取扱いをいたしておりますような次第でございます。大体御質問に対して以上申上げます。
  5. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 私素人考えになるか知れませんけれども、樺太では、住民は殆んど邦人であつたと思うのであります。それでこれは申訳ないことでございますけれども、医師の制度というのも、帝國主義時代には、邦人を扱うのと、原住民を扱うのとでは程度を下げることもあつたと思います。その意味で樺太の医師は、とにかく邦人の生命と身体を扱つて故障がなかつたという意味で、学歴その他は別として、実際上の経驗、技能においては、内地の医師と余り遜色がなかつたと考えられるのではないかと思うのであります。この意味においてもう一度御考慮して、この点を御奔走あらんことを切に希望する者であります。
  6. 久下勝次

    ○説明員(久下勝次君) お話の通り、尚十分研究もし、努力もいたしたいと思つております。唯御質問ございましたので、一言御了解を得たいと思いますが、実は医師、歯科医師という、こういう制度につきましては、実は制度の問題としてこれを考えます場合に、一人々々の、個人々々の能力の制定ということが極めて困難であります。勿論相当の期間をかけ、又相当むつかしい試驗を行つたりいたしますれば、不可能とは申されないのでございますが、何分数が多い関係もありまして、一應全般的な制度、制度と申しますか、それぞれの地域における全般的な制度ということを先ず第一に考え、それに基く個々人の能力というものを判断するというような行き方で参らなければならん事情がありまして、樺太の医師でも、現地開業の医師でも、有能の者は免許を與えてもいいんじやないかというような扱いが、この制度において極めて困難な事情にあります。これは御承知を頂きたいと思います。與えるのでございますならば、全部それらの方に対して同じような扱いをいたさなければならんという事情もございますことを御了承を頂きたいと思います。
  7. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 今政府の説明で大体諒察できると思うのでありますが、ところが大体樺太の医師、歯科医師というものは、全部引揚げて見たところで、二十数名に過ぎないのではないかと思います。そうすると、これが数十人、数百人、数千人ということであつたならば、この事情を審査するということは大変でありますが、僅か二十数名の人達の審査ができないということはあり得ないと思います。結局これは政府当局においてそれだけの熱意がないのではないかと思います。その点を一つ委員長からお聞きして頂きたいと思います。
  8. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) どうぞ。
  9. 久下勝次

    ○説明員(久下勝次君) 先程から申しておりますように、実は樺太と同じような制度が朝鮮にもございます。満洲にもございます。台湾にもございます。又南方のジャワ方面にも日本の人であちらで開業した者も或る程度ございます。更に又中國におきましては、領事館が簡単な免許を與えて、現地で開業しておつた者もございまして、実は正確な数字が掴めないのでございますけれども、恐らく総計をいたしますれば、優に千名を突破するものと考えておるのでございまして、これらの人人を実は私共の考えといたしましては、甲乙を付けて取扱いのできない事情にあるものと思うのでございます。そういうふうな事情を一つ御諒察願いたいと思います。
  10. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 今の政府委員の説明で諒としますけれども、併し外地にいた歯科医が一遍に引揚げて來たわけでもないと思います。逐次引揚げて來たのじやないかと思いますが、併しその数が今千名くらいじやないかと推察されておりますが、たとえ千名くらいであつても、これは政府の熱意さへあればそう大した問題じやないと思います。その点を一つ……。
  11. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕
  12. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 再会いたします。只今援護院の次長の大野氏がおいで頂いておりますが、その他の政府委員も逐次今出席を要望しつつありまするから、主として大野次長に御答弁できる範囲内において、先ず重点的の御質問を願いたいと思います。皆さん如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) そういう考えの下に御質問を願います。
  14. 北條秀一

    ○北條秀一君 最近樺太、満洲及びシベリヤより続々と帰還しつつありますが、これらは言うまでもなく國内における経済的な非常な逼迫と、更に冬に向つておるというこの二つの事由から、特に敏活且深切な應急援護対策を講ずる必要があるのであります。厚生省においては引揚援護院と共に勿論拔かりないと考えるのでありますが、尚昨年の経驗に鑑みまして、我々としては非常に心配なのであります。即ち冬必要とするところの蒲團が夏配給されたり、或いは木炭が春先にならなければ手に入らないというような現状で非常に心配に堪えませんので、次の点について應急援護対策を説明して頂きたいのであります。  第一は、上陸港における應急收容所について伺いたい。この應急収容所は一時的な収容所でありますので、直ちにそれに引続いて入居すべき住居対策というものについてどういうふうな対策を持つておられるか、寝具の手配はどういうふうにするか、更にその配給の方針、配給の方針と申しますと昨年は寝具の半分は有償で半分は無償だつたのでありますが、本年度もその方針を持続されるかどうか、最近特に炊事道具が、國内におきますところの鍋釜の統制の強化によりまして非常に困難でありますので、これらの炊事道具の配給についても盡力されておるか。第四番目には電力危機、或いは薪炭の不足は御承知のところであります。從つて特に燃料の特配計画を立てなければならんと考えるのでありますが、これについての計画、それからその次は学生の、特に義務教育を受ける年齢にある学生が帰つて来るのでありますが、從來これらの義務教育学生の轉入学は非常に大きな障碍があります。憲法に保障したあの就学の権利を無視するような状態にあるのでありますが、これらの帰還学生の轉入学に対する緊急措置として善処して貰いたいと考えるのでありますが、そういう点について考えておられるかどうか。その次は生活保護法によりますところの應急援護というものは、特に最近の帰還者には必要であります。然るに生活保護法と申しますものはなかなか市町村におきましては迅速にこれが行かないのであります。從つてこれについて厚生省として格段の措置を講じて頂きたいのでありますが、その点についてのお考えを承りたい。最後に予て引揚げ援護院におきましては、最近の帰還者に対して上陸港において國内の情勢に関する案内書を、文部省編纂としてこれを贈呈しようというお考えであるということを発表されておつたのでありますが、果してそういうことが実行されるか、実行されるとすればいつ頃から実行されるか、以上の点についてお考えを承りたいのであります。
  15. 大野連治

    ○政府委員(大野連治君) 只今の御質問についてお答え申上げます。御質問の内容が多岐に互つておりまして、私だけでは御納得の行くように御説明できない点もありますが、それらは関係方面に連絡いたしまして、その方面からお答えして頂くように取計らいたいと思います。只今この樺太、シベリヤ方面からの引揚げ者、これがこの冬に向いましていろいろ困難を嘗めるであろう、それに対してどういう処置対策を持つておるかというお話でございました。第一の問題は住居の問題でございます。誠に戻つて参ります者の中、身寄りのある方はそれでも結構でありますけれども、寄辺のない方々は全く住むべき家という問題については、深刻な悩みを感ぜられるのであります。最近帰つて参ります者は、御承知の通り函館においては樺太からの帰還する者、それから舞鶴におきましてはシベリヤから帰つて参ります者をお迎えしておる次第でありますが、シベリヤから戻つて参ります者の大部分は軍人でありまするから、まあこの方面はそれでも大体帰るべき家を持つておられるのでありますが、樺太から帰られる方方の中には寄辺のない方も相当あります。又寄辺はないこともないでありましようけれども、そこは到底数人の家族を引連れて頼つて行くというわけにも行きかねるという氣の毒な方も沢山あるのであります。第一に心配されるのはそういう方の落着くべき先であります。こういう方々は誠にお氣の毒な状況でありまして、どこでもいい、どこでも結構である、自分たちの落着くべき場所さへ探して呉れるならば、場所は決してとやかく希望がましいことは言わないという誠に愼ましい考でおられます。何とかしてこういう方々を收容する施設というものは講じなければならんものであります。大体この住宅の問題につきましては、所管は戰災復興院の所管でございまして、戰災復興院が引揚げ者或いは戰災者その他一般の住宅不足に対処しまして、計画は立てられておるのでありますけれども、援護院といたしましては、とにかく多数の者を一時に上陸港にお迎えする、そうして一應上陸港における應急收容所に收容するのでありまするけれども、次々に戻つて参りますので、長く滯留されてしまつた日にはそれこそもう手を上げる他はないのでありまするから、これは人事として手を束ねるというわけには参らんのであります。その中に特に函館がこの問題については非常に心配であります。兵隊さんでありますれば先程も申しました通り、それぞれ故郷に帰られるのでありますけれども、樺太からの多数の引揚げ同胞を迎える函館におきましては、落着く先というものを考えない場合には次々に滯留してしまいまして、どうしてももう收容しきれなくなるという状況に立至るのであります。こういう次第でありまするので、住宅問題は復興院の所管ということにはなつておりまするけれども、特にこの多数の一般邦人の引揚げを迎えるこの北海道及び東北方面につきましては、これは特別の措置といたしまして、関係当局にも了解をつけて援護院といたしまして措置を講じておる次第であります。  本年は大体一億円の予算を以ちまして北海道及び東北六縣に分散いたしまして、大体元の軍の施設の貸下げを受けましてそこに適当な間仕切をつけ、台所、便所等の設備をつけまして、この落着く先のない、宛のない方々の收容に充てておるのであります。大体一億円の予算を以ちまして、三万人程度は收容できるのではないかと思うのであります。その他の方々は何とか落着く先が、寄辺というものが見出しうる方でありまするので、一應まあそこへ落着いて貰うという建前にしております。目下資材の割当等も特にこの國全般として苦しいようでありまするけれども、こういつた事情にありまするので私共のこの三万人だけの施設につきましては、全部資材の割当を受け、それを現地に送つております。逸早く施設にかかつたところのものはすでに完成を見つつありまして、その目下着手しておるところもあるのでありまするけれども、この分だけは必らず年内に間に合うように、私共としては努力もし又可能であると考えておる次第であります。帰つて参ります者の次の悩みは寝具その他炊事道具等の問題であります。樺太からの引揚者の中最初に帰つた者は、様子を聞いて見ますと、まだそれでも相当荷物は持つて帰られたようであります。あとにいく程状況は惡くなつて参つております。最近帰つて参つております方々などは、持物とては、全くもう初と比べて見ますと比較にならぬ程少いという氣の毒な状況にあるのであります。内地に落着きまして、先ず寝具というものは、極めて必要欠くべからざるものであるのであります。去年は越冬用の施策といたしまして、寝具七十万組、毛布百五十万枚を用意いたしまして、配布いたしたのであります。今年は去年の非常に手遅れの状況に鑑みまして、この四月以來この問題につきましては力を注いで参つたのでありまして、大体本年度中に引揚見込みの一般邦人は約十二万五千世帶というふうに計算いたしておりまして、この十二万五千世帶に対しまして、去年と同じ標準で配給するよう手配をいたしております。この中去年と違いましたやり方は、去年は全部非常に手遅れになつてしまいまして、府懸を通じて配給いたしたのでありますけれども、今年は寝具だけは府縣を通じてやはり配給するようにいたしておりまするけれども、毛布は幸いに相当用意がございますので、上陸地において支給し得るように手配をいたしておるのであります。寝具は大体有償が原則でありまするけれども、生活に困つておる家族の方々は、生活保護法の適用を受けるとともに、これは無償で配給が受けられるということになつておるのであります。生活扶助を受けておらなくても、何しろ公定價格といつても相当高いのでありますから、とても購入費が支出できないという氣の毒な方もあるのであります。これらにつきましては、非常に問題はむずかしいのでありまするけれども、私共といたしましては、或る程度までは何とか救わなければなりませんので、一時的に、これはまあ関係当局との折衝の問題でありますが、一時的にでも生活保護法を適用することによつて、無償、或いは國から補助するという形でやりたいと思つております。去年程度のやり方は。今年も引続いてやりたいというふうに考えております。尚毛布につきましては先程申上げました通り、今年は上陸港において支給するという建前をとつておりますけれども、これは御承知の通りすべて無償配給でありまするが、他に有償分として二十万枚手に入る見込みがつきましたので、これは府縣を通じて支給する、配給するというように手配をさせております。寝具に次で鍋釜等の炊事道具、それから肌着等の衣類というようなものが、やはり冬を迎えてどうしてもなくてはならぬものであります。去年は七十万世帶を目途といたしまして、應急家財特別配給の名の下に、そういつたようなものをお配りしたのであります。今年は残る二十万世帶を目途といたしまして、予算はすでに一世帶分五百円、二十万世帶分一億円というものを頂いておりますので、これを以てやろうとしておる次第であります。私共最近この問題についてちよつと心配いたしましたのは、公定價格が非常に値上りになりまして、これで以つて果して去年と同じようなことができるかどうかということが心配でありましたが、各府縣に照会いたしましたところ、幸いなことには昨年の手遅れに鑑みまして、今年は非常に早くから現物の入手に努めまして、大体が公定價格の値上り前に手配が済んでおりまするので、この問題も昨年と同程度には間違なくできる見込であります。  燃料の問題は非常にむずかしい問題だろうと思います。樺太からの引揚者が、特に寒い東北、北海道に落着かれますので、こういう方の燃料の入手は非常に困難だろうと思います。唯この燃料の問題につきましては、現在のところ、特別に引揚者の方にのみ特別に厚くということには、ちよつと参り兼ねるのではないかと思いますが、一般配給基準によつて配給せられる以外に、特別の手配をいたすということは参り兼ねるのではないかと思います。唯併し燃料費というものも嵩みますので、この問題が厄介でありますが、生活保護法の所管当局と連絡いたしまして、殊に寒地における生活保護の問題につきましては、相当燃料費が嵩むということを考慮して、至急して貰うようにというように話をつけておるのであります。  それから、生活保護法の適用を受ける者に対して、敏速に適用を受けられるように始末して貰いたいという御要望でございました。誠に生活保護法の適用を受ける家族というものは、実際その日その日の生活にもすぐに差支える方々でありまするから、手遅れになつてしまいましては、非常に困るのであります。そこで実は引揚港の所在地におきまして、大体の状況を尋ねまして、この方々は收入その他の点からしても、迚も生活保護法の適用を受けなくてはやつて行けない方であるという見極めがつきますと、大体その引揚港にあります援護局長の名前で、特にこの方は生活保護法の適用を受くべき方と認められるから、早くやつて貰いたいということを、落着く先の地元の町村長に宛てて手紙を持たしてやるというやり方にいたしたのであります。ところがこれは先頃御注意を受けまして、ちよつと意外だつたのでありますが、余りそのことが励行せられておらないという。從つて生活保護法の適用を受けるのが遅れるという御注意がありました。早速通牒を発しまして、こういう御注意があつたから、間違いないようにということを通知をいたして置きました。最近は余程前とは改まりつつあると存ずる次第であります。  その外に文部省の関係の問題がございます。学生の轉入学の問題と、上陸地における國内事情を知らせるという問題でございます。これは私は実は詳しいことは分りませんので、文部省当局にお答えを願わなければならんわけであります。この上陸地における國内の状況を知らせるという問題は、文部省から係官が各上陸地に派遣されておりまして、実施せられつつあると存じております。詳しいことは文部省当局からお答え願うようにいたしたいと思います。  学生の轉入学が非常に困難だということでございました。これも原則的には援護院と文部省との話し合いで、引揚者に対しては特に便宜を図るということの取極めはいたしておるのでありますが、個々の具体的な問題になりますというと、或いは收容すべき教室が少いとか狭いとか何とかいうようなことで、そういつた困つた問題が起つておる地方もあるかも知れんと思うのであります。これらについても詳しいことは文部省当局からお答え願うべき筋であるとは思いますけれども、只今御注意がありましたので後刻再び文部省の方とお打合せしたいと存じておる次第であります。
  16. 千田正

    ○千田正君 只今援護院次長のお答えの中に本年十二万五千世帶に対する寝具、殊に蒲團、毛布及び生活必需品に対しては十分の御用意があるということで、誠に我々も感謝するわけでありますが、先般の東北並びに関東の水害地の救済物資として厚生省その他が引揚者用のこうした寝具及び生活必需品を取敢ず災害地に送る、すでに送つておりますが、そうしますというと、只今の御説明のような十二万五千世帶の分を用意してあつた、いずれもこれは災害でありますから止むを得ませんが、その方面に取敢ず送付したとしますれば、その方の補充ができるかどうか、こういう点について一應お伺いしたいと思います。なぜかというと、先程北條委員が質問された中に、昨年も冬蚊帳が配給されたり、夏毛布が配給されたりというような、誠に矛盾した配給方法を取つておられたので、引揚者としては実に苦しかつたのでありますが、本年は十分にその用意がおありのように只今の御答弁によつて承知しておりますけれども、先般の水害において相当各府縣においては、災害者に対して寝具その他の生活必需物質を引揚者用としておつたものを放出させておるようでありますが、その方の補充ができるかどうか、この点についてお答えを頂きたいと思います。  次には最近の引揚者の持帰り金限度を上げて頂くわけには行かんものでありましようかという点であります。先程お話の中にもありました通り、帰つて來ましてから有償で頂かなければならんものもあります。最近の物價高におきましては、とても千円やそこらでは賄つて行けません。昨年の今ごろ引揚げた人と本年の今ごろ、最近引揚げる人との間においては、非常に物價の相違がありますので、昨年と同様の持帰り金では恐らく引揚げて來ても、十分な生活の準備はでき得ない、こう思うのでありますが、この点につきまして、政府側としましては、十分なる持帰り金に対するところの限度を上げて下さるような方法を採つて頂けるかどうか、この点を二つお伺いいたします。
  17. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 ちよつと千田委員の発言を補足いたしたいのですが、今持帰り金を殖やして頂きたいと思います。私たちから考えますと、私共が帰つたとき千円でございましたが、それから物價は五六倍になつているので、引上げて下さいというより引上げられるのが当然じやないか、引上げるのじやなくてむしろ水平に戻すのじやないかとさへ考えられるので、この点特に大臣が出席されているようなので、そういう立場からお答え願いたいと思います。
  18. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 その点に補足しまして簡單でございますから……、実は今まで持帰り金の千円ということは大体決まつておつたのを私共は承知をしましたのは、一昨年の十二月の初めであつたのです。ところが私約四千名近い人を連れて帰つて來ましたときには、鹿兒島港では二十円しか與えられなかつたのです。そこでその不当を詰りまして、すでにこの一千円というのは、向うで一千円相当額のものを渡して、そうして預り証を似てこつちで貰うのです。ところがそれに対して政府の処置はなされていなかつたのです。そこでいろいろ鹿兒島で問題を起しまして、ついに超非常処置として鹿兒島縣で処置をしたのでありますが、ところが今日になつて一千円ということ自体がおかしいと思う。今星野委員が言われましたように、この一千円の持帰り金が今日の物價から考えて見まして、五千円まで引上げるということは、これは当然なすべきじやないか、こう思われるのですか、それに対する政府の御所見をお伺いしてみたいと思います。
  19. 長沼弘毅

    ○政府委員(長沼弘毅君) この問題は、実は御返事にならんような御返事しかできませんので、要するに一千円という限度そのものが実は関係方面から決定されているようなものなんでありまして、その後お説のごとく何回となく引上げ方も要望いたしておりますのですが、未だに承認を得られないというふうな状況になつております。尚今後も努力はいたしますけれども、差当り確実な御回答を申上げるというような段階に、実際達し得ないというわけであります。
  20. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) ちよつと委員長から御質問しますが、関係当局は物價騰貴に應じて、それを比例的に引上げるのではなくて、いわゆる水平化するのに反対をなさる根本的理由というものは、お示しになつておられますか。
  21. 長沼弘毅

    ○政府委員(長沼弘毅君) ちよつと速記をお止め願いたい。
  22. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  23. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて下さい。
  24. 大野連治

    ○政府委員(大野連治君) お答えいたします。先程の水害地救援物資をいろいろ送りましたが、この中社会局が持つております一般生活困窮者用の救済物資の外に、援護院といたしましても、お話の通り、持つておるものをお送りしたのであります。あれは先般近衛府が解散を命ぜられましたときに、近衛府の持つておつた各種の、いろいろその中には品物があつたのでありますが、衣類品みたいなもの、それから茶碗とか鍋、釜といつたようなものがあつたのですが、これは生活困窮者に配給せよということで、一時援護院がとにかく保管しておけという命令だつたのであります。丁度あの時期に最もお配りするのが適当だと考えましたので、先方の了解も求めまして、そうして配つたのであります。先程私が申上げました引揚者用のために用意してある持物以外のものを、援護院といたしましては配つたのであります。
  25. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) お諮りいたします。丁度逓信大臣が御出席になつておりますので、外にも公務が御予定になつておるそうでありますから、主としてこの時間を逓信大臣に対する質疑の時間にいたしたいと思いますから、御了承願います。
  26. 木内キヤウ

    ○木内キヤウ君 大臣がいらしておるので、私満洲から引揚げておる者から切々に聞かされますことで、又同情して、これの解決を速やかにして貰いたいと思うことの一つ、二つ、是非伺わせて頂きたいと思つております。それは満洲國の軍事郵便貯金でございます。あれは随分零細なお金を積立てているものだと、満洲の帰りました人から聞き、又現地におりました人のことも私はよく知つておりますが、あれは未だにどんなふうになつているのでございましようか。政府の責任ではないかも知らんと思うのですが、外の地区の人と同様にして頂けないか知らんということが一つ。  もう一つは、戰が終りました時に、満洲國にあります郵政貯金でございます。あれは一億五千万円とかあつたという話でございますが、あれの処理はどんなになつているのでございますか、よく聞かれて、説明が私よく分らないので、又それに同情しなければならん点があるので、一つ伺わさして頂きたいと思います。
  27. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) 満洲國の現在郵便貯金につきましては、満洲國側の要請がありまして、一切現地貯金は満洲國の貯金にしてくれという要請があつたもので、全部満洲國の貯金は、向うの金で満洲國の貯金になつている。そこで御承知のように昭和二十年の九月二十三日、聯合軍の総司令部から、対外金融取引禁止命令もありまして、こちらの方でも基金なんかによつて便宜支拂つておつたものが拂われないということ。尚この問題は、満洲國の公債の問題も同じような性質で、今日本の政府として、御承知のように他の地域では、いろいろな制限はありますが、拂戻しをしている地域もあるんですが、満洲國については、満洲國の貯金であるということで、非常に困難なのでありますが、これは私も大藏大臣とも今日もいろいろ話をしたのですが、何か研究の余地はあるまいか。表向は、これはもう政府が表向から言えぱ責任がないといつても言えるのですが、御承知のような事情ですから、研究をしたいというようなことを話合つた次第であります。
  28. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  29. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて。
  30. 木内キヤウ

    ○木内キヤウ君 今お話を伺いますと御無理のないことと私は思いますが、その貯金をいたしました者の貰うべき者の立場になりますと、政府でどうかその代替りの処置を何かで助けて頂きたいと思うのですが、そのお考はどんなことになつておりましようか。
  31. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) これは非常に困難な問題でありまして、外の方は御承知のように多少お役に立つておるような形で、拂戻しができておるところもあつて非常にお氣の毒だと思うのですが、今私がここで相当お約束申上げることは至つて……。形として満洲國の貯金になつておるということで非常に困難でありますが、何らかの形で最善の努力をいたして見ましようという程度にお答を申上げて置きます。
  32. 北條秀一

    ○北條秀一君 逓信大臣公務、御多端の折わざわざ御出席願つておりますので、最初に問題だけを出して御説明を願つて、更に質疑は後に廻す方が有効だと思います。問題はあと三つございます。第一は、樺太、関東州、主としてそういう地域ですが、日本円で、即ち日本に郵便貯金をした同胞達が日本に還つて來るのでありますが、それは行政関係で通帳を持参して日本に還ることを許されなかつたのであります。併しながらどの人が幾らの通帳を持つておつたかということは明確にされておるわけであります、又これを実証し得る事情を持つておるわけでありますが、そうした場合に実はこれらの引揚者達は、たとえ五百円でも千円でも現在金がありますと非常に更生に役立つわけでありますから、從つてそうした通帳が未到着であつた場合でも、それが確認し得る場合には通帳を再発行する措置を是非取つて頂きたい。それは取られるものであるかどうか、それが一つ。  もう一つは、これは先程の満洲國の郵政貯金の問題でありましたので、同じ問題でありますので、これについては本日質問することを避けたいと思います。ただ満洲國におきまする事情は、大臣局長いずれも十分御承知でありまして、日本と満洲というものが單に法域を異にするというふうな形式論だけで後仕末をつけるということは、余りにも既往の関係に見まして無責任極まると考えますので、是非これは満洲國の郵政貯金についての措置も今後共國会も勿論ですが、政府においては誠意をこめてこれが処置に当つて頂きたいのであります。  第三の点でありますが、終戰前に本國に送金した郵便爲替というものが大部分到着しておらないのであります。これは昭和二十年九月二十三日以後に本國に到着したものは勿論支拂いは不可能なのでありますが、九月二十三日以前本國に到着しておるはずである郵便爲替というものが実は到着していない。これについては我々は非常に沢山の忌わしい事実を聞くのであります。即ち郵便局員或いは野戰軍事郵便局員であつた人々が終戰後のどさくさに紛れて、これらの電信爲替その他の郵便爲替を正当な受取人に拂わず横流ししたという事実を非常に沢山我々は聞くのであります。從つてすでにそういう事実が起きてから二年以上も時日を経過しておる今日であります。若しこうした不正事実が実際に実存したとするならば容易ならんことでありますので、これらについて逓信省としては十分監督されたと思うのでありますが、そういう噂を聞いて、逓信省として特にこれが調査、査察というものを行われたかどうかということと、若しそうでなければ今からでもこの査察ということを証憑書類によつてやることができるかどうか。我々としましてはそうした噂を非常に沢山聞きますので、本日のこの委員会を機に逓信省から資料を提出して頂きまして、これらの郵便爲替、電信爲替が正当に受取人に支拂われたかどうかという事実を糾明してみたいと、こういう希望を持つのでありますが、それについて逓信省の方で準備をして頂けるかどうか、これについて所見を伺いたいのであります。
  33. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) 最後にお尋ねの爲替或いは電報爲替等の不正についてでありますが、勿論こちらに着いたそういう爲替類で、日本へ到着したものは無論これは皆拂つておるのです。併しその途中において何らの形も何もないようなことになつておるものはどうも調査をすることが非常に困難である。併し具体的な事実を御指摘下すつてこういうことがあるということならば、これは調査の方法もあるわけであります。伺うから何も形がないものは方法がないのですけれども、そういう形がありますならば、これはいろいろな拂済の証書も保管してあります。そういうように具体的な事実によつて調査の可能なものもあるし、又調査のできないものもあろうと思います。そういう事実を御指摘下さるならば、そういうものを調査いたすことは逓信省としていたしたいと考えております。  今の第二点の満洲國軍事郵便貯金その他の一般の貯金については、先程木内委員に申上げたように、これはここでお約束するわけに行きませんが、十分何とか方法はないかと努力いたしてみようと考えております。  それから樺太関係、関東州に対しての貯金通帳のないものの再発行の問題でございますが、これは貯金局長からお答えいたさせます。
  34. 村上好

    ○政府委員(村上好君) 貯金通帳の再発行は原則といたしまして日本で貯金原簿を持つておつて、その貯金の現在高を確認し得る方法のあるものを原則として認めて再発行を認めることにいたしております。それで樺太と関東州それから朝鮮、台湾、これらのものは日本内地に原簿がないのであります。唯南洋廳だけは戰前から日本内地に原簿を保管してあります。それでこの満洲から引揚げて参りますものが一番問題になるのでありますが、満洲にいたものは通帳を聯合國側に押收されて、帰還するときに通帳を取上げられて帰つておるのであります。それでこの通帳は返還されたときに、その通帳に基いて仮に原簿が日本内地にあるものについては、その通帳に基いて貯金の拂出しをするという建前にいたしていたのでありますが、もつと詳しく申しますと、軍人、軍属の場合はその通帳が返還されなくとも、原簿がこちらにある場合は再発行を認めていたのであります。それから一般人の場合は原簿がこつちにあつても、向うの官憲からその通帳の返還を受けない中は、再度通帳の発行を認めませんでしたが、最近十月十日から一般邦人の分も、こつちに原簿があるものについては未返還の場合といえども再度通帳の発行をするということにいたしております。現在やつております再発行のなし得る限界は以上の通りであります。原簿のないものについて、これを再発するということは、これは資料がありませんので、そこまで確認の方法を認めておりません。さよう御承知願います。
  35. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) ちよつと委員長からその問題に関連がありますので申して置きます。これは外務大臣と岡元委員と大野局長が折衝しました際、それらの押收されたものの中、逓信関係のいろいろそういう証拠書類というものはすでに日本に大分到着しておりますから、それで外務大臣は責任を持つて、この三ケ月以内にそれぞれの本人にこれを送付する。而もその送付の際は、これは決して無効になつた債券ではないから、紛失しないように保管をして欲しいということを書き添えて本人にこれを送付するという言質を得ておりますので、それぞれの原物が來た場合に、逓信当局においては適当に引揚者が仕合せを得るように御処置願いたいと思います。  更にもう一つは、これは幸いに逓信大臣並びに復興院総裁の大臣もお見えになりましたので、政治的折衝としてお願いを委員長として申上げて置きますが、曾つてあの関東を中心とする大震災の場合に、時の逓信大臣犬養氏は全く一片の原簿もない、本人に貯金の証書もない場合、本人の申出を是なりとし、絶対に信頼して非常処置を取つた瀝然たる事実があるのであります。私どもは今回の事変というものはあの関東を中心とする大震災に勝るとも劣らない國家の一大非常時である、而もこれは國家の最高命令によつて絶対に個人の自由を許さないところから発生したところの事態である。こういうような場合に、殊に三木國務大臣並びに笹森國務大臣はいわゆる單なる官僚でなくて、政党を背景としたる我々の信頼するところの國務大臣である以上は、その方々が中心となつて非常に困窮しておるところのこの引揚者、戰爭犠牲者としては最大なる犠牲者であるところのこの人たちのために特別の処置を拂い、政治的の工作をして頂きたく、私は委員長として特別にこの機会にお願いをする次第であります。
  36. 岡元義人

    ○岡元義人君 今三ケ月以内に大体保管すべきところの郵便貯金その他の一切の証拠書類は返すということになつておりますが、併し外務省から今までに入つておりますお知らせを願つた中で、相当この梱包数が不足しております。それで北支におきましても、満洲におきましても瀝然とこれは輸送の途中において紛失したものであるということは分つておるのですが、幸にして手に入つた人はいいですけれども、その紛失の犠牲になつた人は、それでは全然貰えないという結果になるのであります。今も委員長がお話になつたように、この瀝然と紛失したという事実に対して当局でも何か手を打つて頂くお考えがありますか。
  37. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) 委員長の熱烈なお話もあつて、引揚者の方々に対しては政府としてもできるだけこれは政治的な考慮をいたさなければならない問題であります。今お話の貯金通帳の問題でありますが、今の一つの建前としては、貯金局長が申したような建前になつておりますので、これを今お話のようななんらかの、この紛失瀝然たる証拠のあるものに対しては特別な処置を講ぜよということについて、さようにいたすというお答えは建前上できないのであります。こういう問題についてもできるだけ一つ考慮いたして見ましようという程度以上のお答えはできないと思います。そういう点で御了承願います。
  38. 岡元義人

    ○岡元義人君 今の大臣の仰しやることは一應御尤ものように思うのでありますが、併し終戰連絡事務所なり、或いは輸送の途中において何処へこの梱包数が行つたかということは相当詳細に外務省の方では、先達てのお話を承りますと、分つておるはずなんであります。そうすれば当然今までのあらゆる機関がそういう実際の業務に携つて來まして、確実にこれだけのものが紛失したということが分つておる以上は、今の大臣のお答えでは我々は合点が行かないのであります。それは全然根拠がなくて、本人の申出だけならばなんとか考慮しようというようなお話だと合点が行くのでありますが、併しながら相当な根拠を持つて何梱紛失した、而も引揚者は預けるときには領事館なり、居留民團なり、あらゆる機関を通じて申告をして、そうして帰つて來ておるのであります。それだけの十分な手続を済ませて帰つて來る途中において、いわゆるいろいろな関係筋もありましようし、その間において間違つてよそへ持つて行かれたというようなものに対しましては当然はつきりお答えして頂きたいと私は特にお願いする次第であります。
  39. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) よくお話の趣旨は分りましたので、ただこの場限りのことでなしに、善処をいたすことにいたします。
  40. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 小さいことでありますけれども、決まりを付けて置きたいので、先日舞鶴に、引揚港に出張した際、出張員一同帰還者に対して電報料を無料とする、これは解決したのでございますか。
  41. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 実は衆議院、参議院の特別委員会の委員長並びに理事が三木逓信大臣にお眼にかかりまして、引揚げて來た場合における通知の電報料に対して、これは無料で一つ扱つて頂きたいということを両院の特別委員会として申出でたのであります。そのとき三木逓信大臣は、それに対しては直ぐお答えはできないが、即刻省に帰つて、そうしてよくその問題を研究し、その上で御回答を申上げるということであつたのであります。ところがその後三両日経ちまして、逓信大臣の方からお答えがありました。その問題に対しては善処する。そうして逓信省並びに関係省とも目下打合せ中である、大体要望に應えらるるであろうというような御回答があつたのであります。これを私は一部の委員並びに理事の人達に申上げて置きましたが、全般の人に亙つてこれをまだ表明する機会がありませんでしたので、この機会に逓信大臣からのお答えを一應さして頂きます。その上で御表明を願いたいと思います。
  42. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) 今お話のありましたように、そういう御要望が参議院、衆議院の特別委員長並びに委員の方々からありましたので、私も実際引揚げて來られた方々が、日本へ着かれて電報を打たれるような場合に、実際御不便であろうと考えまして、省に帰つていろいろ相談をしてみたのでありますが、無料の電報の取扱いというものが法制的にできる場合が限られておりますので、これは逓信省としてその引揚者に対しての無料の取扱をするという場合には、又法制的な処置を探らなければならん建前になつておりますので、鉄道等で採つてをりまするがごとく、引揚援護局の方で一應無料として置いて、その電報料金はあとで固めて逓信省の方に決済をして頂くという処置を採つて頂く以外に、今では法制的建前上方法がないので、直ちに厚生省の方へ連絡をいたしました。どうかそういうことにして、逓信省としてはそういう取扱いをしたいから、一つあとで決済するような方法でやつてくれないかということを申出まして、それは予算も伴うことであるので、十分厚生省の方で相談をいたしまして、なんとかそういうことが希望に副えるような方法を考慮いたしてみましようということで、大体厚生省の方でこの問題を檢討して、恐らく予算等の処置もありますので、関係方面と折衝をされておることと、そういう経過になつておりますことを御報告申上げます。
  43. 北條秀一

    ○北條秀一君 先程逓信大臣と貯金局長から話がありましたのですが、私はこの際念を押して置きたいのであります、と言いますのは、通帳の再発行は原簿のあるものに限つてやるということでありますが、その結果樺太、関東州、朝鮮、台湾は原簿がないという話でありますが、その点を先程の説明で十分私は呑み込めませんでしたので、これらの地域の、通帳があつても、通帳が今後出て來ても、貯金というものは拂い出せないのかどうか、この点を明らかにして頂きたいということと、もう一つはこれは次の機会までに御研究願つて、或いはそれまでに我々に明らかにして頂きたいと考えます点は、満洲國の郵便貯金は、終戰前までは國内においてこれを支拂うという建前になつておりました。從つてこれは原簿のあるなしに拘わらず、日本の郵便貯金と全く同様に扱つておつたわけなのですが、それが終戰になつて一切そうした処置が停止されたのでありますが、併し先程申しましたように、飽くまでもそれに対しては道義的に勿論責任がありますが、その点についてどういうふうにお考えになつておるか、これは別の機会でも結構でありますから、知らして頂きたいと思います。
  44. 村上好

    ○政府委員(村上好君) 第一点の原簿のない樺太、台湾、朝鮮、関東州、これの貯金は通帳があつても將來拂わないのかという御質問でありますが、これは拂えるのと拂えないのと両方ございます、というのはその貯金が終戰後その当時二十年の九月三十日までに預入されたものは制限をつけて拂渡しをする。制限は一家族を通じて一カ月五百円以下、その次は租税の支拂いに充てる場合、それから三番目は昨年十一月の南海の地震によつて被害者が生活に困つたという場合は一人につき五百円、一家族を通じ二千円以下、これを認める。それから第四番目は本年の七月から八月三日までの間、東北地方水害の被害者並びに九月中旬の関東の風水害による被害者が生活必需品を購入するために必要な資金一人につき一千円、一家族を通じ五千円までは拂戻しを認めるという制限をつけて貯金の拂戻しが行われております。
  45. 千田正

    ○千田正君 さつきから逓信大臣並びに局長の御答弁を聞いておると、原則は原簿がないから拂えない、いろいろな御理由を仰しやつていらつしやいますけれども、政治の面から言つて逓信省の方は私は一番引揚者に対して誠意のないやり方だということを今日において私は承つております。私は原簿がないから拂えないというふうな建前じやなく、原簿がなくとも國の犠牲になつたこうした哀れな引揚者に対して何らかの方法を講ずる、積極的にこうして欲しいと我々は思つておるに拘わらず、止むを得ないという言葉でもつて御答弁頂くということは我々六百万引揚者にとつて誠に遺憾に存じますのであります。この点において逓信省においてはもう少し積極的にこうした戰爭の多々犠牲者に対して政治として逓信行政の一角において何らか方法を講ずることを考えて頂きたいことを特に要望いたします。
  46. 三木武夫

    ○國務大臣(三木武夫君) よくお話の趣旨は分りました。先程申しましたようにできるだけこういう犠牲者に対して適当な処置が取れます方法を考慮いたしたいと考えております。
  47. 村上好

    ○政府委員(村上好君) 大臣の御説明を更に私から一應補足したいと存じます。それは外地で貯金されましたこれらの貯金は、貯金を内地で拂い戻すことについては、昭和二十年九月二十三日の聯合軍司令部からの例の海外金融取引禁止命令、あの命令を以て、非常に峻嚴に全面的に禁止されたのであります。外國で、日本の行政権を離れた所で貯金したその貯金は、向うから資金を日本に送るのと同じ形であります。この貯金についても一切いけないということで、峻嚴に禁止されたものでありますが、この郵便貯金は、大衆の利害関係に影響するところが非常に大きいので、これを少しでも緩和したいという立場から、大藏省とも連繋を取りまして、このGHQの強い禁止命令を次々と緩和して貰つて、ここまで漕ぎつけて参つた沿革を持つておるのであります。大臣の御説明を一應補足して置きます。
  48. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 今の点でちよつとお願いして置きますが、これは朝鮮の実況でございます。終戰になりますと、朝鮮の財務局長が放送で以て、預金は成るべく郵便貯金にして置いた方が後の関連はいいのだと、こういうことを言われたのであります。それによつて非常に郵便貯金が殖えたのでありますが、併し結果はこういうふうになりましたのでございますが、これについては、今いろいろ申しましても、なかなか突き抜けないいろいろな事情はありましようが、充ずこれは朝鮮の事情としまして、そういうふうに官の方からわざわざこれに寄せるような御慫慂がありまして、そうしてこういう結果になつておるのだということも亦いろいろ御解決の場合によく腹に收めてやつて頂きたい、お願いいたして置きます。
  49. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 私は今笹森國務大臣がお見えになつておりますし、大藏当局から長沼管理局長がお見えになつておりますので、今までの未帰還者の家族に対して援護処置を講ずべきことというのが私の今質問せんとする眼目であります。同時に政府の御所見を承りたいと思うのでございますが、援護院の非常なお力によりまして、大藏当局との折衝によつて、未帰還者の家族に対しては、本人二百円並びに家族一人に対して百五十円というような処理が大体されるということになり、而もそれが七月に遡るというような報告を私は承つたのであります。誠にこれは機宜に適したことと思いまして、この両省の方々に非常に敬意を表するのでありまするが、更にこの問題に対しましては、この追加予算、或いは更に來年の通常予算に対しましても、一段とこれを増して頂くということを御留意願いたい、お願いいたしたいと思いますると同時に、それとは別個に、同じ未帰還者の家族であるいわゆる連れて行かれたるところの人、その中には強制徴用をされた人もございましようし、又留用をされた人達もあつたと思うのであります。こうした人達は、誠に氣の毒であると同時に、その内地に残つておるところの家族というものは、実に堪えられない気持であろうと思う、と同時に、生活にも非常に困窮いたしておるのであります。それで、この人達、この家族に対して、やはり復員の未帰還者の家族と同様に、この強制徴用とか或いは留用された、連れて行かれた方々の家族に対して同じ処置ができ得ないものでしようかどうか。この所管事項といたしましては、或いは援護院でありますか、厚生省でありますか知りませんが、いずれ大藏当局との折衝もあると思いまするが、こうした点につきまして、國務大臣として笹森國務大臣の御所見を承わりたいと私は思うのであります。  それから今私が申上げました点につきまして、速記を後で調べて、その削除して頂く点があるかと思いまするが、その点一つ委員長においてお含み置き願いたいと思います。
  50. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 了承いたしました。
  51. 北條秀一

    ○北條秀一君 笹森國務大臣の御答弁を承る前に、ちよつと浅岡君のお話を補足した方がよいのじやないかと思います。浅岡君の今のお話で、多少不徹底なところがあるかと思いまするので、事情を補足したいと思うのです。連れて行かれた、又は強制徴用された、留用されたこれらの人間は、満洲ではソ軍当局が当時在満兵力を捕虜として向うに連れて行つたのでありまするが、その捕虜の中から或る数が欠けまして、即ち予定の数に達しないために、これらの数を補足するために一般市民を終戰後多数に動員されて、これをソ連領に連れて行つたのであります。從つてこれは、復員廳ではその事情が分つておるかと思うのでありまするが、全く終戰前に召集された人と同じ取扱いを当然なすべきであるということを私は補足したいのであります。
  52. 岡元義人

    ○岡元義人君 今淺岡委員、北條委員から詳しくお話がありましたから、十分分つて貰つたと思つておりますが、尚一言だけ附け加えさして頂きたいのであります。ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
  53. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を止めて……。    〔速記中止〕
  54. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて下さい。
  55. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) 只今御指摘になりました点についてお答えを申し上げたいと思います。
  56. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  57. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて下さい。
  58. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 時々中座いたしまして大変申訳ないと思つております。笹森大臣の只今のお話しで、未帰還者の家族に対しまして、十分御熱意のあるお考えを持つておられるについては、私共も了承いたしておるのでありますが、その未帰還者の家族の調査が、どの程度に進んでおるかという問題につきましては、遺憾の点があられるように思われるのであります。これについてどういう方法を以てやつたらいいか、というような大臣のお話しもございましたが、私などは実際いうと、末梢神経である民生委員をやつており、又いろいろな地方で第一線の仕事をやつておりました関係上、これは統一のある方法でお調べになるお考えがあるなれば、十分どういう者が連れて行かれて戻らないか。どういう所にどういう困難な未帰還者の家庭があるかということは、確かに分り得るのであります。それは申上げるまでもありませんが、通俗に考えれば、十四万の民生委員が到る所に網を張つておりますから、その手を通じて未帰還者の家庭の実情、数その他一切のことが直ちに分るのであります。それで私共はいつも考えるのでありますが、生活保護一方で行くということは、その筋からも言われておりましようし、又政府の方針といたしましても、格段に復員者なるが故に特別な援助を與えてはならないということに対しましては、政府の方針も一致しておるのでありますから、私はこの生活保護法の一本ということに対しまして、そうなる以上は、生活保護法をもつと積極的にやつて貰わなければいかん。これなればいかなる方面で調べられても、これは理由がある。食つて行けるようなふうに、これを向けるということは、生活保護法一本でやり得るのでありますから、生活保護法によりまして内面の働きをうまくやるかどうかの問題になるのであります。例えて見れば復員傷痍者の病院の治療費に対しても、有料になつておりますが、実際の状況は半分以上無料になつておる。もつとよく運営されておるところは七割以上無料でやつておられるところもあります。それで生活保護法をうまく活用すれば、割合困難な家庭に手が届くのであります。  然るに市町村におきましては一割の負担であります。これがこの法における一つのブレーキでございまして、無制限な出し方を抑制することになつておるのは当然でありますが、それによつてややもすると救助の金額が遠慮されることになる。現在厚生省にも聞いて見たいのでありますが、月割にいたしまして三億円、年額三十六億の金は果して毎月相当に出ておるかどうか、三十六億で足りなければ五十億でもいい、これは予備金から出ることになつておる。これは差支ないのである。それで戰爭犠牲の公平なる負担から言いまして、引揚者は内地へ帰つて貯金を持つておつても一銭もとれない、情ないものである。これでは負担は公平でないと言い得られるのであります。  それを直すには生活保護法によつて十分に救つて上げる以外に途がないというならば、生活保護法の金の使い方をもつと積極的にやつて貰わはなければ外に方法はないのみならずこれはやり方によりまして、未帰還者の家庭などにやはりそういう方面からやつて行くならば、相当手が延びると思います。現在厚生省の生活保護法の金の使い方につきまして、どの程度になつておりますか。月三億の割合にお使いになつておるかどうか、又それ以上にお使いになれるものかどうか伺ひたい。
  59. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 只今厚生省の係の社会局長が見えておられませんからこの御質問は暫く保留さして頂きます。  この際商工省繊維局長がわざわざお見えになつておられますので、前以て木内委員から御質問したいという通告がありますので木内委員どうぞ。
  60. 木内キヤウ

    ○木内キヤウ君 是非御意見を伺いたいと思うことがあるのでございます。それは私も曾て故國を離れて海外に行つたこともございますが、海外で悲しいこと嬉しいことに思い出しますことは、家族のことでもございますが、それと一緒に自分の國の國旗というものに対する憧れというものは、実に故國を離れた國民でなければ分らないものでございます。悲惨なこの敗戰によつてみじめな、心の寂しい、すべてに惠まれなくなつた引揚民が帰つて來て、送られるときには國旗の波で送られたものが、一つの國旗も飜らない、引揚民として自分の故國に帰るときどんな気持であるかということを、日本國民として想像して頂きたいと思います。  この間東舞鶴に同志の、参議院の者が参りましたときに、一行の中で小さな國旗を、國民の振れない國旗だけれども代表として、といつて國旗を持つて行つて、そうして引揚げの方に、その國旗でお迎えしたときに四千人の引揚民の方が涙を流して本当にお喜びになりました。そうしてその中からも、亦私達がお迎えした引揚げの方の女性の中からも、男性の中からも、恐らく帰つて家毎に國旗の飜つておるのを見ない寂しさ、又自分が一物も持たなくて、國旗というものを振ることのできない今日を考えたときに実に悲しい。こういうことを訴えておりました。お國の國旗に対する憧れというものは非常に強い。再生を図るあの方々たちに、婦人の立場として、私ばかりでなく同志の者が、引揚の方々に國旗を、どんな小さなのでもいいから、若し軒先に飜えることが許されないならば、自分の心の中にその國旗を飜えす喜びを味わいたい、こういうようなことを考えましたときに、今日繊維の関係で以て、その資材がなかなかむずかしいということが言われておりますが、商工省のお立場として、引揚げて來る者に國旗を差上げる、その資材が許して頂けるならば、そのお金、その点には、それを望んでおる同志の者がどうでも苦面をすることができるものと思つておるのでございますが、資材を廻して頂くことがどんな工合でございましようか。伺つて見たいと思います。
  61. 鈴木重郎

    ○政府委員(鈴木重郎君) 只今引揚その他の方々に対する國旗用の資材の御質疑でございまして、縷々御説明のございましたように、我々もこの祖國の表章たる國旗に対して憧れるときに、引揚の方々も特に痛切であろうと存ずるのであります。ただこれに対しまする資材の配当計画、見込につきましては、御承知の通り、現在のところ、國内の衣料に関する原料計画と申しますか、こういうものにつきまして相当強力な関係方面の指示を受けておるのでございまして、主といたしまして御承知の通り綿花にいたしましても、僅かにその二割が國内消費に許されておる分でございまして、他は全部輸出をいたしておるのでございます。絹につきましても大部分を輸出に振向けるように相成つておりますし、人絹布につきましては一〇〇%輸出の命令を受けております。羊毛製品につきましては、これを全部輸出に振向けるような制限を受けておるのでございまして、現在のところは一般衣料の國内需給の状況は御承知の通りでございまして、引揚民の方々に対しましても、その配給量は極めて逼迫をいたしておるのでございます。又一般國民の配給にいたしましても極めて寥々たるところでございまして、今年の衣料配給計画も僅かに一人当り一年間を通じまして、僅かに一ポンド八分が漸やく確保できておるような事情でございます。從いましてこれを僅かな範囲内におきまして、これらの各方面の衣料関係もございますし、又引揚者戰災困窮者に対する配給もございまするし、又乳幼兒、学童といつたような特殊の方に対する配給も必要でございますし、或いは農民、炭鉱等の労務者に対する配給も必要でありまするが、これらのすべてを通じまして、僅かに一ポンド八分に過ぎないのであります。戰前の國内消費に比べますれば、僅かに一割二分にしか当らない供給力しか今日許されておらないのであります。從つて現在のところといたしましては、我々のところに今本年度の配給計画として審議いたし、現に配給しつつある供給力の中におきましては、特に國旗用の資材は現在見込んでおらないのであります。併しながら今お話もありましたように、仮りにそれが一般家庭に掲載するような大きなものでなくても、小さなものでも本当に我々の祖國を愛し、祖國を懐かしむ心持を眞に國旗によつて表象するというこの心情は國民感情といたしましては、全く同感でございまして、仮りに今囘放出を許されました品物といたしまして、國旗に引当てを考慮できるものといたしましては、絹織物が多少あるに過ぎないのであります。これは主として輸出用その他に考慮をいたしたのでありますが、いろいろな海外市場の状況もありまして、今日まで全面的に凍結をされて國内使用を全面的に禁止をされて來たのでありましたが、不幸にも海外に思わしく輸出ができないという関係によりまして、一部これが國内放出を許されて参つたのであります。從つてこのような方面のものによりまして、特に一般國民衣料に適当しないようなものでもございますれば、これらを今お話のような國旗用の資材として振向けることが可能かと存じております。併しながらこれにいたしましても極めて量的には少いのでございますが、特にその一部を割いて引揚げの方々の各家庭各個人に配給するという程の数量は賄い得ないかもしれませんが、少くとも極く一部を割いてもこちらに出すことを研究いたしたいと存ずるのであります。
  62. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 只今木内委員の御質問に対して鈴木繊維局長から大変同情ある御囘答を得まして、本員としても非常に愉快に感ずる次第であります。幸いに繊維局長がお見えになつておりますから、それに関連する問題が事実現に起つておりますので、引揚問題特別委員会という立場から公の席上においてお願いをしたいことがあります。本日も各委員から引揚の具体的措置についての適切なる御意見が出、且当局からもこれに対して誠意溢るる御答弁が出ました、私は引揚問題において考えられるその各種の問題におきまして、特に沖繩の諸君の現在における立場ということを我々引揚問題特別委員会においては特に考えなければならんと思うのであります。祖國に帰つた我々引揚民はとにかく先きには講和というものが横わつて、明るい一つの見透しがありますが、現在における沖繩は果して左になるか、右になるか、その帰趨するどころが分らないのでありまして、引揚民の内でも最も不安動揺、又先きに希望を持たないものは沖繩の諸君であると思うのであります。今現に沖繩へは自分の懐しのあの常夏のそれぞれの島に引揚げつつあるのであります。この諸君に対しては、私はよしんばその帰属は何処に移ろうとも、お互い兄弟の情を以て特別にこの諸君のためにはあらゆる政治的の工作をなすべきだと思うのであります。もう冬を前にして大阪の方に居住しておりまする同縣の縣民諸君は、幸いにも蒲團の側は当局の御好意によつて頂戴しておるようでありますけれども、現にこの冬が差し迫つておるのにその中味である綿はまだ一つも頂戴していないというような現状を私はそれぞれの関係者から聞かされております。これにはいろいろの法規もあります。殊に突発したる水害というようなものもありますので、そちらの縣民諸君に特別の数量を特配するがごとき要望は、当事者の諸君もしないと思いますけれども、何らかそこに温い御処置の下に緊急なる御処置をこの機会にお願いいたしまして、沖繩懸民の衷心から願つておるその希望をここに代弁した次第であります。
  63. 鈴木重郎

    ○政府委員(鈴木重郎君) 沖繩縣の引揚げの関係につきましては、御承知の通り從來もこちらから引揚げておいでになる場合に、或程度の配給をいたして参つたのでございますが、全般の問題といたしましては今申上げました全体の引揚民用配給の限度内におきまして、厚生省、援護院とも御連絡申上げまして、配給割当をいたしておるのでありますが、最近特に大阪府下におきます沖繩懸民の諸君が、近い機会に今お話の通りその郷里にお帰りになるということが言われておるのでありまして、これに対しましては今お話の通り先般の引揚民用の配給といたしまして、配給いたしました寝具につきましては、いろいろこの綿の関係が非常に逼迫いたしておりましたので、甚だ妙な関係になつたのでありますが、取敢ずその側だけを配給いたしたということは事実でございます。昨年の越冬対策といたしまして、國内配給をいたしました寝具が相当量の綿が入つておらなかつたのであります。この点につきましては私も十分了承いたしておりまするが、特に今般沖繩の郷里にお帰りになる方々に対してはこれは綿を入れてお渡しをせねばならないことも十分了承いたしております。尚今お話がございましたように、いろいろと突発的に緊急災害が起りまして、この方面に対する配給等も手配もいたしておるのでございますが、同様な引揚げの方々が年内にお帰りになるわけでございますので、少くともそういう方々に対する蒲團の中入れ綿の加工につきまして、それぞれ現物なり或いは落綿の加工をしてこれをお渡しするなり特別の措置を緊急に講じたい、こう考えております。
  64. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 有難うございます。
  65. 千田正

    ○千田正君 特に笹森國務大臣にお願いしたいと思いますが、先般非常に御同情あるお言葉の下に我々の要求を容れて頂きまして、復員者の内地に上陸すると同時に頂く金を、増額して頂くことに大体お話が進んでおるように承つております。尚復員者の留守家族に対する増額の問題も承つておりますが、これはもうすでに実施して頂きましたかどうかということを伺います。    〔委員長退席、理事淺岡信夫君委員長席に著く〕  更に中國留用者の持帰り品に対しましては、中國政府が承認せる限度まで日本においてこれは出して頂くのであるか、この点は大藏省に同時に伺いたいと思うのでありますがこの点を一つ若しお答えができれば伺いたいと思います。
  66. 淺岡信夫

    ○理事(淺岡信夫君) ちよつと皆さんにお諮りしたいと思うのでございますが、今の千田委員の要望に対しましては政府当局から御答弁を頂くといたしまして、九時半から十二時半に垂々とする間、非常に熱心に会議は続けられたのであります。そこで只今千田委員のその答えは今後に、この次の会に讓つて頂くといたしまして、議事進行上一つこの辺で一應打切りたいと思いますが、いかがでしようか。
  67. 千田正

    ○千田正君 これだけ一つ簡單だと思いますから伺いたいと思います。
  68. 淺岡信夫

    ○理事(淺岡信夫君) そこで今、中平委員から先刻質問がございました件につきましては、社会局長が見えられて今簡單な御答弁をされる筈でございます。その前に復員廳編制改正に関する件につきまして、笹森國務大臣から発言を求められております。そこで今千田委員の質問に対しましての答えとそれから中平委員の要望に対しまする社会局長の御回答、それから笹本國務大臣の御発言によつてこの会を閉じたいと思いますが、その以外に重要な案件がありましたならば今ここで御提出して頂きたいと思います。
  69. 岡元義人

    ○岡元義人君 まだ本日一番重要な問題として、最初この特別委員会に特に岡元がお願いいたしました厚生大臣と大藏大臣の御出席をお願いしたわけでありますが、それは只今地方で一番困つて、差当り緊急を要する問題として生業資金の運営方法において、いろいろお尋ねしたかつたのであります。それで先に小委員におきまして特に今日特別委員会を煩はして、こういう問題を是非とも解決付けようということになつておつたのでありますが、先程未まだ厚生大臣もお見えになりませんし、朝からこの問題で待つておるのであります。少くとも午後連続非常に重要な問題でございますので、是非とも引続き御出席を煩わして本日審議を進めて行つて貰いたい、特にお願いいたします。
  70. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 只今千田委員の質問にちよつと附加いたしますが、留守家族という中に、復員者の家族というもののみならず、現に外地におる人……留用者、それから留用者でなくとも、中共地区その他におるというようなこれらの人の留守家族を含めてのことということを附加してお願いしたいのであります。
  71. 淺岡信夫

    ○理事(淺岡信夫君) 今星野委員の御要望に対しましては、先刻笹森國務大臣からこの未復員者の家族に対しては処理をする、それに対して只今千田委員からそれは現在実施されておるかどうかということの質問があつたのでございますが、それから、この復員者でない連れて行かれた者、こうした人達の家族というものに対しては政府としても、調査をする、尚國会の皆さんにおいても調査をされたいということでございまして、この点につきましては一つ我々國会に席を置く者ができるだけ調査をしたいと思つております。又できると思います。その点につきまして、今は政府の御答弁がそこまで至るかどうか知りませんが、取敢ず千田委員の点につきまして政府から一つお答え頂きたいと思います。
  72. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) 只今の御質問にお答えを申上げます。從來この給與を受けるに至つておりませんでした元陸軍の兵の関係における給與の増額並びに留守家族に対しまするところの扶養の金額、これらのものが実際に行われておるかどうかというお尋ねでありまするが、これは現在予算的な措置をしてある、この予算的な措置が幸いにして皆さん方の御賛同によつて通過いたしますればこれは実際行われることになる、その内容としては我々の考え方では七月からそのことが遡つて実施せられるがごとく措置をしたいということをお答えを申上げます。尚又それ以上に現在非常に困つておりまするのは復員者が上陸をしまして以後、自分の家庭に帰りますまでの旅費等、これらの非常にこの時代として少いと考えられるものの増額等に関しては、これは折角今案を作りつつ、この問題は新らしき年度においてのものに考えられる、先程申上げましたのはこの追加予算においてでありますが、その二つの点を分けて御了承願いたいと思います。  そこでここにお許しを得まして、本委員会に対しまして復員廳編制改正に関する件について報告を申上げ、且つ御了承を頂きたいと思うのであります。すでに皆様方の御承知の通りに去る十月の四日に政府に宛てられました聯合軍総司令部の「復員機関改造に関する」指令に基きまして、今回政令により復員廳の編制を改正いたし、旧第一復員局関係の機関を挙げて厚生省の管下に移し、旧第二復員局関係の業務は差当りこれを独立せしめ、総理大臣監督の下に業務遂行に当らしめることに相成つたのであります。これらにつきまして、若干御報告を申上げたいと存じます。  今回の編制改正によりまして、在外同胞の大部を占める旧陸軍軍人軍属の復員をその主要業務といたしておりまする第一復員局並びにその関係機関はそのままの姿で厚生省管下に移されることと相成つたのでありますが、その後の復員業務は從來通り昭和二十年十月十日付「日本武装軍隊の復員」に関する覚え書その他に基いて実施せられるのであります。第二復員局は差当りこれを独立せしめ総理大臣の監督下に置かれることとなつたのでありますが、明年一月一日までには完全に廃止せらるる予定でありまして、その間掃海その他極東米海軍指揮官の直接監督を受けるのであります。更にその後の残存業務並びにその機関は厚生省その他の管轄に入ることと予想いたしておるのであります。    〔理事淺岡信夫君退席、委員長着席〕  その他更に全般的に各種の調査等についても改めて命ぜられておるわけでありますが、復員業務は特別の性格を持つておりますので、現在分離しておる復員諸機関の最後的処理等につきましても、將來日本政府の永久的行政組織の中に吸收するよう、それぞれ立案中であります。さて復員の迅速なる完了は國民挙げての熱望でありまするが、陸海軍部隊の復員の現況を申しますと、終戰時約四百萬近くも海外にありましたる陸海軍部隊も二十五ケ月を過ぎましたる本年九月末までに無事生還いたしましたる者二百八十七萬となつており、現在はソ聯関係地域に約五十五萬の人口が残留することと推定され、尚その他の地域に健在しておる者約一萬一千が知られておるのであります。かように在外者の復員、引揚げがこれまで誠に円滑に実施せられて参つたのも聯合國側、特に聯合軍総司令部の御好意によるものでありまして、私ども復員の業務を担当いたしております者は、國民諸君と共に特に感謝いたしておるのであります。現在の状況から復員終了の時期を判断いたしますれば、南方英軍地域からの引揚げは、今年十一月一杯には終ると予想いたされ、北方ソ聯関係の引揚げは、月々の軍人、軍属の数が現在のような有様で、又冬季は引揚げが前年同様中断される等の事情を仮定いたしますれば、明年中に引揚げを終ることは到底困難で、どういたしましても明後年に及ばざるを得んことと考えておるのであります。かような状況におきまして、復員機構の政変を行い、果して國民が期待する復員の円滑なる実施に支障がありはせんか等のことも、固より一應は考えられるのであります。  復員のための中央機関といたしましては、先ず二十年十二月に陸海軍省を改編いたしましたる第一、第二復員省が設けられたのでありまするが、爾後復員の進捗に伴い、二十一年六月には第一、第二復員省を廃止して総理大臣の監督の下に復員廳が生まれ、中央地方を通じ復員事情に應ずる改編が逐次行れて参つたのであります。今囘行れましたる編制改正も、各種復員業務の今日の実情から必要且つ適切なる改正と信じておるのであります。特に純復員業務の大分を実施する第一復員局関係機関が厚生大臣の管下に入り、以前から厚生省で実施されて参りましたる引揚援護の業務との間に、ますます緊密に協同しつつ業務を円滑に処理し得るに至りましたることは、大なる利点と考えるのであります。  尚又第二復員局関係で実施して参りましたる掃海等も、その業務進捗の現状から、今回のごとき措置が必要であり、最も妥当であると考えられるのであります。これらの措置を実施に移すに際しましては、事が復員という特殊の業務であり、十月十五日までに完全に移管その他を完了する必要がありますること等から、政令によつて法的に処理せられましたる次第でありまして、この辺の事情は特に御了察あらんことをお願いする次第であります。  尚この際、これまで復員の業務を担当いたしましたる者といたしまして一言附加えて申述べたいと存じます。復員が円滑に実施せられて、今申上げましたる状態にまで進捗いたしましたにつきましては、先にも言いましたる通り特に聯合軍側の御好意によるのであります。併しながら今日までこの問題について、國会として、特に本委員会として示されましたる特別の御熱意、御懇情の数々が、復員の促進に、又復員の円滑なる実施に、如何に大きな影響がありましたかは、殊に深く銘記いたしておるところでありまして、ここに有難く御礼を申上げます。併し尚海外に残留を余儀なくせられておる方々は、軍人、軍属のみでも約五十七万、これらの家族の人達を初め國民の熱望はポツダム宣言の通りに、これらの人人を一日も速やかにその郷里に帰らしめることにあるのであります。この熱望に應え、長く憾みを國民の間に残さぬことが、平和國家建設に有力なる礎石の一つであることも考えられ、誠に重大なる問題であります。この復員を繞るいろいろな問題は、固より將來に亙つて解決に努力を要する問題でありまするが、何卒將來とも、從來と同様御懇情を賜わるよう御盡力あらんことを特にお願い申上げて、私よりの報告並びに御挨拶にさせて頂きます。(拍手)
  73. 岡元義人

    ○岡元義人君 先程私議事進行について継続の意をば含めたのでありますが、時間も経過いたしておりますし、厚生大臣、大藏大臣がお見えにならないといたしますれば、止むを得ないと思います。併しながら各委員の方々にも是非聞いて頂きたいと思いますのは、いよいよ國会も大詰に迫りまして、そうしてそれなりに法案その他が通過いたしておるのでありますが、全國一千万を超えるところの引揚者、復員者の家族は、第一回國会のこの議事堂にすべての眼が向けられておるのであります。而も大詰の迫つたこの國会で、果して引揚問題がどれだけ解決ついたかということに対しましては、あらゆる関心を各引揚者が持つておるのであります。そうして又私たちも、ここで私事に觸れては或いはいけないかも知れませんが、星野議員の満願の日でもありますし、又後でお許を得ますが、矢野委員長におかれましては、昨夜かけ替のない自分の御子息をばシベリアで失われたということを昨夜知らされたのであります、にも拘わらず今日の委員会に出席されて、又その言葉で、我々は屍を乗り越えて行くのだというお話を承つたのでありますが、私たちも何とかしてこの第一回國会に、戰爭犠牲者であるところの、日本の人口の大半を占めておりますところの人たちのために、何か実を結ばせたいという念願で一杯なのであります。少くとも今引揚問題に関する限り、如何なる外の問題よりも最も緊急最も切実なものがありますので、私は特に本日最も緊急を要されるところの庶民金庫の不円滑なる状態とそれから今のような生業資金では眞に引揚者が更生できない、事実引揚者は逐時自殺者の数を増しております。そういうような実情を愬えまして、そうしてこの庶民金庫の貸付その他についてもつと円滑に本当の活きた金として頂くようにお願いしたかつたのであります。委員長におかれましては、微意を酌んで頂きまして、速やかに、本日この案が解決つきませんでしたならば、明日でも解決して行けるように大臣の御出席を煩わして頂けるように切にお願いいたしておきます。
  74. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 只今岡本委員の御発言御尤もと存じます。本日予定しておりました第一、第二の小委員会において成案を得て、而も建設的の質問をするという予定でございましたが、大藏大臣その他厚生大臣が公務のため御出席がなかつたのでありますから、これは委員部の方とも打合せまして、明日でも、明後日でも本委員会を続行して、そうして是非実のある有終の美を挙げたいという考えを委員長も持つておりますから、さよう御了承願いたいと思います。
  75. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 ちよつと失礼ですが、先程の未帰還兵の給與及び旅費増額というようなものをもう少し具体的に政府から案を漏らして頂けないでしようか。
  76. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 議事進行につきまして今星野委員からお話がございましたが、そうした面につきましては次の委員会に讓つて頂きまして、そこで詳細に御報告をお願いすることにいたしまして、これは事務当局並びに速記の方も非常に御疲労のようでございますから、その辺で打切つて……。
  77. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 星野委員御了承下さい。  この機会に先般本委員会の委員に指名せられました岡元義人君を第二小委員会の委員に選定いたしました。さよう御了承得たいと思います。
  78. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 会を閉じます前に…、私先委員長の代理で委員長席におりました時に、中平委員の御質問に対しまして社会局長からお答え頂くということをお約束申上げておるのでありますから、それだけを果さして頂きたいと思います。社会局長がお見えになつておりますから……。
  79. 葛西嘉資

    ○政府委員(葛西嘉資君) 公務のためにこちらに來られない時に、中平委員から御質問があつたのでありますが、生活保護法の現在の施行の状況はどんなになつておるかというお尋ねがあつたのでありますが、現在ではまだ極く最近のものの統計が報告が纏つておりません。殊に八月一日から御承知の新物價体系に伴いまして基準の引上をいたしております。そんな関係で最近ということになりますと、若干違うことになるかも知れませんが、私どもの所で扱つております統計では二億数千万円という金額でございます。保護いたしております人間が二百七、八十万人、金額にして一ケ月二億数千万円ということになつております。これが七月の一日にも基準を引上げましたし、八月の一日にも基準を引上げた。從つて引上が地方に行きますと若干ずれて参つておりますが、そういうふうな関係で金額が今後増すだろうという見込でございます。それで十月、十一月、十二月分の生活保護法による國庫の金を今月の四日日本銀行を通じまして各府縣に送つております。これは三月分を年末も含みますものですから、十二億数千万円というものを三月分でございます、相当余裕を以て地方廳に送つておるような現状でございます。
  80. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 その金が早く届かないと実際困るのです。それでもう事実の上におきましては何処の市町村も金が届かないということの不足ばかりです。それですから算盤玉を弾かれても、現物が行かないと何にもならない。その点に対して私は十分一つ御注意を願つておきたいと思つて、今日は特に質問したのでありますけれども、時間がありませんから……。どうぞ一つスピードをかけてお金を送つて頂きますようにお願いいたします。それから一月三億は下らないようにお願いいたします。
  81. 葛西嘉資

    ○政府委員(葛西嘉資君) 今の点金が着かないと実際仕事ができないという中平委員のお話は誠に御尤も、私もそう存じます。実は長くなりますと……中平委員御存じのような経緯がございまして、GHQの関係その他経緯がございまして延びておつたのであります。最近では今申上げますように、三月分十月、十一月、十二月は今月の四日日本銀行の小切手を送つております。七月、八月、九月は七月二十五日に送つております。それから四月、五月、六月というようなものも四月の初めに送つておるようなわけでございまして、ここ数ケ月の間はできるだけやつております。こんなように月の初めに送つております。この間も地方廳に実は調べまして、実際送つたが、どれくらい第一線に届くだろうと東京の銀行で調べて見ますと、突然に行つた村ですが、これも相当早く着いております。例えば十月四日に送りましたのはその時の計算で行きますと、今月の半ば、今日、明日あたりに第一線の村まで行つておるというようなことでございます。これにつきましては私どもの方から日本銀行に送りますと、すぐ電報で地方廳に知らせます、送つたから受取れと、その前に予め通知をしておきまして地方に分ける案を作らしております。金が來てすぐ地方に分けるというようなふうで中平委員仰せの通りでございますので、これは府縣の当局をも督促いたしまして、成るべく私どもも早く送る。行つた金は成るべく早く第一線に送るというふうに努力いたしております。尚お今後とも努力いたします。
  82. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 逓信大臣から電報料の問題ですが、それは解決したかのごときお話で私どもは了承したのでありますけれども、併しその金の支拂いが厚生省の方で処理しようということであつて、逓信省の何ら犠牲においてなされるということを聞いていないということでありますから、その点につきましてはこの次の会に重ねて質問さして頂くということを御承認願つてこの会を閉じて頂きます。
  83. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 了承いたしました。それではこれで会を閉じます。    午後零時五十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     矢野 酉雄君    理事      島   清君            淺岡 信夫君            木内キヤウ君            北條 秀一君            星野 芳樹君    委員      中平常太郎君            山田 節男君            草葉 隆圓君            井上なつゑ君            宇都宮 登君            岡元 義人君            田村 文吉君            藤野 繁雄君            穗積眞六郎君            千田  正君   國務大臣    逓 信 大 臣 三木 武夫君    國 務 大 臣 笹森 順造君   政府委員    復員事務官    (官房長)   森田 俊介君    大藏事務官    (管理局長)  長沼 弘毅君    厚生事務官    (社会局長)  葛西 嘉資君    引揚援護院次長 大野 連治君    商工事務官    (繊維局長)  鈴木 重郎君    逓信事務官    (貯金局長)  村上  好君    説明員厚生事務    官医務局次長  久下 勝次君