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1947-08-05 第1回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 2号 公式Web版

  1. 付託事件 ○在外同胞引揚促進及び引揚者の援護  更生に關する請願(第五號) ○ビルマ殘留同胞引揚促進に關する陳  情(第三號) ○樺太殘留同胞引揚促進に關する陳情  (第五號) ○南方殘留同胞引揚促進に關する陳情  (第六號) ○南方殘留同胞引揚促進に關する陳情  (第八號) ○引揚者、復員者及び留守遺家族の救  濟緊急對策に關する陳情(第十八  號) ○在外殘留同胞引揚促進に關する陳情  (第三十號) ○在外殘留同胞引揚促進に關する陳情  (第三十一號) ○海外引揚者に對する生業資金貸出に  關する陳情(第三十二號) ○海外引揚者所有の農地に關する陳情  (第三三號) ○ソ連軍管下の未復員軍人歸還促進に  關する請願(第七號) ○舊滿鐵社員の會社に對する諸請求權  に關する應急措置等に關する請願  (第九號) ○海外殘留同胞引揚促進に關する陳情  (第四十八號) ○海外殘留同胞引揚促進に關する陳情  (第五十三號) ○在外同胞の引揚促進に關する陳情  (第七十五號) ○在外同胞引揚促進に關する陳情(第  八十一號) ○在外同胞引揚促進に關する陳情(第  百四號) ○在外同胞引揚促進に關する陳情(第  百十號) ○在外同胞引揚促進に關する陳情(第  百二十一號) ○本委員會の運營並びに請願陳情の取  扱いに關する件 ○引上促進に關する決議案に關する件 ○在外同胞引揚状況に關する件 ―――――――――――――――― 昭和二十二年八月五日(火曜日)    午後一時三十七分開議   ―――――――――――――   本日の會議に付した事件 ○在外同胞引揚状況に關する件 ○引上促進に關する決議案に關する件 ○本委員會の運營並びに請願陳情の取  扱いに關する件   ―――――――――――――
  2. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 只今から委員會を開會いたします。實は關係大臣が三名いらつしやいました關係上、豫め一度は二時に開會する豫定を睨み合せて一時に變更しました。委員各位にはその通報が確實にお手許に届かない向もあつたかと思います。決して御熱意がないために御參集が遅れたのではないと私は信じます。  只今から外務大臣の御報告を續けてして頂くことにいたします。
  3. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 從來程度の割合で引揚を行なうとしますれば、殘留者の數から見てどうしても來年の秋までかかるという數字になるのであります。然るところ、極く近き將來に我々國民が滿足を得るごとき情報政府において發表をし得ると信じております。速記を……。
  4. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 暫く速記を止めます。    〔速記中止〕
  5. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて。
  6. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 北朝鮮と大連にまだ留用者と拘留者が若干殘つております。  その次は南方の諸地域の問題でありますが、本年の六月末で、戰犯の關係者とイギリス軍の麾下におりました作業隊約四萬二千名、これだけを除いて引揚げが完了いたしました。その後船繰りも順調に參りましたので、七月末においては、ビルマからの作業隊九千名ばかりが引揚げ、殘り千三百名も近く引揚げ完了の見込であります。その結果七月末に殘つておりますマレイ、シンガポール地域の約二萬名、この作業隊も十月末までには引揚げを完了する見込でありまして、イギリス官憲の通告は多少の裕りを取つて返事をよこしておりますが、それでも本年中には全部終了の見込だということを申入れております。その他に戰犯容疑者の關係の者が、まだ四千八百名ばかりあちらこちらに殘つております。こういう状況であります。  政府側におきましては、絶えず總司令部の方に連絡を取りまして、殘留しておる同胞の待遇改善、引揚げの促進についていろいろ努力はいたして參りました。又國際赤十字社日本赤十字社の手を經て南方の作業隊等にも慰問品を送つております。ソ聯地區の殘留者についてもできるだけ家庭との通信が自由にできるように、郵便物の送付方についても種々努力いたしたのであります。これらの殘留者の状況を成るべく早く留守宅の家族等に知らせるためには、御承知の通り引揚者の時間と称するものをラジオの放送の中にプログラムを作りまして、いろいろ新らしいニユースを送つておることは御承知の通りであります。  以上極く大體の事情をお話いたしたのでありますが、尚御質問によりまして詳細のことを事務當局から御報告をいたします。私からのお話は一應これで終りまして御質問によつてお答えすることにいたします。
  7. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 只今外務大臣から非常な朗らかな、何かほのぼのと夜明けを感ずるような御報告に接しまして、當局の非常なる御奮闘について我々委員會としても満腔の敬意と感謝を表するのであります。大臣からのお話もありましたので、何か外務當局に對して御質疑等がありましたならば、この機會に御發表願いたいと思います。
  8. 小林英三

    ○小林英三君 ちよつとお伺いいたしますが、内地におる遺族の方たちが、在外殘留者の安否につきまして、非常に案じておられるのでありますが、これは昨年末でありましたが、ソ聯から八萬通の往復葉書をよこされまして、それを貰いました遺族は無事でおるということが分りまして、一先ず安心をしたのでありますが、現在もまだ未歸還者に對しまして、向うから無事でおるということを、こちらから又往復葉書を向うへ出せるような手續を政府の力によつて、連合軍の力によつて、一齊にそれをやつて頂くというようないい方法がありますれば、一先ず安心いたしますが……。
  9. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) ちよつと速記を止めて下さい。
  10. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  11. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて。
  12. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 外務大臣にお尋ね申上げたいのでございますが、實はこの特別委員會が両院に設置されましたが、その以前におきまして同胞救援議員連盟というものがあり、又今日やはり非常な熱意を以てこれに携わつておる人たちが、献身的の努力を拂つておるわけであります。去る七月十五日に、すでに新聞紙上において御承知と思いますが、二重橋前で國民大會を開いたのでございますが、その決議文を持ちまして、マツカーサー司令部なり、或いはアチソン議長の許まで行つたのであります。その時のいろいろな空氣から察知いたしまして、こうした國民大會を開いてどんどん決議文を持つて行くという行き方と、それから全國的に各地區地區でやはり引揚促進の國民大會を開く、そうした問題を地方の連合軍のおられる場所々々に、區々に同様なものを嘆願するというような行き方に對しまして、非常に私は懸念を持つたのでございます。というのはこういうことをどんどんやることがいいのか、或いは一纒めにしてやることがいいのか、又更に區々いろいろ各地方から出て來られまして、夫を、或いは息子を、或いは親をというようなふうで區々に行かれる人が相當多いのであります。それから司令部におきましては數萬という文書が机上高く積まれておるわけであります。そういう點を考えまして、日本政府としてはどういうふうなことを一番要望されておるのか、或いはどういうことをやつたらば最大效果があるのか、殊に今外務大臣から非常にほのぼのとしたお話を承りまして、非常に心の躍動を感じておるのでありますが、今後日本の國民として、或いはこうした特別委員會なり、或いは議員連盟なりの動きは、どういうふうにしたら最大の效果を擧げ得るかということを、外務大臣に伺いたいと思います。
  13. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 政府としては、國民の各位が引揚促進に關する熱心なる感情を表示せられるということは、無論これを止める意向はありません。自由にそういう希望を御表白になるということは、極めて自然の行き方であると思うのです。併し先程申上げように、連合軍司令部においては十分事情を諒察して、我々が見ても最善の努力をして呉れておると信じております。それですから、私個人の意見としてお答えするならば、特にこの際國民の感情を強く刺激するがごとき方法若しくは經費の非常に嵩むような方法をお取りにならない方が、むしろ適當ではないか、というふうに感じております。
  14. 中西功

    ○中西功君 ちよつと外務大臣にお聞きしたいのですが、一つの點は、さつさソ聯の方の事情は今までよく分らなかつたというふうな話があつたと思います。それはどういう意味で分らなかつたのか。もう一つは、實は日本の巷にはソ聯に抑留されておる同胞の現状について、今までいろいろのことが云われておるわけです。非常に虐待されておるとか、或いはそれに類したことが澤山あります。今までこういうふうな噂が非常に廣まつておるということに對して、政府はソ聯の我々同胞の實際の状態について政府自身の責任ある報告をしていない。而もそういう噂によつて、國民は非常に心配しておる、或いは惑わされておる、というふうな時には、その噂は或いはそれが實情なのかどうか、そういうことをはつきり政府責任において確かめて、そうしてはつきりと國民に實際のことを知らせなければ、これは非常に困ります。政府としての職責を盡していないことになると思います。さつきソ聯の事情が今までよく分らなかつたというふうなことが言われておるわけですが、一體そういう事情はどこにあつたか、一つ御答辯を願いたいと思います。
  15. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) お答えいたします。ソ聯に抑留されておる在留同胞の事情はソ聯が一番よく知つておるわけです。併しソ聯は日本に向つて情報を供給する義務を持たないわけであります。ですから萬國赤十字社等でもソ聯に申入れて、抑留されておる日本人情報を集めることができない、結局ソ聯政府が自發的に日本政府に通告をしてくれる以外に知る途がない。そうしてソ聯は日本政府に進んで情報を提供しておりません。
  16. 中西功

    ○中西功君 私の言うのは、ソ聯には義務はないと思いますが、併し實際國内においてそういうようないろいろ噂が立つて人心が惑わされておるわけですが、政府責任として、實際こういうことがあるのかどうかということを確かめに行く必要があると思います。そうして發表しなければ政府の職責は實は勤まらんと思います。具體的にいえば、私はそういうことに關して言われておる多くのことが非常に誇大だと思います。現に誇大なことが實に澤山言われております。まあ先きの外務大臣のお話では、最近非常によくなつたらしいということですが、そういうらしいとかなんとかでなくて、やはり聞きに行けば教えてくれるのが當然だと思います。教えるに決まつておると思います。
  17. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 日本政府はソ聯政府に直接交渉の權利は持たない。それは許されていないわけです。
  18. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 中西君に申上げますが、これは正式の委員會ですから、委員長に發言を求めて下さい。
  19. 中西功

    ○中西功君 分りました。直接の權利はない、ソ聯政府に行く權利はないけれども、適當な、いわゆる許されておるルートを通じて私は確かめる餘地はあると思います。
  20. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 御承知の通りマツカーサー司令部日本政府とは、これはいろいろな意味において絶えず連絡をとることを許されております。併し日本政府はソ聯政府と直接交渉をすることを許されておらんのです。それはまだ今日のような事態においてはそういうことが認められておらんのです。
  21. 中西功

    ○中西功君 私の申上げるのは、直接に確かめてくれとは言つていないのです。マツカーサー司令部を通じて結構なんです。問題は、そういうふうな努力をされたかどうかということを聞いておるのです。
  22. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) それは今おつしやるようにマツカーサー司令部を通じて或いは萬國赤十字社を通じての努力はしております。併し直接にはできません。その結果が餘り情報を得ることができなかつたということなんです。
  23. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 外務大臣が、殘留者がソ聯地區に約八十五萬人、この全部の送還が終るのは來年の秋になると言われたのですが、本年は殘り五ケ月、明年が十二ケ月、合せて十七ケ月で、丁度來年の暮になる、而も結氷期ということがありますね、そうすると、現在の状態じや再來年と考えるのが至當じやないかと思います。尚この問題は今の外務大臣の報告で解消されるわけですが、解消されても、結氷期ということをお忘れなく考えて頂きたいと思います。  それから中共地區の問題ですね、これにはどういう具體策があるのですか。中共地區の殘留者を歸すという方法について何かお考えがあるのでしようか。
  24. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 中共地區は、御承知の通り中共地區だから中央軍の占據地帶よりも困難であるべき當然の理窟は一つもないのです。ただ實際問題として中央軍占據地帶の在留者は比較的容易に歸して貰える、これに反して中共地區の者は容易に歸して貰えないということの違いなんです。
  25. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 それで外交方策として何か……。
  26. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 外交は日本はどこの國ともまだ開いておりません。
  27. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 先程大臣のお言葉で非常に明るい氣持がするのでございますが、戰犯者、竝びに業務上殘留を命じられておる者は、その歸還とはどんな關係でございましようか。一緒に歸して貰えるような望みがあるのでございましようか。
  28. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 戰犯容疑者は、戰犯の審理が濟まなければ歸ることは困難だろうと思います。それから中國側に引留められておる殘留者ですが、これは段々話合いが通じて次第に歸つて來つつありますから、この方はそう長くかからなくて歸つて來ると思います。
  29. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 朝鮮では、南鮮の方で、これは本當の戰犯というあれではありませんけれども、いろいろな關係から收監されていた人は、連合軍竝びにお役所の御努力ですつかり歸りました。それから北鮮の分も懲役ニケ月以下の人は大抵みんな歸して貰えましたのですが、ただ朝鮮は、例として申上げるのですが、北鮮にもまだ大分殘つております。他にもそういう人が澤山あるのですが、これは結局何とか方法を取れば、こつちで服役さすというあれで歸してくれる、朝鮮ではそういうふうに段々向いて來ておるようですが、今度こういうふうに全部歸りますと、なかなか戰犯、竝びにそう戰犯と言えないでも收監されておる者で、うつかりしておると取殘される人が大分できやしないかというような心配があるのですが、どうぞそういう點を十分御配意下さいまして、できるだけ全體皆こつちへ引つ張り戻すように御努力を頂きたいと存じますので、よろしくお願いたします。
  30. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 今のお話のような筋につきまして、できるだけの努力をいたします
  31. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 先程中西君の質問によりまして、向うの状態を科學的に具體的に報告しろというようなのがありましたが、これに對して今日配付されたこの引揚者の入院者の一覽表というようなものは、政府當局に私は感謝したいと思うのです。これは向うの状態というのは、どうもソヴイエトから報告されるのではないので、歸つて來た人の言葉を通じ……言葉も少し主觀が伴つておるので、その言葉を直ちに信用することもできない、併しこれは客觀的に、歸つて來た者の健康状態を調べて、入院患者數という比率が出るわけですね。そうして病氣の割合が出ておる。願はくばこれと普通の、例えば、戰闘をしていた部隊の病氣の率とか、そういうものと比較して、科學的に大體の状況が判断されるのじやないかと思うのですが、それをもう少し判断して頂きたいと思うのです。
  32. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 委員長から申し上げます。その材料は、外務當局の配付されたものでなくして、復員廳の方面から配付されたので、後刻この問題は御説明がありますから……。
  33. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 實は先だつてGHQへ參りましてシユナイダー大佐にお目にかかりました時に、南方地區、殊に英國管下の約五萬人に近い人間は、この十二月に歸す、併し戰犯者竝びに戰犯容疑者及び證人は歸すわけに行かない。それは逐次終つた場合においてのみ歸すであろうというようなことを言われたのでありますが、そのときに、配船の用意の模様なんかを聽きましたところが、大體三十五萬乃至三十七萬くらいの配船の用意はつき得るということを言われたのであります。で、更に私が語を繼いでお願いしよと思つたのでありまするが、いろいろな點で、我々の思つた以上に親切に、而も微に入り細に入り説明を頂いたものでありましたし、又今後も努力をするということを申されましたから、私共は歸つて參つたのでありますけれども、どうかでき得ますことでありますならば、戰犯者と決まつた者は別としまして、戰犯容疑者或いは證人、そうしたものが濟んだ場合においては、逐次歸して頂くように、今後日本政府としてお願いして頂きたいと思うのでございます。以上でございます。
  34. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 淺岡さんのお述べの通り、外務省のみならず政府全體として、この點については多大の關心を持つておりますから御趣意に副うように十分努力いたします。
  35. 千田正

    ○千田正君 先般來歸つて來られる人達の大體の人數は伺つておりまするが、終戰と同時にソヴイエト側に引渡されたところの同胞の數と、現在殘つておる數との差、いわゆる歿くなられた人、死亡の大體の數はお分りにならないのでありましようかという點と、同時に若しも將來この運動を續けて行く立場から考えまするというと、留守宅の人々はその生死の安否を毎日苦しみながら待つておる状態であります。でき得べくんば、これを連合國を通じてでも、できるだけ詳細な氏名、若しくは亡くなつた人の場所ぐらいは突止めて頂くような方法をとつて頂きたい。この點を特に伺いたいと思います。
  36. 大野勝巳

    ○政府委員(大野勝巳君) 只今の御質問にお答え申上げますが、ちよつと速記を止めて頂きます。
  37. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  38. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて下さい。
  39. 大野勝巳

    ○政府委員(大野勝巳君) それで御承知を願いたいと思います。
  40. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 復員廳の方で、主として軍人だけの調査はできておりませんか。
  41. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) お答えいたします。私共受けております報告は、ほんの歸つて來ました者の口傳えの報告以外にはありません。それはこの前に政府から資料を上げておりますので御了承願いたいと思いますが、その他統計的に、はつきりとしたどれだけの數が死亡者であるとかということは、こちらの方では分つておりません。ただ個々の小さいものだけは、この前上げた資料で御了承願います。尚、引續き引揚げて參りました者の口を通して、今後ともできるだけの資料を整えたいと思つております。その範圍外に申上げることはございません。
  42. 千田正

    千田正君 もう一つお願いいたしたいのは、來年までに引揚げが片付きまするというと、現在よく分りませんけれども、ソ聯地區において榮養失調或いはその他の病氣に罹つておられる人も相當あると思いますが、本年の越冬對策につきまして、十分に手を打たれる方法があるかどうか。例えば、この冬も外地に過されるところの在留同胞に對しまして、できるだけ連合國を通じて、そうした病人その他の苦しい立場にある者を救うような方法ができるかどうか。或いはでき得れば是非やつて頂きたいと、こういう希望と両方お願いしたいと思いますが、來年までかかるとすればですね。
  43. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 速記をおやめ下さい。
  44. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を中止をして下さい。    〔速記中止〕
  45. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて下さい。委員長から申し添えて置きます。大變朗らかなるニユースを大臣から聽かして頂きましたので、そのことは後で又皆さんの方からお聽き願いたい。  それから外務大臣は衆議院の方のこの種の委員會に御出席の御豫定がありますのですが、實は時間が超過しているくらいであります。最前淺岡委員から御發言もありまして、これに對して外務大臣からの御所見の發表もありましたので、外務大臣に今暫く此處にお殘りを願つて、聊か議事を變更いたすことをお許し願いたいと思う。  それは、本日の會議の豫定事項でありまする引揚促進に關する決議の問題を、この際採り上げたいと思いますから、ご了承願いたいと思います。約五百萬のいわゆる殘つた家族の方々、更には八千萬の殘つている同胞が、未歸還者の方々に對して、一日も早く引揚を願いたいという、これは燃えるがごとき國民的輿望だと思います。この國民的輿論に立脚いたしまして、我が參議院におきまして、衆議院と相提携して引揚促進に閲する決議案を同日に上程したい、而してこの輿論を院議によつて表現したいと思うのであります。この委員會においては、この引揚促進の決議案に對してどういう御意見をお持ちであろうか、勿論その中には關係當局者に封ずる感謝の微衷を十分に盛り込むことは當然でありましようが、これに關しての各位の御所見を承ると共に、又外務當局のこの決議案に對する御意見も、この機會に拜聽することを得るならば幸甚の至りと思うのであります。この問題を議題に掛けます。御意見のある方は御發言を願います。
  46. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 只今委員長からの御提案は、政府といたしましても、無論國民の意向を端的に表明されることでありますから、至極結構と存じます。尚この際關係方面の今日までの努力に對して感謝の意味をも表したいというお考えも、これも至極時宜に適したことと考えます。政府態度としてそれ以上申上げる必要もないと思います。
  47. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 その問題につきましては、決議の上程の日時ですね、こうした問題を、一つ衆議院とも相關聯して同日に行いたいと思うのです。同じ日に行いたいということを、一つ提案したいと思います。
  48. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 淺岡君の御意見、皆さんいかがでありますか。    〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
  49. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 その決議の内容についてお願いがあるのですが、それについて是非私は入れて頂きたいと思うのは、この引揚げを促進して下さいという懇請は、即ち我々が平和國家を建設する熱意と表裏一體であるということを含ませて頂きたいと思うのであります、というのは、平和國家を宣言しましても、本當に平和國家によつて國民の福祉が守れるということを國民に自覺させ、満足させる、これが平和國家建設の要諦だと思うのです。この意味においても、海外の同胞を歸して頂ければ、平和國家に安心してつける。これを植えつけるべきだと思うのです。その意味でこれを文面に含めて頂きたいと思います。
  50. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 この決議案の案件につきまして、その文案につきましては、でき得ることでありますならば、參議院竝に衆議院、まず衆議院衆議院の特別委員會において、委員を出して頂けるようにしまして、でき得れば両院の連合委員會、或いは小委員會、或いは參議院なら參議院のみの小委員會を開いて頂く。その小委員を一つ御決定頂きたいと思うのですが、小委員を設けて頂きたいということを提案したいと思います。
  51. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 淺岡君の御意見御尤もと思いますが、起草委員を數名作るようにいたしましたらいかがでしようか。    〔「贊成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) それはもう即決主義が結構ですから、何名ぐらいにいたしますか。そして希くば體驗あり、又而も豊かな文藻の持主、文章の巧い方も加わつて頂いて、何名か決定しましたら、此處で即座に決定するように取計つたらいかがと思います。
  53. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 今の問題は、委員長にその數竝びに人選をお任せいたしたいと存じます。    〔「贊成します」と呼ぶ者あり〕
  54. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 然らば、そういう動議が成立したようでありますから、私から申上げますが、五名ぐらいで員數はいかがでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) それでは五名といたします。案として提出しますが、淺岡君、北條君、星野君、中平君、木内君、この五名、いかがでございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) それでは決定いたしました。更に參議院衆議院の連絡問題につきましては、委員長において淺岡君の意を體し、各位の御趣旨をよく體しまして、適當に連絡會乃至は委員長とも事前の交渉等をいたしまして、十分成果を擧げるように計畫、したいと思いますから御了承願いたいと思います。  豫定の事項は終了いたしましたので、只今外務大臣は退席されましたけれど、復員聽總裁の國務大臣笹森君が御出席して頂いておりますので、今外務大臣から朗報を承つて非常に委員一同氣持よく、期待を持つて、この問題に勇往邁進したいという熱意がまだ湧いておる際に、復員廳としての御調査になりました實情、お計畫になつておりまするいろいろな具體的の問題について、總裁から御意見を承ることにしたいと存じます。どうぞ御謹聽を願います。
  57. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) 私遅れて參りまして、外務大臣の言葉を聽きませんでしたけれども、大體間接には聽いております。  そこで復員廳といたしましては、この前この委員會の席で説明申上げましたように、私共の今責任を持つておりまする仕事は、できるだけ速かに外地からの引揚げを完了せしむるために、受入れ態勢が十分できておらなければならない、つまり引揚地からの配船のこと、竝びに上陸地におけるところの受入れのいろいろなる施設、これが十分でなければならん、それについては從來約五萬のものを引受けておつたのを、或いは三倍となり、それ以上となつても、引揚げが完了するために必要なる施設があり得るかどうかということが問題であろうと思うのであります。この點に關しましては、現在において復員廳としてはその準備あり、尚又それ以上大きくそういうようなことが實現しまする場合には、これに對處するだけの途も今折角講じておる、でありまするから、今の朗報が具現された場合に、これを支障なく引受けて、そうしてこれを完成するようなことのために少くとも努力中である、可なり抽象的でありまするが、その點を申上げたいと思います。
  58. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 何か大臣に御質問はありませんか。
  59. 中西功

    ○中西功君 ソ聯からの引揚げが遅れた理由は、根本的にはどこにあると見たらよろしいのでせうか。例えば配船がうまくいかなかつたのか、或いはソ聯側のいろいろの事情にあつたのか、その點私はよく知らないのでお聞きしたいと思います。
  60. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) お答えします。こちらの方としては、一切の準備を以つて引揚げの促進をしたいという態度でありまするために、向うの方で決めておる數をよこすということさえ明らかにしてくれれば、實際必要な船の準備をすることでありまするから、こちらにおける配船の不足、或いは引揚げが十分に行われなかつたということの理由には全然なつておりません。向うにおりまする者が歸つて來て、そのことを理由として言つておつたということは、私共は聞いておりますけれども、それはこちらへ歸つて來て見たことじやない、例えば今度來る船の中でも、まだ倍くらい入れ得る船のキヤパシテイがあつても、向うの命令によりて非常に空いた船で歸つて來たというような事實もございまするので、今のお尋ねの點において、こちらの配船の不足ということは全然ないということは明確に申上げ得ると思います。
  61. 中西功

    ○中西功君 それでは、配船の準備はこちらとして十分にやつたわけですね。そのやつたということはソ聯側に通じたわけですか。
  62. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) むしろ向うの方からこれだけの數をよこすということによつて配船ができますわけで、向うから出して呉れまする數に不足な船足を出したことはないのです。もつと詳しく申上げれば、これは御承知置きの通りに、連合軍の最高司令部において、ソ聯側の方で月最低五萬というようなことをお決めになつて、それでそれ以上の人を收容し得るような配船はしてあるのです。御承知のように先だつて來た船も相當空いておるので、何故もつと乘せなかつたかということを、歸つて來た人の口から聞いておるというようなことは、これは事實は事實として聞いております。でありますから、それは今申した通りに二倍なり三倍なりの人が歸ることをソ聯側で明確に指示してくれますならば、私共は適當なそれだけの配船はするというつもりでおります。
  63. 中西功

    ○中西功君 いつかソ聯側の何かの發表で、私はつきりしたことを申上げられませんで失禮ですが、やはり配船の問題がうまく行つていない、それに限度があつて送れないでおるということがあつたと思うのですが、今までそういうことは全然ないわけですね。ソ聯側の聲明で、配船の方がうまく行かないから、一遍に多く歸されないのだというふうなことがあつたのですが…。
  64. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) そういうことはございません。
  65. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 私は今中西委員からお話がございましたが、それに對して先だつてGHQに行きまして、シユナイダー大佐から參考として伺つたときに、やはり中西委員の言われたようなことをシユナイダー大佐に言つたのです。というのは新聞でそういうことを見たものですから、それで配船云々の問題でソ聯から思うように歸れないのだということを、これは押しが太かつたか知りませんが、新聞で拜見したことがありますがということを申しましたら、シユナイダー大佐は、昨年十一月二十一日に連合軍司令官がソ聯當局といろいろ話をした結果、毎月五萬位歸すことにしたのだと言う、それでその時の配船の用意は三十五萬あるのだということを申添えておられました。更に私は、現在においてはどの位配船の用意ができるのですかと、これは甚だ突込んだ話でありまして、或いは分を超えた質問かも知れませんが、もしお許し願えますならば、お答え頂きたいということを申しましたら、大體三十七萬位はいいでしようということを言われておりました。でありますから、結論として、中西委員が言われましたように、配船の問題でソ聯當局においては歸されんと云つていることを、やはり新聞でも見ましたが、その點についてはそれではつきり了解したわけですが、これは御參考までに申上げておきます。  私はこれは國務大臣にお尋ねいたしたいと思ひますと同時に、お願いいたしたいのでございまして、今日厚生大臣がお見えになるということでありましたから、非常に私心待ちにお待ちしでおつたのでございますが、お見えにならんものですから、笹森國務大臣にお願いいたすのでありますけれども、實は御承知と思いますが、この両院におきまして同胞救援議員連盟というものがございまして……
  66. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) ちよつと、發言中ですが、厚生大臣の出席を求めておりましたところ、厚生大臣は今直ぐに出席しますという御答辯を得ました。若しも厚生大臣竝びに復員廳長官お二人にお聞き願う方が有效でありますならば、いま暫く御發言をお延ばしになつたらいかがですか。
  67. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 それでは委員長の御言葉でありますから、厚生大臣が見えられるというならば、それをお待ちして、そうして兩大臣にお尋ねいたしたい、或いはお願いいたしたいと、こう思つております。
  68. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 丁度この機會に、お手許に復員廳から配付しております材料がありますから、その方面の係の方から御説明を願うことにいたしましようか、いかがですか    〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
  69. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) どうぞ。
  70. 山本善雄

    政府委員(山本善雄君) それではこの第二復員局と書いた表について簡單に申します。これは時期はやや遅れておりますが、七月一日現在の海外から歸られた、或いはまだ歸られない者、こういうものの一覽表でございます。それでこの中でソ聯地區と書いてある所に、未復員者の數が區分不詳と書いてございます。これは先程からいろいろ問題になつておりますように、この中におります人は、實際、表に書く程正確に分らなかつたからであります。併しながらその最後の總計のところには今度は分けて書いてありまして、甚だ矛盾した書き振りでありますが、まだ歸つて來ない者が一萬七千百六名、この中でその區分不明の分が八千二百ばかりここに入つておるわけでありますから、この點は甚だ表がおかしな書き振りになつておりますが、御了承を願いたいと思います。  それから第二復員局のものは、御承知の通り舊海軍關係のものでありまして、只今現に歸り得る人で歸つていない所は、ソ連地區とマレー、スマトラの八千十一名、この二つでありまして、その他の百何名とか、八十何名とかこういう少數の數字は戰犯關係者及び商人、これらでございまして、結局直ちに歸り得るものはこの兩地區であります。この點御了承を願います。あとは表を御覽の通りであります。簡單でございますが、ちよつと御説明申上げます。
  71. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 何か御質問ありませんか。
  72. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) それでは不十分かも知れませんので、或いは後で補足して頂くかもしれませんけれども、この横の表の方を御覽願いたいと思います。この前から御質問がありまして、引揚げて參りまする人の健康状態がどうあるだろうか而もその疾病の種類等はどうなつておるだろうかということが、この前の委員會の御質問の一端であつたと思います。それに答えるための資料として此處に持つて來ておる表がこれであります。御覽下さいます通りに、これは引揚者中入院者一覽表ということになつておりまして、これは七月十八日迄の舞鶴上陸の状況であります。左の方にはその引揚げて參りました日のことが書いてありまして、それから各般に依るその月別の上陸した數を竝べております。その數の中で次に入院した患者の數が出ております。その下を御覽なさいますると、約四分五厘、全艦の上陸した者の約四分五厘患者があると御覽下さればよろしいかと思います。そうしてその病氣の種類はそこに書いてありますが、患者の内譯、病氣の内譯がございます。そこで一番目に著きますのは、何としても榮養失調が三割七分、そのほかはこれを御覽の通りなことになつております。結核とか外傷とかいうようにそれぞれのものになつております。最後にその他という雑然たるものがありますが、何と申しましても、この患者の中の特殊なる現象は榮養失調ということになつております。これがソ聯地區における食糧事情がどうあるかということを物語る一つの資料になるのではなかろうかと考えられます。あとは表を御覽下さいますようにお願いいたします。これは大體この前に御説明申上げました内容であります。
  73. 井上なつゑ

    ○井上なつゑ君 ちよつとお伺いいたしたいと思いますが、患者の内譯がございますが、只今大臣からおつしやいました榮養失調のところでありますが、これは昨年の十二月から今年の六月になります程、榮養失調の數が多くなつておるのでありますが、これは結局ソ聯におきます食糧事情が惡うございますから、長くおればおる程榮養失調がひどくなるということでございましようか、その他に理由がございますでしようか。
  74. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) これは數が、大體から申上げますと、今の御質問の通りに二、四、五、六と比べてみて榮養失調の數が多くなつて來ておるように見えます。表で見ると率が段々高くなつておりますですね、それからもう一つ、補足して説明がございますですが、それは向うの方の食糧事情が段々惡くなつておるのであろうかというお尋ねでありますが、又他面においては引揚げて參ります地區に依つて、これ又違う、或る時期にはずつと東の方から來、或る時にはずつと西の方から來、成る時はパイカルの周囲から來るという工合に、引揚げて來ておるその土地々々によつて状況も又違うようですから、はつきり全體的に今お尋ねになつたような意味ばかりでもないんぢやなかろうかとも考えております。
  75. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 ちよつとこの際お尋ねいたしたいのですが、相當朗らかなニユースを承りましたから尚更でありますが、今後引揚げを迎えるところの船の中に、あちらまで迎えに行くというような状態の場合には、早速衣料その他に困る者が、相當落魄たる状態で乘込んで來ると思いますが、そういうことに對しまして、今日までどういうふうな處置をとられておりますか。やはりこちらから衣類か何かでも積んで行つて、差向き著せてやる、そうして船に乘せるときには日本人らしくしてやるというようなお考えはないか。乞食のような状態になつておる者に對してどういう處置をとつておられるでありましようか、その點はどうですか。
  76. 山本善雄

    ○政府委員(山本善雄君) 援護事業は引揚地内においてやつております。
  77. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 迎えに行く場合には…。
  78. 山本善雄

    ○政府委員(山本善雄君) 今まで冬場になりますと南の方は非常に暑く、北の方に參りますと非常に寒い状況でありますので、そういう場合は連合軍の方の指令に依りまして、冬服を積んで行つて、歸るときに著せるというようなことがございました。それからソ聯地區におきましては、北の方におきましては、そういうことは今ありません。これはすべて事情は調べてありますが、すべて連合軍の指令に依つて積込をやるのでありまして、これは指令があれば、いつでもやる用意はしてあります。
  79. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 今現在お困まりになつておりませんのですか。引揚者が落魄たる状態で船に乘込んで來ておりませんか。
  80. 山本善雄

    ○政府委員(山本善雄君) それは今上陸地におきまして全部……。
  81. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 迎える所のウテヂオならウラヂオで着替させるということはないのですか。
  82. 山本善雄

    政府委員(山本善雄君) それはございません。
  83. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 それは持つて行つたらどうかな。
  84. 小林英三

    ○小林英三君 實は今の御質問に關聯しまして、私の長男がソ聯におりまして、つい最近歸つて來たのですが、その状態を聞いて見ると、内地に歸つて來たときに、上陸地で三百圓貰つた。ところがソ聯におりました一年半の間は何らの小遣も、勿論捕虜ですから貰わなくて、ただ手拭一本貰つただけで、あとは労働に服して、おかゆを啜つて來たために非常な榮養失調になつておつた。それは止むを得なかつたのでありますが、内地の舞鶴に上陸いたしましたときに、着物を着替えさして貰つた。これはまあ日本國家でしたことですが、それと共に三百圓貰つた。三百圓受取つて舞鶴の町へ出て、甘いものを喰いたいと思つて、羊羹を買つたら八十圓取られた。三百圓貰つたが闇で高いからその日のうちにみんな使つてしまつた。それはまあ我々みたいに親がしつかりしていて、自分の歸るのを待つておるのだから少しも困らんけれども、その遺族が戰災に遇つたり或いは何らの職もない者は、自分がこういう目に遇つたのであるからさぞ困るだらう。それで伜は兵隊に行きまして七年で歸つて來たのですが、歸りましてから軍隊貯金を二百何十圓か貰つた。結局七年間で二百何十圓と三百圓貰つた。これは我々みたいに親がしつかりしておるならよいが、そうでない人が澤山おる。そんなことを考えると、自分が實際日本の國民として戰争に七年行つて來た。その戰爭の給料は二百五十圓で、歸つて來て内地へ上陸したときに三百圓貰つたが、一日でなくなつた。七年間にそれだけ只働きをして歸つたということになるのであるから、これは思想上において餘程考えなければならんと、私の伜は言つておる。自分達は親がしつかりしておるからいいが、そうでない經濟状態の貧しい者が歸つて來たときは、どんなに困るだらうかということは、今後の思想上において國家は餘程のことを考えなければなるまいということを伜が言つておりましたが、そういう問題につきまして、復員廳なんかはどういう考でおられるかということを承りたい。これは實際に生きた問題です。
  85. 山本善雄

    政府委員(山本善雄君) お答え申上げます。軍人が上陸地に參りますと、戰地における間に貰うべき給與を貰つたか、貰わんかという詳細なる調査を其處でいたしまして、そうして當然貰うべきもので貰わないものは、貰う資格を得るように手續をして貰うわけであります。  それから今御質問の三百圓の金は、これはいわゆる歸郷旅費でございまして、最初は從來陸海軍では旅費規程が決まつておりまして、官等によつて多少違つた給與が決まつておつたのでございますが、これは率は忘れて申し譯ありませんが、昨年の初め頃の改正で、全部一率に三百圓にするということに決められたのであります。我々といたしましては、この物價の騰貴につれまして、三百圓では非常に少いと思いまして、これに對しては非常に努力もしたのでありますが、結局そういうふうな決定になりまして、今それを實施しておるという状況であります。お説の點は我々としましては全然同感でございまして、何か機會でもありましたならば、これらの増額に對しても努力を吝まんのでございますけれども、その決定の經緯からいたしまして、非常に困難じやないかと思います。
  86. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 今の問題ですけれども、内地へ歸還した後に、いろんな退職費その他を引揚者に配分いたしておりますが、相當困難性を持つておるのでありますから、できるなれば國民の温い氣持を現わすために何千人というものを積んで歸る以上は、そういう人たちには大體ウラジオならウラジオまで持つて行つて渡すべきだと思う。その方が樂であり世話がない。内地へ歸つて來てからではばらばらになつてしまつて、今度の引揚者にはやらん、この前の歸還者にはやつたというようなややこしいことをして渡すより大變早い。それであるから相當の物資を集めてある以上、それを早速船に積んで行つて、ウラジオならウラジオまで持つて行つて、國民の温い氣持を直ちに引揚者に一枚づつやるということの方が大變效果もあり、又歸つて來る者に對して、内地ではこういう温い氣持でおるかという國民の温い情がうつるのであります。だから日本へ歸つて來た後において、着物一枚ずつ配つたり、毛布一枚ずつ配るということよりも、迎えに行くときに船に積んで行つてあちらで渡すというのがなんぼいいかも分らないし、又それが本當であると思ひますが、復員聽のお考えはいかがでありますか。
  87. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 最前の小林委員の御質問、今の中平委員の御質問については、關係各省の大臣という立場ばかりでなくて、國務大臣という立場からにおいても、幸いに厚生大臣もお見えになりましたので、兩國務大臣のこれに對する御意見を承るようにしたら適當だと思います。厚生大臣、只今の問題に關しての御所見を御發表願いたいと思います。
  88. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 途中から參りましたので、詳しいことは間違つておるかも分りませんが、小林委員の御質問は海外引揚同胞が内地に著いた時に、僅かに三百圓ぐらいの金を與えて、而も間もなくそういう金がなくなつてしもう、何とかして救いの手を延ばさなければならんという趣旨であつたと思う。中平委員の御質問は、そういうふうにして國家が救濟の手を延ばすというのに、それを内地に著いたその場所においてそういうことをすれば、同じ國家の救援の手が、その内地に上陸したその瞬間において、そういうことになれば、それらの人の氣持も違うし、救援の度も非常に厚くなるから、そういうような方針を探つてはどうか、要するに丁寧深切にやつてはどうかという御趣旨のように思つたのでありますが、引揚同胞の皆様が、小林委員の仰せになりましたように、多年の間海外に出まして、そうして第一線に活躍をして、我が國のために働いた方が、戰に負けたがために、俄かに第二の故郷とまで考えて働いておつた場所を振り捨てて、そうして故國に歸らなければならん、而も歸る時には、持つておつた財産というものは悉くこれを取上げられ、若しくはそこに置いて歸らなければならんということになつて、そうして内地に著いた時に、そういうような悲惨な状況だとすれば誠に濟まんじやないかといふ御意見、御尤もです。でありまするからそういう點については、厚生省といたしましては、引揚者に關しまする救援の手を徹底的に延ばすように、引揚者の援護院という特別の機關を設けまして、そういうような方面に對する皆さんのお氣の毒なことを救濟して、幾分でもそれらの人を慰安しようというような手を差延べておるのでありますが、何分にも御承知のように委くの人が引揚げて參りました。國家には財政に限りがあるということのために、最初の間は一人三千圓というような一時の金を差上げておつたのでありますが、そういうような金は、もうわけもなく、直ちになくなつてしまうじやないかというような輿論に鑑みまして、厚生省は三千圓からこれを五千圃に引上げまして、そうしてそれらの人に幾分でも慰安を與えるという方法を講じたばかりではありません。今日五千圓ぐらいの金がこの物價高の時に何になるという非難に鑑みまして、今度連帶して十人ならば五萬圃、百人ならば五十萬圓の金に依つて、それらの人が厚生資金にそれを活用することができるというような方法を考えまして、そういうことを今第一線のこれら關係官聽に向つて指示いたしまして、成るたけ便宜に、成るたけ簡便に、そういう方の更生の途の拓けるようにせよ、ということを訓示しておるのでありまするが、どうもその海外引揚者諸君が私に面會しての陳情によりますると、そういうことがどうも徹底していない、どうも引揚援護院等に行つて見て、そういうような話もするからして、それじやというて、どういう手續をすればよいかというと、いやああでもない、こうでもないとうまいことを言つて、採り上げて呉れない。それがためにこちらはしびれを切らしてしまつて、もういいわというようなことを言つて救濟のお願いを取り上げてしもうというようなことで、誠に殘念でたまらんという陳情がありますからして、そういうようなことがあつては誠に相濟まんものだということで、私は全國に檄しまして、民生委員、それから教育民生部長というような者を、昨日から本日にかけて、全國の者を本省に招集いたしまして、それらの點について丁寧深切に私の考えを話して、又それらの人の實情について一々これを聽取して、惡いところは徹底的にこれを改めるということを昨日から今日にかけて、今もやつております、そうしてそういうような怨嗟の聲は絶對にあつてはならん、尚それでもまだ只今十分のことができないのであるが故に、こうしたらよからう、ああしたらよからうというよい方策があれば、遠慮なく申出ろ、そうすれば今の豫算の許す限りにおいて、現在の引揚援護に關する費用というものは十何億というものがあるから、それでも尚足りないということであれば、又第二準備金その他の方法に依つて救濟することできるような方法を講じようぢやないか、これからも丁寧深切に諸君なさいよ、それは部長諸君だけでなく、君方の下にある、直接そういう人に接觸する人々が深切でないという態度のために、いろいろ誤解を受けるのだから、そういうことのないようにせよということを私は昨日などは一時間に且つて訓示をいたしました。そうして尚且つよく質問應答等にえており、本日もまだ現に赤十字社において全國のそれらの教育民生部長を集めてやつておりますから、成るだけ御期待に副うようにして、それ等の御同情すべき人に向つては、國としても成るだけ救いの手を伸ばして更生の道を講じよう、尚。それでも足りないという方面に對しては、御承知の通りに生活保護法の規定等も運用いたしまして、できるだけ、それらの人が尖つて、どうも我々が折角海外で働いて歸つて、こういう冷淡な態度をとるとは怪しからんというようなことのないようにせよということに意を用いさせることにしてりおますから、今まで足りないところは一つ私からもお詑びいたしますが、將來はそういうことのないように努力いたしたい、かように考えておる次第であります。
  89. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 最前外務大臣から、非常にお互い同士氣持のよい御報告を受け、只今又厚生大臣から今までにない熱意のこもつた、而も積極的、具體的なる厚生省としての態度を十二分にお示し願いまして委員長といたしまして非常に欣快であり、委員各位もさぞかし御満足のことと思いますが、「異議あり」と呼ぶ者あり)この機會に厚生大臣に又いろいろの御質問や、今お話の中にありましたように具體的な獻策もありと思いますので、皆さんの御質問や御意見等を承ることにいたしたいと思います。
  90. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 大變具體的な、御深切のこもつたお話を承りまして、私も大變喜んでおる一人でありますが、先程申上げた點にはまだ觸れておられないようであります。その方面は固より大切な問題でありますけれども、私の先程申上げたのは引揚者の船に退藏物資、或いは分けて行くことのできる、全國の引揚者に配分し得る毛布とか、ジヤケツとか、ズボンとか、上衣とかいう様々なものは、相當我々が民間で引揚者のところに配分して行きよる、そういうふうに全國的にばら撒かれるところにやるのもよいが、尚それよりも引揚げるところの船に、今度は何百戻るよということが分れば、婦人服は餘計ないかも知れないが、各種の衣料類を積んで迎えたいと私は言うのであります、そういうことをやつたならば、聊かな物であるけれども、國民の温い氣持がどんなに我々を迎えて呉れたかという氣持が反映して、大變國民思想の上おきましても、又今後いかなるところに不備な點がありましても、これがやはり中和されて行く、又國民の感情を一應受け容れると思います。物資がある以上は、その物資を先にそれら引揚者に渡して貰うような方法がつくまいかということでありますが、この點は大臣どうですか。
  91. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) お説御尤もで、私全然あなたの御意見に贊成でありますが、そういう實際方面の仕事は、幸い物資に關係しておる政府の係官が見えておりますから、それから説明いたさせたいと思いますが……。
  92. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 只今大臣より説明員をして答辯させたいと言つておりますが、如何でせうか    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) それでは説明員をして答辯いたさせることを許可いたします。
  94. 三川克巳

    ○説明員(三川克巳君) 現在引揚者に對する物資の配給は、引揚港であります、例えば函館なり、舞鶴なり、こういう上陸地で支給いたしますことが最も確實に渡ります。一旦歸りましてから定著地で支給しますよりも、引揚港で支給いたします方が最も確實でございますので、引揚港で支給することにいたしております。尚引揚港でなくて、出港地まで持つて行つて其處で支給したらどうかというお話でございますけれども、これは連合軍の指令等もございますし、船積等の關係で實際問題としては困難ではないかというふうに考えますので、從來通り上陸地で支給いたしました方が最も確實ではないかと思います。
  95. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 それは可なり行きますか。
  96. 三川克巳

    ○説明員(三川克巳君) やつておりますが…。
  97. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 只今厚生大臣から生業資金のことについて非常に詳細な御説明を承りまして有難うございますが、結局生業資金のいろいろ問題につておりますのは、一つは十億とい總額では、百萬世帶もの引揚者に對して少いというのが根本の問題だつたであります。從つてそれを引揚者團體の方では十五億増して二十五億にして頂きたい、お役所もまあそのくらいはしてやれるだらうというので骨を折つて下さつた結果、結局は六億六千萬圓増したというだけになつております。これが一つの大きな問題だろうと思います。勿論これは先程仰せられました通り三千や五千の金ではなかなか復活はできないのですから、これを纏めそうして大きくして貸して頂く、これは一つの非常に理窟のあることでございますが、元金が大きくなればなる程その總額というものも大きくなるのが本當だと思います。今まだ六億六千萬、次に出ますのが使い切つたわけではございませんが、引揚者としてはそれを餘り小さく切らないで固めて出して頂きたいということ、それを出して頂いて、續いて増額をして頂きたいという要求をしておるのであります。只今も大臣から若しそれで足りなければ、第二餘備金等で工夫するというお言葉を承つて有難く存じておるのでございますが、これは百萬世帶の引揚者に對して十六億というので、生業資金という名前を打つたものとしては餘りに少きに過ぎるということは、どこまでも我々感じられるのでございますが、増額ということに對してもどうぞお力を添えて頂きたいとお願いいたしたいのでございます。
  98. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 穗積委員の御質問御尤もであります。實は外國で働いておつた方が、日本に歸つて一世帶五千圓という金は、昔の五百圓にも足りない、そういう金では、米を一升か二升買えばなくなる、というよう状況では、とても生業資金なんかということによつて満足することはできませんから、それらの點につきましては、今回の追加豫算の方でも大藏省の方とも大分交渉したのですけれど、できるだけは認めてくれたのですけれども、七百億圓の豫算を運營しようとうことで、いろいろな國家の收入を殖やすということでも、あそこにぶつかりここにぶつかつて困つておつたのでございますので、思うだけ取れませんが、御趣旨に副うように何とか、今ここにあります。金は殘つておりますので、そういうようなものを集團的に貸し與えて、そうして生業資金について、十分とは言えないが、活用のできるだけの方法を、それらの關係者と膝を突き合せて丁寧に教えてやる、そうして足りないことについてはこういうふうにしてやる、ああいうふうにしてやるという指導の面に向つても丁寧親切に教えて上げなさい、そういうようなことも昨日から今日にかけて言うて聞かせておりますから、何とか一つ御希望に副うようにいたしたいと思います。
  99. 北條秀一

    ○北條秀一君 私は笹森國務大臣に御質問したいのであります。これは笹森國務大臣が特に今日、日本の道義復興という面におきまして、國務大臣としその部面の政策を擔當されておるというふうに承りますので、特にお伺いしたいのであります。先程復員者の問題について報告がありましたが、外地にあります忠靈塔の問題はどういうふうになつておるか、この點について私はどういうふうに處置されておるかということが聽きたいのであります。私は戰争に負ける前は國民がこれを神様として、或いは精神の中心として崇めておりました忠靈塔というものは、敗戰と同時に、各地におきますところの軍はこれを顧みようとはしなかつた、全く抛擲しておつたのであります。我我は現地におりまして何とかこれの處置をしようと考えましたが、遂に動乱のさ中で處置できなかつたのでありますが、國内に歸りまして、復員廳はいかなる處置をしたか、いかなる交渉を連合軍側としたかという話を聽いたのでありますが、復員廳の方では何ら處置をしていなかつたように、當時の責任者から私は聽いたのであります。かくのごときは今日道義が頽廢した國民の思想というものを考えますときに、昨日までは神様とし、今日はうつちやらかしておいて足で踏みしだく、英靈の遺骨を踏みしだくということでは、國民の精神をいかに復興させようとしても、できないことと思うのであります。從つて外地にあります忠靈塔については、復員廳では相當な交渉をその後行われたかと私は思うのでありますが、現實にどういうような折衝をされ、又今後どういうような處置をされようとしているか、具體的なお示しを願いたい、こう考えるのであります。  それから厚生大臣にお伺いしたいのですが、それは先程厚生大臣は、三千圓の金を差上げているというふうに言われました。先般の本會議においても三千圓を差上げていると言われたのですが、この差上げているということは、決して差上げているのじやなしに、年六分の利子で以て借りているのであつて、差上げていると厚生大臣が言われますので、とかく議員の方に混亂を生じているのであります。いかにも只で貰つているような錯覺を起すのであります。これは大臣としては極めてうまい説明だと思います。皮肉に解釋すると、三千圓やつているのだ、だから相當のことをやつているのじやないかと、或る議員は私に質問して參りました。そういうような事情にありまするので、これは決して貰つているのじやなしに借りているのであります。而もこれを返還することはびしびしとやられております。決して我々としましてはただ單に貰つているのじやありませんから、その點はどうぞ今後は誤解のないようにして頂きたい。先程穗積さんからお話がありましたので私は言葉を重ねませんが、生業資金の問題につきましては、こうした會議の席上で短時間に明らかに申すことはできませんので、別途、質問書で詳細に亙つて厚生大臣の御所見を伺いたい、こういうふうに考えております。數日中に質問書を提出することにいたします。
  100. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) 最初の點、お答え申上げたいと思いますが、國民の道義昂揚に關して、特に戰死者の英靈の記念塔、英靈を祀る忠靈塔に對してどういう取扱い方を復員廳がやつたかというお尋ねに對しましては、これは外地におきまするそれらの仕事は外務省でやつておりますので、復員廳の仕事ではありませんから、取扱い方に復員廳が何をやつたかというお尋ねであると、直接には何もいたし得ない關係にあることを御了承願いたいと思います。併し精神的にこういうものの取扱い方をどうするかということ、今の新日本建設國民運動の面からどう考えるかという點についてならば、お答えし得るかと思いますが、それは申上げますまでもなく從來の忠靈塔の關係は、日本が海外に進出しましたときに、國のために戰つた方々の忠靈を祀るというのが、從來のあり方であつたように思うわけでありますが、今度の戰争の結果、これは國内的に見る場合と、外國から、即ち我々の相手國になつた國から見る場合と非常な見解の相違がありはせんかと思います。この點を一つ私共自身も深く考えなければならんのぢやないかと思います。尚又先程のお言葉でありますけれども、これを神として祀るというお言葉の中に非常に我々が深く検討しなければならない内容がありはしないか、即ち宗教的に取扱うか、或いは又一種の國家のために盡した方に對する記念像として、或いは記念塔として取扱つて行くか、これは非常にむずかしい問題であろうと考えております。從いまして、敵味方として戰つた國が、曾つての敵であり、曾つての味方であつたその境を越えて、その國のために盡した人に對する敬意を表するということが、國際的な通念として、ヨーロツパにおいて無名戰士の墓等に敬意を表するというような態度は、これは國際的通念において當然すべきものじやなかろうかと思う。これを尚敬意を表しないということになれば、敵味方共にこれは聞違つた考え方であろう、こういう意味において國のために戰つた人に對する敬意を表する道は、これは當然忘れてならん一面であろうと考えております。但しこれを宗教的なものとして取扱うならば、これは又別途の取扱い方が關係方面から示されておるのでありまして、これを宗教とはつきり區別する點と、それから國のため功勞のあつた人と考える點と、はつきり選り分けて、そうして今お話の、國のため盡された方々のために我々が尊敬すべきだという面については、飽くまでもこれは尊敬すべきだと思います。但しその形式方法等については、これはどうすべきかということは、自から相手國のいろいろな感情などもありますので、これは賢明に今後處すべきものではなかろうかと考えます。從つて御趣旨にありましたが、國民精神の昂揚の問題について、國のために戰つた方々に對しては、尊敬の念はこれは飽くまで持つべきである、但しこれは侵略戰争を獎勵するという誤解のないようにしなければならんと思います。
  101. 北條秀一

    ○北條秀一君 只今私の申しましたことが、趣旨が不徹底であつたと思いますので、もう少し補足して申上げ、意見を戰わしてみたいのです。それは忠靈塔、これは神として尊敬すべき対象として殘すかどうかという問題でなしに、今までは國民精神の華として、尊敬の的として崇められておつたのを、戰争が濟んだあとは急にこれを全然顧みないで、むしろ逆に遺骨を踏みしだいて、新京のごときは、遺骨はその邊にばらばらとなつて、犬が食おうと人が踏もうと、味噌も糞も一緒になつてしまつたのであります。そういうふうな處置に終つたわけです。こういうふうなやり方は私はいけないと思う。忠靈塔を尊敬するかしないかは別として、手の裏を返したようなやり方、そういう指導方針では困まると思う。そういうことを私は言つた積りです。ですから昨日右といつたのに、今日は急に左になつて、手の裏を返したように遺骨を捨てて顧みないというやり方はいけない。遺骨は當然遺骨として、忠靈塔に祀るか祀らんかは別として、日本人は遺骨を大事にするのでありますから、殘された忠靈塔を壞わすなり、遺骨を別途に埋めるなり、適當な處置をとるべきではないかというのが私共の見解です。それから國際的な問題ですが満洲にも、満洲事變後侵略戰争と列國から烙印を捺されております忠靈塔が多い、こういうところの忠靈塔を向う側に取拂つて貰うと同時に、中に納めてあるところの遺骨は、これを別途に埋没して、そうしてその靈を慰めるというのが正しい處置ではないかというのが、私の見解です。それに對しては、そういうことを日本政府は今日まで考えたかどうか。考えたとすればそれを連合國側に交渉したかどうか、そういう處置をすることを……。こういうことを私はお伺いしたのであります。
  102. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) ちよつと御注意申上げます。只今の大臣の御答辯にもありましたように、その管轄は外務大臣の管轄という御答辯がありましたので、次の適當な機會に、外務大臣に對して御質問になつたらいかがかと思います。それから厚生大臣の御出席を待つて質問した意見ですが、御留保になつておりました淺岡君に發言を許可いたします。
  103. 淺岡信夫

    ○淺岡信夫君 それは他のことではないのでございますが、今日外務大臣から非常な御抱負を伺い、又先刻來厚生大臣から非常に懇ろな御處置をやつておられるということで、この實施がどうなつて行くかということは、今後見守つて行きたいと思いますけれども、私は非常に喜んでおる次第であります。この特別委員會とは不可分の關係に、これは衆議院ともあると思ふのでありますが、昨年來この議會の中に同胞救援議員連盟というものができておりましたが、そうして今尚非常な活躍をいたしておるのであります。例えば今日參議院においてこうした特別委員會を開くという場合におきましては、大體打合せなどを議員連盟においてもお互いが諮るというようなことをやつて來ておる現状であります。これから私申上げたいと思いますことは、一つ委員長のお計らいで速記を止めて頂きたいと思います。
  104. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記を暫く御中止願います。    〔速記中止〕
  105. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 速記して下さい。
  106. 田村文吉

    ○田村文吉君 私は或いはお伺いする場所が適當でないかも知れませんが、丁度厚生大臣がお見えになつておりますから、私考えておりますことを申上げて、御意見を伺いたいのでございます。それは恐らくは日本國民の全部の人が、殊に引揚者のお方、又戰災をお受けになつた方々が何となく割切れない氣持をもつておられますことは、假に私共が個人經濟で非常の災害を受けた、例えば地震のために家が潰れた、或いは火災で家を燒いた、こういう場合は、どんな人でもまずお隣りから炊出しを持つて來て、飯を食わす、どんな貧しい人でも豫算というものは無視して家を建てる、これが當然のことであるのであります。然るに今度の災害がたとい偶然な大きなことであつたとは申しながら、戰災者もいまだに滿足の家に入つていない。況んや最も不幸な目に遭つておられまする引揚者が、數々の苦難と心配をもつて歸つてきて家がない。たまたま親類や何か遠い所を訪ねましても、五日か十日で出なければならん。こういうような非常な惨めな状況にありまするのに、國の財政が許さない、豫算が許さない、こういうことを言つておつていいものであろうか。これが國民の全部が考えておる氣持でないかと思うので參ります。かような場合はとにかく食べるものと住む所をまず與えて、それから政治に移るのが順序であります。然るに財政の都合、萬端の都合ということで、家は一向に建たない、いや資材がない、何がない、こういうことを言うておるということは、非常な災害を國民が受けておるということの認識が、政府の御當局に定りないじやないか、こういうことを考えるのであります。これにつきまして今後の戰災者及び引揚者に對しての、國家の行くべき道について、厚生大臣はどういうふうにお考えになつておられますか、伺いたいと思います。
  107. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 非常災害に際して國民が同胞愛で互いに助け合つ行くというとは、これは我が大和民族の傳統的精神であります。我々がそうなければならんということに一人でも異議を言うものはないのであります。ただ、この戰災のために若しくは引揚者が内地に引揚げたために。これらの人口が住むに家なく、且つ戰災者が現在まだ防空壕の中におる、或いは鐵道のガードの下におるというような者があつて、或いは引揚者が家がなくて、非常に困つておるというようなときに、政府が豫算がないとか、資材がないとかいうようなことのために、これを放擲しておるような實情にあるということは、面白くないじやないか、ということに對する御意見は私も御尤もだと思います。私共の知つておる人で戰災に罹つて、自分がこの戰災地に赴任して家がないために、人の家の間借りをして家族を呼ぶこともできないとうような哀れな人もあるかと思えば、引揚者が住むに家がないために上野の一池の端のテント張りの中に住んで、家の建つのを待つてゐるというような實情を見れば、今田村委員の仰せになりましたように、本當に國家は何らかの考えによつて急に救いの手を伸ばさなければならないというような御質問が出ることは、私はもう當然だと思う。そういう意味におきまして、厚生省もできるだけそういうような方のために住宅を提供したいという意味で、相當な豫算も取りましたけれども、今豫算の數字をよく覺えておりませんから後で申上げますが、取りましたけれども、今申しますように、決して金がないとか何とかでなくて、澤山の人に俄かにそれだけの家を建てて、それらの安住の地を拵えてあげるいうことはできないから、端から端から非常に困つておる人のために家を建てて上げようというようなわけで、相當な豫算を今度は取つておるのでありますが、併し思うように一擧にこれを解決するということはできないような實情にありますが、私は御趣旨においては少しも反對でないのであります。政府としては進んでやらなければならんのでありますから、私も金がないからとか資材かないからとかいうようなことで言を左右にして、それらの人に關心を持たないという態度でないことだけは御了承賜わりまして、一層一つそういうような方面に努力して、一日も速かに、一人でも多くの人を、そういう難儀な境遇から救つてあげるとこういうふうな考えを持つております。今私は特にそういう人の實情を自分が直接見て一層開心を深めたいという意味で、暇があればそういう方面の人々の入り込んでおる場所を觀察しておるというような状況で、私の誠意のあるころだけは一つ御了承賜わりまして、十分に働かして頂きたいと思います。
  108. 田村文吉

    ○田村文吉君 八分通りは私共の氣持が移つて頂いたかと思うのでありますが、いろいろと國の政策としまして、或いは失業保健制度を考えられたり、社會的の施設に對するいろいろのことが考えられておるのでありますが、まあそんなことをなさる前に、何故早く、一日も早く家を建てる、そうして握り飯と住む家を心配してやる。これはもう財政とか或いはそういうこと全く超越して考えなければならない事柄なのでありますのに、それもせにやならんが、これもせにやならんといような考え方でなしに、百尺竿頭一歩を進めて百%、これだけはまず財政、金融ということを超越してやらなければならんというふうにお考えを頂かなければならん問題じやないかと思うのであります。特に十分の御理解を頂いたようでありますが、尚この點は國民全部といたしましても、うかうかとしておりまするが、お互いに火事で燒けた時に、まず隣近所から握り飯を持つて來る、まず燒けて今夜住む家がないから自分の家に入りなさい、或いは又必ず親類に引取つて自分の家に入れるのです。この氣持がどうして日本全部の國民、又は政府の施策に現れて來ないのだろうかと、こういうことを非常に不満に考えております。特に一つ重ねて強調申上げて御一考を煩わす次第であります。
  109. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 厚生省引揚援護院指導課長の星野毅子郎氏が發言されますので、この點委員諸君の御了承を願います。どうぞ……。
  110. 星野毅子郎

    ○説明員(星野毅子郎君) 只今厚生大臣よりお答えいたしました住宅の問題でありますが、住宅の問題は一般に戰災復興院において所管をいたしておるのでありまして、ただ厚生省におきましては、引揚民の方々が目前ともかく落著く場所がないということで、非常にその日の生活に困るという緊急差し措き難い状況にありますので、これは一般の住宅政策がよく行かないというのでそのまま放つておくわけには參らないものでございます。そこで實は十分な施設はないのでありますが、大きな元の兵舎でありますとか、大きなその他の建物等を修理いたしまして、そうして間敷きをいたしますとかいうようなことで、ともかく應急に居住する施設を致すことに努力いたして參つております。で、豫算におきましては、昨年度においては二億六千萬圓の施設費に依りまして、十四萬五千人の收容をいたしました。本年度においては一般的に全國に亘りまして、二萬五千人ばかりの收容をやつております外に、北海道に最近樺太から引揚げて來られまして、差當り落著き先のないお方々のために、主として北海道、一部東北におきましても、一億圓の豫算を以ちまして、三萬人を收容する應急住宅を提供するということを實施中であります。これは一般の住宅不足から申しますと、ほんの僅かなものと思いますが、多少なりとも應急の住宅緩和に資したいということで努力をいたしております。
  111. 中西功

    ○中西功君 さつき厚生大臣のお話の中で、民生委員或いは民生部長のお話が出たのですが、民生委員についてちよつと……、あれはたしか公選になつて出ておる筈だつたわけですが、實際の實情は殆ど公選になつていないようであります、それでまあ地方のボス的な性格が非常にあつて、そのために生活保護法の適用なんか非常に不公平に行われておるということは實例が澤山あるのでありますが、その點あの公選させるということをはつきりさして頂きたい。そう思う點が一つなんです。  もう一つは、さつき住宅のお話が出ましたが、大邸宅の開放ということが前から叫ばれておる。ところが實際において大邸宅の開放というようなものは殆ど行われていない。現にまだ澤山あるのです。とにかくこの引揚者の住居の問題は應急の措置を必要とするので、今から建てるというようなことでは間に合いませんし、又これを修理するにいたしましても、非常に時間がかかるのでありまして、大邸宅の開放ということをもつと徹底的にやらなければ、本當に東京の驛の地下道で何日も暮して病氣になつて行くというような人が段々殖えて行くわけであります。その點大邸宅の解放を徹底的にやつて頂きたいと存ずるのであります。
  112. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 民生委員若しくは教育民生部長とか、こういうようなもの、民生委員の選任に關しましての問題でありますが、これは成る程まだ元の委員がそのままになつておるようでありますが、いずれこれは地方制度の改革と互いに順應いたしまして、今あなたの仰せになるような方法に出なければならん運命にあるのでありますが、これは地方でいろいろの條件を具備したる者から推薦をして、それを任命するというような方式にやるというように伺つておるのでありますが、まだ實施していないようであります。こういう點につきましても、昨日民生部長あたりにもよく訓示して置きまして、適當な立派な人をやらないと、地方においてとかく問題の出易い人を、こういう公的の仕事に携わらしめるということによつて、却つて結果がよくないかというようなことを言つて置きました。でそういうことも教育民生部長がよく了承しておりますから、いずれは近き將來に實現することであろうと思います。そうなりますれば、民生委員に對しまする非難も幾分は緩和されると思います。さよう御了承願います。  それから大邸宅の解放でありまするが、これはそういうような方針に向つて成るだけ住宅緩和に努力するという方針は取つておるわけでありまするが、なかなかこれが思うように參りませんので、一層一つそういうことに向つて手を伸ばそう、こういうような考えを持つております。要はただ住宅難というものを緩和するということが目的でありまするので、大邸宅の解放ということのできることも結構でありますが、これに對しまして、御承知の通りいろいろな相赳摩擦が起りまして、或いは訴訟まで起して、出て行け、出て行かぬというような問題等も今起つておるようなこともありまするが、併しながら先刻どなたか仰せになりましたように、互いに哀れなる者が助け合うというようなことでなければいかんじやないかというようなことは、國民すべて一擧一動、毎日の仕事の上においてもそういうことが實際に現れるということが一番正しいやり方でありますが、成るたけそういう方針で進みましよう。それより一番大事なことは、國家が豫算を取つて、立派な家でなくても、極く小さな家でも、これは自分の家だとして、足を伸ばして寝ることのできるような家を建ててやることの方が、他人の家に厄介になるよりもというような氣持も多分あると思いますかつ、兩々相俟つて、そういうような住宅難を緩和するという方針で進みましよう。さよう御了承を願います。
  113. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 先程厚生大臣から引揚者に對して詳細な御説明を頂きましたが、これから歸つて來るのは、引揚者というよりも實際は復員者という者が多いわけなんですが、復員者と引揚者の待遇が、從來相當どうも違つた點があつたようです。これから歸つて來る者は、終戰後長い間外地で苦勞して、體がまいつておるという特殊な復員者になると思うのです。これに對して從來の復員者とは違つた特別な援護方針を持つていられるか、或いは引揚者なみに援護される方針か、このところを伺いたいと思います。
  114. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 今特別に復員者と引揚者の差別的待遇をするというようなことについて、どういうことにしたらよいかということは實は考えたことはありませんが、何かそれについて特別の待遇を今後の復員者にしなければならないという事情がありますれば、一つお聽かせ頂ければ、成る程星野委員の言うことは考慮しなければならんということで、御同意を申上げることができれば考えて見たいと思いますので、遠慮なく一つお話を願いたい。
  115. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 今までの復員者と違つて、これからの復員者は家のある者もあるわけですが、長い間國から離れていたという點で家の構成が非常に困難であります。それから身體的に非常にまいつておる。大抵の者は數ケ月は休息しなければならん、こういう状態であるために、終戰直後の復員者より餘程援護を要するのじやないかと、こう考えます。
  116. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) それは特別に、今度の復員者と前の復員者と違つてどうということは今考えておりませんが、結局それらの人々の個々別々の實情に即しまして、結局のところ、例の生業資金についての面とか、或いはその他の救助の點について、人により、境遇により、その待遇を異にするというようなことは、個々に別々の人に具體的に感じてしなければならんのであつて、抽象的に、今これにはこうだ、あれにはどうだということの考えを持つておりません。つまり生活保護法等の規定が、結局その人の融通によるとか、或いはどうしても職業補導等の面に副うて仕事ができない、或いは身體の具合によつてどこまでも生業に就くことかがきないで、失業の状態が長く續くというようなことによつて、若し國家の救いの手がその個々別別の仕事に即應したようなふうに變ると同じようなことでありまして、特に今後の復員者であるが故に、この前の人とは違うというふうには只今のところ考えておりません。
  117. 井上なつゑ

    ○井上なつゑ君 只今田村委員からおつしやいましたことでありますが、引揚者の食事のことでございます。引揚者の方は、歸つて參りましてから、どういうように援護局の方で食物が配給されるのでございましようか、實はこの間も舞鶴でございますが、國立病院に榮養失調で入院いたしましたときに、たまたまその病院に米がなくなつたのでございますがそれとも配給券を貰つてなかつたというのでございましようか、お粥に炊くお米もなかつたというような話をしておられた方がございましたが、この配給の問題はどうなんでございましようか、一定のところへ落著くまでの期間は外食券でも頂いて落著くというのでありますか、よく分りませんので、お教へ頂きますれば幸いと思います。
  118. 笹森順造

    ○國務大臣(笹森順造君) 全般的なことのお答えにはならんかと思いますが、今御指摘になりました舞鶴の引揚者の食物の問題が、東京におつたときにも話になり、私關西で他の縣においても同様な問題を質問されましたので、現地に行つて聽いて見たら、現在舞鶴においては十分に食物を與えてある、そこで特にそこへ來た人のために食物が不定しておるということがないということをはつきり申しておりました。そうして尚又其處では、京都府における遅配、缺配等があるに拘わらず、病院には十分なる途を講じて、これから先もまだもう二週間くらいの餘裕を現在でも持つておる、普通の家庭よりはむしろよい状況にある事實を確かめて參りました。つまり引揚時に榮養失調で歸つて來た人に對する食物は、十分に供給しておる事實を確かめて參りました。私他の地方のことは存じませんが、その問題はこの前にも話題に出ましたから、私の見て來た事實をお話申上げて置きます。一般的のことは關係の他の方から御説明があると思います。
  119. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 只今厚生大臣から、近頃歸つて來る人と前の人との間に、個々の問題については考えるけれども、それは今全般としては、そういう新たに歸つて來る者はどうというようには考えていない、こういうようなお話でございますが、併し先程星野さんの言はれたように、後まで殘つた人は非常に向うでも苦勞をしております。こちらの家族も非常に苦勞をしておりますし、それから歸つて參りましても、就職というようなことについては、殆どもう前に歸つた人でもなかなか職にありつけないような状況でありますから、近く歸つて來る人は、そういう方面に對して非常に望みがないだろうと思います。その上に一つ變な例でございますが、例えば引揚者の免税というものは、どういうわけですか、戰災者の規定を準用して、結局昭和二十一年八月十五日までは免税で、それ以後は免税の恩典がないというようなことになつております。これはどういうわけのものか知りませんが、併しそうすると、近頃の人はあのシベリヤ等、方々で苦勞しておりながら、免税の恩典に預つていない、こういうことなんですが、これはそういう例があるというだけの話であります。近頃遅く歸つて來る人というものは、引揚者復員者の中でも、尚非常に苦難の状況にあるのであります。從つてこれに對して特別に、ただ個人々々というのでなく、全設的に何とか考えてやつて頂さたい。こういう考を持つております。どうぞよろしくお願いいたします。
  120. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 私のお答え申上げたのは、同じ復員者もしくは引揚者等によつて、時期が違う爲に待遇を異にするか、これは何か特別の考慮を拂わなければならんかという星野君の御質問であつたようでありますから、今のところでは別に特にさういうような差別待遇をするということは考えていないが、しかしもしそれを差別待遇をしなければならんというような特別の事情があれば、事實はよく分らないから星野君一つ教えて呉れ給え。それが尤もだと思うことであれば僕は考慮しようという答辯をいたしたのでありますが、今あなたのお示しのような御意見に對しましても、ただ後で歸つたから非常に苦難の状況にあるということと、歸つて來てから就職が非常に困難であるということだけでは、現在の法制の上では別に區別を設けておりませんが、就職のできないというような點につきましては、これは職業の補導所とか或いは職業安定所というような方面に向つて、なるだけそういう方の便宜を圖つて就職のできるようにし、就職ができなければ、今度勞働省の法案として御協贊を得ることになつておりまする、例えば失業補償とか、或いは失業保險だというような方面でも手を差し延ばして行くというようなことだけは今考えてやつておりますが、只今どうということはちよつと今別に區別を設けていないということを申上げたのであります。併しそれについてはこういうことがいいだろうという御希望がありますれば、教えて頂けば喜んでそういうことを拜承して、實施面に移したいと、かような考えを持つておるのであります。
  121. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 殊に歸つて來た當座が又非常な苦しみであらうと、こう思うのであります。この點については何とか特別の御配慮が願いたいと思うのであります。
  122. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 貨幣價値の下落の問題であるとか、もつと各方面から……厚生大臣からは、具體的にそういう必要性があるということが確認されれば、大いに國家として考える、というような御意見が出ておるのですから、そうだということの納得の行けるような、いろいろな具體的の資料を集めて御意見をお出しになつたらいかがですか。
  123. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 今の失業竝に就職の問題でありますが、今度情報を承りますと早く歸られるようでありますけれども、大部分は復員者であつて、農村に復歸されるものと思つておりますが、併しながら何といいましても、職業補導についてはまだ急速に今日まで緩和されていない上に、又歸られるのでありますから、職業補導が非常に大事なであります。それで厚生大臣にお伺いしたいのでありますが、この授産所というものは、或る人から言うと、輕視しておる人があるようでありますけれども、私は二十五年もいろいろ社會施設をやつておるために、今日まで三つ四つやつておる授産所でまだ失敗したのはありません。今日でも二百四五十人の人に仕事をさして、失業者を入れておりますが、外地引揚者も大分入つております。とにかくこういう授産所が、今の五千圓という問題は、一人にしますと五千圓でありますけれども、これは十人にすれば五萬圓、百人にすれば五十萬圓になりますから、そういう金を職業補導へ渡すということは、ややもするとブローカーに陷る虞れがあつて、これは例の闇物資の賣買というようなことにもなり易くていかん。それで正常の職業に就かねばならんところのその資金が、むしろインフレ助長の方へ、政府の企圖せざる方面に向つてこれが發展するということはいかにも殘念なことであると思うのであります。だからして私は指導に當つては、十分積極的に職業指導をなさねばならん、金をやりさえしたらいいというお考えでおられることもあるまいけれども、金をやつただけで抛り放しでは却つて惡用される虞れがあると思います。これはやはり授産施設というようなふうに十分組織を持たして、生産方面に具體的の案を持つものに向つて、十分御檢討の上で、出されることが本當であると思つております。多分そうなつておるだろうと思いますが、なつておるつもりでお出しになつて、出して後の金はどういうふうに使つておるか、お調べになつたことがない、こういう状態でなかろうかと思うのであります。それでいつの間にやら十萬圓の金が一つの商事會社になつて、闇ブローカーのものになるというようなことになつておる、買う時にはある一定の目的があつた、その目的は實行していない、こういうようなことが大分世の中にあると思つております。それで授産施設というような問題に對しましては、政府の方も相當助成されるお考でありますか。二十二年度におきましても相當の豫算を持つておられるのでありましようか。もうないということも聞いておるのです
  124. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 三川庶務課長が發言を求めておりますから許可したいと思います。御承認願います。    〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
  125. 三川克巳

    ○説明員(三川克巳君) 前の問題でございますが、引揚が遅延するに伴い、非常に悲惨な状況になるからして、今後の引揚者に對しましては、從來の引揚者よりも十分手厚い保護をしなければならんじやないかという御意見でありますが、これに對しまして具體的に考えております點は、應急援護の話と、應急診療の點でございます。應急援護の話に關しましては、上陸港におきまして、從來よりも被服の支給等を十分手厚くしてやりたいということを考えております。それから病人等に對する應急診療に關しましては、從來よりも十分一つ手を盡しまして、遺憾のないようにいたしたいと思つております。尚その他の定著地に歸りましてからの援護に關しましては、個々人の實情に應じまして援護するわけでございまして、引揚時期によりましては、援護に厚薄を分つことは困難ではないかというふうに考えております。御了承を願います。
  126. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 失業者若しくは引揚げて來た方に對しての生業資金というものの出し方についての御意見でありますが、實はこれは私もあなたも同じ考えを持つておりまして、よく私の所に、ブローカーでもありますまいが、それらの大勢の人を代表して、生業資金の一時連帶的の貸出しをよく要求して參ります。これはブローカーでもありますまいがこの人の手によつてもしこれが本當に生産という方面に有效適切に使われれば結構であるが、若しこれが誤つて他の方面に惡用されるというようなことになると、折角の生業資金というものを無にするということになつては相濟まんというので、實は誠にその人に對しては濟まんけれども、十分に調査研究をして、これならば間違いないということを見定めなければ、成るたけその人の口車と言うと語弊がありますが、口車に乘つておいそれと直ぐ出すという方針を取らんつもりであります。それですから、厚生大臣は少し窮屈なという疑いもあるかも知れませんけれども、併し要心の國亡びずでありまして、成るだけそういう方針で、ブローカーによつてそういうような貴重の資金の渡らないように注意しております。  それから職業補導ということは、私は本當に、これらの失業層をただ國家が金を出して養つてやるということだけでは駄目だし、早く生業に就いて、獨立して國家の手から離れて、更生の途を圖るということについては、一段と腕を磨いて、これで一生涯を立てるというような考えを持たせなければならんということで、特に力を用いております。皆それぞれ、外地において相當の仕事をしておつたのでありましようから、それらの仕事々々をよく檢討いたしまして、それらの人の元やつておつた仕事に適應するような仕事を與えるために、適當な授産所に入れて仕事をやつて、早く生業の途に就くことのできるという方針に進むべく今指導いたしておりまするから、今まで厚生省のやり方について、この點がどうだ、ああだというようなことでもありますれば、一つ御遠慮なく話されれば、成るたけ皆さんの御意思に副うて有效適切の指導をやりたい、そうして一日も速かに更生の途に勵ませたい、かように考えておる次第でございます。
  127. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 昨年は授産施設に對して相當な補助が二億か三億か、いろいろな施設に對してありましたのですが、豫算としてはそうでありませんけれども、その他の施設に對して、生活保護法からでもありましたか、本年はないということを聞いておりますが、昨年の殘りから出されるということで、今年はないということを聞いておりますが、授産施設に對する補助がないのですか。去年は二億なんぼであります。
  128. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 授産所の豫算でございますが、實はこれは御承知の通り、勞働省が皆様の御協贊を得まして近い内に發足することになつております。その方面にこれが移ることになつております。今勞働省と大蔵省の方面におきまして、そういう樽爼折衝を重ねておりますので、私の方から十分その點の關心を持つておりませんから、誠にその點は……。併しそのことを取調べまして次の機會にお答えすることにいたします。今まで現在は私の所管ですから……。
  129. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 今の問題ですが、それは職業という方面は勞働省の方に移つて行くことになろうと思いますけれども、貧困者の救濟というような問題、或いは本當に歸還者の仕事のないという救濟を意味するところの授産施設厚生省じやないかと私は思いますが……。
  130. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 失業救濟の方の豫算はございます。取つております。相當にあります。
  131. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) お諮りいたします。この本委員會の運營について、更に請願や陳情書等についての委員會としての處置をいかにすべきか、態度をいかにすべきかという問題についてもお諮りしたい豫定でありますから、いかがでしよう、厚生大臣復員聽總裁も國務御多端でありますから、一應この邊で兩大臣に對する質疑は打切つて、そして豫定の問題を終りたいと思いますがいかがでございましようか、お諮りいたします。
  132. 北條秀一

    ○北條秀一君 一つ私質問をさして頂きたいと思います。それは先程、一松厚生大臣は、引揚者等に對する特別の援助を考えるかという質問に對して、特別なることを考えないが、歸つて來た失業者に對しては、失業保險等の處置を考えるつもりだということを言われました。そういうふうに私は聞きましたが、失業保險はそうした意味であります。未就業者の失業者に對しては、即ち復員して何處にも就業しないで、初めから失業しておる、こういうふうな失業者に對しては、失業保險というのは全然適用を受けないというふうに考えます。從つていかにも失業保險が復員者に對して適用されるようなお言葉でございましたが、先程私は一松厚生大臣に御注意申上げたのでありますが、とかく厚生大臣の御發言はどうも我々錯覚を起すような御發言も多いので、今の失業保險の點、はつきりとお考えを申述べて頂きたいと思います。
  133. 一松定吉

    ○國務大臣(一松定吉君) 今では失業保險制度はまだ法律にもなつておりません。今すぐに失業保險ということはできませんで、又これが實施されましても、失業というのは就職しておつた者が或る何かの機會によつて失業した、そうして而も失業保險は御承知の通り掛金をして、そうしてその掛金をした後において、或る期間經過した後においてその保險の給與を受けるということになりますから、歸還して直ちに失業保険の適用を受けんということは言うまでもありませんが、然らばその期間、これらの業務のない人はどうすれば國家は救うことができるかということは、それがいわゆる失業保險という制度を設けようということに、今勞働省の方で起案をしておるそうであります。そういうことを實は私は申したのであります。さよう御承知を願います。  先刻あなたの三千圓差上げて云々ということは、差上げたということは贈與した意味でなかつたことはあなたの仰せの通りである。私が貸付けたらと言つたらよいのを、ただ氣持を損うから……。無償譲與でないということは、あなたと同じ考えである。そこは惡からず御了承願います。
  134. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 兩大臣とも非常に懇切丁寧に御答辯願いまして大變有難うごさいました。どうぞお引取を願います。  それならば議題を改めまして、我が委員會は請願書、陳情書についてどういうような態度を以て臨むか、その態度竝びに各位のこれに對する御所見等も承りたいと思います。この請願書は、「在外同胞引揚促進及び引揚者の援護更生に関する請願」北條秀一君。「ソ連軍管下の未復員軍人歸還促進に關する請願、」寺尾豊君。「舊滿鐵社員の會社に對する諸請求權に關する應急措置等に關する請願、」北係秀一君。この三件が我が委員會の主管の中に入ると思いますが、陳情書は「ビルマ殘留同胞引揚促進に關する陳情」外十六件を只令受理しておる次第であります。以上の問題についての各位の御所見を承りたいと思います。もう既に御承知かと思いますが、請願國會議員紹介を要しますけれども、陳情書にはこれを要しないのでありまして、その點だけの差異であつて、この取扱いは大體同じようにすべきだという見解のようでございます。御參考までに申し添えておきます。
  135. 北條秀一

    ○北條秀一君 委員會に付託された請願及び陳情は、今讀み上げられましたのは僅かでありますが、公報によりますと、更に次々に請願書、陳情書が出されておるように思います。從いまして、現在まで委員付託になりましたものは、勿論十分内容を知つておるわけでありますが、紹介議員でなく、然るべき適當な方に、早い中にどんどん御覽を願うて、そうしてよく理解して頂いて、適當な機會、即ち次の本特別委員會にその問題を報告して頂いて討議して見る、そうしてその議事を早急にして行くというふうにとらるべきかと私は考えます。お諮り願いたいと思います。
  136. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 北條委員の御發言に對して各委員の方々の御意見を承りたいと思います。
  137. 中西功

    ○中西功君 贊成
  138. 田村文吉

    ○田村文吉君 小委員をお作りになるという御意見ですか。
  139. 北條秀一

    ○北條秀一君 私の申しましたのは、やがて問題が非常に複雑になつて參りますと、小委員をお作りになると考えますが、現在のところは付託された議案が少いから、それで成るべく廣汎な知識を各特別委員の皆さんが持たれるために、受付けた順にどんどん渡して頂いた方が能率的でないかと考えます。そうして或る程度溜まつた時には、當然分離をして小委員會を作らなければならんような情勢になるかと思いますが、現在のところ、そこまで行かんのでありますから、能率的にどんどん處理して、豫備的に特定の人が審査して行くというふうに行つたらどうか、こういうふうに私は考えます。
  140. 田村文吉

    ○田村文吉君 委員長からでも御指名願つた方々から御審査を願つて進めて頂く、こういうのですね。
  141. 北條秀一

    ○北條秀一君 但し陳情の際は、請願書は各議員紹介しておりますですから、紹介議員はよく内容を知つておりますですから、紹介議員でない方に見て頂いて、紹介した議員とよく御相談願つて、そうして次の機會において此處で御報告願う、或いはその報告に次いで更に討議をするというようにして貰いたい。
  142. 田村文吉

    ○田村文吉君 北條君の御提議に贊成します。
  143. 小林英三

    ○小林英三君 今の請願や、それから陳情の取扱いについては、參議院は各派交渉會ではつきり決まりましたか。
  144. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 各派交渉會で決定的な意見はまだ見出していないようでございますが、各委員會においてはこの取扱いについて、例えば文教委員會にも私關係しておりますが、非常に愼重な態度で、民の聲をこの國會に反映して行くことこそ眞の民主主義の政治であるからというので、委員全體がこれに對して非常に熱意を以て臨もうじやないかというような態度で決定せられておりました。いずれ交渉委員會の結論を得ましたら、又この委員會にも報告したいと思います。
  145. 小林英三

    ○小林英三君 衆議院の方では、三四日前に各派交渉會で、請願書或いは陳情書も取扱う、それからその請願書を出した提出者に對する返答だとかいうようなことを、細かく決めたようでありますが、まだ參議院では決まりませんか。
  146. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) まだ報告に接しません。大體いかがでしよう。この請願、陳情というのは正に民の衷情の現れでありますから、本委員會におきましても、敬虔な態度と熱意を以てこれを處置して、そうしてそれぞれ議を經まして、議長にその付託に應えるというようなふうにいたしたいと思いますが、御贊成願えましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) では、その問題はそれだけにいたしまして、本委員の運營について、只今まで打合會、本委員會等をやつて參りました經験を顧みて、更に最も有意義な運營の方法等がありましたならば、腹藏なき御所見を承つて、そうしてその御所見をこの委員會の總意といたしまして、その線に沿うて十二分の效果を擧げたいと思うのであります。各委員各位の御發言を希望する次第であります。
  148. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 最近、この議會の會期中にでも、ソ聯の方から歸つて來るというのがあるならば、その上陸地あたりに、私は引揚委員會の方から行つて、派遣員を出して、その實情を見る必要があると思うのでありますが、この點委員長、お考え向きはございませんか。
  149. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 委員長より意見を述べるよりも皆さんいかがでしようか、只今の御發言に對して……。    〔「贊成でございます」、「異議なし」と呼ぶ者あり)
  150. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 それは、私、私人として去る三月舞鶴を見學いたしましたが、その結果から見ても是非皆さん行つて頂きたいと思います。
  151. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) この問題は全委員一致の御意見のようでありますから、委員長といたしましても是非實行したいと思いますので、それぞれこれは法規もありますから、その法規に從つて關係各方面とよく連絡をいたしまして、その成案を得ましたならば、改めてこの委員會に諮りたいと思います。暫くの間、時を籍して頂きたいと思います。
  152. 田村文吉

    ○田村文吉君 それは一日もお早い方がよろしい。これは本當にそれを見て實情を知るということ以外に、これくらい關心を持つているということが、大變政治的に大きい。
  153. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) それは一昨日も全會一致で、いわゆる魚類の集荷配給の實情を調査するために、北海道、九州等に向けて、私たちは院議でもつて派遣したわけでありますが、ああいうように豫め何月何日何名の議員を派遣するというような方式の下に、これは承認を求めるわけには行かんと思うのであります。何となれば、歸還する船が、引揚げの船がそれぞれの港に著くのが、風速その他の關係で豫測できないような場合がありますので、こういう問題について、どういう方式の下に豫め承認を得て置くかその必要があるか、これも早速研究いたしまして、皆様の御意向に副うようにいたしたいと思います。
  154. 北條秀一

    ○北條秀一君 運營について若干の意見を申したいと思います。本日厚生大臣の御意見が多々發表されたのでありますが、私共の知る限りにおきましては、厚生大臣の答辯は實情と相當掛け離れておると思います。それはこちらでそれだけの準備をしていなかつたから、そういう結果になつたと思いますが、從つてこれからのこの運營につきましては、委員長、各理事の方が居られますから、こういう方が中心となつて、この委員會を開く前に、どういう質問をする、どういう問題についてするという皆様の御希望を集めて、政府の方にも組織的に答辯のできる、又答辯できるだけの資料を持つて來させるように、我々お互いに努力すべきだと思います。從つて委員會の前に皆様からどういう質問、どういうあれだという大體のメモを書いて頂きまして、それを集計したやつを政府に豫め通告してそれに應ずる適確な資料を持つて來させて置いて、こちらもできるだけの資料を持つて來て、そうして建設的に進んで行きたいと思います。
  155. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 北條君の御意見はいかがです。
  156. 小林英三

    ○小林英三君 結構ですが、それのみによつてやるということはできないと思います。
  157. 中平常太郎

    ○中平常太郎君 それのみによつては、質問應答の中にできてくる問題の處理ができない。
  158. 穗積眞六郎

    ○穗積眞六郎君 それも取入れるという程度にやつて行きたいと思います。
  159. 矢野酉雄

    ○委員長(矢野酉雄君) 北條君の御提案は、小林君、中平君の御意見と同一趣旨の下での御發議だと思いますから、皆様の御承認を得ることと思います。  それから更に委員長として各委員の各位にお願いする次第でありますが、我々は八千萬の國民をこの部屋に集つて頂いて、實は質問或いは建設的の所信を政府當局に向つて提供しているというのであります。殊に血の繋がつている同じ境遇の者が委員の中に多數おられます。意見を單に述べるばかりでなくて、政府をして決意を促がし、その實錢に至らしめるような私たちは主張をしたいと思います。そういう點から本日の委員會の様子を見まして、希くば御發言等の場合には、是非起立をして、當局に向つて本當に食い入つて行くというような、烈々たる氣合を一面持つと共に、一面非常に春風駘蕩たる中に意見を吐露するというような、そういう運營の方法も私たち考える必要がないかと、本日の會合を見て考えた次第であります。殊に酷暑さなかでありますから、一層委員各位の精勵を希望して止みません。殊に最前淺岡君の御質問や御意見のごとき、同胞救援議員連盟の場合に、或る責任ある人が、厚生省に向つてその費用を大いに捻出するように交渉するというような御發議もあつて、既に一ケ月も經過しているのに、本日の厚生大臣の答辯を見ますというと、何らこれについて交渉のなかつたということをはつきり皆様御承認を得たと思います。そういう意味において、本日の淺岡委員の建設的の御意見なんか直ちに效果を現わすと思いますから、私たちは一層委員同士結束を固くしまして、是昨本委員會の設定せられました目的を完遂するために勇往邁進したいと思います。酷暑の中、長い間熱心に御討議を願いまして、委員長といたしまして、厚く御禮を申上げる次第であります。本日はこれを以て閉會をいたします。誠に有難うございました。    午後四時十一分散會  出席者は左の通り。    委員長     矢野 酉雄君            淺岡 信夫君    理事            北條 秀一君            星野 芳樹君    委員            中平常太郎君            草葉 隆圓君            小林 英三君            井上なつゑ君            田村 文吉君            藤野 繁雄君            穗積眞六郎君            中西  功君            千田  正君   國務大臣    外 務 大 臣 芦田  均君    厚 生 大 臣 一松 定吉君    國 務 大 臣 笹森 順造君   政府委員    復員事務官    (第一復員局總    務部長)    荒尾 興功君    復員事務官    (第二復員局總    務部長)    山本 善雄君    外務事務官    (管理局長)  大野 勝巳君    外務事務官    (總務局勤務) 與謝野 秀君   説明員    引揚援護院庶務    課長      三川 克巳君    引揚援護院指導    課長      星野毅子郎君