したがいまして、被疑者の身柄の拘束につきましては、旧行政協定のもとでは、当初、米軍人等は、公務中と否とを問わず、日本側に拘束された場合も含め全面的に米側に身柄をゆだねていることになっていたのですが、現行のNATO協定並みに改められたのが今日まで来ているということでございます。
当時の外務省は何でもかんでも行政協定を改めて、NATO協定並みにという方針をとられた。そしてNATO協定と同じ条件になりましたから、決して日本も従属的な屈辱的な立場をとっているのではありませんということに、全力をあげて説明を集中されたわけです。ところがNATO協定並みと言いながら、実はヨーロッパ諸国における条件と日本における条件との差をのがしてしまった。
御自分の方が見落として——見落としてというのが言い過ぎであれば、他の部分をNATO協定並みにしたいばかりに、その部分で譲歩なすったのですから、その譲歩の部分に対する国民に対する援助というものは、金持ちであろうと貧乏人であろうと、大会社であろうと小会社であろうと、当然行なわなければならないはずだと思うのです。ところがこの三を見ると分けてあるわけです。こういうやり方はおかしくないですか。
○井上清一君 ただいま調達庁長官の御説明は大体わかりましたが、この(g)項を改正いたしましたことは、まずNATO協定並みにした、こういう理由でございます。
この表はただいまの行政協定十七条がNATO協定並みに改正されました昭和二十八年十月二十九日から三十四年十二月三十一日までの間の、合衆国軍隊構成員軍属及びそれらの家族による犯罪事件の検察庁における受理及び処理の概況でございますが、受理状況を見ますると総数は三万八千八百七十五名でございまして、これを刑法犯と特別法犯に分けてみますと、刑法犯が二万四百九十三名、特別法犯が一万八千三百八十二名でございます。