1980-10-16 第93回国会 参議院 商工委員会 第1号
まず冒頭、この調査目的が、関連系列工場、つまりこの場合杉本伸線などでありますが、それが韓国進出のための調査をいま行ったということを述べた上で、たとえば馬山輸出自由地域への進出のメリットとして何を挙げているか。「労働ノ供給不足ハ考エラレズ、需給ノ Unbalance ニヨル労働賃銀ノ急騰ハ Neglect シテモヨイ。」「Neg−lect」——無視していい。
まず冒頭、この調査目的が、関連系列工場、つまりこの場合杉本伸線などでありますが、それが韓国進出のための調査をいま行ったということを述べた上で、たとえば馬山輸出自由地域への進出のメリットとして何を挙げているか。「労働ノ供給不足ハ考エラレズ、需給ノ Unbalance ニヨル労働賃銀ノ急騰ハ Neglect シテモヨイ。」「Neg−lect」——無視していい。
この杉本伸線というのが、昭和四十七年ごろから三井物産の先導で韓国への進出を計画し、四十九年に韓国の馬山輸出自由地域に進出し、五十年には全面稼働に入っております。この結果どうなったか。東大阪の杉本伸線は、韓国杉本の全面稼働と符牒を合わせて、日本国内では二百人の人員整理を打ち出し、続いて五十年の九月には、ついに会社解散、全員解雇を強行いたしました。
日本人投資業体が九三%を占めている馬山輸出自由地域の場合は一言でいって生地獄である。五万の女工が一日一〇時間から一時間労働で、休日もなしに月平均一万三〇〇〇ウォンを受けとる。韓国人業体より賃金は三−四〇〇〇ウォン多いが日給制であり雇傭契約なしの条件であるからかしゃくなき解雇の危険がある。この地域にたいする具体的調査がなされるべきである。」こんなことが書いてあります。
韓国の馬山輸出自由地域などにおける日本企業の低賃金について、さきの本委員会におきまして私質問いたしましたが、韓国の賃金は、東南アジアの諸国に比べますと、まだしも低いほうとは言えないのではないかと思います。
○政府委員(高島益郎君) ただいま星野先生の御指摘の馬山フリーゾーンにおける日本企業の賃金水準の問題でございますが、この点につきまして、わがほうの釜山総領事館のほうで、現地におもむきまして、現地のこの馬山輸出自由地域管理所及び労働庁の馬山事務所を通じまして、馬山フリーゾーンにおける日本企業の賃金水準を調査いたしました。
しかしながら、馬山輸出自由地域に対する投資については、出資比率が一〇〇%のものでも原則的に認めることになっているようであります。 いずれにせよ、わが国の対外投資にあたっては投資受け入れ国との協調融和をはかり、その国の経済発展に寄与するように配慮すべきであり、このような観点から政府としても、投資受け入れ国の外資政策に沿うよう積極的に企業を指導してまいりたいと思っております。