併しこれに對して若し假りに犯罪捜査に限定したとするならば、最前のお話のように、況してや一般の類推解釋としてもこの權能を大いに尊重せねばならんはずでありまして、當然ではないかと思います。これが法規解釋の通念であります。然るに現行犯の場合であるとか、或いは犯罪捜査に關する場合、その場合においてさえ尚且人權を尊重せんがために當事者の承諾なくして強制檢査はできないということになつております。
岡田喜久治
假りに一歩を讓つて犯罪人についてのみであるということを言いましても、この類推解釋から犯罪人であつても、司法官憲の特別の令状が、格別の令状がなければならないのであるから、一般の人に對してはできないということは明らかであるのであります。犯罪人に對してもそういう嚴重な規定があるのであるから、犯罪人でない善良な一般人に對しては、できないことは誰が考えても當然のことであります。
齋武雄
そうすると、この職務權限に對する文字を類推解釋をして、押し廣めていつて、そこえもつていこうというのですが、それはとんでもないことだ。それについては憲法違反の議論が出ておる。しかも犯罪があつて捜査にいくとか、あるいはその他臨檢するということであれば差支えないが、犯罪でないのに出ていつて臨檢檢査をする。住所の安寧を紊るというおそれが十分にあることを、本案でもこの理由の中に認めておる。
花村四郎