1962-07-19 第40回国会 衆議院 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第3号
従いまして、場合々々によって違いますが、現在の時価が額面そこそこである、あるいは額面を割っておるというようなときに増資の必要があった場合、無理に株価を操作して額面以上に上げて失権を防ぐというようなことをやるよりも、はるかに無理のない価額でもって無額面で出してもらった方が望ましいのではないかと思います。
従いまして、場合々々によって違いますが、現在の時価が額面そこそこである、あるいは額面を割っておるというようなときに増資の必要があった場合、無理に株価を操作して額面以上に上げて失権を防ぐというようなことをやるよりも、はるかに無理のない価額でもって無額面で出してもらった方が望ましいのではないかと思います。
たとえば、株式会社として株式市場に上場されておりまする製糸会社の株というものは、昨今は、いろんな事情からちょっと上がって参りましたが、大体額面そこそこでございます。配当いたしておりまするのは、郡是製糸と昭栄製糸でございますが、郡是は今日では製糸会社とは言えない。その製品の六割は製糸以外のものであります。
日本のごとく大体額面が九九・九%あるという証券界におきましては、額面そこそこに普通の株価があるというところでは、増資は絶対に不可能となると思うのであります。やはり当分の間は、事業会社は積立てをなるべくたくさん持つて、そうして相当の配当もしながら増資をして行くのが実情に適しておると私は信ずるのであります。事業会社の経営といたしましても、大体なるべくたくさんの積立てを持つということが健全であります。