1959-12-23 第33回国会 参議院 本会議 第18号
ゆえに、その共同宣言には、「軍事境界線はいかなる点においても決して政治的または領土的境界線として解釈することを許さない暫定的な線である」と明記されてあります。いずれにいたしましても、ベトナム共和国はベトナム全体を代表する正統政府であることは、国際法上の厳然たる事実であります。
ゆえに、その共同宣言には、「軍事境界線はいかなる点においても決して政治的または領土的境界線として解釈することを許さない暫定的な線である」と明記されてあります。いずれにいたしましても、ベトナム共和国はベトナム全体を代表する正統政府であることは、国際法上の厳然たる事実であります。
しかし、日本は、申すまでもなく、ジュネーブ協定の当事国ではないのでありまするから、条約上何らの拘束を受けないことはもちろんでありまするが、たとい、このジュネーブ協定を全面的に尊重する立場におきましても、これは南北の戦闘行為を停止するための純然たる軍事的休戦協定でありまして、決して、何らの政治的または領土的境界線を定めたものでないことは、その共同宣言において明々白々なところでございます。
つまり政治的な境界線とみなさないということは、二つの政治的な単位、つまり二つの国家とみなさない、領土的境界線とみなさないということも、領土が二つで二つの国家であるという解釈は許さない。つまり国際的に見ましても、ベトナムは一つの国家として取り扱うというのがジュネーブ協定に参加したすべての国、従ってまた他の諸国の態度でもあるのであります。
○藤山国務大臣 御承知の通りジュネーブの休戦協定というものは、政治的あるいは領土的境界線ではございません。従いまして統治力をそれ以上に伸ばすか伸ばさないかという問題をきめた問題ではないわけであります。でありますから一応そういう軍事休戦線として、そういうことが行なわれておるのでありまして、そういう意味において休戦線というものが認められておるというふうに考えております。
(拍手)さればこそ一九五四年のジュネーブ会議には、ベトナム民主共和国とベトナム国の両者がともに参加し、その最終宣言では、現在の南北ベトナムの十七度境界線は、軍事境界線として暫定的なものであり、政治的または領土的境界線とは解釈し得ないこととなっています。そしてベトナムは、独立、統一、領土保全の原則を尊重して、自由選挙によって民主的に政治的に問題を解決すべきことが望まれております。
いかなる場合においても、政治的または領土的境界線をなすものでないことを確認しておるのであります。今回の南ベトナムに対する賠償をもって全べトナムに対する賠償にかえようとする政府の態度は、明らかにジュネーブ宣言に反するといわなければならぬと思うのであります。
それから諸外国もやはり同じ立場をとっておるわけでありまして、五四年のジューネーブ会議で十七度線を境にして一つの境界線が引かれましたけれども、あのときにもはっきりと、軍事境界線はいかなる点においても政治的または領土的境界線と解釈することを許さないで、暫定的なものである、そういう了解がはっきりと書いてあるわけであります。