1947-09-30 第1回国会 衆議院 国土計画委員会 第13号
キリスト殉教の夢と傳説を秘めた不知火の有明、八代の海を抱き、はるかに肥薩連峰に火を吹く大阿蘇を眞近かにながめ、西は頼山陽の「雲か山か呉か越か」の洋を拡げ、北は津早、千々岩の兩海峽を横たえて雲に霞む雲仙を軒端に見、南は太平洋の波に洗わるる周圍七十六里と三十五里の二島を取り巻く百九つの島島から成る五十七万里、人口二十五萬、戸數三萬九千五十六箇町村、全島公園の群島でありまして、右に豪壮阿蘇、左に妖麗雲仙、雨奇晴好
キリスト殉教の夢と傳説を秘めた不知火の有明、八代の海を抱き、はるかに肥薩連峰に火を吹く大阿蘇を眞近かにながめ、西は頼山陽の「雲か山か呉か越か」の洋を拡げ、北は津早、千々岩の兩海峽を横たえて雲に霞む雲仙を軒端に見、南は太平洋の波に洗わるる周圍七十六里と三十五里の二島を取り巻く百九つの島島から成る五十七万里、人口二十五萬、戸數三萬九千五十六箇町村、全島公園の群島でありまして、右に豪壮阿蘇、左に妖麗雲仙、雨奇晴好
右に豪壯阿蘇、左は妖麗雲仙、雨奇晴好、氣象萬千、海は雄大無比の天草灘の巨濤が磯を洗う、これが天草風景の大觀であります。個々に景勝を求めますならば、あるいは白砂青松、長汀曲浦、あるいは奇岩怪礁、高きに登れば展望の美に浮世を忘れ、豪壯の氣はおのずから日本文化の發祥、昇天の氣となり、低きに遊べば磯打つ波に塵界を忘れ、思索の世に立つ日本各地の代表的景勝を一島に集めた景觀の土地であります。