1950-07-20 第8回国会 参議院 農林委員会 第2号
特に濁酒等についての話もあなたの御説の通りで、すでにあの高い酒が東京辺りの市場でも闇酒に圧迫されて売れなくなつている位に大量に生産されております。
特に濁酒等についての話もあなたの御説の通りで、すでにあの高い酒が東京辺りの市場でも闇酒に圧迫されて売れなくなつている位に大量に生産されております。
それに伴いまして値段も引下げまして、本来の清酒を安く、多く造りまして、闇酒等を駆逐して行くという方向に参るというのが本来の私共の考え方でございます。
それに去年二月頃でも、正規酒と、一級酒のレツテルを付けた闇酒と、嫌われて戻された特配酒が氾濫して、一升と五合のくじ付きでも売れず、それに又近頃は猪口呑み、コツプ酒では捌けぬのか、明日の元気を出すため枡呑み歓迎というビラを酒屋にかけて、一升枡を並べております。
酒を増徴しても所得税に行くかということも問題があるのでありますが、私は闇酒その他のことを考えまして、所得税の減税、これ以上の減税もさることながら酒の方の増税を、シヤウプ案によつて行くことは如何なるものかということを考えているのであります。従いまして今のところは大体の線はシヤウプ案によりますが、酒の方はシヤウプ案に全面的に乗らない。そうして税の方はできるだけ軽減したい。
今までのカストリを追拂つてしまつて、闇酒のカストリを追放してしまつて、これが税金でみんな入ることになつたのであります。こういたしますると、四百数十億円のはつきりした増收が今実際に出て来ておるのであります。併し実際の面を見ますと、中小商工業者或いは農業者の千九百億円に上る所得税は少し見込が多いのじやないか。
それに、三月の日本経済新聞に記載の、諸國に氾濫する正規酒と、闇酒と、特配の戻され酒のもてあまし方、一等一升、二等五合の「くじ」付きでも捌けぬ始末‥‥。ここで政府も國家の財源のためには手段を選ばずというふうで、未成年者禁酒法等でも大いに圧迫しておる様子が見えるのであります。全國の母親は皆泣いておるのであります。
往來に一歩足を踏み出せば、禁制品の販賣から、裏口営業と、闇酒がその跡を絶たず、関係当局者の中にも日本政府の不誠意を罵つておる人も少くないのであります。前々内閣以來の與党は機会あるごとに内外に向つて民主自由党の惡宣傳をし、自分たちでなければ政権を取ることさえも許されないであろうとし、又自分たちでなければ日本の民主化が行われないと言つておつたのは、諸君御承知の通りであります。
今日のように國費多端であつて、そうしてインフレーシヨンが昂進しており、財政の辻褄を合せることが困難である時に、そんな公團のようなものに力を入れるよりも、今の闇酒の、闇の釀造でありますが、その方面に徹底的に力を入れることこそ、今日の我が國の財政難を救う所以でもあり、國民道徳を昂揚せしめる所以でもあろうと思う。私は再びこれを強調せざるを得ぬのであります。
私の考えを以てすれば、そういう配給公團に從事する人を養う代りに、むしろ今日一部の人の闇の釀造、闇酒が殆んど常識のように或る地方においてはなつておるし、特に第三國人又は特殊の人が祕密釀造をやつておつて、取締る人も本当にこれを取締り得ていないという方面に力を入れるのが、私は本当であろうと思うのであります。
現在の闇酒と稱せられるものから比較いたしますと多量ではありません。