1974-05-14 第72回国会 参議院 商工委員会 第14号
しかし、この期間中に、業界内部においても大きな変化がありまして、とりわけ外貨準備が百九十億ドルにも達したというのを機会に、東レ、帝人、東洋紡、鐘紡等の独占企業は、海外に対して資本輸出を一そう拡大してきましたし、また、極東三国を中心に繊維製品輸入が急増してまいりました。また、国内の消費需要にささえられて、二次加工のニット化や既成服化が進行しました。
しかし、この期間中に、業界内部においても大きな変化がありまして、とりわけ外貨準備が百九十億ドルにも達したというのを機会に、東レ、帝人、東洋紡、鐘紡等の独占企業は、海外に対して資本輸出を一そう拡大してきましたし、また、極東三国を中心に繊維製品輸入が急増してまいりました。また、国内の消費需要にささえられて、二次加工のニット化や既成服化が進行しました。
当時、政策目標に全然欠けておりまして、とりわけ七二年に外貨準備高が百九十億ドルに達したのを機会に、東レ、帝人、東洋紡、鐘紡等の海外への資本輸出が一そう拡大しましたし、また極東三国を中心に繊維製品輸入の急増が目立ちました。国内の盛んな消費需要にささえられて二次加工製品のニットー化、既製服化が進みました。これらの問題は、あげて当時の構造改善措置法が常に状況に立ちおくれておった問題でございます。
住友金属やあるいは出光興産、さらに日清紡、鐘紡等に見られますそれらの生産調整体制が非常に大きな動揺を来たしておる。この動揺を来たしたのにはいろいろの理由があろうと思うのでございますが、その状態を分析してまいりますると、われわれが非常に表面的に見ておりましたものとは相反しまして、大企業間のいわゆる高圧的な相互依存関係の形成という面においても、これは未成熟の状態が業態の中にある。
たとえば東洋紡、鐘紡等が、原糸、生地の生産分野でありましたにもかかわらず、ワイシャツでありますとか、男子、婦人服であるとか、くつ下であるとか、ふきんであるとか、こういう関係に入ってきておる。
そこで、端的にお尋ねするのですが、合理化による大量の首切りはないようなお話をさっきおっしゃったけれども、現にたとえば帝国人絹、あるいは鐘紡等も、これは合理化によって今非常な困難に逢着をしておるはずです。そのほかに、たとえば日本水素等もそうでしょう。現に三井等は六千人からの首切りを発表して紛争に入ろうとしている。
しかしながらたとえばお話にありましたような大産業である鐘紡等において、ああいう状態が出てきた。これは鐘紡の当局者等について私もいろいろ話を承わりましたが、なるべく人員整理というふうなことはやるまいということで操短が行われておるにもかかわらず、大産業においては今日までいわば余剰労働力というふうなものをかかえ込んできておった。そういうものがやはり今日の段階でいろいろな形で現れてきておるわけであります。
さらに日本の産業の実態を見まするに、紡績界におきましては、東洋紡あるいは大日本紡、鐘紡等は三井系であり、呉羽紡は住友系であり、これらが富士紡、日清紡等とともに日本綿布生産の九〇%を独占していることもまた事実であります。石炭界においては、三井、三菱、住友系が四〇%を独占し、石油界は、三井系が外国資本と結合して九〇%を独占しております。