1968-04-16 第58回国会 参議院 法務委員会 第10号
それから第二百十一条は、現行法が「業務上必要ナル注意ヲ怠り因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ三年以下ノ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷二致シタル者亦同シ」というところの「三年以下ノ禁錮」という個所を「五年以下ノ懲役若クハ禁錮」に改めるものでございます。
それから第二百十一条は、現行法が「業務上必要ナル注意ヲ怠り因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ三年以下ノ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷二致シタル者亦同シ」というところの「三年以下ノ禁錮」という個所を「五年以下ノ懲役若クハ禁錮」に改めるものでございます。
たとえば刑法の第二百十一條に「業務上必要ナル注意ヲ怠リ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ三年以下ノ禁錮又ハ千円以下ノ罰金に処ス、重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷ニ致シタル者亦同シ」とありますが、このうち「重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷ニ致シタル者亦同シ」は第一回國会で改正されたものでございます。
尚「重大ナル過失ニ因リ人ヲ死ニ致シタル者亦同シ」とありまして、重大なる過失の結果傷害を與えた場合に、二百十條によりまして重大なる過失によつて人を死に致した場合との刑の均衡に非常に差があるではないか、という点につきましても、全くその通りでございまするけれども、二百十一條にも千円以下の罰金という罰金刑にする範囲が定まつておりまして、法の運用におきましては、重大なる過失に因つて傷害を生じた場合には、殆ど二百四條
○松井道夫君 二百十一條で後段として「重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷ニ致シタル者」とあります。私共拜見いたしますと、そうすれば業務上必要な注意を怠つて、而もこれは業務上重大な過失で以て死傷に致した場合は、それじやどうするかということがすぐ疑問に出て参ります。それから、過失を軽過失と重過失に分けるということも、刑法上余りないのではないかと存ずるのであります。
それからこの「重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷ニ致シタル者亦同ジ」というものを加えましたのは、人の身体並に生命に対する保障を厚くしたいという趣旨にあるのであります。非常に注意義務の懈怠程度が大であるという者に対しましては、業務上の注意義務を怠つた者と同一に扱つて差支えないのじやないかと、かように考えまして「三年以下ノ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金」という刑で等しく罰するというふうに考えたわけであります。
次は第二十八章の「過失傷害ノ罪」の中の第二百十一條でありまして、「業務上必要ナル注意ヲ怠リ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ三年以下ノ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス」、この第二百十一條の次に、後段として、「重大ナル過失ニ因リ人ヲ死傷ニ致シタル者亦同シ」、かように附け加えました。