1987-02-03 第108回国会 参議院 本会議 第4号
○国務大臣(近藤鉄雄君) 一昨年のいわゆるG5プラザ合意以来、円高そして原油価格が低下いたしましたので、この二つの現象から輸入支払い額が節約になったわけでございますが、これを当庁で計算をいたしますと、先生も御指摘ございましたように、十四兆円ばかりになるわけでございます。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 一昨年のいわゆるG5プラザ合意以来、円高そして原油価格が低下いたしましたので、この二つの現象から輸入支払い額が節約になったわけでございますが、これを当庁で計算をいたしますと、先生も御指摘ございましたように、十四兆円ばかりになるわけでございます。
他方、輸入支払い額の減少ということは多いわけでありますけれども、輸入関連企業のこうした所得増加といったようなもの、これが輸出と輸入というところで両者それぞれ偏在をしている。収入の減ったところにとりましては、これは企業の存亡にかかわる、こういうことで大変にデフレ効果が強くなっている、こういうことではないかと思われます。
そういうことで、輸出収入の減少というのは、輸入支払い額の減少の半分程度にとどまる、こういうことで、差し引きむしろ国民所得としては増加をする、こういうプラスの効果があるわけでございます。こうした効果が実際に最終需要にあらわれてくるまでには大体三四半期ないし一年程度のタイムラグがございます。
そういたしますと、原油に対する輸入支払い額というのは二兆三千億円ぐらい節約になります。つまり、二兆三千億円分その時点におきまして名目GNPは増加をするわけでございます。この増加をした名目GNP、これが国内の物価安定を通じまして最終的な部門、つまり家計部門とか企業部門に回っていくにつれまして国内物価がだんだんと下がってくる。
四番目の点は、輸入支払い額が減少するということでありますけれども、これはいわば日本が外国から製品あるいは原材料を輸入するに当たりまして、外国に対して支払う購買力の節約になるということで、国内購買力の増加が期待できるということであります。それとともに、物価がより一層安定するだろう、こうしたメリットがございます。