1991-04-24 第120回国会 参議院 大蔵委員会 第11号
たしか総理は、後方支援だから安全だ、前線に出るわけじゃないから安全だとおっしゃいましたけれども、私は、必ず一番最初にたたくのは後方だよ、日露戦争から日清戦争の時代に「輜重輸卒が兵隊ならばチョウチョトンボも鳥のうち」という言葉が言われて後方の輸送部隊がやゆされたことがあるんですよ、そう申し上げた。そのとおりにアメリカのあのハイテク軍事力で後方が完壁にたたかれたんですよ。
たしか総理は、後方支援だから安全だ、前線に出るわけじゃないから安全だとおっしゃいましたけれども、私は、必ず一番最初にたたくのは後方だよ、日露戦争から日清戦争の時代に「輜重輸卒が兵隊ならばチョウチョトンボも鳥のうち」という言葉が言われて後方の輸送部隊がやゆされたことがあるんですよ、そう申し上げた。そのとおりにアメリカのあのハイテク軍事力で後方が完壁にたたかれたんですよ。
それは、輜重兵というのは明治時代には「輜重輸卒が兵隊ならばチョウチョ・トンボも鳥のうち」とか「輜重輸卒が兵隊ならば電信柱に花が咲く」とか、そういうように言われて卑しめられた。しかし、今では補給や輜重というのは極めて大事で、防衛庁でも作戦の基盤である。日本軍も、私が言いました作戦綱領やら参考を書いた時代には、昭和になってからですが、そのときには十分に重要性を認めておるのです。
例えば、後方任務後方任務といいますけれども、日清から日露にわたりましては、後ろで物を運ぶ人たちを輜重隊と言いましたね、輜重輸卒。輜重輸卒が兵隊ならばチョウチョトンボも鳥になるというのですね。そのくらいばかにされておったわけですよ。だけれども、今は違うのです、今の戦争は。一番最初に後方をやりますからね。
私は昨年十一月の末に就任をいたしまして、国会でいままで御厄介になっておるのですが、まあ専門的な用語は別にいたしまして、運輸行政というものについて、とかく悪いことばで言うと、明治時代から輜重輸卒が兵隊ならばチョウチョ、トンボは鳥のうちというような、輸送というものを軽べつしたようなことばも日本にはあります。
交通問題というものがとかく、何といいますか、軽視されておるとはいいませんけれども、新しい時代に入っておるのに——ここに菅野大臣もおられて、明治生まれの人にたいへん失礼でありますけれども、戦争のなくなった昭和二十年前、軍隊のあった時分に、軍隊の中の悪いことばで、輜重輸卒が兵隊ならば、チョウチョトンボも鳥のうちというような歌がありまして、輸送というものを非常に軽視した傾向が私はあったと思う。
ですから私は心の中で、ああこういうことをやつて、まあ世間で言う軍隊にするというならば、アメリカのこれは輜重輸卒じやなと、海軍の、日本で言うならば。そんなような恰好のものじやないか、こう考えて来たのです。給与の問題でも輜重輸卒の給与だ。