これにつきまして、実際に公式の配置転換勧告すべきものかどうかということにつきまして慎重調査しておる。これは労働組合側の要求が、むしろ慎重に検討した上での勧告を出してくれというような要望もございまするので、さよう扱っておるのであります。従いまして今日までのところ、けい肺法に基きまする配置転換の実績はございません。
通産省はこれに基いて、行政面において重油の工場別消費規制を意味するワクの設定や、重油専焼設備の石炭専焼設備への転換勧告を次々と出してきたのであります。このような過去の事実によって考えますと、本法案の目的は当然重油の一般的需給の調整であります。 従って、本法案上程の前提条件として、第一に経済政策的裏づけが必要であります。
たとえば、これらの問題に対して政府があえてこの法案を成立しようとするゆえんのものは、この一年間に何ら法的根拠もないところの行政指導と称して、重油の工場別消費とかその他のワクの設定、重油の専焼設備の石炭専焼への転換勧告を矢つぎばやに行なった事実は、必ず本法案の成立を期して、ボイラー以外の重油に対しましても、石炭対策の名のもとに、あらゆる制限をすることは火を見るよりも明らかで、これが目的なんだ。