1948-12-12 第4回国会 衆議院 本会議 第10号
私は、ここに新しく、ある種類の犯罪については起訴陪審制の採用を考えて見なければならぬと考えるものであります。 ある刑政家が、新國を刑するには軽典を用い、中國を刑するには中典を用い、乱國を刑するには重典を用うと述べておりますが、私は、今現在の日本を見まして、幸いに乱國とは見ないのであります。
私は、ここに新しく、ある種類の犯罪については起訴陪審制の採用を考えて見なければならぬと考えるものであります。 ある刑政家が、新國を刑するには軽典を用い、中國を刑するには中典を用い、乱國を刑するには重典を用うと述べておりますが、私は、今現在の日本を見まして、幸いに乱國とは見ないのであります。
しかして、公訴権の実行について國民の健全な常識を反映せしめる最も徹底した制度は、英米における起訴陪審、すなわち起訴するかしないかは陪審で決定する方式であろうと思われまするが、わが國の国情と、殊に從來行われていました裁判についての陪審制度の経驗と、英米における起訴陪審の実績とを詳細に研究してみますと、今にわかにこの起訴陪審制を採用することは必ずしも適切でないように考えられるのであります。