1972-05-08 第68回国会 衆議院 運輸委員会 第17号
即ち、財政運賃的な運賃改正から一転して、企業運賃的な運賃改正への発足である」、このように述べておられます。この文章から考えますと、公共の福祉を増進するための国鉄の使命は、二義的になってしまっております。「能率的な運営により、これを発展せしめ」という手段と、「もつて公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本国有鉄道を設立する」という本来の目的と、その手段とがあべこべになっている。
即ち、財政運賃的な運賃改正から一転して、企業運賃的な運賃改正への発足である」、このように述べておられます。この文章から考えますと、公共の福祉を増進するための国鉄の使命は、二義的になってしまっております。「能率的な運営により、これを発展せしめ」という手段と、「もつて公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本国有鉄道を設立する」という本来の目的と、その手段とがあべこべになっている。
これは今まで大分問題になりましたが、経濟運賃であるべきものが、財政運賃になつたということが言われております。それで経濟運賃が財政運賃になつて、今言つたように國家財政そのものを破壞するようなところへ行つておる。ところが更に問題が進んで、いろいろな党派の関係から、倍率に変化が生じて修正案も出て來ております。そうして或るところへ落着こうという趣きが見えておる。
参議院の運輸交通委員会において、政府側は、今度の改正運賃はいわゆる経済運賃ではなくて財政運賃だと答えて平然としておりまするが、この財政運賃だという答弁こそは、一般勤労者大衆から運賃として大衆的な方法で金を巻き上げる方法であるということを簡潔に言い表わしておると言つて差支えないと思います。
○中村正雄君 從來の例からと盛んに言われておりますが、大体貨物も旅客も運賃は経済運賃でなくてはいけないと思いますが、今度の法案によりますと、これは財政運賃でという感じしか受けられないように考えております。それは措きまして、今のような関係で貨物運賃は非常に下廻つておる。ところが一億三千万トン輸送しなければいけない。こういう要請があるわけなんですが、貨物につきましては輸送すればするだけ赤字が多くなる。