1999-08-03 第145回国会 参議院 国旗及び国歌に関する特別委員会 第5号
今回意見陳述を求められております国旗及び国歌に関する法律案が提起しております問題を、私たちのように国民、国家、近代の共同体を研究する立場から一言で定義するといたしますと、これは国家の象徴政治の問題であると言うことができると思います。
今回意見陳述を求められております国旗及び国歌に関する法律案が提起しております問題を、私たちのように国民、国家、近代の共同体を研究する立場から一言で定義するといたしますと、これは国家の象徴政治の問題であると言うことができると思います。
だから、国旗とか国歌とかというものはネーションステートをまとめていくための一つのシンボル操作といいますか、象徴政治といいますか、そういうことであって、何か国旗と国歌がこうなれば人生すべてそれで決まりと、だからそれをやろう、あるいはだからそれはいけない、そうまでの議論とはちょっと違う。
そういう感覚からすると、その辺のところから出ているということが、この共同声明にあるように、戦後の状態のなし崩しの清算にほかならない、こういう表現が出てきたり、「すべての議論を沈黙させけりをつけて、「戦前」との連続性を再導入しつつ「二一世紀」に向かおうとする日本国家のあらたな象徴政治の身ぶりに他なりません。」