2006-12-07 第165回国会 参議院 法務委員会 第6号
また、信託法案第二十三条第二項において、委託者の債権者は詐害信託取消し訴訟を提起することなく、直ちに信託財産に対して強制執行等ができることとしており、さらに信託法案第十四条においては、不動産のような登記・登録制度のある財産については、信託財産である旨を登記、登録しなければ、信託財産であることを第三者に対抗できないこととして、濫用防止の措置を講じておるところであります。
また、信託法案第二十三条第二項において、委託者の債権者は詐害信託取消し訴訟を提起することなく、直ちに信託財産に対して強制執行等ができることとしており、さらに信託法案第十四条においては、不動産のような登記・登録制度のある財産については、信託財産である旨を登記、登録しなければ、信託財産であることを第三者に対抗できないこととして、濫用防止の措置を講じておるところであります。
しかしながら、委託者の債権者を害する信託は詐害信託にほかならず、民法四百二十四条一項の詐害行為取消しの対象となるものであります。しかも、信託法案におきましては、詐害信託である場合には債権者は詐害行為取消し訴訟を経ることなく信託財産に対する強制執行等を行うことができるものとされております。
その点につきましては、例えば委託者の債権者の立場を考えますと、先ほども少し意見を述べましたように、詐害信託という評価が加えられる場合には直接強制執行ができると、詐害行為取消し訴訟を経ずにいきなり強制執行ができるという手当てがなされております。そういう形で、正に債権者を害する形での自己信託というものはそこで相当程度ブレーキが掛かる仕組みになっております。
それから、先ほども御発言がありましたが、委託者の債権者は詐害信託取消しの手続を経ないでいきなり信託財産に対して強制執行をしていくというようになっております。さらに、一般的なことといたしまして、公益確保の観点から、必要があるときは裁判所が信託の終了を命じることができると、こういうように何層もの手当てを講じているわけでございます。
それから、何と申しましても詐害信託の取消しが一番問題になるわけでございますが、これにつきましては、通常のような詐害行為の取消し訴訟を提起して、詐害行為を取り消した上で財産を取り戻してくるというようなことを不要にいたしまして、直接に委託者の債権者が強制執行を自己信託をされている財産にすることができるというようなことで、逆に受託者側で異議の訴えを提起しない限りこれを排除することはできないという仕組みにいたしております
まず、債権者詐害の懸念への対応として、自己信託の設定に公正証書などの書面を要求し、また、自己信託以外の信託とは異なり、委託者の債権者は、詐害信託取り消し訴訟を提起することなく、直ちに信託財産に対して強制執行などができることとしており、またさらに、不動産のような登記、登録制度のある財産については、信託財産である旨の登記、登録をしなければ自己信託の信託財産であることを第三者に主張できないこととしております
また、自己信託以外の信託では、裁判所によって詐害信託の取り消しがされて初めて委託者の債権者は信託財産に対して強制執行することができるのに対しまして、自己信託では、委託者の債権者は、詐害信託取り消し訴訟を提起することなく、直ちに信託財産に対して強制執行等ができることとしておるわけであります。
そして、その悪用を防ぐために、今回の改正法案では、公正証書作成の義務づけや詐害信託の取り消し、あるいは信託監督人等の第三者による委託者兼受託者の監視といった対策が施されていますが、これがどれほど実効性があるのか。そして、この法案の附則の二項の自己信託に関する一年の経過措置の趣旨についてどうなのか。これらの諸点について、法務省のお考えをお伺いしたいと思います。