1959-06-25 第32回国会 衆議院 本会議 第3号
ソ連の大きなる勢力に対抗するためということで、今まで仲の悪かった西独アデナウアー首相とフランスのド・ゴール大統領とが手を握り、西欧連合へ、あるいは共同市場へと踏み切っていることは、一つの大きなる変化といわざるを得ないのでありまするが、われわれも、これを他山の石として、十分注目に値する動きであると考えなくてはならないのであります。
ソ連の大きなる勢力に対抗するためということで、今まで仲の悪かった西独アデナウアー首相とフランスのド・ゴール大統領とが手を握り、西欧連合へ、あるいは共同市場へと踏み切っていることは、一つの大きなる変化といわざるを得ないのでありまするが、われわれも、これを他山の石として、十分注目に値する動きであると考えなくてはならないのであります。
英国の核兵器を中心とする新国防計画への転換、西独アデナウアー首相の原子武装宣言、また去る五月三日、NATO理事会最終コミュニケによって見るも、NATO加盟諸国が、いよいよ原子力戦略体制に踏み切つたのであります。このような背景のもとになされた岸発言は、日本の将来の防衛計画に大きな転換をはかろうとする予備行動にほかなりません。
西独アデナウアー首相はブレンタノ外相などの異論を押え、ボーレン・アメリカ大使の牽制に屈せず、ドイツ国民の悲願のために戦争終結、国交回復を三日間で妥結したではありませんか。 首相は重大な決意をもって、あなたが国民に公約した方針を死守し、松本全権をあなたの直接の代理者としてロンドン会議再開に臨ましむべきではありませんか。