英国社会で生活をしたときに最初に覚えた言葉がマインという言葉です、自分のものだと。その次はノーという言葉ですね。これはやっぱり権利の極めて確立した社会で最初に覚える言葉なんですね。日本人が覚えている言葉は大体うまうまかママですよね。人に依存するというか、人に頼る。
政策路線が百八十度転換して市場経済化に急激に進んでいったわけでございますが、当時の英国社会は極めて厳しい状況に国民のすべてが置かれたわけでございます。 例えば、学校給食におきましては、ミルクが一本ずつ子供たちに配られていたのが、サッチャー政権になりましてなくなりました。彼女は、サッチャーではなくてミルクスナッチャーだ、ミルクを奪った女なんだというふうな声が上がりました。
これは英国社会保障制度の一点景ではありますけれども、しかし、ここにこそ人間の生活の権利と社会の国民に奉仕すべき義務とがまつたく渾然として溶け合つた新しい民主主義の家族制度の姿があるのである。